人狼物語 三日月国


239 【身内】ミッドナイト・カマイユ【RP】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


月が姿を変え、新たな一日が始まった。村人は集まり、互いの姿を確認する。
葉月が無残な姿で発見された。

伝承は真実だった。異形の刃を持つ魔物“人狼”は、確かに存在するのだ。

もはや村人たちに猶予は無い。早く人狼を見つけ出し、処刑しなければ。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ない……。

楽観
人狼なんているわけないじゃん。みんな大げさだなあ。
誰かが死んでしまったのも部外者の仕業だよ。人狼なんているわけない。

だから処刑だなんて、そんな物騒なことはやめようよ。

現在の生存者は、景斗、デュラン、那岐の3名

[ 自分で裾を捲くり上げて、恥ずかしさと
 戦いながら淫靡に腰をくねらせて、声を漏らして ]

 俺も好きだよ、触るのも
 触られるのも、

 ん、もっと?いいよ

[ 触られるのが好きだと告げるから
 もっと、と貪欲に望まれてる気になって
 丹念に、そこを吸い出して。

 ぷっくりと膨らめば、かり、と歯を立てて。 ]

 俺がやらしいこと言うと、
 恥ずかしそうにするでしょ

 それに、ぎゅって締まって………

[ しまった、と思ったときには少し遅かった。
 今日は、入れないとそれは固く決めている。
 けど、ぎゅっとナカで抱きしめられる感覚が
 瞬時に思い出されて、ずくん、と腰が疼いた。 ]

 もう何度も聞いてるのに
 恥ずかしいの?

[ それをごまかすように、問いかけたと同時
 くらいに、ぐっと肩を掴まれて、甘えるように
 頬がすり寄ってくる ] 

 
  ぁ、ンッ、ぅ……、


[好きに好き、を返したはずなのに。
 更に好きを重ねられて、弱く首を揺らす。

 些細な違いが伝わらなくてもどかしい。
 瞬けば潤んだ瞳のせいでまつ毛に露を移しながら]


  ぁ、ぅッ、ちが、くて……ッ、

 
[硬い歯で扱かれるように刺激されれば
 また、ぴくん、と肩を震わせながらも、
 一拍置くようにはく、と呼吸を紡いで。]

[口にもしていないのに伝わったみたいに
 ぢゅうと強く音を立てて吸い上げられたら尖りは
 既にぴんと立ち上がって肌よりも色濃く色づいていた。

 腕を下ろせば、持ち上げてフリースがずり落ち
 生地が擦れることすら敏感になる。]


  そ、れは、言われると意識する、から……


[言葉にされるのは確かに羞恥が浮かぶ。
 と、言った矢先から情事の最中をまた口にして、
 ことを想像したのは彼も一緒だったのだろう。]


  ッ、
ぁん
っ……、ッ!


[言葉と共に彼の腰が僅かに上下に揺れ、
 まるで突き上げられているみたいに動いたから
 一際甘い声が洩れて、思わず口を手で抑え、]

 

  〜〜〜〜〜〜〜っ、
  何度言われても恥ずかしいものは、
  恥ずかしいです……っ、


[喘ぎを誤魔化すみたいに
 いつもより声を大きくして赤面しながら応えただろう。]

[そんな一幕を経て。

 結局、崩折れるようにしなだれた身体は彼を求めている。
 誘う声に、こく、と浅く頷いた。
 
 彼のスウェットもずらせば既に兆しを見せていた。
 自身で反応しているのだと分かって
 少し面映ゆくなりながらも愛しさが込み上げる。]


  ン、……こう……、?
  
……っぁ、は……、ッ、ん、



[乞われるままに脚を広げて
 身体を彼に寄せるようにすれば
 ぬる、と互いのものから溢れた先走りが刀身を滑り。]

[互いが興奮していることを理解らせるみたいに
 彼の手が自身の手を刀身へ導いて、竿ごと握り込まれる。
 掌の内の熱さと、
 手の甲に重なる彼の手の熱さを受け止めながら、]


  ぁッ、だめ、……これ、きもち、くてッ、
  ……ぁ、ぁんッ、……、は、

  ん、ぅッ、
……っふ、 ぁ



[逆上せ上がった声はすぐに彼の唇に覆われて、
 口腔に掻き消えていく。
 くちゅくちゅ、と掌から伝わる水音と、
 口内を掻き回す水音が重なって、とろ、と脳が蕩ける。
 
 気がつけば夢中になってキスをして、
 飲み下せない唾液が、口端から溢れていた。**]

[ 快楽に震えながらも、違うと口にする
 のを見て、僅かな時間、舌を唇を動かすのを
 止めて、見上げるように、彼を見る。

 はく、と呼吸を紡いだ後 ]

 うん、

[ 続けられた言葉に、返事だけを返した。
 触れられるのが好きだから、気持ち良い。

 その言葉の前提には、互いだから、という
 項目が必要不可欠である。 ]

[ それを伝えようとしてくれたことも、
 体現するように、熱を上げていく体も、
 伝わってほしい切なさが瞬きと共に
 こぼれ落ちるのも、分かっているよと

 伝わっていると、教えたい。

 俺が好きだから、こうしているこうなっている
 だけじゃなく、君が俺を好きでいてくれるから
 指先で触れられるだけで、呼吸が乱れて
 相手を感じてしまうから気持ち良くなれる、と。 ]

 好きだよ、那岐くん

[ とくとくと、脈打つの心臓の音。
 肌を通して聞こえるそれを、宝物を抱えるように
 大事に、抱き寄せる。

 音が跳ね、乱れる。

 羞恥と欲と、その奥には
 どうしようもなく、他の誰でもなく、
 たった一人、俺だけを愛してるからだと、
 主張するように、生きてる音で忙しい。 ]

 意識してるなら、俺は嬉しい。

[ 何度口にしても意識はしてしまう
 恥ずかしいものは恥ずかしいらしい。
 その慣れなさがまた、愛おしいから ]

 嫌いじゃないでしょ

[ また少し、意地悪を言うみたいに
 口にしてしまう。 ]

 恥ずかしそうにしてるの、みると
 こうなっちゃうんだよね。
 めちゃくちゃ、クる。ここに。

[ 誤魔化そうとしたのは、触れられてる訳でも
 ないのに、もうそんなにしたの、と思われるのが
 癪だったから。なんだか悔しくて。
 けれど、その動きに何かを思い出して。
 甘い声を上げてくれるなら、話は別になってくる。

 ――今日はしない、のに擬似行為をして
 しまうあたり、会えない時間が相当堪えて
 いるらしいと一人、胸の内で笑いながら。 ]

 うん、そう
 上手、

[ やがて、こう?と脚を広げ、
 身を寄せ合うようにすれば、熱が触れ合う。 ]

 ん、俺もだめだな
 気持ち良い、

[ 逆上せる声が耳に近く、よりぞくぞくと
 快感が競り上がってくる。 ]

 ――ン、

[ ねだるとすぐにそれを受け入れて
 開かれた唇に噛み付いて、じゅる、と
 口内で舌を絡ませる。

 その音だけでまたくらくらしてくるから
 困りものだ、口の端から垂れた唾液を
 獣のように舐め取って、飲み下し、

 露出した舌を吸い上げると、
 熱を孕んだ視線が、絡み合う。 ]


 気持ち、良いね

[ 問いかけのようで、独り言のような
 それは今にも蕩けてしまいそうなほど、
 あまく。* ]

[好きだと伝えて、
 同じ答えが返ってくるのはどれくらいだろう。

 口数が足りない拙い言葉でも
 少しは伝わったのか、抱き寄せる手と共に
 もう一度、最初と同じ言葉が返ってくる。]


  ……ん、


[頷くように浅く、首を揺らして
 ちう、と吸い付くようなキスを頬に、口端に落とした。
 愛おしいと思うから唇で、掌で触れたくなる。
 触れた部分から足りない言葉の分だけ伝われば良い。]

[水音がだんだん加減がなく立ち始める。
 夢中になって舌を絡めて、吸い上げられて喉が震えた。]


