人狼物語 三日月国


69 【R18RP】乾いた風の向こうへ

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


[ 翌朝、額に口付けを一つもらったというのに、不意打ちだったのだからと、長椅子のまえでもう一つと強請った。

 ヴィは目を閉じ睫毛は長く銀色で、頰に手を添えて指先で触れて見たいと思いながら、それを我慢した。

 彼が目を開けば想像通りの緑の瞳がこちらを見ていて、薄暗い部屋で光を集めとても綺麗だ。

 要望は通るだろうかとじっとしていたなら彼が顔を寄せてくれたので、今度は自分が眼を閉じてそれを待つ。彼の冷たい口付けが額に届いて、目覚めた時より少し長くて自分は嬉しげに笑っただろう。*]

 
 じゃあ一度部屋に戻ろう
 
[ シャワーの水音はしていたがそういえばヴィはゆっくり足を延ばす機会はなかったなと。
 先に湯船を使っても良いよと伝えたがそこは遠慮されてしまっただろうか。

 自分が湯を浴びたいということを言い訳にしてしまったのが裏目に出てしまった。]

そうしよう、あかりが灯るところを見てみたいよね
 王宮の近くなら逆に安全だと思うし

[ がさごそと荷物を漁りシャワーを浴びる準備をする間そんなやりとりをして。浴室から戻った頃には彼は案の定というかヴィは寝息を立てている。
 計画通りというのはこのことだろうか。]

 寝ちゃった?

[ ベッドのそばで一応の声をかけたが返答は期待してない。今日こそは書き物を進めておきたい。覚えておきたいことがたくさんある。
  日が陰ってきたらバスタブに湯をためておこうかなとか、それはやりすぎだろうかとかバカなことを考えていた。**]

【人】 第11皇子 ハールーン

─ 給仕室 ─


 「皿は下の棚の左にある一番デカイ奴使え。
  茶葉はモスグリーンの棚。茶器はその上。 
  壊すなよ。人数?知らね。6人でいーんじゃね。」


[──なんて事を、コンロ台に足を組んで座りながら上から目線で一気にまくし立てるもんだから、俺は流石に開いた口が塞がらない。あの頃と全く変わっていないのだ。
変わってないといえば、この給仕室も何年経っても真っ白のまま。鮮やかな濃いブルーとターコイズ、ウルトラマリンのタイルが幾何学模様を描いていた。コンロの上に備え付けられた棚はモスグリーンの石造り。コンロしたの棚のドアは昔から木だった。ここだけなんで材質が違うんだろうと、今も同じことを思う。それはさておき、]


  ……ちょっ、なんで命令してんの?!
  俺がやる!

 「オマエ相変わらず莫迦だな
  何の為の従者なんだよ。仕事を奪うな。」


[そういえば、といった雰囲気で俺はじっとイスマーイールを見つめた。実に嫌そうな怪訝な顔で見つめ返される。]


 「……何?」


  イスマーイール……従者居ないんだ。


 「殺してやろうか???」
                
.
(98) 2021/04/22(Thu) 19:40:21

【人】 第11皇子 ハールーン


[引きつった笑みで零された物騒なセリフに、思わず笑ってしまった。こんなやり取りを、ダレンはどう思ってるんだろうか?さっき伝えた情報が冗談みたいな雰囲気にみえるかな。
だけど、そう思ってるのは俺だけかもしれない。憂鬱そうなセリフが続く。]


 「もてなしてやってんのに何その態度
  ホント腹立つ野郎なとこは変わってねぇ
  昔からトチ狂ってんだよな。」


  それ、俺のこと毒殺しようとした人が言う?!


