245 【R18】×××な部屋に閉じ込められた王子様と騎士の選択
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
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[とある書物はやがて、閉じる]
(0) 2024/01/18(Thu) 23:00:00 |
[おもむろに脇にある金具を外して、
胴体を覆っている鎧を外す。
一緒にマントも落ちて一気に軽装になって、
王子の横に手をついて、座ったままその顔を覗き込む]
シール様こそ、
絶対無理なんですか?
シール様は、
俺にその気になれないんですか?
[普段ならこんな事、絶対にしない。
でも、この部屋に来てから、王子が変な事ばかり言うから。
俺もおかしくなってしまったのかも、しれない。
鎧の下に着ていた黒のインナーをたくし上げて、
鍛え上げられた腹と胸を晒して見せて、
惑わされてくれないものかと、
笑みを浮かべながら反応を見てみる。
胸の上まで布を持ち上げれば、
お守りのペンダントが鎖骨の間に、煌めいて座っていた。**]
[急に目の前で装備を外し始めて、
うわ待ってまだ心の準備がっ、と両手で顔を覆ったけど、
触れて来ないので、恐る恐る顔から手を下ろす。脇に手を着いて近づいてきたので、ドキっとしたけれど]
……えっ
[間近に顔を覗き込まれながら、問われた。
すぐに返答が出来ないでいると、目の前で服の裾をたくし上げたので、また悲鳴を上げそうになった]
……っ
[けれど、露わになった肉体を目の当たりにすると、そこから視線が外せなくなった。わたしがいくら鍛錬しても手に入らなかった筋肉が、そこにある]
……すごい、
[吐息のような呟きは、羨望に満ちていたかもしれない。
立てていた膝を崩して、そちらに向けて両手を差し出す]
……触れていいか?
[目の前にある胸板に触れる前に、従者の目を見て訊ねた。
きっと、断られなかっただろう。そっと手を置くと、体つきを確認するように、たどたどしく撫で回す。背中まで手を回すと体が近づきすぎるので、脇腹の筋肉を撫でるまでに留めて]
……ゆうべ、お前に背負われた時、
広くて温かくて、安心すると思った。
[再び手を前に移して、割れた腹筋や胸元に手を這わせ]
ここへ来るまでの間も、落ちながらお前に強く抱きしめられて、
……このまま死んでも、この腕の中ならいい、と思ってしまった
まぁ、今も生きているけどな
[鎖骨の間にある小さなペンダントに気付いて、胸が熱くなりながら指先で軽く触れる。同じものが、わたしの首にもある。少しだけ背中を押されたような、気持ちになった]
……その気になるに、……決まってるじゃないか。
[罪を告白する時、このような気持ちになるのかもしれない。
後ろめたさと、あふれる喜びに胸が打ち震える]
わかった、この部屋から出よう。
……生きて、戻るぞ。
[湧き上がりそうな罪悪感には蓋をして、決意を口にする。
瞬きをすると、涙が一筋、頬を伝って落ちた。]
[袖口で目元を拭うと、その場にゆっくりと立ち上がる。
騎士が一緒に立ち上がろうとしたら、手をかざして動きを制す]
……聞け、騎士よ。
今からここで見聞きし知った事は、決して口外するなよ。
この部屋から出たら、忘れてくれ。
それが出来ぬのならば、
胸の内に秘めたまま墓場まで持っていけ。
[覚悟を決めた顔をして、己の忠実なる騎士へ命を下す]
……今、ここでわたしに誓え。
命を賭けて守る、と。
[跪いた騎士の目の前に右手を差し伸べる。
従うならば、この手を取って誓約の証を示せ、と。**]
[王子が顔を覆ってしまっても、
ずっとそうしている訳にもいかないだろうと踏んで。
装備を解いて傍に寄って、その顔を覗き込んだ。
そしてさっき王子がしてきた問いを本人に返す。
予想通りだけど、答えはすぐに返らない。
でも俺が服を捲って肌を晒したら、
視線がそこに注がれる。
目を逸らすでもなく、単なる"見る"という行為でもない、
気がして。
俺はきっと心の奥底で、
この先を期待した]
[消え入りそうな声でも、
この静かな部屋では鮮明に俺の耳に届く。
王子の視線は外れないし、体勢を崩してわざわざこちらに向き直って……触れたそうな手を、目を向けて来る。
……こんなに簡単に釣れるのは、何故だ?
さっき自分でこうなる事を期待したというのに、
現実のものになると、また違和感が頭の片隅に貼り付く。
俺と比べて細い王子の事だ、
筋肉に憧れたのかもしれないけれど……
台座に上がるか否か、先程保留にしたのに、
またそれに頭を悩まされるんじゃないのか?
