人狼物語 三日月国


113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


 
「──鼠捕りは、無事完了だ。
 随分と"聞き分けの良い奴"で助かったよ」

仕事を終えた"蝙蝠"は、靴底鳴らして悠々と。
出て行った時と、そっくりそのままの姿で戻って来た。
まるで荒事だなんて知らぬ存ぜぬと言わんばかり。

「だが、次もそうとは限らない。
 お手並み拝見と行こうか、御先達」

「……そう。そうか」

慣れぬ言葉を聞いた異国人のように。
貴方が己の味方、ミカタ。と繰り返した。

「……………」
「それが、命令ならば」

ぎこちない弧を描く口もとは、言葉よりも表すものがあった。

あなたの大きな独り言にひとり、頷くのみ。
この平等がどうと詠われたものがこの街をどう変えるのか。
この番犬に判断や予想がつくはずもなく。

しかし、より良き生活を送れるだろうかと思えば
そこに希望の灯りを見出すこともできなかった。

この番犬に見えるのは、目の前の灯りだけ。

 
「そうか」

出来て当然の仕事だ。
褒める必要はない。必要があっても、
この人間は褒めやしないのかもしれない。

「鼠ときたなら次は野良猫が行くのはどうだ。
 元々鼠を見かけていたのもそちらだ。
 気になる、見込みのある奴を好きに勧誘して来たらいい」

「──宣言通り、片方の男を探った」

番犬は手短に、念のためあなたにだけ聞こえるように囁く。
この情報をどうするかは、あなた次第だ。

「だが
同時におれの正体までも、探られてしまった
かもしれないな」

【見】 騎兵 リーゼロッテ

「え〜〜〜〜!!ねーねー聞いたぁー!?」

ドアを潜って甲高い声が酒場に響く。

「チェスティーノさんがなんかぁー、えっとぉー、
 ソーゴテキ…チクりナントカでスッッゴイ目に遭ったってぇ!
 本人に聞いたワケじゃないけどぉ、
 ……って、あれぇ!?キョーミない感じー!?
 あ、シンピョーセーが無いってコト!?
 ロッテ全然詳しくないからわかんなぁい、ウワサだもんー」
(@0) 2021/12/08(Wed) 22:06:22
「えぇ。命令を嫌だと感じる事があれば、言ってくださいね。その時は取り下げますから。
……ん。これも命令になるんですかね?難しいな」

ふむと悩む素振りを見せ……貴方のぎこちない口元に、これもふっと口元を上げた。

完全な平等が訪れるとは思っていない。
それでも、少しでもと。そう願ってしまうのだ。
そう願い、灯りをともし続けるしかできないのだ。

「おや……私が行けば良かったでしょうか。知られた事は構いません。あちらから探られる事があれば、私の名を出しても構いません。

私が探った方は、
投票権を失った方に詰問できる
ようです。
……最も、そうする前に彼女が権利を失いそうですね」

【見】 騎兵 リーゼロッテ

エドゥアルトの態度に今更ケチをつけるでもない。
むしろ反応をくれただけ運が良かった。今日は機嫌が良いのかも!

「あっ、いるじゃん!すっごい隅っこ!そーしちゃお!」

いつもの席に槍を置き、とことこと(婉曲表現)いやに静かなチェスティーノに近寄る。覗き込む。目を逸らされる。
特に怪我なども無いようであるし、別に尋問担当者に彼をどうこうする趣味があるわけでも無かろう。知らないけれど。さて何があったのか。
逸らされた視線の先に移動すること2回。

「え、静かすぎない?だいじょーぶ?
 いつもみたく死ねクソアマ!とか言わないのぉ?
 元気無いとロッテさびしー、てゆーか何があったのぉ?
 …………
掘られちゃった?


配慮して極力声を落とすがチェスティーノは何も答えない。
(@1) 2021/12/08(Wed) 22:39:31

「自分かにゃ?お前はにゃーがそれほどまでに人に興味があるように見えるたかにゃん?

 まあいいにゃ。ホドに逆らってもいいことないのは目に見えてる。一人くらい見繕ってきますとも。
 見当たらなきゃくじ引きでもいいしにゃあ」

あーやだやだ。厄介事が舞い込んできた。
なんて言いつつ、顎に手を当てて思案する。

「──今はとりあえず、よくやったにゃ蝙蝠。
 寧ろ先達のやることの趣味が合うかは分からないが、
 次は任せておくといい、にゃあ」

【見】 騎兵 リーゼロッテ

「ウッソ!チェルちゃんそれおもしろすぎ〜!!
 なんで耳からぁ〜!?マジウケるんですけどぉ!」

チェスティーノを挟んで向こうで披露される芸にきゃっきゃと手を叩く。
が、芳しくない彼の反応に首を傾げた。
そっと耳を寄せてみるが、押し返す心の余裕も無いと見える。

「なになに〜?
 
