人狼物語 三日月国


54 【半再演RP】異世界温泉物語【R18】

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 ……は…っ、
 ああ。…


[好きだ、好きでたまらない。
自分が開いた体、自分によって変わる姿。
それを彼が受け入れてくれている奇跡に、涙が溢れる気がした。自分は彼なしでは生きれない程に溺れている。快感とともに湧き上がる感情はとめどなく、彼を求めるもので、それをなんと伝えるか、息を吐いたとき。瞳が流す涙に気づけば、その頬を撫で雫を掬った。快楽の涙ではないのは、彼の笑みで気づいた。

そのまま、ゆっくりと目尻にキスをして]


 鬼走、俺はお前に弱いんだ…。
 俺はお前が、好きで

       好きでたまらないから


[お前の苦しみや悲しみは全部取り払いたい。
其れが自分自身であっても。仕事で寂しい思いをさせていた事を思い出せばそれだけで胸が痛んだ。彼が納得してくれていてもとても悔しかった。掻き抱くように彼を抱く。はだけた着物から身体を取りあげ、放たれた精が二人の腹部で混じりあう。種をまくことのない精液を抱く。
彼の中では揺蕩う白濁がある。

――優しい彼ならきっと
いい父親になっただろう。けれどもう離せない。
離す気がないから]

 ああ、しまったな。
 お前が啼くのは見たいけれど、
 泣く姿は見たくないのに。

 ……その原因が、俺なら、………俺は


[自分勝手な結論に気づき。
目を伏せた。何かに彼が怯えているようだった。それが自分に対してだったら、自分を自分で排除する。そう考えて無理だと悟った。大人になりきれない己が歯がゆい。けれど、掻き抱く体は暖かく。ぬくもりを与えてくれる。そのぬくもりが在るのが何よりも掛けがえない事実だ。
そう、彼は忘れているかもしれない。

彼が自分を撫でてくれた事を。
あのときの嬉しさを、ぬくもりを]


 どうすることも出来ない。
 旭が、好きすぎて。


[名前を呼んで。困ったような笑みを浮かべれば]

[まるで何かの贖罪のように、“好き”を繰り返す彼。
どうしたのだろう、となぜか苦しそうな顔をしている彼を見つめる。
唐突に抱きしめられて。
ほとんど裸のようになっていた躰にかかっていた精液が彼を汚すのを厭うが、彼は気にしていないように抱きしめられた]



 ………どうした?


[どうしたのだろうか。彼は泣いているような顔で笑っている。
その顔を覗き込もうとしたら、彼に頭を撫でられた]


 ―――だから………。


[気持ちよすぎたから。
そう言葉を濁して逃げようとしたのに、彼の顔はそれは嘘だと言っていて。
本当のことをどううまく伝えたらいいのかもわからない。
彼が心配しないように。
傷つかないように、そして嘘でもなく、伝えられる言葉を自分はもっているだろうか。
彼は自分にとって、嬉しい言葉しか与えないのに。
自分の態度は彼をを動揺させてしまう。それが悔しい]


 ………幸せすぎて、怖いだけだ。


[そして、男としてもどこか卑屈な思いをしてしまっているだけなのだろう。
彼を見ていた一年で、彼はどんどんと男らしく頼りがいがあって、たくましくなっていっている。
それに比べてどうだろう自分は。停滞どころか退化してないだろうか。
彼の腕の中でだけ、彼の雌となりはてて。それでいいと思っているのに、男として劣等感を抱いているのかもしれない。自分を蔑んでいるわけではないけれど。

―――彼が眩しすぎるから]



 お前が好きすぎて、苦しい。

 

[ただ、それだけだ、と顔を両手で覆う。
きっと今の自分はひどい顔をしている。
そんな顔を見て彼が不愉快にならないように。いや、優しい彼は心配をするだろうから、だから俯いて。

そうすれば、自らの精に汚れた躰が視界に入り、彼に愛された中を思いだす。
まだ熱さが残る躰にしみじみと。彼からの愛を感じて。
……本当に、いつまでもこの時が続けばいいのに*]

