人狼物語 三日月国


147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】

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[近い距離で紡がれたから、彼の言葉が鼓膜によく届いた。 フィクションでしか聞かないような台詞に、だらりと頭を垂れたまま小さく笑う。

屹立を食んだ粘膜が無自覚に奥へ誘うから、笑う素振りで逃した吐息も熱くなるけれど。痩せた体躯に両腕を絡めて、彼の肩口に甘く歯を立てて吸い付いた。恋人が戯れつくみたいに]


 男として複雑だって?

 はは、……でも、それで良いじゃないか。
 私は君のことが好きだし、君も私が好きなんだろ。

 ……私は既に君の虜だよ。


[ずっと前から──という補足は、流石に重過ぎて喉の奥に引っ掛かった。彼にとっては他愛ない睦言だったかもしれないが、私の何らかの琴線に触れたらしく、まるで其方に誘導したいような、願望が透けかねない言い回しになる。

拡大解釈すれば、私がいなければ生きられなくなる。
もしくは生に執着する理由になるかもしれない。

……と、深刻に極端に物事を捉える傾向のある頭でぼんやり考えていた]

 
 まあ、でも……案外くせになってるかもな。
 後ろだけでも気持ち良いんだろう?

 素質があるのは嬉しいけれど、……
 君がはじめてで良かったと思うよ。


[飲み込みの早さに感心する一方で、魔性な彼が男を知らないでいて良かったとも思う。そんな感想を零し、そろそろ口を動かすだけでは物足りなくなり、緩く胎内を掻き混ぜるように揺する。ただこんな風に話す穏やかな時間も良いなと思って、焦らす意図は無いけれど自分にスイッチが入りそうで引き伸ばす。

そのうち首を傾けて口付けを強請り、自由な両腕で彼の素肌をまさぐりながら、碌に触れられなかった彼の熱にも手を伸ばして。次第に抽送を早めていくだろう*]


[家屋もまた、財産没収の対象とされた
農奴の身分で費用を賄う為には当然のこと──という名目によって。

寝起きしていたのはほんの小さな古びた小屋
世話をする大人がいなくなったのならば、一層に荒れ果てる。
灯りも無い廃れた空間で、黒黄の瞳だけが爛々と輝いて見えた。

死体漁りの肉食鳥、などという知識は子供には無かったけれど
確かにその姿は、上位種を思わせるに相応しいもので。
それでも、語られるままを受け入れるばかりで心は動かなかった。

この身体でどうして逃げられようか、
一体逃げ場とはどこにあるのだろうか、
それは人間が相手でも悪魔でも変わりはない。

唯、予想外だったのは
触れる手の温かみの無さが心地良く、清めるように動くから
恐怖の代わりに申し訳なさを抱いてしまったこと。]



 他に何が出来るの?
 病気で死んだって殺されたって、どちらも同じことでしょう?

[やはりその言葉にも諦めが宿る。
けれどこの時点で、未来の主に心を動かされてしまっていた。

母親が連行されてから今まで、
本心を思うまま口にすることすら出来なかった
受け止めてくれる大人もいなかったのだから。

最期に置かれた環境のどうしようもなさを口にするだけでも、
少しは気持ちが楽になる……なんて、
なんとも視野の狭い人間らしい思考だったのだろう。]

 ……えっ

[閉じた思考をこじ開けるような、大きな揺さぶりだった。

まるでただの光る石みたいに動きのない瞳に射抜かれ、
何処か緊張で強張っていた身体、乾いた喉が息を呑む。
母親の素性まで知っている驚き、
子供では知り得ない事情の薄暗さと理不尽さへの動揺。

それすら関係が無いことだというように、悪魔の演説が続く。]




 
やだ、……
嫌だ!もういいよ、もう聞きたくない!
 出て行って、
出て行ってよ!


