人狼物語 三日月国


42 【突発完全RP村】実になりてこそ、恋ひまさりけれ【誰歓】R18

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


でゅーーすやる気のないアルバイト でゅーーす
環 由人やる気のないアルバイト でゅーーす
 やる気のないアルバイト でゅーーす
希壱やる気のないアルバイト でゅーーす
レックスやる気のないアルバイト でゅーーす
尊龍やる気のないアルバイト でゅーーす
ランスやる気のないアルバイト でゅーーす
アーニャやる気のないアルバイト でゅーーす
ミズナギやる気のないアルバイト でゅーーす
ヒナやる気のないアルバイト でゅーーす
月森 瑛莉咲やる気のないアルバイト でゅーーす

処刑対象:でゅーーす、結果:成功

[犠牲者リスト]
該当者なし

決着:龍人族の勝利

[汚いって言われたって、
 足を舐めるのはやめてあげない。
 赤花を散らすのだって、本当は
 やめるつもりは全然、無かったんだけど。]


  言ったな?


[言質を得たり、と脚の間から
 ちょっと悪い顔を覗かせて。]


  じゃあ、帰ったらいっぱい跡つけようね。
  消えないくらい、毎日毎日。


[俺の、って証がずっと、
 昼に生きる君の肌を飾る。
 ……そんなの、想像するだけでたまらない!
 生きるのが、どんどん楽しみになっていく。]

[下着のふくらみの形を指先でなぞると
 無駄な肉の乗らない腹が、ぴくり、とざわめく。
 本当に、素直で、いとおしい。]


  ん、


[許可をもらったなら、まず下着の上から
 緩く熱をもった幹へ軽く口付けを落とした。
 布越しに形を確かめるように、唇を滑らせていると
 由人の手が、俺の頬から耳の方へと移る。

 唾液で湿した指が、くちくちと音を立てて
 耳たぶから鼓膜の中まで犯していく。
 己がはしたなく下着越しに男根を啜る音に
 俺はうっそりと微笑んだ。

 そのまま由人の下着に手をかけて、今度は直に。]

[唾液を乗せた舌で、血管の走る幹をなぞって
 たっぷりと子種を溜めた袋へと。
 こりこりとした精巣に、周りの皮ごと吸いついて
 たくさん、キスを贈ろうか。

 頬を包まれて撫でられると、
 なんだか凄く得意な気持ちになって
 俺は調子に乗って、袋と菊の輪の間へ
 舌を滑らせて行こうとして―――]


  あ。


[ふと思い立って、ベッドを離れ
 自分のボストンから必要なものを取り出して
 すぐ由人のところに帰ってきた。

 ワセリンと、コンドーム、
 それからウエットティッシュ。]



  俺、汚いって思ってないけど、
  由人が嫌ならさ。


[にっこり、脚の間から微笑んだら
 取り出したウエットティッシュで
 これから口をつけるだろう場所を
 軽く拭き清めていくだろう。

 もう既に口をつけている幹から
 その下の袋……アリの門渡りから、
 慎ましく口を閉ざした菊座まで。

 綺麗にしたなら、もう「汚いから」なんて
 言い逃れをさせるつもりなんかないんだけど
 そんな下心は、人の好い笑みの裏に隠して。]

[「綺麗に」したなら、早速俺は
 ほんのりアルコール臭の残る其処へ
 再び口をつけるだろう。

 歯を立てないように細心の注意を払いながら
 幹を固く育てるように。

 由人の幹を嬲る舌が立てる
 じゅるじゅるした下品な水音が
 頭蓋に反響して、すっごくはしたない気分。

 調子に乗った俺は、ぱくりと先端から猛りを咥えて
 ぢゅう、と強く吸いついてしまうんだ。
 一層大きくなった水音と、耳の辺りを擽る指に
 どうしようもなく欲を掻き立てられてしまって。]*

[果ててしまったエリサを抱き上げ、風呂場へと行こう。
 体を清めて、新しい服も用意してやらねばならん。

 居間に脱ぎ散らかした服の始末は家の神子に任せ、
 
神々の逢瀬で慣れた者も多かろう。
 粛々と居間の掃除と新しい服の準備を始めている。


 風呂場に入れば既に温かな湯が入っている。
 俗世の風呂はいささか不便なようだが、
 こちらの”風呂”は入りたい時に湯に浸かれるものだ。


 風呂場の床にエリサを抱きながら座り、
 湯桶に湯を汲みエリサの体を優しく清めよう。
 労わるように、愛しむように、外も中も丹念に――]


[やがて、お互いの体が清められれば風呂に入ろう。
 エリサを膝上に抱いて、その顔を覗き込んで。
 時折、額や髪に口付けなど落としつつ、

 本来なら体を労わり寝所へ連れて行くべきだろう、が。
 今はまだ少しだけ、こうして肌を重ね合わせていたいのだ。


 まあ、のぼせそうになればすぐに出るだろうが。**]

【人】   希壱

[長いようでいて、短い夢だった。

高校生の時の修学旅行。
そこで植え付けられたもの。

毎晩、愛しい人を殺す夢を見る。
毎晩、いとしい人に殺される夢を見る。

……そんな、
呪い


毎朝目覚める度に、身体の何処かに"跡"が残った。

首を絞めていた手形。
心臓を抉り取られていた傷跡。

苦しさも痛さも無かったけれど、
呪いは今もここにあるのだと思わされた。

でも、自分を許すことなんて出来ないから。
その呪いすらも受け入れた。

大切な仲間だった。
こんな俺を受け入れてくれた、大切な────]
(0) 2020/09/18(Fri) 17:17:14

【人】   希壱


[…そう。大切な仲間。


そんな大切な仲間を憎んで、恨んで、嫌って。
溢れ出た感情を抑えることも出来ずに。
毎晩、毎晩、誰かを呪って。

そんな哀れな狂人の最期は、
仲間の手で葬られてしまったのだけれど、

そんな思いを抱えた代償に与えられた呪いだった。

呪いの期間はたったの一年間。

けれど、長い長い一年間だった。]

 
(1) 2020/09/18(Fri) 17:17:50

【人】   希壱


[あの修学旅行の思い出を、

たった数人しか覚えてはいないのだ。

俺が苦しんでいたって。
俺が悲しんでいたって。

気持ちを共有できる人間は、僅かしかいない。
あの日、皆で決断をしたことを。


覚えているのは、裏切り者だけだから。]

   
(2) 2020/09/18(Fri) 17:18:46

【人】   希壱


[…あぁ、ほら、今も。

きっと、懐かしい夢の続きだ。

もう見ることはないと思っていた、

卒業式のあの日から、

もう見ることはないと思っていた、

自分が、死ぬ、────────────]
 
(3) 2020/09/18(Fri) 17:19:42

【人】   希壱


 
 ────────ん、

 
(4) 2020/09/18(Fri) 17:20:03

【人】   希壱

[目が覚める。

……というより、目が勝手に開いた、
の方が正しいのかもしれない。

覚醒し切っていない頭では、
ただ目の前に扉がある事くらいしか認識できないでいた。]


 …………、…………………………?


[思考がまとまらないまま、扉に手を伸ばす。

この扉を開ければこの空間から抜け出せるはずだ。

どこに繋がっているかなんてわかんないけれど。
この真っ暗闇にいるよりはきっと………]
(5) 2020/09/18(Fri) 17:20:20

【人】   希壱



 ……………………………………?


[見るからに何かの店内だった。
カウンターの向こうでは、店員らしき男が一人。

ここは何処なのか。
俺はどうしてここに居るのか。

目覚めたばかりの頭で理解する事も出来ず。
扉の真ん前で立ち止まってしまう。]
(6) 2020/09/18(Fri) 17:20:56

【人】   希壱

[とりあえず、と。
状況を理解する為に辺りを見渡す。

視界に入った蔵書量の多さに目眩がして、
美味しそうなフードメニューの内容に心が踊って、
店の説明書きを読んでから、
やる気の無さそうな店員を見て >>0:1、]


 ………あ、やべ、


[店の真ん前で立ち止まって居ることに気がついて、
とりあえず店内へと足を踏み入れた。]
(7) 2020/09/18(Fri) 17:21:23

【人】   希壱


["漫画喫茶コズミック"

家の近くにそんな漫画喫茶なんてあっただろうか?
それとも、大学の近くに出来たのか。

いや、そもそも俺は
こんな所にくる用事なんて無かったはずだ。

あの子の為に、早く家に帰らなくちゃいけなくて…]
(8) 2020/09/18(Fri) 17:22:03

【人】   希壱


[そして、ふと、思い出す。]
   
(9) 2020/09/18(Fri) 17:22:19

【人】   希壱


 ……………あ、そうか。
 俺、死んだのか。


[そんな物騒な独り言を、

カウンターの前で呟いた。]*
(10) 2020/09/18(Fri) 17:23:39

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[そりゃあたくさんのお客さん方が
 この店にはいらっしゃるので。

 スキュラの万引き犯、
 人をお召し上がりになる方。
 開口一番「俺、死んだのか」と仰る
 物騒めなお客さんも、案外そんなに
 珍しいものでもなかったりする、かも。]


  実感湧かないかもしんねッスけどね。


[アルバイトは曖昧に笑ってみせる。
 (こういう時は本当に亡くなった方もいれば
  “病”の方もいらっしゃるので注意だ)
 ゆる、とカウンターの奥で尾を揺らして
 目の前の歳若い少年を、無遠慮に
 矯めつ眇めつ眺めて、嗤う。]
(11) 2020/09/18(Fri) 18:24:24

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす




  案外、「死んだ」って方が
  夢だったりしてね。


[ふしゅるるる、とアルバイトは
 長い舌を覗かせて笑った。
 『人間』からすればきっと
 こんな化け物の姿は『悪夢』から出てきた
 クリーチャーに過ぎないのかもしれない。

 これを夢か現か、決定するのは彼次第。]
(12) 2020/09/18(Fri) 18:25:42

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[……とはいえ、年端も行かない少年を
 虐めて遊ぶような性悪ではないから、
 また手元の万葉集へと視線を落として]


  ……何れにせよ、ここにお前さんが来たのは
  何か意味があるんスよ、多分ね。

  心残りがあるのか、それとも
  魂が天国にも地獄にも行けない迷子なのか
  その辺俺には分かんないッスけど。

  バイトなんで、俺。


[だから、この一介のアルバイトにできるのは
 食事や休憩所を提供するか、
 少年が“次”へ進めるよう、
 優しく見守ってやるだけなのだ。]*
(13) 2020/09/18(Fri) 18:27:19

[ 約束だよ、と確認する子供みたいに
その声は弾んでいるようだから、
くすくす笑って「はいはい」と頷いた。

毎日、か。

───ああ、嘘みたいだな、ほんとに。

寂寞に苛まれて押しつぶされそうだった日々が
ささやかながら、甘い約束に塗り変わる。
左側に寄って眠っていた日々が、
また2人で熱を分け合うようになる。

きっと、前よりずっと、
彼が帰ってくるのが楽しみになる。
───曖昧な問いかけは必要ない。
その肌に触れることが、触れられることが、
当たり前になっていくのだ。

彼が言ったみたいに。
それが、W普通Wになっていく。]

 



[ 少しくすぐったいけれど、
喜びは体にまた、熱を灯して。
きゅ、と心臓が痛んだのはきっと、
期待と、愛しさからだろう。]



   ンっ……ふ、


[ 下着越しに与えられる刺激に
小さく声をこぼし、目を細めて
そちらを見つめながら耳へと指を
滑らせて、弄ぶ。

微笑みを浮かべて愛撫するその様子は、
煽情的で、こくりと喉を上下させ、
唾を飲みこんだ。

己の先走りか、彼の唾液か、
わからない液体に濡れた下着がずらされ、
外気にさらされれば、硬さを帯びて
膨れたそれは、ふる、と震える。]
 




   っは、 ……んッぁ、


[ 声が漏れた。
徐々に意識がその耳を弄んでいた
指先から、茎へと移っていく。
唇に、舌に、濡らされて、
ぬらりと光る己のもの。
視覚的にも犯されているような心地で
じっとその様子を見ては、時折
熱い息を吐いていれば、
さらにその下、すっかり固く閉じた、
菊口の方へと降りて───
ぞく、としたそのとき、熱が離れる。]


    っ、


[ ぴくりと体が跳ねる。
だが望んでいるその先は与えられず。
すっかりその気になった自身は、
情けなく首を擡げていた。]
 



[ 立ち上がり、ベッドから離れていく様子を
ぼんやり目で追いながら、息を吐く。
なにやらごそごそと鞄を漁っているのが
見えるけれど、まさかその手に
これからW必要Wなものが揃っているとは
思いもしていなくて、少々面食らった。]



   ───用意周到だな


[ と眉尻を下げて、少し笑う。
それからされるがまま、清められれば、
もう言い逃れはきっとさせてもらえない。
───まあ、そこを開くのは
これから先、もっと近づくために、
ひとつになるために、必要なのだから
毛頭、逃げるつもりはないのだが。]

 



[ また近づく唇。
期待に、先走りが滲む。]



   …ふ、 …雅治の、口ん中、

    ッ… 熱い、 



[ 「きもちい」と素直に伝えて、
また包むように髪に差し入れていた指を、
滑らせて耳を弄びながら、
唇を結んで、高められていく感覚に
耐えていたのに。]
 




    ッ…!っァ、ッは…っぅ


[ 突然、ぢゅぅ、と強く吸われれば
びくんっと腹が大きく収縮して、跳ねる。
ぐっと硬さを増したそれは、
迸りそうになるから、足先を丸めて耐え。

反射的に眇めた瞳を緩め、詰まった息を吐いた。]



   っはぁ、…ぁ、ぶね、…
   …な、 俺にもさせて?