[襖の向こうに並んでふたつ、お布団が仲良く敷かれている。
十分に広さはある部屋なのに、敢えて
ぴたりと並べて敷かれているのがはずかしい。

そういう仲だって理解された上で
敷かれてるってことだろ??? 恥ずかしい。
いや間違いではないんだけれど。大正解だけれど。
普段同じ一枚の布団に潜り込んでるけれども。

ごくり、喉を鳴らしてふかふかのお布団を暫し見つめ
問いかけにそろりと隣の君を見上げれば、
返事をする前にくちづけが降ってきた。

もちろんだよ。いいこだった。
ご褒美はここに。君の目の前に。
そう答える代わりに擦り寄せようとした唇は、
中途半端に甘い痺れを残してあっさり離れていく。]


 ……ふ。


[するすると襖を動かしてとん、と軽く音を立てて閉め
淡い光の中で吸い寄せられるように君の瞳を見つめた。
向かう先は迷いなく大好きな君のおふとんだ。

ぽんぽん叩かれた辺りへと真っすぐ歩を進めて、
浴衣の裾を踏んでしまわないように君の隣に腰を下ろす。]

[幸せ過ぎて怖い――。
その言葉に声が詰まった。

それは自分も感じていた恐怖だ。
この関係は、彼の深い愛によって繋がっている。いくら自分が恋をしても彼が答えてくれなかったら、生まれなかった関係だった。脈があると告げてくれた言葉が今も胸に刻まれている。そんな事ではないと分かっていても、彼に赦されたからこそ、存在しているのだと思ってしまう事すら、思っていた。

だって彼はとても恰好いい。
眩しくてたまらない。


だが、同じ怖いでも
自分の感じる恐怖と彼の感じる恐怖はきっと違う。それは彼が抱かれる側で自分が抱く側だからこそか。
自分が無力を嘆くように彼もまた何か(劣等感)を抱えているのかもしれない。
全ては憶測でしかないが。]



 …鬼走。


[好きすぎて苦しいだなんて。
両手を顔で覆う彼をじっと見つめる。
顔を見せて、というのは簡単だ。けれど俯く彼のひび割れた殻を割ってしまう。そんな気がした。決して割ってはいけない殻を。未だ中に入ったままの雄が存在を主張する。彼の身体はすっかり此方の肉棒に、従順だ。甘やかすようにこのまま抱く事も出来る。
けれど]


 ……俺は
 好きすぎて苦しい、と言ってくれる。
 そんなお前が好きだよ。


[これは彼が望む言葉ではないかもしれない。
ずっと俺の事を考えてくれればいいのに。今、こうして苦しんでいる彼を見て、苦しいのに、悔しいのに。同時に愛しさが溢れてくる。自分が好きになった鬼走という存在が此処に変わらず居るのだと感じて]


 ああ、鬼走だって
 …お前自身が感じられるのが嬉しいんだ。
 ……今でも時々夢かと思うときがある。


[抱きしめて心臓の音を重ね合わせて、
何度も彼の存在を確かめる。]


 だってお前は憧れなんだ。


[いくら抱いてもきっと彼の根本はぶれない。
男としての劣等感を彼が感じていると知れば、それでこそ自分が惚れた鬼走だと告げただろう。自分にとって彼は追いつきたい男だ。誰よりも恰好いい彼が自分に抱かれる事を雌になる事を、許容している。これ程、恰好いい事があるだろうか。唇がそっと顔を覆う両手に触れた。

彼の反応や行動を可愛いと思うのと同時に
彼の反応や行動を恰好いいと思うのは
決して矛盾していない]



 もちろん。おいで……


[その手を掬って重ねて、掌に唇を寄せてから。
言葉とは反対に、君の胸の中に飛び込んだ。

猶当方のいろんな意味でののろさは御存じのとおりです。]

 …鬼走って名字も
 お前の、らしい顔も


   全部、含めて


[旭。と時折呼ぶようになったけど
自分を助けてくれたときからずっと彼は鬼走だったから、その呼び方は特別だった。彼の顔がらしくて、好きだ。いや]