  っ、ぁ……ふ、ぅ、ン……ッ、ん
  
んンッ、……っ、



[気持ちいいと確認する声に、薄目を開けて。
 舌を突き出したまま、感じ入るように目を細め、
 頷く暇すら惜しむように、また唇を合わせて。

 擦れ合う熱がどんどん張り詰めていく。]

[それでも、もっと、と思ってしまうのは
 いつも与えられる中への刺激が足りないからか。
 前を擦り合わせようとする間にも、
 きゅう、と後孔が疼くみたいに締まるから。]


  ……ぷ、ぁ……ッ、……
  ん、ッ……ぅ、ぁッ、は、……
め、っ
……


[浅ましいと思いながらも彼の太腿で、
 刺激を与えるようにお尻を擦り付け
 また、意味の為さない否定を口にして。]

[ 先走りが潤滑剤の役割を果たすおかげで
 手を早めても摩擦は少なく、滑りが良い
 自ずと、高めるように手の動きは早まっていく。

 どちらの、とも付かないそれを塗りつけるように
 すると、にちにちと水音は尚、響くように大きくなる ]

 ふ、……… んん、

[ 膨張率が上がり、張り詰めていく自身のそれと
 彼のそれ、触れるだけで、限界が近い事を
 悟れば、なおのこと。

 気持ち良いね、それに頷いたのも
 視界の端に捉えているのに、 ]

[ 太腿に、弾力の良い尻の肉感が伝われば
 それは間違った認識ではないことを、知る。

 本音を言えば、今すぐにでも指を突き入れて
 かき回して、ぐちゃぐちゃにほどいたその狭い場所に
 押し入りたい。けれど、そうはしないと決めたから
 ここは、お預けにしてもらう他無い。自分も、そして彼も。

 膝を揺らせばその振動が彼にも伝わっただろう

 それ以上、は後日に取っておくとしても、
 反応が返れば、ゆるくまた膝を揺らして ]

 ン、いいよ、イって
 大丈夫、

[ 限界を訴える涙に彩られた言葉を聞けば
 己も急速に、限界へ到達するのを感じる。

 炬燵布団を汚してしまっても、一向に
 構いはしないのだが、炬燵を見る度思い出して
 心地よさよりも、気まずさは遠慮が勝つと、
 寂しいから。

 濡れた髪の水分を僅かに吸ったタオルを
 二人の性器を覆うように、隠すように
 被せてやる。 ]

 これで、汚れない いつでもいいよ
 ……ん、ぁ 俺も、イきそう

[ ぎゅ、と眉間に皺が寄る。
 もういつ奔流してもおかしくないほど、
 ぱんぱんに張り詰めたそこが、触れ合う度に
 熱のこもった吐息が、唇をくすぐって。* ] 

[甘く誘う声に手を伸ばして、身体を支え。
 疼きを訴える場所を今度は無意識ではなく
 意図的に刺激するように押し上げられて、]


  
、ぁッ、ぁ  っ……


[細く啼いてぶるっと身を震わせた。

 一度だけじゃない、ぐ、ぐ、と腿で押されて
 その場所を教えられて、羞恥だけではなく
 快感に浮かされた熱が瞳を滲ませていく。]

[擦り合っている彼の剛直がぐんと勢いを増す。
 彼も興奮しているのだと分かって、
 その先を思わせるような行為に、は、と熱を零し]


  ぁ、ンッ、……だ、
め、揺らさ、ないでッ、

  ……ア、
ッ、んっ、 ゃッ、……


[膝の上でゆらゆらと身体が揺らめく度に、
 自身の腰も甘く揺れて、波打ち、秘奥が切なくなる。]

[前と後蕾を同時に愛撫されて身悶える。
 気持ちよくなって何もわからなくなってくる。
 アルコールの混じった吐息が、彼の鼻先に掛かり、
 酔いで上手く力の入らない手で、弱く肩を掴む。

 いいよ、と促す声に、ン、んっ、と短く応え
 だめだと分かっていながらも止められない腰を
 堪らずに揺らして、快楽を求め。]

 
  ……はっ、ぁ、ぁッ、……イ、くッ……、
  け、ぃと、ッさ、も……で、ちゃ……、
──ッ!



[ぎゅう、と肩を掴む手に力が入ると同時、
 強く瞳を閉じて、ビクンッと膝の上で跳ねる。

 ぴゅく、と勢いよく吹き出した白濁が
 彼の手に捕らわれた自身の手を汚していく。*]

[ 今日はそこまでしないと分かっていながら
 疑似行為を続けた事で、そのかすかな快楽を
 的確に拾い上げて、押し拡げ奥を突かれる感覚を
 覚えている体が、ぶるりと震え細く、啼く。

 だめ、と言いながら腰を揺らす彼に、 ]

 欲しくなっちゃうね?

[ 余韻を残すみたいに、言うのは、
 この次を、いつなのか、と待っていて
 欲しかったから。

 ――ついでに、少し焦れて欲しかったのも
 あるかもしれない。単純な下心故に。 ]

[ 気持ち良くて蕩けた声が、顔が、
 連鎖するように、こちらの理性を溶かすから

 求められるままに、擦り上げて、
 弱い箇所をぐり、と握り込んだ。 ]

 ン、いいよ
 俺も、………、は、

[ ぎゅうと強く肩を掴まれたと同時、
 目を失せて、敏感な体がひくんと跳ねる
 その衝撃を受け止めて、

 ついでにぴゅく、と手の中で、
 性器が跳ね、熱い迸りを感じた後、

 自身の精を受け止めたその手を借り受けて ]

 
出る
、――…… 
く、 ッ


[ 少し遅れて、びゅる、と数度に分け、
 彼の手を汚していく。浅い呼吸を数回繰り返して ]

 ふーーー………、

[ 大きく息を吸い、吐いて。
 くたりとした体の間にある、タオルで
 ざっくりと、体を拭き取ってから

 快楽を与えるためではなく、
 ただ抱きしめるために腰に腕を回して ]

 気持ち良かった、
 疲れちゃった?

[ まだ熱っぽい唇で、やさしいキスを贈る。* ]

[欲しくなるかと問われたら、素直に
 こくこくと首を縦に揺らして頷いただろう。

 揺らぐ身体を支えるために肩に添えた右手も、
 昂りを握るように抑えられた左手も、
 漏れ出る喘ぎを抑えることができないでいる。]


  んッ、……ぅんッ……、


[涙を浮かべて、まだ湿り気を帯びた髪が
 頷く度にぱさぱさと束になって揺れる。

 見つめてくる瞳に気づいたら、
 濡れた瞳で見返し、熱い吐息をついたのも束の間、
 く、と喉を詰めて、達して。]

[熱を吐き出す解放感にクラクラする。

 ふ、と力が抜けていく身体を抑え込まれて
 握り込まれていた彼の手も力が籠もり、
 苦しそうな声が聞こえたと思えば、
 掌に広がっていく熱さが、彼も達したのだと伝える。]


  ……────ぁ、 

 
[互いの吐き出したものが手の中で混ざり合って、
 どろりと零れ落ちていくのを、
 惚けた顔でぼうっと見つめていた。

 彼が零したものを少しだけ、
   もったいない、と思いながら。]

[肩で息をして、暫し惚けたまま。
 汚れた掌を見つめていれば、
 彼に手を取られ、タオルで拭き取られていく。

 互いにまだ下肢だけを晒した状態のまま、
 腰を引き寄せられれば、ン、と小さく残り香のする
 吐息を零しながら、大人しく腕の中で彼と顔を見合わせた。]


  ……ン、きもちよかった、
  けど、まだ……寝たくない、


[唇を受けながらも、とろんと瞼が落ちてくる。
 朝から働いていたせいか、一気に押し寄せてくるように。
 心とは裏腹に、身体は疲労を訴えていた。*]

[ まだ情事の色が濃い空気の中、
 寝たくない、と言いながらも、疲労している
 であろうことは、明白で。 ]

 ベッドで続き、する?
 ふふ、ごめん。さすがに冗談。

 体、綺麗にしたら
 ベッドでもう少し、充電させて。

[ 気持ちよさそうにキスを受け止めて、
 蕩けかける瞼につい、そんな冗談を口にして
 しまったけれど、しばらく互いのぬくもりを
 堪能した後、完全に寝落ちしてしまう前に、
 ホットタオルで、体を拭って、
 