王子が俺に恥をかかせまいと気遣った、とは思えない。
触れようとまでして、そんな言い訳は呑めない]
どうぞ。
[王子の願いに当然とばかりに頷いて、触れ回る手を見下ろす。
こんな風に人に触らせた事など長らくなかったけれど、]
は、……くすぐった……
[一番強い感覚は、不思議なくすぐったさだった]
……ふぅん、
[肌に触れて、そんな話しますか。
俺と試練を受ける事に前向きになっている様にしか思えなくて、じゃあ余計な事を言って機嫌を損ねない様にと、俺はただ妖しく目を細めた。
腹や胸に這わされた細い手を、硬い筋肉が押し返す。
王子と揃いのペンダントがその指先で揺らされて、
おあずけされていた王子の答えが返って来れば、
俺の気持ちも転がされる様な心地になった。
へえ、と唇だけで紡ぐ。
決まってる、のか。随分と、強い言葉を遣う……]
わかりました、
シール様がそうおっしゃるなら。
……、
[王子の一言で方針が決まった。
従者は従順に頷く。
けど、その頬を伝う涙に、胸がざわめいた。
なんだろう、この感覚は。
引き返せと、俺の片隅が告げているんだろうか。
違和感がこびりついた、あの頭の片隅が]
[涙は王子の手で拭われた。
立ち上がる王子を追って足に意識を向けたところで、
高いところから手をかざされる。
ぴたりと動きを止めて、
王子を見上げ、その言葉に耳を傾ける。
言葉を挟まず、瞳には目の前の御人だけ映す。
王子が言うなと言うなら、言わない。
忘れろと言うなら、忘れる。
とっくに誓っている事だって、
王子が「今」と言うのなら、新たに誓おう]
命を懸けて守ります。必ず。
[差し出された右手を俺の左手で優しく支えながら、
その甲に、忠誠の唇を落とした]
[王子の心を少しでも晴らせたら、
立ち上がって腕を広げて、がばっと王子の身体を捕まえる。
背と膝を支えて軽く浮かせて、台座にそっと寝かせる]
痛くない様にしますからね。
[その身体に覆い被さる様にして告げて、
まだ涙の気配の残る目尻に口付ける]
(……ん、甘……)
[ふわりと香る髪のいい匂いも混じったからか、
涙が甘く感じられる。
そのまま首筋に唇を移動させて、
ちゅ、と音も無く肌を湿らせていく。
前戯なんて必要なかったかもしれないが、
痛くない様にする方が俺は大事だと思ったから。
執拗に首を濡らしながら、
さっきその細さに驚いた腰に手を伸ばす。
どさくさに紛れて好奇心を満たそうとしてしまうが、]
(―――……、)
[片側に触れ、腹のあたりを通って反対の腰を撫でれば、
何だかそこが、くびれている様に感じられて。
何か、変な気分になってきた。
軽く怒られたくらいじゃ止められなくて、
撫で回す手は、どんどん遠慮がなくなっていった。*]
[さて、騎士の思惑は何であれ、これから起こる事を口外するなと誓いを立てさせた。
彼はきっと、宣言通り命を賭して守ろうとするだろう。
というわけで、仰々しく誓約を取り付けた後で、することと言ったら、アレなわけだが]
……その、……わたしはお前が言った通りの『どうて』…だから、
人と肌を合わせた事がなくて、……なので、段取りはお前に任せる
[騎士に命じた時の威厳はどこへやら、立ち上がった騎士から目を逸らすと、所在気なしに口元に拳を当ててゴニョる。服を脱いだ方がいいのか、どうなのか…などと思案していたら、あっという間にその腕の中に抱き込まれた。
]
……っ
[腕の力強さに驚く間もなく、体を浮かせられると台座の上に寝かされる]
あっ……花を……
[左胸の上に咲く花を枕元(?)に置きたいと思っていたが、
手を止めてくれた隙に外す機会は訪れただろうか。
押し潰されようが何されようが、形状記憶能力の高い花はピンシャンしていそうだが、見える位置に置いて見守っていて欲しい
などと考えていたから]
[不安で心細くなりそうな処へ、痛くないようにすると
声が掛けられる。
たった一言でも、優しい響きに救われたような気がして
恥じらうように目を伏せた。
その目元に騎士の唇が触れて、睫毛を細かく震わせる]
……っ、ん…
[幼い頃に母から額や頬に口付けをされた事はあったが、
今触れている箇所は未知なる領域だ。
首筋に当たる柔らかい感触が擽ったくて、体をふるりと震わせる。
これまで騎士には、出来るだけ首元を見せずに来ていた。
男にあるはずの喉仏がない事に気付かれると思ったから。
これだけ口付けを受けている今となってはもう、
隠しきれないと思うけど。
濡らされた首元に、細いシルバーのチェーンが光る。
その先には、騎士とお揃いの乳白色の石があって、
鎖骨のくぼみに収まっている]
[騎士の手が腰に触れると、ドキッと心臓が跳ねた。
このまま服の裾を上げられるのか、それとも腰から下の方を先に下ろされるのか。
けれど、服の上を這い回る手の動きが、どこかおかしい。
性欲に駆り立てられている風ではないような。
遠慮のない力強さで、脇腹を探り腹の上を撫でて、
反対側も同じようにまさぐる。
まるで、何かを確かめるような動きで]
……やだぁ…っ、
[何故か急に怖くなってしまった。
イヤイヤと頭を振りながら、覆いかぶさる肩に両手を
置いて押し返そうとするけど、思うように力が籠らない]
……待って、…こわい……、
心の準備を……させて、
[性急な動きに気持ちがついていかなくて、両目に涙を溜めて
制止を請うたが、聞き届けられただろうか。*]
[お姫様にするみたいに手の甲に口付けた後、
王子の口から告白がなされる。]
……ふふ、はい。大丈夫ですよ。
[別にそこまで言わなくても、
単に任せるって命令してくれればよかったのに。
包み隠さない様子が何だか微笑ましいというか……
つい口元が緩んでしまう。
そんな王子を気遣った訳じゃないけど、
エスコートする様に王子を台座へと運ぶ。
抵抗もされずにその身体を寝かせたら、花、と聞いて]
あぁ……どうぞ。
シール様の御心のままに。
[王子から軽く身を離して、
王子の胸から外され、傍に置かれる花を見つめる。
蛍石に照らされて咲き誇る花は、この妖しい台座の上でも、無垢で純真の象徴の様だ]
[それは王子も同じだけど、
今から俺は、王子を穢す事になる。
でも王子が望んだ事だから、
罪悪感や躊躇いは、薄い。
伏せられた目の縁に唇を触れさせると、
睫毛が震えて、くすぐったかった。
次いで唇を首に移ろわせて濡らしていけば、
王子の身体が震えて、耐える様な声が上がる。
服から出ている部分と、少しだけ内側に唇を潜らせるに留めたので、喉仏の有無は、この時は気付かなかった。
ただ唇を潜らせた時、首にかかるチェーンには気付けたか。
ああ、着けてくれてるんですねって、
今までは確認する事ができなかったペンダントの存在に、
胸が優しく擽られた]
[腰に伸ばした手を這い回らせれば、王子の身体が強張った。
いやらしい手付きで撫でていれば王子をその気にさせてあげられたかもしれないが、目の前の身体に夢中になった俺の手は、王子を怖がらせてしまったみたいだった。
首を振って俺の肩を押す姿にハッと我に返るが、
口にした言葉は、俺を止める力を持たない]
……心の準備?