アレをねじねじ〜っとねじられて?

 
ソレをキュキューッとされて?

 
あのアレをぐりぐりーっ!

 ってされちゃった感じ?
 こわ〜!良くない!良くなぁーい!
 ジンケンシンガイだ!えーへーさぁーん、
 ってそれは意味いか。
 うーん?つまりぃ、目ぇつけられると…」

チェスティーノの首を縛る『それ』をつつく。

「こーなっちゃうってワケ。
 えぇ〜、チェルちゃんも気ーつけなよー?
 目立つんだからさぁー」
(@2) 2021/12/08(Wed) 23:06:25

【見】 騎兵 リーゼロッテ

「お脳って出ちゃっても喋れるのぉ?
 ロッテいっぱいお脳出させたけど初めて見たかもぉー」

ちいちゃくてカワイイ脳味噌を眺め。
(@3) 2021/12/08(Wed) 23:08:19
 
「…お褒めの言葉をどうも、野良猫。
 気遣いは受けとるが、俺は甘やかされずとも仕事はする。
 無理に褒める必要は無いとだけ言っておこう」

そちらに御鉢が回った事に関しては、まあ。
それとなく、若干の哀れみの目を向けたりなんかして。

「付け加えるなら、仕事に趣味も何も無い。
 少なくとも俺はあんた達のやり方に文句は付けないさ
 …後は任せる。だからあんた達も好きにすればいい」

【見】 騎兵 リーゼロッテ

「チェルちゃんが死んだ!!このひとでなし〜!!」


「……えっ、そぉなのー!?あ、それが死霊術ってヤツ!?
 『泥掬い』さん…じゃない、ペトルーシャさぁーん、
 チェルちゃんを地獄の底から呼び戻して…
 …って、え〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
 ペトルーシャさんもアレをねじねじされちゃうのぉ!?」

ミズチの発言にころっと振り返って、その拍子に掲示板が目に入った。大袈裟に驚いているように見えるだろうが、少女は素である。

「え、あのヒトとかチョーゼツ縁なさそーなのにぃ。
 どーゆー基準?よくわかんなぁーい。かわいそぉー」
(@4) 2021/12/08(Wed) 23:26:24
リーゼロッテは、これ(脳味噌)誰か戻したげてよぉー。と指さした。
(t0) 2021/12/08(Wed) 23:28:10

「……嫌? 嫌でも従わなければならないのが命令だ。
 貴方は、……そうだな、きっとやさしい、のだろう」

やさしい、の使い方はこれであっているかは、わからずに使う。

「俺が探った男には、おれはほとんど関わったことがないが。
 この件にはさほど興味がなさそうに見える」

だが、貴方の言葉を心得はしておこう。

「貴方は……彼女とは、親しかったのだろうか」

貼りだされた名を思い出す。
貴方が何かを呟こうとしたことも耳の良い青年は、すべてではないが、聞こえていた。

【見】 騎兵 リーゼロッテ

「アイシャちゃん、やってみる?お脳戻し」


目についたから言ってみただけである。
(@5) 2021/12/08(Wed) 23:39:05

【見】 騎兵 リーゼロッテ

『泥掬い』の女が物言わず席に着くのを目で追って。>>16
チェスティーノに「元気出しなよぉ、とりあえず生きてるしぃ」とひとこと告げて、とりあえず脳味噌は放置した。
放っておいても多分そのうち自分で戻すのであろうし。
水を向けたアイシャは困っているかもしれないけれど。

「ねぇねぇ、死霊術って死んでればなんでもいーのぉ?
 生きてた時のセントーノーリョクが反映されるの?
 そーじゃないなら誰でも強くなれて良さそーだよねぇ、
 
あのときみたいにぃ


指すのは明らかに先の戦争。遠い場所で起きたそれ。

「つまりぃ、
 チェルちゃんを今ここできっちり殺し…
 あ、起きちゃった。 なんでもなぁーい♡」
(@6) 2021/12/08(Wed) 23:54:56
リーゼロッテは、アイシャちゃん、謝ったほうがよくない?
(t1) 2021/12/08(Wed) 23:56:21

