人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


宵闇 夕凪
竹村茜 夕凪
清和 夕凪
百千鳥 夕凪
卯波 夕凪
涼風 夕凪
添木 夕凪
鬼走 夕凪
夕凪 夕凪
御山洗 夕凪
花守 夕凪
編笠 夕凪
青嵐 夕凪
髪置 夕凪

処刑対象:夕凪、結果:成功

卯波! 今日がお前の命日だ!

柿の種子の飛来を確認(第2夜

囃子のような音を確認(第2夜

[犠牲者リスト]
卯波

事件:幽界の歪み

本日の生存者:宵闇、竹村茜、清和、百千鳥、涼風、添木、鬼走、御山洗、花守、編笠、青嵐、髪置以上12名

 
 あまり手の入っていない、雑木林の中を分け入って少し。
 今はもう、誰も参る事の無い、寂れた神社。

 昔もお婆ちゃんっ子やお爺ちゃんっ子でもなければ
 この場所の存在は殆ど誰も知らなくて。
 だからここは、今も昔も二人だけの秘密基地だった。

「みんなは来てくれるかなあ」

 月日に埋もれる事も無く、今も形を保ったままの石畳を踏んで
 一人ぼっちの王様は、ここじゃなくてもいいやと笑う。

「来ないってことは、
 他にもっといい場所があるってことだものね」

「ひとりじめなんてずるいから、それなら探しに行こうかな」

「だってみんなの秘密基地は、一つだけじゃつまらない!」
 

【人】 警部補 添木

>>200 御山洗
「だからこそだよ。若者に任せてくれてもいーんじゃなーい。ほらほら、座った座った。

あー、それでなんだ。なんでチヌが?って思ったし……。


って、うわっ、御山洗さん?!大丈夫!?」

倒れた相手に大層驚いて、慌てて相手を助け起こそうとするも、随分重そうだ。
なんとか気道は確保したいが、寝ているだけ…だろうか?

「もしもーし……おきてる…?無事?」
(0) 2021/08/12(Thu) 21:01:26
天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2021/08/12(Thu) 21:02:48

髪置は、川から上がり、採ったザリガニとカマキリを戦わせている。
(a0) 2021/08/12(Thu) 21:09:19


【人】 巡査部長 鬼走

>>2:164 >>2:@7 百千鳥 夜長 【2日目釣り】
2日目時空ですが見学の夜長さんがいるのでこちらでお返しします。


「鬼走で合ってる。百千鳥は記憶力がいいな」
「ああ、釣れたな」

無口な男二人に挟まれている少年の構図。その中心に捉えられた大物がスイスイ、もしくは狭苦しそうに泳ぐ。

「彰良は本当に準備も面倒見もいい。昔からその気質はあったが、頼り甲斐が出てきた。他はそう変わらなく思えるのにな」

焼いてもらう発言を聞きながらバーベキューが組み上げられて行く様子を見る。夕凪とこの二人の手伝いが終わった後は、自分も御山洗の手伝いに行こうとするだろう。
(1) 2021/08/12(Thu) 21:42:37
夜長は、こくり、頷いて。それから、二人と別れて釣り具を片付けた後は、御山洗の手伝いに行っていた。>>1
(t0) 2021/08/12(Thu) 21:55:08

御山洗は、きっと朝まで起きないだろう。口が大きいせいか一口も大きく、半量飲んでしまったようだ。
(a1) 2021/08/12(Thu) 22:01:11

御山洗は、家まで運んでやれば問題ない筈だ。離縁した父親の実家に運んでも、誰も訝しみはしない。
(a2) 2021/08/12(Thu) 22:02:07

誰もいない家で一人眠ることになった、そして、再び川辺には訪れなかった。

村で見かけられなくなった。どこに泊まったかも誰もわからない。

清和は、御山洗の酒の弱さに内心では少し驚いていた。
(a3) 2021/08/12(Thu) 22:07:50

清和は、酒に強い。
(a4) 2021/08/12(Thu) 22:10:59

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

「……いやいや、全然!そんなことないですよー!
 え?あはは、やだなあお婆ちゃんったら…うん?
 うん、わかった!モモチに任せて!」

 それじゃあいってきます、と言って広い玄関を潜る。
 まだ来て数日も経っていないけれど、涼風の祖母は優しくて。
 よそよそしさは殆ど消えて、既にもう一つの家のようだった。

 それから、今日は何をして遊ぼうか、と考えて
 川遊びをしていた時、卯波や夕凪が
 近くの海について話していた事を思い出した。

「……海、海かあ…
 みんな、誘ったら来てくれるかな?」
(2) 2021/08/12(Thu) 22:16:29
百千鳥は、昨日のように目に付いた人に片っ端から誘いを掛けて回った。
(a5) 2021/08/12(Thu) 22:17:29

百千鳥は、夕凪の事も探しに行った。遊びに行くなら、みんなと一緒がいい。
(a6) 2021/08/12(Thu) 22:18:35

夜長は、あの川辺で自分から酒を手に取らなかった。
(t1) 2021/08/12(Thu) 22:19:19

夜長は、それはそれとして酒には比較的すぐ酔うがずっと飲めるタイプだ。
(t2) 2021/08/12(Thu) 22:19:26

宵闇は、酒は好きだが、バーベキューや水遊びではしゃいでいる内に飲むタイミングを逃した。
(a7) 2021/08/12(Thu) 22:25:15

鬼走は、夕凪に誰かがついてきたなら任せたし、そうでないなら彼女が起きるまで見守って、それから別れただろう。
(a8) 2021/08/12(Thu) 22:25:32

鬼走は、以降、何度夕凪を送って行った筈の家を訪れても彼女に会えない事をまだ知らない。
(a9) 2021/08/12(Thu) 22:26:33

 あまり手の入っていない、雑木林の中を分け入って少し。
 誰も来なくなってしまった、秘密基地。
 月日に埋もれる事も無く、今も形を保ったままの石畳を踏んで。

 違和感に気づいた、もしかしたら自分だけ。



「―――なれなかった」



 聖なる乙女のような君になりきる事が出来なかった。
 自分は誰も導くことが出来ない子供のまま。
 なりきれなかった自分は何か大切なことを忘れている気がする。
 どうしてここにいるんだろう、何を忘れているんだろう。
 夕凪がここにいたい理由は――――。

 遊びたいか ら ?


『強く思い出さなきゃ。
 ”この田舎”に縋る以外にすることがあるはずって、伝えるんだ』

夜長は、こくり、百千鳥の誘いを受けた。>>a5
(t3) 2021/08/12(Thu) 22:30:26

【見】 天狼の子 夜長

>>a5>>t3 百千鳥

「……そう、モモチさん。
 海には、秘密基地になりそうな場所はあるだろうか?」

 誘いを受けたついでに聞いてみた。夜長が雪子を探しているというのはもうみんな聞いているだろう。それにどういった印象を抱いているかは、人それぞれだが。
(@0) 2021/08/12(Thu) 22:30:55


「あそびましょう、狼さん。
 なんだか向こうに狸さんもいるみたい。
 面白いな、ずっといたい気分になってくる」


あなたの言葉を聞きましょう。
あなたの楽しいことをしましょう?
あなたと一緒に過ごしましょう。
それが、夕凪にとって幸せなことになるはずだから。

みんなの秘密基地は、やっぱり賑やかじゃないと寂しいから。

  百千鳥

夕凪はいくら探して見つからなかった。
だけどあなたが誰かに声をかけている内にひょっこり顔を出す。
自然の香りを纏わせながら、夕凪は楽しそうに笑いかけただろう。

「モモチくん海に行きたいんだって?
 夕凪が運転しようか、昨日ぐっすり寝たから今日は元気なんだ。
 やりたいことがあったら、何でも用意してあげる!」

 
「──ようこそ!」

一人ぼっちの王様は、待ちわびたとばかりに来訪者を出迎えた。

「いいよ、いいよ、一緒にいつまでも遊んでいよう。」

迷夢の中に、甘い肯定を投げ掛けて

「遊び相手だって、遊び場だって、いくらでもあるんだから」

「みんなもきっと、みんなの居るこの村が好きなはず」

どこまでも、幼気な夢を謳う。

「ずうっとここに居たいはず!」

きっと、皆がそうなのだと信じて疑う事も無く。

「だからみんなでずっと、遊んでいよう?」
 

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>@0 夜長

「秘密基地?」

 夜長からの問いを、ころりと首を傾げて復唱した。
 人を探しているのはそれとなく聞いていたけれど
 目の前の大人の人から、そんな言葉が出てくる事が
 あまり結び付かなくて、子供心になんだか意外だったのだ。

「うーんとね、今もあればだけど…
 たしか、あんまり使われてない海の家があったはず。
 そこなら秘密基地になるんじゃないかなあ?」

 それでも尋ねるからには何か理由があるのだろうと
 秘密基地、の心当たりを一つ答えてみせた。
 子供の行くような場所は、子供に尋ねた方が早い。
(3) 2021/08/12(Thu) 22:51:47

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>+2

「あ、夕凪姉!
 うん、昨日みんなが行きたいねって言ってたの思い出して!」

 ひょいと顔を出した捜し人に、ぱっとそちらを振り向いて
 問いに答えを返して、何をして遊ぼうかと考える内に
 見付からなかった事の違和感など、遠くへ消えてしまった。

「そっか、車で行かないとなんだよね。
 じゃあモモチ、もう少しみんなの事を呼んで来るから
 夕凪姉にはその間に色々準備してもらっていい?
 えっとね…そうだ、夕凪姉は何して遊びたい?」
(4) 2021/08/12(Thu) 23:03:13
卯波の撮った写真は、現像もしていないのに、家に散らばっていた。

愛用のデジタルカメラと、『晶』と書かれたインスタントカメラを置いて、何処かへ行ってしまった。

【見】 天狼の子 夜長

>>3 百千鳥

「後で、案内をもらっても大丈夫、ですか?
 母さん、そういう所に隠れているかもしれないんだ」

 意外に思われているとは思っていない。彼は至極真面目に秘密基地のことを聞いている。
 
慈姑に聞こうとも思ったが、慈姑は慈姑で最初に挨拶をしてから姿を見ていない。


「母さんは秘密だから秘密基地なんだと言っていたし、
 実際そうとも思うから、内緒なら内緒で構わない」

 使われていない海の家。それを聞けただけでも十分ありがたい。あなたはどうしたい人だろうか。
(@1) 2021/08/12(Thu) 23:12:22
夜長は、ゆるく首を傾けて、百千鳥を見ていた。
(t4) 2021/08/12(Thu) 23:12:37

【人】 少年 編笠

>>c3
「……おィ? 卯波あいつ。
 こんなとこに大事なもん落としていきやがって。
 いや……デジカメもあるぞ?
 こんなもん置いて、どこ行ったんだ?」

とりあえずその約束のインスタントカメラを
先に見るのはマナー違反だろう。
何か心変わりがあったのかもしれねぇ。
あいつが渡したくなるまで見ない振りしとくか。

何が何でも、こっちのはここに居る間に受け取らせるが。
(5) 2021/08/12(Thu) 23:17:25
寂れた神社の縁側に座って、
ふらふらと足を揺らしている。

「二番目。おまけ。
 ついてくるもの。
 枠の外だけの子。
 
 あははァ……何も変わってないんだ」

心からの対抗心を向けて、
心からの嫉妬を向けて、
そうして受け取った感情は、

『あなたも大切だけど、
 他にも大切な人がいる』

という残酷な言葉だった。

連れてきてもらった子の肯定が心に染み渡る。
田舎の外に対する想いが消えて、田舎の中の気持ちだけになる。

周りの景色の綺麗さが、ひたすら毒となって、
自分の身体を蝕む──そんな、思いだ。

 百千鳥

「いいよー、任せておいて。
 歩きでも行けると思うけど、持ち物は車が楽だからさ。
 眠くなっちゃった人も運びやすくなるからね。

 やりたいこと? 夕凪はスイカ割りもしたいし、泳ぐのもしたいな〜。
 あとはー」

 あたりを見渡して、頬に指を当てながら子供のように何かを考える。

「みんなを巻き込めたら何でも!」

例えばビーチフラッグ。
例えば本格的砂のお城建築など。
他の貝殻集めや女の子らしい提案は夕凪からは出てこないようだった。

「……カメラ、何処か行っちゃった」

唯一の取り柄であった、
思い出を四角に切り取ることすらできない。

劣等感に押しつぶされそうだ。

「……」

微笑む。
いつか自分がカメラに映るために練習した笑顔は、
自分の心を覆い隠す殻となって顔に張り付く。

それでも、抑えきれない涙を、
指先で拭って──ふと、手を見つめる。

また頭がちくりと痛む。
言いようのない違和感だけが、そこにある。

自分の華奢な指先と、青年らしいしっかりとした指が、交互にチラつくのを見た。

【人】 花守

「秘密基地かあ、まだあるかな」

彼女が秘密基地と呼ばれる場所に行っていたのは10年よりもっと前、成長するにつれてだんだんと足を運ばなくなり、入れ替わる様に新しい子供が加わったりして、特に決まりがあった訳でもないのにそうやって代々受け継がれていた、子供だけの秘密の場所。

所在も記憶の彼方で、でも何故か今になって惹かれるものがある。
そう、いくつかあったような……?

「海の見つければ、他のも思い出すかも。
 ちょっと探し出して見ようかしらね」
(6) 2021/08/12(Thu) 23:33:01

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>@1 夜長

「母さん……えっと、雪子さん、だよね?」

 大人の大きな背を見上げて、念の為にもう一つ尋ね返した。
 狭い田舎の中だから、人の事はすぐに覚えられるけど
 それでも念を入れて悪い事はない。

「ううん、案内するくらいなら全然!
 秘密だから秘密基地、っていうのはわかるけど…
 ひとりじめはずるいし、他の誰かに見つかっちゃう場所なら
 そもそもそこを選んだのが大失敗!それに……」

 まだまだ子供の少年は、にっかり笑って言い切った。

「かくれんぼだって、見付けてもらえなきゃさみしいもん!」
(7) 2021/08/12(Thu) 23:33:30
メモを貼った。

【置】 おかえり 御山洗

がば、と体を起こす。汗だくの顎から伝った汗が布団にぱたと落ちた。
ここは自分の家だろうか。少し片付けられた部屋は確かに自分の部屋だ。
昨日は――……添木から渡された缶で喉を潤して、ふっと浮いたような感覚を覚えて、
それから先の記憶が、あんまり無い。ひょっとすると、あれはお酒だったんだろうか。

「失敗した……確認しなかった俺が悪いな。謝りにいかないと……」

急に缶を渡した人間が倒れたりしたら、相当焦ったことだろう。
気に病ませてしまったなら申し訳ないし何かお詫びを考えておかねばならない。
それにしても。
まだ曖昧に現実と交じる夢が、今にも消えそうな霞のまま、瞼の裏にフラッシュバックする。
今こうしてるうちにもどんどん水に浸した髪のように消えていくけれど、あれは。

「――……」

首筋の汗を拭く。肌を透かした下にある肉が、熱を持ったように熱い。
(L0) 2021/08/12(Thu) 23:42:57
公開: 2021/08/12(Thu) 23:45:00
編笠は、誰かを探している。
(a10) 2021/08/12(Thu) 23:45:02

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>+4 夕凪

「やった!」

 了承の言葉に飛び跳ねんばかりに喜んで
 それから、羅列されるやりたい事、にふんふんと頷いた。

「わかった!じゃあモモチ、みんなの事呼んで来るね!
 清和も翔兄も、引き摺ってでも連れて来る!
 あと今度こそ着替えてサンダル持ってって…」

 その中に、女の子らしい遊びが含まれていなかった事は
 百千鳥にとっては、幼い頃に一緒に遊んだ夕凪が
 今も変わらずそこに居るようで嬉しかった。

 モモチもスイカ割りやりたいなあ、なんて
 海でできる遊びを指折り数えてから、
 集合場所を決めて、また皆を呼び回りに一度別れただろう。
(8) 2021/08/12(Thu) 23:47:46
メモを貼った。

境内からでて、自分の家へとまっすぐ進む。手入れのされてない雑木林を、まっすぐ。

結局カメラを持っていないと落ち着かない。

 
秘密基地は、みんなの国。

一人きりの王様は、ある時不意に、二人の迷い子に呼び掛けた。

「ねえ、みんな!」

みんなは誰と遊びたい?


「アタシ達、きっと二人が連れて来てほしい人を連れて来るよ」

「一番に遊びたい人を呼んで、それからいろんな事をして遊ぼう」

「──いつまでも!」
 

/*
という事で墓下のお二人に次回襲撃先のアンケートなのじゃ!

とは言っても妾、黙狼どのの襲撃先は本当に自由にしてほしいと思っておるからの
だから絶対に連れて来る事ができるとは言えないのじゃけど、
妾一人で決めてしまうのも勿体無いから是非お聞かせ願いたいのじゃ!

あくまでも参考にしたい程度のものじゃから
ロール的にはこの人が居てくれたら嬉しいな、くらいで
あまり気負わず答えてくれると嬉しいなのじゃ!
いずれはみなを連れて来たいの……のじゃ……のののじゃ…

【人】 おかえり 御山洗

海で遊ぼう、という言葉(>>a5)を頭に留めておく。
きっとまた、あの子供の一声でみんなわっと一箇所に集まるんだろう。
水着はさすがに持ってきていないが、潮干狩りの用意くらいは出来るだろう。
それより、今日の午前は昨日借りた道具を返しに行くのが先になるが……。
(9) 2021/08/13(Fri) 0:28:03
御山洗は、集落中を駆け回りつつ、ついでに添木も探しているようだ。
(a11) 2021/08/13(Fri) 0:28:32

【見】 天狼の子 夜長

>>7 百千鳥

 こくり、頷いた。雪子さんのことです。

「ありがとう、モモチさん。……ああ、そうだな。
 俺も、かくれんぼで見つかる時は、最後の方だから」

 こくり、またひとつ。それがさみしいことなのは、よくわかる。

「雪子さんは、隠れるのも見つけるのも上手で。
 俺は見つけるのは上手でないが……早く見つけられるといいな。
 昨日みたいな賑やかな場に、母さんがいないのは本当にふしぎ」

 水鉄砲を手にしたあなた達がとてもたのしそうだったのだとか、初めての釣りで大物を釣り上げたのだとか、この村に来て彼女に話したいことが積もっていっている。

「あ」

 思い出したように、雪子さんを見つけたら自分に知らせるか、家に顔を出すように言ってほしいとの旨を告げる。夕凪夜凪の親族なのが一目見て分かる程度であるとのこと。

「モモチさんは、まだ他の人にも声を掛けていく、よな?
 また後で、よろしくお願いします」

 控えめに片手を上げて。手を振るのか振らないのか絶妙に判断しがたいが、彼の思考自体もそんな感じだ。あなたがまだ話す気配があるのなら、手を下げるつもりでいる。それくらいの。
(@2) 2021/08/13(Fri) 0:31:57

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>@2 夜長

「まっかせて!モモチ隠れるのは下手くそだったけど、
 探すのはけっこう得意だったから!」

 しんしんと降り積もる言葉に得意げに胸を張って見せて、
 それから付け足されたお願いと問いに肯定を返した。

「うん、わかった!まだまだみんなを呼ばなきゃだから
 またあとでね、和臣さん!あ、そうだ…」

 ぱっと手を振って別れようとして、ふと思い当たる。

「モモチ、でいいよ!」

 まだまだ子供と言って差し支えない少年は、実に子供らしく
 自分の言いたい事だけを言い残して駆けて行くのだ。
(10) 2021/08/13(Fri) 0:54:21

【人】 警部補 添木

【3日目 朝 とある旅館の一室】

「ふわ……………」

浴衣のまま、ぼりぼりと胸元を掻く、
そのまま広縁(窓際の椅子とかがあるスペースのことだゾ)の椅子に腰かけた。

「あー……飲み過ぎた。頭痛……。」
(11) 2021/08/13(Fri) 0:55:44
夜長は、少しの間の後に、こくり。控えめに手を振り、百千鳥を見送った。「モモチ、それじゃあまた」
(t5) 2021/08/13(Fri) 1:01:04

百千鳥は、一度振り返って夜長に手を振った。「またあとで!」
(a12) 2021/08/13(Fri) 1:04:08

【人】 警部補 添木

>>2:201 夕凪(前日バーベキュー時空 〆だけこちらで)

「勉強は本当に嫌いだったー。でも、後から気付いた。勉強が嫌いっていうより、非効率なのが嫌いだったんだなーって」

肩を竦めて笑いながら、相手に頷いた。
水辺なものだから、いつもより楽しくてはしゃいだ。危ない遊びもしたが、大人たちが厳しく管理してくれたので安全だったであろうことは、今になって癪だが、わかる。

「ハハ、そっち〜?勿論だよ。大人になってからそんなことしないよ。クビにされちゃうしね。今なら……、夕凪も沢山連れてけるよ。

ごめんね、昔は、どうしても危ない目に合わせるのが嫌で、たまに巻いちゃったから。今、謝っても遅いけどね……。……その分、今回の帰省はさ。行こうよ、あちこち」

……なんて、笑いかけた。 だって、この平穏な日々は、もう少し続くと思っていたから。
(12) 2021/08/13(Fri) 1:11:27

【人】 警部補 添木

>>a11 
御山洗

この日は、自分の住んでいた古びた家を掃除している。
澄んでいた祖母が死んでから、多分近所の方の好意でギリギリ残されていて、誰も住んでいなかった家だ。
(13) 2021/08/13(Fri) 1:12:58

