230 【完全RP/R18G】アダムとイヴにさよなら
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[枝葉の、腕。
顔の形もすでに保てず、木々が生い茂る。
彼女に触れるであろう熱は、肉の感触はあるだろうけれど
葉脈が脈打つように形を主張する。
皮一枚隔てているから怪我はすまいが
大きさ的に大丈夫なのだろうか
――逡巡
秘所から指を引き抜き
濡れた会陰の入り口に先端を擦り付け]
痛いのなら、途中でやめるから
ちゃんというんだよ。
[そうでないと、それこそ興奮して
聞く耳もてないかもしれないから。
――囁き、自重を落とすよう促そう。*]
…………う、うん。
[承諾し、伸びてきたのは生い茂った腕で。……これを、堪えていたという事だろうか。苦しくは、なかっただろうか。こちらこそ、彼を満足させるに足るだろうか。
]
大丈夫、だと、思うけど……ちゃんと、言うね。
(……優しく、お願いするわね。)
[あてがわれたそれの大きさに、少しだけ身体がすくんでしまったけど。…………受け入れるために、力をできるだけ抜いた。]*
俺もなるべく、善処するよ。
[優しく、は守れないかもしれないが。
――力を抜いたのが、わかる。
腕の中の彼女を枝葉の腕で閉じ込めながら
一息に、奥まで貫いた。]
[みち、と肉の割り開かれるおと。
何かを破る感覚。抉る感触。
人間の方の肉体の興奮と、葉脈に肌越しに触れた植物の歓喜が
シンクロするように、熱をともしている。
ゆっくりとは、していても。
硬く、熱く、痛かろう。
奥まで突いて、
一度ゆっくり抜くしぐさを見せながらも
また、突いて。
水音に植物の、そして鉄錆の香が混じる室内で
旧人類の本に描かれていた
まるで乙女を食い散らかす魔物のような1体と1人。
本能のままにはしていないけれど。
優しくは、守れないかもしれない*]
[受け入れる準備はできていたとはいえ、初めて、で味わうにはそれは苦しくて。]
ーーーーーッ!!!
[言葉にならない悲鳴をあげてしまった。最大限、気遣ってはくれているんだろうけど。元よりかなり体格差がある身では限度はあるだろう。
だけど、
すごく苦しいのに、
すごく気持ちいい。
花と、樹木と、ヒトが交わる匂いで部屋が満ちていく。植物の交わりではなく、ヒトの交わりでもなく……動物のようだ。片隅に過ったものはすぐに交合の歓喜に飲み込まれてゆく。貪られるだけ、貪られたなら、昇りつめるのはすぐだった。]*
[悲鳴ごと君の呼気を絡めとり
華奢な肢体を枝葉の腕に閉じ込める
中を熱で抉り、叩き込み
体液なのか、樹液なのか。わからぬもので満たされる。
混じる精の香が、雌の香が
植物同士の交わりでないことを、教えてくれる。
彼女が昂り、頂に至ったのちに
最奥を蹂躙しながら熱を吐き出して
穿ったものはそのままに、唐草模様にもみえる文様を抱く背を
優しく撫でていた。]
……これは。良いものだ。
[ぽつ、と零した言葉は、感嘆を孕んでいる。
――ああ、よいものだ。とても、とても*]
…………はぁ…………
[胎内へと注がれたそれに、彼の方も達せたのだと知る。恍惚とした余韻に浸りながら、優しく撫でる手の感触を味わう。]
…………よか、った…………
[彼の呟きへの返答か、自身の感想か。どちらともつかない台詞を吐く。しばらく、そうやって抱き合っていただろう。お互いに体温を分け合いながら。]
[……そのうちに、彼は僕らから繋げた性器を引き抜いただろうけど。]
…………まっ、て…………
[俯きがちに伝える。……我ながら、本当に、恥ずかしいことに。]
…………も、少し、だけ…………したい。
[一度だけでは僕らの方が、足りないと、訴えている。彼の方はもう満足しきってしまっているかもしれないから、情事後の昂った身体も合わせて、いっそう赤くなってしまっていたかもしれない。]
…………雷恩、『種子』を、もっと、ちょうだい…………
*
[肉体的には満足した様子だと、思ったが
――まだまだ足りぬときみはいう。
それは植物の本能か
動物の、生物としての本能なのか
或いは、両方なのか
顔を赤らめる君。
つられてか葉脈を彩る薄紅に染まる肌は美しい。
まだまだほしいと君は言うのなら。]
いいよ、君が望むなら。
[そのまま再び、樹の腕の中。
――狡いのは承知の上だ。自分から欲しがるのではなく
相手から求め違られる。
それが俺の、きっと”エゴ”なんだ
*]
……ありがとう。
[再び腕の中へと収まる。愛おしい熱を全て洩らさず受け止めるために。
『種子』は要らないと、そう思うことにしていた。きっと、一度欲しがってしまったなら、更に求め続けてしまうだろうから。そういう“エゴ”が僕らには根付いていた。きみを知ってしまったから、これからもずっと、僕らはきみを欲するのだろう。