[……寧ろ、その涙に煽られてしまう。
もっと見たい、なんて
]
一旦止めちゃったら、
再開するのが恥ずかしいと思いますよ。
ほら、
準備なら俺が 手伝ってあげますから。
[俺の肩に両手を置いているせいでがら空きになっている両胸に、親指の先を当てる。
乳首があるだろうあたりを服の上からこすって、
硬さを伴うまで責め続ける。
指に引っ掛かる様になったら、
親指と人差し指で摘まんで反応を見る。
色んなところでいっぱい感じてもらって、
身体を先に準備させてしまおうと]
……おっぱいみたいですね。
[大きめの服が余ってそう見せるのか、
それともいやらしく触れたせいでそう見えるのか。
胸が僅かに膨らんでいる様に見えて、
両手を開いて胸に添える。
男相手だからこんな風にするつもりはなかったが、
むにぃ、と乳房を揉む様に胸を責める―――と、
思ったより普通に揉めてしまって、手が止まる]
……あれ、 本当に、
シール様ってちょっと、……
胸に脂肪、あります?
[手に伝わる柔らかさは、服の感触とは違う。気がする。
男でも確かに脂肪がつく事はあるけど、
シール様は細いよな、とちょっと混乱する。
本当に脂肪なのかと確かめる様に何度もむにむにと揉みながら、王子に体質や体型的な事を尋ねてみる。*]
[台座に仰向けに寝かされた後で、花を外したいと
乞えば聞き入れられた。
この花も元はといえば、目の前の騎士が贈ってくれたものだ。
いくら丈夫な花といえど、押し潰したりして粗末に扱うのは
気が引けたから、頭の側に退避できて良かったと思う。
花を置いて正面に直れば、すぐに騎士の体が覆いかぶさってくる]
……んぅっ
[慣れぬ刺激を受けるたびに、吐息に微かに声が混ざる。
どう反応していいか分からないから、どのように声を
上げていいかもわからない。
ただ単に性交=挿入をすれば良いだけかと考えていたけど、
意外にちゃんと抱いてくれるのだろうか。
すんなりと男を受け入れるためには、こちらにも準備が
必要なわけだが、生憎わたしは自分の体の事ながら、
その辺の事はよく分かっていない]
(痛くしないと言ってくれた以上、
気持ちよくなれるのかな……)
[首筋に口付けの雨を降らされた後は、服の上から
腰や腹をまさぐられる。
性急な求めに怖くなって制止の声を上げてしまったけど、目の前の男を煽ってしまっただけのようだ。
心の準備がしたいと言ったのに、調子の良い返事を続けて返されて、わたしの体を探る手の動きは止まらない]
あっ
[これだけ密着していれば、胸元に触れられるのも
時間の問題だった。
慣れた手付きで乳首の位置を探られ、
的確に刺激が与えられる]
……あっ、ぅうんん……
[おっぱいに触ってるくせに、おっぱいみたいとは妙な事を言う。
お前が触っている場所は他に何と呼ぶんだ、と訊ねてみたい気もするが、固く尖って来た乳首がジンジンとしてきて、ちょっとヘンな気持ちになってきたから、それどころではなくなってしまった。体が少し熱くなって、何だか蕩けてしまいそう]
…───ッ、ン!
[男の大きな手に覆われるように胸を掴まれ、反った背中が台座から浮く。両膝を擦り合わせるように身を捩った。]
……っ…
[浅ましくも今の刺激がもっと欲しいと願ってしまった。
なのにお前ときたら手を止めて、脂肪だか何だかって
無粋な事を言う]
し、脂肪とはなんだ……無礼者め…ッ
[相手の胸中に湧いた疑念や混乱を察する事ができず、
聞こえてきた単語に機嫌を損ねて声を上げる。
そうしたら再び確かめるように手が動かされて、
重なる刺激にすぐに夢中になると、短い声を何度も上げた。]
……、み、見るなよ……
[薄っすらと脂肪が貼り付いたような胸元だが、男の手で揉みくちゃにされれば、快楽が生まれるらしい。手の動きに追い立てられながら、今触ってるそこを直に見るなと乞う。
むしろ見ないでほしい。
あまりに小ぶりすぎて、性別を誤認するようなサイズだから。
魅力に乏しいそこを見られて、男のやる気が削がれるのを恐れた。*]
[正直、なんだかんだでもっと抵抗されると思った。
でもぎこちなくも声には色が混じり、
肩を押す手には力が入っていないし、
制止の言葉も、俺には意味がないものでしかなく。
親指で胸の頂を探って擦って、
尖らせてしまえば、声も、表情も色めいて。
ほら、さっき止めなくてよかったでしょうって、
薄く笑みを浮かべながら蕾の様な尖りを摘む。
そうして女性的に映った胸を掴んでみたら、
細い身体が一際大きく反応して、
俺の手にも、不思議な弾力が残る。
俺の手が止まる間に、俺の身体の下でもぞりと王子が身を捩る]
……え、だって……
[無礼者と言われて一瞬怯むが、
脂肪じゃなかったら何なんだって顔で王子を見下ろす。
教えてくれないから身体に聞いてみようと、
手の動きを再開させたら、
気持ちよさそうに王子の身体が反応を返してくれる]
(男なのに、好いんだ……へぇ。)
[いつの間にか確かめる為ではなく、
その反応を見たいから揉んでいる自分がいた。
やっぱり、王子には不思議な点が多いとも思う。
でも胸のざわめきはもう、
もっと強い気持ちに完全に掻き消されている]
[王子の喉から言葉が出たら、
ふっと穏やかな笑みを見せた。でも、]
それって見てほしい、って事ですよね。
[今の俺にはそうとしか聞こえない。
言われなかったら暴く気はなかったから、
恨むなら自分の言葉を恨んでほしい。
