人狼物語 三日月国


222 【身内RP】猫様としもべの夢【R18G】

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【人】 ご主人様ではない マオ

「……はぁ……」


「……めんどくさいのが来たのう。
 今はそんな気分でない……別のやつらにしろ」

"神仙様"として崇められている祭りというだけあり
狐面の男が何であるかは知った様子でため息を吐いた。

しかし試練に選ばれたと聞き及んだ周囲の客が
なんだ、なんだと集まってきて……。
とてもじゃないがこの場を動けそうもない。
早くひとりになりたいというのに。
(8) 2023/09/09(Sat) 1:12:46

【人】 神仙様の 祭囃子

「拒否権はありません」

「選ばれた者は挑戦しなくてはいけないルールです。
 そう、本物の神仙様の試練と同じ──」

「本当に無理だったら無理にとは言わないんですけど、
お祭りを盛り上げるためにおねがいします……」


狐面の男がレグナに耳打ちする。

「これぞ神仙祭りのドキドキ☆ワクワク、突発イベントなのです!!!」

「クリアすれば素敵な褒美と祝福が与えれます!!」

怪しい狐面の男が片手をひょいと振ると
試練の間へと繋がる鳥居が現れた──

「さあさ、いってらっしゃーい!」
(9) 2023/09/09(Sat) 1:19:52
マオは、レグナと一緒に鳥居の中へと背中を押された!
(a4) 2023/09/09(Sat) 1:22:21


「なんでよりによって今なんじゃ!?」


おまえはあとで仕置きじゃ〜っ!と鳥居に吸い込まれた。
ここは都合のいい夢の世界。
もしかしたらどこかで望んでいたのかもしれないけれど
すくなくとも、今のマオにそんな自覚はなかった。

【人】 神仙様の 祭囃子

本来ならばすぐになんにもないだだっぴろい
試練の間へと飛ばされる、はずだが────

ふたりの心が同調していないからか
マオのお仕置きじゃという声が聞こえたせいか。
ひとりになりたいという願望が勝ったか。
ふたりは"祭りの喧騒の中"に別々に放り出されるだろう。

そして同時にふたりの脳内に、試練というには
手始めのようなお題が言い渡される。

『相手の好きなものをこの祭りの中で手に入れろ』

──それが試練へと続く道へのカギである。それだけだった。
(10) 2023/09/09(Sat) 4:48:45

【人】 神仙様の 祭囃子


──どんなに子供のおつかいのような内容でも
試練は既に始まっていて、どんなに嫌でも、面倒でも
手に入れなければこの祭りの中から出ることはできないだろう。
(11) 2023/09/09(Sat) 4:59:26

祭りの人ごみの中、ひとりぽつんと残される。
せっかく着せてもらった浴衣はぐちゃぐちゃ。
通りすがる人たちは、だあれもマオ様に見向きせず
それぞれのひと時を楽しんでいる。……お腹がすいた。
となりにはいつも面倒を見てくれるあいつはいない。

「…………」

昨日楽しみだと笑いあっていた祭りが、くだらない喧嘩で始まり
早々に面倒なイベントに巻き込まれてしまった。
罰が当たったのかも、など天下のマオ様が思うはずもなく。

「なんでレグナの好きなものをわしが手にいれなければならんのじゃ……」


さっさと突破して、さっさと終わらせて帰ろうと決心して。
不服そうに仕方なく屋台を回る。わたあめ、かき氷、金魚すくい。

「あいつの好きなものってなんじゃったっけ……」

いつも自分ばかり我儘を言ってろくに知らないな、と気づいて。
どうしたものかと、妹でも探すかな…とぼんやりしていると
後ろから何かがぶつかってきた。



『あっ。ごめんなさい……』


ちいさな少年だった。同時に何かが足元に落ちたのを、マオは拾い上げて、眺める。飛行機のおもちゃだ。
しゃがんで目線を合わせ、彼へと渡してやった。

「ほれ。ちゃんと前を見て歩けよ」

頭をなでてやる。マオは子供が好きだ。
その理由はなぜかわからないないけれど。
現実で、子供のたくさんいる家庭にいたからなんて知るはずもなく。

きっと、知り合いにもいて、素直でわかりやすいからだ。

それに比べてレグナは……という思考へと流れる。
文句を言うくせに、沢山面倒見てくれるのはなぜか。
理由など、どうでもよかったというのについ考えてしまった。
彼が何を考えているのか、マオは実のところよくわからない。
わかりやすい時はすごくわかりやすいくせに。
それがなんだか、もやもやとした心に駆られることがある。
なんでかなんて、わからないけれど。

