人狼物語 三日月国


54 【半再演RP】異世界温泉物語【R18】

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視点:


一橋 華は、メモを貼った。
(a0) 2021/01/03(Sun) 10:06:47

 
 いや、俺がしたかったんだよ。
 俺がお前の分を敷きたかったんだ。


[こうしているとまるで新婚さんのようだ。と思う。
二人とも全裸だけど。仲居さんを呼ぶということはこの状態の彼を晒すということで、何よりその時間が惜しかったというのは内緒の話だ。温泉旅館なのだから、こういったことにも慣れているのかもしれないが。彼の白肌を見せる気はない。――誰か見ているかも、とエッセンスにするのは別にして。

そうして布団を拭けば]

 …ん


[彼が髪を拭いてくれる。
それが気持ちよく、目を細めてバスタオルで拭いてくれる手に擦りつき。もっとと強請っただろう。あ、また甘えてしまった。と思ったけれど、彼の手が慣れているのがわるい。窓を閉めて、電気が消えれば完全に雪の中。
二人だけの世界だった。]


 なあ、鬼走。
 今いう事じゃないかもしれないけど。


[二人潜り込んだ布団は暖かい。
このまま肌を寄せ合い、眠るのもいいかもしれないと思う程。けれど、甘えるように抱き着いてくれる彼が足を絡ませて腕に触れてと欲を煽ってくる。それは、自分だっておなじだ。鼻先のキスには頬へのキスで返して、手は背を撫で触れて、悪戯の仕返しのように足を擦り付け。またキスをして。
と繰り返しながら、彼に甘いトークを綴る]


 …こうやっていると新婚さんみたいで
 俺はたまらなくなる。もっとお前を独占したいって



 もっとお前と同じ世界にいたい。


[ちゅと顎にキスをして。
それから髪を撫で、雪灯りを頼りに彼へと顔を寄せた。どんな顔をしているだろう。指は薬指を探して絡めようとする。甘いトーク、けれど。その先は、真剣な言葉を孕んでいる。]


  俺はお前と一緒に住みたい。


[ずっと考えていた事を打ち明けて
それからぎゅっと抱きしめた。肩口に彼の顔をうずめるように後頭部を抱いて]



 旭、俺のところに来て。


[彼を呼んで掻き抱く力を強めた。*]

 
[何でオレは謝ったりしているんだ。
 相手は敵対組織の首領ではないか。
 もう、オレの主人ではない筈だ。

 彼の低くてイイ声のあと
 摘まれていた胸の先が
 削り取るように強く扱かれながら離された。]


    
ッひ、 ウうん……っ



[眉間の皺を深くし目を潤ませつつ
 唾液に濡れた唇の隙間から漏れてしまうのは
 甘さ混じりの声。

 また、気持ち良くなってしまった。

 浴衣の上からでもわかる程
 ビンビンに勃起した二つの尖りに残る、疼痛と甘い痺れ。
 絶頂の時間が延長され、頭がクラクラする。]
 

 
[もっと罰を、ということは
 先程のもこれも罰の一つだったのだろう。
 だけど、感じてしまった。]


    はぁ…、 はぁ…

   (……痛いのに、気持ちいい……)


[苦痛ではあるけれど、それ以上に甘露だった。]
 

 
[こんな風にされて感じてしまうのは
 普通じゃない。どうかしている。

 けれど、彼に体液を飲まされると
 何をされても気持ち良くなってしまうのだ。

 先刻も唾液を
拒もうともせず

 たっぷりと飲んでしまった。

 だから……、感じてしまっても仕方ない。
 オレの身体がおかしくなった訳じゃないんだ。]
 

 
[体液を飲む前、耳孔に吹き込まれた声だけで
 達してしまったことは忘れたフリをして
 彼の体液には普段通りの効果があると
 思い込んだまま]


    っ


[腕を掴まれ引き摺られるように
 部屋の中へ連れ込まれる。

 腕の力で身体を寄せて
 首があまり絞まらないようにするのは
 彼の下に居た期間に身につけた対処法。
 離せとか止めろとかの言葉を飲み込んで着いていく。

 下手に反抗すれば仕置きが増えるだけ。]
 

 
[何故オレに拘るのか。
 何故直ぐに連れ帰ろうとせず
 ここで罰を与えるのか。

 わからない。
 何か目的はあるのだろう。

 彼の思惑通りになってはいけないが
 しかし昂る身体のまま投げ出されたら
 拷問より苦しい思いをすることは
 身にしみて理解していた。

 部屋の中ほどか、壁際にて離される。
 

 
[出された指示、
 内容の恥ずかしさに頬の赤みが増すけれど

 この人の不興を買い
 放置されてしまったら堪らない。

 
オレの身体を、慰めて欲しい。



    ……っ


[良く見えるようにとのことだから、
 肩のみ壁につける形で、畳の上、浅く腰掛けた。

 羞恥に耐えながら筋肉のついた太い太腿を開くと
 浴衣の裾が割れていく。]
 

 
[眼差しに灼かれて、おかしくなりそうだ。
 錯覚に違いないのに、
 彼に求められている気がしてしまう。]


    ……っ、見ないで、下さい……っ


[そう訴える脚の間では
 セーマの時には穿いていなかった下着
 黒いボクサータイプのそれが露わになり

 薄くすべすべの生地を
 硬く聳り立つ性器が押し上げていた。*]
 

[彼は本当に自分を甘やかすのが上手だ。
そして自分はまるで彼の子供のようにまとわりついている。
彼と自分とでは子供を望むべくもないけれど、こうして子供ごっこをするのは楽しいかもしれない。
二人で布団の中で話していれば、唐突に彼が改まって話しかけてきた]


 ん、どうした?


[キスをしたり、触れ合ったりして。甘やかな恋人同士の時間。
温泉で温まり、盛り上がった気持ちで浮かれたまま彼の話を笑顔で受け止める。

新婚さんみたい、と囁かれてくすぐったそうな顔をする。
自分もそのように思っていたから。
顎先に口づけられ、指を絡められ、何かを約束するならば小指なのに、薬指にはどんな意味があるっけ、と彼の言葉を聞きながら頷けば、続けられた言葉に目を見張った]

夜長………。


[付き合いだして一年経って。
仕事の時間がバラバラで会うことがなかなかできないけれど、自分から共に暮らすことを言い出すことができなかったのは、どこかで彼に対してまだ遠慮をしていたから。
いや、彼の愛を信じて感じてはいても、“自分”とは違う存在の彼の負担になるのではとどこかで思ってもいたし。
強く抱き寄せられる。
彼の肩あたりに抱きこまれて身動きが取れないのは息もできないからか]



 ………伸……忠



[普段は呼ばない名前を呼ばれ、自分も彼の腕を抱きしめる。
名前を呼ぶのが精いっぱいで、言葉が出ない。



しかし、首を振った]


 ダメだ。お前のところに俺はいけない。



[鼻の奥がツンとなる。泣きそうになるのを必死でこらえて、呼吸を整えて何度も言いかけるのを止めて、言い直す]


 俺はお前のところにいかない。

 ………二人で新しいところに住もう。



[なし崩しの同棲みたいなものではなく、ちゃんと未来を見据えたけじめとして。独占されるのでなく、彼の世界に自分が入るのではなく、二人で新しい世界に住むために。
そんなの同じじゃないかと思われるかもしれない。この思いは通じないかもしれない。
でも自分の中での線引きはちゃんとしておくのは、もしかしたら彼より年上の務めだと思っていたからかもしれない*]



 ……アザレアくん、

 自惚れじゃないよ。
 事実だよ。

 
[情けない僕をもっと見たいだなんて言ってくれる人も、
こんな僕をお姫様扱いしてくれるのも君だけだよ。]


