77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】
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…婿殿?ああ。
[顔を赤くする彼に
ふと気づけば、抱き寄せて引き寄せ肉体の奥を熱で突いた。確かに強くされど乱暴には、酷くならぬように優しく抱いて。それから、唇を耳元に寄せれば息を吹きかけ]
…愛しておるぞ、ヤオディ。
[再び彼を呼んだ。
照れる理由を何となく察すれば、とっておきで彼を呼ぼうと甘い声を寄せ。それから、押しつぶすように彼を抱いた。全身でヤオディを味わっている。其の感覚が堪らなく好きだった。全身で味わう彼は、自分を求め啼いている。
溜まらず掻き抱いて距離を縮め]
……むっ!!!!
[くっ、と呻き声を漏らせば
彼の熱から透明に近いものが出、、それと同時に中が締まるのを感じ、気づけば、熱を吐き出していた。其れが元気なのは彼より与えられし熱のせいか。みなぎる力はまだまだ老いをしらず、死から彼を遠ざけるもの。はぁはぁと肩で息をしながら彼を掻き抱いて、頬にかかる髪を避け]
……また汚してしまったな。
[折角洗ったのに。と笑い
それから、汚してしまったのだから。と達したばかりの彼を抱きしめたまま、また腰を揺らした。出たばかり、自分の熱もまだ力を出し切らぬ分、彼の中を突く角度は異なり更なる感度を導くか。手はそのまま透明に近い液を出した熱に向かい。
その先端をぐりぐりと押して。
気持ちいいを確かめ
扱きだせば、彼の悲鳴ににた嬌声は聞こえるだろうか*]
| [差し出された手 >>18に収まらんと、寄せられた茅の身体をまた、するすると黒い糸が這い、宵闇に似た色の着物がその身を包み込む。 その意匠はまるで、山伏のようなそれで、ついでとばかりに額を滑った黒が、頭襟を形作った。 足元には、高下駄。 背中には、小さいながらも明らかな、漆黒の翼を可視化させ。 そうして子天狗は、天狗さまの腕の中に収まって笑う。 子天狗には、村の様子が聞こえていた。 だから当然知っていた。 今、村は『村長さんの娘夫婦』の『披露宴』の真っ最中。 だからきっと、『天狗の嫁』の『披露』にも、丁度良い。] ふふ。 とっても驚くと思うよ。 [おめでたい話じゃあないか! なんて。 子天狗は腕を伸ばして、天狗さまの首元に抱き着く。] (38) 2021/07/01(Thu) 0:06:53 |
| [そうして村に現れた二人に、はじめ村の人たちは唖然とした。 >>19天狗が礼を言いに来た、なんて。 そんな言葉を信じるものなど、この村にはいない。 それから騒然と。 茅がまさか、生きているなど思っていなかったものだから。 そうして何故か、まるで天狗のような恰好をしているものだから。 そうして最終的に彼らが抱いたのは、畏れではない。 敵意 だった。] (39) 2021/07/01(Thu) 0:06:56 |
ありがとぉ、
[茅が笑う。
天狗さまが、好きにしろと言うから。
天狗さまの腕から降りた子天狗の、
高下駄の歯が触れた大地に、
波紋が広がった。]
| [次の瞬間、“お嬢さん”が、新郎を匕首で刺した。 さっきまで無かったはずのその刃物は、茅が一度天狗さまに向けたものと、そっくり同じ形をしていた。 新郎はただの人間だから、不意打ちに成すすべもない。 そして刃が刺されば、ヒトは傷つく。 傷の場所が悪ければ、ヒトは死ぬ。 “花嫁”の刃は、“花婿”の喉を、正確に切り裂いた。
紅い血潮が夜空に舞う。
しん、と辺りが静まり返る。 どさ、と“新郎だった骸”が大地に倒れた。] (40) 2021/07/01(Thu) 0:07:03 |
| (41) 2021/07/01(Thu) 0:07:05 |
| [子天狗が呟くと、ざわ、とヒトに波が立った。 驚く声、叫ぶ声、問いただす声。 あぁ、ぐちゃぐちゃだ。 ぐちゃぐちゃ。 『だってこの人、私のこと馬鹿にしたんだもの』 うつろな表情で、“花嫁”が言う。 同時に別の所で、誰かが誰かを殴り倒す音がした。 それを機に、あちらこちらでヒトとヒトの争う声がし始める。] (42) 2021/07/01(Thu) 0:07:08 |
| あーぁ。 いつだって、ヒトを 滅 ぼすのは、ヒトだよねぇ。 (43) 2021/07/01(Thu) 0:07:10 |
| [子天狗はただ、そのきっかけを与えただけだ。 子天狗の妖力では、ヒトに特別な力を分け与えることはできないししないけれど、代わりに幻聴を聞かせることはできた。 ただ、ほんの些細な悪口を、隣の誰かが囁いたように、聞かせただけ。 それからちょっと試しに、“花嫁”の手に、刃を握らせただけ。
聞こえた声に何を思ったかは勿論、どんな行動に出たかなんて、そんなのは子天狗の預かり知るところではない。 ヒトとヒトが争うのを眺めつつ、と、と、と天狗さまに近寄って、寄り添う。] (44) 2021/07/01(Thu) 0:07:13 |
| [気づけば紅く濡れて倒れている身体は一つや二つではない。 村長の家の屋根に、火が付いた。
悪意の声が聞こえた所で、普段の行いが良かったならば、それが幻聴であることになど容易に気づけたことだろう。 何せ、長く共に暮らした隣人だ。 けれど、悪意の声を疑いなく信じてしまった時点で……彼らは元々、そういった疑いを互いに抱いていたということだ。 何て哀しいことだろう!]