少年がありがとうと笑って手を振った。
そのまま駆けだそうとするのをマオはっとして、引き留める。
不思議そうに首をかしげる少年に、おずおずとなにかを尋ねた。

ふてくされた様子は隠し、いつもの様子で相手レグナの好きであろうものを手に入れた──隠し持っている──マオが"試練の間"に飛ばされてきた。手に入れた時点で勝手に飛ばされてくるらしい。

この空間はなんにもない、無機質で真っ白な部屋だ。
広さは6畳くらい。
さっきまで背後にあった鳥居は、何処にも見当たらなかった。

目の前に立った看板にはルールが書かれている。

・この空間からは、二人で試練を突破しなければ出られない
・この空間でだけはなんでも道具が出せるし、景色も変えられる
・試練の内容は、貴方達のどちらかにテレパシーで知らせられる。

(相方に知らせるか、知らせないかは自由だ)

どうやら試練の内容は
脳内に直接語り掛けられる
らしい。
今回マオには聞こえない。ということは、レグナなのだろう。

耳打ちに対し「今の空気見てたんなら無理かどうかは分かるだろ!?」と言う暇もなく。

「うわあっ!???」


背中を押され、鳥居の中へと飛び込んでいく。
これが何処かで望んだ展開なのか、否か。
現実を知らない自分が知る由はなく、その向こうに吸い込まれていく――


そうして、はっと気が付けば再び祭りの中。
傍にマオはおらず、辺りは人々の賑わう声で溢れている。
先程の一件は白昼夢だったのか、そう思い始めた頃に頭の中に語り掛ける声がする。

「……。何で俺がこんな事……」

渋々と言った様子で祭りをうろついて。
さっき惜しんでいた高級マグロでも持って行けばいいのか、なんて浮かんだものの、先程の信者は何故か見当たらない。

それなら、彼の好きなものとは、何だろうか。

先程買って来いと要求していたチョコバナナ?たこ焼き?
好きではあるのだろうけれど、そういう事ではない気がして。
何であいつなんかの為に、こんなに真剣に考えないといけないんだ、というのも頭に過ぎるけれど。
……このままではいけないというのも、本当は分かっていて。



……暫くして。
何時もの様子であるマオとは打って変わって、此方は大分気まずそうに。それなりに遅れて"試練の間"に飛ばされてきた。

まるで夢の中の様に何も無い部屋。
目の前の看板を読んだところで、頭の中に声が響いてくる。

その声は――(3)1d16


/*
人数分の回数との事なのでもう一回!!

(8)1d16


『お互いのお願いを聞かないとならない』


……先程からの続きのような物だろうか。
それなら普段からやっている、自分は余裕だ。
むしろマオが聞くかどうかが分からない、なんて思った所で。

『どちらかが相手を殺さないとならない』


「……え、?」

思わず声が漏れた。
一瞬その意味が理解できなかった、というぐらいには動揺している。

「いつもならマオ様が試練を課して
 人間を観察する側だというのになんじゃ、ここは………」

くぁ、と退屈そうにあくびをして、看板を通り越す。

「……めんどくさい……とりあえず、寝るかの」

道具はなんでも出せるらしいので、ベッドを召喚してみたり。
おやつを出してみたり。部屋がせまい!!と広くしてみたり。
天蓋つきの、王様のようなベッドへダイブする!