 君だけの姫で居たいと僕も思ってるけれどさ、
 ほんと、酔狂だね……どこが良かったのかな……


[顔でも声でも料理でもなんでもいい。
何か君を僕に繋ぎ止められる要素があるなら。
言葉を続けようとすればするほど
じわじわ視界が滲んできてしまう。

畳み掛けるように降り積もるどこまでも優しい言葉に
溜め込んでいた言葉にならない感情が溢れてしまいそうで。

……と、君に胸を貸して欲しいとお願いする前に
言う筈だったんだ。抜けた。
なんかうまいこと聞いてやってくれ。]

[右手をチョキの形にしてしゃきしゃき……
『*』の模様が焼き込まれた温泉まんじゅうを君の前に置いた。]

── 中秋の名月 ──

[課外実習からはじまるアレコレした夏が過ぎれば時間もできる。
といっても互いの学部のこともあるので時間が許す範囲でという制限は変わらずだが、互いの都合が着くときは一緒に過ごし、春の約束からともに過ごす時間の一つに川原でのお散歩も加わった日々を過ごしていた。
そんな今日はというと遅くなったためいつもなら送り届ける時間の散歩をご所望するお姫様]

 ああ、折角お月さんが綺麗な日だしな。

[テレビやらでいうほど盛り上がる。ということもないけれど、何かにつけて理由がなくても理由をつけて一緒にいたい。
少しだけ彩りが違う日々であれば猶更である。]

[すすき揺れる川原。
流石にそろそろ夜ともなると寒くなってくる季節。大きく丸い月を見上げたりして]

 綺麗だなぁ。

[隣の月光を浴びた恋人の姿は常よりもどこか儚く映えて、少しだけ強めにぎゅっと手を握り締める]

 月のスポットライトを浴びた杏音は反則的に綺麗だな。

[ぼんやりと、そしてしみじみと杏音をみて頷くように呟いた*]

[静かな雪世界に二人っきり。
そんな気分が告白させたのは、彼への独占欲。
普段は呼ばない名前を呼んで、抱きしめた彼の返答に息が詰まった。ダメ、と言われた瞬間の恐怖はもう二度と味わいたくない。けれど、その先の言葉は何ものにも代えられないものだった。抱きしめ返してくれる腕のぬくもりのまま。
彼は、優しい。彼は強い]



 ……ああ。


[彼は強い。
新婚さんみたいで終わっていた自分に、なし崩しに彼を独占したがっている自分に道を示してくれているのだから。彼がいなければもう駄目なのだと思う。けれど、駄目ではいけないと、自分の両足で立てと彼は言ってくれる。


ぐっと抱きしめる腕に力を込めた。
彼の顔を見ないように肩口へ抱き込んだけれど。
実際は――俺が、自分の顔を見せたくなかったんだと分かる]

[日も落ちて少し冷える夜道。
気障な事を言う先輩に、微笑んで。]


綺麗ですね……。


[空を見上げて、吸い込まれそうな夜空に浮かぶ月を見た。
白く冴え冴えとした月は、何時もより明るくて。
月の明るさに星の見えない夜は、本当に月だけが浮かんで居るかのようだった。]



 …一緒に新しい処を探そう。
 ベッドはもちろん、ダブルで広めのキッチンがいいな。
 そしたら、お前と一緒に料理ができるだろ。


[バスルームは二人入っても大丈夫な広さがいいか。
いやでも身を寄せ合うぐらいの空間でもいいかもしれない。なし崩しの同棲ではない、将来ずっと二人で済む場所を考える事が嬉しかった。彼が未来を思い浮かべてくれるのだと分かる。片手が先ほど触れた薬指にと辿る。

見ないでほしいと願った顔は甘く愛しさに笑み
漸くと彼に向けた顔は、幸せを浮かべ]


 一緒じゃないときだってあるかもしれない
 けど、ずっと一緒だと感じれる。

 そんな家にしたいな。

    ――年老いてもずっと。


[未来に約束するように。
大切にしたいと、指と指を絡めて彼の額にこつんと自らの額をくっつけた。新しい処で暮らすためにも仕事を今以上に頑張らなければと思う。『自分』とは違う彼の存在にいつも助けられている。違うからこそ、きっといいんだ。

自分と彼は何処か似ていてでも決定的に違って。
彼はいつだって年上として、自分を助けてくれる。

いつか、返したい。と切に思う。]

月が綺麗ですねって訳した人ね。


すごいなって思うな。
隣に居る人に伝えるのも分かるけど。

綺麗な物を見たら、伝えたいって思うもの。
一緒に分かち合いたいって、そんな気持ち。

それを言葉で表した人は本当にすごいなぁ……。


[人の心と、言葉の力と、どちらも深く、知っていたんだろうなって。
もしも私が一人でこの月を見たら、きっと先輩に伝えたいって思ったから。]

……………………あのね。


例えば私が一人でお月様を見て。
綺麗だなって思った時。
先輩に電話しても良いですか?

用事が無くても。
声が聞きたいなぁとかだけでも。
電話しても良い?


[それまではね。ほとんど毎日部室で顔合わせてたし。
要件メールみたいな連絡しかしてなくて。
他愛も無い電話とか、まして声が聞きたいとか、苦手だったの。
でも夏に会えない時間が出来た時。
せめて声だけでも聞きたいなって思っても。
気軽に電話出来ない自分に気付いてしまった。

お付き合いしてそろそろ1年経とうと言うのに、今更何を言ってるんだって感じだけど。
どうしようもなく不器用な自分もそこに居て。
少し落とした視線で足元を見ながら、繋いだ手をきゅっと握って。そんなことを尋ねる私が居たでしょう。*]



 愛している。
  ……、ずっと、お前を。


[旭。太陽のようだ。
暗い冬の夜を暖かく迎える太陽。愛しいと、唇は笑みを紡ぎ。
小さく彼を呼んで、誓うように柔らかなキスをした*]

 杏音のそういう物の捉えかたは好きだな。

 伝えたくて一緒に分かち合いたい、か。

[訳された意味合いはしっているが捉えかたはそれぞれだとは思えている。
杏音の捉えかたは離れていても気持ちは一つだよ。というようなロマンチックで前向きな言葉のように思えた]

 遠くにいる月は讃えやすいのに、近くにいる人を讃えるのは難しくてもどかしい。

 なんて、思えちまうものだもんな。

[そしてそれだけ解釈をよべる言葉の力は凄いなとも思いながら言い辛そうな様子を漂わせる杏音を見つめ歩くのを一旦止める]

 いいぞ。
 それぐらいっていうのもなんだが、一緒に住みだしたらそれをしなくてよくなるんだから、電話しあえるのも今のうちだし……俺からも電話するな。

[悩んで打ち明けるようにいう杏音に、重くないようにあっけなく自分は答えるのを心掛ける。]

 会いたいとか見たいとかも含めて俺だって思うことだ。俺なんて朝に最初に見るのが杏音がいいっておもって杏音の写真待ち受けにしてるしな。

[今してるのは夏にとった花火をバックにした浴衣姿の杏音であるとかある。聞かれたらみせるだろう]

 …あぁ、でもどうせなら、折角杏音もいってくれたんだし、ここは一つ簡単にできるロマンチックなんてどうだ?

[少しだけもったいぶったようにしてみる]

 ………月が綺麗ですね

[気障にいってみても、隣の貴女への愛情を伝えるのは難しいようだ*]

[綺麗な景色を見ると、自然に空先輩を思い浮かべていた自分だから、褒められると何処か不思議な気がする。
先輩は時折難しいと言ってたから、本当に難しかったりするんだろう。自分で思っていたよりも、要領が悪いらしい先輩の、そう言う所も愛おしいけれど。
だって、真摯に伝えようと、してくれてるんだものね。]


え?待ち受けって何ですか?
え?!彼女の写真待ち受けにしてる人とか実在するんですか?
え????!!!


