人狼物語 三日月国


62 【ペアRP】ラブリーナイト【R18】

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視点:


 心配しないで大丈夫ですよ。
 ジャケットありますから。
 シャツの袖がなくなって、外から見たらわかりません。


[要にだったら幾らでも投資できるけれど、自分にかける金なんて最低でも構わないと思ってしまう。
荷物のように縛られて、転がされている要の唇を、親指で撫でる。
ああ、ここに猿轡を噛ませたらどうだろう。ボールギャグとか。
いや、先輩の関西弁が聞こえなくなるのは物足りない。
縛って視覚的に刺激を与えらるのはいいけれど、彼を辛い思いをさせるのは嫌だ。
縛りはあくまでもエッセンス。
愛されている故の拘束と苦痛を感じとれる人に、感じ取れる範囲で、がセオリーでありマナーであり。
ちょっとの責めでも泣いてしまいそうな相手が、調教すると快感にむせび泣くようになるのがたまらないのだから。
要はその才能の階があるから、その淫らな才能の蕾を花開かせたい。自分の手で]


[身じろぎをしながら締め付けられる縄で感じている息を吐く要。
その美しい肢体と痴態を見ているだけで興奮を覚える変態の自分をごまかすためにも彼の口に剛直とコンドームをノルマ的に押しつけたのだけれど。
やはり完全に手が使えないのは難しそうだ。それに縄という邪魔もある。
分かってはいたけれど、ぎこちなくて不器用な様子に、こちら側の不慣れさが見えて嬉しくなる。
本当に抱かれる側は経験がほとんどないのだな、と思わされて]



 ………ありがとうございます。
 大変だったでしょ。



[ようやく先端部分にだけ、息子にかぶせられた帽子。
彼の顔の傍で自分の手でコンドームをちゃんと嵌める。
そして、薄い膜に覆われたそこを、彼の頬に擦り付けて。
そうすると、まるで彼が望んで頬ずりをしているようだ。
興奮しているのか、彼が無意識にか腰を揺らしているようなのが見える。
それに我慢できなくなって、彼を強く抱きしめた]

 手がしびれたり、痛みを覚え始めたら言ってくださいね。


[彼の腕がだるくならないように、自分の両腕でがっしりと抱きしめたまま、彼をベッドに座り込んだ自分の脚の上に座らせる。
二の腕を枕にして体を支え、その唇にキスをして。
大切に、大事に抱かれている様は宝物を見つめるかのように愛しそうで。
舌をすり合わせ、鼻先を擦り合わせ、何度も優しく唇をついばむ]


 いたた………っ


[張り詰めすぎた熱杭に、要の太腿が当たって痛みを覚える。
要の臍の下あたりの紐を引っ張って、あえて割れ目に食い込ませたり、屹立をぎりっと締め付けたりもして。
そうした後はふっと緩めて、まるで飴と鞭の使い分けのようにする。
そろそろ限界かな、と確認すれば、彼の手の拘束を外した]



 大丈夫ですか?


[そう確認して彼の両方の手首を見る。
両腕は赤くはなってはいるものの、痣にはなってないようで。
よかった、と息を吐くが今度は彼の手を上に回させて、そちらで緩く縛り、ベッドヘッドにくっつける。
完全に固定されていなくて、緩めたらベッドヘッドのバーを上下させて自由度が増しているのがコツだ。
とはいっても、逃げれるはずもないのだが]



 綺麗に洗えたか、ちゃんと見てあげないとね?



[そういうと、足を大きく開かせて、綺麗な色の蕾を目の前にさらけ出させる。
こすれて赤くはなってはいても、切れてもないし、格別ひどい痛みもなさそうでほっとした。
そのまま誘われるように、そこに舌をはわし、皺を伸ばすようにして丁寧に舐め清める。
そのまま続けて悪戯にその上の屹立もしゃぶり、喉の奥にまで飲み込むようにしてからずるっと引き出して。唾液交じりにしてから強く吸い上げる。
彼が放つことができないように、根本をきゅっと締め付けて、だけれど。

縄の隙間に見える彼の両方の胸の粒を両手で抓んで引っ張る。
左右均等にするのは、彼の見た目を美しくバランスよく整えるために必要なのだから。
甘い声がもれれば、それを繰り返し。
彼の太腿が感じて震えるようになれば、忠実なる騎士はお姫様の華を散らすべく、その肉槍を深々と突き入れようか*]

え、ダメでした…?

[苦笑にキョトンとしてしまう。
昼頃から翌日の昼頃までだから着替えもいるよね!と普通に持ってきたのだけれど。
声に張りがなく、残念に思われたのだろうか?
身体が密着すると、彼の表情は笑みへと変わって]

じゃあ、下着、選んでもらえますか?
ひぁっ…?!

[どんなものが好みだろうかと考えていれば、身体を持ち上げられ、固い彼の熱が蜜口へと埋められていく]

んぅ…かわいがって、ね。

[もっと甘やかされたい、その思いは同じで。
ずっとは無理だけれど、太陽が再び真上に登るまで。
それまでは彼に可愛がられたい、甘やかされたい。
そう思ってもいいでしょ?*]

[猛る雄が、手を添えられ、ちゅぷり、と
 彼の中に埋まっていく。
 その度心にぽっかり空いた穴まで
 暖かなもので埋められていくようで。

 その間もずっと、俺は史郎の顔から
 目が離せないでいる。
 俺の腹へ、ガチガチに固い茎を
 ぺちぺちと打ち付けながら腰を動かして
 欲を貪る、その姿に。

 けれどそれを嗤うには、俺の方にも余裕が無い。

 史郎の動きに合わせて、へこへこと
 情けなく腰を振りながら
 また総てを彼の中に収めようと足掻くだけ。]


  ……ん、きもち、い……。


[へにゃりと微笑み返す唇の隙間から、
 荒い息が漏れていく。]

[史郎の腰を引き寄せて、ぷっくりと膨らむ
 桜の蕾を口に含んだ。
 周りの肌より固く尖っているくせに
 舌先でも感じるほどに脈打っていて
 吸い付けば、生命の源となる白い蜜が溢れそう。

 柔く其処を歯の隙間で削るように扱き上げ、
 母乳を乞うように吸う。
 何も出やしないのに。
 けれどこの年下の男に甘えているあいだは
 心の深いところの飢えを忘れさせてくれる。]


  奥、入れたい、出したい……けど、
  もっと史郎の気持ちよくなってるとこ、見てたい。


[苦痛に耐える姿じゃなくて。]

[跳ねる史郎の唇を捕えて、舌をねじ込みながら
 俺は身体の隙間で震える史郎の雄の先端を
 くちくちと親指の腹で撫でた。
 陰茎を覆う皮から覗く、一番敏感な粘膜の部分。
 溢れ出す蜜の粘りを借りながら
 そこを責め立てる。

 かと言って、腰を止めるつもりもなく。

 雄と雌の法悦を同時に与えた瞬間の
 シャッターチャンスを逃すまい、と
 史郎の潤んだ目を見つめながら、
 奥の行き止まりを越え、腹の底へ突き進もうか。]



  な、あ─────


[言いかけた言葉は、どうにもならない
 熱の渦の中に消える。

 少なくともセックスの最中に言うべきじゃない、と
 また開きそうになる唇で、
 尋ね返そうとする唇を塞ぐ。]*

それは勿論当然ね。


[可愛がるのは当然だ。
甘やかすのも当たり前で優しくいじめてあげるのも願望の儘だ。

腰に手を触れ尻肉が自分の腰に密着するまで沈ませれば埋まる熱棒は容易く蜜壺の奥まで潜り込む]


こんなにも可愛い朔月を可愛がらないなんて嘘というものだもの。
ダメではないけれど残念に思ったのはね。
朔月に似合う服を一緒に選びたかったんだ。


[それは太陽が天頂に掛かった後の話だ。
自分はその後もずっと朔月を可愛がりたいと思ってしまっている。

奥まで埋めた熱棒は位置はそのままに腰を円状に動かし子部屋の入り口を可愛がってゆく。
揺れる身体は抱きとめたままに、手を乳房へと触れると柔らかい膨らみを揉み始めた]


下着はどんなものがあるのかな。
最初に着けていたのも好きなんだけど、
朔月ならいろんなのが似合いそうで……。


[迷ってしまいそうだ。
今度の苦笑はそう伝えた後に零れ、耳朶を唇で食むとそこから項や肩へとキスをし始めた*]

[ 我慢できないというように、
 性急に押し倒されて、唇を奪われて、
 笑いながら、嗜めれば、キスが好きだと返ってくる


 あぁ、私も好きだ       
 彼とのキスは、甘くて、苦くて 
 一夜だけという、切なさが滲んで


 だけど、それは口にしない
 キスが好きだということは、彼にはもう気づかれているだろう
 ―― 何度も夢中で重ねているのだから]

[ 素直な返事に気を良くしたように、
 にこりと、微笑み返す

 視線の先で、言う通りに
 脈打つ怒張に腰を落としていく様は、
 妄りがましく、それでいて艶めいて

 下腹部に熱がたまっていくのを感じていた
 再び、熱く蕩けた肉に包まれると、]
 
 
  はッ、……ぁ、


[ 締め付けられ、全身を走る快感に
 息を詰めながら、耐えるように眉を寄せた

 先程よりも、より深いところまで繋がれば、
 再び、二人の境界はなくなって――

 嬉しそうに、褒めて、と求める声が落ちてくる

 
本当に、―― 可愛い人、だな、
]

[ 跨る片足の、肌の感触を楽しむように
 指先と手のひらで、優しく触れて、滑らせて
 じわりと、焦らすように、少しの間をあけ

 胸元の手を握って、指を絡めれば

 ―― ずん、と一度、腰を突き上げた    


 あぁ、気持ちがいい

 こんな交わりは、初めてで、心地良くて
 頭の中がジリジリとする、胸が高鳴りすぎて、――疼ぐ、


 空いた片手で、自分の額に張り付いた髪を掻き上げれば、
 はっ、と大きく息を吐き、
 それが合図というように、腰を揺すり始めた]

[ いきなり、激しくはしたりしない
 円を描くように、前後に揺らして、
 彼が快感を強く感じる場所を探るように、動かしていく

 見つけ出せば、時折、どんと、強くその場所を
 熱い楔で刺激して、緩急をつけながら、

 撫でて、突いて、揺さぶって、
 自分の上で、あられもなく乱れていく姿を
 ―― じっと、見つめていた]

[ 傾く太陽が、夜のしじまに沈んでいく
 一人の夜は、これからが憂鬱なのが、
 今は、そんなことを考えている暇もないほど、

 心を乱されて、快楽に堕ちていく

 いつもは、身体を重ねている間でも、
 あの悪夢は聞えてくるというのに、今日は何も聞こえない

 今宵だけの、関係でも、
 今宵だけの、安らぎでも、

 ―― ただ、いまだけは、それでも良い、]

[

  陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに

  乱れそめにし われならなくに



私の心が乱れているのは、          
他ならぬあなたの為だなんて、        
歌であろうと、彼に伝えることはないだろうが 


]

[ くちゃり、と結合部から、卑猥な水音が漏れ聞こえて
 彼が己の肉茎を締め付けると、
 じわじわとせり上がってくる快感に]

 
  あ、ッ、……は、ァ、気持ち、いいですよ


[ 時折、甘さを含んだ吐息を漏らしながら、
 なんとか、冷静さを装った声で、

 熱に浮かされたように、蕩けた微笑を浮かべていた**]


[さっきまでの表情もすごく好き。
 穏やかにあたたかな腕を片方だけ広げて
 獲物を誘って、
 背に隠したもう片方の手には刃物を持って
 柔く微笑んでいるような。

 けれど今僕の下で、へにゃりと相貌を崩して
 息を弾ませるその表情は、
 また僕の違った部分をぎゅうと締め付けて
 愛しくて堪らなくなってしまう。]


   ……へへ、よかっ、た……ッう 、ん、
 


[腰を引き寄せられる手の、指の形。
 たった数時間のうちに
 すっかり覚えてしまったその形状に、
 肩から下ろした手をそっと、重ねた。]


   んぅッ、んー、っ……!


[胸の突起を食まれ、じゅうと吸い上げられれば
 背は撓る。
 それは胸だけをさらにサクライさんに
 押し付けたような姿勢になってしまうから。]


   ぁ…っんあ…い、ッあぁぁ!


[乳首を歯で扱かれ、まるで乳を求める子供のように
 吸い付かれれば馴れない刺激に震えて、
 けれどとても気持ちがよくて。]
 


[空いた小刻みに震える手を恐る恐る持ち上げ、
 静かにその髪に触れる。
 自分より年上のその人の髪を指に絡めながら
 まるで子供をあやすように撫でた。

 幼いころ、転んで出来た傷に
 薬を塗り込んでくれた母の手つきを
 なんでか思い出したりして。


 空気が動くたびに鼻腔を撫でる
 サクライさんの匂い。
 シャワーも浴びていないはずなのに
 いい匂いがして、髪に顔を埋めて吸い込んだ。]
 


   ───ッ、もう、じゅうぶん、気持ちよくて、
   でそう、だか、んぅッ、


[嬌声が盛れっぱなしの唇が塞がれる。
 喘ぎ声も乱れる息も、全部絡めとる舌に
 気を取られた瞬間、性器の先端、
 鈴口の部分を指でぐりぐりと刺激されて
 身体がびくんと痙攣した。

 どくどくと溢れる液体をぬるぬると
 塗りたくられながら責められ、
 下から後孔を突き上げられる熱は
 ひと突きごとに深さを増して。]


   ああぁ…っんぁあ…っ、
   だめ、もう、ッ……イく、ぅんん、でる、
 


[サクライさんの猛る熱が、ぐりゅ、と
 また最奥に先端をこじ開けた時、
 ぶわ、と鳥肌が駆け巡る。
 思わずきつく食いしばった唇が
 ぷつ、と音を立てる。

 懸命に堪えて、どうにか快感を探って
 掴もうとした全身の神経が、
 何かを言いかけたサクライさんの言葉を拾う。]


   ───── な、 に、



[ぼやけるピントをサクライさんの瞳に
 合わせながら問いかけた言葉は
 また唇で塞ぎ止められる。


 なんだろう、今一瞬見えた気がした。
 瞳に浮かんだ、どこか孤独な色。
 例えば、迷子の子供のような───

 

 
 
   サクライ、さん、もう、イく、っう……
   おねがい、いっしょ、に
   つれていっ、て、 ッ─── !


   ん、んんああ゛アっ゛──────っ!!

 


  んー……
  朝ごはん……あたし、要らない……


[
朝。
誰か知らないけどカーテンを開けたみたいで
朝の光が眩しくて、あたしは布団を被り直す。]



  ………ぁ!
  いえ、いえいえ!
  た、食べます、私も食べます!


[けれど少しの静寂の後
ベッドの布団を跳ね除けて、バッと起き上がる。

乱れた髪を手櫛で直しながら、慌てて彼の方を向き直り
さっきの聞かなかったことにして!とばかりに
彼の方を見つめるのだった。]*


   ……ふふ、おはようアンジー。

   朝食、今持ってきてもらっているから、
   今のうちに下着とか、着ておく?
   あと、洋服届きましたよ。




  彼女が要らないといえば2人分食べようと思って
  ルームサービスに洋風で朝食をオーダーしておいた。
  
  朝日が眩しくて、布団をかぶり直したのは
  すごく可愛かったのでぱしゃりと写真に。
  そしてすぐ起き上がって慌てている彼女。
  可愛いにも程があるのでは?と
  思いながらとりあえずベッドに近づいた。

                      ]






   そんな慌ててどうしたんです?

   オレに、そんなところみせたくなかった?



  素の彼女を見られたので、
  すごく彼としては嬉しかったけれど、
  彼女はそうじゃなかったのかも、と思うと
  苦笑いを見せたりして。

                      ]*






  だ、誰にだって見られたくありませんよ…っ!


[彼の言葉には頬をぷくりと膨らませた。
苦笑いを見せる彼の気持ちこそわからなかったけど
まぁ、笑われなかっただけ良いだろうか。]


  んっ!

  おはようございます。朝食頼んでくれてたんですね。
  ありがとうございます。

  服は着ておきます。
  流石に満足はしましたよね?


[ぱち!と顔を軽く叩いた後
彼の用意してくれたものに感謝を述べる。

そのあと、髪を簡単に後ろでゴムで纏めて
動きやすい格好に。]*


   離したくないなって、好きだなって
   思った人の姿ならどんなものでも見たいけれど。




  でも、焦って恥ずかしがってな彼女も
  見られたのだから、ありではある。

  服を着ようとする彼女を見ていると
  満足したかと聞かれたので
  少しだけ考えた。

                   ]




   満足はしたけれど、シャワーは後で浴びる?



  流石に、のんびり眠ってしまっていたし、
  朝食後でも浴びるのかなと思って
  使えるタオルがあるかと
  準備していたのは内緒。

  というより、
  彼が後で浴びようと思っていただけなのだが。
  そんなことを考えている間に
  彼女が着替えて、動きやすそうにしたなら
  朝食が届くことだろう。

                       ]






   リビングのテーブルにお願いします。



  2人分のトースト、オムレツ、サラダ、
  それとフルーツにオレンジジュース。
  テーブルに置かれたなら、
  彼女にも食べようかと声をかけただろう。

                     ]*



[分からなくたって困るやろう。と言ってやりたい。

恋人の願いは叶えたいちゅう気持ちは純情やけど。
性欲も存分に含まれており、其れを好ましく思う自分がいた。欲望の視線に曝されて火照り、唇を撫でる親指に甘く噛みつくのは閉じぬ聲の表れゆえ。彼に紡ぐ言葉を封じらても瞳はきっと雄弁。やけど、与えたがりの優しさは、此方を甘やかす。大切に大事にされて、肌は赤い束縛を形に宿した。

言葉で行動で煽り、攻めて
攻められ甘い声を漏らすことのなんと愉しきことか。嗜虐と被虐は紙一重であり、彼の執着こそが肌を焦がし、それに応え
願いを叶えようと唇は膜で熱を覆おうと試みるが]



 ほんまに、大きすぎるんよ


[それが叶わず、手伝いを願い。
彼の言葉には拗ねるようにそう返したが、実際拗ねているのではない事はすぐ知れただろう。まじかで薄い膜を纏う姿を見れば自然と息が上がり、咥内に唾液が溜まった。其れは此方の腹を鳴らす魅惑の食材だ。しゃぶりつきたい、とは聊か品がないが頬にと擦り付けられた熱は薄膜越しにも伝わり、彼が見たがる景色を想像させ。

笑みながら此方からもすりっと頬を寄せた。]

[やらしい子、やけど
可愛らしいて恰好いい。彼を誉める言葉はいくつも浮かぶ。けれど、そのどれもが足りていない。抱きしめられるだけで心が満たされ、息は甘く。優しい言葉に、んっと頷けば彼の脚の上にと座らされた。

大切に大事に宝物を見つめるような瞳は
妙な恥ずかしさを呼ぶ。

激しい性交よりも、彼のぬくもりが羞恥を擽る。
鼻先を擦り合わせて、何度も優しく啄まれて溶けそうで
恋人という言葉の破壊力を知る程、瞳は潤み、息は上がり]


 やぁ、サイズ間違えて買ったん?


[彼の痛みに大丈夫かと問い掛けながらもそんな揶揄いを。
太腿にと当たった其れは張り詰めんばかり、薄皮が窮屈そうで、次からはもう一つ大きいサイズの方がええんちゃうんと問うが、臍の下の紐を引っ張らればひゃんっと甘い声が溢れ、快感に目を瞑るしかなかった。お尻の部分が強調されている感覚に性的な興奮を覚え。

屹立を締められれば苦しさに喘ぐが
その後すぐに与えられた緩みにはもの足りなさを覚え。
支配される、その悦びを感じて知ってしまう。

あかん。と思うのは知らない感覚のせい
縛られ支配されて、臀部どころか

屹立、急所を握られて、――興奮するなんて初めてや]




 …… ん ぁ 、ぁ あ ん



[その癖、彼は優しく慈悲深い。
その深さが時に飢えを与えると彼は気づいているのだろうか。手首に痣がついていないことに安堵する姿は可愛いく愛おしいのに一度火がついた被虐の心は燃えて、喘ぎ声ばかりを紡ぎ。

何かを強請る前に、]


 … っ、ほんまに
 ちゃんと 見てや …奥までっ ぁ


[再び縛り付けられた手は軽く動く
だが、その動きは制限され、逃亡は叶わないと分かる程度のもので。むしろ軽く動くせいで身を捩りやすく、身体が動くたびに縄が食い込み、快感を呼んだ。もう大概、彼が欲しいて仕方ない。

はよう、はようと強請りたがる声を封じ
代わりに、足を開く彼が蕾をチェックするのなら
腰を上げて、其処を見せびらかそう。

――ずらされた縄が、肉体を締め付ける。]

[初めてを失ったばかりの地は
赤みを帯びて、抱かれた証を宿す。傷はないが、開かれた証拠は一生残るものだろう。其処に柔らかな感触で触れられれば身を捩り、甘い声を発して悶えるばかり。やぁ、やんっと鳴いて啼いて。

皺を伸ばされた其処がひくひくと口を開き
雄を受け止めた感触を思い出し]

 
 っ 、ぁ あ! 寿っ ん


[やぁ、なんでイカせてくれへんの。と
屹立をしゃぶり、愛撫する彼に泣き。いかせてやと強請るのは強い快感に耐えきれなくなったせい。喉の奥に触れるのが気持ちよく自然と腰が浮いて、けれどそれ以上は動けず縛られ、締め付けられ。

また、ないた。
其れだけでも快感の波は雄大なのに。
新しく覚えたばかりの胸への、快楽によりのぞけって
赤い縄に縛られた肉体を善がらせた。


彼の目にはどんな風に見えているのだろうか。
そんな事を考える余裕もなく、息も絶え絶えで、唇から唾液を垂らし。堪忍と甘い声で漏らすが、痛い程に勃ちあがった屹立が彼に興奮をしらせ、気持ちよさに濡れる目が彼に、もっとと訴える]


 …っ 堪忍、 …はよぅ… はよ…ぅ


[きて。暗い洞窟で騎士の助けを待つ姫のように。
とははしたなすぎて言えないが、震える太腿の奥、蕾の部分に宛がわれた雄の形に息を飲み。歓喜の音を鼓動で鳴らした。大事な宝物のように扱われ、優しさと意地悪にくるまれ乱れた身は待ち望むものに悦びを持ち、蕾が先端の形にと広がっていく。

惜しむのは生でないことぐらい]


  っ ―――!!!