「ふかふかじゃ!」

どんな試練が出されたかなどまだ知らないマオは、呑気だった。
遅れてやってきたレグナの様子をちら、と見たけれどすぐにそっぽを向き。

「なんじゃ、童貞卒業しないと出れないぞ〜とでも言われたか?」

なんにもない部屋の中心でごろごろしながら。
その顔色をちょっとは気にしているらしかった。

呑気そうにベッドにダイブをしているマオに、
まだイライラが隠せないのか。むっとした様子のまま、答える。

「…………。
 馬鹿、そんな呑気な……
いや、それも呑気じゃねえけど。

 こんなの、実質一人しか此処から出られないも同義だ、」

こんな事、幸せである筈のこの世界で望まれていい事じゃない。

「お題は二つ。片方はお互いの願いを聞く事、もう一つは」

どちらかを殺す事
、」

言葉にして、ぞっとした。
けれど、何処かでそれと似た恐ろしさを経験した、そんな覚えがあるのは気のせいだろうか?

「ふーん………どうせ、さっきのようなぬるいやつかと
 思っておったが後者はなかなかおもしろい試練じゃ!」

ベッドに転がったままそちらも見ずに、スルメイカを頬張っている。
出れるといっても片方はこの世から、という意味かもしれないが。
マオは聞いただけでは実感が湧いていないらしく、いつもの調子だ。

「ま、ちょうどよいのではないか?」

ぴょん、とベッドから下りてぺたぺたと
レグナのほうへ歩み寄り、下からその瞳を覗き込む。
いつもみたいに甘えるとか愛でるような雰囲気はなく、煽るような。

「わしを殺したら、嫌いなやつがひとりいなくなって
 はっぴーで出れるではないか! よかったのう、レグナ」


きっと喧嘩なんかしてるから、神さまが背中を押してくれたんじゃ!
マオはわざとらしく手を広げて笑っている。

告げられた言葉に、カアッと頭が熱くなるのを感じる。
その感情に任せるかのように、手を広げ煽るように笑うマオの肩を掴んで、そのまま床へと押し倒す。
手加減なんてしていない。床にごちんと頭がぶつかり、痛みを感じたかもしれない。

「お前、本気で言ってんのか」

酷く冷たい目があなたを見下ろしている。
渦巻く淀めいた感情が影と共にあなたに差している。

「心からそう思ってんのなら、」
「――本当に殺してやろうか、なあ。マオ?」


そう告げた声も、酷く冷たい色のそれだった。

抵抗する暇もなく、軽い身体は人形みたいに床に叩きつけられ、気付けば真っ白な天井が見えた。
頭を打った衝撃は感じてはいたが、さほど痛みはない。
なによりも冷たい視線が、刺すように痛いからだ。

レグナがこんなに怒っているのは初めて見た。
ほんの僅かに若草色の奥が揺らぐのは一瞬だけ

「殺せよ」


それだけ吐き捨て、マオは不敵に笑った。
怯むような様子は
見せない
。できるものならやってみろ、と。
マオは負けず嫌いの性があるから、喧嘩を売られたら絶対買う。
だから今回のこれだって、きっと。

「でもなあ、出たいなら先にお願い聞いてやらないとなあ
 ……死人には口はないからの、レグナ」

己を押さえつけている手に、細い指先がそっと触れた。
誰も出れずに終わるのでは、せっかく捧げるマオ様の命が無駄になってしまう。

揺らいだ若草色は、見えなかったわけじゃない。
けれども告げられる言葉は吐き捨てる様な挑発だった。

目の色の温度が、下がっていく。
その温度があなたを刺していく。

肩に力が、ぐっ、と篭る。

「……願い?何だ、言うならさっさと言えよ」
「俺の願いは、これから死ぬお前に叶えられる訳がない。
 ああ、じゃあ今から叶えられる、もっと簡単な願いにしてやろうか?」

 
大人しく
その態度のまま
、死ね」

 


おいでよおいで 神仙祭り
試練と褒美 たくさんくれる 神仙様
たのしいたのしい 神仙祭り
猫のように きまぐれで悪戯好きな 神仙様

しもべがたくさん 神仙様!
だれもが見上げるばかり 万歳! 神仙様!