[見せられたスマホの待ち受け画像を見て。
パクパクと口を動かして、真っ赤になって固まってしまった。
自分が必死で伝えようとしてた事なんて吹き飛ぶくらい驚いて。なんか本当に驚いてしまって。
気が付くと、笑ってた。]

あははははは。やだ。先輩。

すごい嬉しい。

あはははは。


[笑って。赤くなった頬を隠すように、顔の前に手をかざして。]

[けれど貴方が愛の言葉を伝えてくれるから。
思わず。恥ずかしくて腕を叩いてしまいそうになるのを、ぐっと堪えて。
煩い心臓を宥めすかして。一度深く息をして。]


……綺麗ですね。


[思いの丈を込めて、貴方を瞳に納めて微笑みかけた。*]

[自分の思いが通じたようで、力強く彼が抱きしめてくれる。
そして次々と出てくる提案に、頷いたり茶々を入れたりしていた]


 ずっと一緒だよ。年老いても―――死が二人を分かつまで。


[いや、別れさせられたとしても。残された立場でも、先に旅立つ立場だとしても、自分はこの人を思わない日はきっとないだろう、と思ってしまう。

未来を欲しがる自分は彼のような強さがなく、甘えん坊で自分から一歩を踏み出す強さを持たない。
彼が差し伸べてくれた手をすがり、いつだって甘やかされている。
だからせめて、彼が欲しがる家を……家庭を……一緒に支える存在であって、彼に恩返しがしたいと望む]

[せっかく泣くのが我慢できていたのに―――。

泣かされまいと思っていたのに、彼の言葉に抑えていたはずの涙が後から後からあふれてくる。
女の子でもない、大の男が恋人の言葉1つで泣いてたまるかと思った矜持があっさりと崩れさる。

ああ、本当に自分は弱い。

彼はいつだってこんなにしなやかで大らかで眩しいのに。
皆を魅了する魔法使いは、俺をもこんなに魅せてくれる。
鮮やかで、目が離せないだろう。それはきっと永久に]


 ………俺もだよ。


[言葉が詰まってしまって、それだけを絞り出すので精一杯。

愛してる。
ずっとお前だけを。

触れるだけの口づけ。その拍子に流れた涙が口の端に落ちて、唇を伝わって、少し塩辛くて。
言葉にできなかった思いは、その味と口づけで彼に伝わっただろうか*]

 これこれ、恋人を都市伝説扱いはやめなさい。

[実在するんですか?なんて驚いた杏音に見せつついう]

 スマホの写真なんてそういう風にしないとそんな見ないもんだろ。

[というのは自分の感覚。後は言った通り、朝起きて最初に見たい人って誰かってなるとそりゃ恋人だな、という簡単な帰結が菊波の中で成されていた]

[ただそんな恋人の献身?は杏音に響いたらしい。
先程のどこか勇気をだしたおねだりをする心細そうな姿はなく笑って赤くなってと忙しい。
まぁ、それぐらい今更なことだといえばそうなんだ。ただ切欠が今になっただけだ。
そうしつつ自分の提案に一度落ち着くように深呼吸をする杏音を見つめて]

 杏音と一緒に見てるからな。

[常の皮肉気ではない優しい笑みを向けた]

[そんなロマンチックというのは長続きしないのが菊波という男]

 ところで結構寒いがこんなところで抱きしめても総括的には寒くなる一方な気もするんだよな。

 そういや、寒いときは抱きしめて温め合うのと、寒いところの灯油をいれにいくのと、杏音はどっちがいい男だと思う?

 ちなみに俺は後者なんだけどな。

[なんて聞きつつ、握った手をそっとまた引くようにして川原をゆっくりと歩き出した*]

[私が声をあげて笑うのは、照れてる時。
きっと先輩にも気付かれてるけれど。
殊更何でも無い事のように、軽く答えてくれた先輩だから。
私も明るく応えたい。
私が意地を張ったら、見守ってくれる人だから。
私の好きになった人だから。]


私は先輩の顔を待ち受けにする勇気無いですねぇ。
……スマホ見るたび見惚れちゃったら困るでしょ?


[会えない時間に電話出来なかった意地っ張りは。
スマホの写真データを見詰めて時間を溶かす事もあったようで。先輩の主張には頷けない。]

[時折見せる先輩の優しい笑顔
真っ赤になってしまうけれど。
切り替えるように問いかける先輩に。]


寒いときは暖房や炬燵で十分じゃないですか?
灯油が必要なんですか??


[生まれ育った場所が違うのか。
冬や寒さに対する価値観が違うのか。
頭に?を浮かべながら。]


2人で一緒に。
炬燵で蜜柑を食べるか。
暖房の効いた部屋でアイスを食べたいです。


[一緒に楽しんでくれる人が良い男だと。
第三の回答を示してみましょうか。*]

一橋 華は、メモを貼った。
(a6) 2021/01/04(Mon) 0:06:42

 確かに見るたびは困るな。

[時間を忘れるような事態は困るものな。って思う。
実際に時間を溶かしているとは知らなかったが]

 暖房があるならいいが、炬燵だけじゃ足りないことがあるんだぞ…といっても俺も聞いた例え話だけどな。

[頭に?を浮かべている杏音。それは後に、冬の海を見たときの反応なども含めて出身地の差をより知ることになるのだ。
そんな杏音は結局違う回答をして、その意味するところを察して]

 そりゃよかった。それなら杏音のいい男に俺もなれそうだ。
 その時は一緒に映画でもみるか。

[一番大事な彼女との相性として一致できそうだな、って笑みを浮かべた*]

[死が分かっても共にいたいと思うのはきっと我儘だ。
彼の言葉、彼の声、彼の存在がただただ愛おしい。自分の口から上手く言葉が出ない事をこれほど呪ったことはないだろう。ただ、抱きしめるばかりで、彼の言葉に、ああと頷いた。愛しているという言葉だけでは現しきれない。いつだって甘やかされていると互いに思い、せめてと恩返しを互いに望んでいることには気づかない。それはなんと幸福な秘密だろうか。

互いに互いを思うが故に抱えた秘密を有したまま
だきあって、涙を流す彼を美しいと思った。

――泣いてくれるのが嬉しい]



 ……離さないからな。


[覚悟しとけ。と絞り出した言葉に肯き。
重ねた唇は涙の味を飲む。瞳から流れる美しい水滴を、そのまま指で拭い。抱きしめた身体を少し離せば、彼に笑みをみせよう。ないてくれる彼に笑みを見せたいから。美しい笑みを。

何時だって彼に魅せられている
素直になれない彼の素直な部分。
そこがずっと彼はずっと素直だったと思う。]


 ……しまったな。
 食事もまだだった。


[ふと気づいた事実にわらって。
何時もの調子に戻れば、彼の唇にちゅっと軽い口づけを繰り返し、それから腰の部分を撫でた。土産ものをみたり、大きな露天風呂にはいったり、食事をしたり、したいことは沢山あったはずなのに。

抱きしめた肉体が暖かくて離れられない。
このまま、彼を抱くつもりで


指先が臀部をそっと撫で]


 ……ああ、でも
 幸せすぎてこのままずっといたいな


[この穏やかで優しい時間を過ごすのも悪くないと思えるけど。と
彼の身体を緩やかに、柔く優しく撫でた*]

―― アルバイトの理由 ――

 ごめんお姉ちゃんそろそろ行かなきゃ。

[ え〜やだやだもっと遊ぶと、見事な甘ったれに
 育った妹は不満そうな顔をするけれど。 ]

 良い子で待ってて。
 お土産に柚理の好きなアイス、買ってくるからね。

[ わかったとニッコリする辺り、血の繋がりを感じる。
 とても、現金。そっくり。
可愛い。


 父と妹にいってきます、と言って家を出る。
 向かう先は父のよく知る蕎麦屋さん。

 アルバイトを始めるに辺り、父とした約束は三つ。

 土日祝日のみ、夜八時までに家に帰れるようにすること。
 成績を大きく落とさないこと。
 決して無理はしないこと。

 母は、欲しいものもあるんだろうし好きにしなさい
 とだけ言った。

 それから私は約束を守って、アルバイトに行っている。
 お昼少し前に蕎麦屋に到着すると仕込みのお手伝いをし、
 19時には仕事を終えて帰路へつく。 ]

 天ざる、おまたせしました。
 お茶のおかわりご用意しますか?