[ 強請るように小首を傾げ、
足先で彼の怒張を少しなぞろうか。
許されたならば身体を起こし、
帯を解いて、その肢体もあらわにしよう。]
 



[ …さっき、せっかく、教えてもらったのだ。
彼にだってよくなってほしい。だから。

指を胸板に這わせて、口づけを贈ろう。
同時に、その下着をずらして、
彼の茎も外気に晒せば、己のものと
重ねて握って、軽く上下に扱く。
口内を貪りながら熱を溜めたあと、
その唇は離れて顎へ、首筋へ、
鎖骨へとおりていき───

彼の方をじっと見上げながら、
舌舐めずりをひとつ。
その乳首に吸い付いて、甘く食もうか。]*

 

【人】 空腹な迷い人 レックス

― 約束の刻 ―

豪奢な椅子。
赤のベルベットの上に、腰を下ろし
優雅にカップを傾けている一人の魔女は、緩く口元を綻ばせる。

 
『また、この時がやってきたわね
 ねぇ、可愛いミケ……いつぶりだったかしら?』


傍らの愛らしい下僕に視線をやると、
蒼い瞳が細められた。

語りかける声色は、優し気で
恐ろしい魔女のものとは思えないものだった。

魔女の傍らに、揺らめいていた1匹の紅い蝶に、
何処からともなく現れた、無数の同じ紅い蝶が集まると
それは人の形に姿を変える。

 『魔女様、魔女様、グロリア様!
  ミケもね、覚えてないの、ごめんなさい
  だから、いっぱいいっぱい、昔のことだよ!』


ぴょこんと頭の上の猫の耳を揺らしながら、
たどたどしく告げるのは、
(14) 2020/09/18(Fri) 20:24:36

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 『そうね、前のゲームがいつだったか
  昔過ぎて、忘れてしまったわ

  弟子ももう、ここにはいないし
  まぁ、覚えていないのだから、仕方がないわね』



優しく白い毛並を撫でながら、
魔女はどうでもいいと言うように、ただ笑った。

 
『さぁ、ミケ、お客様を迎える準備をして頂戴』


 『魔女様、魔女様、グロリア様!
  かしこまり〜なのです!!』


嬉しそうにぴょんと飛ぶと、
白い猫の使い魔は、再び紅い蝶へと姿を変えて
館のどこかへと消えた。
(15) 2020/09/18(Fri) 20:24:39

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 
 ゴーーーーーン
 
          ゴーーーーーン

 
 
(16) 2020/09/18(Fri) 20:24:42

【人】 空腹な迷い人 レックス

再び、鐘の音が鳴り響く。
鬼の青年以外の客人たちを呼ぶ為に

魔女は、一人、部屋の中。
時を刻まない振り子時計を見上げた。

文字盤を開けば、そこには大きな砂時計が一つ。
さらさらと砂が落ち続けている。

だけど、もう砂は残り僅か。

 『最後の"ゲーム"になるのかしら
  それとも、続けされてくれるのかしら

           ――――ねぇ、ベネット?』


静かに閉じられた蒼い瞳。
脳裏に浮かぶは、一人の男の顔。

ただの娘が、魔女になったあの日。
男が約束した言葉を、今でも覚えている。

砂時計をひっくり返すには、
彼の命を使うしかない。
(17) 2020/09/18(Fri) 20:24:44

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 
 『100度、命を捧げて、君を必ず取り戻す』

 
 
(18) 2020/09/18(Fri) 20:24:47

【人】 空腹な迷い人 レックス

  
 
魔女になった とき

人ではなくなった瞬間に、彼の記憶からも
ただの娘のことは消えたはずなのに

何度も、何度も、この砂時計をひっくり返すために
彼はこの時計館にやってくる。

青年、少年、少女
時に老婆や、老人だったこともある

何度も生まれ変わる度、魔女のために命を捧げる

 『ねぇ、知っていたかしら?

         今回が――――
100度目
なのよ?』


愛しげに砂時計を撫でる
命を吸う度に、赤く、紅く、朱く、染まっていく砂。

  魔女は、恋をしない
  魔女は、愛さない


それは、愛して、愛しく想って、涙を零せば
もう、魔女ではいられなくなるから
(19) 2020/09/18(Fri) 20:24:50

【人】 空腹な迷い人 レックス

自分がなぜ魔女になったかすら、
遠い記憶すぎて思い出せないのに
彼との約束だけは、なぜか憶えているのは、なぜなのか

今はまだ、理解できない
――理解してはいけない

100度目を迎えたら、どうなるかも分からない

彼がかつての魔女に何を願ったのか
私がかつての魔女に何を願ったのか

今はまだ、――――思い出せないから

 『ミケが、お客様をもてなしてくれているようね
  さぁて、今回の"ゲーム"は、何人生き残るかしらね』


館の魔法が発動する気配を感じて、表情は魔女のものに変わる
残忍に、残酷に、冷たく、美しく、魔女は――嗤った*
(20) 2020/09/18(Fri) 20:24:53


 [ ……ことが済めばはじめてだもの
   じんじんだってするし、
   けど不思議。どこにも心臓の音がしない。
   でもきっと、あったって、なくたって
   爆発しそうに心が震えることには変わりない。


   気怠くて身動きの取りづらい私を
   尊龍が王子様みたいに抱えてく。

   汗ばんでる胸元に顔をすんと寄せれば
    尊龍のにおい、って。





     そこまではよかった。
     よかったの!!!  ]


 [ ……ことが済めばはじめてだもの
   じんじんだってするし、
   けど不思議。どこにも心臓の音がしない。
   でもきっと、あったって、なくたって
   爆発しそうに心が震えることには変わりない。


   気怠くて身動きの取りづらい私を
   尊龍が王子様みたいに抱えてく。

   汗ばんでる胸元に顔をすんと寄せれば
    尊龍のにおい、って。






     そこまではよかった。
     よかったの!!!  ]



  [ 居間にはいつのまにか小さな子たち。
   ああ見えてもきっと私より長く生きてるんだろう。

   ちがう、ちがうの、そういうことじゃない! ]


   いいい、いたの?
   あのこたち

   ま、まさか聞かれ……?


  [ そりゃあ、お菓子だしてくれたから
    居たってなんにも変じゃない。

   甲斐甲斐しく、私たちの着物を片付けて
  気にしないでって笑ってくれるけど 



   そうじゃないよう、そうじゃないよおおおう
   恥ずかしくて死んじゃう。



   まだ私にはそんなスルースキルはありません!
   これからだって 無理です>< ]

  [  連れてこられたのはお風呂。
    今更になって恥ずかしがったって、
   二人はうまれたままの姿で、
   隠す、なんてものは存在しない。


   
……い、いままでのはほら、副作用なので!


  でも暖かな湯の温度にはホッとしちゃう。
  甘えるみたいに 尊龍に寄りかかって。]



  だんなさま、

  ふつつかものですが 
  どうぞよろしくお願いします。
  

 [ 尊龍の膝上から見上げて 
  とっても幸せそうに微笑んで

  ありきたりだけど、大切なことばを
  尊龍に贈るのです ]



  万が一があるかもしれないでしょ。


[コンドームを持ってたこと、
 自分でも可笑しくて、つい答えながら
 噴き出してしまうんだ。
 死ぬ気満々のくせに、財布にちゃっかり
 避妊具なんか忍ばせて。

 保湿用のワセリンと、
 食べ歩き用ウェットティッシュ。
 全部、今日こんな使い方するとは
 思ってなかったのは内緒。]

[言い逃れ出来ない身体になった由人を
 俺はまた蹂躙しにかかる。

 先程までちろちろと舌先で
 舐めるだけだった幹を
 思い切り喉の奥まで迎え入れて
 ぐぽぐぽと出し入れすると、
 頭上から甘い悲鳴が上がった。

 「熱い」と言いながら、俺の髪の中を
 まさぐる由人の手が、よしよし、って
 褒めてくれるみたい。

 動きが逸る事に、その手が止まったり
 甘い声が途切れがちになって─────
 あ、これ限界なのかな、って。

 精を誘うように思い切り吸い上げると
 一際大きく、由人の身体が跳ねた。]



  ……なぁんだ、イっても良かったのに。
  飲みたかったし。


[間一髪のところで耐えたらしい由人に
 ぷく、の片頬を膨らませてみせて。

 でも、小首を傾げつつ提案された内容を
 聞けば、俺は忽ち上機嫌。]


  いいよ……好きにしてみる?


[脱がせようとする手に身を任せて
 俺は由人の眼差しをじっと見つめている。
 その思惑の全てを知ることは出来なくても
 何となく、やりたいことの察しは着く。]

[定期的に筋トレしている由人と比べると、
 俺の身体は「均整が取れている」とは
 言い難いかもしれない。
 無駄なところはないけど、筋肉も無い。
 けど、手垢付きの身体。

 下着をズラされて、熱を孕んだ其れが
 由人の手の中、彼の茎と共に育てられる。
 ぬとぬととお互いの先走りが絡まりあって
 生々しい竿の感触がぶつかる。
 欲望なんか、どこにも隠せない。]


  ……ん、……ん、ん……。


[情けないけど、キスひとつに
 背中がゾクゾクして、止まらない。
 大好きなキスは、散々泣かせた後のご褒美って
 思ってたんだけど……

 由人の唇が近付いてきたら、俺にはもう
 目をつぶって受け止める以外、考えられなくて。]

[そうして、唇が離れて─────
 指で育てられていた乳首が
 暖かな粘膜に包まれると、
 きゅ、とキツく眉根が寄った。]


  あっ、……や、だ……!それ、よわい……


[はあ…ッ!、と熱い吐息が漏れて
 もっと背中がぞくぞくしてくる。

 くるくる、乳輪をなぞるみたいに舐められてから
 強く吸い上げられて……硬くなった蕾に
 柔く犬歯が立てられると、ホントに、だめ。

 由人の手の中で育てられる幹が、
 だらだらとみっともなく蜜を垂らして
 徐々に追い上げられていく。]



  ん、このままやったら、出ちゃう……


[そう言って由人の肩を軽く押したら
 引いてくれるだろうか。

 普段はもう少し余裕があるんだけれど
 恋人との責めて責められの時間に
 俺は思った以上にあっぱっぱーになってるみたい。]


  早くいれたい、から……
  由人のナカに。


[困ったような笑みを浮かべながら
 宥めるみたいにキスをして。

 そうしてベッドの上に四つん這いになるよう
 由人を促したならば、
 晒された菊の輪へとキスをして
 ゆっくり、其処を舌先で割り開こうと。]*

【人】 空腹な迷い人 レックス

― 大広間 ―
[ 二度目の鐘が鳴り響き、
 やがて人の気配が館の中へと消えて行くのを感じる。

 他の参加者が来たのだろう。
 さて、自分は何番目の客人か
――本当は一番なのだけど


 大広間の扉を潜れば、そこに先程の猫の少女が立っていた。]
(21) 2020/09/18(Fri) 22:39:36

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 『ようこそ、時計館へ
  えーっと、お客様に当館の主、
  時の魔女グロリア・べアトリクスより、贈り物です

  えと、お部屋の鍵だよ!!
  魔女様は、次の鐘がなったら、みんなに会うんだって!

  だから、それまでお部屋でも、この部屋でも
  お庭や図書室、好きなところで待っていてね!!』


[ だんだん言葉遣いが戻っていることに気づかずに
 無邪気に愛らしく少女は、そう案内をする。

 鍵は、少女と客人の目の前をふわふわと漂っている。
 金色の豪奢な飾りがついたその鍵には、
 1から11までの数字が記されていた。

 少女は、その鍵が2階の客間の鍵であることを告げる。

 客人の問いにいくつか答え終えれば、
 すぐにその場を立ち去って、忙しそうに
 大広間にお菓子を置いたり、お茶を出したりせっせと
 もてなそうと一生懸命働く姿は、まぁ、健気で可愛らしい。]
(22) 2020/09/18(Fri) 22:39:38

【人】 空腹な迷い人 レックス


  僕は、この鍵を……宜しくね、ミケ

[ まるで初めて会ったかのように挨拶すれば、
 大広間のソファに腰かけた。
 
 幾人かの先客と、会話をしつつ、
 "ゲーム"が始まるのを待っている。

 ――――さて、今回の"ゲーム"はどんなものなのか。**]
(23) 2020/09/18(Fri) 22:39:40
[事後のエリサを抱き上げれば、胸元に身を寄せてくれる。
 その姿に愛し気に目を細めながら、

 神子たちが居間の片付けをしているのを、
 エリサが驚いたように見るものだから]


 ん……、神子たちの事か。
 事の最中はなるべく見聞きせぬよう控えてくれるが、
 呼べば来るよう教えてある。

 ……もしや、嫌だったか?


