人狼物語 三日月国


137 【身内】No one knows【R18】

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【人】 商人 J

[ 男は女を愛さなかった。
子が生まれてもそれは変わらなかった。
生まれた子さえ愛さなかった。

その身を抱いても愛を囁くことはなかった。
戦いになれば女の力を存分に使ったが、労う言葉ひとつなかった。

ただ、女を他の誰かに触れさせることもなかった。
それだけだった。]
(10) 2022/03/26(Sat) 19:01:30

【人】 商人 J

[ 男は愛というものを知らない。
真似をすることはできても、知らないものは本当のところはやりようがない。
あるのは執着だけ。]


 私のものは誰にも渡さない。


[ それは明確な怒りだった。
オークションでブルーノに向けたものと同じだった。]*
(11) 2022/03/26(Sat) 19:01:53

【人】 旅人 J

 
[門に差し掛かるとき立ち止まり
 前に抱える赤子をぎゅっと引き寄せた。
 使用人すら起き出す前の時間を狙ったのに
 全て筒抜けのように彼はそこに居た。]


  裏切ってないわ


[困ったように目を細めて、
 しかしはっきりと否定した。]
 
(12) 2022/03/26(Sat) 19:51:02

【人】 旅人 J

 
[愛しているという言葉が
 彼の心を冷やすのならもう使わなかった。
 その代わりに用意する温かい食事や
 夜寝る時にシーツを肩までかけてあげること
 辛そうなとき近くで付き添うこと
 身体を乱暴に掴む手を優しく握り返すこと
 強く吸われる唇を甘く重ねること
 そんな日々の行動で愛を伝えてきたつもりだ。
 妻としての愛。妹としての愛。
 一年以上経っても、彼はどちらも受け取らなかった。
 受け取り方がわからないようでもあり
 知ることを拒んでいるようでもあった。
 問題があるとすれば自分なのだろう。
 与えるのが自分ではダメなのだ。]
 
(13) 2022/03/26(Sat) 19:52:25

【人】 旅人 J

 

  私もこの子もこの先ずっと貴方のものです
  それはどこに居ても変わりません

  貴方は……貴方自身が
  大切だと思えるひとを見つけるべきだわ
  私とこの子が近くにいると邪魔にしかならない

  私もこの子も貴方にとって
  特別な存在にはなれなかった
  力不足で……、……御免、なさい……


[謝罪を伝える声は震えた。
 愛を返してくれぬ男への愛は冷めるどころか
 月日を重ねるごとに増していた。
 彼に愛を教えてくれるひとは必ず居るだろう。
 だけどどうして自分はそれになれないのだろう。*]
 
(14) 2022/03/26(Sat) 20:02:51

【人】 商人 J

[ 男は首を横に振る。]


 駄目だ。
 私の許しなく出ていくことはならない。


[ 不可視の糸が波を打つように地面を弾けさせる。
男と、そして女を囲うように。]


 それでも勝手を通すなら

 ……ここで、殺す。


[ 手にしたものを失うぐらいなら。
この手の中にあるものを奪われるぐらいなら、それをこの世から無くしてしまおう。]
(15) 2022/03/26(Sat) 21:29:27

【人】 商人 J

[ 男は本気だった。
愛を知らず、求めることを知らず、あるのは執着だけの男。]


 お前は、私に……

 妻と妹と子を殺させるのだな?


[ 歪んでいようとも、それこそが男に取っての愛だった。]*
(16) 2022/03/26(Sat) 21:29:51

【人】 旅人 J

 
[女は決して弱くない。
 魔女の力に目覚め元々の俊敏さは増し怪力を得て
 実力で降るとすれば其処な男くらいのもの。
 赤子と二人生きていくにしても
 誰かに侵されることなどない。
 だが彼は、出ていくことを許さないと言った。
 糸が地面を弾き砂塵が舞いドレスの裾と長い髪が揺れる。]
 
(17) 2022/03/26(Sat) 22:14:39

【人】 旅人 J

 
[哀しげに顔を歪める。
 殺すと言われたのが辛いのではない。
 少しも大切ではないのに近くには置きたい、
 そして近くに置けないなら壊す、
 その不器用過ぎる選択肢が切なかった。]


  ……目の届くところにないと不安なの?