[深々と突き入れられた其れに
身体がのぞけり、びくっと身体は跳ねた。赤い縄をぎちりっと浮かばせるその身は痕を残しつけられて、彼の執着と支配を浮かび上がらせる。愛しい人に、それも最上級の恋人に抱かれているという自覚が、声すら奪い。開いた眼から、涙を流し、何度も息を求め

ぱくぱくと唇は動いた。

あまりの気持ちよさに逸物はのぞけり。
――彼の屹立に抱き着く如く、肉壁は絡まりを見せて

薄皮一枚に戸惑い]


  そういうものかなぁ…。

[あたしはピンと来ない。
だからこそ彼の気持ちに応えられなかった訳なのだけど。]

  はい、勿論時間があれば。
  昨日は疲れて眠ってしまいましたから…。
  

[時間がなければ
仕方がないので家で浴びることになるだろう。
少し電車に揺られる必要があるが、仕方ない。]


  ありがとうございます。


[食事が運ばれてくれば一言お礼を述べて
朝食を食べよう。
眠い時はご飯なんて要らないと思うけれど
目の前にすると食欲が湧いてくる。

そういえば、と今更気付く。
昨日は夜ご飯も食べていなかったと。]*



 ……やぁ、寿 っ 
 もっと、強う、抱いて
 
    もっと っ 強う


[彼が感じられるように。
封じられた手を動かし、抱きしめようとするのはオネダリを伝えたいから。もっと強く、強く、薄皮一枚が感じられないぐらい、強く彼を感じたいと流す涙は溢れ、シーツを濡らす程に大粒であり。

此方の乱れをよくあらわしていた*]


   ん、勿論まだ時間はあるから
   ゆっくりシャワー浴びていいと思う。




  まだ10時を過ぎた頃の話。
  チェックアウトまではまだまだ余裕がある。
  時計はつけていないので、
  携帯で確認をとるけれど、あまり気にしない。
  それに、彼自身がまだバスローブ姿のままだったから。

  いただきます、と言って焼き立てのトーストに
  バターをしっかり塗ればかぷっと四隅の一角を一口。
  さく、ぱりっといくこの食感は
  なかなか楽しむことができないので
  目を閉じてそれを楽しんでいるだろう。

                         ]





    ……はぁ、美味しい。
    ここの朝食、仕事で泊まるときに
    よく食べるんですけど、
    誰かと食べるとさらに美味しい。



  彼女は何か言ってくれるだろうかと
  ちらりと近くに座っているであろう
  彼女の方を見て。

                   ]*





  今まで誰かと食べたことあるんですか?

[あたしがちょっと首を傾げたのは
彼が何度もお見合いに失敗していると聞いているからだ。

あまり合わないと
直ぐに別部屋に行ってしまうこともあるとか。]


  あ、。
  オムレツ美味しいですね、とろとろです。


[形の整った黄色のオムレツにフォークを指せば
中身は半熟でとろとろのまま。
ケチャップを適度につけて食べると、とても美味しい。

他の料理も美味しく頂いて
あたしは満足そうにオレンジジュースを飲んで
ごちそうさま、と言う。]*


   誰かと食べるのは初めて。
   一応仕事で狭い部屋に泊まる時があるので
   
ひとり
で食べていたんです。



  ひとり、のところを強調してみて。
  彼女を見ながら食べていたからか、
  彼女がご馳走様をする時、
  彼はあとサラダが残っていた。

                  ]

   オレはまだ残ってるから、
   先にシャワー浴びる?



  ゆっくりしすぎているかと
  ふと思ったけれど、
  バスタブも綺麗にしたし、
  お湯を張れば浸かることも可能なので
  彼女にゆっくりしておいで、なんて。

                    ]






   あ、でも……12時には、出てきてね。



  女性は長湯と聞くし、
  なんて言ったら流石に怒られたかも。

                   ]*





  は、はぁ……

[ひとり、のところを強調するので
あたしはちょっとびっくりした。
何か触れちゃダメだっただろうか、なんて
的外れなことを思いながら]


  あ、良いんですか?
  それならお先に失礼します。
  

[彼の申し出はありがたく受け入れ
先にシャワーを浴びることに。
湯船は、また家に帰ってからで良いだろう。]


  はーい。


[彼の言葉に調子良く答えたけれど
結局シャワー室から出てきたのは11時50分だっただろう。]*


[ 吐いた息のあと、ねだったとおり、
  優しく褒め言葉が落とされれば、
  ぞくぞくとした快感がまた下腹部から
  せりあがって、震える喜びに口端を上げた。

  焦らすように触れられた肌。
  ゆっくりと撫でられた腿がまた敏感に粟立ち
  絡められた指の先から伝わる骨張った
  感触がたまらなくて。 ]



    は 、ふ ッ………ん゛ァッ!!


[ 奥を一度突き上げられれば、
  濁った声が落ちて、上体ががくん、と揺れた。

  張り付いていた髪をかき上げる仕草に
  心臓がきゅ、と結ばれて。]

 





    っん、


[ 触れるだけの口付けを額に落とし。
  優しく揺すられる体に、息をこぼした。
  握られた手は彼の胸の上においたまま、
  反り立った己の昂りからぼたぼたとまた、
  こぼれ落ちて、引き締まった腹を汚す。

  彼の腰の動きに合わせて、より奥へと誘い、
  前後に揺らしながらいいところに当てて。
  たまらない、と言わんばかりに
  眉尻を下げて嬌声を上げた。]

 





    おれ っもっ  きもち、ぃ、っぁ゛ッ



[ 首をこてりと倒し、喉を晒して
  びくびくと腹が痙攣する。
  もっと激しくしてほしい。
  こわいくらいの快感に溺れたい。

  ただ、同時に、ずっと、この時間が、
  触れ合える時間が続けばいいとも───

  
否、 それは ちがうよな ]
 

 



[ 揺れた思考を伏せるように、
  覆い被さって、口付けを落とす。]



    ───ミヤビ、さん、っ



[ なんとなく、呼べなかった名前を
  もう一度、口にして。
  それを閉じ込めるように重ねた。]*

 


   誰かとこうやって食事をしてるなら、
   多分アンジーと出会っていなかったと思う。

   



  ぽつりと呟いたその言葉は
  彼女の耳には届いただろうか。
  別に、怒っているわけでもなんでもなくて。
  初めてなんです。と言いたかっただけ。

  シャワーを浴びに行った彼女に
  手を振って、彼は残ったサラダを食べながら
  昨日の動画を眺めてみたり。

                      ]

 





   はー……………………
   可愛い。綺麗。非の打ちどころなし。
   いい感じ…………
   あ、機内モードのままだった。



  やけに連絡が来ないなと思って
  電波を確認したら機内モードだった。
  すっかり忘れていたけれど、
  彼女と分かれるまではそのままでいいか、と
  荷物をまとめることにした。

  この部屋に後ろ髪を引かれる日がくるとは
  まったくもって思っても見なかった。
  でも、それは彼がすごくすごく慎重に
  行きすぎてしまったからに過ぎない。

                      ]





   本当、12時近くになりましたね。
   ランチ、行きたいところがあれば
   後で教えてください。



  シャワーから戻ってきた彼女を見て
  時間を確認すると、くすっと笑ってしまった。
  彼女が戻ってくるまでに
  リビングのテーブルの上は綺麗になっていたはず。
  入れ替わりでシャワーを浴びに行けば、
  全身の汗を流すよう頭から浴びていって。
  髪を乾かす時間を考えて、
  少し時間に余裕を持って12時半前には
  シャワーから上がってきたとは思う。

                        ]*




[それもそうなのか、とあたしは思う。
ただそれ以上の感想は思い付かなくて
その言葉に特に言葉は返せなかった。

彼はこの出会いを大切に思ってくれている
それは分かるのだけれど
あたしがそれについて行けていないだけ。
本当に、そう、申し訳ないくらい。]


─────────────


  ええ、何かあれば教えるわ。

[彼の言葉に頷く。
何が良いだろうか、とふんわり考えて
今日が洋風なら、和風が良いだろうかと思う。

彼がシャワーを浴びている間に
ホテルを出る準備を整えて。
ポニーテールはそのままにして、キャップを被れば
また昨日とは違う印象になるか。]*

[ 自分の上で、淫らに踊る彼を、もっと乱したい
 そんな欲求を自分が持つなんて、思わなかったが

 思考する暇などなく、
 快楽を貪るように善がる彼の痴態に煽られて
 突き上げる頻度は増していく

 湿った肌がぶつかり合う音に、
 じゅぶりと、泡立つ淫らな音が重なり合えば

 互いの荒い呼吸音さえ、いやらしいものに聞こえて
 淫靡な笑みを浮かべながら、快楽に耽っていく――]

[ もっと、溺れさせたい
 もっと、溺れてしまいたい

 この時間の終わりなんて、考えられないくらいに
 彼がこの手を放す時間が来ることも、忘れていられるように]

[ 彼も夜を過ごす人を求めていた

 それは、きっとこれからも変わらない
 それは、きっと私自身も変わらない


 だから、こそ―――― ]

 
  ん、……っ、
む、
――ッ、


[ 快楽と、理性の狭間
 不要な感情が湧き上がる前に、口付けをされて、思考が途切れる
 
 キスの合間に、名前を呼ばれて、
 驚いたように、何度か瞳を瞬かせていれば、
 何か言う前に、すぐにまた、唇を塞がれた

 どんな想いで、名を呼ばなかったのかは知らない
 それでも、呼んで貰えたことが妙に嬉しくて

 重ねた唇の端を緩ませて]

[ 閉じ込めたものを、飲み込むように
 角度を変えながら、食んでは、舌を絡めて、吸って

 その間にも、腰を揺らす動きは止めず
 時折、胸の飾りを悪戯に弄ぶ

 窮屈そうに、腹の間に挟まれた彼の肉茎から零れたものが
 揺らす滑りを良くして―― ]
 
 
  はッ、……ンッ、ふ、ッ、


[ 漏れる吐息も、間隔が短くなっていき、
 切羽詰まった、切ない響きが混じり始めた

 まだ、終わりたくないと思うけれど
 早く、彼の中に出してしまいたいとも思う

 一度、ぎゅっと眉を寄せて、瞳を閉じれば
 薄く瞳を開いて、ふっ、と甘い吐息の笑みを零した]

 
 
  一緒に……、イきましょう、か


[ そういえば、彼の肉茎を指先だけで、刺激した
 何度も突き上げて、限界に達すれば

 再び、白濁とした熱いものを彼の中に、迸らせた――*]



   ふぅ…………
   髪乾かしたら、チェックアウトしようか。



  彼は新しい肌着と下着を着て戻り、
  タオルで長い髪を乾かしながら
  リビングに戻って
  キャップを被った彼女を見た。
  ソフトな中にハードなところも
  素敵に見えてしまう。

                 ]

   何かいいところ、気になるところはあった?
   オレの奢りで、いいからね。



  友達だからと断られるかもしれないけれど
  大人だから、それくらいの余裕がある。
  彼女はどことなくまだ、自立してなさそうで。
  
  リビングあたりでドライヤーを
  ぶぉーんと白金の髪に当てながら
  彼女の返事を聞いていたかな。

                      ]*


  和風のお店が良いですかねぇ…

  …ふふ、お言葉に甘えてしまいます。


[彼が奢ってくれる、というなら
その言葉に甘える。
お店に関しては彼のオススメのところを聞きたい。

脂っこくないといい、と付け加えておいて。

彼の髪が乾くのを待って
それから立ち上がりホテルのロビーまで移動するだろう]*

[乳を吸う俺の頭を、史郎の手が優しく梳いて
 つきん、と鼻の奥が痛んだ。


 何かの為じゃなくて
 俺自身を受け入れてもらった、みたいな
 生まれて初めての感覚に、くらりと溺れる。


 
溺れて、溺れて、もうあとは沈むしかない。





 
堕ちたのは、きっと俺も─────

[熟れすぎた梅の実にも似た性器の先端を
 執拗に弄れば、また甘い悲鳴が上がる。]


  ふ、ぅ……ッ、イッて、もっと……
  たくさん、おかしくなって、いい……


[潮でも噴くかと思ったけれど
 手で触れる其処はカウパーなのか精液なのか
 もう分からないものを垂らすばかり。

 漸く俺の先端が、結腸の入口をこじ開けた時
 ラストスパートに向けて、史郎の腰を抱え直した。]


  ほら、噛んじゃ、ダメ。


[ぷつりと切れた唇を合わせて
 唾液に絡む血の赤を啜る。
 
 自重で深く刺さる形になっている史郎を
 ぐっと下へと押さえつけながら
 行き止まりの壁を何度もこじ開ける。

 乱暴にしたくないのに、奥に子種を吐きたい、なんて
 動物的な本能には抗えない。]

[そして不意に、何度も乱暴に突かれ続けて
 口をこじ開けられた最奥へ、
 ずるり、と亀頭がめり込んで。


 ちゅうぅ、と精を搾られるような感覚と
 口付けの合間に囁かれた言葉とに
 ぱつん、と意識が白く爆ぜた。


 今までの何よりも強烈なオーガズム。
 強く史郎の身体を抱き込みながら
 俺は獣じみた唸り声をあげて
 最後の一滴まで、史郎の奥へと注ぎ込んだ。]

[そうして射精を終えた途端に、
 濃厚なセックスの直後特有の
 気怠い感覚が、爪先からじわりと登ってくる。]


  しろ、くん。


[掠れた声で呼び掛けたら、
 答えはあっただろうか。
 答えがあっても、ぼんやりとした頭は
 適切な話題を考え出せないでいるだろうけれど。

 煙草が吸いたい。
 けれど動きたくない。
 ヤダヤダ期の子どもみたいな脳みそを叱咤して
 史郎の身体を抱きかかえたまま
 シーツの海へと倒れ込もうか。]


  しろくん。


[惰性でもう一回。
 汗ばむ髪へと指を通しながら
 舌先でその甘い名前を転がした。]

[小さく問い掛けた言葉を置き去りに、
 俺の意識は微睡みの中へと
 すとん、と落ちてしまう。

 きつく抱いた腕の中から伝わる鼓動を
 子守唄にしながら。]*

[コンドームのサイズが違っているとか、そういうことを考えたことはなかった。
それなら、彼が自分にかぶせにくかったというのもわかったような気がして。
漏れることを考えたら、きついくらいの方が良いのかなと思ったけれど。
試着とかもできるのだろうか、とふと思った。

今は自分のムスコのサイズより、彼の方だ。
早く、と。欲しい、と、むせび泣くようにして腰を上げて、奥まで見せつけてくる要。
彼が露出狂の気があるというのは知っているけれど、変質者めいたわけではなく、節度は守っていたのだからこれは、いわゆる痴態だろう。
縄の与える甘い痛みに酔っているのかもしれない。

焦らせば焦らすほど、与えられた時のご褒美は旨い。
それを知っているからこそ、自分へのご褒美の果実をも育てていく。
だって、彼という果実は美味しくて。
そしてその果実は熟せば熟すほど甘いのだから]

 エッチなお姫様ですね。


[クスクスと笑いながら、彼の中に突き入れたものはあっという間に彼の中に受け入れて飲み込まれていく。
電流が流れたかのように彼の体が跳ねて、そして適度に緩ませてある赤い縄がぎりぎりと自分の屹立をも擦っていく。
はくはく、と動く唇は声をも漏らさず、息のみを求めて。
目を見開いたまま涙を流しているから大丈夫なのかと不安になって彼を見つめていたのだが、一瞬、イってしまっただけのようだ]


 激しく抱かれるのが好きなんですか?
 わかりました。


[彼が狂ったようになっている姿を見るのも嬉しいと思ってしまう。
それは、彼が自分を求めている証拠だと思うから。
同じ様なことを、彼も自分に感じていたことなど気づくべくもなく。
彼のしなやかな脚を纏うしっとりした質感の肌。それに口づけて軽く歯を立て、痕を残し。
それは情交が終わった後には消えてしまう程度のものだけれど、独占欲だと彼は気づいただろう。
膝裏を下から持ち上げるかのようにしながら足を開かせ。
彼が望むように一突きを重く押し付けていく]

 貴方のせいですからねっ


[ちゃんと言い聞かせておかないと不名誉なことを言われそうで怖い。
自分はちゃんと優しく、思いやり溢れる大人の抱き方をするはずだったのに。要が強く激しくなんて言うから……っと責任転嫁して、次第に動かし方がエスカレートしていく。

もともとサイズが合っていないのだ。
それなのに激しく動かしたらどうなるか]



 あ………っ


[調子にのって彼の奥から入り口まで律動を繰り返し、蠕動をする彼の中に煽られて、腰をねじ込むように奥へと突き刺したら。
びゅくっ……と安心しきって放出した瞬間に、ずりっと滑る感触がして]


 要さん………ごめんなさい、破けました。


[慌てて破れて、とろっ……と中から白いものが流れるゴムを自分から引きはがして。
中途半端に達してしまったので気持ちが悪い。
うう〜っと子供のように唇を噛んで少しばかり考えてから、にこりとほほ笑む]

 破けたし、中に出してしまったのだからもう仕方ないですよね。
 約束通り、抜かずにもう2発行きます? 生で。


[ね?と甘えるようにまだ固さが残り、自分の精液でぬるついたそこを彼の屹立にこすりつけるようにして。
涙の痕が残る彼の目の端を舐めた*]


 
   おすすめの和食?
   なら、鉄板焼きに行かない?
   この近くにあっておすすめなんだ。
   フィレステーキと、スープと…
   小鉢にデザートまであるから
   帰りまで満足できると思うよ。



  彼女の希望を聞いて、お店のホームページか
  何かを携帯で見せようとして、
  機内モードを解除すると
  もしかしたら大量の通知が見えたかも。
  勿論、無視してウェブを見せているけれど。

  準備ができれば13時ちょうどくらいに
  チェックアウトを2人揃ってするだろう。
  そして道案内する中で
  彼女の荷物を持とうか、と声を
  かけてみたと思うが、彼女の反応は
  どんなものだっただろうか。

                     ]





   そうだ、後で……連絡先……

   聞いてもいい?



  また会いたいから。

  そこまで言って、道すがらに尋ねる。
  タイミングはいつでもいい。
  でも、またねをいうまでに、と
  彼はお願いをした。

                   ]*





  鉄板焼き!
  美味しそうですね、良いと思います。

[彼が携帯でお店のホームページを見せようとしてくれて
だからあたしは覗き込んだ時に
通知がぽんぽん、沢山飛び込んできて
それを無視する彼を見てあたしは目を細めた。]


  連絡先?良いよ、勿論。
  別に今でも良いから。


[チェックアウトを済ませてホテルの出口で
あたしは携帯を取り出して彼と連絡先を交換する。
アプリと、それに電話番号。

それを済ませて。]

[そんなお姫様は嫌い――?
と唇は問いかける。嫌いやないやろと甘い声は嬌声に消え、彼の熱源を受け止めた身体は跳ねた。身体中が彼を求めて蜜壺と化した穴にと神経が集う。縄で縛られた身体は喘ぐたびに、擦れて熟れて快楽の虜となる。

其れなのに、足りない。
薄皮が隔てる其処が欲しいと啼き]


 …っ ん ぁぁ!!!


[そうや。と頷く間もなく
脚にと落ちる口づけに身体を跳ねさせ、歯の感触にまた肌を彩らせた。情交が終わった後には消える花の儚さよ。されど、痕が消えようとも交わる熱は消えず、膝裏を下から持ち上げるようにし

深く、重く突きさす彼に
また混じる熱を増して、喘ぐ声を高くした]


 っ  はぁ
  …そうや   ――俺のせい


[くくっと喉の奥から嗤う声を発し
嬌声まじり、彼に笑気を届けよう。俺以外、誰が自分をそうするんや。と乱れの中での素面が言う。すぐに激しい波に侵され、喘ぎ声をあげ、笑い声は消えていくが、それでも彼に思いは伝わっただろう。

強く激しく、縛りつける程の執着を。
俺という存在を刻んで、愛してや

――激しく揺れるたびに跳ねて、喘ぎ。
屹立を飲む壁は、彼を強く締め付ける。足りない、と
薄皮を恨むように、吸い付いて、飲み込んで]


 
 ……っ、え ぁあ


[イきそうになった瞬間。
突如、腹の中に違和感を感じた。彼が精液を放ったのだと一度味わった体内は言う。けれど、コンドームを彼はしていたはずで。そのうえ、動きを中途半端に止められたものだから、戸惑って、視線を彷徨わせ。

突然と現実に引き戻された事に、迷い。
臀部に感じる熱と彼の言葉に

漸くゴムが破けた事を理解した]

[とろとろと流れる白いものを含むゴムが視界の端に写る。
思わず喉を鳴らしたのは、彼の愛撫のたまものと言えるかもしれない。やらしい雄の匂いや、と鼻を鳴らし、それからどうするんやろぅと持て余す熱を逃がすために息を大きく吸って吐いていたが

子どものような仕草をしたと思った彼が
にっこりと微笑むのを見たのち]


 ……はぁぁ んそっかぁ

 ん ぁ


[甘えるような顔を見せる彼の頭を撫でたいが
生憎手はふさがっており、ぎちっと音をたてるばかり。途中で引き戻されたからか、理性もある程度戻ってきて、それが彼の笑みに笑みを返させた。屹立に当たる雄により、身体が締まるのが分かる。

すっかり欲しがりになった肉体と心が飢えを訴える。
眼の端にと舌を届かせる彼に笑い


此処にもと舌を出して唇を舐めれば]


 それやったら仕方ないなぁ ――?