王子の両手をまとめて掴み、頭の上に押さえ付ける。
抵抗できない様にしてから、
だぶついた服の裾を掴んだら、中にも何か着ている事がわかったので、それも一緒に掴んで一気に捲り上げる]
[鍛えられてはいても細い身体が、
蛍石に照らされて白く、俺の眼下に晒される。
さっき服の上からまさぐっていた腰は一際細く、
やっぱり、くびれがある様に見える。
王子が見るなと言ったそこも、
豊かではないにしても乳房の様な膨らみがあり、
頂は甘い色で俺の視線を掴んで離さない]
ぅわ…… エロい身体してますね……
[女の子みたいだ。思わず呟いて、
王子の腕の自由を奪ったまま、
つんと勃った胸の蕾に口を付けた。
軽く濡らす様なキスをしてから口に含んだら、
ちゅ、ちゅぷっと音を立てながら吸い上げる。
王子が気持ちよさそうにしてくれたら、
俺も下半身がどんどん重くなっていって、あぁ、と呻く様に時々熱く吐息を零す]
[王子も勃ってきたかな、と気になって。
俺の膝を王子の足の間に捻じ込んで、
股をぐっ、と押してみるけれど]
――――、
[思った様な硬さが、無い。
というか、膨らみすらない様に思えて]
……失礼。
[しばし固まった後、おもむろに王子の腹に手を当て、
そのままずぼっとズボンに手を突っ込んだ。つもりが、
気が動転していたのか、勢い余って下着の中にすら手が入り込んだ。
抵抗されたかもしれないけれど、
ソコにあるべきものがない事は、わかってしまった。
それにもしかしたら、
男には無い割れ目に指が少し入ってしまったかもしれない]
!!?…………ッ、
[王子の両手を捕まえていた手も、
王子の秘密に触れた手もバッと引っ込めて、
起き上がって身体も王子から離して、
勢い余って、台座から転げ落ちた。
ドサッと音を立ててうつ伏せに落ちて、
俺はそのまま動かなくなる。
痛いんじゃない。
理解が、追い付かない。
今までの旅路で俺が王子にした事、
王子が俺にした事言った事、
それに今日感じた数多の違和感が、
頭の中でぐるぐると思い出される]
………なんで、
言ってくれないんですか……
[やがて聞こえる声で呟いたのは、そんな言葉。
女
だって言ってくれてたら、もっと…………*]
[男の手付きが確かめるものから、情欲に駆られたものに変わる。
わたしは目を閉じていたけれど、顔や目元に当たる視線に込められた気配で、何となくそれを察する事ができた。
明日成人を迎える今日まで、恋愛事情にまったく関わって来なかった己にとって、いきなりのこうした行為は難関なわけだが。
果たして、わたしの反応は男を満足させているだろうか。
別にこちらも演技をしているわけではないが
どうかこのまま、最後までしてもらわねば、困る。
時折男の剥き出しの欲情に触れるというか、何度か怖くなったり気後れしそうになったけど、傍らの花を見遣って励まされては、何とかここまで受け入れ続けていて、]
[なのにお前ときたら、見るなと言ったのに、
都合よく逆の意味で捕えて
問答無用でわたしの両手を封じると、下着ごと上衣を捲り上げて胸元を暴いてしまう]
見るなと言ったのに……痴れ者がッ!
[わたしの裸の上半身を、いやらしくて遠慮のない視線が舐るように当てられる。
エロいという言い方は下品で気に入らなかったが、
少なくともわたしが心配したような、やる気が萎えるという事態にはならなかったようで、不本意ながらも内心密かに安堵した]
[続く呟きにも、わたしの心は揺さぶられてしまう]
(こんな体でも、女の子みたいだって言うんだ)
[何故かそれがひどく嬉しくて、胸が痛くて、泣きそうになった]
[けれど、泣く暇なんて与えられない。
すぐに胸の頂きを口に含まれれば、泣き声は鼻にかかったような甘やかなものに変わり、反らした喉を上って口から溢れ出る]
……んっ、あっ、いや……っ、
お、と……音、…立てないでぇ…ッ
[耳に届く水音がいやらしくて、恥ずかしくて煽られてしまう。
乳首を強く吸われると、乳房の柔らかい部分も一緒に引っ張られて変形するのが見えて、わたしのでもそのくらいの役目は果たせるのだ、と何故か感じ入ってしまった。
それにしても、この光景のなんと煽情的な事よ。
口の動きだけじゃない。
時々そこに固い歯が当てられたり、浮いた口の隙間から熱い吐息が零れて肌に掛かったり。
胸に覆いかぶさる男の頭が動くのに合わせて、前髪が胸元を擽るのを感じると、何だか胸を突くような、愛しい気持ちが湧いてきたりもする]
……はぁっ……
[気持ちよくて頭がぼうっとして、熱い溜息が零れた。
あと、さっきから何かお腹の辺りがざわざわとして、
内股がウズウズするのが居心地悪い。
その感覚から逃れたくて、無意識に腰を揺らしたり、
膝を擦り合わせたりしていたけど、]
あっ
[急にそこへ膝が強く押し付けられて、
声を上げると同時に腰がビクンと跳ねた。
今のは一体なんだと見上げたら、目の前の男は急に
動きを止めてしまって]
し、つれい、…って、え、……アッ
[乱暴ともいえる動作でいきなり下穿きの中に手を突っ込まれて、
思わず悲鳴を上げた。
男の指が湿りを帯びたそこに入り込むと、体がブルっと震えて、台座に両手を縫い止められたまま上体を捻る]
[けれど、それは僅かな間の出来事で、
どうやら
真相
に辿り着いたらしい男の様子が急変する
わたしの体から手を離し体を起こすと、
勢い余ってそのまま台座から落ちてしまった]
エース?!