 「……昔からそう。皇子の自覚がねンだよ。
  家のために強い奴が残るのは当然だろ。
  弱ぇヤツまで大事に保護なんかしてたら
  秒で財政破綻の未来が見えるわ。」


[『財政破綻』という単語に少々面食らう。確かにそんなこと、考えたことなかったかも知れない。イスマーイールの言葉はそこで終わらなくて]


 「オマエの主観では悲劇かもしんねェけど、客観、
 『皇子の自覚もなくフラフラと逃げ回った挙げ句、
  特に用もないのに男連れで帰ってきた不良債権』
  って状態なの、オマエ解ってんの?」


[そこまでいって、何かに気づいた様に口を噤む。俺は、返す言葉が見つからなくて、ただ、相手から目を離さない事しかできない。]
                
.
(99) 2021/04/22(Thu) 19:45:37

【人】 第11皇子 ハールーン



 「……悪い。言い方誤った。

  けど、お前は全然解ってない。
  こうやって生まれてきたんだろうがよ。
  死ぬのが嫌なら、大人しく言う事聞いてりゃ
  不自由なく暮らせるだろうが。」


  ──大事にしてる、ものが、違うだけ、
  じゃないかな……


 「…………そうやって馬鹿にした目で見るオマエが
  ずっと大嫌いだ。帰ってくんなよ。」


[酷いことを言われてる気はするのに、俯向いてこちらを見ないこの弟の方が傷ついてる気がして、何も言えなくなった。

こんな事を考えてるなんて全く思いもしなかったから、思いやる様な返事はできなくて。自分を正当化してしまっただろうか。でもそれも分からない。

重い空気になってしまったと、ダレンを気にしたら、同じタイミングでイスマーイールが声を投げる。]

                
.
(100) 2021/04/22(Thu) 19:49:11

【人】 第11皇子 ハールーン



 「──おい、出来たか?
  こんだけ喋ってんだ流石に出来たろ。」


[皿に並べられた菓子類を『悪くないじゃん』と眺め、胸元から取り出した指輪を嵌めて、皿の上にその手を翳す。]


 「ふーん。なんも盛ってねぇな。OK。
  行くぞ。」

  ……えっ、何それ、なにか分かるの?


[指輪を外して仕舞いながらさっさとキッチンの外へと踵を返す彼に問えば、毒殺防止に職人に特注で作らせたものだという。石の変色によって毒も数種類見分けられると簡潔に教えてくれた。それから、背中越しにひとこと。]




 「……アンタルが味方だとか思うなよ。」



[それについては、彼はもう口を開かなかった。]*
                
.
(101) 2021/04/22(Thu) 19:57:06


   …………何も言わずに出てしまったわ。
   今度、会いにいくときを…
   最期にしましょう、か……


[ 婚姻を結ぶ相手のことを
  全く知らないわけではないのだけれど
  愛情から程遠い人のようだった。
  情欲のみを満たすために、
  第二夫人以降も娶っているらしく
  飽きてしまえば全く気にもかけないとか。

  真贋は全く見えてこないのに
  先々の不安だけはすぐに見えてくる。
  母なら止めてくれるのではないかと
  心のどこかで期待していたけれど
  そんなことはなく、
  寧ろ相手の支度金の潤沢さに
  差し出されたようなものはあった。 ]






   外の世界が、楽しそうに見えてしまうせいね……


[ 彼と話して外のことを知り、
  侍女達とこっそりと外に出てそれを体感して。
  不自由ながらの自由というものを
  焦がれてしまうようになったから。
  彼女は、何もできないから、で
  話を終わらせてしまうような人ではないらしい。

  しかし、数日後。
  父親によって部屋から一歩も出られなくなった。

 『どこの馬の骨かもわからない犬に
  お前が噛みつかれてしまわないようにするため』

  そんなことを言って、部屋の鍵を閉めてしまった。 ]





────────


   あら、おかえりなさい。
   きちんと、わたせたかし…ら…………

[ 彼女は愛猫の首元に手紙が残っていたので
  残念ながら、ピヤールは会いにいかなった、と
  思い、火にくべようとその手紙をとった。

  しかし、最初のときとどこか違った巻き方に
  彼は読んだのでは、と感じたので
  改めてその手紙をひらいた。

  そこに残るは唇の跡。
  彼女は静かにその跡に自分の唇を重ねた。
  その思いは、血よりも濃い赤いものと
  感じ取ってしまったのだ。
  自惚れなら、彼にまた会ったときに
  さようならと言ってしまえばいい。  ]




   ピヤール?……私と一緒に来てくれる?