[ふふふと愉しげに嗤い。
精液でぬるついた其れに此方からも雄を擦りつけよう。その際、また縄がすれて痕を残す。そのたびに感じて、癖になりそうやなと思うものの。彼の顔に既に癖になっとったわと自問自答。

えろう、男前に惚れてもた。]



 仕方ないさかい
  ナカに、沢山だしてや


         ―― 生で、寿をちょーだい



[自由の利かぬ身体の代わり
微笑みを浮かべ、誘いをかけよう。お尻の中、愛されたがる其処を意識するように。性欲に忠実ながら此方を気遣い思うてくれる彼に。

おいでや、と優しく甘く呼びかけた*]

[当然なんて言われるとなんとも言えない気持ちになってしまう。
嬉しい気持ちと、照れくさい気持ちと、戸惑う気持ちがあって。
大半は嬉しいという気持ちなのだけれど、あまりにも普通に言うものだから、少し戸惑いもあるのだ。

彼の腰に自分の尻が密着すれば、自然蜜壷の奥まで熱が潜り込む]

それは…んぁっ…!

[一夜の夢が覚めた後、似合う服を一緒に選びたいだなんて。
そんな事言うなんてずるい。
揺れてしまうじゃないか。
夢が覚めても可愛がってもらえるのだと期待してしまうじゃないか。

心の中だけに留めると、奥まで埋められた熱はそのまま、腰を丸く円を描くように動かされ更に奥の入口を可愛がられて。
抱き留められたまま、彼の手が胸の膨らみを揉み始める]

大胆なものはないですよ?

[えっちの時用!と一目わかるような大胆なものは流石に持っていない。
普段使いできてデザインが可愛かったり綺麗なものをいくつか鞄の中に入れて来ていた。
唇で耳朶を食まれ、頂や肩へと口付けられれば、くすぐったさも感じて、クスリと笑ってしまう*]


[枯れたと思った喉からはやっぱり
 悲鳴じみた嬌声が止まらない。
 ひりつく喉を駆け上がる酸。
 結腸の入り口を下からごつごつと打ち付けられると
 どうしたって生理的に嘔吐感が込み上げる。
 ぜったいに吐くもんかと噛み締めた唇に
 歯が刺さり、滲む赤をサクライさんの唇が
 拭うように触れて、唾液ごと啜ってくれる。

 熱くて染みて、溶ける。]
 


[がつんと押さえられる力が堪らない。
 さっきよりずっとキツい激痛の中に、
 仄かに灯る赤は、きっと、

 死ぬほどの快感。



 ふわ、と浮き上がるような感覚に、
 強張る身体が緩んでずるりと最奥に先端を
 飲み込む。
 一層酷く痙攣する体。
 そのままどこかに飛びそうな意識を、
 強く掻き抱く腕が一瞬、繋ぎ止めてくれて─── ]
 


[吐き出された欲望も、どくどくと脈打つ熱さえも
 繊細に感じ取れるから。
 飛んだほうが楽なほどの衝撃にも、
 飛ばなくて良かったと、絶頂を迎え叫びながらも
 口元が綻ぶ。

 一滴も溢したくなくて、蠢く襞が
 全部絡めとってくれればいいな、なんて思いながら
 白んでいく視界と、すぐそばにある
 サクライさんの身体に身をぜんぶ、委ねた。]
 


[どこかでサクライさんが、僕の名前を
 呼んでいる気がした。
 くっついてしまったように重い瞼を
 必死で引き剥がす。

 と、ばすん、という音と刺激にようやく
 瞼が持ち上がる。
 倒れ込んだ身体を優しく受け止めてくれたのは
 シーツだけじゃなくて、]


   サクライ、さん。


[睫毛が触れそうな位置に、彼の肌がある。
 髪を梳くようにまた撫でてくれる手と、
 僕を呼ぶ声が穏やかで、幸せで。]
 


[サクライさんの胸に顔を埋めて、こくりと頷く。

 そのまま暫し。
 上下する規則的な動きに視線を上げれば、
 サクライさんの瞼が閉じていて。

 ─── 睫毛が長くて、やっぱり綺麗。

 僕は写真なんてスマホでくらいしか
 撮ったことないけど、もし僕の手に今カメラが
 あったらきっと、夢中でシャッターを切った
 だろうなと思う。

 

 僕は知るはずもない。
 いつかの日、僕の知らない誰かがそうしたことを。

 


[─── さてそれはそれとして。

 二回も奥で出してくれたものは、そのままだと
 そう遠くない未来に大変なことになるのは
 わかっているから、シャワー浴びなきゃと
 サクライさんを起こさないように
 そっと身体を動かそうとした。

 ……でも出来なくて。
 散々泣かされた身体が言うことを
 聞かないのももちろんあるし、
 サクライさんの腕が僕を抱きしめて、
 離してくれないのも、あった。

 ふふ、と笑って、サクライさんの唇にキスする。
 ───いいや、とそのまま僕も目を閉じた。]
 


[自然に口角が上がってしまうから、
 もしかしたらサクライさんの相棒に
 似た表情になっていたかもしれない。

 そうして、目を覚ました時に、
 サクライさんはまだ隣にいるだろうか。

 居なかったら焦って飛び起きて周りを見渡して。
 居てくれたなら、照れながら
 おはようございます、と伝えよう。

 いま、なんじですか、って、
 聞かなくちゃいけないことはわかっていながら。]*
 

[意識を闇に落としてから
 どれくらい時間が経っただろう。

 ふと目を覚ますと、身体を占めていた倦怠感は
 何処かへ行って、ただ繋がったままの史郎が
 俺の腕の中にいるだけだった。

 精を放ったままにして過ごすと
 彼の身体に障ることが分かっていても、
 史郎が俺の精を腹に溜めたまま此処にいることに
 どうしようも無い満足感を抱いてしまってて
 ……やっぱり、そんな自分が嫌だった。


 傷付けないように、萎えた茎を引き抜くと
 瞼を閉じたままの史郎の唇へ
 そっとキスを落とした。]

[首筋の傷やら、薄く史郎の茎に残る擦過傷……
 まるで、肌に残した蝋を剥がす時みたいな
 恥ずかしさと申し訳なさが、
 いつも行為の後を付き纏う。

 史郎の身体を内も外も清めても、
 まるで何も無かったことには出来なくて。

 そして、疲れと汚れとを
 シャワーで洗い流した後、
 目覚めた史郎と目が合った。]


  あ、おはよう、ございます。


[焦ったような様子を見て
 安心させるように笑ってみせた。
 ……ただ、なんとなく恥ずかしさが残って
 彼の目はきちんと見れなかったろう。]




  コーヒーでもどう、かな。
  ……時間的にはまだモーニングにも
  なってないけどね。


[カウンターにあったバリスタマシンを指して。
 変な時間にカフェインを摂ると
 本当に眠れなくなるかもしれないから
 別にお茶でもいいし、飲み直しでもいい。

 なるべく彼を引き止めるために
 嫌がられなさそうなものを必死に考えてる。

 部屋には吐瀉物を吸ったタオルも
 えげつない道具の数々もない。
 
ホームセンターサクライは閉店ガラガラまた明日。

 あの夜を覚えているのは、
 俺と、史郎と、史郎の首に残る首輪、
 それに互いの肌に尾を引く熱くらい。]

[史郎の身体が辛そうならば
 空いたベッドサイドのテーブルまで
 ご所望のドリンクをサービスしよう。

 それから、おはようのキスも。]*

[もし彼にそんなお姫様は嫌い?と訊かれていたら、どんなお姫様でも、このお姫様が好き、と答えていたと思う。

本当だったら、彼の許可を取らずに、そのまま犯した方がそれらしかったかもしれない。
でもどこかで自分たちの根底は主従で、自分はこのお姫様に奉仕したいという気持ちの方が強い。
いや、要がいやらしいのにどこか可愛いから、言わせたくなるのかもしれないのだけれど。
まるでさかりのついた犬のように、この躰に夢中になっている。
もっとも、雌犬のようにこのお姫様を俺によがらせたいのだけれど]

 やはり、生の方がいいですね。


[足を開かせた彼の蕾に、自分の精液で滑る先端を押し付ける。
ずっ…!!と楽に入った瞬間、ダイレクトに彼の肉圧が伝わってくるのが心地いい。
そうとう企業努力と技術の進歩で開発されているだろうコンドームだけれど、少しの摩擦や膜を通した違和感は、どうしても存在してしまうから。
奥に引き入れようとする蠕動も、みっしりとしている熱いものが感触を確認しているかのように自分を食んでいるのも先ほどとは違っていて。
既に癖になっている。この躰と、生での行いに。
このまま生で種付けを自分たちのセックスの基本にしてしまいそうで、怖い。
彼の体のためにこの癖を治さないといけないのに。
しかし、ずず……とゆっくり引き抜いて、そしてぱん!と音が出るくらい激しく突いて。

あー、キモチイイ。
そうじっくりと彼の体を味わう。
あんまり体をそらせさせると、縄が首を擦れて傷を作るかもしれないし、と少し考える仕草をする]

 どうしようかな……。
 正常位って好きだけれど、同じのばかりすると飽きちゃうかな?


[繋がってゆっくりと腰を回しながら彼を抱きしめる。
彼の頬に手を添えて、滑らすように唇を自分の唇で覆うようにしてキスをした。

ああ、こうして触れ合っているのだけでもキモチイイ。
頭を撫でて、抱きしめてくれるその腕が欲しくなってきて、しゅる、と彼の腕を繋いでいる服の袖だけをほどいていく。

そちらを見れば、綺麗な手首がうっ血しているかのように赤くて]


 ああ、要さんの肌が………。
 ごめんね?


[手首痺れてない?と彼の手首をさすりながら口づける。
こっちも外そうか、と彼の赤い縄を引っ張れば、ぱらり、と縄がほどける。
上半身の赤い縄が、白いシーツに広がるように落ちて。

―――白い肌を飾る胸の粒。それを取り囲むように残るその縄の痕に………とんでもなく発情した。

彼の中にある自分の質量も熱量も増えて、彼は自分の慾にわかっただろうか。
それをごまかすかのように、ゆるゆると動かしていた腰を、奥めがけて一息に突いた]


 痕がえっろい。
 要さんの肌に痕つけていいのは俺だけですからね

 
[中も外も。ひくひく、と躰を震わせる要を抱き上げて、自分の上にのせてしまう。
くたッとした体での座位は体格差がそれほどない自分たちでは少し辛いかもしれない。
少し待ってあげようと、彼が自分から腕を回してくれるようになるまで待とうか。


そして、彼が抱きしめてくれるようになれば、彼の後頭部を掴むようにして、飽きもせずその唇を味わって。


ああ、そうか。

縛られる姿にそそられるのは、縛られたそれが自分の物だと錯覚できるからだ。
でも、今はこの腕が、俺を縛ってくれる。
そう思えるのが嬉しくて、彼の腰を掴むと揺さぶった*]


[……よかった、居てくれた、と。
 その笑顔を見て心の底から安堵して、
 身体中から力が抜ける。

 おはようございます、と何故か敬語の
 サクライさんの視線は、僕のものとは
 重ならなくて。
 なんとなく気まずそうに
 宙を彷徨っているように感じた。

 シャワーを浴びたらしいサクライさんの姿に
 目を奪われて。
 ふと、乱れたままの自分に目を落としたら
 急に恥ずかしくなってかぁっ……といまさら顔が
 熱くなる。
 手近にあったバスタオルに手を伸ばして、
 ばっ!と頭から被ってまたへにゃりと
 ベッドに倒れ込んだ。
 ついでに散々暴れたベッドの上、
 奇跡的に掛け布団が残っていたなら
 それも引っ張ってせめて下半身だけでも
 隠そうとしただろう。]
 


   ……そう、なんですか。
   よかった、まだ───

   まだ、チェックアウトの時間じゃなくて。



[ぼそりと呟いた言葉は、質の良い分厚いタオルの下。

 カタツムリみたいにそぉっと首を伸ばして
 見やったサイドテーブルの上には何もなくて、
 僕の不甲斐ない吐瀉物を黙って受け止めてくれた
 タオルも、部屋には見当たらなくて。

 現実と夢との境目がぼんやり霞む。

 それでも首元に触れれば、そこに革の感触は
 たしかにあって、両手を添えて、
 身体ごとぎゅっと丸めて抱きこんだ。]
 


   ……あ、えっと。
   はい、嬉しいです。
   ─── あの、先に、水、貰えますか。


[コーヒーを薦めてくれるサクライさんに
 ゆっくり顔を上げた。

 それにしても身体中痛い。
 頭もぐらぐらして、胃がコーヒーを
 受け付けてくれるかはわからなかったけど、
 二人で飲むコーヒーにすごく惹かれて。

 行為が終わったあと、こんな風に過ごすのは
 もちろん初めてで、どうしていいのかわからないまま。

 おまけに色々な箇所から訴えられる痛みには
 まぁ慣れているはずなのに、
 なんだか今日の痛みは甘く、焦ったく
 身体にしがみついてくる気がする。]
 


[サイドテーブルまでサクライさんが水を
 持って来てくれたなら、手を伸ばして
 受け取ろうとするだろう。

 けれども手に力が入らなくてうまく持てなくて、
 困ったように眉を下げてサクライさんを見上げたら
 困らせてしまうだろうか。

 早く入れて、とか、奥に出して、とか、
 さっき散々恥ずかしいことを言ったくせに僕の口は、

 飲ませてください、とは言えなくて。
 ]*
 

普段通りので良いよ。
それに着けて見せても良いものを選んでしょう?


[特別にエッチな下着でなくとも構わないのだ。
朔月が選び持ってきた中から自分が選び、それを着てもらう。
その過程が大切なのであって下着の良し悪しと言うものは朔月が選んでくれているかによる]


大胆なものならそれも一緒に選びたいな。
季節的には後は水着とかも見てみたいけれど――。


[手の中で柔らかな膨らみの形を楽しみながら笑っている朔月の反対側の耳朶へと口づける。

それは、それは――の続きを示すものだった。
緩やかに身体を求めてゆく。
穏やかに快楽を芽生えさせてゆく]


ふふ、今は、朔月をいっぱい甘やかすことに専念しようかな。


[朔月もそちらの方が良いだろう。
目が覚めても昼になっても、そして約束の時間が過ぎ去っても。
自分は変わらず朔月を可愛がり甘やかし続けたいというのだから夢はどこまでも夢となるのだけれど*]



  仰せの通りに、殿下。


[水をご所望なら、なんなりと。
 深々頭を下げて見せたけど
 さっきまでとは形勢逆転した様に
 自分でもちょっと笑えてしまって、
 カッコいい執事にはなれなかった。

 ベッドサイドに腰をかけて
 真新しいペットボトルのキャップを捻る。
 それを手渡した……はずなのに、
 史郎の手から、ボトルが転げてしまう。]


  あっ……ご、め……


[咄嗟に謝ってしまったけれど
 何かに向けた謝罪というより、
 眩しいから目を細めてしまった、みたいな
 反射的なものだった。]

[最中ならば躊躇わずに
 口移しにしたかもしれない。
 一夜の相手と割り切っているなら、特に。
 そういうプレイなのだ、と
 胸を張って言えるのだから。

 けれど一方的に(?)むず痒い気持ちを抱いている
 俺としては、そんな不埒な真似をする勇気もなく。]


  ……手、俺が支えてるから。


[と、史郎の首の後ろとボトルの底とに手を添えて
 ゆっくり、水を彼の中へと注ぐだろう。

 晒された喉には、しっかりと
 皮の首輪が残っていて
 
寝にくいし、飲みにくいだろうに……

 それに目を向けて、俺はぼそりと呟いた。]


  その首輪、何となく取れなくって。


[可愛がった犬を捨ててしまう時みたいで、
 なんて失礼なところは伏せたまま
 俺は眉を下げて笑って見せた。]



  ……あの、勝手にキスとかして、
  すんませんした……なんか、つい、
  昔の事とか、思い出しちゃって。


[謝るついでに過去の話をしたがる、なんて
 年寄り臭いな……と自分で苦笑しながらも
 水で喉を湿して、俺は少し胸中を吐き出すんだ。]


  なんていうのかな……
  俺の家は多少古い考えの家で、
  今日日になっても跡取りがどうとか
  血縁がどうとかって話をしたがるんで……

  自由になりたくて、そんな家を捨てて
  一緒に来てくれる友達と一緒に
  気侭に暮らせる道を選んだんですけど、
  そいつが……居なくなってからというもの
  何をしてても寂しくなって……

  それで、探しちゃうんです。
  一緒に雁字搦めにされて、堕ちてくれる人。


[だから、ただのプレイの一環よりは
 重い意味を孕んでいたのを詫びなくては。
 こんなの、勝手に押し付けていいものじゃない。]

[下げ眉で、何となく頬笑みを浮かべたまま
 もう一度、ペットボトルに口をつける。
 乾いた身体に、じんわり水が染みていく。
 次の言葉を出すのには勇気がいるから
 染みていくのをじっと待つ。

 布団の端をにぎにぎしながら
 俺はあれこれ言葉を探して、口を開いた。]


  ……まだ一晩、肌を重ねただけで
  運命の人ぶるつもりはない、けど……

  でも、もしもう一度、俺の運命を変える人に
  出逢えたかもしれない……とかって、
  考えて、まして……えっ…と……


[ええい何が言いたいんだ俺は。
 ちんこが勃ってないと物が言えんのか俺は。
 ぴしゃり、とひとつ自分を頬を軽く叩くと
 勇気をだして、史郎の目を見つめよう。]

[奉仕されている、大事に大切にされ
愛されているという実感が身体を火照らせる。彼は唯一無二の騎士様だ。何処までも甘やかされて溶けそうな程の熱を宿らせ、鳴いた。欲しがりは互いに同じ。

獣のように交わってよがって

破けた、ゴムを理由に更なる深みへ誘いかける。
けど彼だってそうしたかったはずだ。生の方がいいという言葉がその証拠。言葉に薄く笑い、生の屹立の形、大きさ、固さを味わい。身をよじり、歓喜で迎えひときわ大きくのぞけった]

やっん、はぁっ、ん
ん、生、…すきっ、すきや

…寿が、おる、


[お腹の中におる。と啼く声は白濁を纏い入る熱を悦び。
奥にと進む形にそって壁が蠢くのを感じれば、薄皮に隔てられていた熱の量に喘ぎ。みっしりと食い飲み、身を悶えさせては縄に絞められ更に感度を増していった。もっともっと、自分に落ちてほしい。のめり込んで、夢中になってや。

媚肉が願いを込めるごとく、締めては喘ぎ
癖を宿す。彼じゃないといや、

彼がええ。

気持ちエエの、もっと、]

[寿ぃと鳴き声を漏らす頃には
肉体はよがり、彼の縄の痕を体に宿しては、路を作る。そうして彼のものであることを刻まれるのがこれ程気持ちいいと知ってはのめり込み。彼をのめり込ませるはずが、ミイラ取りのように陥りて

激しい突きに曝されて喘いでいたが

不意に抱き締められ]


ふ、え?
…ぁ、


[大好きなキスに蕩ければ
縛っていた腕をほどかれ、突如、自由を与えられて惑う瞳をさらけ出した。が、自由になった手がしたいことは一つ。赤くなった其れを案じる声に柔く笑い、落ちるキスにくすぐったさを覚えつつも

息を整えて]

[すきやと。笑みを浮かべ
彼がほどく、縄に隠されていた肌をさらけだそう。自由になった手で彼の頭をなで、誇らしげな顔を見せるのは彼の執着の証を宿す故。ふふふ、と蠱惑の笑みを深めようとして、自らの胸を囲うような紐痕をなぞった瞬間、]


っ、ぁ!!!


[突如大きいなった熱にのぞけり
彼にとしがみついた。彼の興奮を伝えるそれはまだ大きくなるのかと思うほどの質量を誇り、中を変えていく。喘ぎ声をもらし、息をこぼし、快楽の涙を溢しても。俺だけという言葉に

手を伸ばし、しがみついていた手を
頭部へと添えて

やさしゅう一度なで]

当たり前やろ?
…自分が痕つけるんも、


[俺だけや。と髪の下、後ろ首に爪をたて
抱き締めよう。囲いのなか、逃がさへんで。彼に囲われ、囲い返し唇はキスを悦び受け入れる。自由になった熱源は天をむき、彼の腹部にとあたるだろうか。彼の上に乗った腰を自ら揺らし

なぁ、と合間の誘い声は甘く]


おちんぽ、食ってええ?