[ ふた月もすれば、仕事はある程度身についたし
 女将さんも大将も、同僚も、そしてお客さんもとても
 良くしてくれた。

 家に居ると、否が応でも妹にひっつかれるし、
 ――嫌ではないんだけれど。
 母があれこれと私にさせるものだから、
 息が詰まる時もあった。

 それに気づいていたからこそ、父はアルバイトを
 許可してくれたのだろう。 ]

 はーい、ただ今参ります!

[ 呼ばれて駆けつけると、いつぞやに
 おじさん、と呼んでしまった客が居た。
 
 あのときのことは誠心誠意謝ったし、
 向こうが気にしていないようで、
 時たま雑談することもあるくらいだから ]

 今日はどうしますか?
 いつもの南蛮蕎麦ですか?

[ 気さくに問いかけると、うん、と返事をくれる。
 ――尚、まだ20代らしい彼曰く、妹のように
 思っているだそうで。 ]

「真里ちゃん毎週いるよねぇ、そんなに働いて……
 なにか欲しいものでもあるの?」

[ そう聞かれた時に、迷わず ]

 会いたい人がいるんです、少し遠いので
 旅費と、もうすぐ誕生日なので、
 驚かせたいんです。

[ そう言った。その時はそっかぁ頑張って、とだけ
 言われたので、はいと元気よく頷いた。

 ――このお客様が後程、女将さんから
 なにやら忠告されていたということは、
 私は知らないし、これからも知ることはないだろう。 ]

 う〜〜ん………

[ 二十代後半の男性が、欲しいと思う
 大事にしてもらえるようなもの。
 
 なんだろうと考えて考えて考えても、
 答えは出てこない。

 リサーチしようにも、相手に心当たりもなく。

 雑貨屋、服屋、楽器店、気になる所には
 手当り次第入ってみたけど、これといって
 気になるものもなく。

 アルバイトをして得たお給料は、
 ときどき、妹にプリンやアイスを買ってあげる
 くらいで他には使ってないから、蓄えはあるけども。 ]

 あんまり、高価なものにすると気を遣わせそうだし
 かと言って安っぽいのも、やだな。

[ 親身になってくれた店員さん達、ごめんなさい。
 決めかねてしまって。大きな大きなため息をついた時、
 小さな子供が足にどすんとぶつかってきた。 ]

 わっ、ごめん、前みてなくて
 怪我してない?

[ 子供は風の子とはよく言ったもので、
 小さな男の子は、へーーーきぃーーと言って
 またぴゅんと風になって消えていく。
 
 その後ろ姿を見た時、 ]

 ――これだ!

[ ふわふわもこもこのファーコートを着ていた
 その男の子を見て、思い出した。

 兄は寒がりだったし、あまり家から出ない。
 だからこれしかない、って。

 それから家に帰って、タブレットで
 あれこれ素材やら吟味し、選び取ったのは
 "肩のこらない""でもとてもあったかい"
 黒のロングガウン、着る毛布。

 本当は、カシミヤのほうが手触りが良さそう
 だったけれど、気兼ねなく受け取ってもらえる
 値段のものをチェックし、翌週には実物を見に
 生活雑貨店へ行き、即購入。

 当日には間に合わなかったけれど、
 翌々日くらいにはきっと届くだろう。

 時間指定はなく、メッセージカードはつけず
 手紙だけ、同封した。

 やたらとうきうきしていたものだから
 誰かへのプレゼントですか、とコンビニの
 お姉さんに聞かれてしまったの、
 少し恥ずかしいけれど、きっと私は誰かに
 言いたかったから、 ]

 兄です、誕生日なので――……

[ そう答えて、荷物をお姉さんに預けた。
 どうか、寒がりな貴方を、あたためてくれますように。
 喜んでくれますように、と願いながら。* ]

[彼がいうように、本当にずっとこのままでいたく思う。
暖かく揺蕩うようなこの優しい空間。
それに、自分の躰はまだ抱かれ足りないし、彼だって先ほどの状況ではまだ足りてないかもしれない。


だからこそ―――あえて打ち止めようか]
 


 俺はいなくならないし、いつだって俺のことは、だ、だ、抱いてくれていいんだから………だから、今はまず、浴衣を借りに行こう?


[布団の中で自分からぎゅっと彼に抱き着いて、そして彼の頬に1つ口づけてから躰を離す。
こうしたことを言ったのには目的がある。

自分は彼におねだりはできても誘うことができない。できてないと思う。
いつも自分の思考を読んでるとしか思えないほどのタイミングで彼から迫られて、そしてそれを受け入れるだけだ。
これから恋人から夫婦……伴侶になるなら、そういうところもステップアップしないと、と自分で勝手に自分に鍛錬を貸すことに決めた。
こんなバカげたことを真面目に考えているなんて知られたら、呆れられるかもしれないけれど。

彼の永遠のパートナーを目指すのなら、自分から“上手に”“ムードも損なわずに”彼を誘惑できるくらいにならないと、見捨てらるのではないか、と思ってしまう。

彼は優しいから表面上はそんなことはしないだろうけれど……。
でも、自分も彼を手玉に取れるくらいに最高のパートナーでいる努力をしなければ]

[服を取り出して着替えれば、まずは露天風呂の方まで行って。
二人の服は温泉に放り出したままだからそれを回収して、とりあえずできるだけ絞って籠に入れておこう。
外気で冷えて、凍りそうなくらいに冷たくなっているそれは、ここにランドリーサービスがあれば頼もうか。
そして汚した湯を交換しようとしたら、源泉かけ流しの湯らしく自動的に湯が交換されていく仕組みで、どのように掃除したらいいのかもわからなくて困ってしまった。
後で宿の人に話すしかないだろうけれど、何をどう説明したらいいのかと考えたら頭が痛くなってしまった]


 支度、できたか?


[濡れた手を手ぬぐいで拭きながら、彼の元に戻る。
甘えたように彼の手をそっと握るのは、温泉の効能がまだ残っているからかもしれない*]

[可愛い。何故こんなに可愛いんだ。
ぎゅっと抱き着いて、いつだって抱いてくれていいんだからと口にした彼にきゅんときてしまった。頬への口づけだって緊張しただろう。そう思えば、振り返った。いつだって自分は耐えきれずにがっついてしまう自覚がある。彼は誘われ上手なのだろう。魅力的な彼を前に、自制が効いていない自覚があるから。

彼の申し出を聞けば、これも自制への第一歩かと思い]


 …ああ、そうだな。
 浴衣とそれに足湯だったか。

  それもあるらしいぞ。


[どうせなら、一緒にいかないか。と誘いだした。
本当は抱き足りない、彼だって抱かれ足りないかもしれない。けれど、恋人の先を目指すのなら、彼の言葉に肯き。自制を身に着けるのも、必要だと勝手に思った。――無茶をし過ぎない、彼に飽きられないよう。呆れられないよう。最高のパートナー。余裕ある大人を装いたくて]

