【人】 裁判官 リーベルト─ 回想・影を抱きしめて ─ [様子を見に通い始めてどれくらい経っていただろう。 数ヶ月も経過したように感じていたけれど、実際はほんの数週間だったのかもしれない。 頻度としては週二、三回だったか。 扉越しとはいえ一言二言は会話していたのに、数十年間遠く離れていたかのような気がした。「久しぶり」だった。 大学卒業後も定期的に会っていた、ほぼ唯一と言っていい友人。 それが彼、ヴィクトルだった。 ギブアンドテイク止まりな友達はそれぞれの人生へと歩を進め、僕自身もわざわざ連絡を取らないから自然と疎遠になっていった。 時折一方的な近況が届き、申し訳程度に同窓会に誘われるのみ。] …………、 [零れ落ちた言葉>>0に返事は出来なかった。 何を言っても傷付けてしまいそうな気がした。 非情を承知で答えるならば、頑張りというものは必ずしも実らないし、報われない。 ――どんなに努力したところで、僕が彼になることは出来ないのと同じだ。 それでも、 努力に友情を重ねたなら、勝利を願いたいじゃないか。] (120) 2019/04/17(Wed) 0:50:34 |
【人】 裁判官 リーベルト……君は君です。 これまでも、これからも。 ヴィクトルは、ヴィクトルです。 [「駄目なんかじゃないですよ」そう言いたかった。 けれど酷く無責任な気がして、言えなかった。 失敗への後悔も、無力さへの悲嘆も、罪悪感に苛まれる弱さも。 そういった全てを含めて、彼という男が存在するのだと思った。] (121) 2019/04/17(Wed) 0:50:39 |
【人】 裁判官 リーベルト[差し出したハンカチは土砂降りの雨に打たれたみたいに、すぐに使い物にならなくなってしまった。 抱きしめたままだったから、反応>>1があっても微かに首の動きが伝わるのみ。 無理に話をさせる気はなかった。 話したければ話してくれれば良い。 そうでなければ、聴き流してくれると良い。 必死に紡いだ言葉が君の心に届くかどうかはわからなかったけれど。 ただ、腕の中の君が、ひどく儚く思えた。 すっかり濡れてしまったワイシャツが、 胸にぴったりと張り付いた頃。 顔が上がった>>3なら、台無しのイケメン顔を改めてティッシュで拭ってやった。] 強そうでしょう? 実際僕らは強いですしね。 [戦女神でもなんでもないけれど、怖いものなどない気がした。 同じ過ちは二度と繰り返さない。 今度こそ観に行こう。 ひと回りもふた回りも成長した、彼の晴れ舞台を。 往生際の悪さもまた、彼の長所だ。 一つの物事を好きで居続けられることは、立派な才能だと思う。] (122) 2019/04/17(Wed) 0:50:54 |
【人】 裁判官 リーベルト[そうしてあれやこれやと話を聴いた。 会えなかった期間を埋めるように。 劇団のこと、舞台のこと、 今までのこと、そして、これからのこと。 取り留めもなく色々な話をした。 結局お暇したのは、日付が変わる頃だった。 帰り際、どこかすっきりした表情の彼を見て、] ( もう、大丈夫そうですね。 ) [そう思ったことをよく憶えている。 翌日。 無事に第二の人生の幕を開けられた一報が届いたなら、賛辞を贈るとともに飲みに誘ったのだった。]* (124) 2019/04/17(Wed) 0:51:06 |
【見】 最上 雪─回想・思いが篭ってしまった経緯─ [こうまで感情が乗ってしまったのは、 もう一人の友である『兄』の方の電話。 その内容を思い起こしてしまったのもありました。 水曜の深夜に突然掛かった電話。 そこで聞かされた、一つの告白。 義弟を、家族を、職場の方々を、私達を。 守るために練っていた計画のことを。 そして、それを達成するために必要な 材料の一つが自身の命であったということ。 その場所に、海を選んでいたことも。 ─────それが、友である義弟より 思いの丈を打ち明けられ、心揺さぶられたせいで 実行が出来なくなりそうだという 消え入りそうな声で呟かれた彼からの本音でした。] (@20) 2019/04/17(Wed) 0:59:00 |