 眠気に負けつつある彼の体をベッドに
 横たえる。自分も歯磨きをし終えると
 寝具に横たわった。 ]

【人】 高野 景斗

 年末さ、うちで待っててほしいな
 日を跨ぐ前には、帰ってくるから。

 大丈夫、アフタートークもなし、だから
 出番が終わったらすぐ、帰れる手筈に
 なっているから。

[ 上瞼と下瞼が離れるのを嫌がっても
 少しだけ、そのような会話をしただろう。 ]

 年が明けたらすぐ、鍋にしよう
 実はコンロはもう買ってある、

 土鍋は、昨日注文して――………

 ふぁ、  ん、 もう無理かな
 おやすみ、 ――………*
(0) 2023/12/29(Fri) 21:56:45

【人】 高野 景斗

―― 年末大型特番・舞台袖 ――


 おめでとう、そして
 俺を起用してくれて、
 夢を追いかけ続けてくれて、ありがとう


[ 感極まって舞台袖で、うさぎもかくや
 というくらい泣きまくった、目が真っ赤な某アーティストには
 この後、アフタートークが待っているというのに。

 いつまで経っても感動が引かないらしく
 スタッフに、かなり控えめに、
 
 "トークにも着いてきてもらえませんか"

 などと言われたが、 ]

 俺って、
子守
で呼ばれたんですかね

[ そう笑いかければ、スタッフの間で笑いが起こる。
 子守、という言葉選びが余程恥ずかしかったのか
 彼は、大丈夫だと豪語してステージへ向かっていく ]
(1) 2023/12/29(Fri) 21:57:41

【人】 高野 景斗

 立派ですねぇ
 少年のときから、彼のような人に
 憧れを抱かれていたのはとても光栄です

[ だがその十五秒後、彼は多くのテレビカメラに
 捉えられたステージで、再び大号泣をする羽目に
 なったのだから撮れ高は上々と言えるだろう。 ]
(2) 2023/12/29(Fri) 21:57:51

【人】 高野 景斗

[ サプライズゲスト、シークレットゲスト
 呼ばれ方は様々あるが、

 秘密であることが最大の売りであるのだから
 トークやら締めやら、打ち上げやら
 には顔を出さない方が美点が高い、のを
 良いことに、さっさと着替え、シャワーを済ませ
 タクシーに飛び乗った。

 その中で、 ]


 なんだかんだ見てたのかよ


[ トークアプリに届く、友人からのメッセージ>>1:n2
 大事な友人の晴れ舞台を、見ていました
 と言わんばかりに届く。 ]
(3) 2023/12/29(Fri) 21:58:11

【人】 高野 景斗

『大昔子役の頃に共演したから少しだけ』
『お前大晦日だってのに、怒り狂ってるなよ』
『悪いね、皆の紺色うさぎは今夜俺のものです』


[ そんな内容を送りあっていれば、
 タクシーの運転手から、到着しました、と
 声がかかったか ]

 お忙しい中ありがとうございました。
 またお世話になりますから、取っておいてください

[ ぱたり、タクシーのドアが閉じる。
 足早にエントランスを抜け、オートロックを解除し、
 エレベーターに乗り込んで。

 ………階段駆け上がった方が早かったんじゃ?
 と、思ってしまうくらいにはきっと、ハイになっている。 ]
(4) 2023/12/29(Fri) 21:58:26

【人】 高野 景斗

 ――……ただいま!!

 画面越しに、惚れてくれた?

[ バイクに乗っているときと、仕事がうまくいった後、
 それから君に会いに行くとき、

 俺の心は少し、少年に還る。 ]

 あの場でなんにも言わなかったけど
 心臓ぶち破れるかと思った………、

[ コートも脱がないまま、恋人を抱きしめて
 ようやく、全てが終わった、というように
 深く長い、ため息をついた。* ]
(5) 2023/12/29(Fri) 21:58:39
[揶揄ような声に、んー……とぐずるように小さく唸り
 唇を離したら、そのまま肩口に頭を乗せて。
 離れがたく思う気持ちと、襲いくる睡魔と戦う。

 その間にも事後処理をしてくれる手に身を委ね
 大人しくされるがままに面倒を見てもらった。
 もうその頃には半分夢現だったから、
 抗う力も残っていなかったというのもある。

 ベッドに移動した衝撃で、少しだけ意識が浮上する。
 向き合うように横になったベッドの中で
 仕事の話をうとうととしながら耳を傾けて。]


   …… うん、待って、る……


[辛うじて応えられた小さな声は
 彼の耳に届いただろうか。

 眠りを促す緩やかな声に、再び瞼が落ちた。*]

【人】 瑞野 那岐

── ゆくとし、くるとし ──

[三月うさぎの店はクリスマスを過ぎた後も忙しく、
 年末ギリギリまで店は開いていた。
 
 常連客も大事にすることはもちろん、
 従業員も大事にしている店長なので
 大晦日と元旦の三箇日だけは店舗が休みになる。

 あまりまとめて休みを取れない接客業は
 4日間の連休だけでも嬉しい限りだ。]
(6) 2023/12/30(Sat) 4:02:30

【人】 瑞野 那岐

[大晦日の午前中の間には実家に顔を出し、
 久々に両親の顔を見た後、
 店はどうだ、とか、杏は元気かという話を聞かれ
 どちらも順調だと伝えた。

 なら、恋人はどうだ。と聞かれて
 今度は言葉に詰まる。
 
 長らく独り身を続けていた後の
 新しい恋人の情報は杏から既に伝わっているらしい。
 (性別はまだ知らないようだが。)

 あー……、と言葉を少し濁しつつも、]
(7) 2023/12/30(Sat) 4:03:24

【人】 瑞野 那岐

 

  優しい人、だよ。
  誰かの為にすぐに手を差し出せるような、
  ヒーローみたいな人。


[そう笑えば、格好いい人じゃないと母ははしゃいだ。
 写真を見せて、と催促する声を
 久しぶりの匂いに尻尾を振り続ける飼い犬へ
 おいで、と促すことで誤魔化して
 その場はうやむやにしつつ。

 いつか母たちにも彼を紹介する日が来るのだろうか。
 景斗さん、犬好きだったっけ。]
(8) 2023/12/30(Sat) 4:03:48

【人】 瑞野 那岐

[そんなイレギュラーを味わった後、
 午後は年末年始をゆっくりと過ごす為に
 両手いっぱいに食材を買い込んで彼の家に向かった。
 
 待って居てほしいと言っていたけれど、
 自身も共に過ごすつもりだったのもある。

 その時話していた土鍋は既に届いていたから、
 使う前に軽く洗って火の通り具合を確かめていた。

 今日買った食材の中には、
 鍋に使う具材ももちろん買ってある。
 今度こそこたつに合う料理になるだろう。]


  ……──、


[鍋の話を聞いた夜。
 子供かと言いたくなるくらいに、彼に身を任せ
 世話をしてもらったことを思い出す。]
(9) 2023/12/30(Sat) 4:04:33

【人】 瑞野 那岐

[甘やかして欲しいとは言ったけれど、
 甘やかされてだめになる訳にはいかない。

 小さく首を振り、いつかの失態を振り払うように。
 買い込んだ食料を冷蔵庫へ仕舞い込む。

 年越しそばの準備は彼が帰ってきてからにしよう。

 それまでに部屋の掃除をして、
 早めに風呂に入って。

 子供の頃のように夜の番組が始まっても
 テレビに齧り付いて居られるように。]
(10) 2023/12/30(Sat) 4:05:37

【人】 瑞野 那岐

[アーティストが次々とステージを入れ替わっていく。
 ラジオで耳にしたアーティストも居れば、
 初めて耳にするアイドルも居た。

 まだ彼の出番は訪れていない。
 不意にこたつの上に置いていたスマホが揺れる。
 考えていたのが伝わったのか彼からだった。

 ふ、と笑って短くメッセージ送り返した後、
 再び、メッセージが届く。
 それは彼と仲がいい友人からだった。>>1:0


  『見てますよ』
  『年末にテレビ見てるの久しぶりです』
  『順番通りなら、そろそろですね』

  ……あ、

[そんな短文を送りあった後、テレビを映した画面が届く。
 今、自分自身も見ているものと同じものが映っている。]
(11) 2023/12/30(Sat) 4:05:50