[さすがに驚いてわたしも飛び起きた。
上着の裾を下ろして脱がされかけた下穿きの方まで覆うと、
台座の上からそうっと様子を伺う]
……だ、大丈夫、……か?
[男は床にうつ伏せになっていた。打ち所が悪くなきゃいいけど。
内股の辺りにまだ若干の熱を残しつつも、
今はそれどころでなくなってしまったから、まずは彼がショックから回復するのを待とうか]
[ようやく搾り出されたような呟きが聞こえると、
わたしはふぅ、と溜息を一つ吐いて]
この国でわたしが女だと知っているのは、
両親と兄のみだ。
つまり王家内の極秘情報なのだよ。
[これまで言えなかった事情については、
先にサラッと触れて、]
服を脱がなければ、ひょっとしたらバレずに
最後まで出来るかと思ったけど……そうも行かないか
[台座の上にぺたんと座り込んで肩を落とす。
従者が起き上がってきたら、聞かれた事に答えようか。*]
[王子が人と肌を触れ合わせるのが初めてと言った事は忘れてはいないが、初めての相手にぶつけるものでない熱を向けてしまった。
王子が花に励まされているなんて露知らず、
その花の目の前で、肌を無理矢理暴いた。
怒られたけど……
さっきみたいに怯む事はなかった。
だってこんなにいやらしい身体を前に湧き上がる興奮は、
主に叱られたくらいじゃ萎まない。
王子の表情の変化にも気付けないくらい
きれいな色の胸先に気を取られて、
そこを俺の唾液で濡らしてしまう]
[反らされた喉から出るのは涙声から、明確な嬌声に。
甘いその声がぞくりと耳を犯し、
俺は、いやだって言われると余計にしたくなった]
ムリ。
[息継ぎの様に口を離した隙に、そう呟く。
ちゅぷ、ちゅくと何度もわざと音を立てて、
胸ごと引っ張る様に吸えば、王子の視線に気付く。
胸を弄られている自分の姿を見て、
恥ずかしそうだけど、嫌ではなさそうで。
王子を気持ちよくさせられていると思えて、
俺の興奮も積もっていく]
(嗚呼、エロい顔……)
[そんな顔は見た事がないと、
優越感に浸れるその堪らない表情。
王子の尊厳までは傷付けない様に優しく、でもあと腐れない様にできるだけ手早く終わらせようとしていたのに。
もっと見ていたいと、願ってしまう。
もどかしそうに揺れる腰や閉じられる内股に、
王子も興奮しているかと、つい確かめたくなって、
俺は、知る事になってしまう。
数瞬前にはお互いに欲望に溺れようとしていたのに、
指先に僅かな湿りを覚えたまま、
王子から離れたところで俺は倒れ込んだ]
[うつ伏せのまま動けないでいたら、
俺を心配した王子から声がかかる。
そのままの距離感でなんで、って俺が呟いたら
王子はため息の後、教えてくれる。
ちらっと上げた視線の先には、衣服を整えた王子の姿。
でももうその下にあのエロい身体がある事を知ってしまったから、今までの様に、普通に見られない。
けど「ひょっとしたらバレずに」なんて聞けば、
がばっと起き上がって、台座の傍に跪いて口を開く]
いやいや、ヤる前に言うでしょ!?
どうやってバレずに最後までできるんですか?!
ケツに突っ込んでもらう気だったんですか?
それすら下は脱いでもらうんだから
チンコないってわかりますよ!
どんだけ童貞なんですか!!?
[呆れてしまって随分下品で無礼な言葉をぶつけてしまうが、
マジで王子が言わなかった事が理解ができなかった。
性別が極秘情報である理由より、
王子がどういうつもりだったかが気になって仕方ない]
[言いたい事を言ったら、気まずそうに目線を逸らして、
それから深々と頭を下げた]
………知らなかったとはいえ、
申し訳ありませんでした。
数々の無礼、お許しください……
[無礼=さっきまで散々身体を弄った事、だ。
今チンコとか童貞とか詰った事は詫びる気はない]
……女の子だっていうなら、
話は別です……
……ここ、避妊具なんてないですから……
[手持ちにもないし、散々調べたここには絶対ないし。
俺の中で"王子"ではなく"女の子"になってしまった存在から目を逸らして……立ち上がる。
それから歩いて行ったのは、さっき見付けた出口。
ガンッと再び足で乱暴に蹴って]
……ここを、壊します。
ちょっと待ってて下さい。
[背を向けたままそう告げて、
剣を抜いて隙間に差し込む。刃こぼれするのも構わずギリギリとそこを広げようと、柄を揺らす。
馬鹿な事をしているとの自覚はあるが、
今は自分で止められる気がしない。
俺は、彼女を命を懸けて守ると誓ったのだから。*]
[衝撃を受けたらしい従者を台座の上から見守る。
ようやく起き上がると、猛烈な勢いで捲し立てられた。
]
……そうか、やはりバレてしまうものなのか。
いや、服を着たままなら誤魔化せると、
本当にそう思ったんだ……
それよりもお前、その言葉遣いは聞き捨てならないぞ
ついに童貞と言ったな?!
[一応言葉遣いに対しては苦言を呈したが、心配を掛けた事は変わりないようで、従者が先に頭を下げたのであればこちらも合わせて詫びる]
いや、知らなかったのだから咎はないぞ
わたしの方こそ、大事な事を伝えなくてすまなかった
[わたしが先に許した以上、体を弄んだことに関しては
詫びは不要なので、わたしが望んだ事でもあるわけだし
今の言い方に関する詫びだと受け止めてしまった]
[その後で、わたしが女であるのに、何故男として育てられたのかの理由や、王家事情について問われるかと思いきや、従者は態度を改めると、真っ先に台座から離れていってしまった。
向かった先は、先程彼が蹴りつけていた壁の付近で、]
……あっ
[制止する間もなく、固く閉ざされた壁を無理矢理こじ開けようと奮闘するのであった]
──しばらくして──
[いくら騎士が隙間に剣を差し込んでみようが、
壁を蹴りつけようが、やはりそこはビクともしないようだった。
力尽きて壁の前でへたり込んだ頃を見計らって、
ゆっくりとそちらへ近づいていく。
なお、わたしの服装はちゃんと整えた後だ]
大丈夫か?……ほら、水だ。
飲んで、まずは落ち着け。
[部屋の中で見つけた飲み水らしいものを従者の方へ差し出す。
散々暴れまわった後なら、少しは頭が冷えて話が出来るようになっただろうか]
さっき、ここから出る方法については確認しただろう?