[もっと気持ちいいのがほしいんよ。
もっと彼を感じたいんよ。そんな思いを込めて彼のものを意識して締め付けながらゆっくりと腰を少しあげよか。ぐちゅっ、と鳴るのは彼の熱が纏う白を壁が擦り、塗りたくる音で。

快感に笑う声ととも、こちらから
キスをして、彼の上で

はしたなく]



踊りましょや、騎士様


[姫は嗤う*]

[特別なものはないけれど、自分から見て似合っているものを選んできたつもり。
それでいいと言われれば、少しだけ安堵した]

それは勿論。
好みかはわかりませんけど…。

[大胆なものも一緒に選びたい、水着も見てみたい。
そう言われて、なんて返せばいいのかわからない。
自分にとって夢であるこの一時が、日常に浸透するかもれないなんて思わなくて。

身体を緩やかに求められ、快楽を穏やかに芽生えさせられて。
今は考えなくてもいいのかなって。
思考を手放してしまう]

ふぁ…あっ…きもち…。

[彼から与えられる快楽に身を委ねて、小さく嬌声を零しながらもこの行為を満喫するのだった*]

[抱きしめるのも、抱きしめられるのも好きだ。
緊縛が好きな自分の性癖の基礎は、抱きしめられることへの渇望なのかもしれない。

抱きしめたくても抱きしめられなかった、あの騎士とお姫様ごっこのあの初恋の子。
離れる時に迷って迷って我慢して、結局抱きしめられなかったあの後悔がきっかけなのかもしれなかったのだけれど。
あの時の胸がツキンと痛むような感触は、彼にこう抱きしめられると、癒されていく気がする]

 エッチな踊りですね。
 ………踊り子さんに触ったらダメですか?



[気持ちよくさせてあげるから、触りたい。
そう、自分の上で淫らな舞を披露するお姫様に言いながら、彼の尻たぶを揉んで。
口寂しいから、そのまま彼の胸に唇はちゅぱちゅぱ吸い付こう。
なるべく左右均等になるように、そう彼の体を美しいまま育てるのだ。

要は脚を大きく開いて、ずっぽりと肉杭を蕾に串刺しにされて受け入れている。
随分と慣れたようで、体重で強引に受け入れさせているだけではないことは、蕩けるような彼の表情でわかる。
見える彼の屹立の先端は反り返りすぎて彼の腹にぶつかりそうだ。
挿れた瞬間は縮こまってしまうその箇所は、男を受け入れることに慣れて、もっと欲しいと飢えをアピールする時は雄々しくなっていて。
それはやはり、受け入れさせられていても、彼が雄である証拠だろう] 

 せっかく、ドライの練習したのだから、このまま俺のメスになります?


[ぺろりと彼の胸の粒に悪戯しながら、そんなことを言って。
そしてそのまま。まだ残る赤い縄の痕を舌先でなぞっていく。
彼の尻から手を離し、二人の腹の間で遊んでいる彼の屹立に両手を添えた。
たぷ、たぷ、と揺れて動く袋部分を優しく揉んで。
裏筋を親指で擦りあげながら、そのまま割れ目からカリ部分から、とゆるゆる優しく擦っていく。染み出た銀色の液をそこに塗り伸ばすようにしながら。

メスイキさせるのもいいけれど、でもちゃんと出してあげなかったら逆流するとかも言うし。
それは彼の体に負担がかかっておまる。
ちゃんとご主人様のこういうところの管理をしてあげるのも騎士の仕事だろう。
きゅう、と物欲しげに蠢く淫らな花に、心配しないでとばかりに腰を回してかきまぜて宥めた]

 ほら、その程度でいいんですか?
 小食ですね。
 もっといっぱい、おちんぽ食べていいんですよ?


[そう彼の下で彼を煽る。自分は腰を振る彼を見るだけだからすごい楽だ。
でも、どうしても悶々としてしまう。
ああ、自分も動きたい、貪り食いたい。思うさまに突き入れて、啼かせたい。
そう自分の上で踊る彼から目を離せずにいつつも我慢して。
今の自分は待てを命じられた犬と同じ。
それを紛らわせるためにも、手の中の彼の屹立をお守りのように優しく握りしめて。
にゅるにゅるくちゅくちゅと、その音が彼を追い立てる風になるように、と思いながら。
我慢しきれなくなって動いてしまう腰をなだめていた*]

好みかどうかは見てみないとね。
でも朔月に似合うやつが好みと言えば好みだから、
どれもこれも好みになってしまうかもしれないかな。


[逃さない。
そう言外に伝えるかのように腕は朔月の身体を抱き寄せ身体を密着させている。

心地好さに溺れ始めた様であれば耳朶を唇で食みながら繋がる二人の熱を擦り合わせてゆく。
湯に波紋が広がり、それはやがて大きくうねり始めてゆく]


可愛いよ、朔月……好きだよ。


[思考を押し流しながらも好きと謳う。
波立つ湯舟の中から立ち上がることを促して壁に手をつけるよう促してお尻を突き出させた格好をさせよう。
後ろからじっくりと熱棒による愛撫を始めれば思考を押し流す快楽は増してゆく]


可愛い声もっと聴かせて。
朔月の背中も可愛がってあげるから。


[先は触っていなかった背筋が目の前にある。
その背へと口づけはじめ、背中を隈なく愛してゆく**]

う…直継さんずるい…。

[私に似合うものが好みなんて、そんなのずるくないですか?
初めて会った時から思ってたけど絶対モテるし、ずるいよなぁって思ってしまう。
照れたように両の手を頬に当てて。
まるで逃がさないと言うように身体を抱き寄せられ、密着している。

思考を手放して心地良さに溺れ始めれば、唇で耳朶を食まれ、繋がる互いの熱を擦り合わせゆく]

はふっ…直継さん……。

[快楽に微睡みながら、好きと謳われきゅんと中の熱を優しく締め付ける。
湯舟から立ち上がるよう促され、壁に手を付けた。
お尻を突き出すような格好は少し恥ずかしいけれど、きっと可愛がってくれるから。
じっくりと彼の熱で愛撫され、背中を愛されれば唇から甘い嬌声を紡いでいっただろう*]


[こちらに向かって、どこかにお仕えの
 執事のような台詞を言いながら、
 深々と頭を下げるサクライさんに思わず吹き出した。
 サクライさんが小さく笑った声も重なった。

 わざわざきちんとキャップを捻って
 開けやすくしてくれたことに胸がほわ、と弾んで。
 けれど受け取ったはずのペットボトルが
 手を滑り落ちて離れ、ころりと転がってしまうから、]


   あっ、ごめん、なさい……


[慌てて謝った声も重なる。
 髪に触れ、ひとつ掻きながら
 気まずさを抱えてまた笑った。]
 


[サクライさんの思いなど知るはずもない
 いつのまにか図々しく育った飼い犬は、
 口移しが欲しかったなぁなんて思うのだけれど。

 噯気にも出さず、手と首を支えてくれた
 サクライさんにゆっくり
 凭れてみるだけにとどめた。

 注がれた水を飲み込む時
 ごくりと喉が動いて首輪との距離が一瞬、詰まる。

 その感覚はやっぱりどうしたって好きで。

 だって、サクライさんがつけてくれたものだから。
 だから、『なんとなく取れなくて』と
 サクライさんの口が動いた時、
 僕は咄嗟にまた首元に両手を添わせた。

 ───大事な宝物を取られないようにする
 子供みたいな動きで。]
 


[切れた唇がしみて、荒れた喉がしみて、
 空の胃がしみる。
 見えないはずの内臓の形を示すように
 小さな痛みを伴って下っていく冷たい水。
 それさえサクライさんとの時間を
 ひりひりと思い出させてくれるようで。

 そんな感傷に浸りかけたら
 さっきまでとはまるで別人のような声と表情で
 サクライさんが謝ったりするから驚いて、慌てて。]


   やめてください、謝らないで。


[覗き込むように瞳を見つめて、そう言った。]
 


[黙って聞いていた。
 ぽつりぽつりと紡がれる彼自身の話、
 家の事情、
 
 ───そして、大切な人のこと。

 その人は今どうしているのですかなんて、
 聞かなくてもなんとなくわかる気がした。
 時折サクライさんの瞳に見え隠れしていた、
 どこか寂しげな光の理由。
 優しい手つき。]


   一緒に、堕ちてくれる、人。


[サクライさんの言葉を、独り言みたいに繰り返す。
 布団の端を所在無さげに
 握ったり離したりを繰り返すその手に、
 届くなら僕は自分の手を重ねるために伸ばした。]
 


[言葉を探しながら、もごもごと一生懸命
 紡いでくれる声を、
 一言も聞き漏らさないように、
 全身に力を込めてサクライさんに近づいた。
 心臓がうるさい。]


   ─── あの、サクライさん、え、それって


[僕はすっかりご主人様の様相が消えた彼の
 真正面に向かい合う。

 消え入りそうな声で、
 再び誘ってくれたコーヒーは、

 それは、              ]
 


[そのあとの言葉を咀嚼して飲み込んで。
 僕はつい数時間前と同じように、
 サクライさんに飛びついた。

 どさくさに紛れて唇も合わせたから、
 その時よりずっとサクライさんが近かった。

 ただ、幸せな気持ちで。 ]
 


   サクライさんとするセックス、
   なにもかも初めてで。
   セックスって、こんなだっけ、って
   ずっとどこも縛られてないのに、苦しくて。

   ……ええと、違うな、その、すき、だな、って
   ……あの、愛しくなっちゃって。

   僕、ちゃんとサクライさんに
   応えられてましたか?
   それだけが、心配。


[触れるだけの口付けをすぐ離して、
 僕もぽつぽつと思いを吐き出す。]
 


   もし、サクライさんの寂しさを、
   僕で埋められるなら、全部、あげます。
   僕はもう、とっくに


[言葉を切って、ちらりと視線を落とした。
 彼の相棒と目が合う。
 スマイリーは、全部見透かすみたいに
 変わらず笑っていた。]
 


[いひ、とまた肩をすくめて
 スマイリーの笑顔をなぞった。

 ちょっとだけ、鼻の奥が熱くてつぅんとした。]
 


[こっそり鼻をすず、って啜って。
 そして、じゃあ、この後どうしましょうか、と
 悪戯っぽい顔で問いかける。
 とりあえず16時まではここにいられるし、
 時間はまだありそうだけど、と時計も見た。

 僕はなんだか落ち着かなくて、そわそわして。

 とりあえずサクライさんに触れたくなって、
 同時に触れられたくなってしまって


 犬じゃない。
 猿だ。  
  ]


   シャワー……浴びないと、やばい、かも。
   そういえばお風呂、すごく贅沢でしたよね。


[なんて言いながら動けずにいる。
 家に誘ってくれたことに浮き足立っていて、
 だからコーヒーはここで飲みたくない、と思って。

 フェラしてもいいかな、だめかな?なんて
 馬鹿なことを考えていたら

 ───多分声に出てしまった気がするけど。]*
 




[ とじこめて、無かったことにした。
  名前を呼べなかったのは───
  呼んだらきっと、後で後悔するから。

  シュウ、と呼ばない彼の声。
  当たり前だ。俺が願った。

  この場所ではWヒイラギWでいさせてくれと。

  安心した。不可侵領域を踏み越えてしまった
  この関係でも、その線だけはきっちりと
  俺と彼とを分断してくれているから。]




[ 一緒に、と誘いの言葉がかけられる。
  甘さの残る笑みが浮かんだその顔に、
  唇を結んで、一つ頷いた。

  ぐっと押し込まれた熱が、中で弾けた
  瞬間、目の前が明滅して、体が痙攣して
  こんな快感はしらない、と。
  きっと二度と、味わえない、と思った。]



    っ ぁ゛…ッ!!は ぅ、っ



[ 力がぬけて、がくん、と頽れる。
  彼のしっとりと汗ばんだ胸に額をつけて、
  肩で息を繰り返していると、
  頭がぼんやりしてくるのが感じられた。]


 



[ 意識が、うまく保てなくて、
  落ちてきそうになる瞼を上げ、
  重い体を無理やり起こして、腰を上げれば
  ぬぷ、と粘着質な音がして、中を
  圧迫していた茎が抜けた。]



    っは、 きもち、 よかった……っ



[ からからの喉に唾液を通して、
  ベッドに手をつき、起き上がる。]



    ちょ、っと、休憩、

   寝ちゃいそう、だから、
   風呂、行って水かぶってきます、



[ すみません、と笑って、
  ベッドから足をおろした。]

 



[ 立ち上がると、中からつつ、と
  垂れて落ちてくる白濁が内腿をなぞるから
  びく、と体が震えてしまった。
  砕けそうになる腰をなんとか立たせて、
  ゆっくり浴室の方へと向かおうか。]



   出たら、ルームサービス、食いません?

   腹減ったし、



[ そう振り返って、笑って。]*

 

[返事の代わりに、ずん、と腰に来る会心の一撃!
 大型犬よろしく突進してくる史郎に押されて
 俺はまたベッドの上にすってんころりん。

 舌の代わりに、ちょん、と
 可愛らしいキスを落として
 俺のシロくんは、思いの雨粒を降らせてくる。
 ぽつぽつ、だけどしっかり俺の心へ染み渡るよう。]


  しーろくん。


[応えられていないわけない。
 たくさんの初めてをもらって
 ……それ以上に、俺自身も
 今までにないくらい満たされた。

 それでも餓えている俺に
 全てを差し出すという史郎を見上げて、
 またくらり、と目が眩む。]

[前途有望な青年の未来を
 俺のエゴで汚してしまいやしないか。
 うだうだと考えてしまう気持ちは、
 それを凌駕する嬉しさに押し流されていく。]


  じゃあ、君はこれからも俺のシロくんで
  …………俺は君の慈瑛、かな。


[史郎の掌を取って、慈瑛、の字を教える。

 呼び慣れたサクライ、でも
 何でも好きなように呼んで欲しい、と
 俺のシロくんに笑ってみせた。

 一夜限りの相手とは決してしない
 「これから」の話。]

[だが、当座俺達が見据えなければいけないのは
 目の前の「これから」だった。]


  朝食を摂るには、早すぎるしね。


[それならもう一戦申し込みたいところだけれど
 無理をさせたくはないし……なんて
 あれこれ考えていたら、
 シロくんの口から欲が漏れ出て……
 俺は思わず噴き出した。]


  別に……いいけど……
  好きだね?


[口でするのが好きなのか、
 それとも声を出す俺の姿がそんなに楽しいか。

 俺はひとつ、シロくんの口にキスを落として
 再びベッドの上に身を横たえた。]



  ……どーぞ。


[また脚を、シロくんに向けて開いて、誘う。]*

[ 名前など、自分を示すだけのただの記号だ

 そんなことを言った人がいる
 確かにと、同意できる部分もあるのだが
 それでも、名前には、意味があるものだ

 名前一つで、人を
ることもできる
 名前一つで、線を
くこともできる

 だからこそ、非日常と、日常を区切るために、
 私は―― ミヤビと名乗っていた

 ヒイラギで、―― 室井で、
 ミヤビで、 ―― 世永で、

 同じ人間で、本質は何も変わりはしないけれど
 それでも、気持ちを切り替えるには―― 必要なこと]

[
 
それは、分かっている
それでも、今この時だけでも、繋ぎ止めておきたい
そんな傲慢で、自分勝手な欲望を口にしない分
 

 腰を打ち付けて、突き上げて、
 想いも、すべて吐き出すように、彼の中へと解き放った

 同時に、腹や胸元に、ぴちゃりと跳ねたものを感じて
 彼も達したのだと、感じれば、浮かべた笑みを深くして

 倒れ込んでくる彼の身体を抱き止めた
 濡れてしっとりと張り付く感触を感じながら、
 はぁ、はぁ、と熱い吐息を満足げに漏らしていた

―― その温度に、安心する
]

  
 
  ぅ、……ん、ええ、私も……良かった、ですよ


[ 熱い身体が離れていくと、少し寒さを感じて
 僅かに引き留めようと身じろぐが、止めることはせず

 彼が腰を浮かせれば、卑猥な音を立てながら
 先ほどまで、痛いほど硬くなっていたものは、
 ずるりと、簡単に抜け落ちる

 抜き出す時の、微かな快感に、眉を寄せながら
 喘ぎそうになる声を飲み込んで、平静を装って
 良かったと、笑った]

[ 彼が風呂に行くという声を聞きながら
 何処かまだ、ぼーっとした様子で、
 腹に散った白を掬い取って、ぺろりと舐めれば
 
 ―― まぁ、旨くはないな


 などと、思いつつ、自分もまた、身体を起こした]


  その、加減ができなかったので……
  後始末は、私がやりますよ


[ 歩くのも辛そうな様子を見て取れば、
 身体を支えるように手を伸ばして、そう申し出る
 彼が手伝いがいらないと、言うのなら無理強いはしないが

 それから、―― ]

 
  ルームサービス、良いですね
  頼みましょう、私も少し小腹が空きましたし

  あぁ、風呂に行く前に、脱水の心配もありますから
  少し待っててください


[ ぽんと、頭を撫でれば、ベッドの縁に座るように促した
 大人しく座ってくれるなら、
 バスルームからタオルを持って来れば、
 
 適当に腰に巻いて、冷蔵庫から
 ミネラルウオーターを取り出して戻ってくる]

 

  具合が悪くなると、困りますから……

 


 
  休憩した
も、―― あるのでしょう?


[ なんて、ペットボトルを差し出しながら、
 少し意地悪そうな笑みを浮かべた*]

そうだよ、ずるいんだ。
ずるいから朔月を可愛くしてしまうのかもね。


[腰は緩やかに動かし熱棒は嬉しそうに締め付けてくる媚肉を掻きわける。
下から上へと押し上げ手をついている壁へと追いやる動きだが脚の位置が動く程には圧は強くはない。

甘く広がる嬌声を啜るように背筋の至る処へとキスを落し、背骨の上のラインは念入りに吸い付いてゆく。
背中の下の方から項にかけてじっくりと吸いついてからまた耳元へと唇を寄せた]


背筋も綺麗で可愛いよ。
特に、ここ――。


[腰からお尻の膨らみにかけてのラインへと指を這わせ尻肉に手をかける。
尻肉を掴みながら揉みゆき柔らかな、それでいて弾力のある感触を味わってゆく]


ここがとてもいいよ。
ああ、でも――朔月はこちらのほうが好きかな?


[尻肉を堪能していた手を肌の上を滑らせてゆき恥丘を撫でる。
そのまま股座へと手を伸ばしていけば秘芽に指触れゆるりと捏ねてゆこう。

反対の手では乳房を下から支えるようにして揉み始め、
密着の度合いは増えてゆく*]


   ( 慈瑛、さん。)



[掌になぞられる文字を見る。
 頭の中に書く。
 ゆっくり口の中で、噛んで含む。

 擽ったい感触が、指先が離れてもじんわり残って
 名前ごと包み込むように手を握った。

 

 これからも。



 一夜限りじゃない、未来を指す単語。
 目が眩むほど、眩しい。


 あなたの僕と、
 僕の、
       ]
 


[   あ、やばい、と思った。
 
 名前をそっと口に出したら、
 ぶわぁぁぁ、と感情が激流みたいに
 身体中の神経を翔けた。]
 


[セックスを知ったばかりの中高生のように
 そのことでいっぱいになった頭から、
 止めたはずの欲情がひとりでに溢れ落ちていて、
 慈瑛さんが吹き出した。]


   うん。すき。


[うっとりと答えながらも、呆れられたら困ったな、
 なんて今更ちょっと後悔もする。

 だけど進上された身体を前にすれば
 そんなことどうでもよくなって
 さっと移動して開かれた足の間に陣取った。]
 


[覆い被さるように口に含んだ。

 上目で慈瑛さんを窺い見ながら
 好いところを探してする口淫は、
 穏やかなくせにどんどんと僕を昂らせる。

 慈瑛さん、疲れてないかな。
 そう思う気持ちもたしかにあるから、
 止められるまでは夢中で奉仕を続けようか。
 自分に浮かぶのは恍惚の表情。]
 


[好きな人のを愛でるだけで自分も好いなんて、
 僕はまたひとつ初めてを知る。]


   慈瑛さん。
   あなたのやりたいやり方で、
   あなたの心を埋めてください。
   僕も、一晩くらいで慈瑛さんの大切な人の
   代わりが務まるなんて思い上がりの気持ち、
   持ってないから。

   あなたが嫌になるまで、そばに居ていいですか。


[口を開く。
 気怠げな、幸せの中で。]


   ─── 僕、依存心強すぎですねぇ。


[一世一代の告白は、裸に首輪で、性器の近くで。
 幸せなのに照れてしまって、やっぱりどこか
 うまくいかなかった気はした。]*
 

[抱きしめるぬくもりが暖かい。
抱き着くのも好きだが抱きしめてくれるのも堪らない。互いに身体をくっつけることで囲いを作り、閉じ込めて。抱きしめて抱きしめられるのを好むのはきっとはっきりしないのを苦手とする理由と同じだ。

あの頃の思い出を胸に今も抱いている。

――浮気やろか、いや
そんなものではないか。幼い頃の恋心などは]



 …っふ やぁん
 踊り子やないで?僕は、お姫様やもんっ


[なぁ、と触りたがる彼に笑い
その額へとキスを落とそう。淫らな舞で誘いかけ、尻たぶを揉む彼に喘ぎ声を返そう。唇が胸にと吸い付けば、のぞけり。中で肉棒を締め付ける。

均等に愛してくれるのが、彼らしい優しさ
美しいまま、熟れていく身は抱かれる事を歓喜していやらしさ、淫らを覚えていく。きっともう誰もだけやしない。そもそも、彼という相手を手に入れた以上、抱く事はないのだが。

だって、その方がらしい]


 …っあああ!!!