【人】 瑞野 那岐

[大きな画面いっぱいに黒の姿の彼が映る。
 何度か見返した、若い頃の彼ではなく
 自分自身が知っている”今”の顔をした彼がヒーローの姿で。

 ブル、ブル、と手の内で通知を知らせるバイブが
 揺れ続けても、暫く画面に魅入ったまま。

 すぐに画面は彼を恩人だといったアーティストに切り替わる。
 けれど、その後ろに彼が映り込む。
 アーティストを見守るように、後ろで。
 時に、衣装を翻らせて不敵に笑う姿に。]


  『すごいですね、格好いい』


[彼らの出番が終わった頃にようやく遅れて。
 葉月さんには返信しただろう。
 ヒーローに会えた少年の心を持つアーティストを眺めながら。]
(12) 2023/12/30(Sat) 4:06:13

【人】 瑞野 那岐

[その後も葉月さんとメッセージを送り合いながら
 教えたかぼすの蕎麦の写真に微笑んだりして>>1:n1
 一年の終わりの時間が迫ってくる。

 残り一時間もとっくに過ぎて、後十分程で新年
 と、いったところで玄関先から慌ただしい音が聞こえた。
 帰ってきたのだ、と分かる。

 立ち上がり、玄関先へ向かおうとするのと
 彼が廊下を過ぎるのはどちらが速かっただろう。

 勢いよく飛び込んできた寒さと挨拶と共に
 先程画面に映っていた煌めいた笑顔がある。]
(13) 2023/12/30(Sat) 4:06:28

【人】 瑞野 那岐

[挨拶よりも先にコート姿のままで抱き竦められ
 その勢いに少し目を見張りながら、]


  わ、……ぷ、ははっ、
  ──おかえりなさい。

  格好良かったですよ
  もう一度惚れ直すくらい。


[興奮冷めやらぬ様子の彼の背に両手を回して、
 少し高い目線を見上げる。]
(14) 2023/12/30(Sat) 4:06:46

【人】 瑞野 那岐

 

  誰が見ても憧れのヒーローでしたよ。
  おつかれさまでした。


[深く長い溜息は、安堵も混ざっているのだろう。
 仮面を外した彼を今は緩く、背を撫でて労うように。**]
(15) 2023/12/30(Sat) 4:07:02

【人】 高野 景斗

[ 生放送での出演、とは。一回限り。
 失敗が許されないという緊張感が尋常ではない。

 舞台の仕事も、少しだけは経験があるが
 基本的に現役時代はドラマや映画が仕事の中心だった
 
 新米だった己は言われるがままに
 ではあったが、監督の納得がいくまで、
 撮り直すのが当たり前で、その中で研鑽していく。

 勿論予算や天候の都合上、一発撮りの事もあったが
 概ねは一度くらいの失敗は誰にもあること。

 ――だがそれを、生放送されては堪らない。

 なにせこちらはほぼほぼ隠居の身だという
 自覚がありながら、"お願い"されて、
 重い腰を上げた という有様だ。

 その身で失敗、など許されやしないし
 興醒めさせては、了承した意味がない。 ]
(16) 2023/12/30(Sat) 15:48:57

【人】 高野 景斗

[ クリスマスの日の朝、眠たげな恋人に
 見送られてから大晦日まで会うことは
 なかった。それは意図的にでもあるし、
 多忙を極めたこともある。

 それは仕事だから、だけではなく。
 この出演をなんなら自分より、喜び
 楽しみにしてくれている存在が居たからこそ
 頑張れた、のは間違いない。

 綿密な打ち合わせ、稽古
 完璧な位置取り、体に染み付くまで
 夢に見てしまうまで、繰り返し続けたお陰で
 本番の反響はすごかった。

 曲が終われば、出番が終わる。
 最後の一音が終わった後、
 一瞬静寂に包まれたと思ったら

 割れんばかりの歓声が響き渡った
 アナウンサーから、注意が入るほど。 ]
(17) 2023/12/30(Sat) 15:49:09

【人】 高野 景斗

[ 中には、リスナーも居たのだろうか
 叫び声の中に「高野」は無くとも、
 「漆黒」だとか「無名」だとか。
 固有名詞に至らない、それでも分かる人には
 わかる、自分への声援が、確かに、聞こえた。

 テレビの前で、またラジオを聞きながら
 同じように、声を上げてくれるひとが
 大勢、いる。

 彼らに恥じぬ舞台であったと声を大にして
 言えると思う。

 帰宅したとてその高揚感がすぐには
 消えず、おかえり>>14の声を聞いて、
 尚強く、その体を抱きしめた。 ]
(18) 2023/12/30(Sat) 15:49:23
[ 勢いのまま、ただいま、おかえりの
 と枕詞が着くには、熱っぽい口づけを
 繰り返す。

 外気に触れて冷たくなっているであろう
 唇は、君の熱を奪うように、熱くなっていく。

 キッチンからは彼が丹精込めて作ったであろう
 料理の良い匂いがしている。
 リビングからはつけたままのテレビの音が
 僅かに漏れ聞こえている。

 玄関の壁掛け時計の針が時を刻むのと
 口内を好き勝手暴れるが故に漏れる水音だけが
 響いて、 ]

 ――ン、……ふ

[ あたたまる、どころか熱を上げ始めたあたりで
 名残惜しげに、唇を離した。 ]

 テンション上がっちゃって、つい

[ このまま、温めて、と寝具に転がすことも
 少しは頭を過ぎった。この次は、という約束も
 ついでに掠めていくけれど。

 明日は元旦で、今夜はまだ、長い。 ]

 続きはあとでね

[ そう言って体も離すと、ゆるやかな仕草で
 コートを脱いで。* ]

【人】 瑞野 那岐

[先程見ていたテレビの彼と同じはずなのに
 眼の前の彼は全く印象が変わって見える。

 依頼があった時は渋面を作っていたけれど、
 会場で起きた歓声や、あのアーティストの喜びよう、
 それに、達成感に満たされた彼の今の表情を見れば
 背中を押して良かったように思えた。

 準備期間には長く、時間がかかったけれど。

 その分も含めたつもりで背を撫でれば、
 不意にぐっと彼の腕の力が籠もる。]
(19) 2023/12/31(Sun) 0:06:49

  
  ?  ……──んッ、 ぅ、


[顔を上げると同時に唇がぶつかった。
 驚きに微かに上がった声は、すぐさま舌にこじ開けられ
 送り返されるように喉奥に注ぎ込まれていく。]


  ン、……ん、っ、……ぅ、
  〜〜、ッぁ……んんッ、……

 
[一瞬ひやりとした唇はすぐに温度を分かち合い、
 舌を絡め取られ、口蓋を擽られ、身体が震えた。
 重ね合わせる角度を変える度に呼気を逃して
 声が漏れる。ゾクゾクする。]

[先程まで聞こえていたテレビの音が遠くなる。

 とろ、と瞼が落ちてきて、
 腰に力が入らなくなってきて、膝が落ちそうになる
 ──ところで、ようやく唇が解放されて。]


  ……っ、
は……ぁ、



[惜しむような声を漏らして、彼を見上げた。
 突然の情熱的なキスに翻弄されて
 まだぼうっとした頭がついていかない。

 てんしょん、と彼が口にした言葉を繰り返し
 じわりじわりと、大仕事を終えた興奮からだと理解して。]

[ランナーズハイ、みたいなものだったのか。と。
 思えば、翻弄された自身が恥ずかしくなる。

 キッチン前の通路で、齎されたキスだけで
 膝が崩れそうになるくらいになったのはきっと、
 彼のランナーズハイだけが理由ではないから。

 すれ違いざまに続きを仄めかされる。
 それは、どういう意味なのだろう。]


  続きって、……、


[自然に脱いだコートを受け取ろうと手を伸ばしながら、
 言いかけて、澱み、言葉を切った。
 これで、聞いてしまったら期待しているみたいじゃないか?*]

[ するのもされるのも、好むらしい。
 のは体感で分かった。

 情事の最中も、そうでなくとも
 目を細めて、幸せそうに笑うから。

 今は少し驚かせてしまったせいで、
 あとは口内を弄られて、それどころでは
 ない故に、そういった表情は見られない。

 代わりに、口づけの隙間から、
 艶めいた声が漏れ、とろ、と瞼が落ちてくる
 様子が見える。

 心ここにあらずというように、
 てんしょん、と舌足らずに繰り返し

 続きを促すような声が聞こえたら ]

 約束したでしょ?
 うんと、気持ち良いことしようねって。

 忘れちゃった?