[ 夜になり、皆が寝静まる頃。
  扉が開けられるかどうか確認してみた。

  なんとまぁ。
  幸か不幸か簡単に開いてしまった。
  ピヤールは開いた扉からするりと抜け出し
  1人でどこかへ行ってしまったが、
  彼女は静かに気づかれぬように、
  地下室を目指して歩いた。    ]


   ……でも、どうしたらいいかしら……


[ 向かっている最中に大きな問題に気づく。

  鉄格子の鍵をどう解錠するのか。
  多分、持ってるのは父親だと思うけれど
  一本のはずはないと思って、
  何か、誰か他に、と考えていた。
  すると、目の前に父親の秘書のような
  存在の従者が見えたので
  こほん、と咳払いをした。     ]






   ねぇ……お父様の……あれ、
   いなくなってしまったみたいなの。


[ その人物は、それを聞いただけで
  目的地まで走っていったようだった。
  よし、とこっそり追いかけて
  彼がいる場所に向かうことに。
  ちゃりんと鍵が聞こえたとき、
  彼は目を覚ましていただろうか。

  彼女は背後からその人物の頭めがけて
  廊下に飾ってあったツボを
  振り下ろしたのだが、
  うまく失神してくれてほしい。  ]


   ……さいごのおわかれを
   してしまったことを後悔しているの。


 *

 格好悪いなんて思ったことないよ。

[ 先と同じ言葉を繰り返した。語尾が尻すぼみに消え、八の字眉とでも形容できそうなその表情が、大型犬が途方に暮れているようにも見え、伸ばした手に触れる頬は温かい。頬を撫でると自分よりも長く濃色の髪が手の甲を撫でる感触が心地よい。]

 君が好きだよ。

[ 問われるのではなく、在り処を疑懼されるのではなく、自然と口をつき同じ言葉を繰り返した。]

 君が好き。

[ 彼はもう目を閉じており、繰り返す自分の言葉と、明日目が覚めたら、と呟いた彼の言葉の終端が、どちらが先に夜に溶けて消えたのかわからない。熱くさえ感じる彼の体温にくるまれて自分も直に眠りに落ちた。]

[ 夕闇が迫るころ灯籠を灯される王宮はきっと美しいだろう。ダンテの答えにうっすらと笑い、そのまま眠りについた。声を掛けられた事も当然気付かず、次に気がついたのは昼過ぎだ。

 太陽の光が眠りを誘う訳ではなく、単に活動しやすいのが夜であるから体内時計が夜に合わせられているだけで、充分に眠れば目は醒める。時間としては短かったのかもしれないが、深く眠りに就けたようだ。
 目を擦ろうとして、すんでで今は化粧をしているのだと思いあたり手を止める。やはり女性の形は不便だ。窓から差す陽の色でおおよその時間を悟った。]

 ダンテ、お昼は?

[ 朝食を食べすぐ眠ったのだからまるで食いしん坊の様な発言だがそうではなく、起きていたダンテの腹具合の方を心配している。窓際の卓か、応接間の方か、室内に姿を探し、認めればじっとその姿を見た。]**

【人】 第11皇子 ハールーン


[子供の頃から何かと喧嘩をしていたなと思い出していた。下の棚から大きな皿を出して、菓子類を並べようと容器の蓋を開ける。あの頃とひとつ、この家が違っているのは人が少ないことだ。護衛や兵らしき者は視界の端に映れど、女性がいない。

ダレンには紅茶をお願いした>>102。茶葉は何がいいだろうか。意外と種類は多いのだが一番スタンダードであると思われるものでお願いした。]

                
.
(107) 2021/04/22(Thu) 21:23:39

【人】 第11皇子 ハールーン



 ……早めに帰ろう。
 さっきの魔法具屋さんにも行きたいしね


[付き合ってくれてありがとう、と笑顔で感謝を告げて。

きっと、用意だけで疲れさせてしまったに違いない。一瞬覗いたその表情>>102は、今まで見た事なく険しいものだったから。自分はこの世界に慣れなくて避けていたつもりだったけれど、他の人間よりは慣れてしまっているんだろう。]
(108) 2021/04/22(Thu) 21:39:28