【置】 迷子の少女 竹村茜

川遊びの終わった後、初日と同じように宿泊していた家に戻る少女の姿があった。

日差しにより殆ど乾いたTシャツと、湿り気を帯びた髪が重ために揺れて。

少女の入っていった先には年季の入った
『立花』
の表札がかかっている。

「……戻ったよ、婆ちゃん。

 今日も、いないの?」


誰からの返答もないことを確認すると、表情に影が差して。
"昔あてがわれた部屋"
に向かう。

家具も殆ど無い部屋はあの時よりも狭くなったはずなのに。
とてもとても、広く感じる。


この村に来てから、ずっと胸が痛くて。
心に穴が開いたような気持ち。


この痛みが何を表してるのか分からなくて ただ、寂しい気持ちが募っていく。


「……会いたいよ」



どこにいるの?
(L1) 2021/08/13(Fri) 1:15:55
公開: 2021/08/13(Fri) 2:00:00

【人】 髪置

【3日目 朝】

「ううー……べっくし!」

2日目に長時間濡れたままだったせいか、
うっかり風邪を引いてしまった髪置だ。

「なんか、くしゃみめっちゃ出る……噂されてますか?」

しかも風邪の存在をまだ知らないらしい。
ふらふらする体に首を傾げながら、
昨日仕掛けた虫用の罠を見に行った。
(14) 2021/08/13(Fri) 1:21:46
髪置は、今日こそセミに……勝てた
(a13) 2021/08/13(Fri) 1:27:48

【人】 巡査部長 鬼走

>>11 添木
「好きにしていろ。とは確かに言ったが、お前達も飲みすぎた上に二日酔いになれという意味では言っていなかったんだが?」

呆れと若干の怒りの混じった声を投げかけながら私服のシャツを羽織る。この手の浴衣は着崩れしやすいのでさっさと着替えたいのが強かった。ボタンを留めつつ冷蔵庫を開けてスポーツドリンクを広縁の机に置く。

「朝は味噌汁が出るからマシになるだろ。昼までに治せ。彰良と夕凪の調子が悪いなら次に駆り出すのはお前と瑠夏になる」
(15) 2021/08/13(Fri) 1:42:48
夜長は、ここにはいない誰かに宛てて呟いた。「俺は怒っているんですよ」
(t6) 2021/08/13(Fri) 1:54:15

【見】 天狼の子 夜長

 まだ賑やかになる前の海辺。昨日よりはいくらか水場に向いた服装、足元は御山洗から借りたままのサンダル。そんな格好で、夜長は岩場を歩いている。洞窟がありそうに見えた場所へ向かった帰りだ。歩き慣れた場所ではないので、けっこう、おっかなびっくり。

 それらしい場所は見つけられたのだが、歩いて向かえそうにはなかったため、一度戻ることにした形だ。海の家でボートは借りられるのだったかどうだったか。この際だ、水着を買ってしまってもいいかもしれない。

 そんなことを考えながら、えっちらおっちら、岩場から
戻ろうとして塩だまりのナマコを踏んで動けなくなった。
(@3) 2021/08/13(Fri) 1:54:19
夜長は、動きを止めた。足元のこれは何。
(t7) 2021/08/13(Fri) 1:56:23

夜長は、未知の感触への対応の仕方が分からない。
(t8) 2021/08/13(Fri) 1:57:56

昨日向かった川辺に夕凪は一人で座っていた。
描き途中だったページに描きたされていくのは皆の姿。

「写真じゃ、ないし」

どこか気に入らなかったのかそのページを破ると一人一人の姿を書き始める。

編笠、青嵐、涼風、髪置……卯波、茜、百千鳥。

「みんな見た目変わったね、またしっかり顔を見たくなっちゃった。正確にかけないと悔しいし、……みんな忙しいかなあ。
 ゆっくり羽を伸ばすだけじゃなくて、ずっとここにいればいいのにな」

夏の空に独り言を飛ばして夕凪は、あなた達を探しに行った。
誰かと会いたかった、スイカをくださいなと八百屋のおばさんとお話をして、誰かと会いたかった、スコップやバケツを色んなところから借りて、誰かと会いたかった、少し大きめの車を借りて、忙しないはずなのに疲れを見せずに楽しそうにしていた。

海に行く準備をしながら村を歩き回っている。


「晶兄、来てたんだ」

見てもないのに、そんなことを言う。

「……デジタルカメラもいいけど。
 今はこっちじゃないとダメかな」

首に下げるためのホルダーを外して、
インスタントカメラの方に引っ掛けて、結ぶ。
そうして、思い出により近づいた卯波は。

ほんの僅かに、背と髪が伸びた。
子供が、成長でもするように。
相変わらず中性的な雰囲気はそのままに。

「──ふふ」

頭の痛みが、少しだけ楽になった。

メモを貼った。

【人】 巡査部長 鬼走

>>@3 夜長
「何やってるんだ?」

朝よりそれなりに後。昼にみんなが集合する前くらいの時間。下見で来た海に何故か変な位置で微動だにしない和臣を見て、見つめ続けている。周囲を見てもナマコしかない。凶悪なウニやクモヒトデの集団がいるわけでもなし、ナマコに驚いてる発想がない。
(16) 2021/08/13(Fri) 2:10:24

【人】 警部補 添木

>>15 鬼走
「だって清和サンが飲ますから……。あ〜〜〜〜あ〜〜〜〜あ〜〜〜〜あ〜〜〜〜。お説教ならやめて」

手を振って相手の言葉を制止しながら、スポーツドリンクの蓋をパキリとあけて飲み始める。苦悶に顰められた眉根は少し、和らいだ。

「え〜……。僕はいいでしょ。ほぼ病人みたいなもんだし……。つァ〜、朝からお小言聞いてたら余計酷くなった。責任取って」
(17) 2021/08/13(Fri) 2:13:47

【見】 天狼の子 夜長

>>16 鬼走

「雅也さん」

 初日とはまた違った種類の、不安げな声があがった。

「雅也さん」

 ナマコしかいないのだから、彼がこの状態になっているのはナマコのおかげなのだろう。

「雅也さん」

 この状態から足を動かしていいのかも分からないの。たすけて。
(@4) 2021/08/13(Fri) 2:20:43

【人】 巡査部長 鬼走

>>@4 夜長
「ただのナマコだ」

本当にナマコしかないので事実しか言えない。

「ただのナマコだ和臣」

だが不安げな声なのは理解できるので説明をした。

「ただのナマコ以上の何物でも……ったく、ほら。支えといてやるからそれから足を離せ。噛みやしない。踏み続けてると互いに悲劇だぞ」

しかしながら声もナマコという事実も何も届いていなさそうなので、岩場に乗って腕を掴む。ついでに相手の手を自分の肩に当てて支えにさせる。
(18) 2021/08/13(Fri) 2:29:40

【見】 天狼の子 夜長

>>18 鬼走

 そのただのナマコが夜長にとって未知の生命体なのである。食べたことはあるかもしれないが。

 掴まれた腕はされるがまま。十分な間を置いてから、おそるおそる足を離す。勿論何かがあるわけでもなく、そのまま鬼走に体重を預ける形になった。ナマコから脱出できました。
(@5) 2021/08/13(Fri) 2:39:48
夜長は、鬼走の腕を、ぎゅう。「ありがとう、ございました」
(t9) 2021/08/13(Fri) 2:40:10

【人】 巡査部長 鬼走

>>17 添木
「完全に自己責任だろう。お前の馬鹿をやった責任を律儀に全部取ってたら体が幾つあっても持たん」

適当な仮病なら無視でも良いが、自業自得の極みとは言え本当に二日酔いの頭痛があるのは着替え終わりに横目で見やった際に汲み取った。

つかつかと真っすぐに広縁に座ってる所に向かい、勝手にその手を取る。取って暫く触れていたかと思えば、唐突に親指と人差し指の間を10秒押してくる。絶妙に痛気持ちいいの加減で。
(19) 2021/08/13(Fri) 2:57:35
メモを貼った。

【人】 巡査部長 鬼走

>>@5 >>t9 夜長
「礼よりナマコに慣れる方が先決だ。俺じゃなくて雪子に見つけられてたらまず写真を撮られてたぞ」

その後に助けてはくれる。その点では似てるかもしれない。これからする事も合わせて。視線を浜辺の方の小さな小屋に移した。海の家と言える大層な施設でもない小さなものだが、時間的に開いてはいるのを確認する。

「和臣、何でもいい。自分でナマコを二匹選んで採れ」
(20) 2021/08/13(Fri) 3:23:03

【見】 天狼の子 夜長

>>20 鬼走

 こうした時の夜長は、動かないから撮りやすいと雪子に言われる。想定外のことが起こると止まりがちだ。

 こくり、こくり。鬼走に頷いて。たまった水の中のやわらかい塊たちを覗き込む。夜長が踏んでいたナマコはだらりと伸びてしまっていた。なんかごめん。元々元気でなかったのか弱らせてしまったのかは判断しがたいが、少なくとも今現在活きがいいとは言えない。元気になるといいね、避けておこう。

 夜長は、目の前の物がどんなものであるかを認識すればこちらのもの。赤ナマコ赤ナマコを手に取った。
(@6) 2021/08/13(Fri) 3:36:10
夜長は、たぶんおいしいやつを両手に取りました。なまこ。
(t10) 2021/08/13(Fri) 3:36:47

 
 寂れた社に背を向けて、
 下草に埋もれかけた階段を下りて行く。

 
みんなを呼びに行かなければ。


 次は誰を迎えに行こう、そう考えて
 みんなは誰と遊びたい?そんな問いの答えを思い返す。

 編笠。

 青嵐。

 涼風。

 髪置。

 鬼走。
 
 その内の一人は、何れ来るだろう。
 そんな漠然とした確信があった。

 そして、その内の一人は──
 

【人】 学生 涼風

【三日目 丑三つ時】

 目が覚めた。
 草木も眠る丑三つ時。生きる全てが眠りについて夢を見て、傍にある時計の針を進める音だけが部屋を満たしている。
 秒針が進む音が今だけどうしてか怖くてたまらない。

 暑さで少し乱れた寝巻き代わりの浴衣の襟や裾を整えて、広がる黒に慣れた目で辺りを見回す。眠れないのなら、眠くなるまで何かしていればいいかもしれない。

「……そうだ。呼子さんへ出す連絡、絵葉書にしたら楽しいかな。
 こっちの村に着いたよって連絡は電話で簡単にして、楽しい話はモモと一緒に葉書に書こう」

 ふと連絡を取り合っていた同い年の友人を思い出す。帰省の話になった時、小さな弟分を泊めたいと申し出たのは自分だ。
 無事に到着した連絡くらいは済ませたほうが姉もきっと安心する筈。ただちょっと趣向を凝らして、帰省する前の連絡方法とは違うものを──。

「……。……?」

 文机に伸ばした手がぽすりと自分の膝の上に落ちた。

 何か、引っかかる。何故だろう?
(21) 2021/08/13(Fri) 3:42:44

【人】 青嵐

「ふあ。ねっむ。あっつ」

朝、寝苦しくて目が覚めた。
外では変わらずセミがジワジワと鳴いている。
寝起きてしょぼつく目をこすりながらベッドから降りる。
部屋ではカラカラと扇風機が回っていて申し訳程度の送風が少しばかりの涼をくれる。
ここはこっちに住んでた時の家。
俺の部屋はあの時となんも変わってなくて
傷のついた学習机もサイドフックに引っかかるくたびれたランドセルも、”ずっとあんときのまま。”

……………………

ずっ と …………………?


なんで。

「………ここ、俺の家、だよな。」

……。
微かに感じる違和感に首を傾げる。
何かが、おかしい。…気がする。
(22) 2021/08/13(Fri) 3:46:52

【人】 青嵐

「…まぁいっか。」

考えることをやめ、
大きく伸びをしてバキバキになった背中を伸ばした。

「今日は何すっか。アキラ誘って遊びにいくか、どうすっかな。
まぁ外出りゃ誰かしらに会えるか。」
(23) 2021/08/13(Fri) 3:47:04
青嵐は、とりあえず駄菓子屋に向かった。アイス食べたい。
(a14) 2021/08/13(Fri) 3:48:05

【人】 巡査部長 鬼走

>>@6 >>t10 夜長
「両方赤か。見る目があるな」

引っ繰り返し腹部の色を確認して呟く。一般的に赤ナマコが一番市場価格も高く美味しいと言われているはずだ。踏まれたナマコやウミウシや毒性のあるニセクロナマコを採らないだけでも十分なのに良い目利きをしていると褒める。

それだけ告げて岩場を渡り、誰も使われていない海の家に戻る。最早秘密基地に近く開いてると言っても無人で、埃が被ってないのが幸いと言う最低限の器具としかない。何故か腐ってない調味料はある。目の前で淡々と採ったナマコを捌いて、皿にポン酢と一緒に置いて手渡す。

「お前が固まってた奴の正体だ。食えば恐怖心も消えるだろ」
(24) 2021/08/13(Fri) 3:50:21
 
本当は、二人がここに居るの、知ってるよね?


 根拠なんて何処にも無いけれど、やはり確信じみたものがある。
 たとえば、夢の中で、無根拠にそうなのだと思うように。

 にんまりと笑って、一人呟いた。

「いじわるしないで遊びに来てあげればいいのに。
 それとももしかして、恥ずかしがりやなのかなあ?」

「まあ、どっちでもいいか。
 そうだなあ、アタシが呼ぶのはあの人にしようかな。
 だって誘わないと来てくれなそうだもん」

 脳裏に浮かぶのは、いつも寡黙でどこか顰めっ面の大人の人。
 それでも優しいあの人は、自分達が待っていると言えば
 きっと、この場所にも来てくれるだろう。
 

涼風 二日目 川

「成長した俺の写真……か。ふふ、期待に応えられるかな。
 何か遊びに行くでもなければ暫くは暇だから、大丈夫です」

言葉の一つ一つが、
ちくちくと胸の内を刺していく。

気遣うような笑みに返した、満面の笑みの下はもう既に陰りが満ちていること、何も明かせない自分の内側を偽って接していること。
全部仕方のないことだと、わかってるけど。

約束を、ひとまずは快諾して。

「いつかはもっといい写真を撮れるようになって、みんなが近くにいなくても俺の写真が届くようにします。

 例え未来がバラバラだとしても……みんなの人生に関われたら、いいな」

写真を見てもらって褒められるのは嬉しい。
だから、写真を見せることは、楽しい。
今は、それだけしか考えないようにした。

その後に何が起こるか、露ほども知らずに。

【人】 学生 涼風



【三日目 丑四つ時】

 気を取り直して葉書を探す。泊まりに来てくれている百千鳥を起こさないように、極力音を立てないよう浴衣の端をそっと持ち上げて押し入れへ。
 そっと押入れの戸を滑らせれば、かすかな埃と古くなった紙の匂いが鼻をくすぐった。

 使わなくなった葉書を探す。用箪笥を開ける。小学生の頃のテスト用紙が出てきた。日舞のお稽古に使う扇子も見つかった。夕凪や夜凪に貸したすり減ったクレヨンもあるし、呼子鳥や百千鳥と一緒に触った幼児用のヘアゴムも姿を現した。髪置について行く時に持っていった虫かごの破片も取ってある。捨てられなかったのだろう。

 押入れにしまった物を出しては思い出に浸っていたものの。途中で我に返って時計を見た。長針がそれなりに進んでいる。脱線しすぎだ。

「……あれ」

 慌てて用箪笥の別の引き出しを開ければ、いくつもの古びたノートが飛び出した。
 恐る恐る指先でめくれば、色褪せた紙の上に鉛筆で描いた世界が載っていた。

 これはたしか、星を授業で習った時。森に囲まれた学校で、皆でお泊まりしながら星を見上げたら楽しいなと思って作った物語。

 こちらはたしか、テレビで豪華客船を知った時。見た事のない煌びやかな世界に憧れて、大きな船で遊ぶ旅人の物語。

 まだ無邪気に夢を見ていた頃の欠片が、手の中に納まっている。

【→】
(25) 2021/08/13(Fri) 3:55:50
 青嵐

「……青嵐くん! 駄菓子屋で何のよう?
 夕凪が驕ってあげようか」

海に向かう前、村のあちこちを歩き回っていた夕凪は駄菓子屋で見つけた背中に声をかけた。
にこりと、楽しそうに顔を出して冷凍庫を見る。

しかし現れ方は、まるで幽霊のように。
さっきまで姿が見えなかったの突然出てきたかのようだった。


「驕るついでに、訪ねたいこともあるんだけどいいかな」

【人】 学生 涼風

>>25

 いくつも物語を書いてきた。小さな子供の見る世界なんてとても狭かったから、周りの人間がモデルとなることもしばしばあった。

 コートを着た冷静沈着な警察官が、昔からいる老婆と話を進めて不思議な事件を解決して行く話。

 都会に憧れる村娘が、村を飛び出して都会を巡り、素敵な男性と出会う話。

 大人しい青年が動物たちのために森の中でレストランを開く話。

 金髪の青年と黒髪の青年が喧嘩をしながらも世界に音楽の魔法を届ける話。

 ピアスが似合う金髪の青年が夜の街を駆けて悪い奴をやっつける話。

 嘘つきな女の子が病気の子供のために優しい嘘と魔法をかけてあげる話。

 わんぱくな男の子二人と元気な女の子の三人組が、小さい体ながらも大冒険する話。

 無邪気な少年が小さくなって、森の中で虫たちと友達になりながら沢山遊ぶ話。

 元気な姉と弟が、移動する服屋さんを開いてみんなをおしゃれにしていく話。

 写真好きの少年が、触れた写真の中に飛び込んで色んな世界を見て回る話。

 双子の姉弟が、色の無い世界をクレヨンで彩って救って行く話。

【→】
(26) 2021/08/13(Fri) 4:43:13

【人】 学生 涼風

>>26

 モデルとなった人物の中にはきちんと話した事のない人もいる。母や父、祖母から噂を聞いていたり、遠巻きにこっそり見ていたり。
 百千鳥のように誰にでも無邪気に声をかけてみたかったが、幼い自分にその勇気はなかったようだ。

「……」

 無邪気に好きな世界を空想していたあの頃。
 忘れていた思い出が泡のように揺らめいては弾けて消えていく。

 振り切るように頭を左右に振った。
 都会に出て、色んなことがあって、決めたはずだ。夢を見るのは諦めようと。
 諦めようと──

W……ここにいる間だけとかでもいいのよ。W


「…………」

 ここにいる間だけなら、夢を見ていられる?

 ここにずっといられたら、ずっとずっと……いつまでも夢をみていられる?


【→】
(27) 2021/08/13(Fri) 4:45:31
メモを貼った。

メモを貼った。

【人】 学生 涼風

>>27

「……私はいったい何を」

 ため息を吐き出す。ずっといられる筈がない。眠る間に見る夢はいつか必ず終わるもの。胸に抱く夢は諦めるか叶えるか、二つに一つの終着点にたどり着くもの。
 少年はそう考える。そう結論付けてしまった。
何のために?誰のために?


 友人へ送る葉書を探すのはまた今度にしよう。夜だからこんなに色んなことを考えてしまうんだ。
 自分に言い聞かせ、数冊のノートを綺麗に揃えようと重ねて文机にトンと置く。その時だった。

 ノートの端から、何かが見える。
 おもむろに摘んだそれは……

「…………ぁ」

……夕凪と夜凪に描いてもらった物語の挿絵だった。
 自分が物語を書いて、二人に絵をつけてもらう。そうして遊んでいた。

「………………」

 引き出しの中にしまわれたあの頃の記憶。
 挿絵の描かれた紙を握りしめ、少年は暫くそのままだった。

 かち、こち。かち、こち。
 時計の針だけが、ずっと響き続けている。
 時計の針は、決して止まることなどない。

(28) 2021/08/13(Fri) 5:01:39

【人】 青嵐

>>+9 夕凪

「う、わぁっ!?」

駄菓子屋のクーラーボックスでアイスを吟味していたら突如顔を出した美人に驚いた。
嬉しいハプニングではあるが美人を視界に入れるのには心の準備が必要なのだ。その準備が出来てなかったせいで情けない声をあげてしまった。

「び、びっくりした。夕凪ねーちゃんか。ん、あっちーからアイス食べたくて。いいよ、俺これでもバイトしてるし。なんなら奢るよ。これ男子の見栄な。」

言いながらクーラーボックスを漁って引っ掴んだのはコーラ味のアイス。美味いんだよな〜これ。
夕凪ねーちゃんなにする?好きなの選びな。

「聞きたいこと?俺に?わかる事なら答えるけど。」

美人の頼みなら断れまい。
(29) 2021/08/13(Fri) 5:48:32

【人】 音楽家 宵闇

「……あー……筋肉痛……」

朝、実家の古民家の一室、ベッドの上。
ほとんど10年前に使っていた時のまま。
昨日川ではしゃいだ名残。けれど悪くない体の痛み。
それが次の日に来たことに、男はやや安堵していた。

のろのろと起き上がり、寝ぼけ眼で支度をして──


男はふ、と曲を聴かせてあげる約束を思い出した。

なんとなく、短い曲なら即興で書けるのではないかと思い。
若い頃気合を入れて、かっこうつけて買った万年筆と
シンプルな白い便箋を取り出し、机に向かい文字を綴ろうと、
綴ろうとして、綴ろうとした

──じわり、真っ黒なインクが影のように白に浸っていく。
ペンを握る指先が、固まる。

「………あ、……」

手元が狂って、こぼしてしまったと気づくのに間があった。
汗が頬を伝う。じわじわと響く虫の声。
(30) 2021/08/13(Fri) 6:40:35
宵闇は、今まで綴った曲に海の曲があったことを思い出した。
(a15) 2021/08/13(Fri) 6:41:30

宵闇は、それをまだ表には出していない、けれど田舎を想って書いたものだったはずだ。
(a16) 2021/08/13(Fri) 6:42:06

宵闇は、だから、今書かなくてもいいかと、やめた。
(a17) 2021/08/13(Fri) 6:42:25

迷子の少女 竹村茜は、メモを貼った。
(a18) 2021/08/13(Fri) 6:59:49

【人】 おかえり 御山洗

>>13 添木

ひとつ、またひとつ。古びた道具を返しながら、村の人々に挨拶していく。
そのうちに足がたどり着いた先の家を、表札を見てまだその人の家だと確認して。
玄関先の方から声を張って呼びかける。

「久さん、いますか。
 ……もう海に行っちゃったかな」
(31) 2021/08/13(Fri) 7:42:49

【見】 天狼の子 夜長

>>24 鬼走

 百千鳥の言っていた秘密基地だろうか、それとも別の? そんなことを考えてきょろきょろしながら、台所についてって。鮮やかな手つきで捌かれていく元未知のむにむにを眺めていた。むにむにじゃなくなった……。

「ありがとうございます」

 箸で持ってみてもむにむにいずこな感触。こうやって出てきてみると覚えはあるかもしれない。
(@7) 2021/08/13(Fri) 8:27:52
夜長は、ナマコをもきゅもきゅ。おいしいね。
(t11) 2021/08/13(Fri) 8:28:26

【人】 巡査部長 鬼走

>>@7 夜長
「食ったことあるかは知らんがまあイケるだろ」

30代の無表情が二人、片方はナマコを食べて片方は見守る光景が繰り広げられている。不味いの言葉は出ないので調理具を洗って片付けをし始める。

「そもそも岩場で何してたんだ。ナマコ採りじゃないんだろ」
(32) 2021/08/13(Fri) 10:04:53
鬼走は、コリコリ音がするのを聞いている。雪子もナマコは獲っただろうなと物思いに耽る。
(a19) 2021/08/13(Fri) 10:05:37

夜長は、こくり、頷いた。おいしい。
(t12) 2021/08/13(Fri) 10:30:11

【見】 天狼の子 夜長

>>32 鬼走

「……秘密基地探しを」

 曰く、岩場の先に秘密基地になりそうなそれらしい洞窟を見つけはしたものの歩きでは行けず、戻ってきた道中にナマコの襲来(?)にあったらしい。

「海の家で、ボートか何かを借りられればと」

 あとついでに、かき氷か焼きそばを食べようかとぼんやり考えていた。今のもきゅもきゅ海の味で満足したので、海の家の味のことをまた考えるのは探索後だろう。

「ここも秘密基地、ですか?
 モモチが、使われていない海の家の秘密基地があると」

 さん付けが取れている。夜長が自発的に言い出すことはないから、百千鳥から言われたのだろう。
あなたは何かに違和感を覚えた。
(@8) 2021/08/13(Fri) 10:31:04
 青嵐

「驚かせちゃった? 今海に行く準備しててね。
 村中歩き回ってんの。
 青嵐くんバイトしてるんだ、えらいね〜。
 夕凪たちは大学生になってからだったよ」

それじゃあお言葉に甘えて。チョコミントを。
昔はイチゴ味があれば飛びつく子供だった夕凪。
チョコミントを好きな夜凪は少し珍しかったのを覚えていてもおかしくはない、たまにゆずってやりながら二人でそれぞれの味を分け合っていた。
きっと今も弟のことを思い出しているのだろう。

「難しいことじゃないよ、
 青嵐の、好きなこのタイプを知りたい、なって」

年上のお姉さんから繰り出されるあまりに突拍子も無い質問。
照れた様子も不思議と無く純粋に気になっているように思える。

【置】 音楽家 宵闇

"流石だな、カケル。おめでとう"
"おめでとう、翔"
"おめでと、翔兄!"