【見】 最上 雪[嗚呼。この友たちは、兄弟は。 どうしてこう次から次へと 私に絶句するようなことばかり 打ち明けてくださるのですか! ─────良かった。 貴方が海に攫われてなくて本当に良かった。 友よ、貴方の勇気は決して無駄では無かった。 もし、間に合っていなかったら…………。 気付くのが。思いを伝えるのが 間に合っていなかったら──────ッ。 何やら熱いものが込み上げて 目頭も同じように燃えるような熱さを覚えましたが その思いと正体は自分自身が よぉーく知っておりますとも。] (@21) 2019/04/17(Wed) 1:00:28 |
【見】 最上 雪 ……友よ、よくお聞きなさい。 貴方より年下の身ではありますが 私は今、この身の内に強い怒りを覚えています。 ───── お 分 か り で す ね ? [ヒェッとか一瞬聞こえてきたけど問答無用。 こればかりは私も言わずにいらいでか。 そしてそれはそれはもう懇々と、懇々と 親切丁寧懇切豊かに教えましたとも。 貴方の義弟である我が友は今までずっと (無自覚に)貴方への想いを抱え続けていたことを。 貴方が褒められるたび(無自覚ですが) 嬉しそうにしていたことを。] (@22) 2019/04/17(Wed) 1:00:46 |
【見】 最上 雪 そして、彼が貴方に思いを伝えた後。 彼は私にこう言いました。 「あいつが、俺の側に居てくれて良かった。」 ……そう言って、静かに泣いたんですよ。あの人が。 私の前では滅多に泣かなかった、あの人が。 [その一言にどれだけの思いが込められたのか。 側で相談に乗り、お話を伺っていたからこそ そこに込められた万感の重さを理解出来たばっかりに。 今の貴方へ抱く怒りはもう、ええ。 はち切れんばかりに溢れるほどでした。] (@23) 2019/04/17(Wed) 1:01:07 |
【見】 最上 雪 友よ────蘭志郎さん。 貴方、常々私にこう仰ってましたよね? 「────あいつに、家族を二度も失わせてたまるかよ。」 ……どの口でそれを仰ってたんですか?? 家族を失わせたくないとのたまった貴方が 何故勝手に一人で計画立てて 勝手に家族や私たちの為だと言って 勝手に一人で消えていこうとするんですかね? それこそ貴方の言う“家族を失う”に 当て嵌まるんじゃございませんかね 何さらっと友に一生物のトラウマを与えようと しているのですかこのお馬鹿さんが。 [嗚呼、友相手にここまで怒ったのは初めてですね。 何か絶句してるけど知りません 私は私で言わせていただきますとも そうでなければこの怒りが可哀想です。] (@24) 2019/04/17(Wed) 1:01:35 |
【見】 最上 雪 …………友は。ある日突然。 何もかもを奪われたのですよ。 その苦しみを……本人の次に知るのは。 ─────12年間側にいた、 貴方自身ではありませんか…………っ。 [ええい涙よ、鎮まりなさい。 今はまだ、その時ではございません。 まだ、まだ伝えていない言葉が山程あります。] …………私、嫌ですよ。 友が貴方の遺影を見つめる瞬間も。 そんなことで貴方の弔辞を読むのも。 貴方を見送る友の姿を想像することも。 貴方と会えなくなるのだってねえ、 全部、ぜーんぶ嫌ですよ。ねえ。 (@25) 2019/04/17(Wed) 1:01:57 |
【見】 最上 雪 …………何とか、言ってくださいよっ………! [最後は八つ当たりに近い言葉をぶつけてしまいました。 嗚呼、これは後日謝らねば。 しかし友を思って怒ったつもりが 気付けば自分のエゴで怒ってしまいましたね。 けれど、貴方を突然失う友の姿を想像すると それこそ胸が張り裂けんばかりの思いですよ……っ。] 生きてて…… 本当…………良かった…………っ。 (@26) 2019/04/17(Wed) 1:02:14 |
【見】 最上 雪[嗚呼。深夜午前2時丑三つ時。 互いに電話越しでわんわん泣いてる男二人だなんて 馬鹿ですよ、最大級の馬鹿ですよ。 端から見ればきっとただの馬鹿ですよ。 女性陣に「男って馬鹿ね」って言われたら 否定出来ない姿ですよ、ええ。 女性陣よ。 男ってね、単純なんです。 単純だけど面倒くさくて結構遠回りして。 だからね、そういう時は 優しく指摘してあげてください。 相談したくても色んなことが邪魔して 素直に言えない生き物達ばかりですから。] (@27) 2019/04/17(Wed) 1:02:42 |
