73 【誰歓突発RP】私設圖書館 うつぎ 其漆【R18】
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[ぐ、と飛鳥の顔が近くに来る。
触れるのか、と思った赤い唇は
また離れていく。
離れていく体温を惜しむよう
俺の手はまだ、飛鳥の肩に置いたまま。
さびしい、帰りたくない。
でも、夕飯までは一緒。
それで飲み込ませようというのが大人の理屈。
頬にちゅ、と口付けられて
嬉しい、の気持ちよりももっと強く
寂しい、の気持ちが湧き上がって胸をつく。]
俺のが我慢出来ねェよ。
[すん、と口を尖らせたまま
ヘルメットを手渡して。
昼にがっつり天丼を食べたから
洒落たイタリアンでピザでもつつこう、と
またバイクを走らせる。
空に溶かした濃紺の色が
じわじわ広がり、空全体を飲み込んで
代わりにちらちらと星が瞬く。]
[背中に感じる体温が、
何故だかひどく遠く感じて
やっぱりさっき、
キスしておけばよかったかな、なんて。
でも、さっきの時点でキスしてしまえば
後の過ぎるだけの時間を、
ひどく辛い気持ちで過ごしてしまう気がして。
前に来た時は美味いと思った店だったけど
石窯で丁寧に焼いたマルゲリータは
今日は何だか、味がしなかった。
ピザを食べる間、何を話したろう。
『今度』の話は、なんだか怖くて
俺は飛鳥のことを尋ねたろう。
若い人の話をどこまで飲み込めるか分からないが
彼女のことを、もっと知りたくて。]
[どんなに惜しんでも、時は過ぎて
店の外に臨む空はぬばたまの色へ。]
……今日は、ありがとうな。
[空になった皿を前に、に、と笑って見せようか。
言いたいことはたくさんある。
引き止めたい気持ちも。
でも、今日このまま帰さない、というのは、ダメ。
明日、明後日、ともっと一緒にいたくなる。
送り届けるまでが、今日のデート。
もし嫌だというのなら、家に帰るまでの
ほんの少しのドライブを提案しよう。
港町の灯りを眺めて、海でも眺めて
気が済むまで一緒にいよう、と。]*
[さみしいって、聞けると思ってなかった。
…いつもみたいに、はぐらかされるんだろうって
もしさみしいよって言ってくれたとしても
わたしが押して押して聞かせてっていって
やっと聞ける言葉だと、思ってた。
なのに、その声に冗談やしょうがない、の色は
含まれていなくて。その腕が、わたしの体を
優しく、それでいて力強く、包み込んで。
ねえ、どうして寂しいの?
美術展が楽しすぎたから、なんて理由だけじゃ
ないっていってくれたらいいのに。
わたしと離れたくないって、だから、
別れの時間が惜しいって、そう、
思っていてくれたらいいのに。
だから、言葉にしたの。
わたしは離れたくないって。
だからさみしいんだって。]
[でもね、それに対する返答はなかったから。
ああきっと、また怖がって、迷ってる。
口に出すべきかどうか、悩んでるんだって
そう思ったから、頬に口付けて、
これで我慢するって言ったのに。]
っえ、
[俺のが我慢できないって、なによ。
心臓がうるさく鳴り始める。
我慢、出来ないって何?どういうこと?
キスしたってよかったの?
我慢、しなくていいのに。
我慢、なんてしてほしくないのに。
わたしはあなたのことが好きなのよ。
付き合ってほしいってずっといってるでしょ。
それなのに、何を我慢するの?
どうして我慢するの?
それはきっと、わたしもとっても
嬉しいことなんじゃないの?ねえ、教えてって
そう口に出すことができなかったのは、
彼が話題を切り替えて、ヘルメットを
こちらに投げてよこしたから。]
[少し悩んで、揺れて落ちた視線をアスファルトに
向けて唸ると、彼のバイクのエンジン音が
人気の少ない駐車場に響き渡った。
背中にまた、くっついて。
だけど、行きの時みたいな全部が全部、
しあわせな心地じゃなくて、どこか、
まどろっこしくて、どうしてって疑問が
頭の中を渦巻いているから。
とん、とんと、抗議するみたいに額で叩きながら
腕の力を思いっきり強めたりしてみた。]
[彼に連れて行ってもらったお洒落なイタリアンは
店内もいい匂いに包まれて、見た目にも、味も、
とってもいいはずなのに、「おいしいね」って
話しかけても、どこか上の空な気がして。
ふわふわ、地面に足のつかない会話。
わたしのことばかり聞いてくる彼は、
初めは興味が湧いたからかと思った
のだけれど、たぶんそうじゃない、気がして。
何かを避けてる、感じがして。
最近お気に入りのコンビニスイーツだとか
今欲しいコスメの話だとか
友人のくだらない失敗話だとかを
話しながらも、どこかで、なんでだめなんだろうって
頭の中を駆け巡ってしまう。
さみしいって思ってくれたり
抱きしめてくれたり
頬へのキスを許してくれたり
…我慢できないっていったり
好意を抱いてくれてるって思う。
だけど、その形がわからない。
こんなに近くに寄って行っても、
この手を取ってくれないのは、
この先を望んでいるわたしには、
報われない形をしてるってことなの?]