[彼はまるで初めて手に入れた玩具の
 握り方が分からずに壊してしまう子供のようだ。]
 
(18) 2022/03/26(Sat) 22:15:23

【人】 旅人 J

 
[女にとっては、どちらも同じことだった。
 彼の視界に入らぬ所で生きるのも、ここで死ぬのも。
 土地や金や民などよりもっと得て欲しいものを
 彼に与えてやれぬ自分に価値はなく
 捧げられるのはその機会だけ。]


  ……いいわ。


[目を閉じて息を深く吸い、吐いて。
 また目を開ければ首を縦に振った。
 即決できなかったのは母としての自分がいたから。]
 
(19) 2022/03/26(Sat) 22:15:52

【人】 旅人 J

 
[確認>>16が、その選択をさせるなと
 訴えているようにも聞こえていたが……、
 彼の心は自分には到底掴めないものだ。]

  、、、
  ここよ。両目を同時に確実にね
  でないと、痛いばかりで死ねないわ


[自らの双眼、そして子の双眼を二本指で示した。
 哀しげに微笑い、裁きを待つ。
 心で願うのは愛するひとのこと。
 貴方が大切なものを見つけられますように。*]
 
(20) 2022/03/26(Sat) 22:18:51

【人】 商人 J

[ 男と女が本気で戦えば、勝つのは女だっただろう。
男が勝つには一瞬で両目を潰すしかなく、力を増した女に対してそれは無理な話であった。女が本気を出せればの話だが。]


 ……お前もか……


[ 不可視だった鋼糸が地面に落ちる。]


 好きにしろ。


[ 男は女の横を通り過ぎ去る。]
(21) 2022/03/26(Sat) 22:52:20

【人】 商人 J

[ それきり、男は女を振り返ることはなかった。]*
(22) 2022/03/26(Sat) 22:54:06

【人】 旅人 J

 
[彼の母が彼にしたのと
 同じことをしろと言うのは酷だっただろうか。
 無防備に両目が潰されるのを待ったが
 覚悟したものは訪れなかった。]


  ………………。


[彼が通り過ぎていけば
 子が泣き出し、よしよしとあやした。]
 
(23) 2022/03/26(Sat) 23:26:29

【人】 旅人 J

 
[去る彼に言われた言葉を思い出す。

 貴方を捨てていない。
 裏切っていない。
 この先も裏切ることはない。

 彼に愛されていない妻は操と
 彼に愛されていない子を守り続ける。

 互いの愛の形が異なり過ぎて
 受容しあえなかったように
 裏切りの形も違って理解し合えないのだろう。

 半分は同じ血が流れてるのにね。]
 
(24) 2022/03/26(Sat) 23:26:49

【人】 旅人 J

 
[風が吹く。
 真白な髪が揺れる。

 男と逆方向に歩き出し、距離は離れていくばかり。

 引き留めることが愛だった男。
 離れることが愛の女。

 もう、逢うことは────────…。*]
 
(25) 2022/03/26(Sat) 23:27:31

【人】 旅人 J

 
[────私はまた間違えたのかしら?]
 
(26) 2022/03/27(Sun) 10:37:28

【人】 旅人 J

 
[旅立って何度そう自分に問いかけたことだろう。
 答えは見つからない。]


  「また考え事? スープが冷めちゃうよ」


[ごめんと言いカトラリーを動かす
 女の視線の先には灰色の髪の子供が行儀良く座っていた。
 立った状態で抱き締めると胸の位置に顔がきて
 恥ずかしいやめてなんて暴れ出すほどに成長した我が子。]


  「そんなに僕って父さんに似ているの?」


[……そうね、と頷く。
 でももっと父さんの方が格好良いわ。
 というのは音に出して聞かせぬ心だけの声。
 子は日増しに面影を強くするが胸をときめかせるのは
 あの十字が刻まれたあのひとの顔だけだった。]
 
(27) 2022/03/27(Sun) 10:37:36

【人】 旅人 J

 
[子はアンペールの力を濃く宿した。
 いまは気の抜けた顔でパンを頬張っているが
 命知らずの輩が母に寄ってきた時などは
 勇ましく前に立ち守ろうとしてくれる。
 あまり目立ちたくないので
 流血沙汰になる前には抱えて逃げるのだが。]


  ジャン。次はどこに行こうかしら?


[旅の相談。
 立ち寄る町での給仕のバイトの稼ぎや
 返り討ちにした盗賊から拝借したものを路銀とする旅は
 具体的な目的もなければ緩やかなものだった。]
 
(28) 2022/03/27(Sun) 10:37:53

【人】 旅人 J

 
[パンを慌てて飲み込むのを
 ゆっくりでいいわと見守る。]


  「大陸って、他にもあるんでしょ。
   べつのところに行ってみたい。
   母さんの……しってるところとか……」


[連れて行くのは母も全て初めて訪れる地だったが
 そうではないものが見たいらしい。
 自分のルーツが気になるのだろうか?]
 