[神と人とでは色々な認識が違うのかもしれない。
 エリサが嫌がるようなら今後は配慮しよう、と、
 恥ずかしがる様子も愛らしすぎて、
 慈しむようにその髪に頬を摺り寄せ愛を囁く]

[そうして風呂場に来れば、急に恥ずかしがるエリサ。
 可愛い、本当に可愛い。
 そう思いながらも事後の体を労わるように洗いあげ、
 とぷんと湯に浸かれば二人身を寄せ合い笑い合う。

 だんなさま、などと。
 とても嬉しい事を言ってくれるものだから――]


 ふふっ、こちらこそよろしく頼むよ。
 至らない旦那かもしれぬが、
 お前がここで幸せに暮らせるよう尽くしたいと思う。


[私もお前を幸せにしたい、と。
 もう充分に幸せかもしれぬが、更に、と。
 大切な妻を見下ろし愛し気に微笑むのだ]

【人】   希壱


[実感なんてなかった。]
 
(24) 2020/09/18(Fri) 23:24:17

【人】   希壱

[いや、うん。本当に。
死んだら実感なんてわかないものなのだ。

痛みなんて一瞬で、
そのくせ、すぐに痛みを忘れてしまって、
自分が死んだかどうかもわからない。

周りの反応を見て、漸く死んだことに気付くのだ。

…そうそう。人間は、眠りにつく直前の
5分間の記憶は何も覚えていないらしい。

それと同じ事なのかもしれない。

……なんて。ただの経験上での妄想、だけど。]
(25) 2020/09/18(Fri) 23:24:48

【人】   希壱



 ………そうかもな。


[カウンターに居座る店員に目を向ける >>11
こちらを眺める無遠慮な視線とかち合わせ、
困ったように微笑んでみせた。

…お生憎様。
不躾な視線には慣れっこなんだ。

芸能クラス、なんて言われたあのクラスで
ただ一人、平々凡々な見た目だったんだから。]
(26) 2020/09/18(Fri) 23:25:49

【人】   希壱



 ……夢なら、いいんだけど。
 でも、もう何度も死を経験したから。

 これが、夢なのか現実なのかなんて、
 そんな区別はもう分かんねぇや。
 
(27) 2020/09/18(Fri) 23:26:14

【人】   希壱

[以前なら分かったかもしれない。
まだ何も知らない、無邪気な自分なら。

だって、夢と現実の区別なんて、
頬を引っ張れば済むだけの話だ。

痛ければ現実。
痛くなければ夢。

でも、あの夢を見続けてしまったから。
夢の中でも苦しさがある。痛みがある。

なら、今こうして頬を抓ったところで
ここが現実か夢かなんてわからない。

……少なくとも、俺の知る現実では
あんなに舌が長い人間は見たことないんだけど >>12。]
(28) 2020/09/18(Fri) 23:26:53

【人】   希壱


 ………………………………。
   
(29) 2020/09/18(Fri) 23:27:50

【人】   希壱

[…いや、もしかすると、死者の世界の住人は
そんな姿が当たり前なのかもしれない。

なんだろう、蛇と人間の融合体?
それともまた別の、未知の生物?

…とりあえず、
何となく爬虫類である気はしている。

たとえ、
夢なら平和な。
現実なら奇怪な。

そんな光景に、驚きはすれど恐怖はなかった。

あぁ、でも。ひとつ言うとするならば。
爬虫類ならヤモリが好きだなぁなんて。

頭の片隅で思って、
手元の本へ視線を落とす彼を見ていた>>13。]
(30) 2020/09/18(Fri) 23:28:16

【人】   希壱



 ………意味、か。


[アルバイトと名乗る店員は、
俺がここに来た意味を知らないらしい。
それなら、彼に呼び込まれた訳ではなさそうだ。

死んだ、なんて言ったけれど。
やっぱり実感なんてなくて。

でも、もし死んでいたとしても、
なにか未練があったからこそ
ここに居るのかもしれない。

未練なんて決まりきってる。
あの子の事だ。
あの子を遺してきてしまった事だ。

……だとしても、
なんでここに居るのかはわからないけれど。]
(31) 2020/09/18(Fri) 23:28:50

【人】   希壱

[チラ、と部屋の奥の蔵書に視線を移す。

そういえば、あの子が生まれてから
一人の時間なんてロクになかった気がする。

……いや、厳密に言えば一人の時間は沢山あった。
でも、その全てを"お手伝い"に費やしてきたから。
両親に構って欲しくて必死だったから。


勉強以外にゆっくり本を読む時間なんて
思い返せば、全然なかった。]
(32) 2020/09/18(Fri) 23:29:29

【人】   希壱



 ……あの本、読んでもいいの?


[カウンターで本へと視線を落とす彼に尋ねる。

仮にもここが漫画喫茶なのであれば、
きっと読んでもいいはずだけれど。

……まぁ、生まれてこのかた、
漫画喫茶なんて利用したことがなかったから。
何か間違った作法があったなら、
それも含めて指摘して欲しいところだと
ぼんやりとした頭でそう思った。]*
(33) 2020/09/18(Fri) 23:30:07
村の更新日が延長されました。

村の更新日が延長されました。

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす



  愚問ッスねえ。
  ここは本を読むための場所サ。


[少年からの問い掛けに視線を上げて
 アルバイトはにやりと笑った。]


  ソファに座ってよし、ごろ寝してよし。
  飲みながら食べながら読んでよし。
  何をどんな風に読んでも
  だぁれも君を責めないッスよ。


[至ってシンプルな決まり事を
 誘惑するみたいに囁いて。]
(34) 2020/09/19(Sat) 10:10:57

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[彼がどんな生き方をしてきたか
 アルバイトには見抜く力はない。
 けど、生きながらにして何度も死んでいる……
 そんなこと言われたら解らざるを得ない。

 娯楽が無い、怨嗟の満ちた故郷で生きたからこそ
 何としても漫画を持ち帰ろうと思ったんだ。


 あくまで声音だけは優しく
 アルバイトは少年を諭す。]


  …………ま、とりま読んでみるッスよ。

  こんなに沢山あっちゃ、何を読んでいいやら
  分かんないかもしれないッスけど。


[少年が手に取る本に迷うようなら
 アルバイトは、故郷に持ち帰ろうとした
 一等衝撃的だった本を、尻尾の先で示すだろう。

 人ならざる力を持ってしまった少年が
 「海賊王」になるために、大いなる海へと
 旅に出る漫画である。
 人の形をしてもしていなくても関係ない、
 祝い事があれば皆で肩を組んで
 宴ができる、素晴らしい世界の話。]
(35) 2020/09/19(Sat) 10:11:54

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす



  ……あ、ちなみに泥棒は駄目ッスよ。


[注意事項はそれくらい。
 やる気のないアルバイトは長い舌を覗かせて
 ふあ、と欠伸をひとつ。]*
(36) 2020/09/19(Sat) 10:16:16

[ 実際にW万が一Wが今起きている
わけだし、役に立っているのだから必要だろう。

噴き出した彼と一緒にくつくつ笑って、
それから責め立てられる屹立に
情欲を燃やし、その熱を育てた。

一際強く吸われて、跳ねると、
なんとか寸前で留めたから、
怒張は血管を浮き上がらせて
びく、びく、と震える。]


   っはぁ、……やだよ。

   …一人は。


[ 不満げに膨らませられた頬を
指先でつついて、笑う。
そうして落としたおねだりに、
二つ返事で肯定が返って来れば、
こちらも満足げに微笑み、
重ね合わせた熱を上下に擦った。]

 



[ 同時に唇の甘さを堪能する。
先走りが漏れ出る先端を親指でぐり、と
刺激して、空いた手で後頭部を引き寄せ、
逃げられないように固定しながら
小指の腹でうなじから頸椎に沿って
窪みを撫で下ろし。

口づけの合間、かすかに漏れ出る声に
満足げに笑みながら繰り返したあと、
後頭部にあった手を滑り落とし、
先ほど好きだと言っていた胸の飾りに触れる。

唇を離した。]



   かぁわい


[ 吐息まじりに愉しげに囁いて、
その肌にキスをしながら上半身を
折るようにして、
流し見るように見つめながら
ぺろりと舌舐めずりをひとつ。]

 



[ くり、と中指と親指で挟んだ蕾を
摘んで、人差し指の爪先で掻く。
同時に反対側は赤い舌でぺろりと舐めて、
そのまま唇で挟み、吸う。
舌先で転がすように育てて、
時折歯を軽く立てれば、そのあとは
柔い舌で包み、愛撫する。

それを繰り返しながら、茎への
刺激も忘れないように動かせば
ぐしょぐしょに濡れた手の中、
卑猥な水音を立て始めるだろう。

甘い声がその唇から漏れるのに
目を細めるけれど、軽く肩を押されて
体が離されそうになれば、
可愛がるのをやめて、見上げる。]

 


[ だがかえってきた返事に、口端に垂れた
唾液をすくって飲み込み。

「ん、わかった」と小さく頷けば、
大人しく引き下がるとしよう。

愉しみはこれから先、いくらでもある。

宥めるようなキスにうっとりと目を細め、
まつげの隙間から見つめ。
指示された通り、四つ這いになろうか。

ただし、残念ながらそちらに
尻を向けることはしない。]


    ここ舐められんのはさすがに
    抵抗あるからさ……
    そこで見ててよ。


[ そう眉を下げて、許されるのなら、
そのワセリンを指にとり、己の
指先で硬く閉じた場所をなぞり、
軽く指を埋めようか。]

 




  んッ……
    ───キス、して



[ 小さくねだりながら、眉を寄せ、
第一関節を埋めて、少しずつ、解す。

口付ければ見えないだろうけれど、
受け入れる準備をするには
まだしばらくかかりそうだから、
その間もずっと、触れ合ってたくて。]*

 

[確かに、乳首が好きとは言った。
 言ったけど……っ!]


  ……は……ァ……ッ、く、っそ……!
  生意気……!


[これから抱く恋人の口から覗いた舌先に
 俺は少し唇を噛んで、笑った。
 緩急を付けて蕾を固く育てられては
 躾けるみたいに時折歯を立てられて。
 その度に背筋が粟立って、
 みっともなく縋り付くように
 由人の肩に爪を立てる。

 腰を引いても追ってきて、
 相変わらず下は由人の手で育てられ
 もう逃げ場が、どこにもない。]


 
  ここでイったら後で楽しくないのは
  由人の方じゃない?


[なんて強がりを言いながら
 四つん這いになる由人を見てたけど
 正直、本当に出ちゃいそうだった。

 綺麗にしてあるのに未だに抵抗する由人には
 後日たっぷり仕返しするとして─────]


  ホントにキス好きだね?


[甘える恋人のお強請りには応えなきゃ。
 でも、自分で解してるとこ、
 特等席で眺めるのも良いけれど
 これから入るとこ、俺の手で
 拓きたい気持ちもあって。

 少し悩んで、四つん這いになろうとする
 由人の手を引くだろう。]



  キスしたいならさ……こっち。


[言って、俺はベッドヘッドにもたれかかるように
 腰を下ろすと、膝の上へと由人を招く。
 これならキスもできるし、
 身体もぴったりくっつく、
 その上俺も由人のおしりが弄れる。天才。]

[由人が膝の上へと来てくれたなら
 両腕の中に封じ込めるように
 きつく抱き締めて口を吸う。

 さっきより、どくどくした鼓動が
 密着した身体から伝わるみたい。

 薄目を開けて、自らの菊輪の中へと
 指を潜らせる由人を見ると
 少し、やっぱり苦しげに見えて。
 宥めるように、火照る舌先を吸い上げては
 つんと尖った乳嘴の先端を、
 由人のそれへと擦り付ける。]


  ん、ん……いたい?大丈夫?


[大丈夫、と言われるなら
 大人しく引き下がるしかないけれど
 そうでないなら痛みの慰めに
 赤く染った耳へ手を伸ばすだろう。

 もし、本当に大丈夫で、少し余裕がありそうなら
 俺は右手をそっと由人の後ろに回して
 指を咥えこんだ菊輪に、もう一本、
 傷付けないようにゆっくり挿入する。]

[散々由人に虐め抜かれた俺の愚息は
 時折震える由人の下腹へと
 幹を擦りつけながら、
 はしたなくだらだらと涎を垂らして
 解放の時を待っている。

 だけど、今は急いてはいけない。
 傷付けないよう、優しく
 由人の身体が拓くのを待とうか。]*

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 
 ゴーーーーーン
 
          ゴーーーーーン

 
 
(37) 2020/09/19(Sat) 19:27:29

【人】 空腹な迷い人 レックス

― 謁見室 ―

[ 三度目の鐘が鳴り響く。
 客人のもとに舞い降りた紅い蝶の招待状。

 謁見室に集めれた客人たち。
 様々な思惑をその胸の内に秘めて、
 今は、魔女の訪れを待っている。

 客人たちの中にベネットもいた。
 しがない本屋と名乗った男は、
 人好きのする笑顔の爽やかな男だった。

 彼を殺すことが、条件に含まれている。
 少し憂鬱だが、人を殺すなんて、初めてではない。
 ――――願いを叶える為なら、悪魔にでもなろう
            
何せ、元々鬼なのだから
]
(38) 2020/09/19(Sat) 19:27:31

【人】 空腹な迷い人 レックス

[ 謁見室で語られたのは、魔女との"ゲーム"のこと。
 
 客人たちの中に隠れた魔女を探し出すゲームに
 勝利すれば、願いを叶えてくれるなのだろ言う。

      
"隠れ鬼"


 あぁ、嫌なゲームをする。
 殺す相手は投票で決めるらしい。

 与えられた懐中時計で、
 部屋番号に対応したものに投票できる。
 
 大広間の大時計で18時に投票結果が発表され、
 選ばれたものを殺さなければいけない。

 魔女は、投票以外でも殺しても構わないと言っていたが
 投票されてもいけないが、ベネットも殺さねば。

 悩んでいると、ふいに耳元に囁く声]
(39) 2020/09/19(Sat) 19:27:35

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 
 
  『ふふふ、お前が鬼よ、ぴったりでしょう?』

 
 
 
(40) 2020/09/19(Sat) 19:27:38

【人】 空腹な迷い人 レックス

[ 大きく息を吐く。
 ぴったりすぎて、笑えてくるが、
 ――――これを悟られてはいけない。

 他のゲーム参加者を欺き、利用して、――生き残らなければ

 3日間生き残ること
 ベネットを殺すこと


 最悪、この2つだけは、満たそう。
 心の奥でそう呟けば、鐘が鳴る。]
(41) 2020/09/19(Sat) 19:27:39

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 
 ゴーーーーーン
 
          ゴーーーーーン

 
 
(42) 2020/09/19(Sat) 19:27:42

【人】 空腹な迷い人 レックス

  
 
 
   もういいかい?