それについて伝えたい事があったのに、
お前ときたら早合点して、こんな風に……
[騎士の側にしゃがみこんで、膝を両手で抱えて横から覗き込む。
話を聞いてくれそうだったら、このまま続けよう]
まず、わたしを女の子と呼ぶのは止めろ
わたしはこの国では、誰が何と言おうと
王子
という立場だ。
お前の主である事には変わりないぞ。
……まあ、王子と呼びにくかったら、
名前呼びでも殿下でもいい。
だが、女の子は許さん。
さっき、誓ったな?
この部屋から出たらすべて忘れろ、と。
……そういう、事だ。
この部屋を一緒に出ようって決めただろう?
だから、……いいのだ。
それとも、わたしの事なんてもう抱けなくなってしまったか?
少しの間だけだったが、お前に触れられている間、
……わたしは幸せだったぞ。
[口にするのは少々恥ずかしいが、
伝えねばなるまいと言葉を駆使する]
わたしは生まれつき、男として生き抜く事が定められている。
女として誰かと肌を重ねる事など、一生ないと思っていた。
……おあつらえ向きに、
わたしは女としてはあまりに魅力に欠ける、
貧相な体をしているしな。
[自嘲を込めて付け足すと、小さく溜息を吐く]
やはりお前から見ても、わたしは女としての魅力は無いか。
ならば、どうすればお前をその気にさせる事が
出来るか、教えてくれ。
まずはここから出なければならないのだから、
……それだけを、考えよう。
[膝を抱えていた腕を解き、騎士の方へ手を伸ばすと
頭をそっと撫でる。
まるで幼い子に対してするように、慈愛を込めて。*]
(くそ……お坊ちゃんめ……)
[止められない文句を浴びせたら、
眩しいくらいの
無知
無垢さを見せられ
、
内心悪態をついてしまう。
それよりも、と言葉遣いを指摘されたら、はあ何を今更、と従者らしからぬ態度でそっぽを向いたりして。
けど互いに謝罪したら、
いつもの態度と関係性に戻れたか。
―――否、もう戻れる事は、ないんだ
]
[与えられた試練をこなすのは、
あくまで王子が男の場合だ。
王女だったならあんな事してない。
だから今、王女だったら取っていた行動をするまで。
後ろに王子の視線を感じながらも、
俺は今、自分にできる事をしようと必死だった]
はぁ、はぁ……クソ、
[一向に開かない扉の前に座り込む。
自分の荒い息遣いで、近付く気配に気付けなかった。
ちょっとびっくりしながら、
こちらを気遣う姿に、頷いた]
……すみません。
[ぶっきらぼうに謝って水を受け取って、
言われるままに、少しだけ水を飲む。
まだ、長く閉じ込められたままになるかもしれないから、
大切に飲もう、と思って。
でもたった一口でも、喉が潤えば
すうっと頭が冷めて、思考がクリアになる。
隣に座った王子が、俺の顔を覗き込んで来る。
伝えたい事?と、顔と耳を傾ければ、王子が続きを紡いでくれた]
は……、わかりました。
[女性だったとして、主である事には変わりない。
それは俺も同じ、なのだけど。
流石に扱いは変わるだろと、思ったけど言わないでおく。
忘れる事もできる、だろう。
そういう事、という事も理解できる。
でも今この場で女の子の王子を抱く事は、
俺は受け入れられないんだ]
[避妊について問題ないと教えてくれて、
身体を許すと伝えてくれて、
それに、「幸せ」だったって。
どうしても外に出なければいけないから、
俺を煽ててくれてるんだろう……な。
王子の純真さを忘れて、そう考える。
そうしないと、本心だって勘違いしてしまう。
そんな事になれば、俺は彼女を――――……]
[王子の話を、黙って聴いていた。
貧相な身体と聞けば口を挟みたくなったが、
ため息に制止される様に噤み]
はあ……
でも、初めてなんでしょう?
女の子の初めては、大事なモンだと思います。
[女の子と呼ぶのは止めろと言われたけど、生物学的にそうだし、
こんな部屋で行為を強いられて、なんてあんまりだという思考が抜けない。相手は好きな奴でもないし。でも……]
……王子だから、
部屋から出る方が大事、ですか?
それなら、……………うん、
お手伝い、しますよ。
王子が、望むなら。
[もう意思が固いのなら。
頭を優しく撫でてくれる王子に向き直ったら、
笑おうとして、苦笑いになってしまう]
十分魅力的だと思いますよ。
俺って、節穴ですね。
いや、シール様が変装がお上手なのか……
ああ、でも、………
[男に興味が無いから、男だと信じて疑わなかった王子に性的な魅力を感じた事は無かったけれど、今は違う。
その気にだってすぐになれるけど、
折角だから何かさせてみようか、と頭をぐるぐると働かせて]
やはり少し恐れ多いので、そうですね、
触ってほしいところを、教えてください。
可愛くおねだり――――できますよね?