【人】 第11皇子 ハールーン


[広間に案内されれば、アンタルとその従者数名、アルスラーンと乳母達が背の低いテーブルを囲む黒い革張りのソファに座って談笑していた。

ふてぶてしくも輪を作るように座るイスマーイール。2、4番目の兄達は居なくて、ホッとした。
ダレンに持って貰っていた皿をテーブルに置く。客人であるのにそんな事をさせて申し訳無い、と、アンタルが紅茶類をアルスラーンの乳母達に引き受けて貰ってくれた。それぞれに置かれたカップに注がれる。俺はちゃぁんと率先してそれらに口をつけた。]


 ……スライマーン、は?


 「婿に入ったよ去年。お前もそうすれば?
 わざわざ見栄張って従者なんて抱えてねぇで。」


[さっきより一層トゲトゲしくイスマーイールが教えてくれた。6番目の兄の行方。一方、俺は感心してしまう。ここを抜け出すのに、色んなやり方があるんだな、と。

アンタルもアルスラーンも、作った菓子を褒めてくれた。特に小さな弟は、無言で夢中になって食べてくれていた。その姿は素直に嬉しくて笑顔になった。

よく見れば、アンタルもその弟さえもさっきの『指輪』をしていた。イスマーイールのあの言葉がぬるりと心を逆撫でる。]

                
.
(112) 2021/04/22(Thu) 21:46:35

【人】 第11皇子 ハールーン



 (俺が信用をされてるされてないとか、そういう話じゃなくて……必要な自衛だよ)


[そう言いきかせるも、もしその指輪がなければ皆食べてくれたのだろうか。そんな考えが頭を過る。
そんな考えに、心が沈むのは、甘えだなと。>>0:146『逃げ回っていた』それは兄弟間での共通の自分への評価なのだろう。出生に向き合っていない、そう言われれば、そうなんだ。]


(さっきの話……ダレンにどう思われたんだろうか)


[問えばきっと、自分を傷つけない言葉を選ぶんだろう。隣にいるその人の事を、伺ってしまう。
向かいのアルスラーンが、菓子を頬張ったままじっとダレンを見つめていて。ちょっと笑ってしまった。さすが俺と似たカラーリングの弟。好みが似てるのかな、なんてね。]

                
.
(113) 2021/04/22(Thu) 21:53:11

【人】 第11皇子 ハールーン


[──『どうして戻ってきた。』

その答えを、自分はもう自覚して持っている。
およそ死んでも口に出せないもの。

菓子を囲んで談笑しつつ、ぐるぐると渦巻いていく暗いものから離れられそうにはなかった。そんな折、]



 「──…………へぇ?
  これはこれは、珍しい客人が居るもんだね。」



[この国特有の乾いた風のような。生き物を選ぶ無慈悲な抑揚のない低い声が響いた。]*
(114) 2021/04/22(Thu) 21:54:22
  


……まあ、
 アレも別に神でもなんでもなかったんだがな

 人間だから、こんなに世界が混沌としているんだ。


.

[ 昨日の晩の君が好きだよという言葉は寝入る間際に。

 胸に流れ星が落ちて、そのまま留まるような気がした。君が好きだと返したいのに、眠気に邪魔をされてしまう。また明日必ず。*]

[ シャワーを浴びてからしばらくは窓際で、昨晩から今まで、見たことや思ったことなど、メモに書き込んでいたが、だんだんに眩しくなってきたから長椅子に移動した。

 ヴィの眠っている場所は天幕で遮られてはいたが、レースのカーテンで窓を覆っておく。

 風が吹き込むようで涼しく室内は心地が良い。自然なもののようだが、魔法の道具が使われているというのが不思議だ。]

 え?もうおきちゃったの?