[彼が露天風呂の方へと向かう。
彼が抜けた布団は、少し寒く。着替えするのにもってこいだった。暖かいままだと彼とともに布団の中でもっと過ごしたいと引き込もうとしただろうから。こうとき、率先して動く彼にかなわないなと感じる。

同時にこれからはエスコートするだけでなく
先に動けるようになろうと心に決めて
服を着替えた頃、ちょうど彼が戻ってきただろうか]


 …ああ、用意できたけど


[そっちはどうだろうか。と問うも
手を握ってくれるのなら、微笑み。その手をとって、客室から出よう。忘れものはないか。と聞くが、言ってから忘れものをしてもとりに戻ればいいか。と気づき。]



 雪みたいで綺麗だ。


[そうして囁くのは彼への口説き文句。
いや何時だって自分は彼を口説いているのだけど。髪に触れて、湯に足を浸し、身体を寄せ合う。大浴場にいかなくてよかったと思うのは彼の肌を直にみて、我慢がきく気がしなかったのと彼を周囲の目に晒さずに済んだからだ。遠くから旅館客の話し声が聞こえる。

彼の手を片手は弄ぶように指と指を引っ付けては遊び。
気づかれないのをいい事にキスをする。]


 なあ、浴衣の着せ方を後で教えてくれないか。
 後ひとつお願いがあるんだが。


[それは部屋に帰ってから伝えると
悪戯な足先が彼の足をまたついて、少しだけ下肢に指が触れるが、人の声が近づくのに気づけば、自制すると決めた事を思い出し、すっと離れ、平静を装っただろう。*]

 
[潤んだ瞳、紅潮した頬。
 羞恥を感じながらも素直に従う様子に
 愉悦を覚えながら、
 熱の籠もった視線で見つめる。

 だが、

 長い裾が割れて、現れたのは
 兆した性器でも物欲しそうな孔でもなく、]



   っ、 ……何だ、それは?!



[それらを隠す黒い布地に、目を瞠った。
 

 
[セーマには、半身を
 窮屈に締め付けるような文化はない。

 余の元を離れている間に
 地球に染まり変えられてしまったジャックを
 まざまざと見せ付けられた気がして、腸が煮える。]



  斯様なモノ、
  誰が身に付けて良いと言った?



[低く冷たい声で詰りながら、
 布地に邪魔されて見えぬ逸物を
 足先で乱暴に小突き、]



   
余は許した覚えはない…!




[黒靴下の足裏に体重を掛け、強く踏みつけた。]
 

 
[ぐりぐりと数度、躙ってから
 忌々しそうに足を下ろし
 手首を戒める光の輪を解除して、言い放つ。]



   そんな胸糞の悪いモノ
   さっさと捨てて、準備しろ。

   どうすれば良いかは分かっているよな?



[ズボンを寛げれば
 直ぐさま、青筋を立てた怒張が頭を擡げ
 ジャックの眼前に晒される。

 20cmはあろうかという長身が
 先走りに濡れて青黒く光り、反り返る様は
 半月刀のようだ。

 仁王立ちで冷たく見下ろし、
 嘗て躾けた通りの、咥えながらの準備を強いる。
 ぐずぐずしているようなら
 禍々しい色をした刀身で頬をペチペチと張るだろう。]*
 


 ―――?!

[囁かれた言葉は、明らかな自分への誉め言葉で。
周囲に誰もいなくてよかったけれど、髪に触れてくる彼の目が明らかに恋人に向けるもので、遠くにいる人の気配に過敏に反応してしまう。
大丈夫かな、と思っていたが、自分の手を弄んでいるようだった彼に口づけられて、もう、と頬を染めるがそれ以上怒るに怒れない]


 浴衣?
 そんなの俺が着せるけど。


[あと一つのお願いとはなんだろう?と首を傾げるけれど、内容によってだな、と軽く笑って頷いて。きっと彼のことだから、そんなに大したものではないだろう。
飽きてきてしまったのだろうか。
彼が足で足を突っついたり、からかうように指で触れてきたりしている。
まるで子供だなぁ、と思いつつも、だいぶ温まってきたし、戻るのでもいい時間だろうかと思い、湯から足を出す]

[日本酒か。と彼の身体を見るのは
酒を囲んでのやり取りを思い出したせい。風呂につかりながらのお酒は流石に危険だろうけど、足湯ならばと彼が許可をしてくれるのなら、次は、こうやって湯につかりながら、彼を見て酒を飲もう。

――銀世界に映える彼を]


 …どうした?


[そんな彼が人の目を気にするのならば
どうせ旅先でのことだ。と知らない人間ばかりなのだからいいじゃないか。と楽観的に考えを述べよう。もう、と頬を染める彼がそれ以上怒らないのをいいことに胡坐をかいている。足も指も、本当は彼を今すぐにでも愛したいがりだが、今は悪戯のように恋を伝えていて]

 ああ、俺の分はお前に頼むよ
 だから、お前の分を俺が着せたいんだ。


[あと一つは、浴衣を着るときか。
その後かにお願いしよう。と軽く笑う彼をみれば、そんな大したものじゃないさと答えただろう。例えば、浴衣を着てバックドロップをしてくれとか。そういうたぐいじゃないと冗談まじりに告げれば、足先や指先は、揶揄いを持ちて、彼に触れる。彼の前では大人でありたいが、こうして戯れるのも、好きでしかたなく。湯から出る足の形に軽く魅入り]

―客室内―


[浴衣を机の上に置けば、彼の方を振り返り
まずは着替えようか。とその手を離し、服を脱ごうとして、彼の方を見れば、鬼走と彼を呼んで、そのまま抱きしめよう。着替えよりも先に彼を抱きしめるのが先だったと彼を見れば思うのは自然で]


 お前と一緒に歩けるのは嬉しいけど
 抱きしめられないのが、たまに困るな。


[そう苦笑すれば、ぎゅっとした後で離れ]


 まずは、俺から頼む。


[終わったら教えてほしいと。
浴衣へとちらり、視線をなげて全部脱ごうとしただろう。そう全部*]

[*つんつん。むいむい。
温泉浸かる手前まで振り返って
時間が切れたようだ。

*をもう1つ並べておいた。]

[ごちん。天板に額をぶつける勢いで頭下げとこ。]

もう十分に良い男ですけど…………

ラブロマンス映画でも見てみます?


[お互いあまり見ないジャンルを挙げてはみたが。
ぷって笑って。]


ハラハラワクワクドキドキなエンタメ作品が良いですかね。


[目を細めて微笑みかけて。
月明かりの明るい道を、2人でゆっくり歩いて行った。*]

[ばっさりしてくれて良いんだよ……!
僕はこうして君の顔をじっくり眺められて
君の声をゆっくり聴けるだけで嬉しいんだ本当に。]

[あっこらやめなさい!痛いだろ!
天板と君の額の間に咄嗟に手を差し込む。
ごちん回避出来たか?どうかな??6回なでなでの刑を受けてもらおうか。]

ろっかい……
しょっぱいな………………

どうしたら君は笑ってくれるかなぁ……?

[なでなでなでなでなでなで]

 ラブロマンスか……例えば……

[考えた。考えた末、みたいなと思ったリストの中に該当物がなかった。思わず噴き出して笑ってしまう。]

 無理そうだしそっちがいいな。それに杏音にとって十分ならそれでいいしな。

[無理して見るのはやめておこう。杏音に同意しながら、明るいお月様に見守られながらゆっくりと夜の散歩を楽しんだ*]

 ―――?


[なんで自分の分を着せたいんだろう?
着付ける方法でも知りたいのか、と思いながらも首を縦に振ったが、彼が言う下らない冗談に笑ってしまった。
手を繋いで彼と部屋に戻れば、さっそく着替えようと和室の部屋に上がる。
鏡あったかなときょろきょろするが、やはり大きな姿見のようなものはなくて。
呼ばれたので近づいたら、唐突に抱きしめられた。
いつものことだけれど、この流れにはつい笑ってしまう]


 そんなこと言ってたら、外で一緒に歩けなくなるだろ?