おいでよ おいで 神仙祭り
家族も しもべも ひとりぼっちのきみも
神仙様は みな 平等!


……やー、じゃもん♡
しょうがないのう




ひく、と喉を鳴らす。笑い声に似たもの。
いつもの我儘。絶対変わることのない態度。
……レグナの願いを叶えることは容易だった。

冷たい床の温度で冷えてくる身体、白い頬にかかる乱れた髪。
弧の形に歪む、渇いた唇。着崩れた浴衣から覗く無防備な首元。
畳で転んだ時と似ているのに、何もかもが違う状況。

「おまえに殺されるのなんてちっとも怖くないな。
 なんだ口だけか、早く殺してみろよ! ほら!」

力づくで両手を伸ばす、レグナの首の後ろへと回し
ぐいと顔を近づけさせて牙を剥いた。
首筋に痕がつくくらいかみついてやる。
首がだめなら、顎でも唇でも、どこでも。



「殺されてやるから、終わったらちゃあんと笑えよな」


耳元で皮肉っぽくお願いを囁いて、やがて手を離した。
"自分勝手ねこじじい"がいなくなってはっぴーだろうからな!

冷えた身体も、無防備な首も。乱れた髪も。
若草色の視線が合うのも。
こんな事になってしまうなんて、転んだ時には想像もしていなかった。
それでもあなたは変わらない。

両手を伸ばされれば、案外その身は簡単にあなたの方へ近づいてきて。
牙を剥かれれば鋭い痛みと共に、首筋に赤い花が咲く。

耳元でお願いが囁かれた。
その願いを、叶える事は―――

「なら、望み通り」

まるで悪者にでもなったかのような口ぶりでそう告げたかと思うと。
手袋で覆われた手が、ゆっくりとあなたの首に掛かり。
そのままぐっ、と。力を込めていく。

あなたの温度が、脈が、手に伝わってくるのを、感じる。

細い首をあなたの手が覆って、呼吸を塞いだ。
マオは、じっとレグナの瞳から視線を外さないまま
与えられる苦しみを、受け容れる──否、受けて立ってやる。

おかしな話。見たことなどないはずなのに
悪者を演じるレグナをどこか知っている気がした。


「……ぁ…………っ……」

──苦しい。減らない口は、既に声にはならなかった。
吸うことも吐くこともできず、かひゅ、泡沫となって消えていく。
ただただ陸に上げられた魚みたいに、口を開閉させるだけ。

「……ぅ………」

──苦しい。じわりと涙が滲むのは、生理現象。
反射的に、あなたの手首を掴むのは防衛本能。
爪を立て、また傷をつけてしまうのかもしれない。

──苦しい。
段々と靄がかかってくる意識の中、片手を伸ばす。
口元は笑みのような、歪みを湛えたまま。
ただあなたの頬に触れるため、指先は目元をなぞった。

冷え切っていた温度は、何時しか熱を持って。
ぽたり、あなたの涙と混じる様に、汗が垂れた。
レグナもまた、あなたから目を逸らさない。

「………―――、」

苦しむあなたの表情をじっと見る。
爪を立て、疵が付けられていくのを黙って見ている。
生命を奪われているのはあなたの方なのに、
変わらぬままで有れと言ったのは自分の方なのに、
まるで呪いでも掛けられた様に左胸の奥の方が痛む。

道化の様に笑んでいた口元は、
何時の間にやら。ぎ、と何かを耐える様に歪んでいる。

――それでも、その手を緩める事はなかった。

「………、…………」


涙と汗で滲んだ視界では、あなたの顔がもうよく見えない。

「   、」
「……     」

意識が遠のく中、マオは、最後にゆっくりと唇を震わせる。
まるで、壊れた人形みたいだった。
その声にならない声は、あなたに届くはずがない。

──どれだけの時間が経っただろう。
やがて、マオの手がだらりと力なく床に放り出される。
……あなたに触れていた手も、爪を立てていた手も。

ずっと目を離さなかった明るい若草の色も
淀んだように濁って、光を失っていく。

マオは、もうこれ以上動かなくなった。