メジャーデビューしたと報告して貰った言葉。
嬉しい。嬉しかった。嬉しくないはずがない。
10年前に見知らぬ都会へ独り立ちして、頑張ってきたのは
故郷での生活で音楽が好きになれたからだし
そういう言葉だってほしかったからだろう?
──それなのに、何かが足りない気がした。


"夢は追えば叶う"
そんな気持ちで翔けていたのはいつだったっけ。最初は音楽は好きでも嫌いでもなかった。
この田舎だって、なんにもなくて好きじゃなかった。
誰かのためだったり、誰かに影響されたりして

いつのまにか、音が鮮やかに聴こえるようになった。

今の自分は、誰かに影響を与えるような、年下が憧れるような
追いかけていきたいような背中をしているだろうか。

もしそうみえたとしたのなら、それは宵闇 翔ではなくて
覆面シンガーソングライター『YORU』のほうだ、そう思った。
(L2) 2021/08/13(Fri) 12:48:07
公開: 2021/08/13(Fri) 14:00:00

【人】 音楽家 宵闇

>>鬼走 【3日目 夜時空】

男は、時間や約束にルーズだった。
母親が久々に会った人たちの話を持ち出さなければ
話があって人を招くことをなどとうに忘れていた。

「まずい、完全にくつろいでいた。
 鬼走さんが話があるんだったっけ……」

酒を飲んで、だらだらとして、あやうく寝こけるところだった。
ただ待つのも寝そうだし、暇だったので、かつて教室にしていた
部屋に向かい、酔いと眠気覚ましにピアノを弾き始めた。
有名な音楽家のクラシック。酒を飲んだせいか、覚束ない演奏。

民家と民家の間が離れているから、夜に音をめいっぱい響かせても
誰の迷惑にもならない(防音はしているが)。
虫の声が音色に重なって、風に乗る。
(33) 2021/08/13(Fri) 13:04:47

「〜♪」

都会の一昔前のヒットソングを口遊んで、
インスタントカメラをあちこちに向けている。

川でたくさん遊んだのに、
身体は疲れ知らずで、するする歩ける。
……この辺りこんなナマコ多かったっけ。

「流石にコレ撮っても仕方がないですよねえ」

まだまだ被写体探しは続く。

【人】 巡査部長 鬼走

>>@8 夜長
「秘密基地探し?……」

言われて必死に当時の記憶を紐解こうとする。秘密基地。自分の世代から単語もあれば、前の世代から引き継いだものや新たに年下達が言い張った物もあったはず。海関係はなんだったか、と思った矢先にボートの話が出て一つ思い出す。

「あったな。歩きじゃいけない場所。行きたいのか」
(34) 2021/08/13(Fri) 13:56:00
鬼走は、ボートと泳ぎどちらを勧めるべきか迷っている。
(a20) 2021/08/13(Fri) 13:56:34

夜長は、こくり、鬼走に頷いた。たぶん、放っておいてもどうにかして向かう。>>34>>a20
(t13) 2021/08/13(Fri) 14:12:48

鬼走は、>>t13に悩んだ末に若干頼りないボートを借りて持ってきた。
(a21) 2021/08/13(Fri) 14:15:34

夜長は、鬼走の漕ぐボートで洞窟へ向かった。帰りは自分が漕ごう。>>a21
(t14) 2021/08/13(Fri) 14:18:31

【人】 巡査長 清和

>>19 鬼走 添木

これから聞こえてくるであろう悲鳴を想像して、
清和は気品のある優雅な態度でくすりと微笑んだ。
こうなっている直接の原因だというのにまるで他人事のようだ。

昨晩はそこの後輩に飲ませるだけ飲ませ、自分も飲めるだけ飲んだ。
どちらが先に潰れるか、勝負しようじゃないか。だなんてバカをやって、
未成年たちには絶対に見せられない醜態も晒したような気もする。

本当のことを言えば、こうして涼しい顔している清和だって、
二日酔いで頭痛が酷いのだが、そんなことなどないように振舞っている。

清和は昔から、見栄と意地を張って涼しい顔するのは得意だった。
(35) 2021/08/13(Fri) 14:43:39

【見】 天狼の子 夜長

>>t14【海の洞窟】 鬼走

 海の水が硬い岩を削って食べての海食洞。入り口の光が点になるくらいの場所までボートで進んで来た。しんとした、湿気をはらんだ空気がこの場を満たしている。

 ボートから降り立って、岩肌を触ったりして。それから、気の利く鬼走がボートと一緒に用意してくれた懐中電灯を持って、奥を探した。

 誰かが持ち込んだ明かりや遊び道具、宝物の入った箱。
 この場所は今も誰かの秘密基地になっている。

 ただ、行ける所まで進んでも、雪子は見つからなかった。

「……戻りましょうか」

 鬼走の方に振り返って出した声は、思いの外よく響いた。足音以外の音がしたのは、降りたあたり以来かもしれない。ふたりは無言が苦ではない。
(@9) 2021/08/13(Fri) 14:56:09
今尚唄っている彼を、許しはしない。

【人】 巡査部長 鬼走

>>33 宵闇【3日目 夜時空】
鬼走は音楽と言う物にとんと縁がない。宵闇のピアノ教室とそこに清和が入った時も新たな決闘の予感は感じはせども、自らそれを弾こうと思った事はない。

知らない景色ばかりが記憶に焼き付けられていく。同時に夢の場所が徐々に消えていく。目を瞑ろうが昔は弟分の家まで歩いて行けた。そんなくだらない自信は年を取るにつれて霧散して行って、今では何度か道を迷い度々角を確かめながら宵闇の家を探す程だ。
文字通り夢の世界だから道を間違えるのが当然だなんて知る由もない。


辿り着いた頃には当初予定していた時間より遅れてしまったが約束をしていなくてよかったと改めて思った。風から聞こえる音楽がなければ恐らくもっと経っていた。

「待たせたか。おばさん達も元気そうで何よりだ」

昼に海でどれだけ騒ぎがあって酒が入ったなどはまた別の話として、ご両親にも迷惑が掛かるだろうから余り遅くならない時刻に訪れて、曲が止むか終わるまで待ってから声を掛ける。
(36) 2021/08/13(Fri) 15:52:50

【人】 巡査部長 鬼走

>>@9【海の洞窟】夜長
「ここ」

唐突に言葉を発した。海食洞内に音が反響する。

「雪子とも来た事ある気がするな」

最深部で何かを探すように懐中電灯を向ける。当時残っていれば面白い程度で何か鋭利な石か刃物に近い傷が岩肌が、随分と下の方の位置に残っている。身長か到達記念かよくわからない跡が複数ある。恐らく鬼走や雪子の前にも後にも複数人が一度は訪れた証拠だろう。それに触れようとしたがしゃがむのが億劫で自分は止めた。代わりに夜長に声を掛ける。

「和臣。初日は妙な感じに見えたが。今はどうだ」
(37) 2021/08/13(Fri) 16:07:36

【人】 おかえり 御山洗

時刻は夜を過ぎた頃。夏の日が落ちるのは遅く、暗くなってからも月が照って辺りは明るい。
昼間の用事を終えてから、昨日出来なかったぶんの川辺の掃除に来たのだ。
みなしっかりものだから大きな落とし物などはないだろうけど、きれいにするに越したことはない。
日が傾いてからも懐中電灯で底部を照らし、気づけば夜も深くなっていた。
いくらかのゴミであったり欠けた道具だったりの入った道具を持って、川辺にしゃがみ込む。
昨日までは、ここに賑わいがあったのだ。

「……静かだな」

本当ならば今の姿のほうがたしかな形だ。
盆をすぎればここも落ち着くのか、もしくは人びとはとどまるのだろうか。
ぼうっと、はしゃぎあうような声を想起する。
(38) 2021/08/13(Fri) 16:09:00

【人】 青嵐

>>+10 夕凪

「お、姉ちゃん海いくの?いいな。
あー、まぁ、ちょっと趣味に金かけたくて。
でも俺も卒業ぐらいで今んとこはやめるよ。大学から遠いし。
そんで、聞きたいことって?」

物事を始めるタイミングは人それぞれなのだ。
チョコミントを手に取って、思い出すのは彼女の片割れ。
隣にいない片割れのことは気づいていたけど、
多分散々聞かれてきたんだろうから敢えて聞かずにいた。
一緒に会計済ませてアイスを手渡す。

好っっ……!?!!?


唐突に繰り出された話題に噴き出しかける。
アイス食べる前で良かった。
いや、これ、え?女子が男子に好きなタイプ聞いてくるって
つ、つまり… そ そういうこと!?
そういうこと!??!

期待するぞ!??!男ってバカだから。

「す、好きって、あーえーと。
彼女にしたいとか、そ、そういうこと?」
(39) 2021/08/13(Fri) 16:22:16

【人】 学生 涼風

 三日目。蝉の声と共に夏の日差しが勢いづき始める頃。少年はきりりと冷やした麦茶を水筒に入れ、塩飴の袋や細々としたものを小さな鞄に詰め込んで家を出た。

 写真好きなあの子はどこにいるだろうか。百千鳥が色んな人に海へ行こうと誘う姿を見ていた。もしかしたらあの子も声をかけられているかもしれない。

「海で遊んで、疲れたら海の家で写真を見る……というのも楽しそうだね」

 想像して思わずくすりと笑みをこぼした。期待を胸に抱いてちょっとだけ足取りが軽くなってしまうのは、きっと仕方のない事だ。
(40) 2021/08/13(Fri) 16:27:55

【見】 天狼の子 夜長

>>37【海の洞窟】鬼走

 明かりの向けられた先に視線をやって。近寄れば、彼の方はしゃがんで跡に触れていた。彼女がつけた傷はどれだろう。流石にそれが分かるようなエスパーではないが、風化で簡単に消えてしまわないように、しっかりとつけられたものの内のどれかだろうかとは思った。

「…落ち着いた?、方だと思います。雅也さん達がいてよかった」

 見知った顔に励まされて持ち直した部分も大分にある。それに、そうじゃない人たちとも随分近い距離にあれたように思う。

「いいところ…ですね。ここは、やっぱり。
 今年初めて気付くいいところが沢山だ、」

 一昨年まで毎年来ていたはずなのに、と小さな呟きを付け足す。彼女と来ていて、全く初めてのことがこんなにもあるのは、何かおかしいのでは?

 ゆるく首を傾け、思考する。不安げには見えないだろう。単純に疑問に対して答えが出ないだけだ。
(@10) 2021/08/13(Fri) 16:45:12

【置】 学生 涼風

拝啓

 暦の上では立秋を迎え、秋の涼しさが待ち遠しい今日この頃、  様にはその後もお変わりなくお過ごしのことと存じます。

(中略)

 アルバムを整理していたら小さな頃の写真が出てきました。小さな頃の写真というのは非常に数が多いものですね。なんてことない一幕が大量に切り取られていました。

 姉の呼子鳥さんに着せ替え人形にされている百千鳥さんと私の写真まで残っていたんですよ。
 物静かな母も珍しく声をあげて笑っていて、悪ノリがすぎて女の子用の着物を引っ張り出していたことも覚えています。

 それからも私は女顔のまま成長しました。身長や声は流石に男のものですが、顔立ちは母と瓜二つなんだそうです。
 だから、きっと仕方なかったのです。

 難病に侵された父が、都会に引っ越してきてすぐに亡くなった母親と私を勘違いするようになったのは。

(中略)

敬具 

  20××年 8月××日
涼風薫 
(L3) 2021/08/13(Fri) 16:55:33
公開: 2021/08/13(Fri) 17:00:00

【人】 音楽家 宵闇

>>36 鬼走【3日目 夜時空】

宵闇の両親は、一人息子の
兄のような存在だった鬼走を快く迎え入れた。

男はぼうっとしていた。自分の手が奏でる音色なのに
どこか微睡んでいるようだった。ほろ酔いのせいかもしれない。
だから客人の気配に気づいたのは、曲が終わってからだった。
顔を上げて、ふらりと立ち上がる。

「…あー…鬼走さん、こんばんわ。
 むしろ危うく忘れて寝るとこでしたんで、全然」

あくびをしながら、悪びれもせずに言うと
どうぞ、と自分の近くにもうひとつ椅子を引っ張り出した。

「話ってなんですか。昔話、とか
 俺の曲の感想とかー……彼女できたかとか?」

背もたれを前にして、腕を組んで座り直す。
若干行儀の悪い座り方だ。
(41) 2021/08/13(Fri) 16:56:43
学生 涼風は、メモを貼った。
(a22) 2021/08/13(Fri) 17:02:28

【人】 おかえり 御山洗

>>38 (自分)

「――……」

拾い上げたゴミを手の内で持て余す。
帰ってきてよかった。自分の中に抱えていたものがやわく溶けていくような感覚。
ここでなら新しいことを始めても、やっていけるんじゃないだろうか。
けれど、夏が終われば皆ここからは帰っていくのだろう。自分だって再び来るのは秋か、冬か。
冬枯れに吹かれるうちに、なにもかも暖かだった日々も冷めていくのじゃないか。
こんなにも全て穏やかで協力的で、夢の中にあるように迎え入れられているのは、今のうちだけ。
戸籍の上ではこの場所は、自分とは由縁のない土地なんだから。

「……帰って来なければよかった」
(42) 2021/08/13(Fri) 17:43:44
 青嵐

「一緒に行こうよ、いっぱい遊ぼ? 時間が無くても強制連行。
 趣味のためにお金稼いでたなんて、結構しっかりしてたんだ」

後ほど車もでるし、徒歩でもいけることを伝えて。
スイカ割りやいろんな事をしようと提案をした。
多分無理にでもつれて行かれる気はするだろう。

やんちゃなまま変わらず大きくなっていたと思っていたのに。
お金も大学のこもしっかり考えている話を聞いて、心の中で子供扱いしていたことを謝罪をした。

それにしても
青嵐は可愛いなあ。

ここにきてからみんなが愛おしくなってばかりだ。

「そうだよ、彼女にしたいタイプ。
 あんまりこういうのは……・夕凪には聞かせたくないことかな?」

【人】 巡査部長 鬼走

>>@10【海の洞窟】夜長
「落ち着いた、か。正直に言うと俺は気になってるんだ。お前みたいな妙に……そう。様子が変な奴らが多い」

跡に電灯を当てながら先日から思っていた疑問を零す。和臣だけなら別に問題なかった。雪子に振り回されている上に村出身ではないとなれば、色々あってもおかしくない。けれど鬼走が見ている限りどうにもそれだけには思えない何かがある気がした。

「不審って意味じゃなくあれはなんだ?何処を見てるんだ。それが妙に違和感を覚えて仕方ない。今のお前みたいに、久々の村の良さに気付いた。にしたって限度がある気がする」

男は世界の違和感には気付かない。ただ。人の違和感には気付く。それだけだ。
(43) 2021/08/13(Fri) 18:59:57

【人】 巡査部長 鬼走

>>41 宵闇【3日目 夜時空】
「その場合は容赦なく叩き起こしてたから問題ない」

そう言いつつも素直に起きるのを待つか出直すタイプとは知っているだろう。椅子を素直に借りて腰掛けつつ、行儀の悪い座り方に対しては特に何も言わない。普通の客人相手にしてたら肘鉄を入れたが、オフかつ実家で自分が相手なら問題ないと思っている。

「昔話の方が話しやすいならそれからでもいいし、感想も言」

何か変に言葉に詰まったが、無表情のままなので突然電源が落ちた様に見えかねない。更に少しすれば普通にまた動き出す。こちらも腕を組みだしたので行儀の悪さを言えなくなった。いきなり本題に入るより話題に入る方がいいかと思ってそれに乗る。

「俺は聞かれるタイプじゃないだろ。お前は?」
(44) 2021/08/13(Fri) 19:11:15

【人】 巡査部長 鬼走

>>42 御山洗
「人か田舎か、どちらもか。嫌いになったか」

手の内で持て余しているゴミを奪い取ろうとする。ゴミ袋など律儀に持って来ていないのでこっちが今度は手で持て余す事になるだけだが、意識を向けさせる為に行った事なので気にしていない。呟きをしっかり聞いていたのか、そんな意図には聞こえなかったのにそう一度は尋ねた後、言葉を重ねる。

「声に出して言い聞かせないと抑えきれない感情か」
(45) 2021/08/13(Fri) 19:18:02

【人】 迷子の少女 竹村茜

「雑魚寝したいなあ〜」

海に来て、開口一番そんなことを言うのだった。
(46) 2021/08/13(Fri) 19:31:38

【人】 青嵐

>>+12 夕凪

「お、いいの?行く行く。また着替え持ってかなきゃな。
え、そうかぁ?別に貯金とかしてるわけじゃねーし、普通じゃねぇ?」

一気に食べると頭キーンなるから気をつけながら食べる。
シャリシャリとした氷の食感と冷たさが心地よい。
スイカ割りもいいな。こないだ切ってくれてたスイカ食べそびれたんだよな〜。
海といえば他にもビーチフラッグにビーチバレーそれと
女性陣の水着

持ってきてる人が居るのかは不明だが
男子としては女性陣の水着姿を拝める事を祈るしかない。

「あー、いや、そういうわけじゃ…。
えー……、う〜ん……え、笑顔が可愛い子とか…?」

うわやっべ、
絶妙にガチっぽくてキモいか!?

昨日もそれっぽい話はしたが今日もするとは。
しかも女性相手に。
(47) 2021/08/13(Fri) 19:32:04
この窓どうやって使えばいいかわからない ぽんぽこいっとけばいい?