[と言いつつも自分だって甘えるように彼の頬に口づける]


 うん、わかった。


[紐を伸ばして口に咥え、彼用の浴衣を手に取って広げてあげようと思ったら、彼が全裸になっていた。
驚いて口に咥えていた紐を取り落としてしまう]

 お、おおおおおい、なんで全部脱いでるんだよ!!


[下着くらい着ろ!と言おうとして、イヤな予感がした。
以前に自分が彼の前で浴衣を着た時、自分がどのように着てたかを思いだしたというか。
もしかして、彼の中ではそれが当たり前だという刷り込みがあるのではという予感だ。
そんなまさか、ばかな、と思いつつ、動揺した素振りを見せて、彼から目線を動かしていた*]

 
[電磁式の光る首輪。
 首輪に手首を繋がれて開いた脇。
 脚を広げて無防備に晒した腹と股間。

 まるで、犬の服従のポーズだ。

 借りているアパートでペットを飼ってはいないが
 ゴミ拾いで行く先の公園で会う犬が
 飼い主に見せるのと同じ姿勢。

 屈辱だ。だけど、少しも惨めじゃなかった。

 貴方が、胸が熱くなる眼差しで
 オレを見下ろしてくれていたから。]
 

 
[下着は、覚えたてこそ履き忘れが多かったが
 最近では無い方が収まりが悪く
 落ち着かなくなっていた。

 局部を見られ慣れた相手には寧ろ
 隠している今の姿を恥ずかしく感じながら
 下着に覆われた下半身を晒せば
 驚愕の声が上げられる。


    っ? え…………


[何に驚かれたのかは直ぐに判らなかった。
 声のトーンで本気の怒りだというのは伝わり
 さぁぁ……っと血の気が引いていく。]
 

 
[本気で捨てられてしまうのではないか。

 セーマを自ら去っておきながら、
 不安の波が幾つも押し寄せ心を浚っていく。

 胸が苦しい。

 何度も手下を送り連れ戻そうとしてくれる彼に
 感じていたのは、迷惑ばかりではなくて……]


    っイノセ、 
ッひ、 ぁぐぅ……


      
ぁ、い゛…ッ  あ、あ゛ッ



[縋る思いで呼びかけようとするが
 硬く勃起した急所を足で小突かれ、踏みつけられた。

 腹の奥に響く痛みに呻きが漏れる。]
 

 
[痛い。苦しい。
 ――貴方を怒らせてしまって哀しい。

 心が軋み、悲鳴をあげていた。

 ぐりぐりと嬲られ、眉間に皺を刻む。]


   ん、くはぁ…っ、 
……っは、ウうンッ



[だけどこんな時でも、
 結局身体は痛みだけでなく
悦楽
を拾いあげた。

 下着と靴下越しに伝わる足裏の体温に
 狂おしいほどの愛しさを感じるからだろうか。]
 

 
[萎えるどころか硬さを増し
 下着と靴下を先走りの液が湿らせてしまう。

 心とからだ、噛み合ってくれない。]


   ああ、イヤだ……、どうして……

   っイノセント様 ごめんなさい、ごめんなさ……ッ

   こんな時なのにオレ 感じて、しまってッ

   やだ、感じたくない……っあし、離して下さい……っ


[胸が、ペニスが、こんなに痛い
 なのに貴方の足、気持ちよくて

 苦しい

 両目からぼろぼろ、涙がこぼれていった。]
 

 
[どれほどあとか。
 直ぐに離して貰えなければ射精して
 また粗相を重ねてしまったかも知れない。

 下着は、言われるままに脱いだ。
 この人に見限られたくない……、ただ一心。

 身体を起こし、膝立ちになる。
 浴衣は乱れ、殆ど羽織っているだけと変わらない。

 頬をぺちぺちされれば、繋がって切れる糸。
 オレと彼の関係もこれくらい危ういものにみえた。]


    失礼、します……、……ん、……ちゅ


[ちゅ、ちゅと音を立てて長物の根本から先端にかけ
 敬愛のようなキスを贈っていく。
 片手ではやわやわと袋を揉みしだき。]
 

 
[もう片方の手は背中側から尻に伸ばす。

 主人が少しでも気分を害す様子があるなら
 控えようと思うけれど、そうでないなら、
 主人の先端から零れる先走りを
 指先で掬い取らせていただき、濡れた指を後孔にあてがう。

 中指をつぷりと指し込めば、円を描くように回して
 入り口の筋肉を解いていく。]


    ん……は、ぁ……


[竿に吐息をかけてしまう。
 この液もうれしいけれど、
 中に別のものを出してもらうことが恋しくて
 無駄にきゅんと締め付けてしまうのが抑えられない。

 準備をさせられるということは
 まだ求めてくれているということ。
 泣いてしまいそうなくらいうれしいこと。]
 

 

    ん、ちゅ ん……ぁむ…… ん……


[先端に辿り着いた唇は大きく開き、
 唾液に潤った口腔内へと招き入れた。
 口付けの時、舌を動かすのは我慢していた。
 オレはもう貴方のものではないからと
 意地を張っていた数分前。
 その分まで取り戻すように、情熱的に舌を這わす。
 隙間なく摩擦出来るよう吸い付いて、頭を揺らす。
 大きいから、傘の部分だけで口の中がいっぱいだ。
 苦しさに目に膜が張っていく。
 彼の機嫌は。自分の奉仕は少しは善いのだろうか。
 知りたくて見上げれば自然と上目遣いになった。*]
 

[頭が回らないからちょっと休もうと思った時点で
なんとなくオチが見えていたのに
回避できず寝坊したとか笑うしかないという意味では
大いに笑っていたんだがそういうのではないね。

わたしとてきみに笑顔を貰っているし
この時間をとても楽しませてもらっているよ。
だからこその自己嫌悪だとか
きみの時間を割いてもらっている申し訳なさだとか
いっても「だいじょうぶ」と「そんなことないよ」を
いわせるだけになるねやめとこ。はい反省おわり。

ここからはそれでも付き合ってくれている事への
多大な感謝の提供でお送り致します。

間が抜けたのはDONMAI☆
どこかに供養したくなる気持ちもわかるとても。]

[『なで』が本当に六回だなっておもわず数えた。]

きみのラ神わりとわたしに厳しいよな。
貴様なんぞに娘はやらん、みたいな心境なんだろうか。

お義父さん
世界の半分を僕にください!!!

………なるほど。

[小さく肩を震わせている。ふるふる]

パパ…………
そろそろ娘離れしてみないかい?