             ――――もういいよ

 
  
(43) 2020/09/19(Sat) 19:27:44

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 
 
      
―― 
時計館の魔女
 ――

 
 
  
 
 
(44) 2020/09/19(Sat) 19:28:28

【人】 空腹な迷い人 レックス

     
 
 
   
ゲーム

   隠れ鬼の始まりを告げる、――――鐘がなった
 
 
  
 
  
(45) 2020/09/19(Sat) 19:28:32


[ かわいらしい悪態にご機嫌で、
その肌に触れ続けていたけれど
素直なWお願いWに是をかえして、
四つ這いになろうと足を動かした。

まさか仕返しの散弾が立てられているとは
思いもかけず、後孔に指を埋めて
ほぐしていこうとしていれば、
それよりもはやく、引かれた手に
動きを止めてそっとそちらを見た。

彼がベッドヘッドにもたれて手招きする。
舌先で唇を濡らして、大人しく
そこにまたがるようにして座ると、
引き寄せられて抱きしめられた。
肌が触れ合う感覚。
それはこれまでしたどんなハグよりも
ずっと彼が近くに感じられて、
心臓の音まで皮膚を伝って
重なってしまいそうで、愛しい。]

 



[ 口内の甘さに酔いながら、
片手の指は己の菊座に、
もう片方は彼の首に回した。

触れ合った肌に灯ったままの熱。
くり、と先端が絡めば腹がひくつく。
同時に入れた指を締め付けた。

───やはり、さすがにすぐには
ほぐれそうにない。
固く閉ざして、拒むナカを
息を吐きながら、眉を寄せて、
少しずつ少しずつ、騙し騙し、
拓いていく。]

 





   んッ……ぁ、っ……ぅ゛、は、



[ 心配そうな問いかけに眉尻を下げる。
大丈夫、とは言い切れない。
彼を受け入れたいし、一つになりたい
けれど、身体はうまく言うことを
聞こうとはしなかった。
だけど───心配はかけたくない。
「やめる」こともしたくないから。
小さく、顎を引いてうなずいた。

すると、彼の指が降りて、己の指に
触れ合い、そのまま隙間から
ぐぐ、とゆっくり挿入される。]

 





    ん゛ッ…ゥ……っ!



[ 背中が丸まるようにして、耐える。
だが、自分のものではない、
太くてしなやかな指。
ぞく、としたものが背筋を走り、
下腹部に熱をもたらした。
甘い息を吐き、そちらを潤んだ瞳で
見つめて、唾を飲む。]



   …ん、 ッわか、った、


   ───も、はじめて、みたいに、
   っ…かたく、なってて、…ッ

   時間、ッかかるかも、


[ そう困ったように笑って。]

 


[ 首筋に顔を埋めた。
しっとりと濡れた肌から、
より一層彼の匂いがする。
すぅ、と吸い込んで、舌先で肌を舐めた。

喉を上下して、飲み込む。]



   ッン、 ぁッ…はぁ、



[ 体温があがる。]



   雅治の、におい……すき、



[ 小さく落として、首に回した
手のひらを髪に差し入れて握った。]

 



[ どれくらい時間が経ったのだろう。
己と彼の指、一本ずつが根元まで埋まり、
少しずつ柔らかくなってきた頃。]



   も、一本、 …ふやして、



[ とねだって。
増やしても大丈夫そうなら、そのまま
己の腰を軽く揺らして動かし。]

 

[中に指を潜らせると
 目の前の由人の眉根がきつく寄せられる。
 首筋を苦しげな吐息が掠めていって
 俺は耳元へキスを落とす。]


  ─────ッ、はは、

  ……じゃあ処女と同じくらい、
  優しくしなきゃね。


[硬く閉ざした後孔も、すっかり雄の味を忘れて
 異物に慄いていると思えば可愛らしい。
 軽く含ませた指先を出し入れしながら
 俺は由人の唇へ何度も唇を落とした。

 困ったように笑うその目と
 睫毛が絡む距離で見つめ合うと、
 俺は空いた手で由人の背を撫で摩る。]

[苦しげに息をつく唇が、
 唇を離れて、俺の首筋へと落ちる。]


  ……匂いだけ?


[喉で笑いながら、中を拓く指で
 腸壁をやわやわと擦り上げて。
 入口はきつく異物を食むくせに
 ふわふわとした雄膣は、ワセリンのぬめりを借りて
 優しく指先を咥え込んでいる。]


  俺は、由人の匂いも好きだけど
  生意気なとこも、健気なとこも
  全部、好き……だいすき。


[途中、腸壁にご無沙汰なしこりを見つけたら
 雄の味を思い出させるように
 其処をしつこく指で擦り立てて。

 大好き。静かな声音で、由人の鼓膜を揺らす。
 大好き。痛みに耐えていても、
 例え、はしたなく乱れていても。]

[由人が指を引き抜く頃には、多少は
 この狭隘な入口も解れていただろうか。
 一枚しかないコンドームの封を口で噛み切って
 手早く装着すると、俺はじっと由人の顔を見つめる。
 無理してそうかな、とか
 痩せ我慢してないかな、とか。
 辛そうなら、慣れるまでもう少し
 三本に増やした俺の指で拓こうとするだろうし
 それでも「大丈夫」と言われるのなら
 それを信じる他はない。]


  二人で、なんだろ?
  痛かったら、言って。


[その時は踏みとどまるよう、善処しよう。

 由人に俺の膝を跨がせた姿勢のまま
 少し腰を浮かせるようにお願いすれば
 拓いた菊輪の下に、俺の猛りが来る。]

[ゆっくり、由人に腰を落としてもらえば
 先端がキツく輪に戒められて
 俺は思わず顔を顰めた。

 男を忘れた穴が、処女みたいに拒んでいるのか
 それともただ久しぶりの雄に
 少し逸っているだけなのか。

 少しでも楽になれば、と
 由人の茎に慰めを与えて、
 瞼や額に、啄むようなキスを落としながら
 時間をかけて其処を俺の形に押し広げていこう。]



  俺たち、男同士だし……俺、ゴムしてるし
  意味も無い行為かもしれない、けど。


[ほんの少し、声が震える。
 それでもいい、ひとつになりたい。
 由人の背中へ回した腕に力を込めて
 心臓の鼓動までもひとつにしようと。]


  それでも、今此処で由人とひとつになれて
  ……これ以上に嬉しい事って、ないや。


[恍惚を湛えた顔でうっそりと微笑むと
 「あいしてるよ」と由人の鼓膜を震わせる。]*



[ 背をさする手のひらが優しくて、
心地いい。圧迫感を忘れられるよう、
息を吐きながらその手の感触に酔う。

耳をくすぐった、かすかに喉で笑う音。
こく、と飲み込んだ唾。
甘言にまた余計眉を下げて、
回した手に力を込め、肩口に頬をすり寄せた。]

 




    ……ん。

   ───おれも、…っ、
   全部好き、 …雅治が、好きだよ、



[ 小っ恥ずかしいセリフを吐いたのは、
正直WらしくWないなとは思うのだけれど、
それでも今、伝えるべきだと思った。
彼の全てが好きだ。]

 



[ しこりを見つけられれば、
腹が収縮して震える。
そこが知っている旨味を
引き出されるように刺激されて、
誘われるように、囁かれ。
耳朶を食まれたら、また跳ねた。]



   ッン、 ……ぁ゛っあっ

   ……そこ、っ…い、ッ…ぃ、

  うぁ、ンッ…は、ふ、ぁっァ


[ 弱い場所ばかりを弄られて、
はじめよりもずっと、声が漏れてしまう。
───それは、彼の包み込むような
優しい声色のせいだったかもしれない。]

 



[ ほぐれた、と思う。
指を引き抜くと、ひくひくと
開いた其処は続きを待ちわびるだろう。

すっかり潤んで紅潮した表情を
じっと窺うように見つめられれば、
こてりと首を倒して、見つめ返し、
言葉の代わりに問いかける。

歯で噛んだ袋を破くのが見える。
こく、と生唾を飲み込む。
雄がはっきりとそこに見えた気がした。

不安げに言われた言葉に、
大丈夫、といわんばかりに微笑んで、
「わかった」と頷くと、腰を上げる。
膝立ちで少し前にずれれば、ひた、と
入り口に当てられた感触に、唇を結んだ。

少し、腰を落とす。
先端を埋める前に、数度キスするように
ちゅ、ちゅ、と上下させて、馴染ませ、
そのままゆっくりとおろしていく。]

 




   ッん゛っ…ぁッぁ゛、ぅゔ、



[ 濁った声が漏れる。
不安げにそちらを見つめると、
苦しげに寄せられた眉根が目に入る。]



   ごめ、ッ…ほぐした、のに、
    ひさびさすぎ、ッて、

   ァッぁ゛…ッ



[ 濁った声が漏れる。]

 



[ そればかり、なのに。
入り口は、指とは比べ物に
ならないその質量の熱をどうか
はやく、はやくと急かすように
吸い付いて離そうとはしない。

茎に落とされる刺激。
優しく繰り返される口づけに、
両手を彼の背に回して強く抱きしめ、
開かれていくナカの違和感と圧迫感に
なんとか耐えていく。

汚い声しか口からは漏れ出ないけれど、
その熱の固さが衰えることはなくて、
ほんの少し安心した。

彼のものが完全に中に入ってしまえば、
深く息を吐く。同時に強く抱きしめられた。]

 



[ そのまま落とした口づけ。
口内の甘さを堪能しながら、
ほんのすこし腰を揺らす。
びくっと腹が跳ねる。]



   …ゆっくり…うごいて、


[ と囁いた。]*

 

[先端をやわやわと肉の輪が食んで、
 中への侵入を果たした瞬間
 腕の中から甘さのない悲鳴が上がる。]


  あ、やまんなくて、良いから……っ!


[傷付けているのは俺の方。
 だけど俺に出来ることは、慰めるだけ。
 出来ることなら小さくしてやりたいけど
 飲み込まれた先からじわりと押し寄せてくる
 快楽に、むしろ欲は高まるばかり。

 全部が由人の中に収まった頃には
 お互い汗に肌を濡らしていて
 湿った肌同士がまるでキスでもするように
 ぺたりと張り付いていたろうか。]

[最初はきつく締め付けるだけだった其処は
 抱き合って過ごすうちにほんの少しずつ
 口を開けてきてくれていた。

 由人の中が、俺の形に開いている。
 嬉しくて、がっつきそうになるのを抑えて]


  ……ん、でも、無理はさせたくないからさ。


[甘く囁く唇にキスを落とすと
 由人の背を、つぅ、と指先でなぞった。

 埋めた杭は動かさないまま
 汗の滲んだ首筋へと舌を這わせて、
 ひとつ、洟を啜る。]



  も少し、このまま。


[楽器でも奏でるように、気侭に
 由人の身体へ手を這わせながら、
 ひくひくと収縮を繰り返す
 ナカの感触を楽しんで。

 唇を重ねたまま、乳首を爪の先で引っ掻いては
 指の腹でくりくりと固く育て直したり、
 先走りの涙を流す由人の茎の先端を
 親指の腹で何度も擦ってみたり。]

[そうして、由人の様子を見て
 俺は漸く腰を動かすだろう。]


  動く、から。


[一言断った上で、もう一度唇を重ねると
 ほんの少し腰を引いて、ずん、と
 隘路を掻き分け、突き上げる。

 絡み付く内壁が、搾り取るように茎を嬲る。
 離れなくないっていうくせに、
 踏み込むと口を閉ざす……
 なんか、「由人を抱いてる」って感じがして
 俺はうっかり笑ってしまうんだ。]

[くすくす、口付けの合間に笑みを漏らすと
 少しずつ動きを逸らせていくべく
 由人の腰を支え直して。]*

【人】 空腹な迷い人 レックス

― 鬼の夢 ―

[ 深く深く眠りに落ちていた頃。
 ゲームの合間の、ひと時の休息時間。

 それは、過去か、現在か、はたまた未来か。
 
 夢の狭間で垣間見える風景は、
 懐かしいような、見覚えがないような。

 不思議な光景だった。
 ただ、これは"夢"だと、はっきりと理解していた。
 
 これは"夢"だから、
 いつか必ず、現実に戻らなければいけないものだと]

  
(46) 2020/09/20(Sun) 21:53:01

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 『
    天使様も、神様も信じてない
    だけど、君のことは信じているよ
                     』


 『 
    "ただの娘"で、いたかった
    だけど、神様は
    私を"ただの娘"として生んでくれなかった
                        』
(47) 2020/09/20(Sun) 21:53:04

