147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】
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[自分だけが好きに内容を設定できるという
普段と変わらぬ認識の下。
舞台は礼拝堂に定めた。
見せつけてやるに相応しいじゃないか。
黒のタキシードを着た自分は
同じ色の翼と尻尾を背後に出している。
幸せな花嫁が攫われない為に敷かれた
清く青い布の上を嘲笑うように踏み締めて進めば
祭壇の前へと躍り出て。]
[静かに佇む純白の彼女をうっとりと
目を細めて眺め、一言。]
────……綺麗だ、流歌
[この世で最も清廉で美しいと断言できるその姿。
そんな彼女の腰を強く抱き寄せて。]
愛する流歌。僕だけの流歌
どこに僕の愛が欲しい?
自分の手で、晒すんだ……
[問いかけはどこに痛みが欲しいかに等しく。
ここにはエスコートしてくれる父も
ベールダウンしてくれる母も居ない。
薄い布越しに目を合わせようとして返事を待つ。*]
……あ
[ 隣接しあうまぼろしと現実のはざまで
青く光る瞳は薄目でその光景をながめてる。
革靴が踏み荒らしてゆく、
かみさまの領域。
白のヴェールの向こう側から
幸せそうに目を細めた。
下手くそじゃないよっ!ていいたいけど
それは聞こえてないので、
とどくのは声色の少し変わった
愛する人の問いかけ。]
[ 抱き寄せられるまま、
愛おしい人が呼ぶこえを、わたしが望むままに。 ]
潮音。
私をいっぱい、……あいしてくれる?
[ まぼろしのはざまでも
私は最初に潮音に口づけて。
素敵で綺麗なドレス。
着られたの、……うれしいな。
でも、……いらない。
]
[ 純白のドレスはわたしの足元、波紋のように広がった。
白い翼が、手折られたようにも、似た
指先のグローブだけをのこして、
纏う白を喪った私が身につけていたのは
黒いレースのビスチェに黒のガーターベルト。
……あ、ちょっと、これ
さっきまで何も着てなかったのが嘘みたいに
恥ずかしい。
そだね、さっきは
潮音の手であばかれていったから ]
[ じぶんでショーツをゆっくり下ろしてったら
潮音が吐き出した精液と、
私が溢すもので糸をひいて、
……ちょっとだけくらってなりそう。
ガーターだけになったら潮音を見上げる。 ]
……これじゃ、だめ?
[ おりこうさんに、できたよ。
……ねえ、どんなふうに あいしてもらえる? ** ]
[例えばもし見つけるのが遅くて
例えばもしもっと魅力的な男がいて
例えばもし……
きみが他を選んだら僕は
遠くから見守るだけだっただろう。
だけどそうなったことはない。
また僕を選んでくれて、ありがとう。
それだけでいつも幸せだったんだよ、本当に。
]
[だから問いかける神父がいなくとも心に誓う。
如何なるときもきみだけを追いかけて
大切にし守り抜くことを。
笑い声と泣き叫ぶ声の絶えぬ日々を重ねることを。
……怒った顔だけは、あまり見たくないな。
片時も仲良しじゃないのはいやだから
大ばか潮音がいつも全部悪かったで構わない。]
愛すよ、愛してる、……いつまでも
[魔除けのヴェールを自ら取り払った
花嫁からの口づけ受け止めて
一方的な誓いを唇に封じ込めた。]
[彼女が動くので、一度抱擁を解き、
僕に愛されたい場所をその手で晒させた。
この後穢すことを考えるからこそ純白は美しい。]
……! (これ、は……)
[自分は白い衣装の下に
透けやすい色下着なんて着けさせない。
……ああ、絶対にだ。
書き換えられた世界
入り口での違和感
先程よりはっきりと見える気のする青き炎
それらが示すもの、は ]
[まさか、]
……っ だめな訳、ないでしょ……
[結論を出すより先に
目の前の光景に釘付けになった。
あどけなさの残る顔に、豊かな胸。
真っ直ぐ伸びる細い脚に、黒ベルト。
大人になりきる前の危うい色香を纏う流歌が、
殆ど丸裸になった流歌が、ドレスの海に立っていた。]
[答えは全部、ということらしい。
はあ、と態とらしく溜め息を吐くけれど。]
全く贅沢だなァ、流歌は……
すると、先ずはどこにあげようかな……
[咎める気がまるでない機嫌の良さは
声の色でも表情でも判るものだっただろう。
一歩近づき指輪の嵌る手で再び腰を抱くと
逆の手で顎を持ち上げ視線を合わさせた。
タキシードに押し付けるように大きな胸が潰れて
黒いヒールを履いた彼女はいつもより顔が近い。]
かわいい舌を出してご覧
[言うことをきけたおりこうさんの舌を
あーんと口を開いて包み込めば
二本の牙で突き破りそのままホールドした。
舌先だけは甘く舐ってやりながら
強く吸い上げて傷口から溢れる血で喉を潤す。
流歌はいい子だからとっても美味しいね。
そう伝えるのは閉じられることのない瞳だけ。
水平線の向こうに沈んでいく陽のように燃えている。]
[顎を抑える手が不要となれば
舌足らずに話すしかない彼女の背中に
鋭く伸ばした爪を突き立てていく。
英語の授業ではShionではなくSionを使った。
その自らの名を。
無垢なキャンバスに刻み込む。
幾つも、幾つも。
────自分のものに名前を書いて何が悪い?]