[呆然と聞かされるばかりだった子供は、
やがて余りに残酷なその内容に寝台の上で首を横に振った。

母親との思い出が、かつては優しかった村人との生活が
一つ一つ腐り、穢されていくようだった。
枯れた声を振り絞り叫び、そのせいで咳が激しくぶり返す。
棒きれのように細い両腕で必死に耳を塞ぎながら咽び泣いた。

だが、何をしても悪魔の声は少しも遮られることもなく
残酷な物語の傍聴を強いられ続け
一時の幕切れを迎える頃には涙も叫びも使い果たし、
ぼんやりと昏い目で悪魔を見上げるばかりとなっていた。]



 村の、大人

    村の…………人間達

[促されるままに口を開き、既に用意された解答をなぞる。
その自覚も無いまま、奥底に沈んでいた感情が引き摺り出されていく。

死んだ瞳が、光を忘れたままに新たな命を手に入れる。]

 …………

[品のある動きを目で追い、そちらへと身体の向きを変える。

落ち着きを取り戻し、再び力を無くしていた腕が
緩やかに持ち上がり、少しづつ伸びていって。]




 ……
皆を殺して、この村を滅茶苦茶にして


[白く大きな手と自身のそれを重ね、願いを告げた。]



[急な変化に驚き、悲鳴を上げて羽虫の渦から逃げようとしてしまったが
悪魔が願いに応えようとしているからだとすぐ気づいた為に、
震えながらその悍ましさに身を預けた。

そうして私はこの世界から消え、
同時にこの世界のあちこちへと存在するようになった。
現象であり群生であり、害なる者へと。

幼い子供の世界の何もかもを奪い去った者達は破滅を待つばかり
他者の残り少ない命すらも不足する食糧の為に切り捨てる醜さ。

病床の少年の消失を、共犯者がいると提唱する者が出たことから始まり
疑心のままに母親にしたことと同じ過ちを繰り返し、
村から逃げ出そうとする者もまた、魔女と定められ捕らえられ。

人間の弱さ、どうしようもない愚かさ
狂気と妄言が蟲と共に日常を食い尽くしていく様を、
全てが終わるまで私は見ていた。

まるで悪夢のようであった。だって……]




[悪夢じみた日々の終わりは村の破滅と共に。

色彩無き廃れ場に、歩き方を忘れたように座り込みながら。
共犯者となった男をぼんやりと見上げ、頷く。

もう此処には何も無い。喜びも悲しみも、全て食い尽くされ焼かれた。
自分自身がそう望んだことによってだ。]

……ゾラ
お母さんが、付けてくれたの

[それは、異国の言葉で黄金の夜明けを意味する。
私が産まれたのは丁度その刻で、
空の移り変わりが美しい色に輝いていたらしい。

統一を目指す国の争いに振り回され移民となり、
辺鄙な農村にも届く世界情勢の翳りに憂う母親は
その光景を、我が子を希望と捉え名付けたのだそうだ。

当人は心を折られ焼かれ、子供は悪魔の手を取ってしまったけれど。]



 
ねえ……、あのね……


[自分自身を抱き締めるように片腕を胸の前に横断させ、俯く。
何かを問うように声を紡ぐが、口ばかり動いている。

背丈が高すぎる者は、頭より下の声を聞き取りづらい。
幼い子供を相手に話す時、屈む大人は多い。
実際その時、そこまで計算していたわけではないけれど。

悪魔が何らかの手段で、こちらとの距離を縮めた時。
落ちていた焦げてはいるが鋭く尖った木片を握り、
人間ならば心臓があるだろう部分に向けて突き刺そうとした。]

 ……駄目だった。やっぱり、強いんだ
 虫なら食べられるかなって、思ったのにな

[けろりと笑い。小首を傾げる。
紛れもなく不遜であり、そして生命力を宿した行動。
相手の強大さを真に理解する智慧があれば出来なかったこと。

確かに全ては私が齎した破滅だ。今や思い出すら残っていない。
だが、何故それについて憂わなければならないのだろう?