[男を、いや
彼を受け入れる事こそが自分らしいのだと
雄を飲みこんで尚、勃起する熱棒が、悦ぶ肉花がいう。抱かれたい、もっと抱いてや。と甘い声を発するように、男の身でありながら、彼に押し倒され、組み敷かれ、喘ぐのを好んでしまった。

それぐらい、彼が魅力的なのだ。
だからこそ自分の雌に。

という言葉には嗤い]




 …はっ ん
 
      ――俺の雄になるんやったらな。


[考えてもええ。なんて返し。
ああ、もう俺の雄やな。とその癖の強い髪を乱すように撫でた。赤い紐の痕をなぞる舌先にもあえやかな声を返し、感じ入る足を震わせ、もっとと押し込んでしまう。慣れない上下での挿入を自ら行えば、何度か彼の肩から手がすべり落ちてしまいながらも確実に快感を得て。

揺れて動く袋部分を揉む手に喘ぎ、

――雄を意識する。

彼と自らの性を。
だからこそ、雌イキをしてみたかったのだが]



 っ ぁ、っ ん
  やぁ …… んもっとほしぃ

  なあっ お姫さまの踊りは相手が必要やろ。
  

[手と手を取って舞踏会で。
此処には優雅な曲も翻るスカートもないが。代わりに喘ぎ踊るたびに動く赤い紐の痕がある。繋がった場所は手と手ではなく逸物と花だが、ベッドの上という舞台は広く。愛撫された熱源が銀色の液をワインのように零した。熟れた花は、欲しがりな口のよう。

眼と眼のやり取りは蠱惑の笑みを宇阿部


お守りのように握る屹立へと自らの手を伸ばし
――此処やないで。と取り、彼の手と自らの手を絡めて
腰に導こう。彼が動きやすいように。


腰を振って、愛しやすいよう。
リードするように

彼の肉棒をゆっくりと花から引き抜いては、先端と蕾をキスさせ
一気、下ろせば一層甲高い声をあげ

彼を誘うか*]

ひぇ……。

[自覚あるのか、尚更ずるいじゃないか。
でも、そんな彼が魅力的に見えるのも事実だ。
緩やかに熱が下から上へ押し上げ、ずるい彼に可愛がられて脚はそのままに壁へ身体を寄せる。
背筋の至る処へ口付けられ、背骨の上のラインに吸い付かれ、紅い華が咲いていった。
紅い華を咲かせ耳元へ唇を寄せられれば、背筋をピンと伸ばす。
その体勢は彼へお尻を突き出しているように見えるだろうか]

ひゃんっ…!
あ、おしりぃ…。

[指が腰からお尻にかけてのラインへ這い、尻肉の感触を味わうように揉まれてピクンと身体を揺らした]

んあ…、こっちもすきぃ…!

[尻肉を堪能していた彼の手が肌の上を滑り、恥丘を撫でた。
更に手が伸び、秘芽をゆるく捏ねられて。
きゅうきゅうと彼の熱を更に締め付けるのだ。

反対の手が胸の膨らみを下から支えるように揉み、密着して彼の肌の温かさがよくわかる*]

 そうでしたね。じゃあ、舞姫?
 俺はとっくに貴方の雄でしょう?


[お姫様と踊り要素を合体させてみたと、からかうように自分の上で体をくねらせる彼を見ながら微笑んで。
もっと欲しい、とむせび泣きながらも、嬌声を上げて喘ぎ、思う様に嬲られているのを彼は喜ぶ。

彼から頭を撫でられながらも、彼にわかっているでしょう?と己の立ち位置を伝えよう。
自分は彼の騎士であり雄であり。
快楽には弱い癖に抱かれることに不慣れな極上な体の彼を貪るのが自分だ。
ああ、じっくりと、ゆっくりとこの躰を味わいつくそう。

抱きしめる喜び、抱きしめれる悦び、支配される歓びを自分が教えるのだ]

 お手を、姫。
 エスコートしてあげなければ、ね。


[腰に手を回して、と導かれて、彼の意図を把握する。
彼が自力で体を引き上げては落とすという一人遊びを行っている。
その衝撃に耐えがたいとでも言うような、高い甘い声を上げるものだから、自分の方が耐えられなくなる]


 混ぜて?


[その遊びに自分も入れて、と子供が遊びに誘う時のように、彼のウエストに当てた両手をがしっと掴み、彼が自分で動かせないようにしてしまう。
その代わり、要の腰を引きあげておろして、を繰り返してやる。
たぶん、一人よがりにしても彼は感じない。体の向きや擦る場所など、些細なことでも感じ方は違うだろう。
色っぽい彼が息を噛み殺すようにして誘う抱き方ではなく、可愛い声でやぁやぁと啼くような抱き方がしたい。

リードされるよりする方が好きなんだ、と。
少しばかり生意気な後輩は、調子に乗って先輩に反抗する。

ベッドのスプリングを利用するように、自分の上で要を躍らせるのが楽しい。

ぎしっぎしっ、と高級ホテルのベッドは存分に揺らしても二人の体重を受け止めてくれる。
要の黒い髪が乱れ、汗が飛び散る様は絵のようで。
あまり美しいので彫像を抱いてるような錯覚を受けるけれど、この匂いも息遣いも熱も、全部が彼が生き物だと当たり前に教える。
少しずつ薄くなっていく縄の痕に、自分に刻んだものが消え失せるどこか怯えのような気持ちもあって、かといって心のままに動けば、彼の肌に歯型のような傷すら残してしまいそうで怖い。
そんな自分の気持ちを殺すかのように、彼の胸に顔をうずめるようにして、気持ちを静めた]

 ――俺の愛も忠誠も貴方に捧げますよ、お姫様



[自分の小さな声を、相手が聞き取れたかどうか。
確認する前に、腰を跳ねさせ彼を下から思い切り突き刺した。
跳ねさせすぎて外れないよう腰を腕で抱きしめるように気を付けながらも、でもその動きを止めない。
この体位だと自分の盛り上がった上腕の筋肉は彼が手を置くのにちょうどいい。
もっと鍛えて、彼が惚れなおすような体に仕上げようか、と彼がM字になるように脚を大きくはしたなく開かせるように仕組みながらも、奥の敏感な箇所をこね回す]

 自分のちんぽに触らないで、中だけでイって?


[それは彼にとっては悪魔のささやきだったのだろうか。
もう彼は、屹立に触れずにお尻だけでイけるはず。
中途半端に達してしまう、と泣いてしまうかもしれない。
ぐっと一瞬強く彼の太腿を握りしめて、あぁっと低い声が漏れる。
ぞくっ……体が呼応するかのように震え、そのまま彼の中に白いモノを解き放っていた*]

[背筋を伸ばしお尻を突き出してくる朔月に、耳元でくすりと笑いの声を届かせる]


そんなに欲しいの?
私もいっぱいあげたいけれど――。


[足りるだろうか。
暗に問いかけながらも腰を引く。
動作に伴い熱棒が引き抜かれてゆき、先端が蜜口から出そうな位置で一点して柔な尻肉へと腰を打ち付けた。
それは交わり始めてから初めての激しい動作。
それでも慣れてきた今なら苦痛は少ないだろうか]


私も好きだよ。朔月の身体、全部好きだ。
好きなところ全部に口吻けたら全身が赤くなってしまうね。


[肌と肌が打ち合う音がし始める。
大きく、緩やかなテンポでの挿入は奥まで届かせ代わりに胸の色づきや秘芽は擽るように優しく愛でてしまう]


朔月は私のこと、好き?


[快楽の頂きへと朔月を追いやりながら、耳元でそう囁きかけよう*]

[舞姫にはパートナーが必要だ。
其れも極上の。此方は不慣れ、快感に弱い躰を宿していてもまだ抱かれ慣れていない身はリードを欲しがっている。暗闇を先行する騎士を欲しがるように。じっくりと、そして確実に。主従関係のまま、支配され。

手を取り、二人踊りだす。
混ぜてという言葉に

頷き、そうして彼のリードに身を任せ]


 っああ !!!


[やぁ、と鳴く声は彼の耳に届くだろうか。
誘いをかけたときの余裕は消え、些細な快楽の種すら見逃さない彼に溺れていく。其れは自ら望んだ快感。身体の奥を侵す熱杭にのぞけり、望む世界に涙を流す。其れは生理的なものであるとともに。


歓喜でもあり。

身体を支えられず

手を伸ばし、しがみつき

――善がり、消えゆく赤を残滓とした。愛も忠誠もと紡ぐ声を快感の中に聞く。胸に顔をうずめる彼を見つめる目は熟れて濡れて、揺れ。
確かなものを取らず、だが伸ばした手で

縋る手でその頭を撫で。]



  ……もっとちょーだい


[愛や忠誠だけでは足りない
自分自身が欲しいんや。なあ、逞しい男に抱かれ、微笑む顔は悦に濡れてすぐに感じ入り、快感に飲まれていく。この身は彼に抱かれ、完成する。大きなベッドを鳴らす音の合間、喘ぐ声は大きく。

二人の性を違わせる。
同じ雄同士、されど、自分は雌にとなる。
彼が更に鍛えるのなら、その差異はもっと広がるだろう。こね回せれ、足を開かれ、受け止めて。



―――中、で という言葉に]



 っ ぁ !!!!


[うん。と頷くのはきっともう正気ではないから
快楽という波にのまれ、イクと答え]



  っ イク、イク …ナカ で

        ― いき …た っ♡


[ぁ。と鳴いて啼いて求めるのは
彼の精液。ぐっと握り締められた太腿分、快楽を導く棒を強く穿たれ、ひときわ大きくのぞければ、小さな死を体内は迎えた。きゅっとナカがしまる。奥から先端を飲むように。でもどこかもどかしい。

そんな快感を与える最中に、白が入り込み]


 ……あああ 、あつぃわ……

   
[あかんっと啼いて。その髪を抱き。
二度目、わずかながら意識を手放せばくたあと彼に倒れ込むだろう。寿とうわごとのように彼を呼ぶのは、満ちるからこそ*]


[ ひとりで、行くつもりだった。
  中に出していいといったのは己だし、
  それなら処理をするのも自分の仕事。
  だから、彼を置いて、一度風呂場へと、
  いこうとした。

  けれど。存外重くなってしまった体は、
  なかなかうまくうごかず、よろけるようにして。
  仕方がないから壁を伝っていこうと
  そちらによろよろ近づいていけば
  支える様に背中にそわされた手。

  はじめは驚いたように目を開くけれど、
  すぐに安心して、息を吐き。
  
  気遣いであると同時に、
  ひとりになるのは不安なのかもしれない、と
  頷いて「ありがとう」と告げた。

  すると、一度ベッドに引き戻され座るよう
  うながされる。頭にぽん、と乗せられた
  大きな手のひらに心臓が一つ、音を立てた。
  

  離れていく熱を今度はじっと見つめ。
  すこしあと、差し出された水に
  ぱちりぱちり、目を瞬かせた。]

 




     あ、りがとう……


[ 受け取ったペットボトル。
  確かに、声は少し枯れているし
  喉はからからだから、うれしい。

  意地悪な笑みに眉を上げて。
  それから、下げて。]



    絶倫じゃん


[ と笑った。ペットボトルの蓋を開き、
  一口含んで潤し、飲み込んで。
  またつけた口からこく、こくと喉に
  冷えた液体が通っていくのを感じた。
  1/3ほど飲み干せば、息を吐いて。]

 



[ ちょいちょい、と彼に手招きを一つ。
  その足が素直にこちらに向き、体を
  倒すように顔を寄せてくれるなら
  くい、と含んだ水。すこし体を伸ばし、
  そのまま口付けて、ふう、と吹き込んだ。
  うまく受け入れられなかった液体が
  つう、と口端からこぼれ落ちて、顎をつたい、
  首筋と、腿を濡らす。

  その喉がこくり、こくりと動けば、
  わざと、ちゅ、と小さく音を立てて離し
  至近距離で目を細めて。]

 



[ 浴室へと入れば、シャワーを使ってまずは
  中のものを掻き出すことからはじめる。]



    ───腹壊さないならなあ…

    なんか、もったいない。


[ と残念そうに眉尻を下げて。
  そっと指を中に沈ませていく。
  情事の跡を色濃く残し、
  広がり、柔らかくなっているそこから
  ぐち、ぐち、と白濁をこぼしていく。

  漸くそこが綺麗になる頃には、
  息は上がってしまっているかもしれないが。]

 




    ね、せっかくだから
   湯船にも浸かりましょうよ。



[ そんな誘い文句をまた、続けて。
  彼が共に入ってくれるなら、口付けをひとつ。]


    ルームサービス何食べます?

    俺ラーメン食べたいなーがっつり


[ と色気のない話を初め。]*

 

[ 外は、夜になっても地上の光で、仄明るく煌めいて
 部屋の中も、煌々と電気の光で、明るく暗くなどない

 だというのに、――

 一人になると、また悪夢が忍び寄ってくるのではないか
 そんな、不安が浮かんでしまう

 顔には出さないようにしているけれど、
 彼は、察した様子で頷き返してくれた

 ほっと、したように、微かに息を吐く]

[ 先程、滲んだ不安を振り払って、
 思い出したように動き出す

 ペットボトルを差し出しながら、
 悪戯心が働いて、意地悪そうな笑みを浮かべれば
 絶倫などと、称されて―― ]
 
 
  お相手の方が、魅力的ですから


[ 笑う声に、音を重ねた]

 
 
  …… ん?


[ ふいに、手招きをされて、
 不思議そうに首を傾げながら、覗きこむように顔を近づけた
 
 少し冷えた柔らかい感触が、唇に触れて
 温い水が流れ込んでくる

 口の端を、つぅと、こぼれ落ちていく水
 顎から、首筋を伝い、彼の腿を濡らしていく

 溢れないように、こくこくと、喉を上下させて
 ちゅ、と可愛らしい音を立てて、唇が離れていく

 薄く瞳を開けば、間近で視線が交わって]

[ 浴室で、もったいない、と残念そうな声が響く
 可愛らしいことをいうなと、小さく笑い声をあげて]

 
  あなたが望むなら、
  また、……出してあげますよ


[ くすくすと、冗談半分に
 

 それが、この後のことなのか    
 非日常が終わった先のことなのか  
 曖昧に濁しながら――――     


 今はただ、楽しそう笑い声を響かせた]

[ 2度、中に吐き出してしまったせいか
 彼の中から掻きだされるものは、それなりに量がある

 彼が自ら、指で掻きだしている光景は
 思っていたよりも――
クるのがあるな、と


 平静を装った顔で見つめながら、
 身体がバランスを崩して倒れないように支えていた

 たまに手を伸ばして、
       ・・・・
 掻き出すのを手伝ってしまったかもしれないが
 目の前で広がる扇情的な光景にあてられてしまったのだと、
 許して欲しいと思うのは、我が儘だろうか
]

[ 漸く、魅惑的な行為が終われば、
 ついでに身体や髪も洗って、そのまま出ようかと思っていれば]
 
 
  そうですね、せっかく滅多に泊まれない部屋ですし
  ゆっくり浸かりましょうか


[ 挨拶のように、軽い口付けを交わして
 ざぶり、と多くの湯を溢れだしながら
 男二人が浸かっても、広々とした湯船に身体を沈めた]
 
 
  この時間のラーメンは……悪魔的ですね
  ですが、悪くない選択です

  あなたは、何味のキスがいいですか?


[ 気分が高揚しているせいだろうか
 そんな、冗談を交えて、ラーメンの味を聞いたりして]

  
 
  まぁ、私は、がっつりと食べられないので
  チャーハンとかにしておきましょうか


[ くすりと、笑いながら
 それは、さておきと、お腹の好き具合を考えて、
 自分は、何にしようかと思考を巡らせた*]

 要さん、かーわいいなぁ……。
 

[自分の腕の中でくたっと倒れ込んでしまった彼がものすごく可愛い。
それこそ自分の大事なお姫様を守らなきゃというような庇護欲にそそられる。
昔のお姫様と騎士は純愛で、こんな風な欲の対象にすることはあり得なかったそうだけれど。
先輩であり、恋であり、全ての情熱を注げる対象の方が、尊くはなくても生きてる感覚を持たせてくれると思う。
もっとも、自分なんて出会いたい人に出会えたと、彼を抱くことで気づけたのだから。
イってしまって、とろんとどこか眠そうな彼の額にキスをする。
それでも自分の名前を呼んでくれるのが、彼の中に自分が満ちていることを察して嬉しくて]


 ちゃんとナカだけイけましたね………薫
 ご褒美あげなきゃ。


[少しだけ砕けた言葉遣いをするのは意図的に。
年上の恋人を甘やかしたいという気持ちの表れ。
そしてさりげなく呼ぶ彼の名前に、一人だけドキドキしている。

耳元で囁いて、彼をそのままゆっくりとシーツの上に倒す。
そして、そのまま彼の許可を取らずに押し倒すようにのりあげた。
やはり、正常位が好きだ。
ぺろ、と自分の唇を舐めて、いまだ繋がった箇所をぐりぐりと押し付ける]

 これを下剋上という?
 それとも、自分の騎士にご褒美にする?



[お姫様を蹂躙する行為をどう名づけようか。
何度でも自分は彼に恋をする。
自分に組み伏せられて、体に力が入らない瞬間を狙って襲われて。なすすべもなく啼いているような姿に、凝りもせず欲情してしまって。
彼がもう許して、と言っても許さずその姿にすら煽られるような男だ。
そんな男を騎士に選んでしまった彼の見る目のなさを憐れみつつ、姫に刃を向ける騎士は、彼の中を容赦なく熱で焼いていく]

 もう、ぐっちゃぐちゃですね。
 薫のケツマンコ、いい具合になってます。


[腰から尻を両手で掴み、相手のことを考えずに自分だけの欲望を押し付けるセックス。乱暴だと彼に後でなじられるかもしれないけれど。でも]


 好きなんだ……貴方が……


[その言葉で許されるとは思っていないけれど、いつだって崩せなかった“貌”が、彼の前では崩せる気がして。そんな自分も彼は許してくれる気がして。
だから思うまま我儘に、彼を抱いた。
スピードより強さを。一回ずつ重く彼の中を抉るように犯して。
息もたえだえといったような彼を嬉しそうに見て、薫、と囁くと]



 ぁっ!!!!



[彼の中に劣情を放ち、そのまま崩れ落ちる。
その白い肌に浮き上がる赤い痣。それを見て、幸せそうに微笑んだ*]

【人】 大学生 寿 達也

 ― ダイニングエリア ―


 ………すっかり忘れてましたね。


[まさかこんな連戦にしてしまうなんて思いもよらず、ルームサービスを頼んでいてしまったのだが。
これから風呂に入るので、チャイムを鳴らさず勝手に入って、ダイニングエリアの方に準備をしておいてほしいと伝言をしていたがどうだったろうかと思ったが、そのようにしていてくれた。
しかし、もう冷めきった食事に自分の野獣具合を見て取って、頭を抱えてしまう。

すみません、食欲を満たす前に、性欲を満たしてました]



 要さん、まずは体を洗い流しましょうね。



[要は全身精液まみれだ。自分は洗い流すだけとしても、彼はゆっくりしたいかもしれない*]
(37) 2021/03/28(Sun) 10:15:16
ほしいのぉ……。
え…ひあぁぁんっ…!

[耳元でくすり、笑い声が届いた。
欲しいかと言われれば当然、欲しい。
彼から与えられるものなら、きっと満足できる。

熱が蜜口から出そうな程引き抜かれ、え?と困惑したのも一瞬。
すぐに尻肉へと腰が打ち付けられ、嬌声を響かせた。
行為中初めての激しい動きに快楽は押し寄せ、苦痛もほとんどなく。
きゅうきゅうと中を締め付けながら、瞳が快楽で蕩けていった]

んぅぅ…うれし…!