[ くすくすと笑って脱いだコートをハンガーに
 掛けると、イブの夜の約束、を口にする。 ]

 今すぐ、でもいいんだけど。
 そしたら朝まで離してあげられないだろうから
 夕食、食いっぱぐれちゃいそうだよね

[ 体型維持のため、もあるし、
 本番で満腹で体が重い、なんて無様を
 晒せないから、最近食事は控えめを心がけていた
 つまり、 ]

 那岐くん、夕飯作ってくれてるって
 思ってたからすごく、楽しみにしてたんだ

[ わりと、空腹であるので。 ]

 お風呂、もう済ませちゃった?
 まだなら夕飯の後、一緒に入ろうね

[ なんでも無いことのように、そう誘いかけて、
 仕事着から部屋着に着替え終えると、
 テレビの方へ視線を向けて、なんとなく
 悔しげな表情を浮かべる。それに、
 気づかれたとしたら ]

 ……二時間早く、帰れてたらなぁ

[ 大変子供っぽい口調で、 ]

 
繋がったまま、年越ししたかった


[ さらりと口にした。
 無理だろうとは思っていたが、 ]

 来年は、そのつもりでいてね

[ と、新年そうそうに、煩悩塗れの約束を
 一方的に取り付けると ]

 あけまして、おめでとう
 今年もよろしく。

[ 食卓へ着こうとしただろう。* ]

[受け取ろうと伸ばした手は空を掴むだけ。
 行き場のない手を下ろしながら、
 通り過ぎていく声を聞く。]


  約束?
  …………ぁ、……あー


[きょと、と一瞬疑問符が浮かんだものの、
 後の言葉が続けば、すぐに理解はできたので。
 意味のない母音を伸ばして、視線を泳がせた。

 朝まで、という宣言に嘘はないのだろう。
 実際にそういった日がないわけでもなかったし。

 夕食というにはあまりにも遅すぎる時間。
 時計を見れば長針と短針が今にも重なるところだった。

 一年が、終わろうとしている。]

[テレビの中では除夜の鐘がまだ鳴り響いている。
 煩悩を消すという鐘が聞こえる中で、
 こんな話をしていると怒られてしまうだろうか。
 
 キスで上げられた熱が頬をまだ赤く染めている。
 いくつめか分からない鐘を聞きながら、
 テレビの中のアナウンサーが新年を告げた。

 部屋着に着替えた彼がくつろいで呟く声に戸惑う。
 けれど。]


  お風呂は先に済ませましたけど、
  
……その、
……じゅんび、
してた、から。
  


[年末はゆっくりする為に、早めに風呂に入る習慣がある。
 けれど、今日早くに入った理由はそれだけじゃない。]

 

  一緒に入り直すのも、いいですね。

  だけど、食事も食べられてないなら、
  蕎麦作りますよ、先に年は越しちゃいましたけど。


[伝えるには照れが勝り、小声で絞り出すようになった後。
 入りたいなら、と顔を上げて微笑み。
 ひとまず彼がお腹を空かせているのならば腕を振るおうか。]

 

  あけましておめでとうございます。
  本年もよろしくお願いします。
 

[新年を迎える言葉を口にして、
 赤く染まった顔を隠すみたいに
 足早にキッチンに逃げ込んだだろう。]

[準備と行っても、蕎麦は事前に出汁を取っておくくらい。
 天ぷらは時間がかかるから番組が始まる前に
 揚げていた大きな海老がラップに包んである。
 蕎麦の上に乗る主役だ。

 コンロに乗せたままだったそばつゆに再び火を掛ける。

 蕎麦だけでは足りないだろうかと、
 海老と一緒に揚げたかぼちゃやまいたけの天ぷらは
 後で蕎麦が出来上がる頃にもう一度
 電子レンジで温めることになるだろう。
 
 今の電子レンジは揚げ物もからりと仕上げてくれる。
 便利な文明の利器だ。]

[いつもは食事を作る楽しみも、
 食べてもらえる楽しみも、あるけれど。

 先程口にした自身の言葉が、微かに脳裏に残っている。
 彼が小さく口にした、言葉も。

 蕎麦つゆが煮えて泡立つまで
 小ネギを切りながら、ふと。
 先程交わした、キスを思い出して。]


  …………、


[そっと、自身の唇をなぞり、ため息をつく。
 少しだけ炙られた熱が、身体の奥で燻っているみたいだ。*] 

[ 脱いだコートを受け取るために
 伸ばされた手に、小さく首を降ったのは

 ただでさえ諸々を一手に引き受けて
 くれているから、このくらいは自分で。

 と思ったため。

 買い出しに炊事に、もしかしたら
 浴室なども軽く掃除してくれているの
 かもしれない。使った、というなら多分。

 普段から汚さないように、散らかさないように
 と意識している故に、それほど大掛かりでは
 なかったのだろうが。

 あれもこれも、甘えてしまっているなと
 図らずとも似たような物思いを数秒。

 ――え、
結婚したっけ。
したかもしれない
 いやまだか、
しよう
 と物思いがふっと
 遠くに飛んでいく直前、歯切れの悪い返事が返り
 物思いは霧散する。 ]

 なんだ、忘れてないんだね?

[ 先に済ませたその後に続く言葉に ]

 あぁ、……
期待してた?


[ それは悪いことをしてしまった、とは胸中のみで
 呟いて。一緒に入り直す、にはうん、と頷いた。

 空腹を訴えたためか、――それとも、
 何度言われても、また何度しても、恥ずかしいのか
 足早にキッチンに向かっていく姿を見て、
 するり、と己の腹を撫でた後、自分も
 キッチンの方へ向かう。

 そこでコンロに火を入れ、包丁に手を掛けるのを
 見て ]

 ………、気が変わっちゃったな

[ コンロの火を止め、後ろからそっと両手を
 制すように被さって、 ]

 危ないから包丁置いて?
 で、手を洗って

[ 親が子にしてやるように、重ねたままの手を
 流し場に引いて手を洗わせる。手元付近に
 キッチン特有の、危険がなくなったところで、
 はむ、と耳朶を口に含んだ。

 何がスイッチとなり、己をこう駆り立てるのか
 正直な所自分でもわからないが、 ]

 いつしても、良いように
 準備してくれてたって聞いたら、こうなっちゃった

 先に、那岐くん食べていい?

[ 問う声に甘さが滲むあたり、多分君が
 何らかのスイッチを押したに違いない、とは
 責任転嫁、だろうか。 ]

 ここで、して
 お風呂でもして、ベッドでも、しよ

 待てなくなっちゃった

[ ――いつかの日、エプロンを身に着けた君を
 ここで抱いた事がある、その時も、準備をしてきたと
 君は言っていた。思い出せば、むく、と熱が更に
 膨らんで、頭を擡げる。

 ぴたり、と体が密着していれば、それに
 君も気づくだろう。

 そんなつもりでは無かったと言われても、
 もう遅いかな、布巾でさっと拭った
 手は服の裾から侵入しているし、その気にさせる
 事に関しては、自信があるものだから。* ]

 
  そ、れは。
  待ってて、言っていましたから。


[コンロに視線を落としたまま、掛けられる声にハッとする。
 忘れてないという確認には
 そう応えることで答えになっただろうか。

 なのに更に後押しするみたいに。
 意地悪く聞いてくることには思わず口を噤んだ。]


  
……、そういう聞き方はずるいです。



[まるで自分だけが期待していたみたいに。
 先程いやらしい年越しを考えていた人とは
 違うみたいに軽い声が問うのを拗ねるように責める。]

[小さく響く足音がキッチンに近づく。
 空腹を満たすために覗きに来たのか、待てなかったのか。
 様子を覗きに来たのかと思えば、火が止められる。]


  ?


