77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】
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彼は村との契約を切ることにしたようだが
今のところ、村にそのことを伝えていないらしい
神としての立ち位置を考えると
簡単に話に行く、というわけにいかないのだろう。
次の花嫁が来た時に伝えるのかと思っているが
さて、実際に彼はどう行動するのか。
村と神の行く末はわからないけれど
穏便に事が進めばいいと思う。
木の上に立つ彼を呼べば
水の目はこちらを視界に入れ、軽々と飛び降りてくる。
最初は高いところから落ちる様子にハラハラとしたもの
今は慣れたように笑みを見せて
「 幸せならよかった。 」
初めて味を感じないと聞いた時は驚きを表した
幼い頃、「美味」と書いてくれたのは覚えているし
人型を取っているから味覚はあるものだと
そういう先入観を持っていたから。
必要も無い、味もしない、それなのに
彼に食べてもらう意味はあるのか、
考えたこともある。
けれど、幸せだと彼が笑ってくれるから。
嫌な思いをしないのならばと
共に食事をすることにしている。
あの日、嫁入りする時の気持ちは
暗く沈んだものだった。
どうなるのかわからない未来。
今までの、そしてこれからの犠牲。
どうしたって、明るい気持ちにはなれなくて。
でも今は、これでよかったと思っている。
生贄制度の流れが変わったこと、
今までの人達がどうなったのか知れたこと、
……彼と再び出会えたこと。
村に閉じこもっていたらなにも知らないまま
私は生を終えていただろうから。
世界は緩やかに時を刻む。
怪物だろうと、人間だろうと
自然の摂理には逆らえないのが世の理。
いずれ私たちはまた離れ離れになる。
けれど、……その時が来るまで。
[蟻となったかんぅが分からず、ぷちっと潰してしまうかもしれないのに。
でも楽観的なところが嫁の大好きなところなのだけれど。
こんなに優しく抱かれているのに、中に熱いものを感じれば、中を焼かれるような気持ちになる。
元々水の生物のヤオディは、体温は低い。
かんぅの熱は自分には熱いはずなのに、それが心地よくて。
彼の手が髪を避けてくれる。それすらも愛しい]
もう、おしまい……っ
あんまりして、飽きられては困るでの……
[中をどんどん開かれて汚されて。おしまいと言っているのに傍若無人にまだ中を抉るかんぅ。敏感な雄を握られ、先端の弱い場所を押されて。
高い声をあげて啼いては、かんぅにすがりつく]
もう、感じすぎて、死んでしまう……っ
[かんぅではなく、自分の方で命数を減らしてはどうしようもないではないか。
まだ続く悪戯に、さすがに体力の限界を感じて、ヤオディは昨晩から何度目だろう。意識を失った*]
[力を与え深くで繋がった天狗にはわかる
茅の足元から広がる妖力の波紋は静かに村中に広がっていく]
ほぉ
[この村を好いていた茅らしい方法と、関心の声を上げる
自ら手を下すのではなく、それは]
こわいのぉ
こんなもん抱えて、よくまあ今まで平然としていたもんよ
それを解き放ってやったんじゃ、茅はようやった
[躊躇いも憂慮もない笑顔で寄り添う子天狗を、褒めるかのように頭を撫でる]
成る程、揺れが大きいと
痛みが出るもの……と
それならば、なぁ冥桜
天狗は走れば鼻が痛むだろうか
[ 残念ながら己は会ったことがない
ただ、天狗の鼻は大きいと聞いている
もし走れば痛むものならば
褌のような何かで顔を覆うのだろうか
その光景を想像すれば抑えきれぬ笑いが漏れ ]
我を知ろうというならば
そこばかり触れる必要もないのでは?
だいたい、他の方法もあるだろうに
いかんのか?
なぜだ?強くはしとらんし
大事というに丁寧に調べてるが──
[ 調子に乗って、より一層撫でていく
気づけば相手の腰が引け
ずるりと湯船に落ちかける羽目になり ]
ぶっ、ふぇ!?!
おぼ……おぼれ、るっ
こ、これ!冥桜!
その姿勢はいか……っ、ん。ん
[ 湯船自体にさほど深さはない
とは言え、横抱きにされ
足を持たれたならばまた別である
足の裏を指がくすぐる度
大きく手足をばたつかせ暴れ回る
そうこうするうち、飛沫が鼻に入り ]
ん、んん?!??