[空になったお皿を見つめて、ごちそうさまでしたと
手を合わせて、言われた言葉に体が強張る。
…それは、別れの言葉、だよね。
ぱっと顔を上げて、唇を結んで、眉を寄せて
迷うように落ちていく。
…帰りたくない。まだ離れたくない。
今離れたら、ダメになってしまう気がする。
W今度Wの話もさせてもらえなかった。
次、会える日の話も、次、行きたい場所の話も
───あなたの、本音も。
なにも、聞けてない、わたし。
全然こっちを向いてくれないなら、
いくらでも待てるって思ってた。
振り向いてくれるように頑張れるって
そう思ってたのだけれど。
向いてくれて、近くに寄ってくれたのに
また線を引かれてしまったら、わたしは、
それを超えていいのかどうかわからない。]
[───超えたら、嫌われない?
だから、言えないの。
さっきみたいに、
その別れの言葉が、何を意味してるのか、
私にはわからないから。]
……………うん、ありがとう
[沈黙が続きそうだったから、
わたしもお礼を言って、笑いかけた。
だけどもう一歩、踏み出せなくて、
そのまま、家に送り届けてもらうだろう。]
[西園寺の表札がかかった木製の大きな門が迎える。
バイクから降りて、ヘルメットを外して、置いて、
もう一度お礼を言って、見送らないと、
いけないって───わかってるのに。
だけど、やっぱり寂しくて。
門の方には回れなくて、彼の服の裾を掴んで、
少しだけ引っ張った。
…それから、もう一度、引っ張った。
唇を結んで、開いて、詰まって、飲み込んで]
───ひとつだけ、聞いてもいい?
[そう尋ねたら、そちらを見つめて。]
我慢、できないってどういうこと?
[ぎゅ、と掴んでいた裾を握って]
[イタリアンに入ると隣の席には
何処かぎこちない男女がいて
何となく、見合いか何かかな、って。
他人行儀な距離感と話題、
それでも何とか話題を出しては
笑い合おうとする、奇妙な空気。
名前だけ普段と違うけれど
きっと傍目には其方の席と
同じ空気に見えたかもしれない。
最近ハマったコンビニスイーツとか
欲しいコスメとか、友達の話とか
たくさん、知りたいことは知れたけど
そういうのじゃない、
俺はまだ、核心に触れようとしてない。
取り繕っておしゃべりしても
ダメ、なんだ。言わなくちゃ。]
[そうして提案したデートの引き伸ばしにも
却下が下りてしまえば
これで本当にデートのおしまいが
すぐそこにきてしまう。
…………いいや、きっと俺が一言
も少し一緒にいさせてくれ、って
素直に口にすれば良かった。
じわり、じわり、後悔が押し寄せる。
最後に冷やを一口、苦い想いを
喉の奥に流し込んだら、席を立とうか。
結局、またあの重苦しい感じのする
綺麗に剪定された松の前に辿り着くまで
俺は自分から切り出せない。]
[門に向かおうとする背が
控えめにぎゅ、と引かれて
俺は素直に立ち止まる。
くる、と振り向くと飛鳥の唇が
開いて、閉じて、やがて問う。]
─────それは、
[我慢、ってなんのことだ、なんて
すっとぼけるのは、無しだ。
─────だって、飛鳥は待ってる。
俺が言葉にしなかった先の言葉を
いつもみたいに、
でもいつもより揺らぐ瞳で、紡いで。]
…………飛鳥に、言わせたくなかったのに
どうにも臆病で、我ながら情けねェや。
[ぼりぼりと、ヘルメットに蒸れた旋毛を掻いて
唇だけ、笑みを形作ってみせた。
イタリアンにいたカップル未満の二人みたいに
間を埋めるだけの空虚な笑みだった。
そう気付いたら、首を横に振って。]
[すっとぼけられるかなって思った。
だけど、今誤魔化されたらもう、進めない気がした。
だからお願い、ちゃんと教えてって
心の中で願っていたの。
そうしたら、彼の口が開いて、それから
情けないと呟いて、下手くそに笑うから
眉を寄せて、そちらをじっと見た。
…そんな顔、しないでほしくて。
レストランで隣にいた少しよそよそしい
カップルを思い出す。…あの2人の方が、
まだ初々しかったような気すらした。
