人狼物語 三日月国


74 五月うさぎのカーテンコール

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あっはは! そーか。
いや、ごめん、それは謝るのは俺の方だなぁ。

若い若い。嫌になんてならないから、冷ましといで。

[立てる?と手を伸ばす。
 支えが必要なら、先程の礼とばかり支えよう。
 好意を抱いているという相手に、許されているからと絡み酒したのはこちらだ。
 ほぼ全責任が俺にあると言ってもいい。

 トイレまで見送ったら、ぽすんとソファに全体重預けた*]


 紫亜、手、


[彼女の身体を折り畳んで、すべてを収めた後、滲む涙を舐めとりながら、シーツを掴む手に触れる。]


 縋るなら、俺にしてよ。
 爪立てていーから。


[彼女による痕が欲しいのは此方も。
乱れて貼りつく髪を丁寧に剥いで、頬を包み込む。]


 ……好きだよ。


[荒い息のまま微笑む。
もう幾らも止まっていられないから、彼女に届く内に言いたくて。]


 好きだ、もう紫亜がいないと駄目になる、


[今の自分は、彼女が告白してくれた時の彼女の望んだ位置まで辿り着いているだろうか。
追いつくどころか追い抜いている気もするが。
ぐぐっと最奥まで穿ちながら、もう一度「好きだ」と告げた。*]

やー……そうか、そうだなぁ。

["そういう"対象として見られていることを、改めて実感した気がする。
 チーズをナイフの先で深めに削る。
 大きめの欠片で口に入れて、塩気に任せてグラスを一気に呷った。]

っ、あー、効く。

[ぐらり、頭の芯が揺らされるような衝撃。
 突き抜けるアルコールは、苦い。]

[麦が戻ってくるようなら、一度クールダウン代わり、チェイサーで乾杯しよう。
 冷たい水を飲み干して、アヒージョの残ったオイルにバケットを浸して。
 さて、何を話そうかと言うタイミング。]

ねえ、麦はゲイなの?

[単刀直入直球で聞いてしまってから、言葉足らずかと慌てて言葉を継ぐ。]

ああいや、それが嫌とかそういうんじゃないんだけど。
単純な興味? 関心? いやこれも変な言い方だな。

女の子も好きになるのか、そうでもないのか、まったくもって生まれてこの方俺のこと以外は考えてなかったとか、なんかそーゆー……言うなれば恋バナがしたいってやつよ。

[酔っぱらいの定番トークではないか。
 自分より過去を知りたい、そんな興味。]

……俺が一目惚れしたのも男だったから、なんか一目惚れって特別な効果でもあるのかと思って。

[さらりと、こちらの暴露も挟んでおいたりして*]



  
な……っんで笑うの!



[突然、声を上げて笑い出した蓮司さんにむくれる。
ちょっと本当に笑うところじゃないでしょ!?
恥ずかしいけど、めちゃくちゃ勇気出したのに!!

その理由が「嬉しくて」だとしても、なんだか釈然しなくて
笑いがおさまるまで、じーっと睨んで待っていたら。]

[蓮司さんの意地悪い声。


  …………ほんっとーに、見たいんですか。


[真っ赤になったまま怪訝顔で、も一度確認してしまう。

でもここまできて見せなかったら後悔しそうなので
渋々腕の中から起き上がれば、
腰に手を宛て、ちら、と蓮司さんを見やり。

ルームウェアの下を脚から抜き取っていく。
できるだけ上が捲れないように動いてしまうのは、
見られてる視線が恥ずかしいせいだ。]


  ……ぅー…上も、ですよね。

[これで勘弁してくれないだろうかと、
裾を掴んでも一度きいて。
おずおずと裾を持ち上げ、頭から脱いでしまえば
手で隠したいのを堪え、太腿をくっつけてぺたんと座り。]

  えと……どう、ですか?