ぽんぽこぽーーん

【人】 おかえり 御山洗

>>45 鬼走 夜の河原

掛けられた声には大げさなくらいに肩を大きく震わせた。
いつから聞かれていたのだろうか。ほんの一言以外は聞かれて無ければいいけれど。
まだ収まりきらない心臓をおさえたまま、恐る恐るという風に見上げる。

「あ、いえ、別に……なんだろう、その。弾みみたいなもので……」

もはや意味はないだろうとわかっているのに口からついて出るのはごまかしばかりだ。
嘘をついてしまった心苦しさか、一度上がった視線は目も見ないまま下がっていく。
(48) 2021/08/13(Fri) 19:42:12

【人】 巡査部長 鬼走

>>48 御山洗 【夜の河原】
「責めてない。心配したから聞いただけだ」

驚かせたか。と見下ろしていたが徐々に下がっていく視線を見てその隣に腰を下ろした。都会では音源でしか聞こえない夜の川のせせらぎの音が響く。田舎の特権と気付く奴は世界に何人いるのだろうか。

「……そんな叱られそうな子供の顔をするな。それが弾みじゃなくて本音でも怒る事でもないだろう。仮にされても言い返すくらいでいいんだぞお前は。心根が優しすぎる」
(49) 2021/08/13(Fri) 20:20:55

【人】 花守

>>46 竹村茜

サンダルを脱いで、ザブザブ波で涼をとりながら散策をしていたら個性的な髪色が目にとまった。

「やっほ、アカネちゃん」

先日、立花宅の庭畑で(勝手に)収穫してた時には気が付かなかったが、周りがそう呼んでいたのでそうなんだろうと、その名前で呼び掛けた。
(50) 2021/08/13(Fri) 20:29:15
花守は、ナマコは踏んでも平気だった。
(a23) 2021/08/13(Fri) 20:30:41

【置】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 ──みんなで海に行こう。

 昨日と同じように、
 目に付いた人に片っ端からそう声を掛けて回った。

 夕凪には引き摺ってでも連れて来る、なんて言ったけれど
 大人というものは忙しいものだから、
 誘いは聞いても、来る事が難しかった人も居たかもしれない。

 なんだかんだと言って、後から来るかもしれないけど。

 その後に一度、宿泊先の涼風宅へと戻って
 濡れてもいいような服装に着替えてから、
 夕凪と待ち合わせた場所へと向かった。

 みんなで遊ぶ為に必要なものと、
 着いてからみんなで軽く飲み食いできるようなもの
 それから、一緒に車で向かう事にした人々と。
 それらを乗せて、車は海への道を行く。
(L4) 2021/08/13(Fri) 20:51:52
公開: 2021/08/13(Fri) 20:55:00

【人】 音楽家 宵闇

>>44 鬼走【3日目 夜時空】

容赦なく叩き起こすという発言にはくすくすと笑う。
今電源落ちた?と首を傾げたのもつかの間
動き出したので、問いを返した。

「むしろ鬼走さん奥さんがいてもおかしくない歳じゃ?
 俺は、今はいませんよ……いたことは、ありますけど。
 まあ人生経験にはなりますね。作詞作曲のネタにも」

言ってから、この発言は最低だったかもなと自嘲した。
いつもならヒミツ、なんて言ってるところだが
今日は口が軽い気分らしい。
言っとくけど田舎の人じゃないですからねと
特にいらないであろう補足まで付け足した。

「……やっぱ、昔バカをやってた時の話のほうが面白いかな。
 そうそう、昨日もガキみたいに遊んで今筋肉痛で」
(51) 2021/08/13(Fri) 20:53:50
秘密基地にいるともだちと、内緒話をした。
元気がなさそうだからどうしたの、って。
寂しかったのは、夕凪たちだけじゃなかった事を知った。
なんだか、ここのみんながもっともっと好きになった気がする。

頭打ったのかと心配されてしまった。

「……頭を? わかんないや。
 痛いところはないから気にしないで」

一瞬、視界が揺らいだような気がした。すぐに戻った。


「無茶はしないでね。
 みんな
や夕凪
にとってこの夏が楽しいものにしようね」

夕凪は、この田舎の夏を楽しんでいる。
何もおかしくない、おかしくない、そうだ、なにもおかしいところなんてない。

「傍で撮ってよ、車の準備をしたら呼ぶからね。一緒に行こう?」

みんなもたくさん誘って、と、海で遊ぶ約束をした。
海に行くまでのちょっと、二人だけの時間だった。

【人】 警部補 添木

>>19 鬼走
「いったたたたたた! 痛ゥ〜〜〜、ギブ。ギブギブギブギブ!!何ッ、そこほんッと、痛いから!!」

足をダンダンダンダンダン、と柔らかい床にぶつけながら、痛みにもだえ苦しんでいる。合谷、本当に痛いのだ。

「こんなんで元気になるわけないでしょぉ!ツボなんて迷信!………はぁ、まあ、ありがとうございます。頑張るよ、頑張ればいいんでしょー」

はあ、と溜息交じりに背伸びした。

>>35 清和
「笑いごとじゃないんだからね」

あなた、添木、鬼走。それぞれの部屋から、誰の部屋に集まったのか。
恐らく、鬼走の部屋だろう。
多分、皆で散々飲んだ挙句に、「負けないね、絶対負けない」と豪語して、
二次会と称して飲み始めたのだ。

「……あー……頭痛い。清和サン、あんたどうなってんだよ……。…この後。飯食ったら鬼走さんと買い出し、いってくるよ。色々様子も見たいしさ……。清和さんはどうする?」
(52) 2021/08/13(Fri) 21:13:21

【人】 警部補 添木

>>31 御山洗
「あー、いますいます! ごめんごめん、掃除中ー。
一応埃はないから、入っちゃってください!」

奥から少し大変そうな声がした。
荷物でも運んでいるのだろう。

この家は長らく、空き家だ。あなたが知っているかどうかはわからないが、
彼と祖母しか住んでいない家で、彼の祖母が亡くなってからは、売られることもなく残されて、誰も住んでいないという有様だ。

古い木の匂いがした。誰かが手入れをしたお陰で、案外家の中は状態が良いようで。
(53) 2021/08/13(Fri) 21:16:00
 青嵐

「笑顔が可愛い子? やっぱり笑っていてほしいものかあ。
 そっか、青嵐はそうだったんだ」

一つ、また知りたいことが知れた。

聞こえない声を気にしないようにして。


あの子が知りたがってたんだ。

誰かのために、なんでだっけ。


「でもちゃんと好きな子にはアピールしないと青嵐ほどの格好いい子でも逃げられちゃうからね、気をつけなよ?」

複雑そうな表情をしていたのは答えが不快だったからではない。
文句がない答えで、青嵐らしいと思ってしまったからだ。
なんだか嬉しそうな、それでいて寂しそうなそんな表情を浮かべた後。
コロリと明るい笑顔に戻れば買って貰ったアイスを大事そうに抱える、一歩下がりあなた背を向け振り返った。

「それじゃあ、引き留めてごめんね。また後で!
 アイス美味しく食べるからねっ」

【人】 おかえり 御山洗

>>49 鬼走 夜の河原

「そんなことは、ないですよ。俺が誰かに言えることなんてのもないし。
 そりゃあ、明らかに間違ってたら指摘したほうがいいなとは思いますけど」

今は耳をそばだてる子どもたちもいないから、或いは冷えた夜気が寂しいから。
昼間の内を過ごしているときよりもずっと消極的な、かつての少年がそこにいる。

「……帰ってきてよかったと思うのはほんとうです。みんなに会えたから。
 こんなに暖かく迎えてもらえるとは思わなかったし、すごくよくしてもらえている。
 でも、それが……怖いんです」

優しさが、久々に会った人々が、子供の頃の記憶が。
そうでない何かを見つめさせて苛むように、胸の外側に暖かく触れてくる。
(54) 2021/08/13(Fri) 21:20:06

【人】 音楽家 宵闇

──昼下がり、海に行こうなんて話は風にのってやってきた。

筋肉痛だし、いつもは必要な時以外は家に引きこもっているところだけれど、きまぐれか夏の匂いに誘われてか、そういえば曲を聴かせる件もあったなどと自然と足が外へと出向く。
このサンダルも昨日からそのまま借りっぱなしの御山洗のだ。

広い空、吸い込まれそうな入道雲、眩しい緑の中を
ギターを背負い黒い服の男が、髪の尻尾を風に靡かせ歩く。

やがてその景色は一面の大海原に変わった。

「浜辺歩くの筋肉痛に響くな……」

芸術家のくせ発する言葉は情緒もなにもなかったけれど。
(55) 2021/08/13(Fri) 21:21:48

【見】 天狼の子 夜長

>>43【海の洞窟】鬼走

「変……? ……、俺は分からないな。
 雅也さんが分からないのに、俺が分かる道理もない」

 夜長は、人の違和感がよく分からない。
 
和臣は、鬼走の話からだけでも、この村での彼らに思うことはあっただろう。
「昨日の川の、瑠夏さんや翔さんは大人にしては
 随分とはしゃいでいるなとは思ったが…
 雪子さんから聞いている通りと言えば、そうであるし」

 夜長は、この時に聞いた、顎で使われる人物が特定個人だとすぐには思わなかった。>>1:152
 
和臣は、村出身の鬼走の部下の話をよく聞いている。
「夕凪さんも、そんなに何か変なところがあるのだろうか?
 夜凪さんと一緒でないと寂しそうなのは、初めてでないと思う」

 夜長は、雪子から男女の成長の差についてよく聞かされている。
 
和臣は、年下を男女問わず"くん付け"で呼ぶ。
「彰良さんは、まともに話をしたのは初めてだったが、
 とても良くしてもらえたなと思う」

 夜長は、連れられた店で雪子たちの会話に参加したことがない。
和臣は、御山洗の前で軽い痴話喧嘩のようなものをしたことがある。
「モモチは、一緒にはじめてが出来てうれしかった。
 初めて見た時は、少し驚きはしたが……
 …あんなふうに、まぶしくてきれいなあの人は、
 そんなに普段と違う様子なんですか?」

 夜長は、今回接した村の面々で、百千鳥の印象が一番強い。
 
和臣は、少し言われた程度で簡単に人を呼び捨てしない。
「俺は、母さんが見つかればあとは何も心配なことはないと思う」

 夜長は、世界の違和感を飲み込んだ。
和臣は、雪子を"母さん"と呼んだことはない。
(@11) 2021/08/13(Fri) 21:22:24

【人】 おかえり 御山洗

>>53 添木

添木の声がちゃんと中から聞こえてくるとほっとしたようだった。
10年も経ってしまえば、どこに誰がいるかなんていうのもわからない。
玄関でちゃんと靴を履き揃えて、声を掛けつつに奥の方へと行く。

「掃除中だったんだ、急に押しかけちゃって悪いな……。
 昨日その、気づかないままお酒飲んじゃって、びっくりさせたと思ったから。
 いちおうそのお詫びに来たんだけど……手伝おうか」

お酒に弱いこと、ラベルを確認せずに飲んでしまったこと、結果倒れたこと。
色々と困らせてしまっただろうと、謝罪と共に差し出されたのは時季になりたての梨だった。
ころっと形の良いのがみっつ、ビニール袋の中でネットに包まれて入っている。
(56) 2021/08/13(Fri) 21:32:52

【人】 少年 編笠

「へえ。
 宵闇の旦那ほど海が似合わねえ男もいないと思ってたけど、
 案外画になんのな」

卯波が来てたら確実にシャッター押してただろうに。
両手でカッコの形を作って被写体を中心に収める。
(57) 2021/08/13(Fri) 21:33:39

【人】 音楽家 宵闇

「俺今、下げてから上げる高度なテクニックで褒められた?
 やるね、小さいほうのアキラくん」

意外と画になるらしい被写体は潮風を受けながら
カメラ目線でひらりと編笠に手を振った。
(58) 2021/08/13(Fri) 22:00:19
巡査長 清和(匿名)は、メモを貼った。
2021/08/13(Fri) 22:02:54

 海に着いて紙を広げて描くのは宵闇と清和と御山洗の姿。
 目の前にいないのに正確にはっきりと描いているのは。
 あなた達を夢の中で見たから。きっとそうだ。

「〜♫ やっぱり海はいいな。
 ずっとこれなかったから、筆がとても乗る」

鉛筆でとんとんと、紙面たたいて。
あっという間に描けたあなた達を破って、風で飛ばされるのも気にせず適当な場所に置いてけぼりにする。荷物の下に置いたから迷子にはならないと思う。

「―――、宵兄さんはそう、ね、画になるって感じ。
 編笠 くんは今度は服のまま飛び込むのはやめておきなよ?」

天狼の子 夜長は、メモを貼った。
(t15) 2021/08/13(Fri) 22:10:39

【人】 少年 編笠

「年下の手品の種バラさんでくださいよ。
 手持ちの武器あんまないんで、大きい方のアキラさん」

それでもこの人はなんか夜の静かな海の方が似合うなとは思った。
卯波の置いていったカメラ本当に持って来ればよかったな。
あいつは怒る気がするけど。

「奇遇すね宵闇の旦那。
 お互いあんま海のイメージないけど誰かに誘われました?」
(59) 2021/08/13(Fri) 22:10:40

【人】 少年 編笠

「流石に海にはしやせんて。夕凪の姉さん。
 あんなことするのテンション馬鹿上がったときだけです」

久しぶりに昔の知り合いに会って
何倍も綺麗になってたときとか。
(60) 2021/08/13(Fri) 22:13:27
「そう?
 じゃあ今はそんなにテンションがあがってないって意味?
 こんなに美人がそばにいるのになー」

わざとらしく笑いながら、サンダルで砂を蹴って。
はねるようにそばに近寄れば、編笠の腕をつかんだ。

「ほら、ナマコでも魚でも、わかめでもつかみにいこう?
 陸に見える黒いわかめさんは腰が痛いみたいだから」

【人】 巡査長 清和

>>52 添木

「はは……踏んでる場数が違うんだよ。背広組とはな」

などと言っているが、現在進行形で頭痛に悩まされている男である。

清和は宵闇家でピアノ勝負をしてから、二次会に合流したのもあり、
最初から散々飲んでいた添木よりは、酒を飲んだわけでないのかも。
それでも相当飲んでいたのだが、涼し気な顔の理由にするのは適当か。

可愛い後輩の前では、いつだって憧れの先輩でありたいのだ。
添木には憧れの先輩らしくないところも相当に見せた気もするが。

買い出しに行ってくると言われれば、そうだな。と逡巡して。

「……少し、俺が住んでた家があった場所に行ってみるよ。
 おばさん……カケルの母さんとあったら、俺も懐かしくなってな」

いつもより、どこかアンニュイな雰囲気を漂わせながらそう答えた。
(61) 2021/08/13(Fri) 22:27:16

【人】 少年 編笠

「……夕凪の姉さんもしかしてなんか調子出てきました?」

なんだか自分の目から見ても少しはしゃいでいるような。
この田舎に帰ってきて田舎に適応しはじめたと思うと、
なんとなく複雑なような嬉しいような気分にはなるが。

「って、ちょっ、待っ、
 俺ナマコとかワカメとか調理前のやつは苦手なんですよ
 助けて優しい方のアキラさん!」
(62) 2021/08/13(Fri) 22:31:16

【人】 音楽家 宵闇

「ん……俺はこの田舎の神さまってやつに呼ばれてきたんだ。
 あとアキラは御山洗のほうな」

本当はただ風の噂で来ただけだ。

「おや、夕凪もいる。俺の曲聴きたいって言ってたよなー……
 今日はギター持ってきたよ、聴くかい?」

ケースから取り出すギター。
昨日川辺で寝ちゃってたからなあ、と。
編笠とじゃれあっているのを傍からにっこり眺めている。
(63) 2021/08/13(Fri) 22:35:20

【人】 おかえり 御山洗

百千鳥の言葉を思い出したのは用事が終わってからだった。
海辺の細かな砂を踏む。水着は持ってきていないから着の身着のまま。
観光地のような青々としたきれいな海ではないものの、田舎の海は美しかった。
潮の匂いを抱いた風に長い前髪があおられる。
(64) 2021/08/13(Fri) 23:00:57
御山洗は、ひと方向を見てぎくりとしたように足を竦ませた。
(a24) 2021/08/13(Fri) 23:01:16

【人】 警部補 添木

>>56 御山洗

「いやいや、全然いいって。どうせ今ここ使ってないし?埃落としだけしたくて。
お詫びは俺の方!大丈夫だった?」

奥から出て来た添木は、笑いながらあなたを出迎えた。
割合、広い和風の家だ。 畳の居間で、仏間には線香があげられている。

「ああ、凄い美味しそう。ありがとう!冷やしておいてさ、後で食べようよ。
実は、調理道具とか布団出したいんだけど、仕舞い込んであって…手伝ってくれると助かるよ。」

困った様子で肩を竦めた。古びた段ボールをいくつも引き出していたようだ。
(65) 2021/08/13(Fri) 23:04:41
「調子、……? そんなことより。
 夜凪の穴埋め、できるならやってほしくって。
 触ったり捕まえるのも夕凪たちも得意じゃないよ、大丈夫なだけ!」

どことなく挑戦的に、愉快そうに目を細めてその手を引いた。
そうは言いつつ。
実際は押し付けたりもせずに水辺を歩いて見つけたものを掴んでみせて、驚かれたらリリースをしながら手を振ってさようならするだけであった。


「わあ、宵兄さんは相変わらずロマンチック。
 夕凪も誰かに呼ばれてきっと来たんだと思ってるよ。
 本当? もう聞かせてくれるの!
 いつも兄さん人気者だから今しかチャンスはないかも、聞かせてほしいなあ」

御山洗に手を振っていた。ナマコいりますか?

【人】 警部補 添木

>>61 清和
「言ったね……。次は負かす。俺達だってあちこちで飲まされてるんだから。政治家連中とかにね」

すまじきものは宮仕え。まあ、あまり楽しい飲み会ではないのだが。
こちらは割とバーベキューの時から飲み通しである。
とはいえ、あなたと酒量が大して変わっているとも思えないが――、

どうも、あなたには格好良い所が、
頼りになる弟分であるところが見せられない気がする。
それが歯がゆいが、
それでいて、自分がすぐに追いつける相手を、どうも慕う気にもなれないのもわかっている。ワガママを受け止めてくれるのが、あなただった。

「ああ……そっか。……うん、気を付けて。足が必要になったら電話してね。海行くんでしょ」
(66) 2021/08/13(Fri) 23:19:58

【人】 少年 編笠

「え"、嘘だろ。
 10年くらいずっと反対に覚えてたぞじゃあ……」

御山洗の旦那、すまねえ。

「いやー――…
 夜凪の旦那の名前出されたらちょっと断り切れねえっていうか。
 俺の場合は大丈夫でもないんだが……」

これ触ってみてとアメフラシを指さされ、
掴んだら紫色の汁がぶわっと広がって悲鳴を上げたりした。
(67) 2021/08/13(Fri) 23:20:32

【人】 おかえり 御山洗

>>65 添木 昼時間

「大丈夫、あー……そう、本当はほとんど飲めなくて。
 でもそれで成人達で飲んでるのに入れてもらえないのもさ、」

寂しくて。
学生たちのいない場での御山洗の表情はなんだか頼りない。
二つ年下にも関わらず『久(ひさ)さん』と親しくも堅苦しく呼ぶ、少し気の弱い少年の面影があった。

「帰ってきたばかりだし、その。出しっぱなしにはしておけないもんな。
 高いところにしまってあるやつとか出そうか、上から片付けたほうが埃も落ちるし」

彼の家の事情は少しだけ聞いている。だから、何で、なんて聞き返したりはしなかった。
一旦梨を添木に渡し、ひとまず指示を受けなくても手を付けられそうなところから作業し始める。
家に満ちる古い木のにおいに、懐かしいものを感じてすんと鼻を動かした。
(68) 2021/08/13(Fri) 23:35:20

【人】 おかえり 御山洗

>>c14 夕凪

「何持ってるの夕ちゃん。
 溶けるやつもいるから、あんまり振り回しちゃだめだよ」

なぜかペンライト代わりにされているナマコをかわいそうな目で見ている。
自前で履いてきたサンダルのまま、水際のほうまで言ってみる。
岩の間を指で掻いてみると、海の生き物がわっと逃げ出した。

「いろいろいるなあ。山が豊かなんだろうね」
(69) 2021/08/13(Fri) 23:42:42

【人】 巡査部長 鬼走

>>52 添木 【3日目 朝 旅館】
「責任を取って楽にしてやっただろ。そんな痛がる時点でお前の内臓が潰れてるんだ。だがその勢いの良さがある時点でもう十分休んで元気もあるから問題ないな」

実際に初日は割とこの二人は伸び伸びと楽しんでるだけだった気がするので、部下なども置いておいて手伝わせるならこっちだろうと見ていたのは事実だ。

清和と添木が会話をしている間に完全に朝食に行ける用意を済ませている。朝食だけならだらけた服装の人も山程いるだろうが、暑苦しいほどいつも通りだ。二人の会話が終わり、一度清和と別れたであろうタイミングで、
いつも通りに
声を掛けた。

「俺との買い出しの用事があったとは俺も初耳だったな」
(70) 2021/08/13(Fri) 23:44:17

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

「よっ、こい、……あれっ」

 潮風に少し傷んだ扉に手を掛けて、
 それが然して抵抗も無く空いた事に首を傾げた。

 海に着いてからまずした事は、
 クーラーボックスから取り出した棒アイスを齧りながら
 久しく使われていないであろう海の家を見に行く事だった。

「んー、やっぱり誰か使ってたのかな?
 雪子さん……じゃなくても、
 今も秘密基地に使ってる子は居てもおかしくないもんね。
 それとも和臣さん、先に見に来てたのかな」

 海の家の中を軽く見て回る。
 所々傷んではいるけれど、決して荒れ放題という事は無く
 ある程度は人の手が入っている事が感じさせられた。

「秘密基地、他にこの辺にあったかなぁ。
 ……そうだ、あの漁小屋はまだあるかな?」

 この海の家よりはずっと小さな小屋だけど、
 秘密基地らしさで言えばあちらの方がそれっぽい。
 そう考えて、一度海の家を後にした。

 当然、遅れてきた百千鳥は少し前にこの場所で
 ナマコを美味しく頂いていた人が居た事など知る由もない。
(71) 2021/08/13(Fri) 23:47:33

【人】 巡査部長 鬼走

>>51 宵闇【3日目 夜時空】
「職場でも散々聞かれる質問だな。妻がいる想像ができるか?そもそも俺としてはお前達が雪子以外誰一人結婚していない方が驚きだ。ただお前らの人生な訳だし、人生経験や結婚願望について俺がどうこう言うつもりもない」

誰かを泣かせてたりあまりに無責任すぎる事をしてなければその辺は構わないと思っている。田舎出身だ。色々理解はある部類だ。元の彼女の前で言うのでないなら見逃す程度である。最低なのは否定しきらないが。

「30越えると更に来るぞ。遊ぶなら今の内に遊んでおけと言いたいが、今の面子だとお前ら3人が上から実質2番目の世代なのは肝に銘じとけよ。彰良と縁と夕凪が気が利くからお前らがバカやれるんだ」
(72) 2021/08/14(Sat) 0:00:06