私たちは、もう知っているんだもの。
あの2人よりもきっと、近しいもの。
それでいて、遠いんだもの。]
[ぎゅ、と唇を結んで見つめていたら、
彼が首を横に振る。掴んだ手に力を込めた。
ゆっくりと紡がれていく言の葉。
それは、今まで彼が隠してきた心で。
待ってた、と言われたらきゅん、と
心がときめくように締め付けられる。
解かれた手。もう、怖くなかった。
広げられた腕に、寄り添って、
わたしも彼の背中を優しく抱きしめるの。
胸板から響く声に、黙って、頷く。
優しく髪が梳かれる。そっと、顔だけ離して
彼の表情を見ていたら、わたしの髪がその口元に
近づいて、口付けられるから、そこに視線を
落として、それからまた、上げて。
だけど、視線は合わないし、またぎゅ、と
強く抱きしめられてしまったら、
見ることも叶わなくなって───それでも
問いかけられる言葉に、拒否なんて、
できないし、したくない、から。]
[背中に回した腕を一度解いて、
その首に引っ掛けて、近づいて。]
───だめなわけない。
[と告げて、こちらから背伸びをして、
口づけを贈ってしまおう。
甘い、キスは、触れるだけ。
彼の唇に赤が移ったのが見えたら、
少し眉尻を下げて笑って、その頬に
手のひらを添えて優しく、親指で拭う。
背伸びをやめて、そちらをじっと見つめながら
またそっとまつげを伏せたなら、
今度は彼から口付けてくれるだろうか。
心臓が飛び出してしまいそうなほどドキドキしてる。
ぴったりくっついたからだから、なにもかも
伝わってしまうような気がした。]
………颯介さん、
[いつもよりも、柔く蕩けたような
視線をじっと投げかけて、呼ぶ。]
………お付き合い、してくれますか?
[あのときと同じように、はじめて、
あなたにこの提案をしたときと同じように、
また、わたしは問いかけて。
静かにその答えを待つの。
言い淀むようなら、わらって、
今度聞きにいくねって、腕を緩めるけれど。]*
[欲しかった口付けが、飛鳥の方から送られて
俺はそっと瞼を閉じた。
背伸びしてのそれは、ほんの少し触れるだけ。
移った赤を拭われる前に、
もう一度、今度は俺からキスをしよう。
もう少し深く口付けても
良かったのかもしれないけれど、
まるでキスの仕方も知らないような
掠めるだけのキスだった。
それだけでも、触れ合った身体に
ドキドキと鼓動を伝えてしまう。
……これはどっちのものだろう。]
[蕩けたような甘い声で呼ばれ
俺はほんの少し身を離す。
もう何度も何度も言われてきた告白に
今度はちゃんと頷いた。
ざあ、と吹いた風が御屋敷の松を揺らす。
彼女の祖母から出禁を食らったのを思い出せば
ほんの少し、臆病風が吹く。
でも、もし許されるのならば
彼女と付き合う許しが欲しいし、
……あの骨董品達の評価に
関する誤解も解きたいとも思う。]
飛鳥の、お祖母様は特に
いい顔してくれなさそうだけど……
もう一度、骨董品のことも含めて
チャンスをくれたりしないかねェ。
[だから、飛鳥にも力を貸してほしい、と
少し眉を下げる。
話し合いに努力するのは俺の仕事、
そのきっかけを作ってもらえないか、と。]
[そうしてするりと身体を解いて
バイクに跨り……ふ、と気付く。]
そういや、俺ァ飛鳥の好きな店を
まだ知らねェ気がすンだ。
[天丼もイタリアンも、俺が知ってる店。
『今度』こそ、君の好きな店を
俺にも教えてくれ。
─────そんな約束を取り付けようか。
何処だっていいさ。
ただ、ジンジャークッキーと
カップケーキの出処には、俺は固く
口を閉ざすだろうけれど。]*
[こくりと頷かれたそのとき、どきん、と
心臓が跳ねて、愛おしさが溢れてやまない。
嬉しくて、ぎゅ、とその体を思い切り
抱きしめて「大好き」をその胸に直接
届くように服に吸わせた。
風が吹いた。
ざわつく木の音から逃げるように、
腕の力を一層、強めて。]
───
[帰りたくない、もっとあなたのそばにいたい。
また来週って言わなきゃいけない?