[ だんだん飽きてきて、持ち込んだ本をめくったり今日の新聞を読んだりしていたら昼少し過ぎくらいにヴィからの問いかけ]

 ちょうど集中できなくなってきたから、何か食べにいこうかなって考えてたところ

[ 何となく、日が沈む前までは眠るものだと思っていたから、割合早い目覚めに少し驚いたのと、嬉しさと。]


 君は何か食べる?
 ルームサービスを取ろうか
 酒も飲めるし

[ ふふと笑って、いっぱいにはいなら夕方出かける時には抜けているだろうと思い堕落の誘い。*]

【人】 第11皇子 ハールーン



[その声の方に、視線など向けられない。

一日だって忘れたことはなかった──なんて、そんな事実を思い起こすのも口に出すのも嫌だ。
油断していた。来ないと言われていたし、実際居なかったから。

衝動的にダレンに縋りたくなるのを拳を握って堪える。]


 「水臭いね、アンタル。教えてくれたのなら
  予定は開けたのに。愛しい弟に会うための時間
  ひとつ作れないなんて、王たる者失格だろう?

  イスマーイールが教えてくれなかったら
  危うく機会を逃すところだったよ」


[無表情のままカップに口をつけるその弟と、薄く笑うイスハーク。

当然のように自分の隣へ座る彼の、二人の従者はソファ近くへ。連れ歩く兵団の一部は広間の外で待たせているのが見える。

一脚余ったティーカップは"そういうこと"だったのかと、今気づいた。乳母達が足早に、空いたカップへいつの間にか用意されていた淹れたての紅茶を注ぐ。]

                
.
(126) 2021/04/22(Thu) 23:15:22

【人】 第11皇子 ハールーン

 

 「へぇ……これおまえが作ったのか。
  大したものだね。あの頃は泣いてばかり
  いたのに。」


[優雅に躊躇いなく菓子に伸ばされる指は、それをその口へ運ぶ。その光景をただ見ていた。何も出来ないまま、声が出せなくなるのはあの頃と全く同じだ。呼吸が浅くなって無駄に動悸が早くなるところまで。
目は合わせていないのに、蛇に睨みつけられたネズミのようだ。]


 「うん、美味いな。ハールーン

  どうぞ?」


[一口齧られたショートブレッドを差し出されるというその行為を、一瞬、うまく把握できなかった。
眼前の、その菓子を、食べろというのだろうか。この、自らも毒でできたような人間の食べかけを。


毒物の扱いに長けているこの兄は、当然のように自身で効果も調べている。何度か倒れて居るのを見たことがあった。次の日にはケロリと笑って話すものだから、それもなお不気味で。──兄弟の間では、彼は体液は当然のこと、髪の先から爪の先まで余すことなく毒物であるという認識だ。

──あの指輪はしていない。

視線が自分を透かして後ろに注がれるのを感じた。ダレンを見てるのだと解ると、その後に発せられる最低な言葉の予想をしてしまった。

この場所では誰もイスハークに逆らえない。出来るとしてアンタルだ。けれど自分の従者を守れるのは自分だけなのである。]

                
.

 
(127) 2021/04/22(Thu) 23:19:05

【人】 第11皇子 ハールーン


[アンタルの静止が聞こえたような気がしたが、お構いなしに咀嚼して飲み込んだ。差し出された中途半端な形のそれを。
こんなところでまさか自分を殺したりはしないだろうと読んだが、何かを冷静に考える余裕なんてない。]


 「──何を考えてる?」


[ゆるく笑ってこちらに問う声に気付いたときには、距離はゼロになる。イスハークの左腕が大蛇のように自分の半身に絡む。頭を支えられて動けない。

アンタルの静止が強く入る。それでも腕は外れない。外すわけないと思ってしまう。]


 「ははは、可笑しいな。兄弟の抱擁に何を
  そんなに動揺することがあるんだい?」


[朗らかに、低く良く通る声は、よく伸びて場を征す。
思えば初めて触れられている。幼い頃からこの兄だけは恐怖で、ずうっと逃げ回っていた記憶しかない。]


  ぁ、……


[あの頃と変わらない空気に、忘れていた記憶が引きずり出される。身体は強張って冷たくなった指先が震える。ふわりと漂う甘く独特な香りが目眩を起こしそうで、ぎゅっと目を瞑って息を止めた。

