人狼物語 三日月国


110 【身内】腐ったリンゴを元に戻すには【R18】

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[ 彼女の過去を全く知らないから、
  春を売っていた事実も知らない。
  だから平気で彼女の傷を抉ることができている。

  無知とは酷なものでしかない。        ]






[ どんな彼女でも好きなのに、


  どんなに好きな彼女でも


  お店に来なくていいだけは言えない。 ]




【人】 麻央

──────


[ 部屋に入れば机には水がある。
  飲んでくると思われていたのだろう。
  実際に飲んできたのだから仕方ない。
  酔いを醒ますために一口をそれを飲めば
  耳に聞こえてくる彼女の返事。

  麻央は、ほっとした表情を見せながら
  彼女に対してこう返す。        ]



(5) 2021/11/24(Wed) 18:45:07

【人】 麻央




[ 視線を合わせてまじめな表情で言えば
  人は簡単に騙されていく。
  これは麻央の気持ちであって、
  春翔の気持ちではない。
  春翔という人間は、実に冷めた人間で
  今すぐにでも通うのをやめてしまえと言いかねない。

  そして彼女のケーキを所望するけれど、
  彼女が離れてしまう前にその手の中にいいものを。 ]



(6) 2021/11/24(Wed) 18:46:00

【人】 麻央



[ お祝いだからとケーキを食べるのなら
  麻央として3周年の記念の日。
  春翔として彼女へ同棲を打診した日。
  受け入れてもらえたなら、ケーキをせがみ
  そうでなければ、悲しそうに彼女から離れる。

  夢と現実をうやむやにする場所
春翔の家

  彼女を招待してしまう覚悟はとっくの昔にあった。 ]*



(7) 2021/11/24(Wed) 18:47:07

[ 愛されたかったの。

  ただただ、好きな人に愛されたかった。

  だから、彼には簡単に、いとも簡単に心を許した。
                  
身体を許した。
 ]
 

【人】 愛衣


[ 囁かれた言葉の真贋の見分けがつくような
  そんな聡明さは持ち合わせていない。

  彼がどうして抱きしめてくれるのかも。
  正常な判断などとうに何処か遠くに捨てたから
  仮に心配されていたのだとしても、遅い。



      
来なくていいの一言があれば違ったのに。
 ]
 
(8) 2021/11/25(Thu) 23:14:19

[ 夢と現実の境を曖昧にして
  
  王子様に愛されていたかった。

  だって大好きな人だから。

  大好きな人からの愛情は、
  
  店へと縛る
魔法
になってしまう。
       
呪い
         ]
  

【人】 愛衣

──────


[ 用意した水を飲んでもらえたのを見れば
  少しだけ、ほっとする。

  酔わないのと、お酒を多く飲むことへの
  身体の負担はイコールではないと思う。


  お酒は頼みたいけれど、彼に喜んでほしいけれど
  でも、彼の身体を考えると…と
  矛盾したことを考えてしまうくらいに、
  わたしは王子様が好きで、
彼が好きだった。
 ]
  
(9) 2021/11/25(Thu) 23:15:55

【人】 愛衣


[ 予想外の言葉だった。
  
軽蔑されはしないかとどこかで思っていたから。

  そう思っていなければ、きっと

  “普通の愛”を探していたはずだから。
  店に通ったりなんてしてなかったはずだから。

  
だから、簡単に騙される。

  
やっぱり彼は優しくて、わたしを愛してくれてると。


  ケーキを食べたいと言われたら持ってくるつもりで
  一度離れようとして、手渡されたそれを見て
  目を丸くした。家の鍵が、私の手の中に。 ]
  
(10) 2021/11/25(Thu) 23:18:13

【人】 愛衣


[ 手作りのショートケーキと、飲み物を用意して。
  二人きりのお祝いを。

  拒むなんて考えなかった。
  
何故拒む必要があるの?


  引っ越しってことだよね、と
  花が咲いたように笑って、早く準備しないと
  なんて呟けば、眠気なんてどこかへ去っていた。 ]*
  
(11) 2021/11/25(Thu) 23:18:57


[ 彼女の気持ちは本物。

  なら麻央の気持ちはどうなのか。

  それは──────………    ]




【人】 麻央




[ 彼女がまともでないなら、麻央もまたまともではない。
  だから彼女を抱き込んで金なる木にした。
  そうすれば彼女は麻央から離れられなくなり
  望む限りそばにいることが確約されるから。

  だから、麻央は彼女に愛を伝える。

  たとえそれが麻央にとっては嘘でも、
  春翔にとっては本当だから。
    ]



(12) 2021/11/26(Fri) 21:35:05

【人】 麻央

──────



[ ヘルプを少なめに置くのもあって
  彼女が頼んでくれたボトルはほぼ麻央がこなす。
  だからこそ、彼女は時折心配しながら
  ボトルを下ろすタイミングをずらしてくれる。

  そんな優しさも、ひとりの人として
  春翔が彼女に惹かれていった理由なのかもしれない。
  でも、彼女は麻央というホストに惹かれている。
  覆すことが出来ない事実は、
  2人の間に越えることが出来ない壁を築いているような。
  