先に手を出したのはあちらではないか、
あのような自分のことしか考えていない醜い連中に覚えていられても、
救われることなどあるわけが無いじゃないか。]



 僕を殺すの?

[好事家の悪魔だとは知らなくとも
語られない部分に含まれた意味に、此処で解放された理由に
気づくことは子供でも出来た。]

 殺さなかったらきっと、とても役に立つよ
 だって僕は、もっと見たいんだ

 ……人間がいっぱい苦しむところ

[片手を頬に寄せ、ほうと息を吐く。
彼に見せられた数ヶ月の記憶を思い返し、目を細めた。

うっとりと笑む口許は口角が吊り上がり、歪む。

ただの不幸な魂と呼ぶには、もう既に手遅れだ。*]



ん?

[ ただでさえ邂逅の夜とは違う距離感、
  俯けば更に聞き取り難くなった声、内容が分からない。

  その言葉が何か少年の結末に影響するとは思わなかった悪魔だが、
  これで最後という思いが、聞き取る為に屈ませた。
  その結果、予想外なことが起きる。 ]

……っ!!

[ 刃物や銃も効かない悪魔が、残骸の一片に傷つけられるわけもなく。
  充分な生活が出来ていない子供の行動への対処など容易。

  だが、一度霧散し再び収束した時、驚きに目を見開いていた。
  好かない名前に面白くなさそうにしていた表情など
  今や欠片も存在しない。 ]




ッ、は……
あはははははは!!


[ 無垢を感じさせない子供の仕草、残酷に響く声。
  暗黒めく口内を露わに悪魔は大笑いを無人の村で響かせた。

  夜闇に佇む枯れかけの露草は、活力を再び手に入れた。
  それはとても拗れた方向に。

  与えた歪みは全て計画の内ではあっても、
  用意した道から外れながら近づいてくるのは想定していない。
  泣きじゃくる子供は完全に潰えてしまったらしい。 ]

お前の口説き文句は薄っぺらいな
土いじりとお祈りしか知らない子供が、何の役に立つ?

病か人か悪魔か、
どれを選んでも殺されるしか選択肢が無かったちっぽけな存在が

[ 顎に手を添え、持ち上げて上を向かせた。
  肉食鳥と食虫植物の光彩が合わさる。

  その温度は冷え切って、声には吐き捨てるような色を含む。

  勘違いしてはならない。
  少年もまた、悪魔にとっては弱者たる人間の一人でしかない。 ]



……いいさ。役立つ為の教育を施してやろう
満足させたらもっと相応しい名前も考えてもいい

それまでお前は、名無しだよ

[ だが、一瞬でも悪魔を驚かせた褒美というべきか。

  はたまた、長い刻を暗躍する人ならざるものの気紛れが働いたか。
  その誘いに今度は自分が乗ってやることにしたらしい。

  そうして彼は再び黒に包まれる、世界から消失する。
  今度は随分と長い時間になるだろう。
  何しろ行き先は地獄、悪魔の知識をそこで授かるのだから。

  痕跡も本人も見知った人々も、何もかもが無くなった。
  誰もゾラを見つけない。二度と、永遠に。 ]*

[ フィクションめいた台詞に馴染みがあるせいだろう、
 頭に残っているからこそ頭を使わずに出てくる。
 その台詞を囀ったのが
 画面越しだったか生身だったかの記憶はないが。

 歯を立てられる、加減されたその痛みすら
 なんだかきもちいい気がしてしまうくらいに
 疲労と酸欠を極め茹だった頭は完全に馬鹿になっていた。

 浅く弾む息をなんとか整えようとして長く息を吐くけれど
 まるであべこべに、無意識に腰が揺れてしまうから
 喉の奥から溢れるのは感じ入った嘆息ばかりで
 ちっとも落ち着くことができない。