どれだけどんな禍根があっても『兄弟』という言葉がそれを片付けてしまう。
そこには『従者』など、割って入れるものではなく。]

                
.
(128) 2021/04/22(Thu) 23:24:15

【人】 第11皇子 ハールーン



 「…………つまらなくなったねハールーン
  逃げ回るおまえの方が、よっぽど皇子だった」


[低くつぶやく声と共に、爪の長い指が頭髪の隙間を割って入る。皮膚を舐める尖った感触に肌が粟立ち、思わず回されてない片腕を掴んだ。抵抗になどならない程度の抵抗だ。

その爪が皮膚を破れば何らかの毒が回る。そんな想像をしてしまう──多分合っているのだが。]


 「……小さいね、ハールーン。ちゃんと
  栄養とらないと大きくなれないよ?

  ──菓子類じゃなくてね。」



[ゾッとさせられる耳元の響きに、無理矢理に意識を開かせられるこの感覚に──やっと目が覚める。

この人は意味のある言葉しか言わない。言に魔を込める人だ。表と裏などではなく、多角に光る鉱石のように。黙っていれば捕らわれてしまう。頭にこびりつかないよう意識を閉じて『跳ね返す』]



  っちゃんと、食べてる、よ……

  お菓子は、好きなんだ。
  俺に生きる道をあたえてくれたから……

                
.
(129) 2021/04/22(Thu) 23:27:48

【人】 第11皇子 ハールーン



 「……んふっ、くっくっくっ……」


[いやに嬉しそうに溢れる笑いがひたすらに気味悪く脳内に響いて、]


 「そう……じゃあおまえは
  "それに従事する"人になりたいの?」


[言い方を妙に思う。やっぱり『菓子』が指すものはそれ自体じゃない気がした。意図をやや外して答える。]


  ──俺、は、料理人になりたい
  みんなに、笑顔になってもらえる料理を、
  作る人になりたい……それが、俺の道だと思う、
  から。


[声が震えないように、決意をもって発声した。この気持ちは決して嘘じゃない。
目線を、合わせなくていい体勢になってるのは不幸中の幸いだと思った。]

                
.
(130) 2021/04/22(Thu) 23:31:54

【人】 第11皇子 ハールーン



 「そう…………良かったね。
  ならば定期的に持って来るといい、此処へ。

  僕も甘味は好きだからね。酒に合う。
  身内から忌憚のない意見を貰うのは
  悪くないだろう?」


[おまえも自分で作ったものなら食べられるだろうからと、そう言ってイスハークは腕を緩め──"ひとこと"告げて離れた。他の誰にも聞こえないような、微かな、けれど確かな音を。]



 
『おまえはウスマーンのようには、ならないよね?』




                
.
(131) 2021/04/22(Thu) 23:35:56

【人】 第11皇子 ハールーン



 「……では僕はこれにて失礼するよ。
  御馳走様、ハールーン。
  
  ──戻ってきてくれて、嬉しいよ。」


[離れた腕の感覚だけを、確認して。あとはもう何も、耳に入らなかった。ただその兄の姿が消えるのを見送った。それが本宅での最後の記憶となる。

その場で、自分は意識を手放していた。]**

                
.
(132) 2021/04/22(Thu) 23:40:51
第11皇子 ハールーンは、メモを貼った。
(a10) 2021/04/22(Thu) 23:44:41

 




情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


トップページに戻る


←↓■□フィルタ

注目:ハールーン 解除する

生存者 (10)

ヴェレス
7回 残----pt

 

アウドラ
6回 残----pt

ちゃくせき

ダンテ
15回 残----pt

 

ハールーン
10回 残----pt

ダレン次は泣かす

ダレン
10回 残----pt

次がこわい……!