【見】 騎兵 リーゼロッテ

「だいじょぶだよぉフランドルさん、チェルちゃんならきっと…
 ロッテ達の為に再び立ち上がってくれるよ…!
 燃えるおハートにきらめくお目目、
 立てば癇癪玉、座れば爆破ボタン、
 歩く姿はディジーズ・トレント…!」

?(?)
(@7) 2021/12/09(Thu) 0:08:19
「では、私の命令は『嫌な時は嫌と言っていい命令』という事でよろしくお願いします。

誰かを縛る事に、慣れていないだけですよ。
私は此方に縛られた者を彼方へ導く者ですから。
……ですが、やさしいと思ってくれた貴方の気持ちは素直に受け取らせて頂きますね」

ゆら、ゆら。幽かに揺れるカンテラを撫でる。

「そうですか。……不死者が関わっている訳ではありませんから、さもありなんといった所でしょうか。
何もなければ、それはそれでいいのです」

 
「興味がないからこそだ。
 好意の有無で左右される人間じゃないだろう。

 同じ様な人間ばかり好みで選んでいたら、
 徒党は組めても組織は成り立たない。
 そう言った点で見る目はある部類と見ている」

適切な人間を呼べるだろうと言っている。

最もただ好みで選ぼうとも野良猫の好みであるなら
別段問題でもないと踏んでいるのもあるが。

「つけられるような場所で行いもしない。
 何より勧誘相手の反応を見れば問題も発露──

 ああ、相手を決めたなら早めに教えてくれ。
 こちらも準備がある。そこは外して整えるとする」

「……聞こえていましたか?」
名を呟いた。どうしてと、誰に向けるでもない問を零しかけた。気まずげに頬を掻く。

「旧知の仲です。私がここに来る前からの。
死に近い我々は忌避もされやすい。
真実であれ虚偽であれ、疑いを向けられやすい立場でしょう。
遅かれ早かれとは思っていましたが、こんなに早いとは」

すっかり塞ぎ込み端にいる、鼠の青年をちらと見る。
……この事態を引き起こした者達を支持する立場だ。けれど、彼女が酷い事をされなければいいと思う。

「……………………おかしな命令だ…………」

けれども、それが命令ならば従うほかない。しずかに頷く。

「貴方の言葉を借りるのならば、おれは貴方に導かれている、といってもきっと、間違いではない」

縛るほどの命令を受けている感じはない。
ガルムは、未だ、自由に不自由を感じる性だ。
今までの主と比べればそうなのはほとんど必然。

「……そうか」

青年はそういった仲の存在を知らないから、こんな時にかけるべき言葉がみつからなかった。

「おれにできることがあるのなら、命令を」

そうして、行き着く先はそれだけだ。

「………………鼠の男のあの目は、覚えがある」

遠い記憶だ。怯えたような、恐怖に苛まれた目。
きっと、いう通りにしなければ殺すとでも、脅されたのだろうか。あのみょうちきりんな首輪だって、あからさまに怪しい。

名を張り出された者が同じ目に合うとしたら酷い目に合うことは逃れられないのかもしれない。

【見】 騎兵 リーゼロッテ

>>31 ペトルーシャ
「なるほどぉ〜…そっかぁ、怖くて足竦んじゃったりしたら
 兵士としては使い物になんない…ってコトだね!
 いつかそのうちロッテも怖くてぷるぷるしちゃうかも?
 そしたらそしたらぁ、ペトルーシャさんに操ってもらおーね♡
 ペトルーシャさんなら上手く使ってくれるってロッテ知っ…
 あれぇ!?持て余されちゃうのぉ!?」

指を合わせて夢見る乙女のポーズでうっとりと語るが、返事は素っ気なかった。

「『脳刺しそれ》言わなくっていいからぁー!
 その杖で《泥掬い》はちょっと可愛いからいいよねぇー…
 でもアレかなぁ?それで恨みとか買っちゃってる?
 痛い目遭わされたらお治し代くらい奢ってあげるねぇ。
 同じ戦場にいたヨシミってヤツー」

掲示板をちょいちょいと指して。
後ろめたいことが無ければ酷い目に遭わない――とは限らない。この街では、特に。そのくらいはINT1でも解る。
(@8) 2021/12/09(Thu) 18:05:36