[トン、とネギを刻んでいた手を止めて、
 振り返ろうとすれば
 両脇から腕が伸びてきて小さな檻が作られた。]

 

  え、……


[覆い被さる影が一回り大きい。
 重ねられた手が包丁を離して、蛇口に運ばれて。]


  ちょ、景斗さん、ごはンっ、は……、


[後ろから耳朶を喰まれて思わず声が上擦った。
 既視感を覚えて、かっと一気に頬が赤く染まる。
 あの時はエプロンをしていたからだと思っていたけれど、
 今日はつけていないのに!]

 
 
  いつしても、とは言ってないです!
  ……ぁッ、


[言ってない、と思う。
 自身の行動に自信がなくなって思わず狼狽えた。
 臀部に既に硬くなり始めているものを
 押し当てられて、びくっと思わず身体を震わせた。
 
 囁く声の甘さがベッドの中を思い出させる。
 耳元でこれからを思わせる行為を口にされて
 ぞくぞくと背筋が粟立っていく。]

あの日イブから、考えてないわけじゃなかった。

 擦り合わせた熱、布越しに刺激された箇所。
 直接触れられることもなかった
 いつも彼を受け入れている場所が、きゅうと疼く。

 夕刻に自身で準備をしていたときも、
 彼が入ってくるのを想像して
 初めて、彼と付き合ったあと一人で高ぶる熱を
 抑えきれずに吐き出した。

 ふる、と伏したまつ毛が揺れる。
 身じろぎの取れないまま、首だけを振り返らせて
 微かに期待の滲んだ瞳を向けて。]

 

  ……ぃと、さん……、


[もじ、とお尻を揺らして後ろに居る彼に
 自らも押し当てて、続きを乞うみたいに。*]

 

[ 期待して、受け入れる準備をして
 俺を待ってくれていたというのに、

 誘うには至らず。
 期待していた、と同義の言葉を選ばれて
 
 しれっとキッチンに向かっていく
 背中が、小憎らしくも、愛おしい。 ]

 ご飯より、今は君がいい

[ ねろりと、輪郭を確かめるように、
 耳を舐りながら、押し当てた己の欲の形を
 検めさせるように、ずり、と弾力のある双丘に
 沿わせて、 ]

 違うの?

[ いつしてもとは言っていないと君は言うけれど
 これから何をされるのか、何をするのか、
 考えてないとは、言わないだろう。

 ひくひくと、僅かに揺れる体が欲するみたいに
 俺の体を押し返してくるのだから。 ]


 ――したくない、ならやめておく?

[ 直接耳に囁き入れる言葉に、冷たさはない。
 ただ、僅かに意地悪そうな声色は伝わるだろう。 ]

 俺はすごく、したいけどね
 期待して準備して、待っててくれた那岐くんに
 気持ち良いこと、たくさん

[ 胸元まで這い上がって、突起を摘みかけた指は
 触れる直前で動きを止めて、腹へ落ちていく ]

 ここに、入って、
 指じゃ届かないとこまで、埋まって
 那岐くんの良いとこ、擦って、

[ ここ、にと臍の下を、優しく撫で回して ]

 俺と気持ち良くなることしか
 考えられなくなっちゃうくらい、

 奥まで、いっぱい突いて。

[ いた手をするりと手元に引き戻して ]

 あげたいけど
 ……… 今じゃないなら あとでにしようか

[ 恥ずかしいことを言わせたい、させたい
 そういう性癖なのでそこはもう、諦めて貰う他ない。

 やだ、と言いながら首を振って、
 だめ、と言いながら感じる姿も、

 それはそれで愛おしい事に変わりはない
 のだけど、景斗さんが言うから応じて、
 じゃなくて、君からも、したい、と言って欲しくて。

 焦らしたりするの、あまり得意ではないのだけど
 どうして?って泣きそうな目でこちらを見て
 くれるの、たまらなく興奮するので。

 しかし、問題は。
 こちらももう、引っ込みがつかないところまで
 来てしまっている事、だ。 ]

 うん?

[ 言わせるのが先か、
 なだめすかして、持ち込むのが先か。

 根比べするには、根性がなさすぎることも。* ]


  
、……っ、


[昂りを意識させられながら、耳を嬲られる。
 食べ物以外のリクエスト。
 まな板に乗せられた魚みたいにぴく、ぴくと身を震わせて
 いつの間にか料理人はすり替わっていた。
 
 臀部を自ら擦り付けて訴えても、
 やめておくかと尋ねるのは余りにも酷い。
 
 言葉にしないと伝わらないのか、それとも。
 言葉として欲しいのか、
 音にして出すことが、恥ずかしいと知った上で
 聞いているのだとしたら、相当意地悪な仕打ちだ。]

[身体の中でじわじわと溜まっていく澱みが渦を巻く。
 まだ、強く刺激されたわけじゃない。
 けれど、煮込むみたいにゆっくりと。]


  
……たくない、わけ……じゃ、



[か細く、消え入りそうな声で言い淀む。
 のが、楽しいのか、待っているのか。
 
 胸元を掠めて降りていった手は服の上から
 下腹部をすりすりと撫で擦り。]


  
ぁ、……ァっ、……ん、ンぅ、



[彼が届く場所を確認させるみたいに触れながら、
 気持ちいいこと、を言葉で想像させる。]

[彼が中に入って、ソコを強く突き上げる様が
 脳裏にチラついてそれだけで視界が滲んで、
 思わず自身の服の裾をぎゅうっと握りしめて堪え。

 
 ぴくん、とスウェットの下で熱が擡げ始める。
 ふ、ふ、と内に籠もった熱を吐き出すように。
 浅くなり始めた呼吸が興奮を伝える。

 言葉で責めて、想像させて。
 それだけで涙が滲むほどの身体にしておいて。
 あとで、無情に響く声に泣きそうになる。]


  
…………だ、……、



[とん、と彼の胸に体を預けるように寄り掛かり、
 手を伸ばして、袖を弱く引いた。]

[ いつの世も惚れた方の負けという
 言葉が溢れる意味を、身を持って知る。

 口に出すのが、震えるほど恥ずかしいのか
 消え入りそうな声で、伝えようとするのが
 あまりにも、いじらしいから。

 徹しきれず、白旗を掲げることになる。 ]
 

 ――うん、 ごめん
 したいって言って欲しくて、
 意地悪しちゃった。


[ 待てないと、目尻まで真っ赤に染め上げ
 ここに触れて欲しいと言うように、手が引かれる。
 
 導かれるままに、そこにたどり着いたなら
 短く頷いて、 ]

[ 許して、と言うかわり。
 今度こそ、待ったはない。

 僅かに反応している胸の尖りを、きゅうと
 摘んで、同時に再び耳朶を唇で、挟む。

 指の腹で尖りを押し潰し、捏ねながら、
 腹に回していた手は、下着の内へ滑り込ませて ]

 ほんと言うと、
 俺のほうが、待てないって言ったら
 呆れる?