[所在なさ気に視線が泳いだ。*]

[名前を呼ぶ声は甘く優しい。
浮かべた涙を唇で掬われたなら眩しそうに片目を眇めた。
シーツを掴んだ手を導かれて、おずおずと両手を背に絡めながら、ん、と短い頷きを重ねる。

頬に添えられた手に自然と上がる眸は、間近に見下ろす真摯な眸を捉えて離れない。]

[落とされた言葉に、浮かんだ表情に。
泣きそうになった。ううん、泣いていた。

潤んだ眸で瞬いたら雫が頬を伝う。
滲んだ視界の中、はく、と呼吸を紡いで、背に回した腕にきゅうと力が籠もる。]


 わたしも、すき
 基依さんじゃないと、やだ、から……
 
 
もっと、駄目になって、



[私が貴方なしじゃいられないように、
    ―――貴方にも私が必要であって欲しい。]


 ……ぁんッ アッ、 
 だめっ……、まだ、動かないでっ…… 

[ぐっと迫り上がるような突き上げに我慢できずに喘ぎ声が零れた。
制する声は甘さが混じるから、余り効果はないのかもしれない。
心も身体も同時に追い立てられて、急激に襲い来る快楽にくらくらと目眩がした。*] 

[やっぱりと言うか、当然と言うか。
嵐には怒られて睨まれた。
色んな気持ちがない交ぜになった。
自分でも言葉にするのが難しいことだから。
怪訝な顔には、笑顔で頷いて。

へー。下から脱ぐんだ。

と、じーっと見詰めて。
確かに下を脱いでも下着は見えなくて。
上もとの言葉には、当然頷いた。]

[太腿をくっつけて座った嵐の。
ロイヤルブルーの下着を見て、感嘆の息を吐く。
手を伸ばして、胸元から足の付け根まで指で辿って。]


…………海の色だ。


[そうして嬉しそうに微笑んだ。]


綺麗だ。とても綺麗だ。嵐。


[顔を寄せると、下着から覗く胸元に、口付けた。*]

[零れた涙はすべて吸い取った。
涙で自分の顔が見えなくなったら勿体ないだろう?
こんなにも紫亜を愛しいと思っている顔をしているのに。]


 うん。
 ……諦めないでいてくれて、ありがとう。


[彼女が通ってくれていた1年以上の間、気持ちに全く気付かなかった鈍感な自分のことを。
特に特別扱いをしている心算すらなかった、自分の気持ちに無自覚だった男のことを。
告白に即答できずに動けなかった情けない卯田を、卯田のことに関しては思ったよりも頑固な彼女が、ここまで育ててくれた。

彼女のことに関しては形振り構わず必死になれる男に。]

[甘え上手は甘やかし上手。
蕩けるような誘いの言葉に堕ちていく。

この恋を喪ったら、 ――もう生きてはいけない。]


 うん、
 
紫亜だけが俺を駄目にする、



[他の誰とでもこうはならない。
張り詰めた先がより深くを求めて質量を増す。]


 もう待てない、
 何回でもイけよ、また「ここ」まで連れてきてやるから、 っ、


[制止の言葉は卯田を止めるに至らず、ぱつぱつと肉がぶつかる音が結合部の水音と一緒に部屋に響く。

先程までは「せめて見えにくい場所を」とのささやかな配慮でつけていたキスマークの位置にも気を遣えず、いつものように喉元に吸い付いた。
命を左右する太い血管付近は、身体が本能的恐怖を覚えるのか、刺激すると膣がきつく締まる。
その感覚を求めて。

何度達しても、また高みまで連れて来てやるから、信じてもっと――紫亜こそ、駄目になってしまえば良い。*]

[幾度も浮かび上がる涙を丁寧に舐め取られていく。
塩気の混じるそれは決して美味しいとは言えないけれど。
何一つ、責められることはなく、宥めるように。

「ありがとう」と落とされた声に。
胸がいっぱいになって、ようやく微笑えた。

ビーフシチューみたいに長く時間を掛けて、
ことこと煮込んだ私の想いは形になって、
ようやく彼の口元に運ばれていく。

跡形も残らないように食べられて、
彼の身体を作り上げるものになりたい。]