 暫く引き篭って運動不足を積み重ねた体は
 もうすっかり限界なのに、気ばかり急いで
 上手く休息も取れずに淫楽に溺れて喘ぐ。

 こんなの知ってしまったら戻れないじゃないか。
 けれど彼が「それでいいじゃないか」と言うから
 なら良いのかもしれないと働かない頭で鵜呑みにする。

 そうか、彼は俺の虜なのか……はて、虜ってなんだったか。
 日常ではなかなか無縁な単語の意味が
 いまいち出てこなくてぼんやり虚空に視線が泳いだ。

 ぴたりと不自然に動きが止まったのは
 漸く気が逸れた所為だったけれど
 背中越しにはその呆けた思案顔を伺えないから
 何か別の意図にも感じられたかもしれない。 ]

[ 概ねのニュアンスはわかる、捕虜の意味でないことも。
 夢中だとか、心が囚われるとかそういう意味合いだとは思う。
 それが上手く彼と俺に結びつかないだけで。

 好きだと繰り返してくれる言葉を疑うわけじゃない。
 医者として成功してた経歴に傷が付きかねない
 誘拐じみた偽装の転院をしてまで囲う程度には
 好かれているんだろう、たぶん。そこは疑っていない。

 しかもその延長で抱かれているあたり
 ただの昔馴染みの親愛による庇護欲ではなく性愛の類だ。
 そこまではいい。

 けれど。
 そんな感情を向けられ、受け止めた上で、
 彼を夢中にさせられるほどの何かが自分にあっただろうか……

 実は俺の尻は名器だったりするのだろうか?
 それはなかなかに意外すぎる特技だ。

 まぁ、いいんだけどさそれでも。
 彼を満足させられる何かがあるのなら
 それが例え体の相性如何であっても、
 悪いよりはいい、何も無いよりもいい、全然いい。けど

 なんだか釈然としないのは何故だろう。 ] 

[ すっかり彼の形を覚えてしまっても尚
 存在感がありすぎる熱と硬さが腹の中を捏ね回すから
 考え事はちっとも捗らなくて

 あとにしてくれと拒むよりは
 考え事を後回しにしたくなるくらいに
 気持ちがいいから、こまる。

 ああそうか、それが困るのか……?
 経歴は積む前に断ち切られ肉体は欠陥で
 性格に難がある自覚もあれば精神もなかなかがたがただ
 そんな中残った唯一の胸を張れる取り柄が
 今全く機能していない事実に漸く辿り着く。

 まぁ、たどり着いたところでずれているんだが
 そうと気付ける知能は機能していないもので。 ]


 ちがくて。や…… ン、ん …ぅ〜〜〜
 あ…ぁ……、っ らめ、ゆ ……すん、ないでぇ

 もきち…っよくて、ん、ん……ッぁ゙、あ
 は​──……あ゙、たま、ばかに、なっちゃう。
  

[ ばかになったら、きらわれるのでは。
 体の相性がいくらよくても、それだけではだめなのでは。
 そう思うのに。
 きもちいい所にあたるように腰を押し付けてしまって
 自らぐずぐずになるからもうだめだった。 ]

[ 好かれると知る前は好かれないことに嘆いていたけれど
 好かれていると受け入れてしまった今は嫌われるのが怖い。
 実際のところは単純にそれだけの話で。
 だからこそこうして抱き合う時間以外も
 好きでいて欲しいのに虜にできるのは体だけなんだろうか。

 なんて。
 話し合う時間は今ではないらしい。

 深いところを断続的に突き上げられ、揺さぶられる度
 しどけなく開いた唇から垂れ流れた唾液と矯正が
 打ち付ける律動に合わせて跳ねた。

 放り出されていた雄への刺激に欲望は一気に駆け上がり
 今にも果ててしまいそうなくらいに昂ぶるのに

 全然足りなくて。

 物足りなさに身悶える。
 もっと強く突き上げて激しく揺さぶって欲しくて、
 気持ちばかりが逸って強請る言葉が上手く出てこない。

 ゆるゆると頭を振って、
 ぐずる嗚咽みたいに喘ぐ声を零しながら
 肌を愛撫する手に縋るようにしがみついた。 ]