【人】 巡査長 清和

>>66 添木

「ふふ……楽しみにしておこう……」

いかにも余裕があるように振舞っているが今現在も以下省略だ。

昔から頼りになる弟分であろうとしているのは、よくわかった。
それに見合う兄貴分であろうと意地と見栄を張ってきた部分もある。

いつもそうだったかと言われれば、自分では違うと思ってしまう。
それでも、今もこうやって慕ってくれているのだから自分は幸せ者だ。

「ああ、もちろん。その時は連絡するから、よろしくな」

ひらひらと手を振って、自分の部屋に戻っていく。
すぐに着替えて身だしなみを整えれば、ふたりとは別れ、
自らの家があった場所へと向かうのだった。
(73) 2021/08/14(Sat) 0:04:38

【人】 音楽家 宵闇

>>+17 夕凪

「オーケー。早くしないと俺が忘れてしまうかもしれないから」

さらりと無責任なこと言いながらも
適当な所に腰を掛けてギターを抱え、音を確かめる。
アコースティックギターの音色。

「海をイメージした曲って言ってたよな。
 実はこの曲、まだ表に出してないやつなんだ。
 出すかもわからないけどね、タイトルは

 ──優しい彼女は夢に微睡む」

オフレコで頼むよ、なんて笑いながら──海に来ているヒトには聴こえてしまうだろうけど──潮風と波の音をバックにギターの前奏が始まった。
(74) 2021/08/14(Sat) 0:08:13
宵闇は、すぅ、と息を吸う。潮の香りがした。
(a25) 2021/08/14(Sat) 0:08:49

 御山洗

「ナマコですよー、御山兄さん」

川の時よりも幾分かご機嫌そうな夕凪は、彼らにバイバイと告げながら海の生物たちを逃していく。

「そーですね、ここの海はきれいで本当に楽しいな。
 都会の方はは生き物なんて全然いないし、夕凪が描く空も灰色ばかり。
 ここは、空も海も青くてみんなの表情がわかりやすくて……ずっとここにいたいなって思うぐらいです」

【人】 学生 涼風

 眩い日差しを集めて固めて、それから振り撒いたような輝きが広がる夏の海。
 同じ色をした髪が潮風に連れられて大きく広がるのも気にせずに砂を踏みしめる。ぎゅ、ぎゅ、とサンダルを履いた足が柔らかく沈み、砂が吸い込んでいた熱気が肌をくすぐった。

 しばらく歩いて、むき出しの岩が連なる場所に出た。よじ登って座れば足元で波が何度も岩にぶつかっている様子が視界に映る。
 そうっと真白の足を差し込めば、たちまち肌が纏っていた熱気が波に攫われていく。両脚を軽く前後に揺らし、踊る波と戯れる。ぱしゃんぱしゃんと水を跳ね上げる軽い音が心地いい。

 都会では海を見る機会などなかった。そもそもプールさえあまり楽しんでいない。それを埋め合わせるかのように、少年は水遊びを堪能する。
(75) 2021/08/14(Sat) 0:32:10

【人】 巡査長 清和

自らの家があった場所に訪れて、ひとり怪訝そうに眉をひそめる。

幼少期にはあんなに賑やかだったこの場所には、今はもう何もない。
遊びにきた友人たちにママがイタリア料理を振る舞ってくれたり、
パパが都会から持ち込んできたものを、一緒に弄繰り回したりした
そんな家族や友達との楽しい思い出がつめこまれた家は、
10年前のあの日から、からっぽのおもちゃ箱になった……はずなのに。

「どういうことだ……?」

そこにあったのは、こちらに引っ越してきたころのような、
ぴかぴかの新築だったころの我が家と、まったく同じものだった。

家の中から会話が聞こえる。
明るく陽気で優しい女の人の声と、豪快で破天荒な男の人の声。
聞き間違えるはずなんかない、この声は、俺の大好きな──
(76) 2021/08/14(Sat) 0:34:08
宵闇の曲 に耳を傾けた。

【人】 巡査長 清和

「……」

記憶にもやがかかったように思える、この家に両親が残っていた?
思い出そうとしても、何かよくわからない違和感に阻まれてしまう。

そのまま、ゆっくりと我が家のような家の方に歩いていくと、
懐かしく、思いがけないものがあった。

「……どうしてお前がここにいるんだよ、相棒」

はは、と呆れるように笑って、置いてあったバイクに触れる。
かつて乗り回したそれと、まったく変わらない、清和の相棒。

ヘルメットを被り、刺さったままだったキーを回す。轟くエンジン音。

そのまま海の方向に走り出し、10年ぶりに相棒とのひと時を過ごす。

風を切って走る感覚が、
よくわからない違和感も、なにもかもを忘れさせてくれるような気がした。
(77) 2021/08/14(Sat) 0:34:54
御山洗は、宵闇の唄に耳をそばだてている。
(a26) 2021/08/14(Sat) 0:42:49

清和は、バイクで風を切りながら、海に向かった。
(a27) 2021/08/14(Sat) 0:44:13

【人】 おかえり 御山洗

>>+18 夕凪

「そうだね、自然の色の移り変わりは、きれいだから……都会のそれとは違うし。
 ゆっくり変化していく山々の表情っていうのは、インスピレーションになるかもね」

都会の色が変わっていくのは、商業戦略と華美主義による目まぐるしさに過ぎない。
テンプレートをなぞっただけの色彩は、自然のそれとは全く違う。

「今はネットも早いしここまで届いてるし、こっちで色々出来たらそうしたいよな。
 そりゃ物資は不便になるけど……駆けずり回るよりずっといいかも」

海を背にして集落の方を見る。屋根が木々の合間から見え、そこに生活があることを思わせる。
太陽の逆光のように青々しく逞しい緑は、都会で同じようには見つけられない。
(78) 2021/08/14(Sat) 0:48:55

【人】 巡査部長 鬼走

>>54 御山洗 【夜の河原】
「向き不向きもあるだろ。職業柄必要と言うならそれは必要だがな。元々彰良は昔から口頭での指摘は苦手でも気は回るし観察眼はあった。それだけで十分だ」

言うのが他者より苦手なのは事実だと鬼走も思っている。その上で各々に長所があった。それを無いと悩む人間もいる中で、彼はそれが得意な部類にも感じた。かつての消極的な少年にも、当時似たような事を言った記憶はあるが、幼かった貴方にそれは伝わったか。伝わったとして受け入れられたかは未だわからない。自分だって注意か叱るとき以外は、ただ不器用な会話しかできず聞き手に回るのが大半だ。

「怖い?……怖いか。お前自身を苛むその感情は何なんだ」
(79) 2021/08/14(Sat) 0:49:26

【人】 音楽家 宵闇

>>74 
(続き)


──優しい彼女は夢を見る

歌い出し。穏やかだけれどどこか切なさを孕んだメロディ
空にたとえるならば、夕暮れから夜。
海にたとえるならば、波のない静けさをまとった瞬間。
そうして、気だるそうな低音が詩を紡ぐ。

──ガラス瓶の中に想いを詰め込んだら
──海風が運んでくれないだろうか

だけれどサビに入れば、波間が揺れる。
戸惑い、葛藤、寂しさ、渇望、満たされない想い。

──ここに風など吹いていない
──誰が拾ってくれるのか

爽やかな昼の海辺には似合わぬ曲、けれども
男はそれを心を込めて、最後まで歌いきるだろう。

男は本当はもっと明るい曲を即興で
新たに書き下ろそうと思ったが手が何も綴れなかったのだ。
(80) 2021/08/14(Sat) 0:58:07
宵闇は、歌い終わると、どう?とギターを降ろした。
(a28) 2021/08/14(Sat) 1:02:28

【人】 巡査部長 鬼走

>>@11【海の洞窟】夜長
黙って彼が珍しく長く続ける言葉に耳を傾ける。少しずつ細かい疑念が芽生えていく。むしろ何故気付かなかったのか分からない程に、一つ一つの違和感は、合わさると最早疑念に変わる。

「その問いに答えてやる。代わりに、俺の問いにも答えろよ」

彼の答えを斬り捨て続けて一体何になるのと言うのか。頭を打ったとか記憶障害だと病院にすぐ連れて行くのが当然の対応だ。万が一、目の前の男が「和臣」じゃなかったとして、それなら何なんだ。ひと時の幻でいいじゃないか。

成り済ました人間の存在をそう楽観的で曖昧に済ませられる職業に男は就かなかった。それを後悔こそせずとも、今この瞬間はほんの僅かに残念に思った。違和感はあれども、初日から過ごした「彼」の事は気に入っていたから。

「翔についてはまだしも、瑠夏と久については散々話題に出した事がある。写真すら見せた事がある。雪子から聞いた上で気づかないにしては少々不器用同士の俺達にしても鈍すぎるな」

男は世界の違和感には気付かない。彼は気付きかけている。だから全ての解答と差異を一切の躊躇もせずに告げた。鬼走が知っている「和臣」について明らかな差異を誤魔化されない様に。想い出の名残、望郷の欠片に当てていた灯りを貴方に向けて問いかけた。

「 お前は、誰だ? 」


鬼走雅也は人の違和感には気付く。
今はまだ
それだけだ。
(81) 2021/08/14(Sat) 1:10:20
夜長は、鬼走にどうしてそんなことを聞かれるのか、わからなかった。
(t16) 2021/08/14(Sat) 1:16:04

清和は、宵闇がちょうど歌い終わった頃に、海に到着した。
(a29) 2021/08/14(Sat) 1:19:24

清和は、ヘルメットを取って、みんなが集まっている場所にやってくる。
(a30) 2021/08/14(Sat) 1:20:02

砂浜を歩いている。首にかけているのはインスタントカメラだ。

【人】 学生 涼風

>>c16

 砂浜を歩いている人物に気づく。
 岩に座って海と戯れていたが、ほんの少し体を浮かせて身を乗り出すように様子を伺った。

「……あ、卯波くん!来ていたんだね…………ってあれ……?」

 頭の上に疑問符を浮かべるかの如く、首を傾げて不思議そうな顔をした。
 昨日まで持っていたカメラは、いったい何処に?
(82) 2021/08/14(Sat) 1:55:05
涼風

「あ!薫兄!どうしたんですか、
 なんか変なとこでも……ああ」

胸元に下げているものへの視線が、
何を疑問に思ったかを教えてくれた。

「これ、晶兄とお揃いのやつで、
 田舎の思い出も詰まってるし、折角だから持ってこようと思って。

 ああ勿論デジタルカメラの方も、写真も持ってきてるから大丈夫ですよ。こっちは防水じゃないので、波のあるとこには持ってけませんしね」

緩く掲げれば、
『晶』と文字が記されているのが見える。
利便性よりも田舎の思い出が勝っているのは、何か心変わりがあったのか。

【見】 天狼の子 夜長

>>81>>t16【海の洞窟】鬼走

 向けられた光に目を細める。彼にこんな責められるような物言いをされたことははじめてで、疑問符が頭を埋めつくすのがしばらく続いた。

「 臣ですよ、雅也さん、……?」

 やっぱり、なんでだか音が出なかった。言えているはずなのに。

「喉や耳がおかしくなったとは思う」

 こくり、頷く。事実を改めて認識しただけの、淡々としたもの。

「……それと俺は、散々、と頭につけられるほど特別多く、
 雅也さんから瑠夏さんと久さんの話を聞いた覚えはないです」

 夜長のその認識はそれほど間違っていないし、鬼走の和臣に対してしたことの認識も間違っていない。本当に、どちらも間違っていない。

「一緒に働いているのは知っているが……翔さんの話よりも、
 そんなに多かったですか? 村の話はいつも雪子さんから
 始まるから、俺はそう思ったことはなかったな」

 あんまりに御伽噺のようなことだから、すぐには浮かばなかったのかもしれないが。"彼のこの姿が幻かもしれない"ということを考えれば、ただの和臣の偽者である以外の可能性も、あなたは思い付くのではないだろうか。

 雪子のことをさん付けで呼んだり、母さんと呼んだりする人物の心当たりは、きっと一つだけ。そんな立場の人物が、他にいるわけもない。
(@12) 2021/08/14(Sat) 2:07:47

【人】 青嵐

>>+14 夕凪

「正直あんま考えたことないからアレだけど…。
まぁ好きとかじゃなくてもさ、笑ってくれてたらうれしーもんじゃん?」

マジで言えば好きになった子がタイプ。これに尽きる。
もしかしたら全然笑わない子も好きになるかも知れない。
アキラとかずっと友達だけど表情筋死んでるしなぁ…。
まぁアイツはアイツで表情はあるっちゃあるか。

「え、俺格好良い?
お、おう……そっか…。サンキュー…?
美人からのアドバイスは身に染みるわ」

くるりと背を向けて歩く彼女に向けて
「またな」と手を振った。
その背をぼんやりと見送ってから自分も海に行く支度の為に一度家に戻ることにした。

「俺って格好良いのか………」
(83) 2021/08/14(Sat) 2:24:18

【人】 学生 涼風

>>+19 卯波

 説明を貰ったカメラをまじまじと見つめる。

「編笠くんと?それは素敵だね。ふふ、お互いの名前が書いてあるんだ」

 掲げられたカメラを見て柔らかく目を細める。こちらに『晶』と書かれているのなら、きっと彼の持っているカメラには『卯波』と書かれているのだろう。
 全て読み取ることはできないが、どれだけ親しい関係なのかほんの少し垣間見て微笑ましくなった。

「ああでも、インスタントカメラだと撮るのって難しいんじゃない?カメラについて詳しくないから、私はよく分からないけれど。
 てっきり思い出のカメラを一緒に連れてきているけど、撮るのはデジタルカメラのほうだと思ってた」

 だって確か、防水ではなくても昨日の川遊びでも同じポラロイドカメラを首から下げていたような気がしたが、どうだっただろうか?
 なにか心変わりがあったのだろうか、なんとなく感じて首を傾げた。
(84) 2021/08/14(Sat) 2:25:24

【人】 青嵐

家に戻って適当なリュックに着替えを詰める。
暑い日はやっぱ水被んなきゃやってられねーなー
スイカ割りはもう始まってるんだろうか。
ビーチバレー用のボールとか持ってたっけな。
誰かが持ってくるか?等と考えながら身支度を整えた所でふと顔をあげる。

「………?」

呼ばれたような気がした。

周囲を見回して、一人であることを確認する。
気のせいかとリュックを背負って家を出ようとして、

「……っ、いて…」

ズキリと、頭が痛んだ。
何かが欠けてる様な、そんな気分。

「…アイス食いすぎた?」

言い知れぬ違和感は首を降って忘れる。
今日を謳歌するために、彼は海へと足を運ぶのだ。
(85) 2021/08/14(Sat) 2:37:54
 御山洗

「お兄さんは、今どこで暮らしているんでしたっけ?
 夜凪は大学を卒業してから、家を出るか悩んでいるところで」

自分で言った言葉に違和感を感じて首を傾げました。
不思議と家を出ていこうとする理由が明るい気持ちだと思えなかったから。
だけどなぜ実家から離れようとするのか思い出せなくなってしまっていて、その違和感にも気づくことができませんでした。

「……ここで暮らせたら本当に自由、なのかな?」

同じように集落に視線を向けた、美しい山はだに陽が照らされて村の色彩を引き立たせてくれる。
樫の香りと潮風とが混ざってそんな景色が陽炎のように揺らいで見えた。

  宵闇

「…あ……・」

一本一本の糸から走った音が海の香りを夏を導いて奏でられていく。
不思議と涙がこぼれ落ちそうになって思わず拍手を遅らせてしまいました。

「ありがとう、ございます。
 素敵な曲でした、宵お兄さんのような……なんていえばいいのでしょうか。
 綺麗で、少し寂しくて、切ないのに、また聞きたいと思えるような曲でした。
 優しい歌だったわ……?」


小さな声が紡がれて、暫くの間言葉を発せずにいたが、やっと思い出したように笑みを浮かべる。

「―――いい歌だった、お兄さん。
 中毒性があるっていうのかな、どんな風に曲を作っているんだろう。
 やっぱり誰かを思い浮かべたり、何かを考えているんですよね?」

墓下に見えてるらしい事を今知った。
恥ずかしいのでぽこぽこしときます。

編笠は、その歌を最後まで聞いて、へえ、と感嘆した。
(a31) 2021/08/14(Sat) 2:50:11

 涼風

昨日は確かにデジタルカメラを提げていた。
晶兄が持ってきたのをみて、
やっと自分が持ってきたのを思い出したくらいだ。

覚えてもいないのにどうやって持ってこれたのかは定かではないが、今は関係の無い話だ。


「……そうだね、こっちは補正とか気の利いたものついてないし。ブレるのは味といえばいいんですけどね。
 でも小さい頃から使ってるから勝手は分かってるし、それでも、」

それでも。心に変化があったのには間違いなく、

「今日はこれがいいの」

前後の文脈をすっ飛ばして、
そう言って笑みを浮かべる。

恋するような、悪戯でもするような、
もしくはちょっとした獰猛さが滲み出すような。
少なくとも、作り物ではない表情だった。

「ごめんね、何のことかわかんないでしょ。
 でも、薫兄を失望させるようなのは撮らないって約束しますよ!これだけが、唯一の取り得ですから」

 編笠

「あははっ、変な声。
 驚かせてごめん、だけど面白くって。
 ……そろそろ人も集まってきたし他の遊びでも――」

海の生き物たちはすぐに解放してあげて楽しんでいたが、
一度離れる前に気になったことを一つだけ聞いておいた。

「なんだかそれを聞いてると、
 夜凪がすきなのか夕凪が好きなのかわからないね?」

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

 海の家を出て、波打ち際をずうっと歩いていった。

 寄せては返す波が時折サンダルを突っ掛けた足を濡らしても
 今日こそは水遊びで濡れてもいいように、
 適当なシャツとハーフパンツに着替えて来たのだから
 それを厭う理由なんて何処にも無かった。

 遠くから、宵闇の歌が聞こえる。

 遠くの方に皆が集まっているのが見えて、
 そちらの方へと足を向けて、声が聞こえる所まで近付けば
 どうやら歌い終えて暫くした頃のようで、
 おうい、と声を掛けて手を振った。

 その背を押すように一際強く風が吹いて、
 
一瞬、風に弄ばれる長い髪に違和感を覚えた。


 
「──アタシも髪、短くしようかなあ」


「…なあに、真似っ子?僕は呼子お姉の髪、長い方が好きだけど」
(86) 2021/08/14(Sat) 3:07:03
百千鳥は、違和感の正体は掴めなかった。ならきっと、大したことではなかったんだ。
(a32) 2021/08/14(Sat) 3:07:48

【人】 青嵐

「おっ、皆やってんな〜。
スイカ割りは…まだっぽいか?」

海へとやってきて辺りを見回す。
見知った顔がはしゃいでるのを確認してから
自分は熱された白い砂を踏みし…めずに防波堤へと向かう。

青嵐瞬!いきまーーす!!!


海で遊んでる友人たちに、砂浜で見守る兄貴分達に、
村の皆に聞こえるように高らかに宣言して助走を付ける。
防波堤の端っこで足を踏み切れば ふわりと身体が浮いた。
一瞬の浮遊感の後、そのまま重力に従って落ちた身体は

バッシャーン!!