[彼女の身体も
足下に拡がるドレスも
染まっていく。 *]
[彼女と旦那さんの関係に自分は踏み込めない。
自分が踏み込むことで彼女が不利な立場になったら本末店頭だ。―――すでに、悪い事をしているのに。こうしていることも彼女の旦那を傷つけているのではと思うのに。
心は止められなくて。
ただ、待つしかできない自分が心苦しいけど
それでも好きなのだと堂々と言いたかった*]
| ―― その後 ――
[思った以上に、夫との離婚はあっけなかった。
相手に十二分に心を奪われていたのだろうか。 それとも、探偵がいい仕事をしてくれて、裁判になっても言い逃れできないほど立派な証拠を突き付けたからだろうか。 夫はあっさりと自分の主張を受け入れ、謝罪すら口にした。
そういえば、こういう素直なところを好きになったんだっけ。 そう思って、彼との思い出を懐かしくも思う。 しかし、それでいて彼にすがったり、取り戻そうと思わずにいられたのは、ただ泰尚の存在のおかげでしかなかった。
幸い子供はいなかったし、自分も働いていたので泥沼化させる必要もない。 慰謝料は夫とその彼女に請求はするが、示談をちらつかせたら言い値で折れてくれたと、探偵社に紹介してもらった弁護士が笑いながら教えてくれた。 こちらの成功報酬で彼に渡す分も増えるので、自分たちは彼らからしたら、いい客だっただろう] (0) 2022/05/31(Tue) 23:19:37 |
|
この家……出ることにしたから。
[夫と離婚が成立してしばらく経った頃。 いつものように御用聞きを装って泰尚が家に訪れた。 きっと、彼は家の中の雰囲気がいつもと違うことに気づいていただろう。 彼を、近くまで招きよせると、小さな声で囁いた。
離婚に伴い夫との財産分与を済ませ、そして夫の浮気相手からの慰謝料も手にして。浮気調査で使った分以上の額がまとまって手に入り、銀行口座の残高に〇が増えた。
夫と二人の名義で買ったこの家は、財産分与と夫への慰謝料を兼ねて自分のものになったので、そのまま住んでいればいいのだけれど、二人用の家に一人で済むのは広さがもったいないから、自分はこの家を出て貸すつもりだった。
目の前の泰尚をちらっと見る。
自分がこのままここを出るとしたら、接点がない分、会うことも困難になるだろう。 別れを切り出されるのではとでも彼は思っているのかもしれない。しかし]
(1) 2022/05/31(Tue) 23:21:48 |
|
いつまでもここにいたら、貴方と私が隠れて浮気していたとばれてしまうかもしれないでしょ?
新しい連絡先―――。二川屋さんの配達エリア外のところだけれど、貴方のバイクなら来られるでしょう? “いつでも”
[今までは、人目を気にして決まった日時にしか会えなかった。 でもこれからは、会いたくなったら誰の目も憚れることなく―― 夫も、近所の人の目も――会うことができる。 そのために適度に離れ、適度に近い距離で、人目がない場所借りたのだった。
隠し通していた自分たちの中は最後まで隠さなければならない。 離婚をしたと周囲にも知られて好奇の目にさらされたくもなかったし]
―――会いに来てね?