けほっ……っ!ごほ
──んっ、かはっ
[ 見事にむせこけ、目を白黒
じたばたした際全てが見えていたかもしれないが
その辺を確かめるつもりは特にない* ]
[かつてヒトであった青年は、何も知らなかった
村のヒト達からどう思われていたか、真実にはまるで気づいていなかった
村のため、皆のため、と言われれば諾々と従い
嫌と言わずとも恩着せがましく今までの世話を口にされた
青年には何もわかっていなかった
醜い人々の胸の内、ヒトならざる力の一片を得て初めて
一度たりとて、青年を大事になど思っていなかったことを知る
知ってしまった
ああ醜い、ヒトというものはこんなにも醜い
そして愚かだ、ヒトであった自分を含め──
だから
それならば
いっそ────、]
[かんぅ(蟻)は踏みつぶされた。
いや、この心臓は生は彼にもとより捧げられていた。胸にある確かなものが与えてくれる彼との生。それが確かな熱をもつ。もうおしまい、という彼の言葉に続く飽きられて困るという気持ちに、ふっと笑ってしまった。]
飽きる訳がなかろう。
[愛おしい婿殿に
何度も心を奪われているのだ。交わるごとに色を増す彼の事を堪らないと思う。啼いて縋る彼を抱きしめて、それから頬を寄せた。婿殿が死んでどうする。と意識をなくした彼を見つめて、それから密やかな接吻をした。
初めての接吻は救命活動だった。
あのときは照れ隠しされてしまった(かんぅ談)けど
今は違う。今はこうして触れ合う事が出来る]
…かんぅの方こそ
愛を知らなんだのかもしれぬな。
[この愛を。
婿殿が知らぬものを教えたいと思っていた。
其れからどれ程歩いただろうか、気づかされた事気づいたことが多くあった。魔物の花嫁になりたいとはもう言わない。
己は、彼のただ一人でありたい。]
ふむ、もっと知りたいぞ。
ヤオディ。
[主のことを。
交わるだけではなく、言葉を交わし
愛を交わし、全てを知りたい。気を失った彼を抱きあげてまずは汚れを落とそうか。丹寧に丁寧に、洗い身を清めていく。何、時は長くあるのだ。主がくれたときを精一杯。愛し愛されて生きていたい。そんな思いを込めて、愛おしい身を抱きしめた。彼の生が終わるそのときまで彼が隠し事をしていたとしても
倖せであったと言ってほしい*]
それは予にもわからぬことよ。
何せ未だ天狗の類は見たことがない。
[瞼を閉じるが浮かぶは物語に聞く赤鼻の物の怪であった]
噂によるとあれは相当に長いらしい。
問題は揺れるかどうかだが確かめて見ぬとわからんな。
とは言え予では会えぬ気がするが。
[薄らと瞼を開くと手はそのまま動かしていたからかリンが暴れ始めているところであった。
よいせと暴れる身体を抱き寄せると湯に尻と腰だけ浸かる高さまで引揚げてやり背筋を擽るではなく優しく撫でてやる]
ほれ、鼻に入ると痛かろう。
鼻を摘まんでやるから、ふん、とするのだ。
[男はリンの鼻を片方だけ空気が通るように摘まむと先ほど自身がしてみせたようにしてみよと謂う]
すまぬ、流石に擽った過ぎたか。
しかしな、お主が弄っておったのは真に鋭敏なのだ。
強くしすぎてはいかんし優しくしすぎてもいかん。
[片方でふんすとできたらもう片方が通ずるように鼻を摘まんでやろう]
一度興ればしばらくは萎えぬし。
弄りすぎれば先端から白いねばねばの液体が出る。
[それは宛ら――]
そう、女子は大きくなり子を成すと胸から乳が出るが。
男児は此処を大きくすると先端から汁が出るのだ。
それなりに生臭いものだぞ。
[じたばたしたことで丁度リンの股間に直立したそれが挟まり先端だけが頭を覗かせていたようで、ほれ、ここからだと男は先端を示した]
お主がもう少し成長したらな。
もう少し詳しく教えてやろう。
お主が言うように知り合うには色々とやり方がある。
[リンが落ち着いたら肩まで湯に浸かろう]
逆上せぬ間に温まれば上がるとしよう。
今宵は眠りの詩を聞かせてやろう。
[そう頭を優しく撫でてやる*]
[ これ程までに声を上げ身に触れても、目一つ開けず反応も無い千
暮らしの中健康的に変わった筈の肌は、また白くなってしまった。
取り戻してしまった記憶が、
目前で大切なものを喪う悲劇が三度目であることを理解させる。
戦慄く唇、震える身体。
かっと見開いた紅の目尻に水が溜まっていた。
喪いたくない、喪いたくない、……喪いたくない。
直ぐ其処にある終わりの前で、
尽くす手も見つからず、それでも諦められない鬼は
──やがて、気づきに至る。 ]
[
ならば此処にあるじゃないか。
山の獣の命を啜り得てきた、潤沢な
六尺の身体を動かせる程のそれが!