 ちが、……っやら、おく、もっと……っ
 ​────は…、ふっ、…もっと、おくまで……

 おれのなか、もっと、せいすけさんでいっぱいに、してぇ。


[ 語彙が死んだ。変に冷静な頭の片隅で思った気もする。
 すんすん鼻を啜りつつ、身を捩って甘えて口付けを強請る。
 キスして貰わないと死ぬ気がした。
 そんな死因聞いたこともないが。
 馬鹿になっているので、仕方あるまい。 ]

[ 強請ったくせに上手く強請れないので
 焦れて自ら勝手に腰を振り始め
 なのにうまくできなくてまたべそべそとぐずって。
 子供みたいな内面の大見本市みたいに散々に曝け出して。

 待ち望んでいたものが与えられても、物足りないままでも
 もう限界だった。
 慣れた絶頂の気配が腹の底に重苦しく渦巻いて、
 耐え切れずこみ上げる感覚に堪らず低く呻く ]

 ぅ…ぐっ、はっ、あ゙…ッめ、……
 …イッ…きそ、ぁ、っ、で…ちゃう

 でる…っ、……​───ふ、……ッ……

[ 散々あられもない声で喘いでいたくせに、射精の瞬間は
 無意識に声を詰めてしまのは染み付いた癖なんだろう。
 彼の手の中で膨れ上がり強く脈動した肉茎から
 放物線を描く勢いで熱い奔流が迸る。

 丸めた背をびくびくと震わせ吐き出すのに合わせて
 腹の奥深くまで飲み込んだ怒張を包み込む肉襞が
 その存在感を味わい尽くすかのように
 きつく窄まって、締め付ける。

 無自覚に射精を伴わぬ絶頂を繰り返した分だけ
 結果的に堪え続けた放出の瞬間は長く尾を引いいて
 吐き出し終えてもなお続く余韻に打ち震えながら
 同じだけ痙攣する媚肉が搾り取ろうとするかのように
 蠢き纏わり付いて、深い場所に彼の胤を強請った*  ]

 ひうん♡

[彼が突然、乳首をいじめるように屹立の先端を押し付けてくるから、甘い声が漏れてしまう。
彼の手によってベッドに押し倒されて、そして、彼に命じられたように両手を彼の手に添えて、両脇から自分の胸をぐいっと押し付けた]


 主人は帰ってくるの、遅いのよ、最近。
 もしかしたら今日も帰ってくるの、日をまたいでからかも。
 そういうスリルを感じるの好きなのかしら? 
 

 え……?


[シャワーも浴びずに夫を出迎えることになるかも、ということだろうか。
 それはさすがに、状況的に困る。
 離婚をしようと思っている相手に、弱点を与えるようなことをしたくないから。
あくまでも不貞行為をしたのは相手だけで、自分はしていないという立場を貫くつもりだ。そうでないと自分の気が晴れないではないか。

 もっとも、そういうつもりで言ったわけではないらしく、彼はごまかすように体勢を変えてきた。
先ほどとは逆に彼に乗り上げられるようにされ、熱いものが胸の谷間を行き来する。

彼に頭を下げるようにと言われて、その通りにすれば、故意に唇が犯されているのがわかり興奮した。
無遠慮に動かれて、激しく腰を振り出す様は、先ほどの自分の行動が、児戯に等しいと思わされて。
ああ、こんな風に動いて彼は自分を味わったのかと思うと興味深くもあり、そっと舌を濡れた唇から差し出して、唇に何度も押し付けられてくるそれを、ぺろ、と舐めた]



 だって、そういうんでしょう?