案外、幻聴でもなかったのかなぁ。
[くすくすと、子天狗が笑う。 笑う。
……嗤う。] (45) 2021/07/01(Thu) 0:07:18 |
| [どれだけの時間が経ったろう。 決して小さな村というわけでもなかったと思うが、その割に終わりは割合あっさりしていたかもしれない。
子天狗が、と、と、と大地に波紋を残す。 じゃり、と砂を踏むような音がして、幻覚が霧散した。
後に残ったのは、死屍累々。 そしてその真ん中に座り込む、『お嬢さん』の姿。 真っ白だったはずの着物に、誰かの赤を浴びて、がたがたと震えていた。 その眼前に子天狗がしゃがみ込む。]
どうしたの? “お嬢さん”?
[はじかれたように顔を上げ、『お嬢さん』は怯えたように、後ずさった。 子天狗は、まるで心外だとでも言いたげな顔をする。 ついと近寄って、その冷たくなった両手を握ってにっこり笑ってあげた。] (46) 2021/07/01(Thu) 0:07:20 |
| 泣かないで? 綺麗なお顔が、台無しだよ? [にっこりと、優し気に。 なのに“どういうわけか”、『お嬢さん』は震えたまま、涙を流し続けている。 可哀想だなぁ、と思った。] しょうがないなぁ。 じゃぁ、 を見せてあげようか! [きゅ、と冷たい指先を握りしめると同時、『お嬢さん』が眼を見開いた。 いやぁぁ!と叫んで、白眼を剥いてしまう。 おかしいな。どうしたのかな。 “家族”や“旦那様”との、 甘い夢 を見せてあげてるはずなのにな。 子天狗は首をかしげる。 そっと手を放すと、 自らの手で死んだはずの彼らに追い回され続ける夢に堕ちた 『お嬢さん』は、ぱったりとその場に倒れてしまった。 なるほどきっと、“歓喜の”叫びなんだろう。 俺にはわからないけれど。] よかったねぇ。 “皆”にまた 逢 えて。 [一度だけ、『お嬢さん』の頭を撫でて、子天狗は立ち上がった。 振り返った先、天狗さまの姿を見つければ、また嬉しそうに笑う。 そうして子天狗は、天狗さまの元へと駆け寄った。**] (47) 2021/07/01(Thu) 0:07:23 |
ッ……
[だが、立っていたのは待ちわびた鬼ではなく
大鉈を携えた中年の男、招かれざる客。
男が薬屋の店主であるともその娘達に起きた悲劇も、鬼に引き合わされず語られもしなかった千は知らないが
開いた瞳孔や発した言葉、生き物としての本能の警報が危険をありありと伝えてくる。
戸口は相手に塞がれている。後退るしか出来ない。
台所にある戸から外に出られる、逃げる隙を見つけなければ──]
あ゛……
あ゛あ゛、あ゛ぁぁっ!!