 愛しているんだ。
 …お前が愛してくれるのも含めて


[褪せぬ思いを抱いている。
このまま二人、ずっと抱き合っていたい。
彼に釣り合う男になりたい。と願ったのと同じぐらいに年下として甘えている自覚を何度も繰り返す。それが悔しいのに、俺の事、愛しているだろ。と疑わぬ声色で問いかける癖に、唇は彼の手に再び触れて、

――今度はお前が撫でてくれ。
と甘えるように頭部を押し付けた*]

[自分の弱さを全部曝け出して、愛してほしい、ずっと愛し続けてほしい、と彼の足元に跪きたくなることもある。
でも、それはできなかった。
彼が好きだけれど、卑屈な態度にはなれない。しかし、抱える劣等感が自分を男としてあるままで抱く彼への捻じ曲がる心にもなり、結局は卑屈な気持ちを抱えるのだ。
それが素直になりきれない自分の原因でもある。
その矛盾に自分の心にひびが入る。

自分をそのまま受け入れてしまえるほど、自分はまだ強くなくて。
いつかそれの折り合いをつけられる時がくるのだろうか。
彼と過ごす年月の方が長くなれば、こんな思いは消え失せるのだろうか。

揺れ動き、壊れそうになる男としての矜持。
それを抱きしめて彼が癒してくれる]



 ………
 

[彼の言葉を聞いていると、心が癒される。
彼はきっと、本能的に自分の痛みに気づいているのだろう。
変わらない、変えられない自分だからこそ愛してくれているのだと、その言葉は自分に伝えていて。
柔らかいものが手に触れた。
彼の唇だとすぐにわかるのは、全身に彼の唇が何度も触れていて、その感触を体中で覚えているから。
それくらいの彼との触れ合った経験は重なっていた。
まだ二年目の恋。一巡した季節の中でも彼への思いが冷めることはなかった。想いが醒めることもなかった。
その上で、彼が自分を憧れと言ってくれる。
初めて会った頃の彼も似たようなことを言ってくれていたが、それが淡い夢だったらもう覚めていてもよかったはずなのに]


 俺も、愛してるんだ。
 伸忠。お前が思っているより、たぶん、もっと多くな。



[自分からの愛を疑うことなく当たり前のように言う彼に、顔を覆う手の中でほほ笑んでしまう。

言葉にすると陳腐になりそうなのに、気持ちを確認するために言葉にする。
何より自分の心を確認したくて。

さらりとした髪が手に触れて。言われた通りに彼の頭を撫でてやる。
涙がにじんだ目を見られたくなくて、その頭を抱きしめてそしてその髪を撫で続けた。

ああ、彼に恋している。
彼を好きになってよかった。愛されてよかった。
そう思えば、細い息を吐いて。崩れ落ちそうになっていた心が快復していくのが分かった]


 ―――ありがとな。
 

[撫でるだけでは飽き足らず、彼の首に両腕を回して抱きしめる]


 借りたばかりの浴衣―――、汚れちまっただろ。
 どうすんだよ。


[着てきた服も彼のおいたでずぶ濡れのままで。
やんちゃが過ぎるだろう?と窘める顔は、もういつもの顔だった*]

[手を伸ばして抱きしめる事はできる。
けれど彼の心にまで触れる事ができない。硝子一枚の先に彼がいる。そんな気がして呼吸が乱れた。素直になり切れない、けれど素直な彼。彼のぶれない顔を好きだと思った。今も彼の根本は変わらない。それが愛おしく――同時に、悔しかった。

何時かこの思いも伝える事が出来るだろうか。
憧れをもったまま、彼に恋をしている。触れた手のぬくもりは唇を通しても、あのときと同じ温度を通けてくれた。年月を重ねる程に、きっとこの思いは重くなる。

いつか、彼が窒息するんじゃないか。

そんな危うさを何処かに秘めて
でも、何処かで彼なら
その前に正してくれると甘えている節があったけど]