[それは念を押すだけ。 しばらくは彼の逢瀬を待つだけだろうけれど、きっとそのうちそうする必要もなくなるだろうし。なにより]
(2) 2022/05/31(Tue) 23:26:37 |
―― 学園内 ――
(これは……参った。完全に想定外ね)
[彼女が上空の門――その外の空間へ
飛び出していったのと同時に、門が閉ざされた。
―――後に残されたのは、
いっそ清々しいくらいの、青い、青い空。
…どうしようかと、内心、頭を抱える。
此方と彼方の虚無の海を繋ぐ門は既に閉ざされている。
彼女…アウローラを、あの虚無の海から救い出すことは事実上不可能と言ってもいい。]
アウローラさん…。
[今度ばかりは、演技ではなく本気で祈らずにはいられなかった。
彼女はきっと知らない。
虚無の海と呼ばれるあの場所が、どれほど悍ましい世界かを。
『夜明け告げるは星の唄』は発売当時としては珍しい、
王道ともいえるストーリーのゲーム作品だ。
いや、正確には『だった』というのが正しい。
『夜明け告げるは星の唄』の発売から五年後、
新たに発売された続編――俗に『第二部』と呼ばれる作品には、前作では明かされなかった物語上の様々な情報が明かされた。
続編が発売された当初は、それまでと違う雰囲気に賛否両論あったけれど。
徐々にゲーム本編をプレイする人たちが増えるうちに、次第に否定的な意見は聞かれなくなっていった。
――…そして、その明かされた情報の中には、
前作のラスボスである『闇の精霊』についても含まれていた]*
[―――…落ちていく。
人の子が齎した光に砕け、その身は灰になって。
そうして、懐かしく悍ましい、あの虚無の海へと我は還る。
夢うつつに、遠い過去を垣間見ながら]
[……昔の話だ。
それこそ御伽噺の中で語られるような、遠い過去の話。
一番古い記憶に在るのは、白い天井。
白い服を着た、自分よりも大きなニンゲン。
自分を取り囲む黒い鉄格子。拘束具。
小さく音を立てる、大小さまざまな機械。
手足や首や胴体に、繋がれたチューブを流れる、
赤や、黒や、透き通った液体。
身動きなどできなかった。
いつからそうだったか、なんて知らない。
少なくとも、物心ついたときには既にそれが当たり前だった。]
[―――…自分が何者かなんて、知らなかった。
白い服を着たニンゲンたちは、此方のことを数字で呼んでいた。
その番号を、自分は覚えていない。
己を示す数字を呼ばれこそすれ、
ニンゲンたちは此方と目を合わすことさえしなかった。
いつも、決まった時間に現れては、
此方の身に異常がないかを確認して去っていく。
ただ、それだけの存在だった。]
[ある日、白い壁の向こう側から声が聞こえた。
『たすけて』『ここからだして』と。
あのときの我にはその声がなんなのか、
誰が発しているものか、そのときの自分にはわからなかったが。
――…彼らの声に、応えなければと思った。
故に、繋がれて身動きできない身体をどうにか起こしながら
彼らを助けようと、声のする方角の白い壁を叩き壊した。
……厳密には、自分は何もしてはいない。
壁に触れることなく、ただ、強く念じただけだった。
だが、それを見たニンゲンたちは明らかに顔色を悪くしていた。
あの、化け物を見るような眼差しは、今も朧気に覚えている。
そうして、数日後。 ]
[…ニンゲンたちのあいだで、何があったのか。
どのような議論があったのかはわからない。
覚えているのは、ただ。
それまで自分がいた場所から連れ出され、
真っ暗な、何も存在しない空間へと放り出されたこと。
そして、そのまま元居た場所へ戻ることはなかった。
それだけだった。 ]*
[―――…嘗て、一人の子どもがいました。
その子どもには、お父さんもお母さんもいません。
家族と呼べる者は、誰も居ませんでした。
そして、その子供はとても小さく身体が弱くて
周りの助けがあってはじめて生かされるような
そんな存在でした。
本来なら、その子どもは何も知らないまま、
流れ星が尽きるように、或いは根無し草のように。
その短い命を終えていたでしょう。
そうならなかったのは、その子どもが
生まれながらに特別な力を持っていたから。
夜空を駆ける流れ星のように、他の人間の願いを叶える。
そんな力を持っていたから。
そうして、子どもは大人たちに
その力を利用されることになったのです。]
[子どもが突き落とされたのは、
どこからも光の差し込むことのない、
どこまでもどこまでも続く、真っ暗な空間。
月も星も、それどころか物と呼べるものが何一つ存在しない、真空の世界。
そこに存在するものは生き物もそうでないものも、
皆、その実体を溶かされて無へと近づいていく
そういう空間でした。
そうして、そこに落ちた子どもは
虚無に、その身体を、記憶を、魂を溶かされて。
やがて、その空間には
子どもが持っていた「力」だけが遺されました。]
[子どもを真っ暗な空間……虚無の海へ
突き落とした女は子どもの消失を確認するのと同時に
その暗闇に叫びました。
『光あれ』と。
その声が響いた瞬間、真っ暗だったその空間は
瞬く間に眩い光に満たされました。
女は、子どもの身体と力が溶けたこの空間に
さまざまな願い事を口にしました。
そのたび、かつて真っ暗で何もなかったこの空間は、
新たな命が生まれ、新たなエレメントが生まれ。
やがて、それは一つの世界のカタチを成していきました。
―――…それが、この世界の成り立ちでした。]*
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