セト
9回 残----pt

Jet'aime

ダイゴ
12回 残----pt

いたりする

アーサー
21回 残----pt

 

アルフレド
15回 残----pt

ねてる

イシリオン
5回 残----pt

 

犠牲者 (1)

チグサ(2d)
0回 残----pt

 

処刑者 (1)

マリベル(3d)
0回 残----pt

村建て黙狼

突然死者 (0)

舞台 (0)

発言種別

通常発言
独り言
内緒話
囁き系
死者のうめき
舞台
置き手紙

一括操作




発言種別注目






















(0.15 CPUs)
運営 moonpupa
人狼物語 by あず/asbntby
人狼議事 by ななころび
トップバナー画像 by naomyplum
人狼物語画像 by Momoko Takatori
Schwarzwald(黒い森) by hagios
トロイカ TYPE:А / 哀愁のタタロチカ by かえるぴょこぴょこ/あさくら
ようちえんせんき かりんか / ハロリンカ / 凍れる水車 by かえるぴょこぴょこ/あさくら
霧雨降る街 / 少し大きな霧雨降る街 / 蒸気満ちる宴 by きりのれいん
メトロポリス / バビロン / ギルガメッシュ / Valhalla by すむろ水
ひなだん by hinaki
壱番街 / 壱番高校 by 壱猫[onecat]
外道大戦 by mtmt
都道府県キャラセット by kairi(企画代表)
繋<つなたま>魂 / 班帝家の一族 / H)SOCIUS(A by めいあ
もふぁんたじぃ / もふぉれすと by ほのゆる
Cathedral / 学園Cathedral / Grand Cathedral / 学園Grand Cathedral by Izuya
夜月町 by 夜月けい
南区 / 古今東西 by 南
IRO-COLORE(いろころる) by Izuya, 南
お茶会 / 演奏会 / 花見会 by ゆひろ
GNL / GNL+ by guiter-man
ジランドール / イルミネーション by may-co
シキメグリ by afinter
-汝人狼也-人物画 by 878, かんこ
closure / closure' by 閉
Emoricu / Cumorie / 黎明街 by milk_sugar
ワンダーズ言戯団 by pike
宝石箱《Jewel Box》 by 宝石箱制作委員会
文明開化 by sin
カティサーク by apricot with y_hyuga
月狼学園 / 人狼署 / 狼達の軍歌 by apricot
花一匁 / 桃酔郷 by さね
po!son / Girl's Talk by pure_g
madparty by シロクマ
rhizome by CH3COOH
曲芸会 / 曲芸会Hello! by otokasa
AtoZ by 築
瑞洋館 by ういろ
LastSunday / HeaVen by 志摩
かくりよ by plmi
桃色concerto by 桃昆布
狼兎 by クロマ
人狼ヶ谷学園の放課後 by 竜山明日佳
bAroQue / tradimento by souya
Bokuyume. by 卜部
FGOキャラセット by 有志一同
魔法少女は眠らない by 魔法少女チップ企画
Liberte by みぃな
噛志野医院 by manamiz
メギド人狼 by メギドチップ企画
absolventi by ぶんちゃん
歳時抄 by 小由流
文アルセット by 文アルセット企画
荘園パック by ARC(企画代表)
Friends by 真知
城下町の酒場 / 大神学園 by じっぷ
エッグ by 朧恩
ぐれすけ・ぷらす by 純
ニューホライズン by youden
バーバチカ / プトロレ by たべ
ユメツナギ by 天瀬春日
StarGazer / LittleStar by CONBE
御常紀学園 by HS_29
オハナシノクニ by オハナシノクニ制作委員会
Fragment of Jewels by 粉海月
花園女学院 / 他種族孤児院 by はこみ
xxxx組 by サイコ瓦
おりふし学園 by めんるい
Fairytale Syndrome by hTuT
Salute by むくっこ
Le parterre by イヌバラ
Troopers by 人類管理連合
お野菜キャラセット画像 by 無料素材倶楽部
Siuil a Run by 匈歌ハトリ
紫煙をくゆらせ by 空砂
RocketPencil by 山本羅刹
エトリエ / エトリエ・戦国 by とり
ボワボンボン by あとらそふと
古の迷宮 by とり夫
JEX Online by katarazu
煌夜の決闘 by ジュエルセイバーFREE
こだわりアイコン by fatcow
トランプ画像 by しろま空間
リンソン by moonpupa