[彼に胸を犯されながら、悪びれなくそう言ってみせる。
 おっぱいまんこ、なんてはしたない言葉を覚えたのは、女性の大人向けの漫画からだったけれど。
 ベッドではえっちな言葉を言った方が、男は喜ぶらしいけれどそんなこと、すでに身内感覚である主人に対して言えなくて。

 言ってみたかった言葉、知ってはいたけれど使ったことのない言葉た。

 きっと、彼の頭の中は邪推や嫉妬でいっぱいだろう。
 これは旦那にしつけられたことなのだろうか、とか、夫婦の寝室であることから、あちこちに残る夫の痕跡にも考えることはいっぱいだろうから。

 そんな風に思うと、年下の彼が可愛く見えて仕方がない。

 しかし、彼はきっと正解にたどり着けない。
 このローションだって、夫婦の営みの時にあまりにも早く私の中に入りたがる夫のせいで用意したものだし。
 自分がこんなに濡れることができる性質だなんて知らなかった。
 相手によってこんなに体が違って反応するだなんてことも知らなかったのだ]




 うん、食べさせて♡


[そう夫は、こんな風に欲望も情熱も押し付けてきたりはしない。
 その緩やかな関係も温い湯に長く浸かっているような心地よさはあった。しかし、こんな熱い湯に入る快感を知ったらもう戻れない。
 自分の躰を使って、男の行動をとる泰尚を見ていると、女としての悦びも官能もうずうずする。

 その時、目の前で爆発が起きた、そう思った。

 思った以上の量の精液があふれ、顔や胸にまで飛び散って。まつ毛にまでかかったそれは唇だけでなく顔を犯していく]


 ん……おいしい……。
 

[食前の運動に、食前のワイン。
それにしては濃厚すぎるものを口の中にも放たれる。
 ぺろぺろ、ちゅぱ、と音を立てて舐めとり、んくんく、と味わうようにして飲み込んで。
 濃い青臭い匂いは嫌いじゃない匂いだ。
 香りまで男が違うと変わるらしい。

 唇などについたものはそのままなめとれるけれど、それ以外はさすがに拭き取るしかないだろう。

 せっかくだから、と子供が与えられたおもちゃで遊ぶように、ねばついた精液を指に取り、そして自分の乳首を滑らせてつまんでみると、滑る感覚がいつもと違って。
 ゆるゆると股を開くと、彼に胸を犯されていただけなのに、興奮して感じた証の淫らな汁が、まるでおもらしをしたかのようにシーツまで届いてしまっていた]

 ごはん食べる前にお風呂が必要になっちゃったわね……


[汚れてしまった二人の躰を見下ろして、苦笑いをするしかない。
 ローションを使った時点で気づくべきだったのに。
シーツも洗わなきゃ、とはがすように布を引き寄せながら、傍らの彼に囁いた]


 あの……よかったら、シャワーを使って?
 場所、案内しないとわからないわよね……。
 私も汚れちゃったし、一緒に入ろうか……?

[早くとも旦那が帰ってくるとしたら夜9時以降だ。
 それより早く帰ってこられたのなら連絡があっただろう。
 さらにそれより遅いのが最近の通常だったから、まだまだ時間的に余裕がある。
 最悪を考えるとしたら、メインのワインを楽しむ時間がなくて彼を追い出すことになるかもしれないということだけ。
 もっとも彼が持ってきた方ではない、彼からの芳醇なワインを頂いた時点で、自分は今日の目的以上の満足感は得られているわけなのだけど*]

[……ところでこの娘、気づいているのだろうか?

年頃の男と女(に見える)二人が連れ立って出かけることを、世間では『逢引』とか『デート』と呼ぶことに。

いや、気づいてはいないだろうな。
若しくは我を異性と認識していないか。
どちらかといえば、両方か。

…。
なんというか、今までの相手とは異なる意味で危うく、そして危なっかしい。
今までで一番手がかかる相手になりそうだ]

 




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