【人】 空腹な迷い人 レックス

 
 『 
    
愛も恋も、知らない

    
だけど、――――のことは、嫌いじゃない

                          』
(48) 2020/09/20(Sun) 21:53:09

【人】 空腹な迷い人 レックス

[ 手を伸ばした。
 愛しい人の背中が見える。

 黒い髪が、風にさらさらと靡いている。

 金の髪が、陽にきらきらと煌めている。


 振り返った彼女は、野花のような愛らしい笑みを浮かべて

 振り返った彼女は、野薔薇のように可憐な笑みを浮かべて


 白く細いその手をとって、そっと抱きしめた。

 柔らかな感触、甘い匂い
――不思議と食欲は湧かない


 鬼の嗅覚を擽る甘美な匂いに、鼓動が速くなるのに
 
獣の


 ただ胸に抱くのは、狂おしい程の愛しさ。

 やっと、この手にできた喜び。
 やっと、 たどりついた歓び。

 押し寄せる感情に飲み込まれていった。]
(49) 2020/09/20(Sun) 21:53:15

【人】 空腹な迷い人 レックス

[ これは"夢"だ
 誰の夢かも分からない。

 "食事"をした時に、たまに見る夢にも似ていたが
 ここが魔女の領域だからか、いつもよりはっきりとしていた。

 まるで自分自身が当事者のような気持ちにさせる。

 過去なのか、未来なのか。
 混ざった想いは、融けあって
 どちらが頂いていた想いかも分からなくなる。]
(50) 2020/09/20(Sun) 21:53:23

【人】 空腹な迷い人 レックス


『 
    これは夢よ、これはお前の感情ではない
    だから、今は眠りなさい

    もっと深く、今は何も考えないでいいのよ
    
    さぁさ、眠りなさい
    哀れで愛しい鬼よ、眠りなさい
                          』
(51) 2020/09/20(Sun) 21:53:25

【人】 空腹な迷い人 レックス

[ 頭の中で、静かに歌うように魔女が言う。
 魔女の癖に、子どもを寝かしつける母のような声色で

 だけど、身体は勝手にその言葉に従う。
 もっと、深く眠りに落ちていく。

 夢すら見ない程に、深い眠りに
 ――――あぁ、まだ"ゲーム"は始まったばかり**]
(52) 2020/09/20(Sun) 21:53:27


[ 全部、隠して生きるしかないって。
死ぬ勇気も、なかったから。

離されたら俺はW死ぬWよ、
なんて口には出せないけれど、
離さないと言ってくれるのだから、
今はそれを信じたくて、頷いた。

動いて、と言ったのに、
無理はさせたくないから、と
口づけを落としてくれた
彼の瞳がいくらか、潤んでる気がして。
背をなぞる指先に、首筋に這う舌に、
鼻母音を漏らして、
きゅっとまた中が収縮する。

小さく洟をすする音が聞こえれば、
ふ、と少しだけ笑った。]

 





   ───なに?……泣いてんの?



[ そんな意地悪を小さく落として、
軽く腰を動かして彼の上に座り直せば、
笑んだ唇を重ねて食んだ。

キスの合間、肌を撫でる手に、
時折体を震わせながら
中に入ったままの怒張を
締め付け、緩めて、やわやわと
包むように刺激するだろう。]

 



[ その圧迫感に慣れ、息ができるように
なった頃、漸く一言告げられた言葉に
こくりと頷いた。]



   っゔン、ッ… !ふ、

   っぁ゛………んっ は、



[ ずん、と奥を突く昂りが熱い。
ゆさぶられると、また息が詰まるし、
痛みもないわけではないけれど、
それよりも、なによりも、
離した口づけの合間、
撓んだ瞳を見つめる。
笑ったその、彼の顔が、愛おしくて
より一層眉尻を下げて、
つられたように笑ってしまうのだ。]
 




   …ッ な、に? 


[ 甘さの滲んだ声で小さく問いかけると、
返ってきた答えに、口を開くよりはやく、
体が返事をしてしまう。
きゅぅ、と締め付けて、体温が上がった。

唇を噛んで、ふにゃ、とした笑みに
変われば、触れるだけのキスをひとつ。]

 


[ セックスでこんなふうに、
満たされて、たまらない気持ちに
なったことなんてなかった。

惣菜屋を継ぐ前。
都心にいた頃はそれなりに体を重ねて
遊んだりもしていたし、固定で、
何度も会っていた人もいた。
なんとなく、付き合っているような
そんな気がしていた人もいたけれど。

───あれは、恋なんかじゃなかった、
今確かにそう言える。

だって、こんな多幸感は、
あの日々になかったから。

酒や熱に浮かされているだけ?
いいや、違う。
…この人だから。

唯一の、人だから。]

 





   ───奥、突いて、…いいっ

   も、平気だから、……
   雅治で、いっぱいに、してくれ、


[ そんな言ったこともないような
誘い文句だって言えてしまうのだ。

ほんとうに、欲しいと思えるから。]

 





   …は ぁ゛ッ…ぅ……ン、



[ 聳り立つ自身が彼の腹に擦れる。
指では届かなかった場所まで
拓かれて、突かれると、
中はもっと、とねだるようにうねった。

その腰の動きに合わせて動かす。
徐々にそこで得る快楽を思い出してきた
身体は、下腹部から確かな熱を上げて。

ぞくぞくする。]
 


[ 肌を重ねて、言葉だけじゃない、
すべてで彼の熱を知って、
たぶん今もまた、どんどん
好きになっている気がする。

───そんなこと、言えないけど。

高まっていく。
ベッドの軋みと、二人の息遣い、
粘度のある液体が混ざる音。]



    き、もちいッ…?



[ 短く、問いかけて。]*

 


  [ お風呂の中で行われた行為は
   ほら、イチャイチャという行為に匹敵致します。

  湯煙のなか、初夜を……初夜?
  初夜を迎える前かもしれなかったけれど!

  キスをして、
ち、ちょっとえっちなこともして

  お風呂の温度以外でものぼせた二人が

  ひっついて
  ……ふく、着せてもらって。

  二人並ぶお布団の中。
  気怠さが身体を支配するこのお布団は
  ……お布団は素晴らしい文化です。

  おいでって、誘われたら
  なんの迷いもなく、尊龍の腕の中へ滑り込むの。 ]



  [ すん、尊龍のにおい。
   かみさまは本当に不思議な存在。
   こんなに近くにいてもなんのドキドキも聞こえない。

  ……それを、少し寂しく思って
  尊龍の手を私の鼓動が動いていたあたりへ
  そっと導くのです。
  もう脈を打つことのないこの場所。
  けれどこの場所が一番、
  貴方への想いを強く伝える場所であったから。


  でもこれはひとつ、修正せねば。
  悪戯な言葉を投げる我が夫の唇を指でちょん。

  そしてそっとまた、口唇を寄せるのです。 ]



 [ それから、私たちにとっての幾年だったかもしれないし
  瞬く間でしかなかったかもしれないし。

  かみさまの世界で流れる時間のなかで
  私と尊龍がすごした時間は

  ……とてもとても、幸せな時間でした。

  相変わらず着物は着れるようにはならないけど、
  綺麗な小川の石をあつめたり
  あいも変わらず下手な絵を描いては
  尊龍が綺麗にしてくれて
  神子たちに絵本をプレゼントしたりして。


  身体を重ねることもありましょう。
  指を絡めて、魂から求めあって。


  とても、とても幸せで。

  けれど 私にはひとつだけ。
  憂いが残るものがあったのです。 ]


  パパ、ママ。


 [ 電波の繋がらないスマホを
  いつまでも持ち続けているのは。
  (持ってたの?持ってたんだよ!)

  ……ちゃんと決意した筈なのにね。
  時折両親から貰ったLINEを見返して。

  既読にならないメッセージを
  時々送ってみたりして。


  人間界での"月森瑛莉咲 "は
  どういう扱いになってるのか

  怖くていまだに尊龍にきけてないけれど。



  ……だめね。
  こんなこと考えちゃうのはきっと
  結婚式前だから。

  マリッジブルーっていうあれ。 ]


 [ 尊龍のお仕えしている神様に報告して
  いよいよ本当に、私達は神様にも認められる夫婦になる。

  当然ながら和装の式なんだけど
  すっごくお願いして
  ウェディングドレスも作ってもらった。

  ウェディングフォトだって撮りました!
  あの時の尊龍の顔を見た時は、ふふっ。


  見てくれる、両親は居ないけど
  私、ちゃんと幸せだからね。



  遠くにいるけど、私
  パパとママのこと、忘れない。 ]

  [ かみさまの結婚式は
   よくはわからないけれど、二日前から直前まで
   夫に会ってはいけないらしくて。 

   でもね、
   夫が直々に迎えに来てくれるんだって!
   私を攫ってなんて言ったあの日を
   ちょっと思い出すの。]



         尊龍。


         ……尊龍。



 [ わたしの大好きなだんなさま。 ]



 [ かみさまだからいつも私より余裕あって
  でも時々見せる無邪気な笑顔が愛おしい。

  私の名前を呼んでくれるときの、
  あの涼やかな声色が大好き。

  ……え、えっちじゃないけど
  尊龍の腕に抱かれると、きゅう、ってなる。


  白わんこの尊龍はもう
  美形さんでふわふわで。


  尊龍、あいたいな。

  尊龍、尊龍。 ]

[浅く短い吐息の間の問い掛け。
 俺は答える変わりに、舌を吸い上げて
 一際奥へと腰を打ち付けた。

 身を蕩かすような快楽に身を委ねて
 目の前の恋人とひとつになっている実感に
 今にも泣き出しそうになる。
 身も心もぐずぐずになっているのに
 決してひとつになれない肉体が
 もどかしくて仕方がない。]


  あ、っつ……


[額を伝った汗を拭う時間も惜しい、と
 由人の身体を掻き抱く腕に力を込めて
 抜ける寸前まで茎を引き抜き……
 一気に熟れた肉の奥まで。]

[張り出た傘で、由人がどうしようもなく
 乱れる箇所ごと、中の肉を捏ね回して
 少しずつ、由人の手を引きながら
 果てへと向かっていく。

 狂おしい熱は、放出と共に冷めていくだろう。
 終わってしまうのは惜しいけど、
 それでも身を浮かす情動は、止まってくれない。
 
そして俺達は、その後もまた続く道を進む。



  …………ゆ、いと……出、る……ッ
  いっしょ、行こう……。
  は、ッ……いっしょが、いい……。


[荒い吐息は、由人の口の中に。
 俺はすぐにでも出してしまいそうなのを
 ぐっと堪えながら声をかけた。]


  ゆいと……、ッ、ゆ、と……!


[譫言のように繰り返しながら
 由人の身体を抱き締めて、
 俺は由人の最奥で埒を明けるだろう。]

[放出してしまえば、
 心地よい余韻の尾を引きながら
 狂おしい熱がなりを潜めていくだろう。

 正直、もう一回と言わず、何度でも
 夜が明けるまで交わっていたいけれど
 跡を付けないように
 どれほど堪えられるかどうか。]


  ……ベッド、汚しちゃった、かな?


[由人の中に茎を収めたまま
 腕の中の由人の顔を覗き込む。

 身体を清めて、このまま朝まで
 抱き合って過ごしたい……けど
 この幸せな感覚を洗い流すのが
 少し、もったいない気もして。]

【人】 橋本 雅治  



  ……一緒にシャワー浴びたら、さ。
  俺のベッド来なよ。
  朝まで、ちゃんと寝れるように
  ぎゅっとしたげる。


[そんな提案を、ひとつ。
 請われてもう1戦……というのも
 男冥利に尽きるものかもしれないけど。

 でもタイマーで区切られた身体の関係じゃないから
 いつでも「次」はある。
 寂しさなんか入る隙間のないくらい
 いつでもずっとそばにいる、つもり。]
(53) 2020/09/21(Mon) 19:40:01

【人】 橋本 雅治  

[明日は札幌に向けての旅。
 回転寿司食べたり、オルゴール博物館行ったり
 たくさんこの先にも道はある。
 ……無理はさせたくは、無い。

 だけど、もしわがままを言っていいならば
 帰ったら、由人の作ったご飯を
 一緒に食べたいと思う。

 まだ、セックスの余韻の残る空気の中じゃ
 言えないかもしれないけれど。]
(54) 2020/09/21(Mon) 19:48:00

【人】 橋本 雅治  

[恋人相手になら、きっと億さず
 言えるはずだから。]*
(55) 2020/09/21(Mon) 19:56:28
[風呂から上がれば共に布団の中へ
 するりと私の腕に収まるエリサが可愛らしくて可愛らしくて、意地悪をしてみればちょんと唇を指でつつかれ、小鳥のような口付けをくれる]


 ふふ、私の妻は欲張りだな。
 もちろん、全て叶えてあげるとも。


[愛しげに笑えば口付けを交わし。
 ぎゅうと抱き寄せ、
 頭を撫でられてみて]


 ……ふむ、撫でられるのもいいものだな。
 もう少しだけしてくれないか?


[なんて、私からのおねだりもしてしまうのだ。
 欲張り同士、仲良しこよし。
 ふかふかの布団の中で抱き合い幸せそうに眠った]

[それからの日々は瞬く間に過ぎていった。
 とてもとても幸せな時間。

 相変わらず着物の着れぬエリサに、私が着物を着付けてあげて(教える事も出来たが、触れ合う楽しみが減るだろう?)