鬼は笑みを浮かべていた。
それは日常の中、千の隣で時折緩んだ表情とよく似たもの。
抱くのは村人への憎悪ではなく、愛した者を守れる喜び。
常軌を逸した思考に至っても、鬼は花嫁の愛した鬼のままでいる。 ]
待っていろ、千
[ 上向きに千を横たえ開いた大口は、無論彼に牙を剥きはしない。
持ち上げた自らの逞しい腕の、太く血管が流れる手首へ
──鋭い犬歯を突き立て、一気に噛み切った。 ]
ぐ……っ
[ 堪らず漏れる呻き声。
躊躇いの無い自傷行為は外敵に与えられるのとは違う痛みを齎す。
それでも、止まることは無い。
顎を持って口を開かせ、押し当てるように傷口を触れさせる。
その喉に鬼の血が流れ込んでゆく。 ]
生きろ、未だ死んではならない
どうか目を開けてくれ……、私の元へ戻ってきてくれ
[ 急激な失血とこの場に漂い続けている濃厚な血の芳香
この人間を喰らえと、足りぬものを補えと叫ぶ本能。
その一切を無視し抗いながら、
鬼はひたすらに血を注ぎ、呼び掛け続けた。 ]*
[鬼の行ったことは、花嫁の死を前に冷静さを失ったとしか言えないもの
だがその行為は確かに、直ぐ途絶える筈だった呼吸を繋いだ。
されるがまま流し込まれている内にその音は大きくなり、やがて噎せ、吐き出す動作を挟むようになる。
しかし厭がるような素振りは無く、苦しみながら自ら喉を鳴らして取り込んでいった。
狂気的な救命が続き、外がすっかりと宵闇に閉ざされた頃
残された片目がゆっくりと開き、目前の男とよく似た彩りを晒す。]
[そして相手を退けるように起き上がり、素早く距離を取る。
汚れた床に両の腕をつき、膝をついたまま腰を軽く上げたような姿勢
荒い呼吸音を響かせながら睨みつける姿は、領域を侵された獣に似ている。
獣じみたその者は紅鉄坊に飛び掛かり、太い手首を掴んで引き倒そうとした。
もし体躯の差でそれが叶わなくとも、糧を求める本能は血を流す部位だけは離さないだろう。]
[地獄じみた血潮の世界、
最早此処には鬼しかおらぬ。
浄土へ旅立つ人の子留めるならば、
同じ道へと堕とすしかない。]
[血に塗れた、死装束に似た白い着物姿に、乾いた紅がこびりついた幽鬼のような色の顔。
手首に食らい付く勢いで命を啜り上げる白髪の男。
一体どちらが鬼なのか分かったものではない光景。いや、もう既にどちらも鬼なのだ。
なり方が特殊だった故か肉は全く喰らおうとしないが、似た存在と化したことに変わりはないだろう。
理性に欠いた獣の如く果てた存在を、紅鉄坊がどう扱っても
やがて肩の動きは安定し、瞳に知性の光が宿る。
いつの間にか新しい血は流れなくなり、着物の下で全ての傷が塞がっていた。]
……紅鉄様、俺は
[紅い左目が困惑を宿し、紅鉄坊を見上げる。
覚えているのは死に瀕し力なく目を閉じるまでの出来事。少なくとも、今は。
半分になった視界に未だ慣れないのか、目元に触れたりあちこちに目線を滑らせた。
惨い傷を目にし痛ましげに表情を歪めて、許されるなら腕を取り掌に頬を擦り寄せる。
労るように、許しを乞うように、──再会を喜ぶように。*]
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