 ……旭。
 

[自分が思っているよりも、愛している。と彼が言う。
其れは幸せなことだった。彼はやはり恰好いい。覆い隠された顔は見えないけれど、微笑んでいるように思えて、その手が頭に触れるのを目を閉じて受け入れた。暖かなぬくもりが大好きだ。撫で続けられた髪がくしゃくしゃになってもいい。
そのまま抱きしめてくれる彼に合わせ
此方の手も彼の背に回し、力を込めた。]


 なら、俺だって同じだ。
 …俺だって、お前が思っているより、ずっと。


[ずっと思っている。
言葉にすれば伝わっているか心配になるのはきっと繰り返しているから、何時か彼に聞き飽きたと言われそうで、でも俺はこれ以外の言葉を知らない。愛していると言ってくれた彼に沢山を返したい。

撫でるだけでなく、抱きしめてくれ
そして、言葉にしてくれる彼に]



 …それも俺の台詞だ。


[感謝を述べたい。のに。
ああこういうとき、叶わないな。と思う。
彼に抱きしめられたまま、目を開けばいつもの顔が見えて少しだけ悔しく感じてしまったのは許してほしい。彼の心の中にある劣等感を包み込みたいのに。彼が隠した矜持を知りたいのに。彼は自分で立ってしまう。
強いなぁと、悔しさが滲みかけた声を飲み。

同時にだからこそ
惚れたんだと、考える。
――凛とした姿に胸が痛い程の愛おしさが溢れ]


 謝るしかないな。
 …謝るしかないから、後は開き直るしかないだろ。


[それにもっと色んなお前を味わいたい。
そう呟けば、存在を忘れるなと言わんばかりに彼の中を熱源が軽く突き。動かした拍子に少し白が零れ、くもぐった息を残し。そうだ。といつもの顔の彼に忘れていた。と頬を寄せて]



 忘れる処だった。
 膝枕お願いしてもいいか?


[この状況にそぐわない細やかな願いを口にすれば
ふと思い出したように、彼をじっと見つめ。
わざと場の雰囲気を変えるごとく]


 それとも変態プレイ的なお願いを?


[冗談めいた声で彼の中を、
奥をとんっと逸物で突けば、反応を伺う
悪戯っ子の顔を覗かせた*]

[おいで、の破壊力に一瞬硬直した。
きみは女の子誑かすの天職だよね。しってた。
ときめいたというより怯んだほうが正しい。

少しの積極性を見せただけで恥じらっていた頃の君が
走馬灯に流れはじめて……
……おっといけない、これではギャグ路線だ。
慌ててハンドルを切り直す。

胸の中に収まる彼女の肩を押して
重なった体を少しだけ離させる。
密着したままではキスができないので
苦情は受け付けておりません。

灯りを消すか問おうとして
自分が見ていたいから、聞くのをやめた。

普段とはまるで違う顔に見える彼女を見下ろして
きれいだ、と思ったままに、おもわず言葉が溢れた]


 きみ触れるたびに、なにか、こう、
 神聖なものを穢す様な
 ……背徳感をいつも抱いている。って

 言えば笑われてしまうかな。

[きみのお義父さまもといラ神からの圧とかね。
すごいから。とっても。
でもここでなら別な神様が隠してくれるだろうか?
そんな存在知りはしないので神頼みなんてしないけれど。

触れることへの許しを与えられた気がする
くちづけを受けた手のひらで、頬を包み込むように撫でて
綺麗なだけの物語の中の手本みたいな
キスを落として、うっとりと目を細め見つめ合う。

物足りなさに焦れるのはどちらが先だったか。
二度、三度と重なるごとに
次第に水音が溢れる交わりに変わってゆく。

帯を解くより先にはだけた裾へ手のひらを差し入れて
温泉で堪能し損ねた太ももに掌を這わせた。
内側のやわい皮膚を撫で擦って
彼女から押し付けてきた場所を探る。
きみがそこで触れるのが好きなのか
そこが柔らかいからこそ押し付けてくるのか
ささやかな疑問が頭の中を通り過ぎて、きえた*]