 小川の石は共に拾い集めてお揃いの数珠を作って身を飾ろう。
 絵本作家になりたいと、そう願ったエリサの夢の手伝いをしようと絵を描いた事もあったか、二人で作った本が子供たちに喜んで見てもらえるのはとても嬉しい事だった。

 夜は体を重ね、求め合い。
 
その間は神子たちには下がっておいてもらうように言う事にした。
 エリサがとても恥ずかしがるからね。

 

 幸せに過ぎる日々。
 ……でも、やはり、エリサは言わずにいるだろうが現世の未練もあるだろうに。
 だからこそ、何かできないかと私も考え……]

[結婚式は当初、和装の式にする予定だった。
 だが、エリサが式の前にウエディングドレスを着たいと頼むものだから。
 嬉しそうにスマホとやらで写真を撮るものだから、私は着慣れない白のタキシードを着ながらふむと閃き]


 ……どうせなら、式も西洋風にしよう。
 この「ウエディングドレス」とやら、なかなか良いではないか。

 海の向こうの神様も、
 きっと私たちを祝福してくれるさ。
 うん、祝ってくれる神様はたくさんいたほうがいいからね。


[なんて、私の思いつきで今までのしきたりを取り入れつつも、式は当世風の新しいものにと変える事にしたのだ]

[式当日前の二日間は、しきたりでエリサに会えずとてもてても寂しかった。
 今まで一人でいる事になど慣れていると思っていたが、エリサを嫁にしてからはエリサがそばにいないと落ち着かない。
 ……随分と馴染んでしまったな。
 そう、笑いながら式当日は愛しの妻を迎えに妻がいる控えへと歩き出す。


  えりさ、愛しいエリサ。
 私の為だけに身も心も全て捧げて嫁いでくれた愛しい嫁。
 早くその手を引いてあげたい。
 共に歩き、夫婦の誓いを交わしたい



 それから、それから……、
 緊張するなど数百年ぶりかと思うほどに、人間ならば胸がせわしなく高鳴るほどに、一度、深呼吸してから表情を引き締めエリサのいる部屋へ]

[戸を開けて、西洋風のウエディングドレスを着たエリサの、いつもと違った美しさに見とれながらも、揃いの白いタキシードを、初めて着た日よりは美しい所作で手を伸ばし]


 迎えに来たよ。私の愛しい花嫁。
 さあ、一緒に行こう。


[エリサの手をとり共に歩いて、
 式場は神域でもより一段と美しい桜が咲き乱れる屋外。
 「バージンロード」なる赤い絨毯を敷いた道と、その先には誓いを見守る私の仕える大神の九頭龍大神様が神父役を勤めて見守っていてくださる。

 他にも花の神や福の神、様々な神々が集まり今か今かと新しい神の夫婦を待っていてくれる]

[だが、私が見て欲しかったのは。
 綺麗な桜の風景でも、神々でもなく、
 「バージンロード」の始めの場所。
 そこに、夢うつつと周囲を見回す少し年老いた人間の夫婦……、エリサの両親たちが立っていた]


 えりさには黙っていたけれど、お前の両親を私の力でこの一時だけでも呼び寄せたんだよ。
 ……お前は幸せそうだったけれど、それでも。
 少しでも現世の心残りを減らしてあげたいと思ってね。


[エリサの手を引き、両親たちと引き合わせ、しばしのやり取りがあっただろうか。
 一段落してから、私はエリサの両親に深々と頭を下げて謝罪と、感謝の事を伝えよう]


 ……突然あなた方のもとからえりさを奪ってしまい、申し訳なく思う。
 でも、それでも、私はこれからもえりさを妻として永遠に愛し、幸せにしようとお二人の前で誓います。
 お父様、お母様、今までえりさを育ててくださり本当にありがとうございました。


[誓いの言葉をご両親に告げ、頭をあげて。
 私はエリサとご両親を残し、一足先に神父様の祭壇へと歩いていく]

[やがて、祭壇に私とエリサが揃えば神父様からの西洋風の誓いの言葉がある。
 「なんじゃ、海の向こうの言葉はややこしいのう」などと、式の前にわたわたとメモを片手に慌ててらした大神様。
 でも、今はとても堂々となさって……


 「……こほん。
  汝、エリサは健やかなる時も病める時も富める時も貧しき時も、尊龍、すなわち夫を妻として認……、ああっ!妻じゃない間違った!!
 ぐああ!ど、どこまで言ったか!?
 ああもうっ!ややこしい!!」


隠し持っていたメモを片手に慌てる大神様]


 あ、あの……、やり直します、か?


[たまりかねて声をかけるも、大神様は「嫌じゃ!めでたい席にやり直しはなしじゃ!」と言い張り、やがて吹っ切れたご様子で。


 「うん!なにはともあれ!
  尊龍と瑛莉咲、今ここに新しい神の夫婦が生まれる事に相成った!
  二人共、お互いを末永く愛し敬い幸せに暮らすのじゃぞ。
  ほれ、誓いの言葉をこの場の神々全てに告げるのじゃ」


 そう、誓いの言葉をくださるので]



  
はいっ!! 誓います。



[私はもうそれはそれは大きな声で高らかに誓ったのだ。
 エリサも誓ってくれたなら、幸せに微笑み抱き寄せ誓いの口付けを。


 桜の咲き乱れる景色の中、神々の祝福の歓声と楽しげな楽器の音色が鮮やかに響き渡った。**]


[ 返事の代わりに抉られた最奥に、
一際強く、その屹立を締め付けた。]



   ッぅぁ゛あっ!!…ッン、 は



[ その声に、また肌が粟立つように震え、
掻き抱かれた体ごと溶けて、
本当にひとつになれたらいいのに、
なんて頭に浮かんだ思考を
瞳に乗せるとぼろ、と涙が溢れた。

切迫した声が、言葉が、響いて、
己のものではないような
喘ぎ声が、息遣いが止まなくて。

それを口づけに掬われて、
呼吸すらすべて、共有するように繰り返した。
何度も何度も頷きながら、高まりに、
襲う、快楽の波に体を委ね。]]

 





   ァ゛…っ 俺、もッも…ぅ、っ
   だめ、イ、 ッきそ、っぁ゛、
  
   イ、っく、いくッ………!
   ゔぁ、ッだ、もッ

    ン゛──────っ……ッ



[ 中に広がった熱に腹が収縮する。
肩口に額を乗せたまま、荒い息と、
びく、びく、とした痙攣を繰り返して。]

 



[ 覗き込まれた瞳は、揺れている。
ゆっくりと瞬きを二度繰り返して、
見つめ返したあと、漸く理解した。]



    ……ぁ…わ、かんね、…


[ 小さく答えて、眉尻を下げ、
深く息を吐きながらもう一度、
肩口に顔を埋める。]



   ───ん。そうする……
 
   …けどいまは、もちょっと、
    …こうさせて、……


[ その熱に体を委ねた。]


 



[ 翌朝目覚めたとき、その肌にまだ
包まれているのならばそっと手を添えて。
伏せられた長い睫毛を見つめながら、
ぼんやりとしているだろう。

久々によく眠れた気がした。
…久々に、長く眠れた気もした。

そのまぶたがゆっくり開いて、
朝の光に眇められ、こちらを向くまで、
じっと見つめたまま動かないでいて。
それで、一番初めに伝えるのだ。]

 

【人】 環 由人


[ と、甘さの滲んだ朝の挨拶を。

今日は札幌のほうに行く。
オルゴール美術館に行って、海鮮を堪能して、
それからもう少し北海道の下の方。
登別にある温泉へと向かうのだ。

…昨晩は入れなかった、温泉。

時計はきっとまだ、朝食にも
早い時間を指しているはずだから。]



   …昨日シャワーで済ませたし、
   ざっと温泉に浸かってから、
   朝飯食いに行かない?せっかくだし。


[ そんな誘いをかけて、笑った。]*

 
(56) 2020/09/22(Tue) 0:13:45

【人】   希壱



 …そっか。


[誘惑するような彼の言葉に頷いて、
尾っぽの先で指された本へ手を伸ばす >>35

だって、どれを読めばいいかわからなかったから。

なにせ、膨大な蔵書量。
中には読めない文字だってあるし、
よくわからない本もあるし。

時間は無限にあるように思えて、
きっと、ここにいられるのも少しの間なんだろう。

後悔が消えればその内、身体も消えていく。
……なんとなく、そう思うから。

迷ってる暇なんて、きっとないんだ。]
(57) 2020/09/22(Tue) 13:28:44

【人】   希壱



 ………これ、

   
(58) 2020/09/22(Tue) 13:29:05

【人】   希壱

[表紙に描かれた少年を見たことがある。

……というより、
見た事ない人の方が少ないんじゃないだろうか。

見たことはあっても、読んだことは無い。
強請って買ってもらう、なんて事が出来なかったから。
 
ストーリー

その物語だって未知数だ。
彼がいったいどんな話を繰り広げていくかが全くわからない。
…なんとなく、海賊がどうの、って話を聞いたことはあったけど。


だから、とりあえずと、一冊だけ手に取った。]
(59) 2020/09/22(Tue) 13:30:12

【人】   希壱



 泥棒なんてしないよ。
 そんなことしたら、なずなに顔向けできねぇしな。


[欠伸をする店員に向かって苦笑する。

たとえ、もう死んでたとしても。
俺はいつまでもあの子の兄なんだから。

悪いことはしちゃダメだぞって
普段から言って聞かせてたんだ。
死んだらセーフ、なんて甘い事言えないさ。

…というか、死後の世界にも泥棒なんて概念があるんだな
なんて、ほんの少し関心してしまった。

もしかすると、
過去に誰かが盗みを働いたのかもしれないな。
…それが誰かは皆目見当がつかないけれど。
]
(60) 2020/09/22(Tue) 13:30:44

【人】   希壱



 教えてくれてありがとう。
 ソファ、借りるな。


[ひと言断りを入れてから、本を片手にソファに座る。

辺りはとても静かで、
誰かが捲ったページの音が聞こえてくるくらいだろう。

目を閉じて、深呼吸をして。
その音に耳をすませた。]
(61) 2020/09/22(Tue) 13:31:03

【人】   希壱



 ──────────。

 
(62) 2020/09/22(Tue) 13:31:25

【人】   希壱


[久しぶりの一人の時間。
久しぶりの読書の時間。

ほんの少しのわくわくと、ほんの少しの罪悪感。

…けれど、気持ちは驚くほどに穏やかだ。]
(63) 2020/09/22(Tue) 13:31:57

【人】   希壱



[──────ぱら、と表紙を捲る


ぺら、とページを捲る──────]

   
(64) 2020/09/22(Tue) 13:32:18

【人】   希壱



 ………はは、


[なんて笑いが溢れて。]
(65) 2020/09/22(Tue) 13:32:40

【人】   希壱



 …………っ、


[なんて涙が溢れて。]
(66) 2020/09/22(Tue) 13:33:06

【人】   希壱


[感情を揺さぶられる。

物語に引き込まれていく。]
   
(67) 2020/09/22(Tue) 13:33:32

【人】   希壱


[気がつけば、あっという間に一冊を読み切っていて。

ソファから立ち上がって
本の続きへと手を伸ばしていた。]*
 
(68) 2020/09/22(Tue) 13:34:19

【人】 橋本 雅治  

[情交の後しばらくは、火照りの余韻の中
 二人で抱き合って過ごしたろうか。
 そのまま泥のように抱き合って
 眠ってしまいたかったけど
 一日の汚れは洗い流そうと
 二人でシャワーを浴びることになった。

 汗も、涙も、お互いの体液も
 石鹸の泡と一緒に洗い流して
 明日を生きるために、清い身体を作っていく。

 特産のラベンダーを使った
 石鹸の香に包まれると、
 目まぐるしがった一日のことが
 何だか落ち着いた心持ちで思い返されて。]
(69) 2020/09/22(Tue) 14:07:00

【人】 橋本 雅治  

[ハーブの香りと、由人の体温に包まれながら
 ベッドで温もりを分かちあって─────
 気が付けばぐっすり、眠りの底。

 カーテン越しに差し込む光から逃げるように
 むずかるような声を上げて
 うっすら目を開くと……]


  ………………う、


[由人のじっと注がれた視線と交わって
 目をぱちくり。
 何時からそうしてたのか、
 気恥ずかしくて聞けやしないけど。]
(70) 2020/09/22(Tue) 14:07:25

【人】 橋本 雅治  



  温泉!やっと入れるな!


[なんて、今日の予定を頭の中で組みたてながら
 うん……と上へ伸びをして。

 室内温泉に足を踏み入れると
 ふわ……と湿気を含んだ暖かい空気が
 優しく裸の体を包み込んでくれる。
 檜で作った湯船の中には
 とろりと白く濁った湯が揺蕩っていて
 指先を浸すと、なかなか熱い。]


  外は寒いのかな。
  露天だったら外に
  出られなくなっちゃうとこだった。


[そんなことを言いながら湯に浸かって
 二人で今日と明日の話でもしたろうか。

 海鮮ならいくらや蟹が食べたい、とか
 時間があったらヒグマ牧場に行ってみたい、とか。
 
 ─────そんな中、ぽつり、と一言。]
(71) 2020/09/22(Tue) 14:08:27

【人】 橋本 雅治  




  ……こうしてずっと一緒にいると
  帰った時、寂しくなっちゃうかな。

  由人が昼に生きて、俺は夜。
  夕食と明け方だけの逢瀬、って感じの。


[白く濁った湯を掬って、ぱしゃり、顔を拭う。
 俺の視線の先は濁り湯の中。
 先の見通せない湯を見つめながら]


  …………店、任せられる子が育ったら
  俺も昼に生きられる、かな?