大きく水飛沫が舞い、防波堤を濡らす。
そんなに高くはないので海面に叩きつけられても痛くはないのだが
昔はこの高さでも酷く怖がったものだ。

「あっははは!超きもちー!」

水面から顔を出してザブザブと泳いで砂浜へと戻る。
全身びしょ濡れだが心置きなく遊ぶために着替えを用意したからいいのだ。
(87) 2021/08/14(Sat) 3:18:18

【人】 少年 編笠

「……あーあ。
 ズルいよなあいつ」

海と川では勝手が違う。
海水で濡れた服は乾けば塩でバリバリになるし、
何より俺と違って下半身だけじゃなく上半身まで迷いなく濡らしている。
飛び込むための言い訳も理由も必要なくて、
ただそうすると気持ちがいいからで一番最初に飛び込む。

打算も計算もない。
雲一つないような親友の笑顔。

「……いっしょに飛び込んでたはずなんだけどな」
(88) 2021/08/14(Sat) 3:26:24

【人】 警部補 添木

>>68 御山洗【昼 添木家】
「今度から、グラスをちゃんと配る方式にしよよ。御山洗さんは、コップにストロー。いやいや、体質はしょうがないから。今度はお茶でも飲もうよ」

なんて、困ったように笑う。
……御山洗は、この人は、何故だかいつも優しくしてくれた。
気が弱い、というだけなら、不良然としていた自分に話しかけてくれただろうか。
それが、どれだけ、自分が気にしていないと思っていても、「お前はお前のままで変わらない」と肯定されたような気がして、嬉しくて。少しだけ救いになっていた。彼に、わざわざそれを言わないけれど。

「ああ、ありがと〜。助かる〜。布団類、お願いできるかな。埃もたっぷりついてるだろうから気を付けて。」
(89) 2021/08/14(Sat) 3:27:59

【人】 警部補 添木

>>70 鬼走【3日目 朝 旅館】
「内臓が潰れてる(笑)。怖すぎる表現なんですけど〜?僕は死んじゃってるのかな!全く……。ゴリラオヤジ……」

ぶつぶつ……、と呟いた。

「へえ〜。そうなの?別によかったけどね、”俺”」は

(90) 2021/08/14(Sat) 3:28:07
添木は、鬼走の首元に口づけをした。
(a33) 2021/08/14(Sat) 3:28:41


「水着に着替えないの!?」


拝啓、十年前の俺。
十年後も振り回されております。

「相変わらず無茶しますね、瞬兄は。
 一番昔から変わってないんじゃないんですか」

背中を追う、という点でいえば、
一番追いつきようがなかったのが彼だ。
向こう見ずでどこまでも走って、どこまでも男らしく格好良くって、もしかしたら自分の対極にいるんじゃないかとすらも思ったことがある。

彼を四角形に収める為に、カメラ扱いの腕を必至こいてあげたのは良い思い出だ。

「早く着替えてくださいね、風邪ひきますよ」

自分も飛び込んでみたら驚かれるかな、
なんて、子供っぽいことも考えてみる。

【人】 警部補 添木

>>70 鬼走【3日目 朝 旅館】

―― 人目につかないところまでいってから、そうした。

「大事な部下の前で、威厳の無い姿をさらしていただいても。まったく。 でもま、気を使ったでしょ」
(91) 2021/08/14(Sat) 3:30:02

【人】 学生 涼風

>>+22 卯波

「……卯波くん?」


 そんな笑顔、昔見せてくれたことがあっただろうか。

 目をぱちぱち。瞬きを数回。きょとんとした様子を見せたのも一瞬のこと、「そっか」と呟いて再び微笑んだ。カメラについて詳しくない。だから、貴方に委ねることにした。
 でも、訂正すべき点が一つある。

「楽しみにしているし、期待はしているけれど。失望なんてする筈ないよ。一度だってそんな事なかったもの。
 ああ、余計にハードルをあげようとしている訳じゃない。君が君の思うまま、好きに撮る世界が好きなんだ」

 思い返す。写真を撮って回っていたあの日の彼を。

「何気ない一瞬も、すくいあげて四角形の中に収めてしまえば特別なものになる。どうしてそこを撮ろうと思ったのか、その中にあるドラマに想いを馳せることができる。
 それを君の口から語るのも、想像するのも、思い出すのも……みんな楽しいんだ。

 写真の楽しさを教えてくれた君に感謝こそすれ、失望するなんてことはないよ」
(92) 2021/08/14(Sat) 3:30:33
涼風は、ちょっと考えた。
(a34) 2021/08/14(Sat) 3:33:33

涼風は、卯波の耳元に薄い唇を寄せて、そっと囁く。「卯波くんは海、楽しまないの?」
(a35) 2021/08/14(Sat) 3:34:11

涼風は、飛び込んじゃいなよ!と言わんばかりの顔で微笑んでいる。
(a36) 2021/08/14(Sat) 3:35:04

驚いた表情を浮かべて、微笑んで。

 編笠

「浮かない顔じゃないですか、晶兄」

その姿を見つければ、サンダルを鳴らして歩み寄る。
首には晶という文字の目立つそれが提げられていた。

「今更時間の変化に気づいちゃったりしてます?
 ノスタルジアに浸るのもいいけど、
 折角の海なのに楽しまなくちゃ勿体ないですよ」

追いつけないなら、別のやり方もある。
後ろからではダメで、横にも並べなくて、

じゃあ、あとできることは『真正面からぶつかる』くらいしかないだろう、と、結論付けたから。

編笠に手を伸ばす。念の為、カメラは涼風に預けて。

【人】 迷子の少女 竹村茜

「───それっ!」

ぼんやりしている周りの人達に、足元の海水を掬って引っ掛ける。
どうせなら全員で濡れてしまったほうが楽しいから。
(93) 2021/08/14(Sat) 3:38:27
涼風は、カメラをしっかりと預かり、楽しそうに微笑んだ。いってらっしゃい!
(a37) 2021/08/14(Sat) 3:40:00

髪置は、ひとまず山で一人虫を採っていた。余裕があれば海にも行く。
(a38) 2021/08/14(Sat) 3:40:56

【人】 巡査部長 鬼走

>>t16 >>@12【海の洞窟】夜長

『 臣』
聞き取れなかった名前。銃口のように向けられた懐中電灯の灯り。一つ一つしらみ潰しのように、解答を投げた。回答はずれてはいる。「和臣」なら知らない訳がないことしかない。それにしては似過ぎているし、看破をされて困った素振りも何も見えない。見えるのはどうしてそんな顔をするという困惑ばかりだ。

「どうなってやがる?お前は和臣じゃないなら、アイツに双子の弟などの血縁者なんて聞いたことも──」

血、縁者?
彼が何度も言っていた言葉
『母さんは』

和臣が雪子の事で拗ねる?アイツが?

ただ和臣が田舎慣れしてないと思っていた。
でも俺と一歳差の男が、釣りであんな挙動をするだろうか。変な生物を踏むくらいの事は雪子と付き合っていたなら散々あったはずだ。「和臣」なら。

そんな馬鹿なことがあるはずがない。どう見ても外見は自分の一個下の和臣と変わらない。ただ、一つ浮かんだある仮定を照らし合わせると彼の言動は何一つ、嘘はついていない。

「お前に。……お前にしか、渡してない物があるはずだ。何か、言えるか」

それを知っているのは、ひとりしかいない。
(94) 2021/08/14(Sat) 3:43:32

【人】 少年 編笠

少しだけ珍しく驚きの表情。

「卯波、ここにいたのか。
 どっか行っちまったかと思って焦って探してたんだぞ」

首から下げられているカメラに目をやって、
少しばかり安心したような目をする。

「……なんでわかるかな。
 昔から傍にいると分かるもんなんかいそういうの。
 いや待てこっちにもお前の考えてることくらいわかるぞ、
 残念ながら編笠の兄貴はそう簡単に――ウワッ」

と言ったところでどこかから海水が飛んできてそれを避けようとして、
卯波の身体を掴んだまま海の方に落下した。
咄嗟に相手が頭打つんじゃないかと搔き抱いて。
大きな水しぶき。
(95) 2021/08/14(Sat) 3:50:17
思わず「えっ」と言った。

編笠は、思わず「おわっ」と言った。
(a39) 2021/08/14(Sat) 3:53:56

卯波をみて、「あっ」と笑っていた。

涼風は、二人をみて、「わあ」と笑っていた。
(a40) 2021/08/14(Sat) 3:58:28

【人】 青嵐

「…?アイツなんかしけた顔してね?」

砂浜でびしょびしょのTシャツを絞りながら
こちらを見てる(様な気がする)親友を気にかける。

「アーキラー!お前も飛び込めよー!!気持ちいぞー!」

親友に向けて大きく手を振る。
晴れやかな笑顔を見せてから、声をかけてくれた後輩に目をやった

「おー、卯波。言ったな?
これでもやんちゃ坊主が爽やかイケメンに育ったと好評だぞ。」

ケラケラと笑いながら冗談めかして応える。
濡れた前髪をかきあげて、絞り終わったTシャツをバサバサと扇いだ

「へーきへーき。こんだけ暑けりゃすぐ乾くだろ。ちゃんと着替え持ってきてるし。そうだ、卯波も一緒に飛びこもーぜ。」

来いよ、と一つ下の後輩の手を軽く引く。
行くか行かないかはあなた次第だ。
(96) 2021/08/14(Sat) 3:58:58

【人】 迷子の少女 竹村茜

>>50 花ちゃん
「あ、花ちゃん!

 この間は妖怪から守ってくれてありがと〜」

やっほ〜、とスニーカーごと海に入って浅瀬を歩いている。
貴方の姿を見ると、手を軽く振った。

「何だかんだゆっくり話せてないねえ」
(97) 2021/08/14(Sat) 4:00:05
竹村茜は、ニヤニヤと笑っている。
(a41) 2021/08/14(Sat) 4:00:47

 編笠

ふわりと身体が浮いて、
晶兄に抱きすくめられて、
何かを思う前に、辺り一面が水の中。

「っぷはッ───!しょっぱ!

 あっはは、落とされたくないからって、
 自分が落ちることないでしょ!ねえー!」

頭を左右に振って、
動物がやるみたく露を払った。
勿論近くにいる相手への迷惑は気にしない!

「あー、たのしい。
 服のなかまで全身びしょびしょだあ」

【人】 おかえり 御山洗

>>79 鬼走 夜の河原

「……そういうものかな。なんだか昔にも同じこと言われた気がするね」

むずがゆくは感じてもなんとなく自分のことだという気持ちにはっきりとならない。
受け止めたいという気持ちとは裏腹に、一発で立ち直ったりするのは難しい。
少しの申し訳無さを消化するように懐かしさにすり替える。

「俺は。昔に比べて、随分変わったから、――いや、違う、だからじゃ、ない。
 もうこの村にゆかりのある人間じゃないから……それだけでも、なくて。
 ……何を怖がってるのか、どうして怖いのか、わかってるはずなのに」

嘘をついているわけではない、つこうとしているわけでもない。
それらだって理由としてないわけじゃない。
向き合うことを拒否している何かを喉の奥につかえているのだ。
そばにいる鬼走の目をよく見れずにいる。見透かされてしまうのが怖い。
(98) 2021/08/14(Sat) 4:01:42
涼風は、茜に向かってサインした。ナイスな悪戯だったね!と言わんばかりのサムズアップ。
(a42) 2021/08/14(Sat) 4:01:49

「瞬兄〜〜〜!!!!俺もう一回飛び込む!!!」だ。

御山洗は、海を見つめている。
(a43) 2021/08/14(Sat) 4:03:24

青嵐は、「来い来い!」と笑った。
(a44) 2021/08/14(Sat) 4:05:10

竹村茜は、涼風に満面の笑みを返した。
(a45) 2021/08/14(Sat) 4:11:44

【人】 おかえり 御山洗

>>+20 夕凪

「あれ……まだ一人暮らししてないんだっけ。
 俺は東京。何もあるようでないけど、悪いところじゃないよ。
 家賃は高くなるからあんまりおすすめは出来ないけど、近隣ならまた違うかな」

じゃあ、まだどこかしら近くに住んでいるんだろうか。
10年のうちにきちんと把握してなかったんだなと今更ながらに理解する。

「わかんないけど、でも得るものはあるんじゃないかな。
 なんて言えばいいんだろうね……夕ちゃんが幸せになれる場所なら、どこでもいいんだよ」

長らく都会で暮らしてきた御山洗にはここはとても魅力的に見えた。
けれども夕凪がそれを迷うのならば、自分には見えない不安があるのかもしれない。
ぽんぽんと、年下の小さな女の子の肩を二回叩くみたいに触れた。

「自分が好きだと思える場所なら、きっとどこでも大丈夫」
(99) 2021/08/14(Sat) 4:12:22
御山洗は、海に人が飛び込む音に驚いて振り返った。
(a46) 2021/08/14(Sat) 4:14:33

夜長は、鬼走がよく知っているはずのことを言った。「俺は一人っ子だ」
(t17) 2021/08/14(Sat) 4:16:10

【見】 天狼の子 夜長

>>94>>t17【海の洞窟】鬼走

「俺に……時計? いつもは持ち歩いていないが
 ……ここに来るから、持ってきていた」

 村に行くから。だいじにだいじに、都会の家から持ってきた物。水辺に来るからと、プールの時につかうビニールの小物入れに収めて。

 ジッパーを開けば、中身を鬼走に見せた。時を刻まない懐中時計は、あなたが彼にあげた当時そのままだ。
(@13) 2021/08/14(Sat) 4:17:21

【人】 少年 編笠

「っぷは!
 っ、何もかも上手くいかねえな!
 ……耳の中まで海水入った……!」

べったり濡れた髪をかき上げながら海面から顔を出した。

「……あー。
 なんか。
 すっげー懐かしいなこの感じ……。
 あったあったこういうの……」

いつかも同じようなことを同じような相手とやって。
ずっとこんな日々が続けばなんて思ってた気がする。
(100) 2021/08/14(Sat) 4:18:12
 青嵐

「うん、勿論!
 どうせ洗えばいいですしね!」

今度はもう一人の先輩の手を取って、
もう一度防波堤の端へと連れられて行く。

一ノ瀬卯波いっきま〜すだの、
声量の足りない掛け声を発してみたりするだろう。

結局、あの時だって変わらない。昔の自分なら、いいよできないし、とでも断っていただろう。自分が一歩後ろに退いていただけだ。

今日は、その一歩を、十年越しに踏めた。
ノスタルジアも、たまにはいいことをする。

【人】 巡査部長 鬼走

>>90 >>a33 >>91 添木 【3日目 朝 旅館】
「……痕つけてないだろうな」

パチンと首筋を押さえる。然程怒る様子もない。言われた事も不本意ながら事実ではある。大袈裟に溜息をついた。

「お前は散々変わったって言われてたが、やっぱり何一つ変わってない。俺が交番赴任した時も、お前が警視庁から飛ばされて偶然再開した時も。寂しがり屋でグレてた男はどこのどいつだ。が。今のだけは褒めてやる」
(101) 2021/08/14(Sat) 4:26:35
メモを貼った。

【人】 おかえり 御山洗

>>+20 添木

「そうしようか……はあ。昔はそういうの、憧れて期待してたんだけどな。
 おまつりの後に大人が飲んで上機嫌になってるの、なんか羨ましいなって思ったり。
 ああいうのの仲間入り出来るのが大人だとか思ってたんだな」

普段は日の下で働いている村の人達、といった風の人たちが夜はやたら身近な大人になる瞬間。
酒の力で後押しされて、普段よく話すわけでもないのに大きくなったな、とか言われるやつ。
現実とのギャップを名残惜しみながら天井のすみっこを見つめる。

「よいしょ……一回干したほうがいいか、こういうの。よく晴れてる時期でよかったね。
 久さんも毎年こういうのやってるの?」

鬼走がたびたび盆には帰ってくると言っていたように、彼もそうなのだろうか。
ほんのりと饐えたような匂いのする布団を一抱えにして押し入れから引っこ抜く。
(102) 2021/08/14(Sat) 4:28:24

【人】 おかえり 御山洗

「て、」

遠くを見つめていたその隙を狙われてか、ちょうどタイミングがよかったか。
茜のあげた水しぶき(>>93)は御山洗にも盛大に降り掛かったようだった。
濃色のTシャツは水がかかってぐっしょり濡れた。思わず横を見て、笑う。

「……まあ、周りが見えないくらい元気な方がいいよな」

なかなかうまい距離をはかって話しかけられない学生たちは、自分にとっても大切な子どもたち。
まだ学校に入るか入らないかだった腿くらいまでのちびっこたちは、今やこんなに大きいのだ。
そうした仕草はむしろ快いものに思えて、微笑ましさに口元が緩む。
(103) 2021/08/14(Sat) 4:34:39
涼風は、こっそりカメラを抱えていた両手を下ろした。
(a47) 2021/08/14(Sat) 4:35:08

涼風は、クラスメイトだった少年と写真好きの弟分が海面から顔を出す瞬間を、こっそり四角形の中に収めていた。
(a48) 2021/08/14(Sat) 4:38:22


 心からの笑みが、
 四角形の枠のなかに映し出された。

 御山洗

「……夕凪たちは、家族でまだ住んでて。
 夜凪は」

近くに住んでいたんだという感想を埋め尽くすほど、余計な思考がめぐる。
不安を励ましてくれているのがわかるのに、言葉に連想でつながってしまった過去の言葉が頭に浮かんで止まらなくなってしまった。

「夜凪が、夕凪から離れたいって」

それを意味するのは自立だったり就職だったり。
だが双子にとっては? 仲違いとも取れるような明確な拒絶に聞こえるのかもしれない。

「どこでもいいのかな。私も、どこでもいられると思っていたの。
 でもね、私……今好きだと思える場所が、わからないのよ。
 家族も大好きで、もちろん夜凪も大好き。絵を描けるならどこでも良かったのに。

 あの子に離れるって言われて、わからなくなったわ。ここで一人で帰らないのも悪くないのかなって思うくらいに」

【人】 巡査部長 鬼走

>>98 御山洗 【夜の河原】
「それを素直に受け止められれば苦労しない、と言う顔だな。……部下にもよく言われる。俺はその辺りの心がないらしい。だから俺は俺に出来る事として信じられる日まで言い続けるだけだ」

報われなくても、伝わらなくても自己満足だから構わない。勿論それで御山洗が楽になるに越した事はないが、こういうのは理屈じゃないと言うのもわかる。昔から言い続けて伝わらないなら止めると言う発想にはならない男だった。

「……また心がないと言われるかもしれないから、一つ。ゆかりと言うものはそんな簡単に切れるものとは思わない。例えば俺と10年会わなくなったとしてそれで村の頃は消えるって事はない、と、俺は思う。それは村も同じと思っていたが……違うように感じるのか。二つ、問いただしたの俺だが向き合うのが怖いなら別に怖がったままでいいんじゃないのか」

珍しく最初に少し発言の時間が空いた。時折、いつも淡々と滑らかに述べられる言葉が度々引っ掛かりを覚える。考え込むと毎回出だしが遅れたり噛むのは幼少期からの癖だ。
(104) 2021/08/14(Sat) 5:09:49

【人】 巡査部長 鬼走

>>t17 >>@13 【海の洞窟】夜長
聞き間違えたのじゃないかと思う位にあっさりとその単語が出た物だから、思考が停止して収められた「それ」を確認する為に触れる手がなかなか出なかった。即答されるどころか、現物を持っている?その時点でもう疑おうとしても、どんどん証拠を出されてこちらが追いつめられる気分だ。そんな事は本来あり得ない筈なのに。

「何でそんな姿になってでも律儀に持って来てるんだ」

もう、笑うしか無い。親愛なる親友一家を壊した存在なら許してはと考えたのに、仮定にそぐう物をひたすら叩きつけられれば、こんな夢幻と、言い捨てられない。

「いくら何でも父親に似すぎだろ、──晴臣」

親愛なる友人夫妻の大事な大事な、「齢7歳」の息子の名を、見せられた懐中時計の傷を確認して間違いなく本来は元は自分の物と確認できてしまったから、形容しがたい混じり合った感情を全て込めながら、眉尻を下げながらその「 臣」の名を呼んだ。
(105) 2021/08/14(Sat) 5:20:25

【見】 天狼の子 夜長

>>105【海の洞窟】鬼走

「──ああ、聞こえた」

 空白でない、自分の名前がきちんと聞こえた。耳が治ったのか、それ以外かは分からないが。

「……大人になったことと、
 時計を持っていることとは、あまり関係ないと思う。
 持っていたら、迷子にならないで来られると思った」

 淡々と並べられた内容の一部はけっこうとんでも発言だった。彼はどうやら大人になったつもりでいたらしい。世界の違和感は最初から持っていた。でも、それを疑っていない。

「似すぎ……大人になりたかった、から?
 一番身近な、同性の大人だからと」

 夜長はそう言うが、鬼走は晴臣が早く大人になりたい等と言っていた覚えはない。思い出に憧れている点は違うが、基本的には和臣やあなたと同じで地に足をつけている。
(@14) 2021/08/14(Sat) 7:07:31

【見】 天狼の子 夜長

>>86【歌の後】百千鳥

 夢に微睡む彼女の曲は聞きそびれてしまって。夜長は営業している海の家の方から歩いてきた。水着にパーカー、ほんのり湿り気を帯びた黒髪。水に落ちて着替えでもしたのかもしれない。

 おういとみんなに呼び掛ける百千鳥に、肘から先で手を振っていた。みんなと遊ぶのだろうか、と彼は百千鳥を眺めている。
(@15) 2021/08/14(Sat) 7:27:35

【人】 青嵐

>>+27 卯波

「そうそう、細かい事は気にすんな!楽しめ!!」

後輩が飛ぶのを後ろから
いいぞ、とか、行け行け、とか、野次を飛ばして見守る。
卯波が海面から上がったのを見てから自分も再び飛び込んだ。

大きな水飛沫がもう一度上がり、先に入水した後輩に降り注ぐ
更にびしょ濡れになった後輩を見てカラカラと笑った。

「あっはは、卯波もびっしょびしょ。
もう服気にせず遊べるな。」
(106) 2021/08/14(Sat) 8:40:46

【人】 おかえり 御山洗

>>+29 夕凪 海

「……うん」

相槌を時々打つ。滔々と流れる言葉を遮ってしまわないように。
ほんの一言を皮切りに、口にしてしまわなければいかれないものがあるのだろう。
御山洗は一人っ子だ。それでも、家族はずっと一緒ではないということは知っている。
半身とも言えるような存在がつないだ手を放すのは、一体どんな気分なのだろう。

「そうか。そういうことがあったんだね。だから、一人で……。
 ……ひとりきりで決めるのは、難しいことだね。今までふたりで決めてきたんだろ。
 どうしていいか分からなくなってしまうのは、仕方ない。しんどかったね」

手を引いて岩場までゆっくり誘導する。
惑って、混乱を思い出している心のまま、足場の不安定な水場にいるのは危ない。
みんなの世話をしていた優しいお姉さんとしての彼女は嘘ではないけれど、気を張って無理をしていたんだろう。
(107) 2021/08/14(Sat) 9:53:23

【人】 おかえり 御山洗

>>104 鬼走 夜の河原

「はは、今は少し、色々考えちゃったから……明日の昼には、きっとだいじょうぶ。
 雅也さんの言うことや見る目が間違ってるとは、思ったこと無いよ」

今までだって同世代からその下の世代まで、見守ってくれたのは彼だった。
根気よく向き合ってくれた彼が、御為ごかしに滅多な事を言う人ではないのは知っている。

「ううん、違うんです、雅也さん。ここでの思い出はずっといいものだった。
 東京にいってからの俺を支えてくれたのはここでの自分だと思う、みんなだと思う。
 それを後ろめたいもののように思っているのは、俺のせいで、俺が原因だ。
 怖がってるのは……自分です。