  今は何を言っても、変えられないもどかしさ。   ]



(13) 2021/11/26(Fri) 21:35:43

【人】 麻央




[ 自ら切り出しておいて軽蔑するなんて
  そこまで下衆な男ではない。
  けれども、彼女の欲しい言葉を探すのは
  彼女を縛りたくて堪らない鬼畜だから。

  笑みを見せて、麻央
春翔

  彼女にそう囁きかけた。       ]



(14) 2021/11/26(Fri) 21:37:56

【人】 麻央




[ このとき食べたショートケーキの味を
  麻央は鮮明に覚えている。
  すごく甘くて、しょっぱい。

  彼女の笑顔が眩しすぎて、
  引っ越しの日程をすぐに決め、
  彼女を受け入れてしまった麻央。

  彼女とのここからの1年弱の間の生活は
  愛おしさと罪悪感との入り混じりで
  どれだけ香奈太に怒られたことだろう。   ]



(15) 2021/11/26(Fri) 21:39:26

【人】 麻央




   愛衣ちゃん、もうお店に来なくていいよ。

 



(16) 2021/11/26(Fri) 21:40:12

【人】 麻央




[ これを言うときは全てが終わり
  初めましてを彼女に言う時。


  でもまだ、それをいうときは来ない。


  腐ったリンゴはまだ
腐り
続ける。

  周りにいるリンゴも一緒に腐らせながら。  ]**




(17) 2021/11/26(Fri) 21:40:48

【人】 姫華


  疑うことくらいは覚えてる。
  だって、この世に暗い一面があるのは知ってるから。

  もっとも、それを体験したのは私じゃない。
  哀れな、お姫様になれなかった姉の方。



  「有名な人、ね……。」


  コネとかじゃないの?って思ったけど
  逆にそういうつながりがあるって考えたら
  凄くはあるのかもしれない。

  ただ、有名な人が居るからって
  それが信用に繋がることはないから
  興味ないです、と言って。
 
(18) 2021/11/27(Sat) 23:04:38

【人】 姫華


  新作の発売日。
  全部は変えないな、と少々悩んでいた日の事。
  なんでお金が足りなくなったかと言えば
  “収入源”が手元にいないから。



  「プレゼント……?
   
   後から代金返せとか言うんじゃないの?」


  疑いの目を向けたら、
  一緒に名刺も受け取って欲しいとのこと。

  
――――― 受け取ったその先は?



  「……受け取っても、連絡するとは限らないけど?」


  それでいいのなら、と交換条件を飲んで。

  連絡なんてするつもりもなく受け取ったけど。
  色々と困った立場になって、
  連絡せざるを得なくなるのは―――――。
  
(19) 2021/11/27(Sat) 23:05:23



     
お姫様の転落の物語は、まだ、先の話。



  



[ 真贋を見抜く目なんて、もってないから。


  信じたいことをいとも簡単に信じてしまうの。 ]

 

【人】 愛衣



[ 麻央くん、って
  何度も呼んで、幾度も愛を伝えて、
  “麻央くん”から言葉が返ってくる。


  麻央くんが嘘なんてつくはずない。
  わたしは、そう信じてるの。


  
麻央くんの名前も知らないくせに。 ]


  
(20) 2021/11/27(Sat) 23:22:29

【人】 愛衣

──────


[ わたしが惹かれているのは
  結局、わたしをお姫様って言ってくれる麻央くん。

  きちんと彼に踏み込んで、彼を知れば
  きっとホストじゃない彼も好きになる。


  どっちも、彼であることに変わりないから。
  それなのに、知ろうとしないのは

      
まともな思考は腐り落ちてるから。 ]

  
(21) 2021/11/27(Sat) 23:23:05

【人】 愛衣



[ この世で一番の幸せ者はわたしの方。

  だって、こんなに素敵な人
  に愛してもらえるんだから。 ]

  
 
(22) 2021/11/27(Sat) 23:23:51

[ そう、思っていなければ

  私という人は空っぽだから。

  感じる虚無に蓋をして、

  わたしは静かに微笑むの。 ]

  

【人】 愛衣


[ 貰えなかった分の愛をすべて受け取ろうと
  彼にぴったり寄り添って。

  引っ越しの日程はすぐに決まったし
  そこから先の生活は……幸せだった。

  
好きな人と一緒に暮らせるんだから。 ]

 
(23) 2021/11/27(Sat) 23:24:58

[ 好きな人のために、
  好きじゃない人に体を晒して、お金を稼ぐなんて。


  ほんとうは幸せであるはずがない。
  嗚呼、結局私の価値は体にしかない。
  そんなことを、思い知ることになった。



  こんなことがしあわせなわけ、ないのに。 ]

  

【人】 愛衣



      え、なんで……?


[ 来なくていいと、その一言があった時、
  私はきっと目を丸くしてしまう。

  私にはまだ、幸せは来ない。 ]
 
(24) 2021/11/27(Sat) 23:25:59

【人】 愛衣



[ 完全に腐りきって何もかもなくなってしまったら。

  それはきっと、本物がはじまる合図。  ]**


  
(25) 2021/11/27(Sat) 23:26:41