触れてほしい、あなたに、触れたいって
そう、願っていたら彼の声が響いたから
顎をピッタリその体につけたまま、顔を
真上に向けて彼のことを見上げた。]
[眉尻を下げるその表情に眦を細めて]
…おばあさま、私には弱いから。
言っておいてあげる。
…私の頑固さを一番知ってるのも
おばあさまだもの。
[と口端を上げた。
する、と解かれた腕に、寂しさを感じて、
もう一度だけ力を込めて、緩めて、
それから離れた。
自然と呼ばれるようになった名前に、
彼の方からされた『今度』の話に
口元を綻ばせ、わたしは彼の方を見つめ]
わたしの好きな店はね、
『伽藍堂』って名前なの。
[そう笑いかけて、触れるだけの口づけを
もう一度だけおくって、数歩下がった。]
だから、また行くね。
[そう伝えて、寂しさを押し殺して、
わたしは彼のことを見送るのです。
ふかして去っていくエンジン音が、
遠く、書き消えてしまうまで、
その背の過ぎた場所を見つめて。]*
[このままずっと一緒にいたい。
共に迎えた朝日の下で、
君の顔はどんな色に染まるのか
もっと知りたい気持ちは、ある。
けど、嫁入り前のお嬢さんと
会ったその日に共寝をしけこむような
不埒を働くつもりもなく。
時間はかかっても、
ちゃんと納得してもらえるよう
努力するのも大事なことか。]
おい、あんまり虐めたらダメだぜ。
[くすり、と笑みを漏らして
抱き寄せる腕へ最後にく、と力を込めて
それから、離す。]
[クラブに行くのか、
はたまた流行りのスイーツの店か、
次の話をしようと思ったが
飛鳥の好きな店を聞けば
きょとん、と目を丸くして……
それから、くすりと笑みを漏らす。]
そいつァ、光栄。
[触れるだけ口付けを追って
もう一度、抱きすくめて此方からキスを送る。]
……愛してる。
[ありがとう、とか、待ってる、とか
言いたいことは沢山あったが、
そういうのを全部ひっくるめて囁いた。
そうして改めてバイクに跨り直すと
俺は西園寺邸を跡にする。]
[ケーキ用プレートの納品に
店を訪れた時、紅茶専門店の店主は
カウンターの奥からにじり寄ってきた。]
「ねえ、うまくいった?
カップケーキ、どうだった?」
[眼鏡の奥から好奇心を覗かせてくるのを
はてさて、どう答えたものか。
多分恋の行方が気になっているのと
自分の手製のスイーツがそれに一役買えたのと
どっちも気になってる、って顔。
「まあまあ、ってやつだ」と答えると
「ああ!惨敗じゃなかったんだ!」なんて
ぴょんぴょん跳ねながら嫌なことを言う。
まだ、付き合い始めて、キスをして
抱き合っただけ。それも、一日だけ。
年月を重ねてそれが確固たるものになったら
今度はちゃんと、飛鳥と一緒に来ようと思う。]
[俺の頭を読んだか知らないが
店主はにっと笑ってみせて]
「君がいいと思った人だもの。
僕はその人が男の人だろうと、
どこかの国の王女様だろうと、
どんな人だって祝福するよ」
[そう、笑って見せたのだった。]
いじめるなんて、人聞き悪い。
…そんなことしないよ、
わたしの道を、認めてもらうだけ。
[そういって、もう一度抱擁を交わし、
離れた熱に少しだけ、寂しさを覚えた。
わたしの好きな店なんて、決まりきってる。
だって、そこにはわたしのW何より好きなものW
がいつだってあるんだから。
本心を当たり前に告げただけなのに、
彼が目を丸くして、それから笑うから、
わたしも微笑みかけて、贈った口づけを
追うようにまたくっつく体。
落とされる愛の言葉にふわ、と体温が
一度上がるような気がした。
にへら、と微笑みかけて。]
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