 ……帰ってきているのを知っていたら、俺は帰ってこなかったかも知れない。
 ――きっと俺は、会いたくなかった。再会したくは、なかった」

――誰に?
(108) 2021/08/14(Sat) 10:23:03
 青嵐

「いやいや、流石に水着に着替えますよ。
 でもこーいう何にも気にしないで遊ぶの、すっごい楽しいね。今までも、もっとやればよかったかもです!」

髪を結び直し、上着を絞って、
笑いを零しながら振り向いて言う。

「晶兄も誘わないとね。
 ちょっとつまらなさそうな顔してたから、
 目いっぱい遊んで忘れさせてあげないといけません」

【人】 髪置

「ふっふっふぅ、久々の海ですね。
 10年前より(体育とバイトで)鍛えられたこの体、
 今なら"アレ"ができるはずですっ」

どこからともなく颯爽と現れた髪置は、ズンズンと海に歩み寄っていく。
そうして海に足首まで浸かったところで、彼は……

「いくぞっっっっ!エイヤァッ!!」

足が水に沈む前にもう片方の足を前に出して水に浮くあれをした!!
しかも成功した!
(109) 2021/08/14(Sat) 12:32:20

【人】 髪置

>>109

「行けるっっっっ!風は今、この俺に吹いていますっっっっ」

ズダダダダダ!
遠くまで広がる海の上を走り抜ける髪置。
散る飛沫、たなびく長髪、食い込むパンツ。

俺たちの夏がやってきた!
(110) 2021/08/14(Sat) 12:36:27
髪置は、疲れたらそのうち波に流されて帰ってきます。
(a49) 2021/08/14(Sat) 12:43:09

【人】 青嵐

>>+30 卯波

「え、お前水着持ってんの?用意いいな。
あはは、今からでも色々できるだろ。
出来なかったぶん取り戻そうぜー。」

貴方の笑顔に釣られて笑って、
どうせまた濡れると思うから意味は無い気がしたけど
Tシャツを脱いで雑巾絞り。びちゃびちゃと海水が砂に吸収されていく。

「あー、アキラ?誘わなかったから拗ねてんのか?
なんかしけた面してんなーとは思ったけど。
ちょっかいかけにいくか〜」
(111) 2021/08/14(Sat) 13:00:53
 青嵐
「だって川も海もあるんだよ〜?
 そりゃ用意してくるに決まってるじゃないですか。

 田舎くらいでしか好き勝手出来ないよー。向こうだと気を遣わないとあんまりいい目で見られないし……いつもみんなと暮らせてたらよかったんですがね」

水を含んで重くなり、張り付く服が、
気色悪くも、楽しさの証でもあり。
大人ぶることから羽根を伸ばせるのが、何よりも心地よかった。

「そーですよ、行こ行こ。
 晶兄こそちょっと大人になって、一歩引いちゃう感じになったんでしょうかね」

竹村茜は、はしゃぐみんなを見て、やっぱりずっと遊んでたいなあと思った。
(a50) 2021/08/14(Sat) 14:30:00

 涼風

「───そう、だな。田舎の外にいる間に忘れちゃってたんだけれど。俺は何よりも、自分が撮りたいと思ったものを、最高の角度、時間で切り取って、それをみんなに観てもらうのが好きだから」

散々遊んで、水に艶めく髪を手櫛で纏めながら。
片手間に傍に戻ってきて、話の続きをする。

「昔からずうっと俺は、人の思い出の一部になろうとしてたけど、違った。
 俺が、みんなを、どこにでもある綺麗なものを、何度も、何度も何度も思い出にする。写真と変わらない。田舎に帰って、それに気づけたんです」

その背中を押してくれたのは、薫兄も含めた、
田舎の人たちだっていうことが、何より嬉しい。

「みんなを、俺の記憶の、その枠の中に。
 昨日は写真がみんなの下へ届いたらいい、って言ったけど、俺は……自分の足で皆を撮りに行きたい。

 将来は、そんな仕事を選ぼうかなって思いました」

田舎に永遠に残りたいと思う。それができたら素敵だと思う。

それが叶わないのだとしても。出来ることがある、とも思った。

【人】 青嵐

>>+31 卯波

「俺全然忘れてたぞ、
まぁ着替えありゃどうとでもなるけど。

え、そうか?俺全然気にしたことねーや
卯波俺より若いのに苦労してんだな…
あ、もしかして俺がお気楽過ぎな感じ?」

固く絞ったTシャツをバサバサと扇いで軽く乾かす。
そうしてまだ湿ったシャツを着直した

「んー…、まーなー…。
俺もさぁ、離れたときはすっげー寂しかったけど、
今生の別れでもねぇし?こうしてまた会えたし。
会おうと思えばいつでも会えるって。」

おりゃ、と濡れた後輩を髪をぐしゃぐしゃと撫で付ける
細い毛が指の中で擦れて少し擽ったかった。

「…みーんな、大人になってくんだなぁ…。
卯波の言うとおり、俺が一番変わってねーかも。
…よっし、アキラのとこまで競争だ!行くぞ卯波!」
(112) 2021/08/14(Sat) 15:03:28

【人】 音楽家 宵闇

>>72 鬼走 【3日目 夜時空】

「うーん……意外とできますかねえ、想像くらいは。
 ほら、説教臭いけどなんだかんだ面倒みてくれるし
 意外と……。雪子さんはコミュ力の塊だし例外。

 俺はもう面倒くさがりだし、結構気分屋だから
 ……愛想つかされるほう?」

誰かを泣かせる、あったかもしれない。
それすらも作品の一部にしたかもしれない。
我ながら自分のことしか考えていなかった。

「今、滅茶苦茶年老いたくないなって思った」

はいはい、わかってますよーと手をひらひらさせる。
昔はこんなにテキトーな男ではなかった。
(113) 2021/08/14(Sat) 15:13:29
宵闇は、あの頃に戻りたいとさえ思った。
(a51) 2021/08/14(Sat) 15:18:05

 御山洗

「……私がくっつきすぎるせいで、あの子が鬱陶しがっていたのね。
 ちゃんと話したから、当てずっぽうじゃないわ。
 もう大人だしそれぞれ自立をしないといけないのは確かじゃないですか。

 だからね、仕方ないのよ」


漠然とした不安は田舎の思い出で薄れはするが埋めるものにはならなくて、ただ、今だけは何も怖くないような満たされた気持ちになっている。

また一瞬で、恐ろしいほどに消えてしまう。
思い出さなくてはいけないことが、話さなければいけないことがあるのに。

「弱音を吐いてごめんね。
 しんどかったけど、今はなんだか、清々しい。
 兄さんのおかげかも?」

まるで別人になったのように、迷子になっていた姉の様子は見えなくなり、凪いだ心にあなたのことばがふり続けた。

「……なかなおり、できるようにする」

言い聞かせるように緩く手のひらを握りしめて海の静かな波を見つめていた。
なんだか、あなたのまえでは偽りの姿を見せてばかりのような気がした。

【人】 巡査長 清和

川の次は海か。と、水遊びに興じる若者たちを見守って。

自分が到着するすぐ前、宵闇が歌を披露していたと聞けば、
少しもったいないことをしたなと、残念そうに表情を崩した。

相棒と風を切った感覚がなくなれば、先に感じた違和感も蘇ってくる。

「なんだったんだろうな、アレは」

小さく独り言ちながら、遥か遠くに見える水平線を眺めた。
夏の日差しが海面に反射して、キラキラと眩い光が目を晦ませる。

「……サングラス、持ってくればよかったか」

眩んだ目では、正しくものを見る事もできない。
手のひらでその光を遮りながら、美しく輝く海から視線を外す。

そのまま、この足が砂を踏み締める感覚を懐かしく思いながら、
みんなが集まっている方向へと歩みを進めていった。

俺がしなければならないのは、こんなことだったかな。
(114) 2021/08/14(Sat) 16:01:13

【人】 音楽家 宵闇

>>+21 夕凪

「……そうかい。そりゃよかった
 シンガーソングライター冥利につきるよ」

顔を出して人前で歌ったのはいつぶりだっただろう。
少し照れくさいような気分になり、組んでいた足を組みなおす。

「どんな風に、か」

すこし言葉に詰まる、というよりは思案するように。
あまり、野暮なことは言わないように──

「ヒミツ」

にやりと笑ってからでてきた言葉はこれである。

「──そういえば、昔の俺は周りのやつらに
 あることないこと勝手に設定つけて
 歌詞書いてたことあるんだよな。

 ……誰にも見せたことなかったけどね」

"そういうこと"かもと笑った。
(115) 2021/08/14(Sat) 16:29:39
 青嵐

「今更気付いた?瞬兄のそういう、
 細かいとこ気にしなかったり、
 気楽に構えてるところは美徳だけど、

 たま〜に苦言言われてるの、俺は知ってますから」

時任の姉さんがちょっとね〜と、
聞きようによっては思わせぶりなことを言う。

それでも見習うとこは見習うべきではあるが。

「あはは、そうだね。こんなに揃って会えるんだし、
 会えないことはない。でもちょっと寂しいけど。

 色んなとこ飛び回って、みんなに会いに行くって目標を立てたから本当に『会おうと思って会いに行く』ようにしますよ、俺は!」

無遠慮な手に頭を掻き撫でられ、
あ!折角髪結び直したのに!と文句ひとつ。
それでも心地よさそうに目を細めて。

「え、かけっこってそれは俺に勝ち目ないけど!
 行くぞて、も〜〜、待ってってば〜〜〜」

そんなこんなでもう一人の先輩の下へ改めて向かうのだろう。

【人】 学生 涼風

>>+32 卯波

 貴方の話をこくりこくりと小さく頷き相槌を打つ。

「ふふ……それはいい。
 写真を届けてくれるのも嬉しいけれど、卯波くんが来て撮りにきてくれるほうがきっともっと嬉しいよ。
 だってそうやって会いに来てくれて、一緒に時間を過ごすことができたなら……卯波くんの記憶の中に皆が収まるのと同じように、卯波くんもまた皆の思い出の一部になれると思うから」

 まるで陽の光を見つめたかのように目を細め、眩しそうに貴方を見つめて微笑んだ。

「真正面から会いに来て。どうか真正面から受け止めて。
 そうしたらきっと皆も……喜んで、カメラ目線を君に送ってくれる筈。カメラの向こうにいる君のことも、ちゃんと見てくれるよ」
(116) 2021/08/14(Sat) 16:33:09
宵闇は、浅瀬を裸足でひとりのんびり歩いている。
(a52) 2021/08/14(Sat) 17:04:31

宵闇は、あとからやってきた清和にひらっと手を振った。
(a53) 2021/08/14(Sat) 17:05:49

あなたの四角形の型に収まる気はない、と笑った。

決闘だなんて柄にもないけど、と重ねて笑った。

卯波だけの四角形を作り続ける。一つに固執するあなたには負けない。

【人】 おかえり 御山洗

>>+33 夕凪 海辺

「……でも。思い出にばかり生きてはいられないから。子供のようにはいられないから。
 子供のままの関係でいられたらよかったのにね。そうしたら、苦しくなくて済むのに」


(117) 2021/08/14(Sat) 17:10:13
御山洗は、ひとつの横顔を見つめている。
(a54) 2021/08/14(Sat) 17:10:21

ただただ笑った。もう嫉妬することはない。

【人】 おかえり 御山洗

>>+33 夕凪 海辺

ここに居たいと願う気持ちが安穏を齎すならば、きっと御山洗の言葉は届かないのだろう。
そうとは気づかずにふとこぼれた言葉をかき消すように首を横にふる。

「そっか。仲直りできるなら、それが一番いいと思う。
 なにかひっかかってしまうことがあるのなら取り除ければ問題ないんだしさ。
 おとなになった二人としての関係を、すり合わせられたならいいと思うよ」

前向きに見える貴方の言葉にそれで安心してしまった。
多分ちょうどその頃に、学生たちのあげた掛け水がぱっと御山洗を隠した。
顔から体まで濡れた御山洗が目を丸くした後、おかしなものを見たように吹き出す。

「子供のままだったら、いいかもなあ」
(118) 2021/08/14(Sat) 17:10:35
御山洗は、海水まみれになったTシャツを脱いだ。
(a55) 2021/08/14(Sat) 17:10:59

【置】 学生 涼風

拝啓

 ひまわりが今を盛りと咲き誇っています。お元気でお過ごしでしょうか。

(中略)

   様は夢を見たことがありますか?
 昔から貴方にはお世話になっていましたが、面倒を見てもらってばかりで貴方自身の事を聞くことは中々ありませんでしたね。もっとも、あの頃を思い出すと貴方がどのような気持ちを抱えていたか、なんとなく分かってしまいますけどね。もしかしたら私もきっと、貴方と同じことを考える可能性がありましたから。

  大人になったら夢を見ることは許されないと思っていました。
 でも、大人ってどういう人を指すのでしょう?
 二十歳になったら?自分でお金を稼げるようになったら?お酒や煙草がのめるようになったら?口付けよりも深い愛を交わせるようになったら?

 私は、二十歳という成人の線引きは少し残酷だなと思うのです。日付が変わったからといって、いきなり意識が変わるなんてことありませんよね?
 大人というものがどんなものなのか、はっきりとした事は分かりません。一つ、「こうなんじゃないか」と考えているものはありますが。

 もしかしたら大人も子供も、そう違いなんてないんじゃないか。時折そう感じてしまうのです。

(中略)

敬具 

  20××年 8月××日
涼風薫 
(L5) 2021/08/14(Sat) 17:14:48
公開: 2021/08/14(Sat) 17:30:00

【人】 おかえり 御山洗

「昨日はしゃぎそびれたし、俺も遊んだほうが良いかな」

乾いた塩がぱさぱさとくっついている。川辺と同じようにはいかない。
スポーツ選手のように美しくとはいかないけど、鍛えた背中は大きかった。
夏のせいか少し日に焼けた肌は、もう10年前の子供のものではないけれど。
(119) 2021/08/14(Sat) 17:16:50
竹村茜は、今日の夜は幼馴染皆で一緒に寝たいなあと思っている。
(a56) 2021/08/14(Sat) 17:21:58

清和は、宵闇に優雅に手を振り返した。
(a57) 2021/08/14(Sat) 17:28:30

【人】 音楽家 宵闇

「……お。アキラ、遊ぶ気満々かい?」

そう言って浅瀬から見守る男は
ズボンをまくった程度で、相変わらずいつもの恰好だった。

そしてせっかくいい感じに黄昏ながら浅瀬を歩いていたのに
ナマコを裸足で踏んだ。思わずキュウリを見た猫のように
跳び上がるところだった。筋肉痛に響いた。

「…………うわっ」

「……うわーー…………いててて……」
(120) 2021/08/14(Sat) 17:31:35
清和は、宵闇のその様子がおかしくて、思わず顔を逸らして笑った。
(a58) 2021/08/14(Sat) 17:34:35

清和は、今日は同い年のふたりを眺めておこうかな、と考えている。
(a59) 2021/08/14(Sat) 17:35:33

宵闇は、清和をじとっとした目で見た。
(a60) 2021/08/14(Sat) 17:38:23

宵闇は、くすくすと自分でも笑い出した。
(a61) 2021/08/14(Sat) 17:39:06

【人】 おかえり 御山洗

>>120 宵闇

「……せっかくだしさ。もう濡れちゃったら、関係ないし」

昨日は水辺には入らなかったぶん、はめの外しに拍車がかかったのかもしれない。
臑の浸かるところまで入っていって、潮の匂いに満たされた空気をすんと吸う。
都会の海だったらこうはいかない。遊びに来ただけではあっても、感慨はひとしおだった。

「何やってるんだ、本当。
 あしどけてあげなよ」

なまこが遊び道具になっているんだろうか、みんな。夕凪に振り回されていたのを思い出す。
ざぶざぶと海の中を難なく歩きながら寄っていって、踏まれているナマコの顔を見に行く。
(121) 2021/08/14(Sat) 17:42:19
竹村茜は、海ではしゃいでいる。そのままどんどん、深い方まで歩いていく。ショーパンが濡れないくらいの深さまで。
(a62) 2021/08/14(Sat) 17:46:07

【人】 学生 涼風

 卯波と話の続きをした後、一度だけ彼にカメラを返して海へと足を運ぶ。自分も海に飛び込んで遊びたくなったのだ。昨日少女と川に飛び込んだのがお気に召したらしい。
 柔らかな薄手のパーカーを脱ぎ、揃えたサンダルと、髪をまとめるために持ち歩いている真鍮の玉かんざしの隣に置いて。ぺたぺたと吸い付くような岩の上を歩く。
 眼下に広がる青い海。囁くように紡がれる漣の唄は、まるでこちらへおいでと誘っているかのよう。

「……」

ここにいたい。このままずっとここにいたい。


 無意識に笑っている。少年自身は気づいていない。
 ふらりと吸い込まれるように痩躯を前へと傾ける。
 重力が、見えない何かが、見ようとしない自分の感情が。白い手足を掴み、引き込み、そのまま──


 ばしゃん。


 一つ、水飛沫が上がった。
(122) 2021/08/14(Sat) 17:49:16
清和は、ナマコが苦手だった。
(a63) 2021/08/14(Sat) 17:50:47

涼風は、海の中で丸くなる。細い体を沢山の泡が通り過ぎていく感覚が心地よかった。
(a64) 2021/08/14(Sat) 17:51:25

涼風は、何もかもを忘れて海に身を委ねた。ああ、楽しいなあ。
(a65) 2021/08/14(Sat) 17:52:44

清和は、それを指摘される度に必死に否定していたものだった。
(a66) 2021/08/14(Sat) 17:53:00

【人】 音楽家 宵闇

>>121 御山洗

「……………ナマコって意外と硬いな」

苦笑い、平気そうに見えるが、実はものすごく鳥肌が立っている。
おそるおそる、足をどけた。
思いっきり体重をかけて踏んだわけではないので大丈夫だろう。

男はこちらに寄って来た御山洗にチャンスだ、と
言わんばかりに水をかけた。ばしゃり。

「ははー、ちょっと気抜きすぎてんのかな、俺」

いたずらっぽく笑う。
(123) 2021/08/14(Sat) 17:59:35

【置】 迷子の少女 竹村茜

少女は気付いていた。

ここでしか得られないものがある。
ここでしかもう出会えない人がいる。

少女には未練があった。

将来を決めるきっかけになったお婆ちゃんと11年前から疎遠になってしまったこと。
帰ってきたときにはお婆ちゃんがもういない事を知っていた。



幼馴染ともずっと一緒にいたかった。

少女はこの
夢の綻び
に気付いていた。
現実
との境界が見えていた。


少女は、
永遠の夢を望む誰かを出し抜いて、夢に飛び込む権利
を持っていた。

望んでくれたのなら、否 望んでくれなくても。

戻るべき現実に、少女は背を向けた。

少女は日差しに煌めく、あの時の思い出と 大好きなみんなと一緒にこの夢の中で過ごす。
(L6) 2021/08/14(Sat) 17:59:55
公開: 2021/08/14(Sat) 20:55:00
受け取ったカメラを一旦手荷物に戻し、
水着へ着替えることに。人も寄ることもないだろうと、
近くの物陰で思い切って衣服に手をかける。

上着をしっかり、細腕で絞り、
肌に纏わりついて離れないシャツを、両手をクロスさせて無理矢理引っぺがした──ところで。

ふと、自分の両胸に手を当てる。
筋肉の僅かな硬さ。なだらかな、
未だ成長を感じさせるような感触。

「男の子らしくなりたいんだよ、僕は」


まだ解消されてない違和感が一つだけある。
何かしっくりこないような。現実味の薄いような。

カメラによって切りとられた顔を、
勇気を出して、なんとか、見つめようとする。

(──ああ)

自分が、今まで自分のことを見つめられなかったから。
『今の自分』の外見を、他人に委ねてしまっているんだ。
少年が、段々と元の形へ戻っていく──。

宵闇は、昔ナマコを清和に投げつけて遊んでたかもしれない。
(a67) 2021/08/14(Sat) 18:12:22

メモを貼った。

【人】 おかえり 御山洗

>>123 宵闇

「筋肉質だし、体の作りが独特らしいね。俺はあんまり扱ったことないけど……うわ」

ぶにゅぶにゅの体は種類によっては溶けたりもするし、力を入れて固くもなるらしい。
どんなもんかな、と覗き込もうとした顔を下から水しぶきが襲った。
ぱちぱちと瞬かせて、また海水を浴びた顔を拭う。

「……、やったな」

ひと呼吸ふた呼吸おいてから、反撃の狼煙があがった。
大きい手が同じようにばしゃ、と足元の水をかきあげてふっかける。
(124) 2021/08/14(Sat) 18:13:56
清和は、海では宵闇に弱かった。これ幸いとナマコも投げつけられていた。
(a68) 2021/08/14(Sat) 18:14:40

迷子の少女 竹村茜は、メモを貼った。
(a69) 2021/08/14(Sat) 18:16:52

迷子の少女 竹村茜は、メモを貼った。
(a70) 2021/08/14(Sat) 18:18:54

ゆったりとしたラッシュガードを着た。そしてもう一度「海だ〜〜〜!!!!」

青嵐は、編笠にちょっかいをかけにいく。卯波も一緒だ。
(a71) 2021/08/14(Sat) 18:25:04

竹村茜は、幼馴染の男子陣に向けて、拾い上げたナマコを投げている。
(a72) 2021/08/14(Sat) 18:25:59

青嵐は、「しけた面した俺の親友ど〜こだ!」
(a73) 2021/08/14(Sat) 18:26:33

竹村茜は、狙いは卯波da
(a74) 2021/08/14(Sat) 18:27:22

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>@15 夜長

「あっ、和臣さん!」

 こちらに控えめに手を振り返すその様子。
 少し前に、またあとで、と別れた
大人
の姿を認めて
 小走りでそちらへと駆け寄って声をかけた。

「秘密基地は見つかった?」
(125) 2021/08/14(Sat) 18:27:32
竹村茜は、ナマコをぶん!
(a75) 2021/08/14(Sat) 18:27:36

編笠は、よりによってようやく今服乾いた俺のとこ来るか!? と逃げ出した。
(a76) 2021/08/14(Sat) 18:27:43

威圧感に気付いた。

反射的に腕をあげると、ナマコをキャ〜〜〜ッチ!!!