【見】 騎兵 リーゼロッテ

「ヒュージキャンサー………」

掲示板を眺めるついで、新聞記事の切り抜きが貼られていることに気がついた。神経が太くINTも1なので、そっちにも目がいってしまう。

ヒュージ・キャンサー。

成人ヒューマンが30人乗っても潰れない巨大な蟹の魔物である。
発達した甲殻と鉗脚(ハサミ)は素人を寄せ付けず、冒険者が集って祭りのように狩るもの。

「………あのすっごいでっかいカニ?出たんだぁ。
 そのうちカニ鍋食べられるかもねぇー」

誰にともなく世間話を振って、小首を傾げた。
(@9) 2021/12/09(Thu) 18:17:25

【見】 騎兵 リーゼロッテ

「そうだねぇー、ココまで来てくれたら手間もハブけるなぁ。
 ウップン溜まってそーな人手もあるしぃ。
 ちゅーか《脳刺し》関係あるぅ?
 ハッ! 
かにみそ…!?


倫理観、ゼロ!

「んっ、エアハートさんやる気ぃ?
 じゃあロッテもがんばっちゃおーっと!
 いっぱい取れたら首輪つきさん慰めカニ鍋会だねっ!
 ハサミのとこがおいしーんだよねぇ、あれ〜」

大真面目なエアハートと素のリーゼロッテ。
この酒場における槍二振りに必要なもの、それはツッコミである。
(@10) 2021/12/09(Thu) 18:44:28

【見】 騎兵 リーゼロッテ

「死んじゃうひとぉ? うーん出るかもよぉ?
 いっぱい血吸ってハサミが赤くなったヤツほど
 食べたらおいしーらしいしぃ。
 ってコトはぁ、人くらいヨユーで殺すってコ、ト♡」

スカリオーネの真意を察することなくウインクを送る。
ちなみにスカリオーネの商売もいまいち理解していない。
(@11) 2021/12/09(Thu) 18:47:47

【見】 騎兵 リーゼロッテ

「だからぁーっ、《脳刺しそれ》もういいってぇ!
 死体を玩具に…?解体してキメラな剥製作るとかぁ?
 そーいえば死んだヒトってジンケンあるのかなぁ。
 それともモノ扱いでショユーケン?かなぁー」

首をもう片方に傾けて、骸狩りの言葉から素朴な疑問を口に出し。

次々上がる固辞の言葉と、対照的に乗り気なエアハートの声を耳に入れ。それならばと、仕草だけは少女らしく拳を握った。
伴って篭手ががしゃんと音を立てた。

「かにみそおいしーんだよぉ!なんかぁ、濃厚ーっ!な…
 なんだろ?例えようがないかもぉ。
泥?

 じゃあ〜、エアハートさんハサミ狙いね!
 シュシュさんの為に目玉も残しといてぇ、
 オーウェンさんにお鍋用意してもらってぇ。
 うんうんっ! コッチ来るの待ち遠しいねぇー」

来たら甚大な被害が、の文がスコンと頭から抜けている。
実際にヒュージキャンサーがやって来るのなら、この酒場にたむろする面々もそれなりに働かされるかもしれない。
(@12) 2021/12/09(Thu) 21:32:00
「生者は変わりますから。
貴方が誰に言われるまでもなく、貴方の望みを持つ事もありましょう」

導く者がいつか手から離れて行く事を知っている。
今までそうだった故に、それが当然だと。
これもまた、今までと比べてそう考えるのだ。

「ありがとうございます。
ですが、こればかりは手の出しようがない」

この状況で直接動けば厄介な事になる。
貴方が仕事を失敗させるとは思っていない。
ただ、その後の身の振り方は厳しいものになるだろう。
ヨルムガルドから出ざるをえなくなる可能性もある。

「相当酷い目にあったのでしょうね。
妙に目立つ首輪は見せしめも兼ねているのでしょうか。
あのようにならない事を願いますが……まったく。昔も今も、何もできないというのは嫌になる」

「………………おれの望みか、どうだろうな。
 持ったことがないから……今この自由すら、持て余している……」

強いて言うなら、貴方の役に立つことだろうか。
それは己の望みなのか、それくらいからっぽだ。

「ヒトはみな、あるものなのだろうな。貴方にも」

「こうして、ひそかに探るしか、まだできることはないと。そういうことか」

「……では、次は誰を探るべきだろうか」

ずっと、定位置で立っているが、一応周囲に起きることは観察をしている。気になる人物といえば、みな、いつもどおりのように見える。突飛して気になることはない。

特に命令もなく"このまま"でいけば。
あの配達屋を探ることになりそうだ。

■■は彼に憧れていた──。
彼には才能があり、決してそれを鼻にかけず、義理と人情を重んじ、この街においても人々から好かれ、■■はそんな彼を幼少の頃より誇りに思っていた。