[ふと細い顎を指で擽る様に持ち上げて、
言葉を引き出そうとした。**]
[部屋からの突破口を作ろうとする従者を見守り、
力尽きたところで飲み水を運んで手渡す。
一口しか飲んでくれなかったが、落ち着きを取り戻したようだ。
話が出来そうになった頃を見計らってから、
わたしが女である事は王家の極秘なので、誓い通りに決して口外してはならぬと念を圧す。避妊に関しては、問題ないと勇気を振り絞って伝えた]
[主を孕ませるわけにはいかないと気にするのは理解できるが、
女の子の初めては大事なものと持論を展開された辺りでは、思わず軽く吹き出してしまった。
嘲笑ったのではなく、誠実な人となりが伺えて、心が温まった気がしたからだ]
……いや、すまない
笑うつもりはなかったのだが……
[と、目を細める。
元あらくれだし未だに粗野な部分はあるが、根本にそうした考えがあるからこそ、騎士として迎えられたのだし、わたしの忠実なる僕として信用を置いている部分なのだと、あらためて目の前の人物を眺める]
お前はこれまで、数々の危機からわたしを救ってくれた。
ここへ来る途中、落下していた時もそうだ。
身を挺してわたしを守ってくれようとしただろう。
[長い旅の途中で遭遇した、様々な出来事を思い返しながら、
これまでの忠義と働きを労い、感謝の気持ちを込めて伝える]
時には命を投げ出す覚悟で守ってくれた騎士に対して、
返すものがわたしの純潔では安すぎるような気もするが
……いや、お前が『大事なモン』と解釈するなら、
それなりの価値が見込める、か…?
[軽く首を傾げ、ふふ、と喉を転がすようにして笑う。
何だか目の前の騎士を愛しいと思ってしまった。頬が少し熱い]
どのみち、わたしは生涯独身で通す予定なのだ
純潔を捧げる宛など無かったのだから、
ここで使えるなら、むしろ役に立ってよかったと思う
……受け取ってくれるか?
[我ながら、男女の愛の語らいから随分とかけ離れた、色気のないやり取りだなと思う。
だがこのくらいが、自分らしいのかもしれない]
[そう愛しみを込めて頭を撫でたのに、
目の前の騎士ときたら、渋々と自身に言い聞かせるように「手伝う」とか「王子が望むなら」と迷いを見せていて、向けられた苦笑に苦笑を返してしまった]
……別に王子だから、ではなくて
単純に考えても、ここから出る方が重要だろう?
お前はこの辛気臭い何も無い部屋で一生を終えるつもりか?
[部屋から出る事と天秤にかけて、『女の子の初めて』の方が重いのか、と半ば呆れたりもしたけど。
この忠義に厚い騎士にとって、今からする事を考えれば、主に対して罪悪感が生じてもやむを得ないか……と考え直す。
ならば出来るだけ、彼の罪の意識を軽くするように務めようか。それが、主の役目ならば]
[騎士が言う節穴だとか変装上手だかには
苦笑をもう少し明るいものに変える]
わたしが女であることは、家族以外の極秘だからな。
目の前の騎士を欺き続けることができれば、
他の者たちにも覚られないと。
そう思っていた部分があったから、
出来る限り男であろうとしていたよ
これからも接し方は変えて欲しくないが、
まずはこれまでの長い間、……打ち明ける事が出来ずに、
本当にすまなかった。
[改めてこれまでの詫びを伝えてから、己に対する評価を聞いてふむ、と首を傾げる。
幸いにも、騎士から見てわたしはそれなりに
魅力があるらしい。
たとえ忠誠心の高い騎士の言葉であっても、十分という表現は鵜呑みに出来なかった
ならば、わたしにも何か出来るだろうか]
[その上で、目の前の騎士をその気にさせるにはどうすればいいか。訊ねたら何やら返って来た。
]
…───、
[顎を少し持ち上げられて、騎士と目を合わせる。
こちらに向けられた眼差しは、期待が込められているか。
触れられた箇所が少し擽ったくて、口元に薄く笑みを浮かべる。少し色
を意識した笑顔は、多少なりとも綺麗に、……誘うことが出来ただろうか]
[それから伝えられた要望について考える。
触ってほしいところとなると、]
……
[思い描いたら
たくさんありすぎて
、いっぺんに言うのは不可能だ。
あと言うのはやっぱり恥ずかしい。
それは後回しにして、残りはどうだ?
可愛く……は、できるか分からないのでいちかばちかに、かけるしかない。おねだり……なら、できそうか]
わかった、……では、教えるから、
台座へ行こう
[顎に触れる指先を、両手でふんわりと包んでから立ち上がる。
騎士にも立つように促したら、手を繋いで台座の方へと向かった]
……少し向こうを見ていてくれ
[台座の前に並んで立ったら、騎士にはこちらを見ないようにと伝える。顔の向きを確認すると、わたしは衣服を脱ぎ始めた。
上着はまず、台座の上に拡げて置く。
台座に直接肌が当たるのを避ける、多少の敷き布変わりになるか。
ズボンは敷くとなると、形状的に相応しくないかもしれない。
畳んで広い台座の隅に置く。
その上に、脱いだ黒の上下の下着を重ねて置いて]
……もう、こちらを見ていいぞ
[そう告げるには、相当な勇気と覚悟が要った。
振り返った騎士の目には、首元のペンダント以外、一糸まとわぬ姿になったわたしが映っただろう。
ただし、左腕を横にして両胸を覆い、右手で秘部が見えないように隠してはいたけれど]
[騎士からの視線が全身に当たれば、倒れてしまいそうな気持ちになる。恥ずかしくて気が遠くなりそうなのを耐え、真っ赤にした顔を伏せながら、震える声で
おねだり
する]
ま、っ…まず…、
たっ、……誕生日おめでとうって、言って
わ、わたしに…キ、
キス
をして…くれるか?