[肌と肌が打ち合う音が耳に届く。
奥まで届く大きく緩やかなテンポでの挿入に、胸の頂や秘芽は優しく愛でられ、快楽が積み重なっていった]

あっあっ…すき、すきぃ…。

[思考はとっくに手放してしまっていたから、囁かれれば素直に好きだと言葉を紡いだ。
理性があれば、それがどんな好きなのかと考えていただろうし、言い淀んでいたかもしれない*]

[可愛いという言葉に
ひくっと目蓋を動かした。可愛いよりも美人だと色っぽさを言われたい。のだが、彼の言葉になら可愛いという言葉もいいものだと思えた。不思議な感覚だった。純愛というにはあまりにも性的だ、けど何処か甘酸っぱい。初恋のような初々しさを孕み、額のキスにうっすらと笑み。

彼の少し砕けた言葉に瞳を向けた。
先輩後輩、それこそお姫さまごっことも違う関係なのだと
二人の関係を意識させるようで。胸の音に少し惑い。

シーツの上に倒れ込む]



 ……ぁ


[下克上、それともご褒美。
そんな問いに、見上げか細い声を震わせた。未だ繋がった場所を押し付けられて、その上雄めくように舌を嘗める姿を見せられて、蹂躙されている。抵抗するにも力がはいらず、指は唇にと向かい。
呼吸を助けるように、触れて。]


 ……やぁ … ん
  ぁ っ … … ぁ

[焼かれる気持ちよさに喘ぐ声は弱く]


 …きもち …ぇぇ からっ


[下克上でもご褒美でもない。
自ら望んで彼の姫になったのだと綴るが届くだろうか。びゅびゅっと力を失った熱源が残滓のように液体を飛ばす。果てて力つきた肉体、その蜜壺はじゅくじゅくに濡れて、彼の肉杭を飲む。出し入れされる其処はどんな形に満ちただろう。与えられる快感は呼吸すら奪い。

自分だけの欲望を押し付けられる事を
まるでそういうもののように
扱われる事を歓喜して]


 …… ぁ  
  いいっ、まんこぃぃ っ 
   おちんぽっ ん


[そんな中でも彼の優しさが感じられる。
――大事にしてくれる、大切に思ってくれている

そんな彼が一等愛おしく]


 …… ん、俺も

       好いとうよ


[息も絶え絶え、
喘ぐ声も、切れ切れのなか。そう告げて、一層強まる思いにのぞけり。力のない躰は、劣情の中におちる。びくっと震え悶える体は、精を吐きだすことよりも体内に吐き出される事を歓喜として受け取り。

赤い痣を浮かばせる。

――視界に、うつる笑みに手を伸ばし
緩やかに撫でようとしたが

其れが叶ったかは、意識を使い果たした身には分からない*]

[ そんな、他愛もない話をしながら
 ちゃぽんと、湯が跳ねる音を響かせて、
 高い天井を見上げた

 身体も、心も、温まっていく気がして
 ふわふわとした心地に身を任せ――ぽつり、と]

 
  そういえば、ヒイラギさんは……


[ なぜ、夜を共に過ごす人を探していたのか
 そう問いかけようとして、]

 

  いえ、なんでもありません――
  

[ 一度、口を噤む

 何も聞かずにと、自分が願っているのに、
 それを聞くのは、間違っていると――


 少しの、沈黙のあと、
 ふぅと、ため息交じりの息を吐いた]

  
 
  私は、時々、悪夢を見るんです
  それが怖くて、一人寝ができないんですよ


[ 聞こうとした詫びをするように、
 茶化すように笑い混じり、そう告げた

 あの頃、あの男が訪れる頻度と同じ感覚で
 悪夢は訪れては、去っていく

 母や、兄がしてくれたように
 手を握って、抱きしめて、大丈夫だと言われれば、
 しばらくの間は、悪夢は去ってくれて

 だから、それでいいと思っていた――]

 
 
  ですが、あなたとなら
  眠っても、悪夢を見ないかもしれませんね


[ 幻聴、幻覚も、
 彼と肌を重ねている間も、訪れはしなかったから
 夢の中でも、大丈夫ではないだろうかと

 楽観的に、くすりと笑えば、さてと、
 濡れた髪を掻き上げて、]


  逆上せないうちに、出ましょうか


[ ばしゃりと、音を立てて、立ち上がった*]

[朔月の事は前から見た目が好みだと思っていたのだ。
それが今は自分の腕の中で可愛く乱れてくれている]


こっちを向いて――うん、そう……。


[振り向かせれば唇を奪ってしまおう。
唇の柔らかさを味わいながら舌を絡め喉奥まで求めてゆく。

振り向けば身体は捻られ熱棒が擦れる角度も変わろう。
刺激される媚肉は事細かに移ろいゆくが朔月を快楽の舞台から降ろすことはない]


私も好きだよ。
朔月、が、好きだ。


[理性無き状態で擦り込みのようにそう囁きかける]


朔月も、私が、好きなの。
とても嬉しいよ――。


[好きであることのご褒美のように、胸の頂を強めに摘まみあげた。
搾り出すように指を動かしては耳元では優しく好きと囁き続けてゆく。

まるで互いに好き合っているように、それが既成事実であることを焼き付けるように熱棒は朔月の子部屋を小突いて愛し合おうと伝えゆく*]

【人】 大学生 寿 達也

 そんな疲れ切った腕で、震えません?


[大丈夫?と要の方を見てカメラに微笑んで。>>41
続いて自撮りを始める彼に、風呂は無理そうかなと思えば、カメラの方を見ているとばかり思っていた彼が、カメラ越しに自分を見ていた。
初めて呼ばれた名前に、きゅん、と心臓が震える。
自分がドギマギしている間に照れた要がカメラで顔を隠している。
顔は見えなくても、見える耳が真っ赤で]
(42) 2021/03/28(Sun) 13:55:38

【人】 大学生 寿 達也

 あー……もう
 貴方はどれだけ俺を好きにさせれば気が済むんですか?



[違う顔を次々と見せてくれる年上の恋人。
どのその顔も、自分を魅了して尽きない。
自分が彼に憧れたり尊敬したり惚れたりする手札の数の方が、彼から受ける逆の数より絶対に多い。本当にずるい。

少しだけ拗ねたような顔をしながら]
(43) 2021/03/28(Sun) 13:56:01

【人】 大学生 寿 達也

 風呂も無理そうですね………。
 ちょっと待っててくださいね。



[自分は軽く湯を浴びてバスローブを着こむ。
そしてバスルームでタオルを濡らして持ってきて、彼の体を拭いていった。
細かいところは湯舟に浸かったりしないとダメだろうけれど、これでも少しは不快感は薄れるだろう。
そのままタオルで汚してしまった布団を拭いていく。
リネン類は剥がしてクリーニングしてもらえば大丈夫だろうと拭けば落ちる程度だったことにほっとした]



 じゃあ、こっちで食べますかね。



[ほら、英国貴族の朝ご飯のように、とふざけてショートケーキだけを持ってくる。
パスタは難しいにしても、これくらいなら寝ている彼に食べさせてあげられると思って]
(44) 2021/03/28(Sun) 13:56:30
あんっ…

[振り向けば唇を奪われる。
舌を絡め、喉奥まで求められればきゅ、と瞼を閉ざし。
振り向いた事で熱が擦れる角度も変わって、与えられる刺激も変化していった]

わたしを、すき…?

[刷り込みのように囁かれ、ご褒美のように胸の頂を摘ままれ刺激を与えられる。
耳元で優しく囁かれ続け、絞り出すように指が動けば、もうダメだった]

あっ…なおつぐさ…すきっ…すきぃ…!

[まるでずっと前から彼の事が好きだったと錯覚してしまう。
嬌声の合間に好き、好きと譫言のように言葉を紡いでいく。
太陽が真上に登れば後悔するかもしれないけれど、今はただ愛し合いたいと身体は素直に快楽を受け入れていた*]


[ ふは、と笑って、一つうなずき
 「じゃあ楽しみにしとく」と伝えた。
  この後だとか───それ以外だとか、
  そんな話は、しないままに。

  共に入った浴室で、ぐちぐちと後孔から
  白を掻き出していれば、支えるように
  伸ばされた手。じっと見つめられていれば、
  なんだか居た堪れないのと、羞恥とで、
  ちら、とそちらをみつめ。]



   っあんまり、  見ないで、



[ と眉尻を下げてしまうのだけれど。
  その言葉とは裏腹に伸ばされた指が、
  己のものと重なって挿し込まれるから。]

 





    ンッ…!ぁ、っ手伝わなくて、い、
    っふぁ、 ぁぅ、っ…

    っまた、変な気分になるからっ


[ とじわじわもたらされる快感に
  生理的な涙で瞳を潤ませ、懇願した。
  けれど、それは聞き入れられず、そのまま
  続けられていれば、意地悪く蠢く指に
  思わずびくんっと背が大きく跳ねただろう。

  中が綺麗になれば、息を整えながら、
  少しばかり恨めしそうにそちらを見て。
  それから、寄せていた眉間を緩ませ、
  微笑みかけて湯船にも浸かろうと提案した。]

 




     チャーハン食べるなら、
    キスの味決めるのはミヤビさんじゃん


[ 何がいい?塩か味噌かなーなんて笑いながら
  動いた体に、ちゃぷ、と水面が揺れた。
  両手で掬ったお湯が指の隙間から
  こぼれ落ちて、音を立てる。
  もう一度開いて、掬って、顔を洗えば
  深く息を吐いた。

  ふと、彼の口が開く。
  湿気を帯びた空気が微かに揺れて、響く。
  ヒイラギさんは、という言葉の後、止まった。
  そのまま、ゆっくり、1、2、3。
  待ってみるけれどその続きは濁されて、
  上げていた顔をゆっくり下げた。

  彼が言いたいことはわかった。
  けれど、それを答えると、約束を
  反故にするような気がしたから、黙っていた。

  深いため息が聞こえた後、切り出された言葉に
  ゆっくりと顔をあげる。]

 




    ───………



[ 何も聞かないでそばにいる、それが
  彼の願いだったはず、なのに。
  訥々と簡潔に告げられた言葉に
  眉尻を少しだけ下げた。

  誤魔化すように落とされた言葉と、
  立ち上がった飛沫がこちらに跳ねる。]

 




   ───俺は、聞かれたくない
     なんていってないけど。

   …反故にされちゃったら、なんか、
   俺だけ言わないのずるい、
      みたいじゃないですか



[ ふ、と一瞬視線を水面に落とし、
  それからゆっくりとあげて。]

 




    俺は、月のない夜が、苦手です

    ───嫌なことは大抵、
    月のない夜に起きてきたから。


[ そっと立ち上がり、彼の手を取る。
  それから柔く微笑みかけ。]



    人肌に触れると安心できる

    だから、俺もたぶん、
    あなたとなら安心して眠れます


[ と目を細めた。
  それから、ふくく、と吹き出したように
  顔を下げて。「なにいってんでしょ」と
  頭を掻きながら首を捻り。]
 




    いきましょ、のぼせるし、
    ラーメン食わないと。


[ とその手を引いた。]*

 

そう、朔月が、すき――。


[疑問を呈するような言葉にも是と応えてゆく。
錯覚がより強固になるように、言葉が真であると示すが如く熱棒の先端で朔月の奥深い処を探り、解し、溺れさえてゆく]


すきだよ、好きだ。
大好きな朔月をいっぱい可愛がってあげるね。
これからもずっと、ずーっと。


[快楽を受け入れる肢体を貪り味わってゆくがいくら味わっても飽きることはない。
愛せば愛しただけ、可愛がれば可愛がっただけ朔月は返してくれるのだ]


さ、ぁ、またイっちゃおうか。


[秘芽が被る被膜を優しく剥いて現れた本体を指で撫でてしまう。
尻肉と腰が打ち合う音は次第に早まり朔月を絶頂へと追いやって、
蜜壺の奥底に先端を押し付けると身体を震わせれば煮えたぎるような熱い精をその入り口へと吐き掛けた*]



 ……は ぁ ん
ぁ ーおいしぃ …


[おいしい、けどと
半分を齧った唇は紡ぎ。片手は彼の内腿を撫で。
少しばかり意地悪な顔をして。なあ。

期待しとたやろと含みの視線]


 …おいしいけど、

      寿のおちんぽミルクあったら

          ――もっと美味しいんやろなぁ


[練乳ミルク。なんて少し
親父くさいやろうか。なんて煽るように
舌を出して、飲むように苺の残りを食そうか*]

 
 
  なるほど、確かにそうなりますね


[ 私も、塩か味噌かな、
 今の気分は、さっぱりとした塩かもしれない

 キスの味が、美味しいのは、悪くないかもしれないと
 楽しげに空気を震わせる、そんな時間が心地良かった

 だからか、ふいに、尋ねようとしてしまった
 気が緩んでいたのだろう

 今まで、誰にも言わなかった悪夢のことを
 茶化しながらも告げてしまえば、
 フェアじゃないとでも言うように、
 尋ねようとしたことを、彼も教えてくれた]

 
 
  ずるいとは思いませんが、
  話して下さって、嬉しいですよ


[ 月のない夜と言われて、
 今日は、新月だったのだと初めて知った

 彼にとって、今日のことが、
 嫌なことの一つに数えられていないと、いい


 胸の内で、そんな考えが過っていれば]

 
 
  
……っ、
ふふ、そうですか


[ 手を取られて、引かれた
 
 安心して、眠れる
 そう言われると、胸の奥が仄かに温かくなって
 滲んでいた不安さえも、拭われていくような気がした

 自然と漏れた笑い声は、微かに震えた理由は
 彼が気付いていないといいけれど――…]

 
  ええ、そうしましょう


[ 手を握り返して、
 湯船から、抜け出した]

[ 身体を拭いて、バスローブに袖を通せば、
 彼の様子を伺いながら、辛そうなら
 手伝いを申し出て、ソファのところまで送り届けただろう

 自分は、そのままルームサービスで
 彼が希望するラーメンと、自分用に炒飯を頼んだ

 他に欲しいものはあるか、と尋ねてから
 一通り頼み終えれば、受話器を置いた

 彼の隣に腰を降ろせば、
 そういえば、人のことを言えないのですが、と
 前置きを置いてから、]


  夜を一緒に過ごす人が必要なら、
  特定の恋人など作ったりはしないのですか?


[ あなたなら、恋人も作れそうなのに、と
 覗き込むように、首を傾いだ

 彼は、自分の目には魅力的な人物に思えていたから
 恋人がいないのが不思議だな、とか
 それくらい軽い疑問のつもりで**]

[手招きされてベッドに座れば膝の上に腕をのせてくる、お行儀が悪い先輩にため息をつく。
しかもからかうように煽ってきて。
バスローブは簡単に裾が割れるというのに、下着を着けていない内腿まで手を入れてくるとはとんだセクハラだ]


 おちんぽミルクは、要さんの違うお口からたっぷり食べさせてあげたでしょう? それとも、そのいちご、下のお口から食べさせてあげましょうか?


[彼の舌の上で、転がされるようにあるイチゴの赤に目を奪われるようで。
彼の口の中に吸い込まれている苺を見つつ、そのまま、がしゃん、とうつ伏せている彼の背中に皿をのせてしまう]


 動いちゃダメですよ?
 動いたらケーキが落ちてしまいますから。


[そう言って、そのまま彼の傍から立ち去ってしまう。
もちろんそのままにするわけではなく、戻ってくるのだけれど。
戻ったその手に持っているのはティラミスで]



 要さん、口開いて?


[彼の背中から皿を取り上げて、サイドテーブルに置いた後は、自分のオーダーしていたティラミスを切り分けて。
それを問答無用で彼の口に突っ込んだ]


 エッチな要さんなら知ってるでしょう? このケーキの意味。
 単に俺はこのケーキが好きで頼んだんですけれどねえ。
 要さんが求めているものとかち合うなんて偶然ですね。


[貴方も食べたかったんですね、と笑顔で自分の方も一口ぱくりと食べる。
卵、チーズと使用されているものにカロリーが高くて、病人食ともいわれるティラミス。
それくらい“元気になれる”ケーキ。]

 天国に連れていってほしいんでしょう?
 それならこれを食べて元気になってくださいね。
 ―――俺が抱きつぶしてあげますから。


[元々要さんは小食ですしねー、さっきも最後ばてて意識飛んでたでしょう?俺の体力についてこれなくて倒れるのそっちですよ?と言いながら、パクパクとケーキを食べていく]


 俺、結構負けん気強いですよ?
 まだ足りないなんて言われたら、頑張らなきゃね。


[まだボロネーゼとカルボナーラを食べてないけれど、もっと食べたいと欲しがる彼のために先に頑張らなければ、と。
恋人に爽やかな笑顔を見せながら、ベッドの上に膝をのせた*]

うれしっ…もっと、もっとぉ…!

[是と言葉が返ってきて、言葉や動きで愛し可愛がってくれる。
それが錯覚を強固にし、快楽に溺れていく]

いっちゃ、いっちゃうっ…!
あぁぁんっ!!

[秘芽を優しく剥かれ指で撫でられ。
次第に肌と肌が打ち合う音が早まっていき、快楽の波に呑まれてゆく。
蜜壷の奥、小部屋の入口に熱が押し付けられ熱い精が放たれる。
それと同時頃、熱を締め付け高みへと達した。

壁へついた手にぎゅっと力を入れて、力が抜けそうになるのを耐える。
けれど、中へと放たれる精を感じてふるふると身体を震わせてしまった*]

[ふふふっと笑う声は毛だるげだ。
身体も碌に動かせないのについ煽ってしまうのは彼の反応が可愛いせい。違う口から、それとも苺を下の口へ。やぁ恐ろしいわぁなんて笑い。それから、ひっそりと声を低くして]


 こっちのお口はあかんの?
 …下の口なぁ。


[唇を指先で彩り、片手は太腿を滑る。
転がす苺は甘酸っぱく、恋のよう。そのまま悪い笑みを浮かべていたら、どうやら遊び過ぎたようだ。がしゃんと背中に皿を乗せられ、動きを封じられれば少し残念そうな顔をして]



 やーいけず
 動かれへんかったら何もできへんやん。


[去っていく彼を見送っただろう。
少し揶揄いすぎたやろか、なんて思うものの。戻ってきた彼はティラミスを持っていて。――嗚呼、違う意味で揶揄いすぎたかもしれない。口の中にと広がるチョコレート味。問答無用で押し付けられた其れは、夜の遊びの前に食べるもの。

笑顔で笑う彼に、はふっと息をして]


 …なんやろう?
 わからへんなあ、ティラミスの意味なんて。


[わざと、そう答え。]


 教えてくれるん?
 …俺の身体で、その意味を。


[きっと倒れてしまうんやろな。
なんて思いながら、其れを望んでいた。倒れた後は、どないしよ。きっと彼が何となくしてくれるやろ。とおんぶ抱っこ。恋人の特権やと甘え、ベッドの上に膝を乗せる彼に少しずつ、ケーキを落とさぬように這うように近づいて、すっかり定位置になった膝の上へ。

顔を乗せて]


 …なあ、ケーキどけてくれへん?
 俺の下の口、苺食べれるか見たいねん。

   ほら


[いっぱい、食べてもて
お口、真っ赤になってへんかな。なんてクスクス。膝上から指を滑らせ、つんっと彼の雄を突いた*]

[震える身体を後ろから抱きしめる。
力が抜けて倒れないようにするためでもあり、吐精から逃れられないようにするためでもあった。

熱棒への締め付けを甘受しながらも別れを惜しむようにゆるりと腰を引く。
精を吐き出し終えたそれは蜜と精にぬらりと光り抜けた反動で朔月のお尻を叩いた。
未だ固いそれが抜けた蜜口は閉じるを忘れたかのように開いたままに白濁を溢し、白は腿を伝い湯舟に落ちた]


ふふ、気持ち良かった……。
また可愛くなってしまったね。


[緩やかな吐息を共にそう囁く。
呼吸はやや粗いが心身ともに充実していた]


ねぇ、朔月。もっとしようね。
時間いっぱいまで……ううん。
時間が過ぎてもずっと、私はそう望むから――。


[少し落ち着いたらお風呂からあがり身体を拭こう。
拭き終わり移動する際は朔月をお姫様抱っこにして、ベッドへと連れ込んでしまおう。

軽食を頼み、飲み物を飲んでからは言葉の通り時間いっぱいまで。
朔月がすっかりと溺れきってしまう迄愛し尽くしてしまおう]

[そうして刻限が来る頃に問いかけるのだ]


どう? 私を彼氏にしない?
私は朔月を手放したくないよ。


[精も魂も満たし尽くした後、朔月はそれでも悩んでしまったろうか*]

【人】 大学生 寿 達也

― 次の日 ―

[ぐったりしている彼から離れるのは少々気が引けたけれど。
そのままブティックに入るとタートルネックの薄手の長袖シャツを買う。
自分のサイズで買えば、彼なら入るだろう。
肌触りを意識して、綿のものを買ったけれど、高級品はいいお値段がして。
でも自分でプレゼントするのには無理ない程度の値段でよかった。

自分の方は破れた片袖のままジャケットを上に着こむ。このシャツはどうせもう着られないだろうから。

チェックアウトぎりぎりまで彼を寝かせてあげたくて、意識が朦朧としている彼に自分が服を着せてあげた。

昨晩は寝る間も惜しむように彼を何度も確かめるように抱き寄せていた。
肌を擦りすぎたら痛むから、肌で優しく撫でるだけにとどめ。結局は自分が彼を丁寧に風呂に入れてあげたのだが。

タクシーを呼んで彼の家まで連れ帰るが、自分の方もそのまま一度自宅に行き、着替えてから学校だ。

授業中も考えることは彼のこと。
大丈夫だったのだろうか、後で見舞いに行こうか、と考えていたら、メールが入った]
(52) 2021/03/28(Sun) 21:01:28

【人】 大学生 寿 達也



 ………学校来てたんだ。


[相手からしたら噴飯ものだったかもしれない素朴な言葉。
どこにいるか言ってないということは、彼は部室にいるということ。
そのいつもの調子なのが嬉しいような不安なような。

学食の定食を部室まで運ぶのは大変なので、学外に一度出て、販売されている焼き鮭ノリ弁当を自分のを含めて2つ購入して]


 要さん?


[部室に入れば、中に置かれたボロボロのソファに彼が寝そべって眠っているようだった]
(53) 2021/03/28(Sun) 21:01:45

【人】 大学生 寿 達也


 ………。


[大丈夫かな。そう思いながら、彼の頬にそっと手を当てる。
無理をさせたかもしれない。
そういえば、昨日縛った痕はどうなっただろうか。
つけたキスマークは誰にも見られないようにしておかないと。
彼の腕を持ち上げて首を確認し、そこにそっと口づけた*]
(54) 2021/03/28(Sun) 21:02:05

【人】 大学生 寿 達也

[寝ぼけた目がゆっくりと自分を見つめる。>>56
起こしてしまいましたか?と声をかけようとしたら、先に彼が声をあげた。

まだ、昨日の続きをしているのか、と思う。
彼がまだ夢の中だなんて気づかなくて。
誰かが部室に入ってきたら、なんのことだと思われてしまわないか、と周囲を見回してしまう。
昨日の今日でもう会いたかったなんて、とくすぐったい思いをしながら言葉を聞いていたら、どこか子供のようなどこか、甘えたような声音で彼が爆弾発言を落とした>>57]
(60) 2021/03/28(Sun) 21:38:26

【人】 大学生 寿 達也



 好きな人?