[振るわれるのは想像したまま。
避けようと身を逸らせた時、起きたことは想定外。
嫌な音を立てて失われた視界の半分。
叫びに近い悲鳴を上げながら蹲り、たまらず熱と激痛を発する部位を手で抑える。
千はただの人間だった。良い家に生まれ、閉じ込められてもその中にいた。
こちらに殺意を持った相手との戦いの術など、持っていない。
伯父に振るわれる暴力は拳か足で、気絶すらしない程度のものだった。]
「鬼の子がのうのうと生き延びて、
何故うちの娘達が死ななければならなかった!」
[その腕を男が掴み剥がし、床へと引き倒す。
最早千に出来るのは、呻き叫びながら罠に掛かった獣より惨めに無意味に身を捩り続けることしかない。
そこからはされるがままに、激情を吐き出され引き裂かれてゆくばかりだった。]
[やがて声すら潰えてゆく。
陸に上げられた魚のように振り下ろされる大鉈の動きに重なり身体を跳ねるばかりの、獲物。
獲ってきた獣を見て喜んでくれた記憶が過ぎったのは、走馬灯なのだろうか。
紅鉄坊との日々は、やはり鬼の子なぞには過ぎた幸せだったのだろうか。
こんなことになるなら、やはり喰らわれたら良かったのだろうか。
男の憎悪の叫びも与えられる痛みも、今は遠い。]
[鬼子の残る左目から流れた涙は、すぐに紅に混ざって分からなくなった。]
[がらりと色彩を変えた空間、動く者は何処にもあらず
誰もいなくなった部屋で虚しく音を立てる火鉢の熱は、開かれたままの戸から吹き込む風で意味を成していない。
横たわり、その寒さに晒されている男の上下する胸の動きは眠りの最中よりずっと微かなもの。
老人のような白髪は身体や部屋と同じく斑に紅で汚れ、乾き始めている。
命がかき消えるまで、残る時間はもう僅かだろう。*]
なんだ、この匂いは……
[ 酷く食欲を唆る。濃すぎる血の芳香だ。
門に到達する前から、強く鬼の鼻腔へと届いた。
ほんの一時、指から流れる一筋を舐めただけの
千の血を思い出すことは、流石に無い。
だがこの状況で嗅ぐそれは、不穏を煽るに充分なもの。 ]
千!!
[ 開かれたままの戸が、淡い希望を握り潰す。
それでも、それでも、どうか応えてくれと名を叫ぶ。
何も、返ってはこない。
駆け上がった石段の先で、見えたもの
───季節外れの梔子が、紅い世界に散っていた。
]
千……ああ、千!
何故、どうしてお前が……
[ 衝撃でぐらついた視界、なんとかよろめきを堪えて戸を潜った。
込み上げる本能への嫌悪で、胃酸がせり上がる。
抱き上げよく見れば、片目から顔に掛けて傷つけられている。
外套の前を開けば、白い着物が無残に色を変えている。
まるで自分と対照にされたような傷の他にも、
酷く虐げられた跡が身体中に存在していた。
刃物を使ったのだろう。同胞の所業ではない。
これはやはり──薬屋の店主からの、村人からの報復だ。 ]
お前は何も悪くないのに
全て、これからの筈だったのに……
[ かつて同じであった人の子を喰らい続ける同胞と、
彼らを見捨てられず約束を取り付けた自分に罪はあろう。
それでも千は無関係だ。
村で千が何をしていても、鬼子と呼ばれるに相応しい悪人でも
花嫁たちは彼のせいで死んだわけではない。
報いを受けるべきは自分だ。
村人を飼い殺すような契を押し付け、長きに渡り花嫁を送り
今更全て捨てて千と外の世界へ向かおうとしていた鬼だ。 ]
千、死ぬな……
私を置いて行かないでくれ……
[ 微かに息があることに気づいても、鬼の声は絶望に震えている。
血が足りない。傷が多すぎる。
収穫した実は全て薬屋に渡した。
対価は後日、寺まで届けられる筈であった。
約束の傷薬も、“これからの為”求めた止血の生薬
──梔子の薬も此処にはない。
血に塗れた愛しい唯一に、何も出来ない。
命が、消えてゆく。このままでは、千は死ぬ。 ]**
彼が生贄を逃している村と、
多少なりとも交流があるのなら
私が彼の元で生活するための道具は
そこで揃えることになるだろうか。
神様への嫁入りに、道具を村から
持たされることは無かった。
それは意味がなかったからか
それとも価値がなかったからか。
彼は村との契約を切ることにしたようだが
今のところ、村にそのことを伝えていないらしい
神としての立ち位置を考えると
簡単に話に行く、というわけにいかないのだろう。
次の花嫁が来た時に伝えるのかと思っているが
さて、実際に彼はどう行動するのか。
村と神の行く末はわからないけれど
穏便に事が進めばいいと思う。
木の上に立つ彼を呼べば
水の目はこちらを視界に入れ、軽々と飛び降りてくる。
最初は高いところから落ちる様子にハラハラとしたもの
今は慣れたように笑みを見せて
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