実を結んでも、その後も、ずっと。]
[腕の中に閉じ込めて、己の欲望を受け止める君との間
種子が、できたのならば
可愛い子 生まれる
一体どんな色の、花が 咲く のだろう
できるなら。己のように
人の形を最初保てなかった子にならなければいい
君のように美しい葉脈を抱けばいい
何時かこの世界に、自分で居場所を見つけられる子になればいい
と、いうのは気が早すぎるか。]
――可愛いよ。君は。
[美しいよ、貴女は。
熱を混じらせ、息を整える唇に顔を近づける
触れるか触れまいか、ぎりぎりのところで。問いかける君に
小さく、笑って。]
[与えられた言葉へ、花を綻ばせる。
睦言もなにも要らないと、強がっていたこころが今ではすっかりと開いていて。
未だに臆病な僕らは、幾度も疑ってしまうかもしれないけれど。
これだけは、嘘偽りのない本心を告げる。]
[──この施設って誰が掃除してるのかな。
仮の部屋主が不在となったこの部屋から一歩外に出て、僕は点々と描かれるピンクの液体を見つける。そしてそれを、追いました。
脳とか胎児とか脳髄だとかを映えさせるためなのかなってくらい清潔なこの場所の扉と扉のあいだは間隔が広くて。ああ、大きな施設なんだなぁなんていまさら気づく。なつかしい記憶のなかの白さと重ねて游ぐ。
床に咲いていた桃色は、大きな硝子扉の中へ続いていった。
ああ、ここは。]
─ 『paradis』 ─
……リヒトーヴさんの、庭
『
しかし、誤った論理を入力されたり、
命令が翻されることは、決して珍しい話ではありません
故に、己はあれを裏切りとは見ていない……筈です
裏切られたと、己は、まだ……
』
[ふと再生される音声は霞みがかりながらも煌めきを発してる。
フローライトからアズライトへのグラデーションを瞼に再生していたら、景色は春の優しげなミントグリーンから真っ青な──
突き刺さる『夏』の庭へと変貌を遂げていた。
むせ返る目映さに目を細めて採光を弱めると、一段気温が下がる場所がある。その一帯から、朝露を思わせるような匂いが満ちてく。]
…………ああ、── 『蓮』 だ……
[白や桃といった蓮が浮かぶ水面に近づく。
──見事、だね、って口にして。
この池は、汚れても穢れてもいないみたい。
水面を覗き込む。無い片眼に光るライムグリーンの硝子石が、
夏を反射して網膜を射した。]
[この硝子石を。
押し込んでも引き千切っても『僕ら』は咲く。
指で、つ、と其れをなぞれば、冷たい。
引っ張って、みる。
──およそ外れそうにはなかった。]
……ふふ。
あは、は、?
[ひとしきり玩んで、かくり、と全身からちからが抜けた。膝を着く衝撃に髪が揺れる。力なく膝に投げ出される指先は爪が、割れていた。
そうなんだ? と、思う。
ああ。僕は僕を なんにも知らないんだ。]
『己に存在意義が与えられている事には、感謝しています
無駄な思考も事象もひとつもないと、そう在れる事を
『幸福』と云うのだと俺は、そう理解しています』
『
──己の存在や行動に意義が生じている限り、
すべての"己"と言う存在には常に価値が存在している。
……己も、そう思います。
それは確かに己らの『幸福』の形であると
』
『
どのような姿形でも構いませんが
強いて言うば、強かな種であると有難いですね
楽しみにしています。あなたに再会する日を
』
ひたあお、 くん、 直青君──…………、
[僕の神さま、『幸福』の形。
僕のなまえに意味なんてない。ただそこに在るだけの。それは完璧だったんです。それで完璧だったんです。僕の座標だったんだ。
ああ、『神』よ。僕はあなたのものでも
────おまえは決して僕だけのものにはならないんだろ
ついに喉が絞まる。この手で絞めた。叫ばない様に。
どうして、どうしてどうしてどうして??僕だけが奪われて喪ってどうして君は何ひとつ損なわれない。愛って、愛ってなんですか。与えることじゃないんですか。与えることじゃないんですか? 苦しい。苦しいよ見返りを求めずに捧げるだけの命でもこの苦しみこそが『生きること』だって君がいうなら僕は僕は、ぼくは─────……!!!]
苦しい『生』などは、ありませんよ。
もし『生きること』を苦しく思うのなら、
それはキミに『罪が在る』からだね。
悪魔とは、人類の不従順を魅力的に語る。
けれどそれはすべて偽りでまやかしの、
────“ 掬い ”です
覚えておいください。
僕はいつでも、キミのなかにいます。
さぁ、言ってごらん…………キミの『名前』は?
どのように飼おうか
、と考える。
ひたすらに甘やかしてしまおうか。
欲しがるものならば何でも与えよう。
嫌と言う程注ぎ込もう。
漸くだ。
漸く、手に入れた。
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