(29) 2022/03/27(Sun) 10:38:09

【人】 旅人 J

 

  ……。


[暫し悩む母を緊張した面持ちの子が見守る。]


  ……そうね。じゃあ船代を稼がなくちゃね


[前向きな返答に、子が表情を輝かせた。

 ああ、自分は。あのひとにこんな顔を
 させてあげられるひとになりたかったのだと。
 嘆かぬ日はないし、そんなひとと出逢い共に在るのを
 願うことしか自分には出来ない。**]
 
(30) 2022/03/27(Sun) 10:40:20

【人】 商人 J

[ 妻と子が去ってより男は魔術師との戦いに明け暮れた。
敵をそのまま生かしておく様な相手ではないと知っていた。
そして、奪われたもの≠そのままにしておくはずもないと知っていた。

男はただ力が欲しかった。
誰にも奪われることのないように。
人生の岐路で蚊帳の外に置かれることがないように。
力さえあればそうはならないと。

だが、失った。
力があっても失った。]
(31) 2022/03/27(Sun) 15:20:10

【人】 商人 J

[ アンペールの軍勢は魔術師を駆逐した。
討ち滅ぼせたかどうかは定かではないが、その支配が及ばなくなったのは確かだった。
そしてアンペールの落とし子もまた。]
(32) 2022/03/27(Sun) 15:20:34

【人】 商人 J

[ その後、アンペールの地がどうなったのか。
支配者も領主も失い、或いは他の新たな支配者を迎えたのか。
それは歴史が語ることになるだろう。

だが、魔術師を討ち払ったアンペールの落とし子、その名は伝わってはいない。]*
(33) 2022/03/27(Sun) 15:20:51

【人】 商人 J

 
 そうですね。

 船代、3人分お願いしますよ。
 
(34) 2022/03/28(Mon) 8:58:54

【人】 商人 J

[ 燻んだ銀というよりも灰色の髪、襟の高い黒い衣服に身を包んだ男は、色の濃い眼鏡をかけておりその奥の瞳を窺い知ることはできない。

薄い笑みを浮かべながら男は立っていた。
それは別に面白い何かがあるわけではなく、そうしていることが男の常であった。

胸元には、青く輝く宝石のブローチ。]
(35) 2022/03/28(Mon) 8:59:14

【人】 商人 J

 
 探してるものが……漸く見つかりました.


[ 口元の薄い笑みを崩さぬまま、男は女と子供を観察する。
色濃い眼鏡の奥で、見えない男の瞳が二人を見つめている。]


 驚くことではないでしょう。
 私が貴方達を求め、そして貴方達がここにいた。


[ 大陸どころか世界のどこにいるのかもわからない。それを探し出すのは細い蜘蛛の糸を辿るよりもずっと難しかった。]
(36) 2022/03/28(Mon) 8:59:30

【人】 商人 J

[ それからやや間を空けて、男は子供の前に置かれたスープに視線を移した。]


 さて、私の分はありますか?


[ 顔が崩れるのを堪えるために男は努力を擁した。
口元に浮かべた笑みが深く大きくなるのを堪えるために男は強い心を持って対しなければならなかった。]*
(37) 2022/03/28(Mon) 8:59:54

【人】 旅人 J

 

  ……っす、すぐに、用意するわね……っ


[固まっていた母子のうち先に動き出したのが母で
 背中を向けたのだが、手伝う、とついてきた子が
 「泣いてるの?」と涙をばらしてしまう。
 この部屋くらいならどこに隠しても
 彼の瞳には見つけられてしまうのだけども。]
 
(38) 2022/03/28(Mon) 9:45:48

【人】 旅人 J

 
[聡い子は、珍しく落ち着かない様子の母と
 顔を知らぬ、だが自分とよく似た容姿の父を交互に見て
 大体のことを察したようだ。

 話を、したい。船代は、予定より稼がなくちゃ。
 宿を少し大きいのに変える必要が?
 どうやってみつけたの。
 驚くことではないって、驚かずにいられるわけがない。

 何から手をつけてよいのかも、
 愚かな女にはわからなかった。

 ただ間違いなく、この混乱はWうれしいWことだった。*]
 
(39) 2022/03/28(Mon) 9:45:51