[堕ちるなら二人一緒に――、

身体のずっと奥、
貴方しか知らない場所まで連れて行って欲しくて、]

  んぁッ、 アッ、ぁンっ――、……


[身体の内側で質量を増した嵩は、ぐっと深く身体の奥を求めていく。
縋るように回した手に力が籠もり、汗で滑る背中に爪を立てたら赤い筋が彼の背に浮かび上がった。]


 やぁ、だめ、こんなのッ……
 また、すぐイくッ、イっちゃ…うッ……


[段々と水音が激しくなって、身体を揺さぶられて。
ひっきりなしに声が溢れていく。我慢する余裕もなく、激しく息を乱しながら快楽へと溺れていく。
チリッと喉元に痛みを感じたのは一瞬のこと、痛みすら快感に変えられていく。
溺れていくのが怖くて、隙間を無くすようにぎゅうぎゅうと彼に縋り付いて腰に脚を絡めて。

目の前がちかちかと明滅して、一際激しく彼の芯を締め付けた。*]

[伸びてきた指が、胸元に触れて思わず目を伏せ。
ゆっくりと下へ肌を辿っていく指先に、
ぞわぞわと小さく肩を震わせて、息を殺しながら。

そっと瞼を上げれば、嬉しそうな顔が見えて。
色をわかってもらえた安堵に、
ゆっくりと息を吐いていたら。]

  ……っ、ん。

[くすぐったさに、喉が震え。
口付けられた肌が熱さに、
十数時間前に愛された記憶が蘇りかけて、
慌てて首を振って散らす。]

[浴室で触れられた時も、勘違いだったわけだし。
そんなつもりじゃなくただ触れてるだけだと
言い聞かせながら。]

  蓮司さん、あの……

[ただ触れられるのも、嬉しいけど。]

  ……キス、したいです。

[手をそっと彼の両肩に置いて、
私からもおねだりをひとつ。*]

[便座に座って、溜息。
丸めすぎていた背中が痛い。支えられずに歩くことはできたけど、なんというか。]


はあ……


[ため息その2。
でも急がないと。

目を閉じる。左手の指で唇に触れた。
そこに記憶された感触。
顎を開くと指先が唇を割り、歯列をくすぐって怯む舌を押した**]

─ そして仕切り直し ─

お待たせしました。


[良かった。片付けられてない。
3回洗った手は冷たいけれど、全身冷水浴びた時よりはマシ。
顔を見て、隣に座って。]


触っても平気です?


[グラスを握らない左手の上に手を乗せた。]

ジンさんのことが好きだから、ああなりますけど、
でも貴方が緊張したり、怖がったりするようなことは、ちゃんと。それ以上はしませんから。
だから謝らないで、困らないで触ってください。


[持ち上げた手の甲に額を押し当てて、ちょっと笑って。
それからグラスを合わせて乾杯。
中身は水だった。冷たくて甘い。]

[両肩に温もりを感じて。
可愛らしいおねだりが一つ。
顔を上げると微笑んで、抱き寄せて口付ける。
確度を変えて口付けて、舌を入れる。
歯列の裏を一つ一つなぞって、上顎を擦った。

口付けながら、パジャマのボタンを片手で外して。
上着をふぁさりと脱ぎ捨てる。
嵐を抱き寄せると、微かにくすぐるレースの感触。
それから、滑らかな肌の温もりを感じた。]

[抱き寄せた身体を意図をもって辿る。
微かな水音のする唇を離すと、小さく糸を引いた。]


…………。


[何も言わずに嵐を見詰めると、微笑んで。
そのまま喉元に口付ける。
舌で舐めながら、時折吸い付くけれど。
跡は付けないように意識しながら。
鎖骨に、胸元に、口付けて。
彼女の細い腰を抱いたまま、胸元から顔を上げて。
嵐の表情を見ると、小さく微笑んだ。*]

[さて何を話そうかというタイミング。]


……えーと。


[恋バナ。恋バナを振られて首を傾ぐ。]


そう、です。ね?
皆が普通に恋愛するようなハイティーンの頃はずっと片想いしてたので……あんまり。

 




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