[今更、迎え入れて貰える気もしないし
 どんな仕事があるかも分からないけど、
 もう少し長く一緒にいられるなら……なんて。]
(72) 2020/09/22(Tue) 14:09:04

【人】 橋本 雅治  

[そんな独り言に、どんな答えがあったやら。

 温泉から上がって服に袖を通して……
 俺達は今日という日を歩いていく。

 知らない場所も、知ってる場所も
 君と一緒なら、きっともう何も怖くない。]*


  
(73) 2020/09/22(Tue) 14:22:08


 [ 長い、それは本当に永い日々でした。
  そのどれもを大切に抱きながら 
  愛する人を待つ時間の尊いこと。

  今か、いまかと待つのです。
  あなたの声で、私が紡がれる その時を。


  ちょっとくらいは上手になったかな。
  尊龍の姿を思い浮かべながら、

  スケッチするけど
  尊龍の絵のほうがすきだな、なんて。 ]




  ―――足音が聞こえる。
    あと、数歩。


  もう、すぐそこに。

 



  
たける!




 [ 西洋風にしようって言ってくれた、
  タキシードの凛々しい人がそこにいて。

  駆け寄りたかったけれど、このカッコじゃ無理ね。
  うずうずしたけれど、それでも我慢して
  近くに来てくれたのならぎゅぅ、って。抱きしめる。
  してもいいよね?
  ダメっていわれたって、やだ。


  いつもの神秘的な雨衣は無いけれど。
  そのかわりにきっと、太陽に透ける尊龍の髪は
  何より美しい。

  ……ああ ]



  尊龍にまた会えた。
  嬉しくて、嬉しくて

  泣きそう。


 [ 泣いてる場合ではありませんね。
  私達は今日、世界で一番幸せになるのです。

  これが私のかみさまのお嫁さんの初めてのお仕事。
  神様の幸せは、
  世界の幸せに繋がるのですから。 ]

  



 [ 赤い色の絨毯をふたり、歩いてく。
  桜が赤い絨毯に雪みたいに降り注いで
  赤と淡い白のコントラストを描いてく。

  瑛莉咲、って名前。
  今なら相応だと胸張ってもいいかな?


  本当はここでママにヴェールを下ろしてもらって
  パパと一緒に尊龍の元へと歩くんだけれど
  これは神域式だから全部は当てはまらない。


  ……はずなんだけど。 ]



   どうしたの?
   立ち止まっ……


 [ その理由は、すぐにわかった。 ]



  パパ……!

    ママっ……!!


 [ そこには。
  私が知ってるよりもすこし、
  おじいちゃんおばあちゃんになった二人が
  ぼんやり立っていて。 
  でも気づいてくれたら 両手を広げてくれたの。


  私のだいすきな、ふたりの笑顔で。


  ふたりと、尊龍を交互に見る花嫁は
  涙なんて堪えきれてなかったね。 ]




  ありがとう。
    本当に、ありがとうございます。



  また、二人に会わせてくれて。
   私 、  わたし  

 [ おちゃめな大神様の進行の下、
   幸せな、幸せな結婚式は進んでゆく。

  本当の神様に立ち合ってもらって。
  パパとママに見守られて。


  ……そしてこれからもずっと隣に或る
  あなたの声を聞きながら、

  力強い誓いの声を聞くのです。 



  私の返事も、もちろん。
  大事な大事な、誓いをあなたへ。 ]



 [ やがてヴェールは、尊龍の手で上げられる ]

 
 




 [ 涙と笑顔で溢れた、
    この世でいちばん幸せなむすめは


   愛する夫の、くちづけを受け入れるために ]


 



 [  そっと、目をとじた  ]

 
 

 

[幸せそうに目を閉じる花嫁を愛しげに見つめ、
  世界一幸せな口付けを贈ろう]

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[ソファの上で変わる少年の顔色をちらりと見ては
 アルバイトは手元の本を捲る。

 一体なんの本を読んでいるのやら
 少年の心に落ち着ける場所があるのなら
 この本も、きっと漫画冥利に尽きる、はず。

 人の心に同じ形はない、と
 どこかの漫画に書いてあった。
 だからもしかすると、心の穴にぴったりはまる
 この一冊!というものに出会うのは
 極めて難しいのかもしれないし
 そんな本、厳密にはないのかもしれない。

 ─────それでも。]
(74) 2020/09/22(Tue) 22:47:58

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす




 それでも、確かに読んでいる時に
 このアルバイトの心は、満たされていた。

 人の形をしていないくせに
 人の心と同じように、
 どうしようもなく寂しい気持ちは
 漫画で、歌劇で、古い和歌の数々で
 今もみっちりと満たされている。


                  ]
(75) 2020/09/22(Tue) 22:50:46

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[ふしるるる……と喉を鳴らして
 アルバイトは心の中で諳んじた詠に
 くねりと身を踊らせた。

 逢うことも叶わなかったあの子に
 やっと会うことが出来て
 この恋は実を結んだというのに
 より一層恋の心は募るばかり。
 ……そんな歌だった、はず。

 アルバイトは恋、というものを知らない。
 実際に身を焦がすような気持ちに
 見舞われたことがないのである。

 だから、本や歌を読んでは空想する。
 願っても願っても叶わない想いに
 内から身を妬かれるのは、どんな心地か。]
(76) 2020/09/22(Tue) 22:58:42

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[笑ったり泣いたりする少年を視界の端に、
 アルバイトは汚れた本の表紙を撫でた。

 ─────実際の恋はしたことはない、が。

 この本の内容をもっともっと知りたくて
 つい次のページへ手をかけてしまう気持ち!
 一冊読み終えた時の、じんと脳が
 隅から隅まで満たされるような気持ち!

 あれも、「恋焦がれ」に近いんじゃないだろうか。]
(77) 2020/09/22(Tue) 23:02:46

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[アルバイトは静かにとぐろを巻いて
 漫画喫茶を訪れる者を待つ。

 いつか人間の世界へ行って
 もっと焦がれるようなものを見つけて……
 その「いつか」がいつかは分からないけど
 この、店中を埋め尽くす本が、
 全て終わりを迎える頃には、きっと。

 時間はいくらでもあるのだ、と
 やる気のないスキュラのアルバイトは
 その「いつか」を瞼の裏に描き続けている。]*
(78) 2020/09/22(Tue) 23:07:55
[式場に行く前に2日ぶりに会うエリサ。
 大声で呼んでくれるから、
 私は愛しくて駆け寄り互いに抱き合って。
 もう既に泣きそうなエリサにくすと笑って勇気付けるように手を握り、式場へと共に歩いていこう。

 式場に着いて、エリサと両親が久しぶりに再会して抱き合う姿を見て私の胸も幸せで満ち溢れてくるのだ。
 エリサが笑って、泣いて、
 そうして感謝の言葉をくれて]


 礼を言うのは私のほうだよ、えりさ。
 お前がいなければこれほどの幸せと喜びを私は知らなかった。

 お前がいてくれたからこそ、人をより愛しく慈しむ事ができるようになった。
 
えりさがいるからこそ、世界はこんなに美しい。


 ありがとうえりさ。私の嫁になってくれて。
 これからは二人で幸せになろう。


[エリサの誓いの言葉を大切に胸にして。
 神々に、両親に見守られ、
 私達は晴れてこの場で夫婦になる]

[結婚式の宴もたけなわ。
 神々の祝の杯もほどほどに、
 私はエリサの両親を現世に帰す為に、己の身を一時的に龍の姿に変えるだろう。
 
かつては力が足りず、龍の姿になれなかったが、エリサという極上の供物という名の嫁を得た事で、私の力は全盛期の頃と変わらぬ力を得る事ができた。


 ぐるり、大きな体でとぐろを巻いて、両親たちが背に乗りやすいよう身を伏して呼びかける]


 さあ、ご両親。共に現世に帰りましょう。
 私が送っていってさしあげます。

 えりさも一緒においで。
 ご両親と共にしばし現世の空を飛ぼう。


[エリサたちに呼び掛け背に乗ってもらい、私はなるべく乗り心地が言いよう気を付けながら、ふわりと空に飛び立とう。
 ふわり、神域の景色を一望した後、エリサには懐かしの人の世界へと向かう]

[空から見る現世は、久しぶりに見るからか空からでも懐かしく。
 エリサにとって思い入れのあるであろう場所を飛ぼう。
 エリサが育った場所や、大学、一人暮らしをしていた家、それからよくお参りに訪ねてくれた私の祠。

 それから、最後にエリサのご両親が住む家の前へと送り届け、ぺこり。一礼すれば、龍の姿のままエリサを乗せて飛去っていこう。
 
ぴこんぴこん、と。
 後ろの両親たちが持つスマホに響くスマホの着信音。
 それは、紛れもなくエリサが神域で書き綴り続けた両親への文の数々。
 「既読」と書かれたエリサのスマホが持つ言葉の意味を知るのはまた後の事だ。


 空を飛びながら、私は空に祈ろう。
 この地が幸福と豊穣に満たされますように、と。
 その祈りは雲を呼び、雨となり、やがて大地に降り注ぐ]


 この地に住まう者全てが幸せであるように……。
 さあ、えりさ。
 「ぶーけとす」とやらをしよう。
 龍は雨を、花嫁はぶーけで人々に幸せを分け与えるのだろう?
 ならば、今投げるのが良かろう。


[雨雲を見下ろしエリサにそう声をかけ、ぶーけが投げられる頃には空に美しい虹がかかっていた頃か]

[キラキラと輝く虹と、
 それよりも美しい純白の花嫁を背に。
 この世で一番幸せな龍は微笑みこう言うのです]


 ……さあ、私たちの家に帰ろう。


[ふわり飛去る神の夫婦。
 この世で一番幸せな二人]

【人】 環 由人



[ 一人きり、眠る夜はいつだって
寂寞に苛まれて、どうしたって
孤独に抗えなくて、痛くて。

和らげてくれるのは、ただひとつ、
誰ともなく落ちる柔らかな、
ラジオのパーソナリティの声だけ。

そんな日々をずっと、過ごしてきた。

一度、したと思っていた恋が、
独りよがりで無意味だったと知った
あの日からずっと、なにかと理由をつけて
きっと、好機を自分から掴もうともせず
手を伸ばすことも諦めていた。

ずっと。]

 
(79) 2020/09/23(Wed) 0:11:35

【人】 環 由人


[───あの日、差し出してみた手は、
そういう好機だとは思っていなかった。
ただの───気まぐれで、好奇心。

曖昧にしていても許されるあの場所を
くれた人に、なんとなく、どこかで、
恩返しのような気持ちもあったのかも
しれないけれど、わからない。


ただ、あの日の己がいなければ、
いまこうして、多幸感に満ちることは
なかったし、これから先、
長い道のりを歩いていくことへの
不安も尽きなかっただろうけれど。]

 
(80) 2020/09/23(Wed) 0:12:09

【人】 環 由人



[ 二人で浸かった温泉。

昨晩薄明かりの下でみた
その裸体は、陽の光の下だと、
あのときよりもしなやかで、白く見えた。

提案に、いいなーと頷いて、
蟹はしゃぶしゃぶがいい、と返したり。
ヒグマなんて、見たことないかも、と
思い浮かべるのはツキノワグマで、
こう、なんか模様があるやつ?と聞いたら
ちがうと否定されたり。]

 
(81) 2020/09/23(Wed) 0:13:00

【人】 環 由人



[ そんな今日明日の話を繰り返している中、
落とされたWこれからWの話に、
そっとそちらを見つめた。

視線は合わない。
どこか、不安げに揺れて、
乳白色に注がれたまま。
まつげの先にともった水滴が見えた。]

  
(82) 2020/09/23(Wed) 0:13:22

【人】 環 由人




   ───そうだなあ、

  ……あの時間、も結構好きだったし、
  なんていうか……夜の時間?
  誰も、起きてないような、気もする
  静かな中で二人、向かい合えるのが、

  ───こう、特別な感じは、してたんだけど




[ 視線をそらして、膝を抱える。
そっと同じように水面に落として、見つめ。

ゆらゆら、揺れる。
湯気が立って、空気に溶けた。]

 
(83) 2020/09/23(Wed) 0:13:51

【人】 環 由人




  雅治が、あの店大事なのも知ってるから、
   …そんな簡単に、「そうしなよ」
   なんていえないんだけど、さ。
  
  本音だけ、いっとくと、

  ───もっと、一緒にいられるなら。

  ……昼も、当たり前に、
  「普通」に雅治といられるなら、

   おれはそれも、嬉しいし

  特別、じゃなくて「当たり前」に
  なるのって、幸せだなって思うよ

   …そうなれたらなって、思う。


[ そこまで伝えて、また息を吸う。
ゆっくりと彼の横顔を見つめた。]

 
(84) 2020/09/23(Wed) 0:14:13

【人】 環 由人




   でも、急がないから。

   だって俺たちのWこれからWはまだ
   はじまったばかりなんだし、

   ずっとずっと、続いていくって
   そう信じてるから───さ。

   いっしょに考えよ。


[ そう微笑みかける。

なんとなく照れ臭くて、少しだけ
耳が熱かったけれど、それは
熱い温泉のせいにしておこう。]

 
(85) 2020/09/23(Wed) 0:14:34

【人】 環 由人



[ 旅行は、まだ続く。

決められた日程だけ、
終わればまた日常へ帰る。


だけど、俺たちの日常は続く。
「ひとり」と「ひとり」じゃない。

WふたりWの日常が続いていく。


口下手で、不器用で、
うまく伝えられるかどうかは
これから先もわからないけれど、

それでも、伝えていきたい。
橋本雅治というひとに出会えた喜びを。
そのひとと共に生きていくこれからの
道のりへの、期待を。

そして、これからその道に立ちはだかる
山々もきっと、手を取り合って、
乗り越えていければいいと思う。]

 
(86) 2020/09/23(Wed) 0:14:59

【人】 環 由人



[ 特別なことなんてなくていい。

俺たちにとってのW普通Wを
なんてことないことに。
今までずっと、W異質Wに
カテゴライズしていたものを
W当たり前Wに思える日々に。


そしてそのW当たり前WやW普通Wに
深い幸せと喜びを感じられるように。]

 
(87) 2020/09/23(Wed) 0:15:55

【人】 君と共に 環 由人



[ 生きていく。


エンドロールが終わるまで。


俺たちなりの、ハッピーエンドに向かって、
たぶんぐねぐね曲がっためんどくさい道を、
手を取り合って、永遠に。]**

 
(88) 2020/09/23(Wed) 0:16:35

【人】   希壱


[どれくらいの時間が経ったかわからない。
ふと、読んでいた本から顔を上げた。

本の中では、ノコギリ鼻の鮫人間が
主人公にぶっ飛ばされていた辺り。]
(89) 2020/09/23(Wed) 3:01:39

【人】   希壱



 ────?


