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【人】 アンドロイド 赤月 ーアカツキーアカツキ→ハテマ 秘密取得 「……飯の用意できたぞ」 昼のメニューは、カレーライスとシーザーサラダ、 オレンジジュースの寒天ゼリー。 使用しているカレー粉には中辛と書かれている筈なのに、 ハテマにぶちこまれたクックパッドのレシピ通りに作ると 甘口のように甘くなるらしい。何でだ。 ちなみにあんまりカロリーの多い食事を作ると、マツリカの奴に 美味しすぎて太っちゃうとか言われる。知るか。 デザートをカロリー控えめのあっさりした物にしてあるのは 愛情をひとつまみ的な優しさだと思う。 ちなみに食事の時は二人の食べる様子を(健康管理の一環として) 観察したり、後片づけをしたりしている。 (15) 青磁 2019/08/30(Fri) 21:35:31 |
【人】 アンドロイド 赤月 ーアカツキーマツリカはハテマに頼まれた物を買いに行った。 ハテマは研究スペースの方に行った。……俺は、 「……めんどくせ」 天才である事と、人間性に優れていることは両立しない。 後でマツリカが片づける事になるんだろう、床に散らばった書類を踏みつけてしまって、 そんな言葉を思い出していた。 研究スペースには基本的に食べ物は持っていかないが、 水分補給は必要なので、こぼれない容器に糖分の入ったドリンクを 入れて持って来たりはする。 「……なあ」 今は何かまた研究しているらしい。 飲み物のお盆を手近な所に置いて、俺はハテマに話しかける。 「あの黄色いゼリーの言ってる事を怪しげだって言ってたけど、 お前はあんまし真剣に考えてなかったとかなのか?」 「それとも、……あるのか?それでも願ってしまうような、望みが」 あの黄色いのが来てから、日常が変化してしまうというような、 期待と不安が入り混じる感覚を、 俺は――歓迎も、恐れもしていたような気がした* (16) 青磁 2019/08/30(Fri) 21:42:15 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-■マツリカの秘密開示 私は科学者として、圧倒的に才能が足りなかった。 いくら「やる気」があったところで掛け合わせる物が無ければ0のまま。 私には、“1%のひらめき”が、遠かった。 そんな私が先生の助手になったのは、元を辿れば彼の技術を盗む為。 元居た所から『それくらいなら出来るだろう』と嗤われながら、この研究所へ向かった日の事…今でも鮮明に覚えている。 流石に緊張して笑顔が強張る私の前。 先生は、お話し中に寝落ちしてしまったのだ。 (17) rein-joir 2019/08/30(Fri) 21:56:01 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-先生は天才だ。魔法使いだ。 彼の手から生み出される数式は、プログラムは、芸術と言っても良い。 赤月くんも、素晴らしい出来だった。 なのに先生は惜しげもなく設計図を渡して、私の“助手”役はあわやそこで終わりかけたのだけど…あまりに文字が難解だと言う事で続投になったのは笑い話。 そして────いつから、だろうか。 私は淡い願いを抱くようになった。 私は“凡人”だけどこのふたりの“特別”の傍に居たい。 何にも邪魔されず、ふたりを見ていたい。 ………普通に考えて無理な願いだった。 私の“盗人”としての役目が消えた訳じゃない。 相変わらず期限付きのままで、その事を言えないままの生活を送っていて。 いっそ暴露して全部投げ出してしまう事も考えたけど、そんな事したら先生にも赤月くんにも迷惑が掛かってしまう。 だから諦めるしかない事なんだって、ずっと自分に言い聞かせていた。 “私みたいなのが今ふたりの傍に居られるだけでも、運が良いんだ”って。 (18) rein-joir 2019/08/30(Fri) 21:56:47 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-そんな中、黄色い謎生命体が持ちかけた話は、青天の霹靂だった。 勝ちさえすれば、なんでもひとつ願いが叶うんだって。 もし、そんな都合の良い事があるのならば。 何にも憚ることなく、誰にも、世界にも、時にさえ邪魔されること無く。 『ずっと今のまま、ふたりと居させてください』 (19) rein-joir 2019/08/30(Fri) 21:57:46 |
【人】 アンドロイド 赤月 ーアカツキー秘密開示 「不満っつーか、『誰かを楽させる為に造られた存在』 っていう存在理由って何だろ、って事なんだよなぁ」 ハテマの性格を変えてもらう、なんて事はちらっと考えたが、 それは違うんだ。あいつの人格を無視している事でしかないし、 あいつはそれを俺にも強要する事はしなかった。 自律的に思考できるアンドロイドとして造られたが故に、 ハテマから離れる選択を選択しようとするのは、 他者から見れば皮肉でしかないのかもしれない。 ハテマには基本的な生活をする能力は無いし、 俺は俺で、アンドロイドである以上時々は メンテナンスしてもらわないといけねぇ訳で。 人間で言う依存関係……みたいなさ。 ハテマが、俺を造っただけで満足しちまうのは、 ……駄目だと思った。 マツリカがいつまでハテマの所に居てくれるかわかんねーけど、 その間に俺みたいなのまた造ったらいいと思ってる。 天才でも、アンドロイドを人間にできるわけではないし、 それこそ神様にでも頼まないと叶わない願いだろ? だから、 【人間になって自由になりたい】 それが俺の願い。 (20) 青磁 2019/08/30(Fri) 22:56:25 |
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