87 【身内】時数えの田舎村【R18G】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
>>編笠
「さみ……しー……なー」
大事な友達と再会できたのに。
夕凪に楽しい夏を与えると決めたのに。
やっぱり隣に誰かがいないと寂しいんだ。
何故か心の何処かでもうすぐ終わってしまいそうな気がする。
"あの狼の子"が寂しがっているのがわかる。
自分と似たような感じがした、あの子。
大事な誰かに隣に居て欲しかったあの子。
突然傍にいなくなる寂しさや辛さを、
思い出してしまったのが運のツキだ。
夢ならば都合よくずっと夢のように過ごしていたかったな。
なんだか心まで女の子になってしまうのかもしれない。
だけど、いまこのままで聞きたいことがある。
聞いておかないと。
「よっし。編笠を探そう」
たとえ、この夢が終わったって。
伝えたいことは変わらないけれど。
動かなければ始まらないよね。
編笠
「うん、探してた。どう? 浴衣似合っているかな。
みんなに褒めてもらったから聞かなくても返事はわかってるけれど」
話しかけてくれたのは、暗い顔をした魚を見つけてくれたのはあなただったのに。
今の印象はなんだか黙ってばっかりの人だ。
本当にその口が開くのはいつなのか。
いつまでも待てる気分なのは確かだけれど。
「編笠くん、ここに来て、ここで話してくれたこと。
――何処まで本気にしていい?
夕凪は、夜凪が居ないとすぐに落ち込む寂しがり屋さんで。
夜凪は、夕凪のことになるとすぐに考え過ぎるお節介屋。
まだ、夕凪たちのことが好きで。さ。
代わりになってくれるっていってくれるかな。
ううん、代わりとかじゃなくって。
居て欲しいなって頼んだら、隣に来てくれる?」
「…誰も置いてきゃしないって。な。」
不安がるアカネにぽんぽんと頭に軽く手を置く。
こういうの、ガラじゃないって?
うっせー、ほっとけ(笑)
「…卯波には昨日言ったけどさ、今生の別れじゃないんだし
望めば会えるよ、俺は。まぁ受験やら大学で忙しくなるし、
アキラに至ってはどうなるかわからんけど…。」
でも、と続ける。
「俺は何処にも行かないし、俺たちはずっと友達だ。
8年くらいしか村には居なかったけど、
今の俺を作ってるのはその8年間だし
その中でお前たちと会えて良かったって思ってるよ。
…ありがとな。」
最後の花火が咲いて散る。
きっと俺はこの花火を忘れないのだろう。
例え、これが泡沫の夢だとしても。
「ふふふ、みんながついてきてくれたら、
置いてくこともないですかね〜?」
なんて、意地悪なことも言ってみたり。
「みんなが忙しかったら俺が会いに行きます。
幸い、漸く進路が決まったところで、
全然時間がありますからね。
俺もみんなと会えてよかった。
この田舎で生まれて本当に、よかった」
自分らしくあれるのは、
この田舎の人たちの前だから。
性別とか、そういうしがらみから離れられる。
最後に咲いた花火も、四角形のなかに切り取った。
田舎を楽しむための行事が、田舎を終わらせることに繋がることに気付いている。
それでも、この田舎のことを愛していた。それだけだ。
| (a35) 2021/08/16(Mon) 20:59:10 |
編笠
「そっか、……わかった。
じゃあ、――いまは夕凪と編笠の夢で、一夏の思い出
難しいことを考えないで」
あなたの思い出と、夢と、夕凪が重なる。
ゆっくりとその頬に手を触れて、優しく撫でた。
「答えられなかったのは、どうしてかなって考えていた。
はじまりすら与えられなかったのはなんでかなって考えた。
それは、――なにも物語が紡がれていないから。
君も夕凪も、黙ったまんまだ――……ねえ、一つだけお願い」
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