[声が一気に低くなる。
彼が話しているのが、思い出の人だとわからなかったから、自分に言われたのかと思っているから。
昨日、情を交わしてあんなに熱い夜を二人で過ごしたというのに。
昨日の今日でもう好きな人できたというのだろうか。
でも答えは決まっている]
(61) 2021/03/28(Sun) 21:38:49

【人】 大学生 寿 達也

 絶対手放さないですから。


[貴方が手を出した男は嫉妬深くて優しさがないということを、誰よりも知っているでしょう?とどこかぼうっとした瞳で自分を見上げてくる彼に囁いて。
そのままソファの上の彼の両手首を掴めば押し倒すように。
他の人を見ないでと懇願するように彼の唇を奪い、熱い舌を絡めて吸っていった*]
(62) 2021/03/28(Sun) 21:39:11

[ 引いた手が、微かに震えていることには
  こぼされた笑みには、気づいていたのだけれど。
  その理由には、気づくはずもなく。
  気づいていたとしても、なにもいわない。
  
  握り返された手。
  ゆっくりと引いて出ていけば、
  バスローブに袖を通した。
  先ほどよりも少しマシになっていたから、
  流石に壁伝いにしか歩けない、などという
  ことはなかっから、手伝いは遠慮した。

  ソファに座り、メニューを開けば、
  ラーメンの種類に目を流して。
  「塩でいいー?」と彼に尋ねてみるのだ。
  ぺらぺらと捲って、俺も炒飯追加しようかな、
  と思ったことを口にして、他のページに広がる
  フレンチやイタリアンのメニューに、
  こういうの食べるのもいいんだろうけど、
  と思いながら閉じた。

  他に欲しいものは、と続けて尋ねられたら ]

 





  あ、アイス食いたいです、バニラのやつ


[ と挙手してお願いしておいた。

  机の上に置いたままのペットボトルを
  手に取って、蓋を開いて飲み込む。
  熱った体と喉に、生ぬるい水が
  沁みていくのを感じる。

  はぁ、と息を吐いて天井を仰いだ。
  受話器を置く音の後、足音が続いて、
  ソファが少し沈んだ。

  あ、ありがとうございます、と
  感謝を伝えようと体を少し起こす。
  けれど、それよりもはやく
  切り出された言葉にゆっくりと顔を元に戻し
  首を傾げて尋ねるその人を見つめた。]

 




    ───買い被りすぎですよ


[ そう、眉尻を下げて。

  ───昔は、いた。
  共に夜を過ごす恋人。
  ───あの人が、いなくなったのも
  シーツに温もりも残さず、消えたのも
  月のない夜だった。

  手のひらをぎゅ、と握って、開いて。]

 



   
   1人に絞ってしまうと、
   依存してしまうから。

   ───男同士なんて、不安定な関係で
   結婚も大々的にできない、子供もできない、
   繋がり持ち続けるのだってむずかしい。

   そんな中で、誰か1人に絞って、依存して、
   別れるってなったら、きついし、
   そんな思いはもう、したくないなって。


[ だから恋人は作んないんですよ、と笑った。]

 




    あなたは?

   ───真面目だし、無愛想だけど
   仕事も───できるし、顔も、体格も、
   モテない要素ないとおもうけど。

   ───女の人もいけんなら、

   結婚とか、かんがえなかったの?


*

【人】 大学生 寿 達也

 うぐぅっ!

 ………っつぅ……


[足をばたつかせた彼に腹を蹴られた。>>63
しかし、それは抵抗されると、もっと組み伏せたくなるという男の加虐趣味を増させる結果にしかならなくて。
蹴られた拍子で合わせていた唇が離れ、歯で唇を切ってしまう。
ぺろ、と唇を舐めて、目の前の彼を冷ややかな目で見据えた]
(65) 2021/03/28(Sun) 22:13:27

【人】 大学生 寿 達也


 夢?
 誰の夢ですか?どんな?


[好きな人ができる夢ですか?と鼻で嗤うような言い方をしてしまう。

驚きと困惑に揺れた彼の瞳。>>64
自分が不機嫌で怒っているという感情を隠すことができない。そんな自分が激しく嫌いだ。
手をどけて、とお願いをされても、話が先だとばかりに無視を………しようとしてできなかった]
(66) 2021/03/28(Sun) 22:13:46

【人】 大学生 寿 達也

[そう言って手を離してやり、彼の上からも体をどける。
それは傍目からしたら彼を諦めるという格好に見えたかもしれないけれど、自分と彼の間に主従関係が続いているとしたら、自分は姫の願いはできる限り叶えるという存在なのだから、仕方がない]


 そうですね………夢の中なら自由ですからね。


[そこでの浮気くらいは大目に見ますか、と自嘲する。
自分の方は夢ですら、彼以外を抱くことはもうあり得ないと思うけれど*]
(67) 2021/03/28(Sun) 22:14:50
[ 仲良く料理を注文するという行為は、
 少し親密になったような気にさせるから不思議だ

 食事をすると、親密になると
 言った人の言葉の意味を、今初めて理解した
 ――だから、接待などがあるのだろうかね

 塩ラーメンに炒飯を二人前
 それから、バニラアイスとレモンのシャーベットを追加した

 アイスと聞いて、自分も食べたくなってしまったから]

[ なんとなしに、尋ねると
 彼の眉が下がるのに気づいた

 性別という問題に、依存してしまうという言葉
 語られる言葉から、以前、愛した人がいたのだと
 察することくらいはできたから、

 それ以上、彼に追及するのは、無粋と思っていれば
 彼からも、同じ質問を、問いかけられた

 二度、瞳を瞬かせれば、
 身体を起こして、隣の彼の瞳をじっと見つめた

 何か、言いかけて―― 一度、やめて、]

 
 
  …… そうですね、
  女性とも、男性とも、
  お付き合いをしたことはありますが

  友人以上の感情を、持てなかったんですよ
  どうも、私は情緒が欠けているらしくて


[ 家族を愛すること、友人を愛すること
 それは、理解できるのに、恋愛感情として、
 人を愛する気持ちを抱けなかった

 かつての恋人に、情緒がない、感情がない
 そんなことを言われたのを、思い出して、
 自嘲気味の乾いた笑いを、小さく漏らす

 それに、と、――]

 
 
  父親に、なれる気がしないのです
  兄は、既に結婚していて、幸せそうにしているのですが
  真っ当な父親に、なれるイメージが湧かないんですよ


[ あの男と、同じ血が流れている
 それだけでも、良いイメージが湧かないというのに
 情緒まで欠けていると、称されれば、
 自分は、人を愛することなどできないのだろうと、思った]
 
  
  仮面を被ること、演じることならできるのですが
  本当に、人を愛することは、よく分かりませんからね


[ 母が、父を想う気持ちも理解できなかった
 そんな母を受け入れてあげることもできなかった

 きちんと、
されて育ったはずなのに
 きちんと、
する人間になれなかった


 そこまで、話して、
 なぜ、ここまで、彼に話してしまったんだろうと、
 急に、おかしくなって、くすりと笑ってしまう]

 
 
  ヒイラギさんは、不思議ですね
  あなたの隣にいると、何でも話してしまいそうです

  ミヤビでいようと、思うのに、


[ 気が緩んで、仮面が剥がれ落ちてしまう
 不思議ですね、ともう一度、呟けば

 前かがみになって、自分の膝に肘を着いて
 横目で、隣の彼を見つめていた

 そこに浮かんでいたのは、作りものではない
 無意識に浮かんだ―― 仄かに
甘い
微笑みだった**]

[後ろから抱きしめられ、倒れる事は免れた。
けれどそれは吐精からは逃げられないという事。
全て中に放たれ、ゆっくりと引き抜かれる。
未だ固い熱が抜けた反動でお尻を叩く。
蜜口からは白濁が零れて腿を伝っていくのがわかった]

わたしも…きもちよかった、です。

[呼吸を整えながらも、同意の言葉を返した。
もっとしようという言葉にはこくり、頷いたけれど。
時間が過ぎても、という言葉には返事が出来なかった。

落ち着いたらお風呂から上がって、身体を拭けばお姫様抱っこで再び運ばれる。
軽食を食べ、飲み物を飲んでからはずっと。
時間いっぱいまで愛されて快楽の波に呑まれてしまった]

[太陽が再び真上に昇った頃]

あ…えっとえっと…少しだけ考えさせてください…。

[心も身体も満たされ尽くしたけれど、それとこれとはまた別で。
一夜の夢と思い込もうとしていたのに、この人は許してくれないらしい。
そもそも、今まで心を通じ合わせてから身体が繋がる事はあれど、身体を繋げてから心を通じ合わせた事はない。
だから彼への気持ちが愛情だとハッキリと言えない。
ここは戦略的撤退の為に、考えさせてほしいと答えたのだった*]

【人】 大学生 寿 達也

 幼馴染?


[ん?と彼の話を聞きながらあれ?と首をかしげる。>>69
じゃあなんで自分に話していたのだろうと思い、寝ぼけた彼が幼馴染と自分を間違えたのか、という結論に陥る。
うひゃあと声を上げたくなるような勘違い。そして八つ当たり。穴があったら入りたい]



 つまり、初恋に別れを告げたってことですね。
 ごめんなさい………完璧に勘違いしてました。



[彼がまさか、自分が嫌われたのではないか、と思っているなんて考えつかなくて。
自信満々な彼が自分ごときに怯えるなんて思ってもみなかったから。
だから、どこまで独占欲を剥き出しにするんだと思われていそうだと怯えてしまう]
(71) 2021/03/28(Sun) 23:17:29

【人】 大学生 寿 達也

[しかし、彼の話を聞きながら、結構同じことをする子供って多いんだなぁと思ったり。
彼の幼馴染はきっと女の子で、その子には要の方が騎士の役をやっていたのだろう。
それなのに、自分に対してはお姫様の役を引き受けてくれた彼の優しさが嬉しいな、と思う]


 俺もまだ、どこか初恋を引きずってて、それであんなマッチングにも頼ったりしてたんですよね。
 ま、俺の場合は要さんみたいにバイじゃなくてゲイだから、俺の初恋も男の子だったりするんですけど……。


[あの子は今、どこにいるのだろう。
後悔ばかり残した唐突な別れと、子供すぎてできなかったたくさんの苦い思い出。
それがあるから今、後悔しない選択ができたのかもしれない。
あの子にきっと俺は色々と育てられていて、そしてこれからは要に育てられるのだろう]
(72) 2021/03/28(Sun) 23:17:48

【人】 大学生 寿 達也

 俺の夢にも、あの子が出てくればいいのにな………。


[そうすれば、自分は君がきっかけで、こんな素敵な恋を始めることができたとお礼が言えるのに。
君としていた思い出がキーワードとなって、恋をすることもできずに掛け違っていた憧れの人と、見つめあうきっかけとなったのだから。]
(73) 2021/03/28(Sun) 23:19:11

【人】 大学生 寿 達也

 俺の幼馴染も男の子なのにお姫様ごっこするのが好きな子でしたよ。
 しかも喜んでお姫様役をやるんです。


[面白い子でしょ。とくすくす笑いながら遠い目をする。
ああ、初恋を忘れられないって本当だ。
特に離れてから気づく恋は、どんどんと記憶の中で美化していってしまって、いつまでも消せない*]
(74) 2021/03/28(Sun) 23:19:28
少しだけ?


[朔月を見つめて、瞳で問いかける。
それは本当に少しだけなのだろうか。
きっと、今を逃せばそのまま逃げてしまう。
そんな予感がしてしまっている]


うん、良いよ――。


[暫しの逡巡の後に、言葉の上では是と繋ぎ――]

[ゆるりと朔月の頬を撫でる。
柔らかく笑みを浮かべ――]


その代わり、次のお休みの日。
私とデートの約束をしてくれる?


[少しだけ考える時間をと約束する代わりに別の約束を結びにゆく。
元はと言えば此方から投げかけた話だが約束として結ぼうと推してゆく。
時間は作れるが約束を違えればもう一方の約束も守られるはずもない。
そうして約定で縛れたならば、後はじっくりと約束を重ねてゆけば良い。

心を通じ合わせても関係は長く続かないことも多いのだ。
だが、自分と朔月は身体の相性は良いとは思っている。
それならばそこから愛情を紡いでゆけば良いだろう。

ねぇ、約束を交わす?
細めた赤い瞳は愉しそうな光を宿し揺れていた**]

は、はい…。

[瞳で問い掛けられ、頷いた。
本当に少しだけ、とは勿論思ってなくて。
出勤時間や帰宅時間をズラして逃げようと思っていた。
逡巡の後、是の言葉が返ってきてほっとするのも束の間]

[ゆるり、頬を撫でられ柔らかい笑みを浮かべた彼はデートの約束がしたいと言う]

で、デート…ですか。

[正直、そうくるとは思っていなかった。
出勤や帰宅時間をズラしたとしても、会う約束をしているのであればあまり意味が無い。
次の休み、は近すぎるし予定はドンドン入れる性分だから既に予定がある。
暫く考え、出した結論はー]

次の休みは予定があるので…。
別の日で予定が合えば…構いませんよ。

[細めた瞳は愉しそうな光を宿し揺れていて。
これは逃げられないなと悟った。
けれど、足掻く事くらいはさせてほしいなんて**]

[慈瑛さん、とシロくんの唇が動く。]


  そう。シロくん。


[応えながらも、ふわぁ、と
 心の中をじんわり暖かいものが満たしていく。
 
 この感覚はいつか当たり前になる。
 それが何時になるかはまだきっと
 神様だけが知っている。]

[身構えていても、萎えた茎の先を
 ねっとりと奉仕されれば]


  ……ぁ、


[空いた唇の隙間から、縋るような声が出た。
 股の間で楽しそうな表情すら見せるシロくんに
 緩やかに欲の熾火を掻き立てられて
 俺はシーツの海に身を泳がせる。

 本能的に逃げを打つ身体を
 シロくんは許してくれたろうか。

 どうにもならない激情の中、
 ふとシロくんの口から漏れた心の内に
 俺は目を丸く見開いた。]


  そん、ぁ……ッ、


[「そんなふうに卑下しないで欲しい」と
 言おうとした口から力が抜ける。
 情けなく内股がふるふると震えて
 血が茎へ集まる感覚に背筋が粟立つ。]

[榛原の代わりにしたいんじゃない。
 君は君のままでいい。
 依存というか、優しいだけじゃ?

 ……色んな言葉が、心の中に
 あぶくのように湧き上がっては、消えてしまう。
 消えてしまうのが怖くなって、
 行き場の無い思いの代わりに
 身体を起こして、シロくんにキスをしよう。]
  

  嫌に、なることなんて、あると思う?


[違う。そんなことが言いたいんじゃない。
 傍から離れないでくれ、と言いたい。
 それが俺の願いなのだと。

 代わりに何度も口付けをしながら
 シロくんの背へと手を回す。]

[合わせた体の間に、シロくんの茎を見つけたら
 舐めて育てられた俺のそれと合わせて握る。

 身体の深いところで繋がるのも好きだけれど
 お互いの弱い所を合わせて
 一緒に快楽に浸る時間も、きっと悪くない。]


  シロくん、あの、


[青いにおいのする口付けの隙間から問いかける。]

[どくどくと、脈打つ茎の感触が
 掌と、合わせた性器から伝わってくる。
 何だかそれが、シロくんの気持ちの一部みたい。]


  こういうセックスはしたこと、ある?


[俺はある。
 本当に一番最初の頃だけど。

 シロくんの身体に負担をかけないような方法で
 共に欲の火照りを遺した身体に火をつけようと。]*

【人】 大学生 寿 達也

 ………まっさかー


[顔も名前もうろ覚えの幼馴染。
物心がつく前の子どもの記憶なんてそんなもの。
すごく仲が良かったとか、すごく好きだったとか、そういう記憶はあるけれど、肝心なところだけ抜けているのに。
なんで俺が覚えてないのに、相手が覚えているの?とそういうクエスチョンが自分の中に浮かぶのだけれど。

子供の二年は大きくて。

彼は自分より二歳年上だから、自分より多くの記憶が残っているとその事実に思い至って顔が赤くなる]
(82) 2021/03/29(Mon) 12:49:20

【人】 大学生 寿 達也

 要さんがお姫様役してたんですか?
 そうか、あのお姫様って、要さんだったのか……。
 じゃあ、あれも覚えてますか?


[淡い記憶の答え合わせをしてしまう。
いつもかぶっていたシーツとか。
二人の待ち合わせていた場所とか、こっそり潜り込んだ廃屋の入り口とか。
まじまじと目の前の彼を見つめてしまう。

しかし、格好いい男の子にかしずかれるのは好きって、つまり]
(83) 2021/03/29(Mon) 12:49:43

【人】 大学生 寿 達也

 昔の俺も、要さんの好みだったということですか?


[照れ隠しなのか、首に手を回してキスをしてくる彼に微笑む。
いつもこの人がいうこういう言葉はリップサービスだと思っていたけれど。
彼のこの言葉が本当だとすると、彼は俺を格好いいと思っていたらしい。

本音の誉め言葉も冗談だと思われるのは損な体質だな、と思ってしまうけれど、一番魅了したい人にそう思ってもらえるのだから嬉しい]


 それなら俺は、誰よりも格好よくなって、貴方に傅いていないといけないですね。
 俺のお姫様のために。


[悪戯っぽく腕を解くと、ソファに座る彼の前の床にひざまずく。
下から見上げるように、

     まっすぐ見つめてその足に口づけを―――]
(84) 2021/03/29(Mon) 12:50:28

【人】 大学生 寿 達也


[唐突に部室のドアが開き、昼ご飯を食べて帰ってきた先輩がどやどやと入ってくる。あれー、二人共ここで食ってたのか?と声を掛けられる。
とっさに要から離れ、何事もなかったかのように窓の方に瞬間移動できた自分に褒めてやりたい]


 あ、そうだ、お弁当食べるの忘れてましたね。


[出来立てだった焼き鮭入りののり弁ののりがしわしわになってしまっただろうことを思い出しながら、ぎこちない笑顔で要を振り返った*]
(85) 2021/03/29(Mon) 12:50:49

[シロくん、と呼ぶ声は僕の心まで撫でてくれる
 みたいで、無意識に表情が綻んでしまう。
 口に含んだ慈瑛さんの茎は、浴室の
 高級なボディソープのいい匂いが仄かに
 残っていて、夢中で舌を這わせた。

 慈瑛さんの唇の隙間から漏れ出した声は
 僕だけに聞こえる小さなもので、
 だけど僕はそれに強い刺衝を覚える。
 シーツを泳ぐように慈瑛さんが僕から離れようと
 身じろぎするなら、そっと腰に触れた手に
 力を込めただろう。

 離れたくなくて、離したくなくて。]
 


[フェラしながら告白するなんて、
 色々と順番がおかしいけれど、
 精一杯伝えた言葉に慈瑛さんは身体を起こし
 キスを返してくれる。]


   嫌になること───
   僕は、無いけど、


[……でも慈瑛さんは、と言いかけた言葉は
 幾度も重ねられる唇に遮られた。

 背中に回された手が温かい。]
 


[がっかりする日が来るんじゃないか。
 嫌になる日が来るんじゃないか。

 きっと振り払っても振り払っても
 そんな靄が付き纏うと思う。

 結婚、とかそんな法の元の繋がりとは縁がない
 僕らみたいな存在は、いつだって不安定で、
 不確かで。


 だから────── ]
 


[慈瑛さんの手が、
 僕の口内で大きくなった慈瑛さんの茎と、
 それを愛でているだけで完勃ちしてしまう
 僕の茎とを合わせて握った。


 そう。
 だから、全部晒して。
 弱いところを重ねて。

 こういう繋がり方で絆を求めるのも、
 きっと幸せだ。]
 


   ん、……ぅっ、ん…ッ


[溶けてしまいそうな快感。
 問いかけに答える前に喘ぎ声が邪魔する。

 貪るように慈瑛さんの唇を求めて、
 呼吸と声を整えた。]
 


[慈瑛さんの手の中で重ねられる茎は熱くて、
 脈打つたびに痺れるような愉悦を産む。
 僕もそこに手を重ねた。]


   ……ない、です、
   きもち、いい、っん、……


[どんどんと高められる欲望。
 密着する身体で口付けを交わしながら
 互いに慈しむような行為は、甘くて。

 問われた質問に答えながら、
 ちらりとジェラシーの気持ちがよぎる。

 けれどすぐに。
 慈瑛さんは、こんな幸せに満ちたセックスを
 知ったうえでそれを無くしてしまったのだとしたら、
 それは最初から知らないよりずっと
 悲しいことかも知れないと一瞬、目を伏せた。]
 


[一層増した愛しさを込めて慈瑛さんの性器を、
 先から溢れ出した先走りの助けを借りて
 ねっとりと扱く。

 自分のものなのか、彼のものなのか、
 熱くてぬるぬるして、もうよくわからない。
 慈瑛さんの身体にしがみつくように、
 同時に達することができるように、
 懸命に吐精感に耐えた。]


   ん、ああっ…… ッ、いきそ、───
   ん、……ぅっ、ん…っ、


[気持ち良すぎて、さっき散々出したのに
 あっという間にまた果ててしまいそう。

 重なり合った肌のあちこちを白濁液で汚す直前、
 僕は彼の耳元に唇を寄せて囁く。]


   んっ、ッ、じえい、さ、
   あのさ、……っうぅ、ん、
 


[ 一瞬何か、言い淀んだのには気づいたけれど
  聞き返すようなことはしない。
  話したくないことは話さない。
  そもそも、何も聞かない、が約束だった。
  なんとなく己の答えと共に、訊ね返して
  しまっているけれど、本来ならばこれは
  違反行為みたいなものだ。

  だが、彼は濁した何かを飲み込んだ後、
  静かにまた切り出す。

  それを黙って、聞いていた。
  彼が笑っても、笑みを返すことはなく。

  ふぅ、と息をこぼした。]

 




   ───人を愛したい、とは思うんですか。


[ そんな問いかけをひとつ。
  だが、答えを待つよりも早く、
  いま、その答えを出さなくてもいいと
  言わんばかりに、すぐにまた続ける。]


