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【人】 魔王 ウロボロス[横っ飛びに攻撃を避けると、 身代わりになってしまった大南瓜が砕け欠片が視界に入る程に飛び散る。 ただ魔法を掛けられていただけのそれは、物言わぬ野菜の残骸と化した。 豪腕の合間を縫い懐へ飛び込んで、剣を振り上げた。 その刃そのものと己の筋力は、堅牢なオーガの身体に深い傷を残せない。 しかしフォルクスの剣に宿した炎が斬撃と共に敵へと襲いかかる。 彼の武器はその異能で作られたものであり、魔法に適合し易い。 そして、ただ魔法を放つよりも範囲が狭くなる代わり深くへと届く。 また一人、巨体が地に伏した。] (61) 2020/10/30(Fri) 2:10:14 |
【人】 魔王 ウロボロス[純粋な力のぶつけ合いに介入してきた二人は、 同じように戦うには非力過ぎたものの、 違う方法でかき乱し、戦況を変えていった。 ベアの部下で立っているのは今力尽きた者が最後だった。 しかし、数で勝っていた筈のオーガも多くが倒れ、残り二人。] 降伏して、首謀者を吐いてほしいな。 無実体種族と君達オーガ族だけではないね? [その光景を目に牙を剥いて唸るのは、オーガの族長。 努めて穏やかに、今でも取れる平和的解決を提示した。 ここまでの状況から浮かぶ想定の答えを、得ようとした。] (62) 2020/10/30(Fri) 2:10:28 |
【人】 魔王 ウロボロス「黙れ、化け物と偽りの王め…… 人間に媚びを売る貴様らのことなど、わたしは絶対に認めない。 特にウロボロス、貴様だ。お前は何なんだ?何が目的だ? メフィスト王には子供などいなかった! 」 (65) 2020/10/30(Fri) 2:12:08 |
【人】 魔王 ウロボロス君の言葉は正しくもあり、間違ってもいる。 僕は確かに真祖竜の末裔で、 目的は君達魔族の民が戦わずに済む世界だよ [にこやかな表情を作った。 それでも声ははっきり届くように、強く。] (69) 2020/10/30(Fri) 2:14:14 |
【人】 魔王 ウロボロス[その時、何処か遠い場所から轟音が聞こえた。 思わず見上げてしまった、音の先────ヤドリギを。 それは、魔法による攻撃を連続して受け続けているようだ。 何者かが魔法障壁を破壊しようとしている、 自分達が何をしているのか理解した上で?この戦いも、その為に? 理解してしまった。首謀者を、敵の目的を。] (70) 2020/10/30(Fri) 2:14:29 |
【人】 魔王 ウロボロス ベア! [呼び掛けに応え、熊獣人は掴み合いとなっていたオーガを投げ飛ばし 二人の元へと四つ足で駆ければ、族長へと襲いかかった。 フォルクスの槍が砕けたのはそのすぐ後、間一髪だった。] そうか、君達は……教会の残党と組んだんだね? [再び剣を構え炎を灯しながら、呟く。 一見すれば矛盾した、異種族へ敵意を持ち壊滅を目指す両者の結託。 人魔の和平を謳う魔王の殺害は、反するオーガ達は勿論 教会を復権し、魔族の再びの迫害を狙う残党にとっても利点がある。 そうしてヤドリギを取り返せばかつてのように戻れるということ。] (72) 2020/10/30(Fri) 2:16:00 |
【人】 魔王 ウロボロス──やがて── [オーガの族長、彼女は数百年反魔王派を率いてきた。 戦時中は凶暴性を多種族に問題視されながらも、 それ以上の大きな功績を上げ、黙らせてきたのだという。 しかし、戦争とは一人でするものではない。 仲間が戦闘不能になり3対1の戦いを強いられながらも、 彼女にとっての誇りを貫き通したが、ついに膝をつくこととなった。 交戦の知らせの前には止んでいた魔法障壁への攻撃は、 この場に決着がついた今でも再開される様子がない。 旧き時代の意思を継ぎ、永きに渡り活動していた教会。 その残党もまた、復権の未来を夢見続けていたが──── 彼らの暗躍も、終わりを告げることとなる。] (79) 2020/10/30(Fri) 3:41:50 |
【人】 魔王 ウロボロス[何度か拳を受けた身体は、重い。 それよりも最初に受けた傷の治癒が未だに済んでいないのが不思議だが、 放った種族が種族だ。呪いだったのだろう。 配下達も各々負傷をしているが、生きている。 その中で一人、動けぬ程の状態では無いはずの男が蹲っていた。] ああ、可哀想に。 君は……そんな風になってしまうのか [その姿は手遅れではないが、十分な異変が見て取れた。 眉を顰め、戦いの前と違う覚束なさのある足取りを 懸命に整えながら、すぐ側まで歩み寄った。] (80) 2020/10/30(Fri) 3:42:35 |
【人】 魔王 ウロボロスおいで、フォーク。 ……今の君に必要なものをあげよう [何を見ても何を向けられても、怯むことはせず。 幼い頃のように呼び、両手を広げた。 ベアが気づいたのだろう。 制止の声を上げるが、体躯で劣る二人を幾度も守った彼の身体は きっと限界が近い、咄嗟に動けない。] (82) 2020/10/30(Fri) 3:44:59 |
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