その世界の半分に僕が含まれれば問題ないな、うん。

[何やら一人反省会をしていたらしい
君の両腕を取ってよいしょと自分の背に回させて腕の中でごろごろ。しっかり抱きしめておいてくれるね?
さもないと転がっていくぞ
のんびり待っていてね。

ラ神様に改めて尋ねずとも、僕なら既に君のものだ。]

わたしの世界の大半はきみで埋め尽くされているから
半分じゃ足りないかもしれないなぁ。

[きみまたころがっているのかい?
そんなに転がりポイント(?)無いだろうに。
朝方は暖かいのでこたつの電気を切って
元祖お布団に連れ込んでぎゅうぎゅう。

きみの心が既にわたしのものだったとしても
ラ神は認められないのさきっと。
男親(?)ってのはそういう生き物だ。
世界の半分ならくれてやるそうだがきみはだめみたいだ]

        
悔恨

 ―とある少年のXX―


[幾度となく説得を試みたものの、
 母からの返答は芳しく無く、
 おざなりに生返事をよこすだけだった。

 話しにくいのならば自分から話すと伝えたところで、
 それは親の役目と譲らないのでは打つ手がなかった。
 
 ――少しだけ、少しだけ。
 もう会わない人間に割く労力が無駄、と、
 そう思っているような気がして、嫌な想像をしたと首を振る。
 
 こどもだった、と思う。お互いに。
 いっそ、もう少し自分を押し通すだけの幼さがあったなら。

 結果は、違っていたのだろうか。]



 ……あっちについたら、住所を教えて。

[それは、幾ら言っても無駄だと悟る少し手前の悪足掻き。
 ここのところ対話を拒否し続けていた母親が、
 漸くそこで反応を見せた。心底、嫌そうに顔を歪めて。]


 「なにする気? 来なくていいから。
  里心がついたら可哀想でしょ。
  それに、あたらしいパパが出来るのに、
  アンタが居るからって懐かなかったらどうする気?」


 ……は、

[絶句した。
 その言いぐさに、懸念が正しかったことに、そうして、

 やはり、母親にとって、自分は不要な存在だったのだと。]

[自分はどう戦えばよかったのだろうか。
 妹のために、何をしてやれたのだろうか。
 きっと全く手が足りなくて、届いていなくて、
 だからきっと、
 ――きみにとっての、頼れる兄ではなかったね。

 結局ここでも間違えた。
 無理を通してでも、話をするべきだった。]



 「まりかをきらいになったの」

 (まさか、そんなはずがない)


 「いっしょじゃなきゃやだ」

 (おれだっていやだよ、あのひとは"娘"を愛してはいるけど、
  それは"真里花"じゃない、きみを愛してくれない)


 「まりか、おにいちゃんがきらいなとこ
  ぜんぶ、なおすから、――だから!」

 


 兄ちゃんは、世界で一番真里花が好きだよ。 
 これまでも、これからも、ずっとだ。
 嫌いなところなんて、ひとっつもない。

 ほんとうだよ。

[ずっと間違えてきたなら、ここだけは間違えるな。
 なんとしてでも間違えるな。
 
 きみを愛してるよ。
 ずっとずっと、これからも。

 だからきみの頼れる兄であるために、
 虚勢を張ってでも笑って見送るから、
 ――どうかこの笑顔を憶えておいてほしい]




    
要らない子

 おれが悪い子だから、一緒には行けないんだ。



 

[無力だった。

 文字の上では笑顔で居られる。
 声音だけは平常に取り繕っていられる。

 何も出来なかったから、それだけは果たそう。

 ――本当に、合わせる顔がない。
 妹にも、頑張れと背中を押してくれた友人にも。]

[飛行機を見送って、空港からの帰り道、
 地下鉄の改札口に、その顔を見つけたとき。
 もう我慢の限界だった。

 それでも必死で堪えたものを、
 そっと背に触れた掌が押し流す。

 ごめんね、頼りない兄貴で、きみを護ってやれなくて。
 後悔も嗚咽も慟哭も、全て受け止めてくれた胸は暖かく、
 その事実が殊更に自分を、打ちのめした。

 ――彼女にはこうやって、縋る相手も居ないのに*]

[抱きしめれば、頬に甘えるように口づけが降った。
一緒に歩けなくなるのは困るな、なんて笑い。彼に頼むのは浴衣の着付けだ。何故自分が知りたいかって自分が彼へ着付けができるようになれば、そうすれば着せ合いっこというのができるんじゃないかという小さなたくらみがあったからだ。好きな人を着飾らせたいと思うのは自然だと思う。

それも似合う服を。というのは置いておいて
まずは自分が浴衣を着る処から始めなければ、というわけで
服を全て脱いだら、何故か口から紐を彼が落としていた]


 ……?


[何故そんなに驚いているのか。
動揺したそぶりを見せる彼は此方から視線を離してしまう。それでは着付けできないのではないかと思うので、仕方なく彼の視線をおいかけ、身体を移動させた。もちろん、全裸で。…何かおかしいだろうか。]



 …全部脱いだら駄目か?
 あの時の鬼走は、……中に何も着てなかっただろ

  なあ?


[首傾げ、彼にほらと腕を差し出すのは
浴衣をかけてもらう為だ。以前、彼が浴衣を着てきたときのことを覚えていると突き付け、着せてくれないのか。と彼を見つめた。流石に自分とsてあれが当たり前だとは思っていないのだが、あの衝撃は忘れる事ができそうにない。故に、右にならえの精神で彼に着付けを促した。

最も、彼にどこまで伝わっているかは
謎であり、図としては

全裸で着付けを迫る謎の男である*]

………ここでは全部脱ぐなって!
 あの時は特別だから!


[それでも外に出ないのなら、全裸で浴衣でも構わないのだけれど。自分だけが見るというのなら。
あの時は夜で誰にも会わないの前提だったし、外で二人きりだった。
だからこそあのようなことができたのだけれど、ここではいつ人が来るかわからないし、大体素肌で浴衣は間違った文化だ。

でも彼がどこまでも迫ってくるので拒絶しきれなくなって、ため息をついて彼に浴衣を着せかけた]

ほら、こうするんだよ……。


[慣れた手つきで彼に浴衣を着せていく。
自分が着るのには慣れているが、他人に着せるのはあまりないからできないかといえばそうでもなく。
元々茶道は習っているのはジジババが多い。歳をとって体が弱り、着れなくなってしまった人のお手伝いもしていたら、慣れてしまっただけだ。

しかし……全裸の相手はやりにくい。
いわゆるチンポジというか、そういうのを意識してしまうし。
だが夜長はこうして着せてみると、すらりとしてとても似合っていて格好いい。惚れ直してしまいそうだ。
彼に浴衣をプレゼントする約束は、延び延びになってしまっていたけれど、どんなのをプレゼントしても映えそうだなと思ってしまうのは欲目だろうか]


 じゃあ、今度は俺………俺………。


[そこではたと気づいた。
もしかして、彼が自分に着せたいといっていたが、もしかして全裸の上に着つけるつもりなのではないか、と。
背筋に流れる冷や汗。
じっと彼を見つめながら、自分が着る予定の浴衣をちらちら見ていた*]

じゃあ僕からも父さん(?)にお願いしてみよう。
パパ!!
お兄さんアザレアくんにください!!!

……………………。

[なるほど。余程認められないと見える。
お兄さん=アザレアくんのつもりだったので即ちアザレアくんにはアザレアくんしか渡せないというパパのお達し……

……に負けじと連れ込まれたお布団でぎゅうぎゅう。
えっまさかころがってないと思ってたのかい?]

[特別。という言葉に内心喜びを噛みしめた。
あの時、彼があの恰好を取ったのは自分だからこそだという確信が満ちる。少しばかり、そういう趣味があるのではと疑った事があるからこそ、彼の叫びは嬉しいものだった。だからといっても、今下着を着るという選択肢を選ぶ訳ではないのだが、どうやら諦めた彼がため息をつき、浴衣を着つけはじめてくれた。手を出せば、慣れた手つきで彼が着せてくれる。

着付けができる理由を彼は以前話してくれたが…]


 …慣れているな、着せるの。
 これは、俺が嫉妬する相手がいたとかか。


[そんな事を聞くも
慣れてしまった理由を聞けば、またやったと罰が悪そうにしただろう。しかし、全裸で浴衣を着るのは中々に新しい扉を開きそうだ。主に下半身が気になる。とても気になる。見えてないだろうか、と危ぶみながら彼はあのとき、こんなスリルを味わっていたのか。と考えた。
スリルを味わおうとも装ってくれた事に
改めて感謝を浮かべると同時に

此方を見る目に]




 似合っているか?