   たとえば、人に対して恋愛感情を
  持たないっていう人はいますから。
  ───俺はそれでもいいと思いますし。

  それも、ミヤビサンという人間の形ですから。


[ そう、首を傾げると、彼が笑った。
  問いかけに、困ったように眉を下げ。]

 



   ………俺は、何にもしてないですけど。
   

[ 前屈みになった彼から、見上げるように
  柔らかな笑みが向けられる。

  ───それは、普段の仏頂面でも
  貼り付けたような笑みでもなく、きっと、]


    …っ


[ 眉を寄せて少し笑った。]

  




    情緒がかけてるっていうか、
    感情が表に出ない人だなって、
    俺も思ってましたけど。

   ───イメージ変わりましたよ。
   情熱的で、それでいて、案外、
   可愛く笑う人なんだなーって。


[ そう首をすくめ。
 「仮面、つけなくていいんじゃないですか、
  今は、あれですけど。普段は。」と頷いて、笑んだ。

  部屋のベルが鳴った。]*
 

[
 
───人を
したい、とは思うんですか。


 その問いの答えを考える前に、
 彼が言葉を続けて、それでも良いと肯定してくれる

 愛せないことを、受け入れられないことを、
 許されたような気がして――


 ずっと胸の奥でつっかえていたものが、
 熱さを伴って、溢れそうになる

 それを、飲み込むように、息を吸えば
 零れそうなものを堪えた

 代わりに、話す気はなかったようなことを
 語ってしまえば、おかしくなって笑ったりして]

[ 感情が表に出ない人、というのは
 そうあろうとしたのだから、彼の認識は間違っていない

 だが、続く言葉に、二度、再び瞬いて、]
 
 
  可愛いのは、あなたの方だと思いますが


[ いつもの仏頂面で、そう返した

 仮面をつけなくても、と言われれば
 悩むように瞳を揺らして、ミヤビのように
 感情を出す自分を、部下たちがどう思うか
 想像してみたが、思い浮かばず――

 気味が悪いと思われそうだな、なんていう
 考えに至っていれば、タイミング良く、ベルの音が響く]

  
  
  ルームサービスが届いたようですね
  待っていてください……
ッ、



[ 平静を装った口調と顔を、
 彼から見えなくすれば、入り口に向かって歩き出す

 彼の後ろを通り過ぎた時、
 思い出したように、微かに息を詰めれば、
 じわりと耳を赤く染めていたが、
 気付いていないと思っておこう

 ―― 年甲斐もなく、可愛いと言われて
    照れてしまうとは、思わなくて 
]

 
 
  ありがとうございます
  いえ、中には自分で持っていきます

  ええ、ありがとうございます


[ ホテルマンと、いくつかやり取りをして
 ラーメンなどが乗ったワゴンを静かに
 ソファの横まで運んでいけば、
 テーブルに頼んだものを並べていった]
 
 
  いい、香りですね
  冷めないうちに、頂きましょうか


[ 箸やレンゲを手渡しながら、
 自分もまた、隣に座って、温かな食事を口にした

 身体が、温まっていくのは、
 料理のお陰なのか、隣の彼のお陰なのか――…]

[嫌になることは無い、と
 熱の残った体で言われて
 冷めた頃にさようなら……とされたりしたら
 多分俺は耐えられない。

 そっと唇を重ねてシロくんの言葉を殺して
 俺は身体を固く寄せあった。

 また欲の炎が燃え上がって、
 擦り合わせた茎から新しい蜜が溢れてくる。
 相手の気持ちを縛るよりも
 身体の気持ちいいところを探る方法の方ばかり
 心得ている自分は、やっぱり嫌で。]

[性器を刺激するだけじゃなく
 乳首を指の間に挟んで扱いてあげたり
 腰の辺りを撫でてあげたり。
 柔らかな身体に触れていると
 なぜだか酷く安心できる。

 緊縛も、加虐もされていない相手と
 こんなくすぐるような時間を過ごしているのが
 心持ちがふわふわして、切なくて。

 ぎゅ、とシロくんの腕に抱き締められながら
 二人で高みを目指していく。]


  し、ろ……くん……ッ
  

[目の前で精を吐くのを我慢している顔が
 お預けを喰らった犬みたいで可愛くて
 俺も辛いのに焦らしてみたりなんかして。]

[返される返事に瞳を細めた。
秘める想いを探るつもりはない。
表に出してくれた言葉と表情だけを見つめてそのままを受け取る]


そう、デート。
お買い物に行ったり、遊びに行ったりね。


[出勤や帰宅時間をズラしても顔を絶対に合わせないことなんて難しい話だろう。
少し顔を合わせれば這い寄るように近づいて絡め取っていくのだ]


私は別に平日でも良いからね。
仕事終わりからでも全然良いし――。


[ゆるりと頬を撫でる手指を顎に添わせて此方へと視線を向けさせてしまおうか]


その時は美味しいご飯を食べに行ったり、
私が作ってあげていても良いしね。
それじゃあ約束、指切の代わりに……。


[瞳を見つめたままに朔月の唇を奪ってしまう。
じっくりとキスを味わい、束縛の誓いの口づけを施した*]

[送った写真は、襟もとを捲り
少し薄れた赤色を白い肌に見せたもの。顔が映らず、口元の笑みだけを浮かべ。背景はトイレの中。
―――わざとらしいほどの誘い罠。

メッセージひとつもないのは
見つけてみいや。と

大学の奥、あまり人のいない場所で待ち。
彼が来るまで少しずつ、服を捲る場所を増やしていこか。まずは襟元、手首に、腹部。胸の部分が見えるか見えないかの、位置で見せびらかし。薄れた赤い紐痕をみせて


次は、ズボンへ。
チャックを下ろした写真を送る悪戯を*]


 
   ふは、 ありがとーございます


[ 仏頂面で言われて言葉に笑って返した。
  普段無表情で、厳しくて、仕事ができる
  上司は怖がられているのは間違いないけれど
  こんなふうに柔らかく微笑みかけたらきっと
  その整った顔も相まって、ふんわりと
  雰囲気も和らぐと思うのだけれど。

  ───なかなか、難しいかな、と
  また、眉尻を下げた。

  鳴ったベルに動くよりも早く、彼の体が
  うごいて、入り口に向かって行く。
  今はヒイラギだけれど、本来ならば
  あってはならないことだよな、と思いながら
  今は追いかけて行くのもなんとなく、憚られて。
  今日はしてもらってばかりだな、と。
  
  彼の声が聞こえる。
  ちら、とそちらに目をやって、扉の閉まる音の後
  ワゴンを押してこちらに来るのが見えれば、
  流石にソファから腰を上げて、
  机の上を軽く片して。
  冷蔵庫に向かって、ペットボトルを一本
  手に取って、そちらへ向かった。]
 




    ありがとうございます、

    ほんと、いーにおい


[ とその香ばしい香りに口元を緩め
  冷えたペットボトルを差し出し、
  どーぞ、と微笑みかけ、自分の前には
  飲みかけのをとん、と置いた。

  いただきます、と手を合わせて、
  まずは丼をもってスープを含むと
  程よい塩気と微かな甘味が口の中に広がる。
  微かに生姜の香りがした。舌の根元で
  転がして飲み込むと熱が喉を通って胃に落ち、
  じんわりと体に温かさが沁み
  ほぅ、と息を吐いた。

  机に置けば、箸を黄金色のスープに沈ませ、
  真っ直ぐな麺を掬い上げる。
  ふぅ、ふぅ、と息を吹きかけたあと、
  はふ、と吐きながら口に入れて、啜った。]
 




    ん、 んま


[ 数度噛んだ後、飲み込む。

  まんまるく盛り付けられた炒飯は
  湯気をほかほかと立てている。
  レンゲをとって、ふか、としたその山に
  さしこみ、掬った。鼻腔をくすぐる
  胡麻油の香りに唾を飲んで、
  大きく開けた口の中に放り込んだ。]



    は ふ、  ぅ ンまい


[ 綻ぶ口元。
  微かに、聞こえた呟きに、一瞬、止まって。
  ごくりとごはんの粒を飲み込んだ。]

 


[ 視線が少し、揺れる。

  思ってしまった、一瞬、自分も、同じことを。

  あんな表情を、こんな時間を、
  何もかもなかったことにするのは、
  勿体無いと、───そしてそれは、
  このあとの夜を思えば、余計に。

  その温もりが、   余計に。


  レンゲをラーメンに沈めて、ひとくち、
  スープをまた、すくって、飲んで。]

 



    ね、 


[ そう呼びかけて。
  覗き込むようにして、そのまま
  そっと口付けをおくった。

  触れるだけのキスの後、ちゅ、と離して。]



    ───塩ラーメン味?



[ と眉を下げて笑った。

  聞こえない、ふりをしようと思った。

  だって、そうじゃないときっと───困る。
  これからも、明日からも、また同じ
  フロアで毎日を過ごすことになるのだから。

  依存は、怖い。あんな思いは、したくない。

  だから、ここできちんと終わらせる。
  そうじゃなきゃ、ここで蔑ろにしたら、
  これからの日々がきっと、だめになるから。]




    ラーメン、一口食います?

    うまいですよ、さすがいいホテル。


[ とどんぶりを差し出してみた。]*

 


[どこも痛くない。
 拘束もされていない。
 追い立てられような悲壮感じゃなく、
 蕩けてしまうような熱と快感で、僕は爆ぜた。

 同じように白濁を吐き出してくれた慈瑛さんとの
 二人分の精液で、もうぐちゃぐちゃの
 ベトベトなのに離れるのが嫌で、
 シャワーに行こうと促されてももだもだして
 とうとう立ち上がるまで、僕はしばらく
 駄々っ子のように彼にくっついたままだった。]
 


[まぁ浴室まで歩くのもなかなか大変で。
 なんでこんな広い部屋にしちゃったんだろう
 ていうかベッドしか使ってない、と
 思いながらふらつく足を進める僕を
 きっとさりげなく支えてくれる人がそこには居る
 だろうことが本当に嬉しかった。]
 

[時間をズラしたとしても全く顔を合わせないようにするなんて無理だとは理解している。
ただ、少しでも覚悟はしておきたいし、考える時間だってほしい。
だから、時間稼ぎはさせて頂きたい]

んっと…私、予定結構詰めちゃうので…。
再来週の休みの午後からなら。

[これは本当。
彼に嘘をつこうなんて思わないし、嘘を付けばきっとバレてしまうだろうから。
表情や声色から、嘘だと思われる事もないだろう。

ゆるり、頬を撫でる手指が顎に添い視線は彼の方へ]

あんまり遅い時間は申し訳ないです…。
でも、美味しいもの食べに行きたいですねぇ。
代わりに…?んぁ…。

[瞳を見つめられ、どうするのかと思えば口付けられた。
きゅ、と瞼を閉じて施される口付けを甘受する*]

[ 香る塩と、微かな生姜
 良い香りなのは確かだが、それを口にする人物が
 美味しそうに食べることで、その料理は
 より一層、美味しいものへと変わる

 人が食べているものを、美味しそうに感じる時があるが
 彼の場合も、そうだなと、見つめながら
 なんの感動もなく、ぱらりと、炒飯を口にする

 だが、一人で食べるものより、
 ずっと美味しく感じるのは、やはり不思議なものだと]
 
 
  あなたは、美味しそうに食べますね
  作った人が、とても喜びそうです


[ そういう人と、食事をするのは、良いですねと、
 柔らかな表情を浮かべれば、またひと掬い

 カチャリ、と小さな音を立てた]

[ 思わず、零した呟きは、
 食べても、消えはしない

 だが、彼が聞かなかったことにしてくれれば、
 私も、言わなかったことにできる

 だから、彼が食事続ければ、
 少しだけ安堵して
―― 少しだけ、残念に思って、


 ぼうと、してしまっていれば、
 その気配にすぐ気づけなくて]
 
 
  ん、……っ、


[ 隣から香っていた
 塩と、生姜の香りが、ふわりと、香る

 唇に残った、その味に――
 思わず、ふふと笑みが零れて、]
 
 
  塩ラーメン味ですね
  こんな、色気のないキスは初めてですが……
 
 

 

  こういうのも、悪くないですね


[ 穏やかに微笑めば、全く可愛い人ですねと
 呆れた様子の口調に、嬉しそうな色も添えて
 差し出されたどんぶりを見つめた]

  
 
  では、一口だけ


[ そう言いながら、顔を近づければ
 今度は、触れるだけではない口付けをする

 薄く開いた唇から、
 舌を一度だけ絡めれば、すぐに顔を離して、]

 
  美味しい、ですね


[ 食事の感想を言うのと同じトーンで、そう笑った]

[ そんな他愛もないやり取りをするのも心地よくて
 たまに悪戯をしかけたりしていれば、
 無事に、食事は終えただろうか

 一緒に持ってきてもらったデザートは、
 冷凍庫に入れておいたので、食事が終わるのを待ってから
 取り出して、コトリと目の前に置いた

 スプーンで、シャクリと、シャーベットを掬って
 口に運べば、甘酸っぱいレモンの味が
 冷たく心地良く広がった]
 
 
  …… 食事が終わったら、少し休みましょうか


[ 少しだけ、この穏やかな時間を楽しみたくて
 そんな提案をして、受け入れてもらえるのなら
 食事の片づけを終えた後、ベッドで一緒に横になろうか]

[ 隣の温もりを感じていれば、
 少しだけ、恋しい気持ちが湧いてくる


 この感覚は、よく分からない
 人肌恋しいだけなのか   
 それとも、彼が特別なのか 


 理解したくて、確認したくて、
 抱き寄せて、すりと、動物が甘えるように
 頬を寄せれば―― ほっと、小さく息吐く

 こうしている私は、今、ミヤビなのか、世永なのか

 温もりが、心地良くて安心して]

 
 
  …… 人を、愛してみたいとは、思いますよ
  だけど、人を好きになろうとして、上手くいかなくて
  正直、愛し方と言うのがよく分からないんですが


[ ぽやぽや、と眠気に襲われながら、
 思ったことをそのまま口にして、
 先程の問いの答えを、蒸し返せば、寝言半分に、]

  
 
  愛せるのなら、
あなた
のような人を
  
してみたいですね……


[ 子どものように、 へにゃりとした
 蕩けた微笑みを 浮かべたまま、 
 気付けは、寝息をたてていた――]

【人】 大学生 寿 達也

[やはり、彼の話す記憶の方が鮮明だ。
自分の記憶の中で謎だったこと、ぼやけていたことがどんどんとクリアになっていく。
彼がもし自分の初恋の人でなかったとして、嘘をついたとしてもあり得ないほど、合致している。

大きくなってもやはり振り回されているんだな、と彼は自分のことを情けなく思ったかもしれないが、そう思う人は自分の人生の中で一人だけなのだと思うと、納得もいったが。

昼休みが終わり、講義中もどこか気もそぞろで。
やはり要の事ばかりを考えてしまう。
二人の逢瀬の場所は共通点の足りなさからも考えて部室くらいしかないだろうけれど、でも、先ほどのような乱入者に邪魔をされるのも御免だ。

次のデートはいつ、どこで、どうやって誘うべきか。
そんなことを考えながら、会計学の授業だというのに違う落書きをノートにぐるぐると書いていく]
(106) 2021/03/29(Mon) 22:51:42

【人】 大学生 寿 達也


 ―――ん?


[講義が終わって。マナーモードにしていたスマホが点滅しているのに気づく。
メールの着信があった合図に確認すると、慌てて後ろを振り返った。
誰もみてないよな、と。
顔が写ってなくても、口元のほくろだけでも誰かわかる。
それだけでなく、喉元にあるのは縄で擦れた赤い痕。
つけた張本人である自分がわからないわけがない。

なんのつもりかわからず、ぼうぜんと見入っていれば、次もまたメールが届く。

それは彼に自分が残した烙印を、見せつけるかのようなもので。

どこか見覚えのあるような背景。しかしそれは教室ではない。
さすが写真部。
画角の取り方が上手く、完全にわかるようでいて、わからない、それでいて情報を伝えている写真に仕上がっている。
天井の色とライトから、それはトイレだろうとはわかるが、色々な学部の存在するマンモス校。校舎の多さから特定できる決定打がない]
(107) 2021/03/29(Mon) 22:52:05

【人】 大学生 寿 達也

 あ!


[ズボンのチャックを下ろした写真が送られてきて、鼻血をふくかと思った。
しかし、その写真の人物の後ろに見える窓。
そこに時計塔が見え、ようやくそこからどの校舎と、何階かがわかった。
後はその校舎のその可能性があるトイレを片っ端から調べればいい。
南校舎の二階に飛び込むと、時計塔側の男子便所から入っていったら、一発目で正解を引いたようだ]
(108) 2021/03/29(Mon) 22:52:42

 ―――この、いたずらっ子。


[息を切らして全ての個室を見て回り、ようやく見つけた彼に微笑んで。
汗をハンカチで拭ってから、半ば半裸になっている彼に手を差し出す]


 いらっしゃい………薫。


[彼のために格好よく次のデートのプランを考えようとしていたのだけれど、もうダメだ。
本当にこの人は、この人だけは自分を自然に翻弄する。
そしてそれに抗えない。
誰かに見られたらどうするの。
お仕置きしますから、と彼を抱きしめて耳元で囁いて。

笑みを浮かべたその唇を、ペロリと舐めた*]

 

 やあ、見つかってもうた。


[汗をハンカチで拭う彼の微笑みに返す笑みは
ご満悦といった処だった。脱ぎ掛けの身にと差し出された手は、騎士の手というには強く、彼の言葉は恋人へ向けたものだった。後輩と先輩の響きではないそれに満足し、身をゆだねるように寄りかかり。

耳元で囁く声に、わぁとわざとらしく返して]


 …どんな事されるんやろか。


[どんなお仕置きやろ。やなんて
期待と欲望を目に宿し、唇を舐める舌を追いかけるようにちゅっとキスをして、そうして此方からトイレの扉を閉じ、鍵をかけよう。デートプランを彼が考えてくれていると知れば喜ぶのだが。

今は、睦み合い、お仕置きを受けながら
秘め事のように声を落とし]



 でも、これって
 お姫様を救出するみたいやったやろ?


[囚われのお姫様が、
つかまって、助けを求める。そんな遊びだと笑いかけ、舌で唇を啄みながら、なあと肩に指を滑らせた。最も、彼以外に肌を晒す気はないのだから自作自演になるのだが。自らの唇で彼に何度も触れ。

愉しげに、滑らせた手で抱きしめる手を導き
自らの臀部へと誘う。

ズボンの中、――下着を纏わぬ其処へ]



 なあ、ちゃんと縛っとかな
 どこか行ってしまうかもなあ


[自分やったら見つけてくれるやろけど。
何処にも行けないぐらい惚れぬいている癖に、そんな事を口にして緩やかに彼の指先を臀部の奥、蕾の部分にと導く。流石に彼にSMSを送る前に脱いだのであってずっと中に下着を着てなかった訳ではないが。

そんな事など露も知らぬ彼はどう思うだろう。]



 はしたない姫様はお仕置きやっけ

     ―――なら、恋人に も?


[はしたない恋人は嫌いやろか。と首傾げ。
近距離で囁くように問い。それから、好きやろう。と勝手に結論づけて、蠱惑の笑みを浮かべれば、またキスを繰返そう。何度だってキスをしたい。其れは彼とのキスが特別な証。

ぎゅっと片手で背中に皺を作り]

[やからいっぱいいちゃいちゃしよな。と
頭を撫でて膝枕をして、それにエッチなこともして、遊びにいく。そんな普通の恋人関係を話しながら、性的な事に旺盛なのは、恰好いい恋人のせい。愛しい彼にだけ。


――腕で縛られたいとはにかみ]


 ……な、好きって言ってや
 俺はすごい好きやで、やから


[いっぱい言って。と内緒話のように耳打ちを。
自分に甘えたな顔を晒して、頬を染めよう。

幼い騎士さまと向かい合わせだった頃の如く、
純情を赤くのせて**]


 

[ 色気のないキス、だなんて言ってたくせに
  いいもんですね、なんて笑われて仕舞えば、
  なんだかくすぐったくなってしまう。

  一口食べます?と差し出したどんぶりから
  顔を上げたそのとき、唇が重なった。]



    ん っ……


[ 先程の戯れのようなキスとは違って、
  口内を味わうように差し込まれた熱に、
  ぞく、と背が、腹奥が疼くのがわかった。

  一度だけなぞった舌が引き抜かれれば、
  薄く開いたままになった唇から
  短く息が漏れて、なんだか、顔があつくなった。

  食事を終えて、休みましょう、と
  誘われれば頷いて。流石に片付けは
  やります、と申し出てワゴンに乗せた。]

 

 


  
[ 静かな部屋に、胸に、吸わせるように
  落とされた小さな声。
  「愛し方なんて、なんでもいいんですよ」と
  返そうと開きかけた唇は、
  続いた言葉に詰まって、喉奥が震えて。
  とろけた笑みに心臓が掴まれる気がして。
  そのまま大きく鳴り始めてしまう。

  右側を下にしてまた、横になったのは
  きっと、癖、だから。

  そのまま閉じた瞼。
  長いまつ毛が伏せられて
  静かにその胸が上下するのがみえた。]



    ───眠らないって、
         いったくせに、
  

[ ふたつとも、約束をなしにしておいて
  だけど、それが、嫌な気がしなくて。]

 



[ 恨言の形をした、甘い声が、
  その髪に落ちて、閉じ込めるように
  唇を落とした。 ]

 



[ そんな願いを抱きながら。]



   ………お休みなさい、雅さん


[ 名前を呼んだその人は、
  一体どちらだったのか、それは
  己にもわからないまま。

  彼の頭を優しく抱いたまま、微睡に
  身を委ねて、静かに眠りについた。]