 謝る前に、最大限できることはしておかないとな。


[浴衣だから水洗いはできるし、と続けようとして、中を動かされて、高い声をあげてしまう。
そして、目元を赤くして彼を睨む。
こんな状態で頼むようなことではないだろう?という意図を孕んだ視線で、彼を見つめるが奥をさらに突かれれば、彼に育てられた胸の粒も、赤くさらに固く凝っただろうか]

 変態的なプレイより、常識的なことをまずしなきゃだろ。
 どうせ汚れたんだから、このまま風呂で洗うぞ……っ
 風呂も洗わなきゃだし。


[足を開き、彼の逸物が自分と繋がっている部分を露わにする。
放ってなお、固さがまだ残る彼に感心しながら一度腰を回すと、ゆっくりと焦らすように彼の躰を放して、躰から剛直を引き抜いていく。
そして、見せつけるように、彼の上にのりあげるようにしたまま、座位ではだけた浴衣を重ね、そして汚れた裸の上から帯を締め直す。
裾の辺りが緩いのは、立位で着ていないせいだが、それは意図的だったかもしれない。
少しばかりいつもよりだらしなく襟の辺りを抜いているのは、わざとだが。

誘うように彼に背中を向け、そして部屋に備え付けの露天風呂の扉の方へと向かう。
扉を開け放したままにすれば、彼がその気でないとしても寒さに扉を閉じに来るだろうし。

薄い着物1枚で雪が積もる外気は冷たい。
ぶるっ、と躰を震わせれば、ほこほこと湯気を出すかけ流しの源泉の湯でそっと足先を洗う。

それから裾をからげて、足を出し、そして湯舟の縁に座れば足を湯につけて、彼を振り返る。
ちゃぷちゃぷと揺れる水面は、どうしても浴衣を裾から濡らして染みた湯が這いあがっていく]

 ほら、膝枕するんだろ?


[膝の上をおいでとばかりに叩いて。
ちょっと寝づらいかもしれないけれど、彼が湯舟に浸かりながら頭をのせればそれなりに寝心地は悪くないはずだ。
でも、先ほどのとは違い、ここの場の足湯は躰が冷えてしまうから。

桶を手に取ると、ばしゃ、と自分に向けて湯をかけるが、気化熱でもっと躰が冷えるの忘れてたとびしゃびしゃの浴衣を纏って笑おうか*]

[諭してくれるのが嬉しい。
目元を赤くして睨む姿が可愛くて、先ほどまでのギャップに心がきゅんとなった。最大限にできることをと言った彼が、常識的なことを。と促すのだから、今更では、と一瞬思ったが、彼の足が開くのを見て。そちらを凝視してしまった。胸の粒を赤く固くしながら、身体から剛直を引きぬく様に息を飲む。焦らすように引き抜いていくのに感じてしまい。


はっと息を吐いて]


 …色っぽいな。


[風呂で洗うとは何を洗うのか。
座ったまま衣を重ねていく様は、此方を誘っているように見えた。意図的だろうと内心舌を巻きつつも、背を向ける彼をおいかけ立ち上がったとき、自らの帯が解けていることに気づき、それを手にして追いかけた。扉を締めて、このまま部屋を過ごすなんて選択肢はない。

だらしなく襟の辺りを抜いている彼の姿は
赤くのる胸の飾りをちらつかせていた
自らの熱源は重く]



 …無茶を言うな。


[浴衣を濡らして、縁に座る彼に息を吐く。
白い息は、空気が冷えている証拠だ。肌に貼り付いた布が彼の身体を形どる。裸体を見るよりも色っぽく。びしゃびしゃの浴衣の襟を軽くひっぱり。そのまま、湯舟につかれば、彼の膝を一撫でをして湯をかければしみこむ湯が彼の太腿を露わにする。いや太腿だけでなく。

――彼の綺麗な熱も。]


 このままいたら、風邪をひくだろ?