[ まだ硬いとは言い難い陰茎を手のひらで、包み、
 撫で擦る動きに合わせて、僅かに腰が揺れれば
 待てない、の意味は容易に伝わってしまうだろう。 ]

[ ――という有様なので、耳を食む唇は、
 首筋に落ち、腰骨のあたりまで降りる。

 スウェットのウェスト部分を、軽く噛み、
 太腿の当たりまで、下げる、当然のことのように
 下着もまたそうやって、おろすが。

 手が足りない。胸の飾りを弄る指を、
 泣く泣く、こちらへ駆り立てることにして ]

 ……やらかい、

[ 準備をしたと報告のあった、蕾のまわりに、
 吸い付くような口付けをしながら、つぷり、と
 中へ指を挿し入れて、逸る気持ちを、丹念に
 擦り潰して ]

 久しぶりだから、ちゃんと慣らさないと

[ そう言うが、それは己に言い聞かせるような、
 呟き。先程口に出した事を早く、実行に移したいが
 こればかりは、相手の体を思うが故に、ゆるやかに ]

[ 感触を確かめるように、また、
 ここ、と反応がある箇所をゆっくりと
 追い立てるように、体の内側で指が蠢いて ]

 苦しくない?もう一本、入るよ

[ それが二本に、増え今度は拡げるように、
 指の感覚を開いていく。
 
 ローションを取りに行く時間を惜しんだ分、
 蕾のまわり、唾液を送り込むように舌先で突き回して。* ]

 
  ン、……っ
  

[謝罪の言葉を聞き入れないように首を振り、
 早く触ってほしいと言う代わりに
 彼の手のひらを胸に押し付ける。

 いつからこんな淫らな身体になってしまったのか。
 こんな浅ましい姿を晒せば嘲笑われるのではないかと、
 そちらのほうが、羞恥よりも、怖れがあった。
 
 だけど、言って欲しいということは、おそらく。
 見られても良いのではないかという気持ちが微かに芽生え。]



  
ぁう、ッ、……んンッ、ぁ、……

  
  ぁ、きれない、……ッ、
  待たなくて、い、ッ、から……、
さ、わって、ッ、ほし、



[一度ほしいと望めば、支えていたのが嘘みたいに
 とろとろと、ねだるような願いが口から溢れだす。

 導いた手が蠢き、ぷくりと膨らんだ尖りを突つき
 捏ね回される度に甘い声が上がる。]


  ……ぁッ、一緒にするの、よわッ、ぁッ、ぁ……、


[擡げ始めた急所を握り込まれて、腰を引けば
 彼の腰骨に臀部が辺り後ろに引けなくなる。
 咄嗟に、シンクを掴み崩折れそうになる身体を支えて。]

[く、と快楽に身体が折れ曲がっていくのを
 見計らったように唇が耳から首筋へ。
 首裏から背を伝って腰元へと落ちていく。

 骨が少し張った腰骨をなぞられて、ぴくんと震え、
 ずるりとスウェットを押し下げられたら
 外気に肌が晒されて、衣服が太腿に絡む。]


  ンッ、ぅ……、ぅ、……ぁっ、
  ……ァ、だ
め、ッ、みないで、ッ
……ぁっ、ぁうッ、


[呟く声と共に彼の長い指が、中へと押し込まれる。
 それだけ腰が震えそうなのに。
 その奥まった箇所に彼の吐息が吹きかかれば
 かぁ、と赤が頬から鎖骨まで散った。]

[まるで準備を確かめるみたいに、くちくちと
 指を出し入れされて、舌先で足りない滑りを足されて。
 膝ががくがくと、揺れてしまう。]


  ……は、ぁッ、……るしく、ない、けど、
  ぁ、
ッ! や、ッ、そこ、……っめ、
  
  ン、ぁぅ、ッ、……ぁ、
押さな、いでッ、ぁ、っ



[中を広げるようにくぱ、と空気を送られて。
 ぐるりと掻き混ぜられたなら
 飲み込んだ指に内壁がまとわりついて、きゅうと締め付ける。*]

[ 元々感度が悪い、わけじゃなかった
 と本人も、そして俺も認識していた。

 触れる熱の持ち主である自分の指が
 抱いた欲と愛情のせいか、

 触れられ上がる熱の感じる相手の体が
 愛と欲を同じだけ覚えてくれたせいか、

 肌を合わせるたびに、互いが混じり合うように
 熱の蕩かし方を覚え、成長していく。

 その結果、淫らな体になってしまった、のなら
 こんなに、嬉しいことはない。 ]

 呆れないでくれるなら、いっぱい触るね

[ いつになく、素直なねだりごとに
 頬が緩んでしょうがない。

 それは言葉に出さずとも、
 いつも声を聞いてくれる彼には
 伝わってしまうだろう。

 甘い声が上がれば、尚の事 ]

 俺の指、めちゃくちゃ好きになって
 くれて、すごく嬉しいな。

 声、ほんと可愛い、感じてる那岐くん
 見てると、

[ ひくん、腰がぶつかってくる。
 快楽が少し怖くて引こうとしたのだろう

 支えるべきかと悩んでいるうちに、彼の両手が
 シンクを掴んだので、両手は行為を続けることを
 選び取る。 ]

[ みないでとはまた無茶を言う。
 そんな風に思って笑ってしまったから、
 吐息に声が乗り、肌にぽつぽつとぶつかった
 ことだろう。 ]

 やだ、見たい。
 見せて、全部。那岐くんの恥ずかしいとこも、
 気持ちいいとこも。せんぶ、

[ だめ、が条件反射のように出てしまうだけで
 嫌ではないことは十分に、伝わっている。
 けれど、今日はいつになく君が素直だから
 自分も少し、饒舌になる。

 苦しくないと聞けば、安心して、
 ずる、とナカに指を埋めていく。 ]

 だめ?ここ?それとも、ここ?

[ 押さないで、と懇願される膨らみか、
 それとも奥の方か、どちらを突いても、
 きゅうと、ナカがうねり、指をきゅうと締め付ける。 ]

[ そこに包まれる感覚を覚えている
 熱の塊が、埋まり、押し入り、暴れたいと
 おおきく、疼く。

 それでも、二本の指が自由に動き回れるくらい
 ほぐしてやると、入り口はふわふわと、
 柔らかく指を受け入れるようになる。

 ちゅぽ、と指を引き抜けば、足りない、と
 訴えるように、疼くように、ひくり、と蠢いて。 ]

 ――………、

[ いざ、となってから思い出してしまった。
 スキン、持ってきてない、と。

 短い葛藤、時間にして5秒ほど。 ]

 スキン、……忘れてきちゃった
 でも、もう待てない、………

 一秒でも早く、入りたい、


[ 終わったら、そのまま風呂へ向かうことに
 なるだろうし、彼が嫌がれば急ぎ避妊具を
 取りに行くことくらい、わけないが ]



 このまま、入れてもいい?


[ 相手の体を思えばこそ、肌を合わせるときは
 必ず着用していたのに、今日いまこのとき、
 その手間を惜しむくらい、君が欲しい。* ]

[とろけそうな声がいくつも降り落ちてくる。
 話している間も止まないア愛撫が、
 胸を擽り、腰を撫でて快感を高めようとする。]


  ふ、ぁ……ッ、


[指が、唇が滑る度にぞくぞくと肌が震え、
 じわりと涙が浮かんで、シンクを掴んだ手が
 カリ、と硬質な音を立てて力の加減を訴える。

 触れられるのが好きになったのも、
 可愛いと甘い声で言われるのも、
 
 彼が好きだと言いながら、自身に触れるから。
 
 羞恥は変わらず浮かぶのに、
 悦ぶように身体は反応を示してしまう。]

[恥じらいで呈してしまった音も、
 いやだと一掃されてしまう。
 笑い、話す度に産毛を撫でる吐息が擽ったくて
 ぶる、とまた弱く身体が震えを起こす。]


  ……ッ、ん、……ゃ、だめッ……、
  っずか、し、からぁ……ッ、ぁ、
  ぁ、ぁッ、……くッ、ぅンッ……


[全部を見せてしまうには、まだ羞恥が勝るから、
 か細い声でゆるゆると首を首を振り揺らすのに
 確かめるように、中を探る指が膨らみを押せば
 チカッ、と明滅するような酩酊感を覚え、]


   ぅあッ、……ぁ、ッ!
   ……どっち、もッ、
……、や、だぁッ……っ



[余りにも強い快感に、ずると腕が滑り落ち。]

[ぐちゅぐちゅと指が卑猥な音を立てて中を解し、
 ずり落ちた手は辛うじて、添えているだけの状態で。
 支えがなくなった腰が、緩やかに落ち
 後孔を唇で濡らす彼の顔に落ちるみたいに
 ぽて、と肌がくっついて。]