[辺りを見回しても、もちろん近くには誰もいない。

相変わらず店員がカウンターの向こうで本を読んでいて、
誰かの捲ったページの音が静かに聞こえてくるだけだ。

でも、確かに今、
声が聞こえた気がしたのだ。]
(90) 2020/09/23(Wed) 3:02:28

【人】   希壱


 …………なんだよ、


[突然現れた漫画喫茶はホラー仕様なのか?
と、疑いたくもなる。
……だって、明らかに普通じゃないからさ。


パタン、と本を閉じて。
それをソファの上に置く。

ゆっくりと目を閉じて、
今度こそ、言葉を聞き取ろうと耳をすませた。]
(91) 2020/09/23(Wed) 3:02:52

【人】   希壱



 ……………………………、聞こえねぇな。

   
(92) 2020/09/23(Wed) 3:03:17

【人】   希壱


[もう一度、と思ったのだけれど、
どうしたって同じ声は聞こえてこなかった。

ため息を吐いて、置いた本へと手を伸ばす。

どこか聞き覚えのあるような声。
どこか馴染のあるような声。

……でも、それも、今は思い出せない。

だから、もう一度。
俺を一人きりにはしない本の世界へ浸ろうとした。]
 
(93) 2020/09/23(Wed) 3:03:58

【人】   希壱


[だって、ここには沢山本がある。
だって、ここでは誰にも気を遣わなくたっていい。
だって、一人じゃない。
だって、本を捲れば誰かがいる。
だって、ここは自由だ。

だって、だって、だって、



だって、]
(94) 2020/09/23(Wed) 3:04:54

【人】   希壱



[だって、死んだ方が幸せで──────

 
(95) 2020/09/23(Wed) 3:05:11

【置】   希壱



 『─────おにいちゃん、しなないで』


   
(L0) 2020/09/23(Wed) 3:06:10
公開: 2020/09/23(Wed) 3:10:00

【人】   希壱


ガタ────、と立ち上がる。

目を開き、汗が垂れ落ちる。

今、何を考えていた?

今、誰を忘れていた?

久しぶりの一人の時間。
それを味わえて、幸せで、
ずっと、この時間が続けばいいって、

あの子を忘れかけてまで、そんな、願いは──]
(96) 2020/09/23(Wed) 3:06:36

【人】   希壱



 ……なずな、

   
(97) 2020/09/23(Wed) 3:06:57

【人】   希壱


[名前を呟いて、唇を噛む。

あぁ、そうか。
結局虚しいだけだった。

一人の時間はたしかに大切だ。
とても楽しくて、幸せで、
店員が誘惑めいたことを言ったのも頷ける。

でも、ダメなんだ。
俺だけ楽しく過ごしたって意味がないんだ。

だって、俺はあの子といる事が何より一番幸せで。
あの子が楽しく話してくれる事が何より一番幸福で。

笑いかけてくれる、ことが……

なにより、嬉しくて……]
 
(98) 2020/09/23(Wed) 3:08:16

【人】   希壱



 …………泣いてたな、なずな。


[最後に見た光景を思い出す。

赤く染った水の中、
醜く集まった野次馬の音と共に、

大粒の涙を零して俺を呼ぶ、あの子の姿。

安心させるように笑ってみたけれど、
血に埋もれた表情では、
怖いだけだったかもしれないな。]
(99) 2020/09/23(Wed) 3:09:13

【人】   希壱



 ……………………行かなきゃ、

   
(100) 2020/09/23(Wed) 3:09:34

【人】   希壱

[もし、ここに来たことに意味があるのなら。
きっと、少し休め、という意味だったのかもしれない。

誰かに自分を認めて欲しいと望んでいた。
あの修学旅行をキッカケに、
そんな感情、無くなったと思っていた。

けれど、心の奥底では全然消えていなくて。
そんな感情に雁字搦めにされて、
たぶん、自分を見失っていたんだ。

雨の中、レインコートを着たあの子を見た時。
俺はもう要らないんじゃないかと思った。

そこまで気が回らなかった自分を、
ずぶ濡れで、周囲に好奇な目でみられる自分を、
あの子に嫌われたんじゃないかと思ってしまった自分を、

自分自身で"
呪っていた
"んだ。]
(101) 2020/09/23(Wed) 3:10:17

【置】   希壱



 『おにいちゃん、しなないで、おにいちゃん』


   
(L1) 2020/09/23(Wed) 3:11:06
公開: 2020/09/23(Wed) 3:15:00

【人】   希壱


[薄れていく意識の中で聞いた声が蘇る。

あれは、確かにあの子の声だった。

遠くでサイレンの音が聞こえて、

誰かが俺を呼んでいて。]
(102) 2020/09/23(Wed) 3:11:23

【人】   希壱


 ………………………………………、


[開いていた本を閉じて、本棚へと戻す。

これは、もう必要ないから。]
(103) 2020/09/23(Wed) 3:11:53

【人】   希壱



 帰るよ。
 ……まぁ、元の場所に帰れるかはわかんないけど…

 これ、お代。
 貧乏学生だから、手持ち、これだけしかねぇんだ。


["千"と書かれた紙切れを一枚取り出して、
カウンターの上に置く。

ちら、と見えた店員の手元の本は、
なんだか少し難しい日本語が書かれていて
よく分からなかった。]


 ……もう会うことはないと思うけど、
 また会ったら、よろしくな。
   
(104) 2020/09/23(Wed) 3:13:09

【人】   希壱

[それから踵を返して、店の扉の前まで歩く。

ドアノブに手をかけた時、

ふと、振り返った。]


 本、面白かった。
 勧めてくれてありがとう。

 ……もし、生きてたら、
 あの続き、集めて読むよ。


[少しギザギザな歯を見せて、ニッ、と笑う。

彼が何かを言っても言わなくても。

そのまま扉を開けて、外へと出た。]
(105) 2020/09/23(Wed) 3:13:55

【人】   希壱

[もう、休憩はお終いだ。

もし、これがあの頃見た夢の延長線なら。]


 ……もうすぐ、覚める頃合だ。


[ボヤ、と視界が揺れる。

歩いていた足が少しずつ感覚を失っていく。

黒かった視界が白く染っていって。

徐々に、意識が薄れていく。]
(106) 2020/09/23(Wed) 3:14:29

【人】   希壱



 ……あぁ、ほら、やっぱり、
 死んだ夢には、慣れてるんだ。


[浮遊感に包まれて、

そんな言葉を零した時。

ズキ、と、最後の痛みが襲った。]


 …………まぁ、慣れてても、痛いもんは痛い、な。


[ゆっくりと意識が底へと落ちていく。]
(107) 2020/09/23(Wed) 3:17:41

【人】   希壱


[ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、

と、電子音が聞こえる。

ツン、

と、消毒液の匂いが鼻をつく。]


 ……………ん、……………んん、


[モゾ、

と、動いて、瞼を開ける。

飛び込んできたのは真っ白な天井]
(108) 2020/09/23(Wed) 3:27:08

【人】   希壱



[──────では、なくて。]


 
(109) 2020/09/23(Wed) 3:27:28

【人】   希壱



 『
おにいちゃん!!!



[涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった、
あの子の顔だった。]
(110) 2020/09/23(Wed) 3:27:54

【人】   希壱



 ………なずな、


[掠れた声で何とか名前を呼ぶ。
そんな俺の言葉に、あの子は益々涙を流す。

鼻声で何かを言いながら、
ボタボタと涙を落として、
ぐしぐしと、手で目を擦るもんだから。

あぁ、ほら、瞼がはれちまうぞ。

なんて。
ようやく持ち上げた右手で、あの子の涙を拭った。]
(111) 2020/09/23(Wed) 3:28:23

【人】   希壱



 『希壱────!』


[慌ただしく部屋のドアが開いたと思ったら、

涙を浮かべた母親と、
安心したのか腰を抜かし父親がいて、
姉貴が慌ててどこかへ駆けて行った。

『先生!!!』

って叫んでるから、
たぶん医者を呼びに行ったとは思うんだけど。]
(112) 2020/09/23(Wed) 3:29:04

【人】   希壱



 ……病院だろ、ここ。


[そんな苦笑を漏らしながらも。

でも、やっぱり、

皆が俺を心配してくれていた事が、
何よりも嬉しくて。

生きてた方が幸せだ、なんて
柄にもなく思ったりもして。]
(113) 2020/09/23(Wed) 3:29:53

【人】   希壱



 ……あぁ、ほら、手で擦んなって。


[こうして、すぐ傍でなずなの涙を拭いてやれる今が。

きっと、何より幸せなんだって。]
(114) 2020/09/23(Wed) 3:30:05

【人】   希壱



 
って、いって!!痛ぇって、なずな!

 
まって、まてまてまてまて、待てって!!


   
(115) 2020/09/23(Wed) 3:31:10

【人】   希壱


[
……後で聞いた話、傷口は結構深かったらしいし

三日三晩眠り続けていたらしいから、


こうして、なずなが今、
俺の上に跨って抱きついてくる痛みには、
再会の喜びとは違う涙が流れたけれど、

まぁ、それでも。

あの空間で、一人寂しく本を読むよりかは、
きっと、こちらの方が幸せなんだって。

…そう、思った。]*
(116) 2020/09/23(Wed) 3:32:06

【人】   希壱


[────それから数ヶ月後。

あの不思議な喫茶店
─名前は忘れた─
で読んだ本を
ゆっくりだけれど、集め始めた。

戻った時に、既に百巻近く出ていると聞いた時は
一瞬目を丸くしたけれど。

きっと、ゆっくり前に進め、
なんていうあの店員の意図を感じられなくもなくもなくて、

疲れたら、ほんの少し休憩すればいい。
本を読んで、本の世界へ入り込めばいい。

…とかいう想いも感じなくもなくもなくて。

今は漸く、
あの日に読んだ十一巻までを集め終わったとなろだ。]
   
(117) 2020/09/23(Wed) 3:50:48

【人】   希壱


[あの場所で感じた気持ちは、
決して悪いものじゃなかったから。

だから、これからも気長に集めていこうと思う。

きっと、これを全部集め終わる頃には
なずなは俺が傍にいなくても
大丈夫な年になってるんだろう。

……もしそうなったら、
もう少し他の本にも手を出してみるのも
ありかもしれない。

…なんて未来図を描きながら。]
(118) 2020/09/23(Wed) 3:51:35

【人】   希壱


 おはよう、なずな。
 今日は晴れだから、水色の靴、履いてこうか。


[今日も、まだまだ手のかかるこの子の傍にいるのだ。]


 って、
えっ!今日弁当いるの?!

 
うげぇ!まじか!


 
そういうことは

 
昨日のうちに言いなさーい!!



[──こんな、何気ない日常の幸せを噛み締めながら、な。]**
(119) 2020/09/23(Wed) 3:53:34

【置】 尊龍のお嫁さん  月森 瑛莉咲



  その日、


  晴れ渡る青空の中。


  雨が降りました。
(L2) 2020/09/23(Wed) 6:57:12
公開: 2020/09/23(Wed) 7:05:00

【置】 尊龍のお嫁さん  月森 瑛莉咲



  あの、野菊の上にも。 

 

 
(L3) 2020/09/23(Wed) 6:57:46
公開: 2020/09/23(Wed) 7:05:00

【置】 尊龍のお嫁さん  月森 瑛莉咲




  雨があがり、空に虹がかかるころ 

 
 
(L4) 2020/09/23(Wed) 6:58:19
公開: 2020/09/23(Wed) 7:05:00

【置】 尊龍のお嫁さん  月森 瑛莉咲




   誰も知らない黄色の花畑に
     いっせいに 紫色の 野菊が 咲き乱れました。 

 
(L5) 2020/09/23(Wed) 6:59:07
公開: 2020/09/23(Wed) 7:05:00

【置】 尊龍のお嫁さん  月森 瑛莉咲




  雨つゆにぬれた二色は

   いつまでも、いつまでも、よりそって 揺れていました**
(L6) 2020/09/23(Wed) 7:00:22
公開: 2020/09/23(Wed) 7:05:00