サダルは円卓の会議にはいない。
だからこれは、その場所ではない場所でつぶやかれた言葉だ。
キューといくつか会話しても彼らの存在の理解はしなかった。
だからこそキューの望みは完全には理解しないけれど、他の彼らの望みは多く聞いた自覚はある。
議題にあげたかったのだ。
あの日、言いたかった。
『犯人が見つかったら皆は彼をどうするのか』
答えは決まらなかっただろう、大人が決めればいいと従うものもいただろう。
でもそれは果たして平等だっただろうか?
「理不尽に与えられる死が嫌で自分は舞台を降りたんだ」
「平等に訪れる死なんて、存在するのかな」
「あの舞台の"設定"なら存在したのかな……?」
みんなに死んでほしいというわけではない。
人を殺す必要なんて、
”殺したい気分”でもないとする必要がないだろう
だから、……もし存在するのであれば観てみたいと思った
「そんな、みんながみんなを信じる御伽話なんてあるのかな」
古井戸に落ちただけでただの一般人が魔法使いになるようなよくできた話があるのだろうか。
サダルにはわからなかった、舞台は手から離れている