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【人】 傭兵団長 ダイゴ -某日:河川港より繋がれた新たな、 - 『本当に一晩で出来たんっすねー、埋立地』 [夜が明けて様子を見に来たチドリは、物珍しそうにだだっぴろい土地をキョロキョロと見回し、くるり、なんとなく浮かれたまま一回転する。任務中だぞと軽く注意をするものの、本気で止めようとする意思は無かった。] 相当な数の錬金術師と魔法使いに協力を煽っていた。 予算はかかっているだろうが、 此処に新たな商業地区が出来るとなれば、 そう躊躇うこともなかったのだろう。 [昨晩、行き交っていた協力者の数を思い出す。今回の任務は護衛任務だった。著名の魔法使いたちが何人もいて、一晩で事を済ませる為の保険といった所だろうか。 当然、この様な規模の魔法を使える当人たちが自衛出来ないわけがない。事情を知らなければ護衛をつけるのは大袈裟なのではないかと声をあげるものもいたし、そもそも埋立地に対する反対だって起こっていたはずだ。誰に決定権があるわけでもない現在だから成せた事業だともいえる。] (105) 2021/04/28(Wed) 5:36:27 |
【人】 傭兵団長 ダイゴ 第なに皇子だったかな。 誰かはもうこの土地に目をつけているのだろう? 『というか立案者はその第三皇子さんなんですけど… 相変わらず政治疎いっすね、団長』 [チドリの呆れた声を他所に、ふ、と顔を上げる。少し前に昇り始めた陽がこの広い土地の先、残る水面に光が瞬く。 ―― 漸く、星が見え始めた、と思った。 もうあの辺りは、海になっているのだろうか。 流石に石油を主とする国の河から伸びるものだから、 "何処か別の場所で見える青"、だとか、 "珊瑚の取れるような冷たい黒"とはいかないけれど。 それでも、自分はこの少しだけ濁った河からみえる、 陽の下の「星」が好きだった。 確かな境界を知るわけではなかったが、河ではなく海に近づく事で、淡水ではなし得なかった塩の精製や、新たな魚の養殖などにも着手するのだろうと噂が散見されている。魔法で魚を運ばなくても新鮮な海鮮にありつけるかもしれない。] (106) 2021/04/28(Wed) 5:37:22 |
【人】 傭兵団長 ダイゴ[事務業務に戻りますね、とチドリが去ったあと、暫くして後ろからハルマが声を掛けてきた。彼は、今回の任務の同行者だ。一晩、働き通しだったせいか煙草をうまそうにくわえている。] 『ネネ、来なかったな』 ……第三皇子との関わりは無さそう、か 『さぁな。今回の内容からして アイツは絶対に反対してただろうから もしかしたら、とは思ったが。』 ……関係ない。 縁を断ち切った事によって 仕事の幅が広がった、ともいえる。 プラスに考えるしかあるまい。 『……、……。』 [少し間を空けたハルマは、背後から手を伸ばす。 お得意の治癒魔法の光が淡く放たれる。 外套の後ろに隠れた虎の傷が塞がっていく心地がする。] (107) 2021/04/28(Wed) 5:38:47 |
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