……………………

↙このへんにナマコを持ってる。

【人】 迷子の少女 竹村茜

「あ、ナマコ取られた。やるなあ卯波〜〜〜」

両手には追加のナマコを握っている。そこそこ深い位置にいるので、拾い上げる度にTシャツはびっちゃびちゃだ。

シャツの下が透けて見えるほど、ひたひたと体にくっついてしまっている。
(126) 2021/08/14(Sat) 18:30:06
百千鳥は、宙を舞うナマコをぽかんと眺めている。ナマコって飛び道具だったっけ?
(a77) 2021/08/14(Sat) 18:30:06

【人】 巡査長 清和

「ははは、いい顔してるじゃないか、アキラ。もっとやってやれ」

川で遊べなかった分まではしゃぐ御山洗を見て、安心したように微笑む。
相変わらず二次会で飲み過ぎた頭が痛むが、それも忘れてしまいそうだ。

「そういえば……」

バイクに乗ってきたが、もしかしたら飲酒運転だったかと頭をよぎった。

まあ、ちゃんと海に来れたし、誰にも迷惑かけてないからいいか。
内心で警察官らしからぬことを思いながら、同い年ふたりを見やる。

「……やっぱりいいなあ、こういうの」
(127) 2021/08/14(Sat) 18:30:11
清和は、自らの金の髪を軽く触って、指先で弄った。
(a78) 2021/08/14(Sat) 18:31:04

ナマコを海にリリ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ス!!

清和は、平然としているように見えて、ナマコ投げに巻き込まれないことを祈っている。
(a79) 2021/08/14(Sat) 18:32:03

青嵐は、そのへんで拾ったワカメを片手に逃げる編笠を追いかける。
(a80) 2021/08/14(Sat) 18:32:40

「油断も隙もないなあホント!」

ナマコさんが可哀想でしょ!(委員長)

「あ、茜ちゃん」

そして、透けてる様子に気付いたようで、
小走りで荷物を漁り、大き目のタオルを取り出してみせつつ、自分の胸元をとんとんと叩く。

「さっきも水かけまわってたでしょ、
 一旦休憩にしようよ。両手のナマコは引き受けるから」

ほんのわずかに頬を染め顔を背けて、
気付いてくれ〜と気遣いをしてみて。

【人】 迷子の少女 竹村茜

「ん?……んふふ、卯波のえっち」

やだ〜見ないでよ〜なんて言いつつ、ナマコを海に戻して Tシャツをめくりあげる。
その下には黒のインナートップス。水濡れ透け対策はばっちりだ。

「茜ちゃんがそんな失態犯すわけなーいじゃん」

とはいいつつ、卯波の元へ近寄っていく。気遣いを無駄にするのは良くないからだ。
(128) 2021/08/14(Sat) 18:44:51

【人】 音楽家 宵闇

>>124 御山洗

「油断したな」

それは男のほうだった。そう言った刹那──
自分がかけたより倍に近い水飛沫をかぶり、頭から見事に濡れた。髪がわかめのようになる。

「……うわ。つめた。しょっぱ……
 待て、俺また昨日みたいになるって……話せばわかる」

自分からふっかけておきながら
一歩、また一歩あとずさり、沖の方に逃げながら

「なんてな」

だが、反撃をするのは忘れなかった。
量でかなわなければ数だと言わんばかりに
ばしゃばしゃと何度か水をかけまくった。
(129) 2021/08/14(Sat) 18:46:32
編笠は、青嵐あとで覚えてろ!と言いながら海藻王から逃げまどっている。
(a81) 2021/08/14(Sat) 18:47:44

宵闇は、ナマコを投げ合う若者たちを見て懐かしくなった。
(a82) 2021/08/14(Sat) 18:47:50


「こ〜らからかうんじゃありません」

だから見ないようにしてたんでしょ〜なんて言う。
ああ、そういう方法もあるんだ、とちょっとだけ感心したりして。

「茜ちゃんは着替えちゃんと……あるよね、茜ちゃんのことだもの。いや、安心した。
 十年越しに女らしさを磨いたところを目の当たりにするとは思わなかったよ〜」

【人】 迷子の少女 竹村茜

「ごめんなさ〜い。照れてる卯波面白くってさ〜」

でも心配してくれてありがとね、と素直に伝えて。

「ふふん、思いっきり遊ぶためにそういうのは欠かさないんです。
 メイクだって水で落ちない奴にしてるし、ちょっと厚手の服もちゃんと用意してるから安心して」
(130) 2021/08/14(Sat) 18:55:13

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>122 涼風

「──かーおる兄!」

 やにわに近くも遠い水面の向こうから声がして、

 たゆとう海に溶けてしまいそうなその人の腕を
 ぐっと引いて、水面という膜一つ隔てた向こうへ引き戻す。

 その手はもう随分と大きくて、
 ただ手を引いて、こちらを見てとねだるだけの子供ではない。
 きっと誰の事だって、楽しい事へと連れ出してしまえるのだ。

「ねえ、一緒に遊びに行こう!」

リフレイン。

「ほら、行くよ!いつまでもそんな所でぼーっとしてないの!」
(131) 2021/08/14(Sat) 18:58:19
御山洗の視線を追おうとした。

青嵐は、編笠そんな照れんなって、な!
(a83) 2021/08/14(Sat) 19:00:00

【置】 音楽家 宵闇

覆面シンガーソングライター『YORU』
ノスタルジックな物語性と、田舎を意識した情景描写を
織り交ぜた懐かしくも、美しい曲を書く人間だ。
プロフィールはほとんど非公開。歌声から男性ということしかわからない。


宵闇 翔はYORUの影男だ。

散らかった部屋の隅で"売れる為に"
壊したくなるくらい綺麗な言葉を継ぎ接ぎして
娯楽、恋愛、曲のネタになりそうなことはやりつくして。
そうして万人向けする音楽を大衆に売り払っている。
大した理由などない、明日の飯のためだ。

──昔はもっと、綺麗な気持ちを抱いていた。

音楽が大好きな母親に喜んでもらいたい。
褒めてもらいたい。アイツに勝ちたい。
変わりゆく景色を忘れないよう、残したい。届けたい。


音楽は好きでも嫌いでもなかった。
でも、きっと、あの頃は、楽しかったんだ。


最近はそんな純粋な気持ちを思い出せそうなくらい
この田舎のひとときに安らぎさえ感じ始めていた。
このままここにいれたら、あの頃の気持ちを思い出せそうな程。

夢を見る子供には戻れないというのに。
(L7) 2021/08/14(Sat) 19:00:10
公開: 2021/08/14(Sat) 20:00:00
青嵐は、編笠にワカメを投げつけた。
(a84) 2021/08/14(Sat) 19:00:31

【人】 髪置

ぷか〜 ぷか〜
でかいボート型の浮き輪に寝そべり、ふらふらと波に揺られている。

「あぁ〜、この感覚。気持ちいいですねぇ……」

ちなみに水着は着ている。普通のトランクス型の水着だ。
たまに水につけた足をゆらゆら動かしては、あくびを一つして夢現の合間を揺蕩っている。
(132) 2021/08/14(Sat) 19:06:54
 御山洗

「子供、のままの関係だったら?」

どういう意味だろう、と頭で思考を巡らせている間に水が飛びかけられる。
ぱちくりと目を瞬かせて見つめれば、覗くのは無防備な脇腹。いたずら心が芽生えてその腹に手を伸ばした。

「御山兄さん余所見してると危ないよ」

くすぐってみたい衝動が起きてしまったから。
遊んでみたくなったから。
そんな無邪気な理由でいつまでもここに要られたらどれほどいいか。

しばらくしてから皆の輪に戻ろうと声をかけた。
その時一体自分は誰を見ていて。
あなたは誰を見ていたのだろう。

「お兄さんも、溜まったものがあるなら海にでもなんでも吐き出してしまってください。
 
田舎に忘れ物をするのは、夕凪たちだ絵で十分です。

 あと、風邪は引かないように!」

そう、笑って。
一歩海に向かって飛び込む構えを見せた。

【人】 おかえり 御山洗

>>129 宵闇

いつも素直な大男は耳を貸そうと一旦止まった。
が、和解の姿勢を見せた途端に反撃を喰らい、思わず声を上げて笑った。

「っふ……はは、話す気ないだろ、翔」

つまり望まれているのは継戦なのだ。そう受け取ると、沖の方へと追いかけていく。
同じように深みに行くにつれて水も掬いやすくなって、巻き上がる量も多くなった。
まるで本当に子供に戻ったかのように、遠慮もなしに塩水を掛け合う。
(133) 2021/08/14(Sat) 19:12:30

【人】 学生 涼風

>>131 百千鳥

 音もなく、温度もなく、けれども揺り籠のような心地の良い海の中。
 朗らかな声が、しっかりとした手が、日差しとともに差し込まれて。

「……、っぷは!
…………は、……ぁ、うん?ああ、モモ──」

 ざばりと音を立てて引き戻される。顔に張り付く髪をどけることもしないまま、呆気に取られたようにきょとんとする。

 残響。回想。幻視。

「……呼子、さん」


 くらり。軽い目眩がする。
 ……きっと暗い海の中にいたからだろう。淡く浮かび上がる疑念を振り払うようにかぶりを振った。瞼の裏に焼きつく影法師も溶けて消えた。

「……うん!モモ、遊ぼう!どちらが早く泳げるか競争しようか!」

 頼もしくなったなあ、と感慨深くなりながら貴方と無邪気に笑い合う。
 ごめんね、忙しいからと断る理由はここには無い。

 自由に、好きなだけ貴方と連れ立って駆けて行くことができるのだ。
(134) 2021/08/14(Sat) 19:31:25

【人】 音楽家 宵闇

>>133 御山洗

「もしかしてホントに話聞こうとしてた?
 素直なやつめ……」

すっかりびしょびしょになった長い前髪をかきあげて
笑いながら、年甲斐もなく水をかけ合い、はしゃぎ倒す。
子供の頃は、振り回していたこちらのほうがきっと優勢で
でも今は力なら御山洗のほうが上かもしれなかった。

夢中ではしゃぎ倒し、逃げ回っていればいつのまにか
それなりに深いところまでやってきていたことに気づいて

「待って、タンマ、服重い。一回服脱がして──」



「あ」

一際おおきな水飛沫があがった。
宵闇はふいに、足を滑らせて、うしろ向きに、海の中に消えた。
(135) 2021/08/14(Sat) 19:38:43

【人】 おかえり 御山洗

>>+39 夕凪

「わあっ」

面白いくらいに体をよじって突かれた箇所をさすった。
前髪を透かして白目が見えるくらい目を丸くして、なんで? みたいな目が夕凪を見ている。
それが悪戯心なのだろうと遅まきに理解すれば、仕方ないな、と姿勢を正す。

「うん、いこうか。なるべくたくさん、楽しんだほうがいいよね。
 これだけみんなが集まることもきっとなかなかないだろうから」

今は忘れてしまおう、心中に抱えておいていくのは思い出だけでいい。
夏のにおいに吹かれながら、はしゃぐ声の中にまぎれていく。
(136) 2021/08/14(Sat) 19:40:52

【人】 警部補 添木

>>101 鬼走 【3日目 朝 旅館】

「さあね〜。鏡で確かめたら?ま、指輪もつけさせてるし。心配ない気はするけどね」

機嫌が見るからによくなる。
鼻歌を歌いながら、先に歩き出す。

「あはは!」

相手の返答に、愉快そうに笑った。

「変わるわけないじゃない。”僕”も”俺”も、ずっと同じまま。人がまるっきり変わったように見えたってさあ、根本的には俺なんだ。変わったように見えたなら、それはその人との付き合い方を、俺が改めただけ。

見せ方を変えただけだよ。多少鉄を磨いたって、鉄は鉄だ。キラキラ見えるか、鈍くてサビてるかなだけ」
(137) 2021/08/14(Sat) 19:41:21

【人】 警部補 添木

>>102 御山洗

「ああ、あれねー……。まあ憧れないとは言わないけど。でも、呑んでみると酒、楽しくならないとはいわないけど?結局、楽しいときに飲むから楽しいのかな。メンツ次第だよ。御山洗サンも、お茶でも一緒に飲んだら楽しいよ?きっと」

きっと彼の言うことも一理ある。素面だと、どうしても言いづらいことも、お酒を飲んでいるからと、距離を詰めて話せる力は確かにある。ただ、相手が酔ってさえいれば、自分は酔っているフリでそう話しても問題ないんじゃないかな、と思う。どうせ酩酊状態の時、皆大して気にしない筈だ。楽しい場ならなおさら。

「あー。まあね…ダメだったら旅館に泊まり続けようと思ってたよ。たまーにくるぐらいだし。正直、辛い想い出も多いし? だから、毎年…一応風を入れに来るだけ」

段ボールから調理器具を出して、ひたすらキッチンに運んでいる。布団は早めに始末しておきたい問題だったから、本当に助かる。布団が引っこ抜かれる音に笑って、

「布団干し終わったら、ちょっと休憩しようよ」
(138) 2021/08/14(Sat) 19:41:32

【見】 天狼の子 夜長

>>125 百千鳥

 向かってくるあなたに、パッと雰囲気がはなやいだ。が、秘密基地のことを聞けばどこか微妙な雰囲気になる。

「……先に、行ってしまったかもしれない?」

 鬼走に連れられて、それらしい所に行ったらしい。方角もあわせての説明を聞けば、あなたが彼を案内しようとしていた場所で間違いないと思えるだろう。

「それとあっちの、洞窟の方の秘密基地にも、
 ボートで連れて行ってもらって。
 ……すまない、俺の方が案内してほしいと言ったのに」

 纏っていた微妙な雰囲気は、申し訳なさやバツの悪さだった。
(@16) 2021/08/14(Sat) 19:52:26
 卯波

「ああ〜次々女の子らしい単語。
 メイク、……そっか、その年ごろくらいになるとするんだね」

 何か思うことがあるのかうんうんと頷きながら。
 大半は後輩がこんなに大人になって……という感情からくるものなのだろうが。

「俺は写真撮るひとだから、撮られる側の努力とかにも凄い興味があるんだよね。時間があったらちょっとだけでも教えてもらっちゃおうかな……俺がするわけじゃないんだけど」

【人】 おかえり 御山洗

>>135 宵闇 海

「そりゃあ一応、」

水を掛けられれば掛け返し、それにまた掛け返されて。
ラリーのような水遊びが続く。
まだ少し優勢なぶん話を聞く余裕もあったのか、待てとされればぴたりと止まったのに。

「っ、翔!」

叫ぶような声。海辺は底面が急斜面になっていることもある。
海の中に頭を沈めて、手をつかもうと腕を伸ばす。
(139) 2021/08/14(Sat) 20:02:47

【人】 おかえり 御山洗

>>138 添木/添木邸

「みんな、『子供はダメだ』『子供にはまだ早い』って言うもんだからさ。
 大人はいいなあって……現実にはそんなとんでもなく良いもんじゃないけど。
 そうだなあ、瑠夏や翔とも飲もうよって話はしたし。祭りのあとに時間とれるかな」

そのあとになったっていいけれど、折角大人になったのだから積もる話をしたくもある。
もしも場と時間が取れるのならそういうこともしたいと同意した。
きれいに畳まれた布団をその形のまま縁台のある方へ持っていって、
ありもので干してみた。そのままの形で家が残っていても、細かい道具は抜けてるかもしれないから。

「そうだよな、俺も……受け入れてもらえるか不安だったから――……
 ……あ、うん。時間はあるしね」

添木は年も近いほうだから、御山洗が集落を去った理由が親の離縁であることは知っているかもしれない。
それに、ついていかなかった父親のほうがこの田舎に由縁のあるほうだ。
だから帰ってきた御山洗を迎えるものはいないはずだけど、
声を掛けられてそっちへ寄っていった。
(140) 2021/08/14(Sat) 20:20:14

【人】 音楽家 宵闇

>>139 御山洗 海

男は泳げないというわけでもない。
だから特に焦ってもがくわけでもなく、泳ぐわけでもなく
けれど、服の重みでじわじわと沈んでいく。
腕がのびてくるまで、ぼんやりとくらげのようにただよいながら、水面越しに空を見つめていた。塩水は目に染みた。

腕は掴まれる。
細身の男を引き上げるのは難しくはないだろう。
(141) 2021/08/14(Sat) 20:22:30
宵闇は、水中で、水面に浮かび上がっていく泡沫が綺麗だな、と思った。
(a85) 2021/08/14(Sat) 20:22:52

【人】 おかえり 御山洗

>>141 宵闇/海

「危な……頭打ったりしてないか、大丈夫?
 ごめん、よく周り見てなかった……」

引っ張り上げた体をちゃんと足のつくところに立たせて、怪我をしていないか検める。
意気消沈としてはしゃいで遊ぶ気力はすっかりなくなっているようだった。
(142) 2021/08/14(Sat) 20:28:35

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>134 涼風

「お、言ったね!
 競争となればこのモモチ、薫兄だからって容赦しないぞぅ!」

 引き上げたその手を取って、ころころと笑い合いながら
 二人、飛沫を上げて波を掻き分けて行く。
 その次は何をして遊ぼう、なんて気の早い話をしつつ。

 憂鬱なんて、みんなで遊んで忘れてしまえばいい。
 楽しい遊びなんてここにはたくさんあるのだから。
 夏はまだまだ終わらないけど、
 日々を物思いに耽って過ごしてしまうには少し惜しい。

 ぼやけて被る輪郭に、大切な何かが欠けているような感覚に
 今は見ないふりをして、ただ淡い夢に浸るのだ。
(143) 2021/08/14(Sat) 20:35:07

【人】 音楽家 宵闇

>>142 御山洗 海

「……いやー気持ちよかった。久々の海」

一方、引き上げられたこちらはとてつもなく呑気だった。
重たい服を脱ぎ、絞っている。
意気消沈した様子の御山洗を見て首を傾げる。

「あー、悪い悪い。俺が足元みてなかっただけだよ
 お前は気にしなくていいって」

ぽんぽん、と背中を叩く。怪我はないらしかった。
(144) 2021/08/14(Sat) 20:37:19

【人】 おかえり 御山洗

>>144 宵闇/海

脱いだ上半身はともかくとして、せっかく海に入って良いように履いてきたハーフパンツまで海水漬けだ。
選択する前に真水で塩を抜いたほうがいいのかな、とか考えながら目元を隠した前髪をかきあげた。
普段はほとんど気にしなくとも、濡れて束がくっつき合うと前が見えづらい。

「それならよかったけど……はしゃぎ過ぎるのも考えものだな、やっぱり」

過大に落ち込むのはやめたものの、すっかり気持ちは落ち着いてしまった。
まだまだ元気な学生たちの方を見て、ああいうふうにはいかないんだなと思い直す。
(145) 2021/08/14(Sat) 20:48:26

【人】 君ぞ来まさぬ 百千鳥

>>@16 夜長

「あ、やっぱり!
 さっき見に行ったんだけど、誰か来てたみたいな感じしたから
 そうなんじゃないかなーって思ってたんだ!」

 述べられた答えに特に落胆する様子もなく、
 微妙な雰囲気を物ともせずに溌剌と応えを返した。

 夜長の様子からして捜し人は見付からなかった、という
 推測に思い至る事は無く、ただ単純に
 自分の見立てが間違っていなかった事を喜んでいるようで。

「ううん、気にしないで気にしないで!
 あそこは案内しなくってもすぐわかると思ってたし、
 洞窟の方…は多分、危ないからって
 モモチ連れて行ってもらった事無かったし!」

 夜長の纏うばつの悪さを振り払うように、
 気にしないでと快活に笑って片手を振った。
(146) 2021/08/14(Sat) 20:48:33

【人】 青嵐

「はは、アキラのやつ、あんな全力で逃げなくてもいいのに
持ってるのただのワカメだぜ?」

笑いながら”親友くん”を追い掛け回して疲れたので砂浜に寝転んだ。
熱された砂の熱が背中から伝わる。
遊んで、笑って。
この数日で会えなかった日々を少しずつ取り戻せてる気がして嬉しかった。
太陽が眩しくて、目を瞑る。

「……はぁ〜〜〜……背中あっち〜〜〜」
(147) 2021/08/14(Sat) 20:56:46
宵闇に笑顔を返したとき思い出したのは
双子でみんなのことを思い出していた数年前。

『お兄ちゃんは忙しいんだから僕たちに構ってばかりいられないさ。
 だけどとっても大事にしてくれてる、夕凪もわかっているだろ』

わかっているわ。優しくて真面目な人だもの。


『涼風? 何してんだろうなぁ、まだ僕たちみたいに文章を書いてればいいけど。
 それか新しい夢見つけていたりしているかもな』

それもいいと思う、もう何年も経ったんだから。


『編笠元気かなぁ〜、あいつと話すの大好きなんだ、なんか面白い仕事についたりしないかな。みんなが思いつかないような』

どんなことを好きになったのかな、とても気になるね。


『青嵐はさぁ、落ち着きが出たのか気になるよな。夕凪もあの時のこと……え、もういいって?僕が変わりに聞いてやるよ』

何をしているのか、二人で想像して。
会える日を夢見て、一緒に笑った。


『モモチは背ぇ伸びたのかな、まだまだ成長期だろうけど流石に夕凪の服はもう嫌がる歳だろ』

まだまだ可愛いわよきっと。
私の服も入るんじゃないかな。


いつまでもいつまでも夢を見るように話は続いていた。

【人】 音楽家 宵闇

>>145 御山洗

「俺はたのしかったよ」

けれど濡れていい服でくるべきだとは思った。
昨日のことで学習できない、だめな大人。

「あ゛ー……筋肉痛ひどくなりそ。
 さて、あとはゆっくり休もうか……
 海は泳ぐのもいいが、ただ見ているのもいいものだ」

浜辺へと歩いて行って、思い出したように振り返る。

「助けてくれて、ありがとな」
(148) 2021/08/14(Sat) 20:58:22
最後にカメラで海の風景を撮るだろう。

【置】 迷子の少女 竹村茜

「じゃあ、行こうか。『   』」
(L8) 2021/08/14(Sat) 20:58:41
公開: 2021/08/14(Sat) 21:00:00
御山洗は、海が似合うと、そう思った。
(a86) 2021/08/14(Sat) 20:59:17

涼風は、夢について考え続けている。
(a87) 2021/08/14(Sat) 20:59:26