『■■もおおきくなったら■■になるっ!』

これを言うと彼は喜んでくれて、■■はなにかにつけてよくそう言った、本心だったからだ。
夢を実現する為に■■は努力を怠らなかったが、彼が亡くなった際にそれを継ぐことが出来なかった。
■■はまだ若く、一人前とはいえない見習いだったからだ。

しかし、■■は彼が死してなお目標とし、努力を怠らなかった。

「大小あるでしょうが、それなりにあると思います。
より良き生活を送りたいというのも、望みですからね。
柔らかな布団で寝たいだとか、おいしいものを食べたいだとか。……ガルムにはそのような望みも、無いのですか?
いったいどのような環境で過ごして、」

そこまで口にして、これは命令になるのだろうかと言葉を止める。
もし良くない環境で育ったなら、もし良くない記憶があるのなら。
それを掘り返していいものだろうか?

「えぇ。今は、まだ」

「そうですね。次は―――」

常のごとくここは賑やかだ。
首輪がつけられても御布令が出てもそれは変わらない。
誰も彼も、変わらないように見える。
微かな灯りが、揺らぐ。
―――灯りは花売りの少女を映していた。

「誰かがきめるのではなく、おれの望みといわれると」

「……むずかしい……」

抱えるように、片手で顔を覆い隠した。
貴方の問いに、ガルムは足りない脳みそを回しているようだった。

「おれは、子どもの時からずっとこうだ
 ルールが決められていて、それが当たり前で
 望みをもつことはゆるされなかった」


「きっとそれが、こびりついている……」

「でも、それでいいと思っている」

己の環境をわるいとは、言わない。
けれどそれはどこか、諦めたような言葉。

 
「今は、貴方の役に立てればそれでいい」

「……では、おれもまた調べがついたら報せよう」

今宵知ることができる結果がわるいものであってほしくはないという望みくらいは、ガルムにもほんのすこし、あるらしかった。


「うーん……特にコレってのがいないからくじ引きの方向かにゃあ……」

とりあえずの現状の報告だ。

「もし因縁の相手ができたり、あからさまに掴んでおくべき奴を見つけたなら、今じゃないにしろ順番とかは気にしないでもらっていいからにゃ」

 
「因縁などでは全くないが、そうだな。
 ≪掃除屋≫と話していて気掛かりな事があった。
 だが、準備がまだかかる。故、もう1日様子を見て──
 猫が違う者を選んだなら次はそこに行くつもりだった。

 無論、そちらも掃除屋に行くなら止めるつもりはない。
 あくまで革命軍の利になるならそれでいい。任せる」

「ふん?まあいいにゃ、それならばくじからは外しておく。
 もし出たら捨てるにゃ、気味が悪いから。

 にゃーも彼には思うところがある。とはいえ、優先するべきなにか、までは掴めたわけじゃないにゃ」

「今待たせてる人たちとの話を終えたら……沙汰を決めるとしましょうかにゃ」

 
「…新参者と違って、あんた達なら
 前々から目を付けていた奴の一人や二人くらいは
 居るだろうと思ったが、そうも行かないか」

「まあいい、くじ引きだろうと何だろうと
 成果が出るなら他の連中も構わないだろう。
 あんたは"野良猫"らしく、気の向くままにやるといい」

「……先引いときましょ。間に合わないのもアレだしにゃ」

じゃかじゃか〜〜じゃん!<<ペトルーシャ>>who

捨てた。

じゃかじゃか〜〜じゃん!<<オーウェン>>who


「……腐ってるにゃ、このくじ引き」

当たるまで、やります。<<アンゼリカ>>who

「ふうん?掃除屋の話をしてたら奇しくも、にゃあ。
 言動に気がかりな部分はあったし……うん、後詰めには悪くないにゃ、ね」

 
「……先が思いやられる出だしだ」

たまによくある。

「…あの見習いか。
 以前怪しい言動をしていたし、いいんじゃないか
 黙らせるにしても引き込むにしても、
 こちらにとっては利になるだろう」

「……今は、ゆるされていない訳ではないんですよね?」

確認するような、言葉。

「当たり前を変えるのは難しい。
ですが、ゆるされている事をしないのは少々勿体無い。

そのような生き方もあるのでしょう。
私が感じるより悪くはないのかもしれません。
けれど、私は貴方が貴方に、自身の望みをゆるせるようになって欲しいと思います。
こうして関わったのもなにかの縁でしょうし……役に立つと言ってくれる貴方に、私も報いたいと思います」