[彼の申し出はとても魅力的だった。
だが、盛り上がった熱を濡れた布越しに撫で
玉を揉み、じっと見上げれば、おいでとその腕を引いた。ぱしゃりと音がなり湯舟が揺れる。そのまま抱きしめた身体は冷たく。少しの間に冷えてしまった事を感じさせ、心配するように吐いた息が彼の耳にかかるか。濡れた肩に湯をかけて、そうして先ほど、軽く結びなおした帯をといて、彼の目を隠してしまおう。]



 …煽っただろ?仕返し。


[そのまま抗議の唇をちゅとキスで奪い。
舌先を唇の中にと侵入させていく。開いた其処も冷えている気がして、暖めようと歯列をなぞり、頬肉をつつき。舌を吸い、暖かな唾液を混ぜあわせ、ちゅぽっと音を鳴らした。その間も片手は彼の身体に冷えた処がないか、と肩を濡らし、背を撫でて――離す頃には、銀糸がひくか。

ゆっくりと唇をなぞり。
駄目か、と彼の様子を伺った*]

[君に並び立てる自分になれるように、あわよくば
君を組み敷けるくらいの僕になれるように……

……と強さを意識しすぎた結果
どうも方向性を誤ったらしい。
君の反応がすべてを物語っている。失敗した。

固まってしまった君の気配に
またじわじわと恥ずかしさが込み上げてきて、
額を肩に押し付けて誤魔化そうとしたけれど
君に押されてあっさり顔を上げることになった。]


 ──ふふ。

 神聖な……そんなもの、
 僕には何も備わってはいないのにね。

 そっか。僕に触れるたびに
 君はそんなことを考えていたのかぁ……


[見上げた瞳が、淋しさの色を帯びて揺れた。
神様の加護とかそういった類のものも
僕は何も持ってはいない(はずな)のに。]

[神聖な、と言うならば
聖女様だったり司教様だったりした君の方が
きっとよっぽど神聖だろう。

あれほど喉から手が出る程欲しがっていた神力が、
今はちっとも欲しいと思わない。
好きな人に敬遠されてしまうような自分なんて要らない。
僕がもし何の変哲もない本当にただの普通の人間だったなら、
君はそんなこと考えずに済んだろうか。それとも、
それでもやっぱり背徳感を覚えてしまったろうか。]


 背徳感、なら……
 道理に背くのではないと納得出来たなら

 君は堂々と、
 安心して僕に触れられるのかな……?


[君の中で僕への神聖視が揺るがないのなら、
例えば、僕が君に
触れられることを望むのであれば。

頬を包み込んでくれる大きな手に手のひらを重ねて、
幼い日に絵本で憧れたようなキスを交わして
鼻先の擦れ合う距離で、
君と同じように目を細めて蕩けるように微笑んだ。]

[じっと見つめ合ったままで
甘えるように君の項へと両腕を伸ばす。
触れ合わせるだけの優しいキスでは
いまは、大分、物足りない。

もっと長く。
もっと深く。
息が出来なくなるくらいに。

言葉を紡ぐ代わりに唇を寄せて、
温泉の水音とは違う艶かしい水音に目眩がした。]


 ん ぁ…………っ



[温泉に浸かることでしっとりと整えられた肌を
君の掌が順に滑っていくにつれて、
少しずつ呼吸が乱れていく。
つい先程自分から君に押し付けていた場所に
その掌が触れたところで、
自然とまた甘ったるい声が喉奥から漏れた。

そこで触れるのが特別好き……
なのかどうかは正直自分でもよくわからない。
なぜならあんな大胆なことは滅多にしないからだ。
けれど、やたらと身体が反応してしまうのは
おそらくはつまりそういうことなんだろう。]



 ……アザレアくん、僕も
 君に触れても構わないかな……?


[袷の隙間からそろりと指先を差し入れる。

胸板の狭間をそっとなぞってから掌を広げて
君の鼓動をより強く感じられる場所を手探りながら滑り落ちた。]*

 




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