42 【突発完全RP村】実になりてこそ、恋ひまさりけれ【誰歓】R18
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―私は、知ってしまったのです。
髪に触れる手が、指先の優しさを。
私の名を紡ぐ音に焦がれる心を。
瞳に映るその姿に、揺さぶられる思いを。
ひとの身でありながら、
あなた様の巫女でありながら
わたくしは
私という女は
あなた様と離れることを拒み、
叫び、悲しんでいるこころを
―わたくしは、知ってしまったのです。 ]
[ ―ぽつ、と。
暗闇の中に咲くのは 黄色の野菊 ]
『 もしも里が 滅びてしまうような日がきて
この地がなくなってしまっても
誰もあなた様を 護れなくなることがないように
あなた様を 忘れないように 』
[そして私も、お前を忘れる事がないように。
例えこの地がなくなろうとも、私はここに。
お前の最期の祝いが欲しい。
お前の最期の呪いが欲しい。
私をこの地に留める……、愛が欲しい*]
お菊
―私という魂が、たとえ在り方を無くしたとしても。
たとえ全てを失って、何もかもが消えてしまっても。
――それでも、
いつかの私が、またあなたの元へ辿りつけるように。
『 ここに 野菊の花を咲かせましょう
あなたが ここにいると わかるように 』
[ ―私が永遠に、あなたの側にいられますように。
祝いを。
呪いを。
祈りを。 ]
[重ねた唇は、多分同じ歯磨き粉の味。
だけど、思ったよりも高い粘膜の温度とか、
少しだけかさついた唇の感触とか、
また知らない由人が見えてくるみたいで。
腕の中に抱きすくめて、
舌先で歯列を割ると、中はもっと柔らかくて熱い。
ミントの清涼感なんかよりよっぽど強い、
生々しい味蕾の粒の感触。
ああ、この舌が「美味しい」と思ったもの
アタシは毎日一緒に食べてるのかな、なんて。
そう思ったら、もっと深く知りたくなった。]
[乾いた由人の声が、“俺”を呼んでくれた。
初めて、呼んでくれた!]
ゆうと。
[少しだけ甘えるみたいな口調で
口の中で由人の名前を転がすと
なんだかとっても安心する。
ふと目があったから俺は「大丈夫だよ」って
慈しむような目を向けただろう。
由人の目の前にいるのは
いつもの化粧もなく、
ありのままの男の顔した俺。]
[ 神にとって 名前とは
とても大切なものだから。
わたくしには あなた様の名を呼ぶことは
叶わなかった ]
[お菊はずっと巫女として私に仕えていてくれたからね。
その強い霊力ゆえ、
神子以外の生き方が出来ない子だった。
もしかしたら、
外の世界に、人の世に、憧れた日もあったやもしれぬ。
ついぞ聞き出す事もできなかったが。
ならば今のエリサは自由なのだ。
人の生活も、神との縁も持つ稀有な子。
そんなエリサからまた私が人の世の自由を奪う、など。
嫁にするのだと、
神域に連れ去り人としての生を捨てさせるのと同じ事。
それが――、今の。
しかも、力も弱まった私がしていい所業なのか。
分からなかった]
[「龍神さま」「おりゅうさま」「里神様」――、
様々に人々から呼ばれ、信仰された。
だが、真の名をついぞ人に明かす事などなかった。
それは私に生涯尽くしてくれたお菊とて例外でなく、
呼んでほしいと乞うた時にはもういない。
そう、例外ではないと――、
・・・・・・
思われている、が]
[一度深く沈んだ意識が浮上していく。
それと共に、むくりと反応するものがある。
半ズボンの前立てを押し上げ
窮屈さを訴えてくる其れは
ごく一般的な女性にはないモノだ。]
(ああ、……処理するか……)
[目を閉じたままもぞもぞ、
自分で掛けた記憶のないシーツの下で身動ぎ
下衣を寛げ、小さな掌でそっと握り込む。
溜まるものはいつかは出さなくてはならない。
生理現象で反応した時に
処理してしまうのが合理的だとして
ルーチンワークに取り入れたのはいつの事だったか。]
[黒のマニキュアを塗った伍本の指が
熱を育て、硬く反り返らせる。
こうして自分で弄っていると
IQが200ほど落ちている気がして
余り好きではないのだが
溜めてしまうと知的活動に集中出来なくなるから
もっと嫌だった。]
……ぁ、ン……、ふ……ッ
[何でボクはかわいい女の子なのに
こんなモノが生えているんだろう――、
そう思いもするから、処理に伴う快楽は認めがたい。
故に、目を閉じたままの顔には
不本意、と太字で大きく書かれていた。
表情が苦しげだったからであろうか、
見ていたものが起こそうという思考になったのは]
[それから青褪めた。
赤くなったらう青くなったり忙しい。
そうだよ、彼が居たんだよ。
なのにボクったら、オナニーなんかして……]
〜〜っ、つ、次の仕事だよ
ホラ、これ処理して……っ
[シーツを捲って、
フツウの女の子にはないモノを見せた。
やけくそだった。
……それにいまの彼なら
フツウじゃないものを見せられても
変だと罵る声を持たないから。**]
[バターを手渡した時、ちょっと思っちゃった。
「これ食べて、由人、なんて言うのかな」なんて。
この先、生きていく気もなかったくせにね。]
[また来たいわ。
……なんて、言ったら笑われちゃうかしら。
いいえ、アタシ自分で笑っちゃうわね。]
[ ひとに何か作ってもらうって
いつぶりだったんだろう。
まだ口に入れてないし、
ココットの中身はきちんと成形されてもいない、
不格好なただの白い塊だったけど、
それでもそれが、たまらなく嬉しかった。]
[ また来たいな、と
口から出かかったのを止めた。
……笑えそうにはなかった。]
[ わたくしは 巫女でした。
わたくしは 生まれて、死ぬまで巫女でした。
けれど 最期に望んだものは
“この地の栄華でもなく、繁栄でも安寧でもなく”
― あなた様に 再び出会う こと でした ―
それが 里の衰退を呼び
信仰の力を失ったあなた様の力が
弱まる事に繋がると知って なお
どうしようもないくらい
なりたかった “女の子”の願いを 込めました。
あなた様は 嘘つきのわたくしを、私を
どう思いましょうか ]
[ 輪廻の果てに
わたくしの巫女の力を失っても
お菊
私という存在の全てを喪ったとしても ]
[ それでも
それでも
わたくしは
私は
あなた様に 再び出会えることを
[ ―――ここはわたくしと、あなた様にとって
とてもとても繋がりの深い地。
だから ひとつだけ 私の罪を
貴方へ聞いてほしいのです ]
[お菊、お前はいつも他人の幸福の為に生きすぎたのだ。
最期くらい己の願いを言っても罰は当たるまい。
その願い。
他ならぬ私も願った事。
里の繁栄も、安寧も、案外と神抜きでもなんとかなるものだ。
人とはそうした強かなもの。
私の力が弱まったとて、世に在り続けられるなら構わない。
本当に幸せにしたいと願う人間はただ一人。
ならば、私はその人間の事だけ考え生きればいいのだ。
――そう、最初から簡単な事だったのだ]
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