[と尋ねたのは
大きな姿見がないため。
自分がどんな姿をしているのか分からなかったからで。
風呂の方にいけば、全身を映す鏡があるか。と少し考えた。濃い色は雪でも映えるだろうか。ただ着付けが終わったと胸元を触り、次は彼の番だと見つめたのだが]


 ん?どうした。
 次はお前の番だな。
 ……なんで脱がないんだ。



[此方を見つめる彼を此方からもじっと見つめ。
ちらちらと見ている浴衣に対して何となく頷きてそのままじりじりと距離を縮めれば、はい、万歳。という掛け声とともに彼の服を脱がしにかかっただろう。もちろん全裸の上につけるつもりだ。一人ではいかせない。という言葉があるだろう。]


 ほら、旅は道ずれだろ。
 ちゃんと脱いで
 …違うな、俺はお前のあの姿をもう一度見たいんだ。

 あの時は蛍灯り、…今は雪灯り
 そんなに変わらないさ。


[間違えた言葉の運用とともに
彼の上着を脱がしにかかれば、そのままズボンの方にまで手を向けて。ダメか。と少しばかり背を屈めて上目にじっと彼を見つめ、問いかけただろう。素肌に浴衣は間違えた文化だというが、最初にその文化を発掘したのは彼なのだから、性癖を植え付けた責任はとってほしい*]

[彼が嫉妬してくれるのが少し嬉しいと思ってしまう自分は悪い子だ。
そして理由を話して彼がバツが悪そうな顔をするのも可愛くて嬉しくなってしまって。
しかし、その嬉しさもその後の焦りで掻き消えてしまったのだけれど]


 いや、脱ぐのを当たり前のように思わないでほしいのだけれど。


[じっと見つめられて、じりじりと間合いを詰められては、まるで肉食獣に睨まれている草食動物な気がしてならない。
上着とズボンを同時に脱がされそうになって、慌ててそれを押さえつける]

 旅は道ずれって、意味違わないか?
 どちらかというと、旅の恥はかき捨てのような………っ

 って、なんでそんなのが見たいんだよっ
 浴衣着てしまったら裸かどうかなんてわからないだろ?!


[脱がしでもしない限り、と続けて顔がかぁっと赤くなる。
あの時、自分が浴衣の下は裸だと彼は気づいてなかったのに、気付かれるように誘ったのは自分で。
彼の目の前で裸になって、そして浴衣を着れば……いや、彼の手によって着せられるのだけれど……そうすれば、それだけで夜長を誘うことと同じなのでは、と思う。

でも―――ダメな気がする。主に自分が。
彼の前で全裸を晒して、そして彼の手で指で触れられながら浴衣を着せられて、耐えられるのだろうか………色々と]

 だーっ!!
 自分で脱ぐから、脱がすなっ


[浴衣も全部自分で着たいくらいだけれど、それは約束だから仕方がないだろう。
あっち向いてろよ、と頬を染めて言う。さすがに期待満面の顔の前でストリップをする度胸はないから。
服を脱いで、そして裸の上に浴衣を纏うまでは自分でさせてもらおう。これは最低限の妥協ラインだから。浴衣に袖を通しながらそう言えば、ともう一つの約束を思いだした]


 なあ、そういえば、お願いごとってなんだ?
 さっき後で言うとか言ってなかったか?*



 …?当たり前じゃないか?


[俺は特別だろう。とじりじりと間合いを詰めた。
本来なら肉食獣の血を持つのは彼の方なのだが、立場が逆転したかのように自分は彼を追い詰めようとしている。最も服を抑えられたことで残念ながら、一度は断念しかけたが、それで終わらる訳がない。

此処まできたのだから
乗るしかない、このビックウェーブに]


 そうともいう、旅の恥は捨てるもの
 つまり、知り合いがいる訳でもないのだから
 安心して、裸に浴衣ができるってことだな。


 ……そうだな、でも。


[かぁ。と顔を赤くする彼はどうやら気づいたらしい。
以前彼が浴衣の下に何も来ていないことに自分が気づいた方法に。誘いをかけているも同様なこの状況に。薄く微笑んで、耐えられないのならそれでいいじゃないか。と甘く誘う視線は、彼の姿を覚えている。あの時の美しさを今でも目蓋の裏に浮かべる事ができるからこそ。
執着しているといっても過言ではなく]


 …よしっ。


[折れたのは彼の方だった。
彼のストリップは見たかったが、どうやらそれはまたの機会にらしい。彼の指さす方向を今回は大人しく向いておこう。そうしているうちに、裸の上に彼は浴衣を纏っているか。大丈夫か、と振り向けば何だか妖艶な雰囲気が漂う姿が見える訳で人知れず唾を飲み]


 ああ、…
 あれはだな。浴衣姿のお前に膝枕をしてもらいたいと思って

 ……口にすると恥ずかしいな。


[彼の前で屈み、かけ襟の部分を手に取れば
此処からどうすればいいとちらちらと彼に教えを請いながら、口にしたのは細やかな願い。ただ改めて口にすれば恥ずかしいと彼から視線を離し、頬を染めるのだが、その逃れた視線が胸部に行ったところで
ふと今更に気づいたという顔で彼を見上げ]



 ……透ける気がする。
 少し、待ってろ。


[一度、浴衣から手を離せば
彼から離れ、カバンから救急セットを取り出した。仕事柄、小さな傷が絶えないこともあり何かあったときようにいつも携帯しているものだ。その中から、絆創膏を手にとれば、おもむろに彼の右乳首へと其れを貼り付けようと試みたが、]


 …少し絆創膏が小さいか?


[彼の乳首と絆創膏の大きさを比べ
テープの部分で確かめるように乳頭の先を擦り
彼が何かを言う前に、貼ってしまおうか*]

[置き忘れていた『*』を君の枕元に置いた。
いつものろのろとろとろでごめんねぇ……
お布団の中ぎゅうぎゅう君を抱きしめて、
手の甲にちゅ。にちゅ。にちゅ。

君は楽しいかな。辛かったり悲しかったりはしないかな。
困らせてしまってはいないかな。
ちゃんと休むべき時には休めているかな。
そんなことを想いながら、君の顔をじいっと見つめる。

顔色を窺う為ではない。
君が今日もここに居てくれる奇跡を噛み締めたいからだ。
特に意味なく君の名前を呼んで、幸せそうに目を閉じた。]

 
[痛みの程度だけで言えば
 過去にも同等かそれ以上のものを
 与えたことがあった。
 ジャックの全てを手に入れる為の、鞭と飴。

 だが、今回は違った。
 イノセントは憤怒に飲まれていた。


 怒りは、弱さの現れだ。
 痛みを感じずには居られない脆いところを
 突かれた時の、防御反応。

 その認識は持っている癖に
 
”ジャックを奪われる怖さ”

 心が追い詰められているからだ、と

 己に当てはめる余裕も無いまま、
 軍服を纏った男は
 黒い鉄槌を振り下ろしていた。
 

 
[容赦のない踏みつけに
 呻き、苦しげに寄せられる眉。

 けれどジャックは
 こんな理不尽な痛みにすら、甘く啼いた。


   
‥‥‥‥!



[声を追うように
 足裏がじんわりと温り気を帯びる。

 主の本気の怒りに感じるなど
 駄犬もいいところだ。
 なのに、不愉快に思わぬのはどうしてか?]
 

 
[その答えは、すぐに出た。


 余の不興を買いたく無いのだと
 懸命に謝る姿にも

 今は感じては駄目だと理解しながら
 どうにも抗いきれず
 昂ぶらせてしまう身体にも

 余の調教の爪痕が
 深く食い込んで見えるからだ。


   (それにしても、この必死さ… 
おしい)


 達したくないから退けて欲しいと
 懇願はするものの、
 決して自ら避けることも庇うこともせず
 足を受け止め続ける姿勢を見れば
 誰を主と思っているのか分かろうと言うもの。]