【見】 最上 雪[宇宙の大局や『人理』と呼ばれる人の歴史から見たら きっと話にすらならない埋もれゆく事柄なんでしょう。 ですがね、私は、私は。 そうして生きてきた貴方がたのことが 心の底から好きだったんですよ!] (@28) 2019/04/17(Wed) 1:03:36 |
【見】 最上 雪 ────貴方達はね、言葉が足りません。 もっと相手の心を知ろうとなさい。 何のためにその舌と耳はあるんですか。 少なくとも、対話を試みるのを諦める。 一人で何でも解決しようだなんて それこそ手数も少ない愚の骨頂ですよ。 (@29) 2019/04/17(Wed) 1:03:59 |
【見】 最上 雪 貴方達はね、単純なんです。 話せば8割方が解決するような そんな内容ばーっかりですから。 [あ、この話は友にするべきでしたね。義弟の方の。 まあでも今はこちらの方が重要なので これはこれで良しとしましょうか。] それで何ともならないならば、 こうしてまたお話ししてくださいな。 ────貴方がまだ、 私を友だと思ってくださるのであれば。 (@30) 2019/04/17(Wed) 1:04:31 |
【見】 最上 雪[その後、もう一人の友との約束により この夜の出来事は友へ一切語っておりません。 これが、後僅かなところで 想う者同士が永遠の別離になりかねなかった。 そんな小噺にもならない記憶の端くれです。]** (@31) 2019/04/17(Wed) 1:04:50 |
【人】 裁判官 リーベルト─ SA到着の少し前・車内 ─ [己がお茶を吹き出してしまったのと同様、運転席の彼も驚いた様子>>24だった。 それでも車体がぶれることがなかったのは、流石元プロ運転手。] 口の達者な聴き上手でしたからね。 パーソナリティーの仕事はぴったりでしょう。 [どうやら司会進行役は僕らの共通の友人らしい。 明朗な声を聴いているだけで、彼の向日葵のような笑顔が目に浮かぶようだった。 対するゲストは淡々と、事務的な返答を続けていた。 ラジオを聞きながら浮かぶ表情は、弟の成長を喜ぶ兄のもの。 兄に負けず劣らずの捻くれ者で石頭だが、根は真面目な良い子。 そう、兄は思っている。 検事である弟も己同様、多忙な日々を送っている。 行動範囲が被っているから顔を合わす機会も多い。 その都度ヴィクの話をし、ヴィクとのツーショット写真を見せ、ヴィクとお揃いで購入した品々を自慢してきた。 同じ話を散々聴かされて弟がいい加減うんざりしてしまっていることに、兄は全く気付いていない。 そのうちに紹介出来る機会も来るだろう。] (125) 2019/04/17(Wed) 5:28:29 |
【人】 裁判官 リーベルト[サバクンジャー参加の依頼を彼に持ち掛けた時。 正直なところ、断られなかったのが意外だった。 数年来の友で元々の信頼関係があったとはいえ、あまりにすんなりと快諾された>>25ものだから、内心『マジで?』などと思ったのは記憶に新しい。 考えてみれば、ヒーローショーも舞台は舞台。 役者経験のある彼にとっては得意分野だったのだろう。 集まった仲間たちと共に活動を楽しむ彼を見て、誘ってみて良かったと思ったのも事実だ。 復帰の足掛かりとなったかどうかは定かではないが、 己にとって良い人生勉強となったように、 彼にとっても良い経験となっていたなら嬉しい。 まさか人望があるとまで評される程に成長出来るとは思っていなかった。 ただただ、集結してくれた仲間たちに感謝である。 彼が仲間になってくれるなら、ブルーと決めていた。 吸い込まれそうな瞳の色が第一の理由。 そしてグループの参謀、リーダーの右腕と言えば青だろうと思ったのだ。] (126) 2019/04/17(Wed) 5:28:35 |
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