【人】 『人形屋』 サダル―祭り2日目 裏街 「人形屋」― 「…そうですよね。そうでした。 メレフさんにとってはお食事ですからね。」 そうか、と。深く考えることはなかったのだと、私は少し反省した。 考え方のものさしが違うのだ。それは食事で。彼にとっては 誰かに行う特別なこと、じゃない。 その種族としてはそれが顕著に現れるのだろう。 人間だって、楽しみたいから楽しむ。そんな人だっているのだから。 (174) 2021/12/12(Sun) 22:19:46 |
【人】 『人形屋』 サダル「…避妊と性病予防の魔法陣だけは使いますね。」 ぽう、と。下腹に添えた指先に魔力を込める。 トントットトン、と軽くノックして、体の奥底へと魔法陣を刻み込んだ。 これは念の為だ。昨日の分については手遅れだけれど、本来行為に及ぶならしたほうが良いはずのものでもあるから。 「恥ずかしい目…が、お好きなら。 でも。 恥ずかしがるかは、別ですけれどね。 それに、あまり酷かったら他のアイテムも回収させて頂きます。 あえて、釣り合いの取れるものにしましょう?」 まああれも。とても良いものではあるのだが。 でも。 ああ、でも。 (176) 2021/12/12(Sun) 22:20:55 |
【人】 『人形屋』 サダル「…このお話を無かった事に。 それは。 …できないお話ですよね?」 交渉は。契約は成ったのだから。 眉尻を下げて、拳を握りしめてしまう。 さっと、文机の引き出しから取り出した紅血晶。 まだ手付かずのそれを、おいて。 「…色をつけてお返しする、と言っても。」 (177) 2021/12/12(Sun) 22:21:36 |
【人】 『人形屋』 サダル彼には食事は必要だから。 申し訳ないと思う。 だけど、だって。 自分でなくても良いんじゃないか。 そんな想いに囚われてしまって。 私は。 私はそんなの、嫌だって。** (178) 2021/12/12(Sun) 22:21:52 |
【人】 向日葵 店主 イクリール[ 魔王様が倒れた日。 私は勇者に復讐を誓った。 けれど彼は強く、今の私では敵わない。 だからひっそりと力を蓄えて。 その時に相手を知るために 人間の技術、錬金術さえも学び 私の全てで彼を殺すつもりだったのに。 ──気付けば勇者は亡くなっていた。 寿命なのか、流行り病なのかは分からない。 こんなにあっさり死ぬとは思ってなかったのだ。 魔王様を打ち倒した人間は 特別だと思っていたから。 まさか他の人間と同じだなんて。 ……そんなの、おかしい。] (181) 2021/12/12(Sun) 22:37:01 |
【人】 向日葵 店主 イクリール[ 勇者以外の一行であっても やはり同じように寿命を迎えて居なくなっただろう。 私の復讐は、行き場を無くした。 そしてそんな私を嘲笑うかのように、時は流れ。 魔族と人間の融和も進み始めた。 『魔族と人間』 相入れなかった筈の関係が変わる。 過去は過去と。 皆忘れ、あるいは前に進むために目を伏せ 未来へと進んでいく] (182) 2021/12/12(Sun) 22:37:25 |
【人】 向日葵 店主 イクリール[ あの人を殺した人間を? いえ。 もう勇者は死んだ。 今いるのは関係のない人間ばかり。 子孫が居ても 当人でない以上、過去と関係がない。] (183) 2021/12/12(Sun) 22:37:58 |
【人】 向日葵 店主 イクリール[ 私には長い時が残っている。 けれど……残っていても 私には目的が無くなった。 何をすれば…良いのか。 分からない。もう何も。 死ぬ勇気もない私は ────私は、その時、空を見た。 空からは雪がはらはらと舞い落ちて来て 周りの人間は祝祭を楽しんでいる。 その時。 復讐する相手はまだ居たんだって 嬉しくなって。 何十年振りに声を出して笑った。] (184) 2021/12/12(Sun) 22:38:30 |
【人】 向日葵 店主 イクリール[ 魔王様を倒した人間が祝うのは……良い。 それは打倒した人間の権利だ。 けれど天は? まるで祝福するかのように 毎年雪を降らせるあいつらは? 魔族は天によって苦しめられて来た。 あの勇者だって、天の導きがあったんじゃないか。 あいつらは姿を見せないが必ず存在する。 だから私は。] (185) 2021/12/12(Sun) 22:38:47 |
【人】 向日葵 店主 イクリール[ そう思って。 私は漸く願いを叶えられる段階まで来ていて。 ……けれど、実行出来ていない。 黒い太陽は、天への復讐だけれど。 街の人間にも当然影響が出る。 友達が居て、小さい頃から知ってる子がいて 同業者がいて。 知り合いが、増えた。 大切だと思えるものが、増えた。 私の手を鈍らせるものが増えた。 数百年の悲願だと言うのに。 原初の願いを、私は叶えられずにいる。 それに彼らはきっと、この願いを肯定してくれない] (187) 2021/12/12(Sun) 22:39:46 |
【人】 向日葵 店主 イクリール[ 私はその答えを持っていない。 だから、他の誰かの願いを、私は必ず肯定する。 私が……そうされたいから。]** (189) 2021/12/12(Sun) 22:40:19 |
向日葵 店主 イクリールは、メモを貼った。 (a31) 2021/12/12(Sun) 22:44:25 |
【人】 箱庭の雛 フェレス……僕は、 [ 今朝見た夢が、脳裏をよぎって、 少しだけ詰まってしまった。 ] ……フェレスです 改めて、初めましてルイージさん [ 口元の手は、どうしようもなく、 寂しかった。 ] (191) 2021/12/12(Sun) 22:48:11 |
【人】 箱庭の雛 フェレス[ ―――理由があれば、何だろうか、 わからないけれど、もう少しだけ頑張ろうかと。 そう思ってみたから。 ] 相談に乗っていただいてありがとうございました [ 噴水の淵から立ち上がり、 ルイージさんに感謝の気持ちを伝えるために、お辞儀をした。 少し、罪悪感がない訳ではないのだけど。 ] あの提案は嬉しかったけど、ごめんなさい [ まだ、諦めるまでには早いだろうと。 ] (192) 2021/12/12(Sun) 22:50:17 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ紅茶やココアを淹れるのは、もう少し先になりそうだ。 ―――― ノートを手に思案顔を浮かべていた彼が、 殆ど反射のように謝罪を紡いだのを聞けば>>161 女はふるふると頭を横へ動かした。 元はと言えば、机などに放置していた自分が悪い。 彼が信頼していると言ってくれるのなら 安堵したように肩から僅か力を抜いた。>>162 それから続けられた言葉には、眉を下げ。 「 ………… それは、だめ。 私がほしいって言うことがあっても……。 」 ぽつりとそう返そう。 (195) 2021/12/12(Sun) 22:52:27 |
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