  ……っは、ぁ、……はぁーッ……、


[指を引き抜かれ、彼の気配がなくなれば
 ずるずるとその身がシンクを伝ってぺたりと膝を着いた。
 下げられたスウェットにたっぷりと塗りつけられた唾液と
 溢れ出す先走りが、染みを作っていく。
 
 もう、肩で息をつくしか出来ず。
 言葉にも出来ない代わりに熱っぽい呼吸音だけが響く。]

[ぼんやりとした頭で頭上に響く声を聞く。
 彼が口にした単語を理解するまで時間がかかり、
 けれど、入りたいという音を聞けば無意識に
 作り変えられた身体が、ずくんと疼く。]


  
……ッ、……、ふ



[ゆら、と重い足取りで腰を持ち上げ、
 力の入らない身体を起こし
 自身の手で片側の尻たぶを押さえ。]



  ンッ、 ……ぃ、れて、


[羞恥に染め上げた頬を隠したまま、
 愛されたそこを開くようにくぱ、と孔を広げて。*]

[ 段々と快楽に抗えなくなってきているのが
 力が抜けていく様子で、分かる。

 シンクを掴んでいた手が、かり、とどこかを
 引っ掻く音、恥ずかしいからと告げながらも
 引っ切り無しに漏れる声と、離すまいと絡みつく中

 ずるりと滑り落ちる腕、腰が緩やかに、
 顔に押し付けられるように、落ちてくれば

 前を弄っていた手をする、と回して
 支えてやるように力を入れるが、
 彼の体はぽてりと、シンクを伝って落ちていく。

 一秒でも早く、その言葉に嘘偽りはない
 が、ここで事を急くよりも、負担の少ない
 寝具に運んでやるべきだろうか、と
 伸ばしかけた手は、 ]

 
――ン、………狭、


[ 己で受け入れるように、腰を持ち上げ
 自身の手で尻たぶを押さえ、いれて
 口にし、孔を広げて見せるという、
 誘われるには満点の光景を前に、行動を変える。 ]

[ なんとも儚い理性であることか。

 羞恥にの染まるその顔は見えずとも、
 耳や首筋までは隠せない。

 寝具に、だとか、スキンを、だとか
 そういう常なら卒なくこなさなければと
 思う気持ちが、その光景を前に火花みたいに
 ばちん、と消えていく。

 先走りでぬめる切っ先を、それでもまだ
 慎重に、挿し入れて、 ]

 久しぶりに、入れた
 那岐くんのなか、

[ 丹念にほぐしたおかげで、亀頭から竿部分に
 かけてはすんなりと、その後孔に飲み込まれていく。 ]

 入り口、ふわふわしてるのに
 熱くて、キツくて、吸い付いてくる……
 すごい気持ち良い、
 

[ 半分ほどを埋め込むと、片手で腹を抱き寄せ
 ゆるやかに慣らすように律動を繰り返す。

 それを繰り返しながら、少しずつ奥まで
 進んでいき、やがて ]

 全部、入った

[ 最奥まで突き入れると、そこで一旦
 律動運動を止めて、腹を抱き寄せるほうの手は
 そのままに、もう片方の手で胸の飾りを、
 弾き、挟む。 ]

 ン、………
締まる、ッ

 すぐ、出ちゃいそう

[ 久しぶりに、繋がったのだから。
 もう暫くこうしていたい、けれど。

 ゆっくりと、腰を引くと、 ]

 ここ、那岐くんの、好きなとこ
 気持ち良い?

[ 良い所に、ぐり、と当たる感触がする。
 それに反応を見せられたら、
 ゆっくりだとか。もう暫く、このままで、とか
 言っていられる余裕も消え失せて ]

 ここ、突くとぎゅってしてくれて、
 ………は、 俺も気持ち良い

 いっぱい、してあげるね

[ 再び律動を開始したなら、もう
 本能の赴くまま、というやつで。* ]

[昂りをひくつく後孔に宛がわれて、
 ずぶ、と先端が割り入ってくる。]


  ぁ、ぁっ、ぁー……ッ、……


[床に落ちた手が空を掻く。
 長く、尾を引くような声が喉を突いて、溢れ。
 深く押し入られる程にぞわぞわと粟立つような
 快楽を引き出されて、ぴゅく、と先端から蜜が溢れ出る。

 入れられただけで、達してしまった。
 ふーっ、ふーっ、と荒い息を繰り返して堪えようとするのに
 明滅感は簡単には抜けず、とろとろと先端からは
 栓が壊れたかのように、白濁が散って。]

[支えきれなくなった上半身がぺたりと床に懐く。
 繋がった下肢だけを高く上げた状態で、
 床についた額が、チリと前髪を擦り合わせた。]

  
  ……ぁッ、おっき、ぃの、
  とどいて、ッ……ぁ、ぅッ……ん、ンッ……

  んぁッ、だ……め、今、
イって……ぁ、
ぅッ……!



[長い刀身が最奥まで届くと、
 ビリと電気が走ったような衝撃が走り抜ける。
 
 中に入っていることを分からせるみたいに、
 甘い声が響いて、クラクラする。
 一緒に胸を摘まれたら、ぐずるように首を揺らす。]

 

  ぁ、っ、ンッ、ぅ、……や、まだ、ッ……
  は、んッ、……ぅ、んッ、ッ、……め、

  
きもち、
い、からッ、……っめ、ッ……
  

[相反する言葉を同時に口にして涙ながらに訴える。
 気持ち良すぎてだめになる。
 ここ、と確かめるようにぐり、とカリを押し付けられたら
 ひぅっ、と甲高い声が跳ねて、
 呼応するようにきゅうと内壁が彼自身を締め付けて。]

[中の反応で悦んでいることは伝わってしまう。
 言葉で自身の身体の変化を伝えられ、
 悦楽と羞恥にぼろ、と目尻に溜まった涙が溢れ。]


   ぁん、ッ、ぁっ、…っく、んッ……、
   あ、……ッ、ひ、……
もち、ッ、……ぁ、っ、ぁーッ、



[恥ずかしいのに、気持ち悦くて。
 ぐちゃぐちゃになった頭はまともに動かなくなって。
 浅く、深く、突き上げられる度に嬌声が溢れた。*]

[ 長く、尾を引くような声が、押し入る程に
 漏れ溢れる。

 ぐっと食い千切らんばかりに、抱き込まれたと
 思ったら、腹に回した手に、ぴゅる、と
 白濁が飛んできて、

 危なく、自分も達してしまうところだった。
 ただでさえ、ここに包まれるのは、
 久しぶり、なのにこうも締め付けられると。

 余裕があれば一度抜いて、少し休憩、を
 持ちかける所だけど、

 イキ続けているであろう体に埋まりっぱなしで
 動くな、抜け、というのは中々堪える。

 その上、大きいとか奥に届いてるとか伝えて
 くれるものだから、中に埋まったままの
 自身が、ずん、と大きさを増すのを感じてしまって。 ]

[ 続行を選ばざるを得ない、とどこか
 吹っ切れたように決めてしまえばあとは、 ]

 ん、ここ、擦られるの好きだね

[ 理性を手放して、獣のように、貪るだけだった。
 何度も奥まで突き入れて、荒く息を付きながら
 己を追い立て、 ]

 ずっと、こう 、したかった 
――ァッ


[ 快楽に打ち震える相手のことも、尚追い立てていく。 ]

[ そのまま再び、自身を後孔に宛てがって
 ゆっくりと埋め込んでいく。 ]

 ん、 また奥まで、入った
 このまま、動くよ

[ 力に任せて、揺すり上げれば
 乱れる表情は見せてくれたか、どうか
 もし隠すようにしていたとしても、 ]

 ァ  イきそう
 那岐、くん、キスしたい、

[ そうねだって。 ]

 ――っっ 

[ 唇が触れるか、触れないか、その瞬間。
 きゅう、と締まって、堪らず

 奥深くに埋まったまま、びゅる、と
 熱く、迸るのを感じ取る。 ]


 
ン、……ァ



[ 吐き出し切ると、まだ繋がったまま
 重たい足取りでのんびりと、浴室の方へ ]