[まだ誰も触れた事のない唇に触れてほしいとおねだりする。
続いて、]
あとは、……
台座の上で、
普通の男女があ、…愛し合うように、…だ、
抱いて
…ほしい…
[以降はどうするのか分からないから、
すべてはお前に任せたいと身を委ねるつもりで]
ここから出れば、なかったことになるのだ……
この部屋の中を、夢の世界と呼ぶのであれば、
[俯いていた顔を上げて騎士を見つめる。潤んだ瞳で、]
[躊躇っていたら笑われた。
笑われても別によかったから、
謝られたら首を軽く振る。
俺が気にしてるだけで、
彼女が気にしないなら、笑ってくれて構わないんだ]
……いえ。
[王子が俺の行動を評価してくれたら、
当然の事だと、少し俯く。
いや、高貴な生まれでない俺は、家族でも恋人でもない一人の人間の為にこうして尽くす事は、当たり前にできる事ではないと、知っている。
それを認められて、嬉しくない訳がない。
人の為に何かできる喜びを教えてくれた、
他でもないこの人に認められれば、喜びはひとしおだ。
でも、笑顔で喜ぶ事はできない]
[純潔を安すぎるなんて言う王子に、
何て返せばいいかぼんやり考える。
俺の考えがまとまる前に、王子が笑顔を見せる。
色付く頬に、その声に、仕草に……
俺の胸が擽られてしまう]
……、
[王子を形容する言葉を知っているが、
俺はまだ、それを口にする事はできなかった]
[王子が独身で生涯を終えるつもりでも、
純潔を捧げる相手がいなくても、
だからと言って俺がはいじゃあ喜んでって受け取れるものでもなくて。
でも、
受け取ってくれと言われて押し返せるほど冷淡でもないし、目の前の女の子に何も感じないほど不能でもない。
だから、頭を撫でられても、
王子に仕える騎士として頷いた。
そしたら、王子の顔が苦く歪む。]
俺は、
王子が望むなら、ここで死んでも構わない……です。
[それは王子を守る事に反するだろうから、きっと取れない選択だろうけれど。
王子が試練を受けたくないと言うのなら、
俺はそれを受け入れて共に死ねるんだ。
王子の成長を見守るのが楽しみだと思っていたのに、俺の中ではこの気持ちだって、本物で]
[今まで黙っていた事を謝られれば、
それは全然問題ない、と本心から首を振る。
自分の先入観の強さと鈍感さには呆れるけど、男であろうとする王子の意思が強かったのだと思うし。
問題は抱かれる前に言わなかった事!だ!!
王子の苦笑いが緩和されるのに対して、俺はまたちょっと気付かれない程度にむす、と眉を寄せた。
王子が密かに思案する間、
己の性を信用していない俺は、今までと同じ様に接する事、できるかなあ……と、胡座の中に収まる自身を見つめていた]
[自身は、膨らむまではいかずとも、
既に目の前の少女に向かおうとしている。
顎を取って見つめれば、
俺の色を移した様に染まる、その瞳。
大人の余裕で笑んで見せたかったのに、
大人の女の様に笑う王子に、
俺の瞳は揺れ、唇は何かを紡ごうとして、何にも成らず]
[俺が黙ってしまっている間に、
王子も色々考えている様だった。
俺は言葉を発するのを諦めて、
王子の答えを待つ事だけに神経を注いだ。
さっき色々触ったけど、何がよかったかなって、
ちょっとドキドキしながら待っていたら、]
え……は、はい。
[台座で教えてくれるというその言葉に、なんかイイ、って思う様な、おあずけを喰らった様な……
手を優しく包まれて、その手を握られて、
二人で台座へと歩いていった]
[向こうを向く様に言われたら
、なんだろうと思いながらも言う通りにする。
やがて、衣擦れの音が聴こえてどきりとする。
見てしまいたい欲求に駆られながら背筋を伸ばして立っているが、視界の端に台座が、そしてそこに衣服が置かれるのが見えてしまう]
(……黒。)
[隅に置かれた小さな衣類は、
きっと彼女の大事なところを覆うものだ。
王子の方は言われた通り向いていないから、
怒られない筈、だ。
でもそればかり横目で見ていたから、
王子から声がかかると、ビクッと肩が跳ねてしまった。
……呼吸を整え、ゆっくりと振り返ると、
白い肌をした天使の様な少女が、
生まれたままの姿でこちらを見ていた。
……ああ、いや、
俺と揃いのペンダントをしている。
彼女は俺の主の、シール様だ。
そんな事すら抜けてしまうくらいに、
彼女は酷く魅力的な女
だった]
[彼女の勇気も羞恥も思いやれず、
つい熱い視線を浴びせてしまう。
柔らかそうな頬を真っ赤にしているところや、大事なところが恥ずかしそうに隠されているのがまた堪らない。
それなのに何も言えないでいると、
彼女の口から、おねだりが差し出される。]
……かわいすぎでしょう。
[最後まで聴いて俺が口にしたのは、
そんな呟きだった。
そうか、時間の感覚が曖昧だったけど、腹の空き具合からいって、もう王子の誕生日、かもしれない。
彼女の潤んだ瞳にまっすぐ近付いて、
細い腰に手を添えた。
俺の瞳は、「夢」との言葉に切なく細められる]
お誕生日、おめでとうございます。
今日から大人の仲間入り、ですね。
[耳元に祝いの言葉を囁いてから、
ふぅっと息を吹き込んで耳を擽る。
そして頬を捕まえて掌で包んで、
そっと、唇にお望みのキスを贈る。
そのまましばし時計の針を進め、
く、っと角度を変えて、唇を重ね直す。
ちゅうと緩く吸ってから離せば、
俺の顔もわかりやすく濡れるだろう。興奮という名の、色に]
[傍に落ちていた俺のマントを拾って、
台座の上に広げられていた王子の服のその下に潜らせた。
ベッドにするにはこれでも足りないが、
俺のマントで王子の服を下敷きにする訳にはいかないし……]
……最初から騎乗位とか
キツいよな……
[ぼそ、と台座を見つめながら呟く。
王子の背が痛くない方法を考えたら浮かんだ体位は、処女にさせるものではないと思った。
ならば。
王子の腰を支えながら台座に導いて、
寝転んでもらったら、その背の下に俺の手を敷く]
痛かったら、言ってくださいね。
[そう告げて、
今度はちゃんと女の子だと認識した上で、
その可愛らしい片胸を揉みながら口付ける]
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