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人狼物語 三日月国


73 【誰歓突発RP】私設圖書館 うつぎ 其漆【R18】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


[腹は少し減っていたけれど
 夕飯のことにも生返事。
 時間よ止まれ、と念じるなんて
 馬鹿なことを試みていた。

 でも、それでも時間は流れてしまうから
 願うだけじゃなく手を伸ばす。
 抱きすくめた飛鳥の身体が一瞬、強ばった。
 でも、もう離そうとは思わない。]


  思うさ。
  さみしいし、時間が惜しい。
  今日という日が終わるのが、つらい。


[抱き合ったまま、鼓膜へと刻み込むよう
 素直な気持ちを口にする。
 まるで子どもみたいで恥ずかしい。
 でも、言わなきゃずっと伝わらない。]

[ぐ、と飛鳥の顔が近くに来る。
 触れるのか、と思った赤い唇は
 また離れていく。
 離れていく体温を惜しむよう
 俺の手はまだ、飛鳥の肩に置いたまま。

 さびしい、帰りたくない。
 でも、夕飯までは一緒。

 それで飲み込ませようというのが大人の理屈。
 頬にちゅ、と口付けられて
 嬉しい、の気持ちよりももっと強く
 寂しい、の気持ちが湧き上がって胸をつく。]


  俺のが我慢出来ねェよ。


[すん、と口を尖らせたまま
 ヘルメットを手渡して。

 昼にがっつり天丼を食べたから
 洒落たイタリアンでピザでもつつこう、と
 またバイクを走らせる。

 空に溶かした濃紺の色が
 じわじわ広がり、空全体を飲み込んで
 代わりにちらちらと星が瞬く。]

[背中に感じる体温が、
 何故だかひどく遠く感じて
 やっぱりさっき、
 キスしておけばよかったかな、なんて。
 でも、さっきの時点でキスしてしまえば
 後の過ぎるだけの時間を、
 ひどく辛い気持ちで過ごしてしまう気がして。

 前に来た時は美味いと思った店だったけど
 石窯で丁寧に焼いたマルゲリータは
 今日は何だか、味がしなかった。

 ピザを食べる間、何を話したろう。
 『今度』の話は、なんだか怖くて
 俺は飛鳥のことを尋ねたろう。
 若い人の話をどこまで飲み込めるか分からないが
 彼女のことを、もっと知りたくて。]

[どんなに惜しんでも、時は過ぎて
 店の外に臨む空はぬばたまの色へ。]


  ……今日は、ありがとうな。


[空になった皿を前に、に、と笑って見せようか。
 言いたいことはたくさんある。
 引き止めたい気持ちも。
 でも、今日このまま帰さない、というのは、ダメ。
 明日、明後日、ともっと一緒にいたくなる。

 送り届けるまでが、今日のデート。
 もし嫌だというのなら、家に帰るまでの
 ほんの少しのドライブを提案しよう。

 港町の灯りを眺めて、海でも眺めて
 気が済むまで一緒にいよう、と。]*


[さみしいって、聞けると思ってなかった。

 …いつもみたいに、はぐらかされるんだろうって
 もしさみしいよって言ってくれたとしても
 わたしが押して押して聞かせてっていって
 やっと聞ける言葉だと、思ってた。

 なのに、その声に冗談やしょうがない、の色は
 含まれていなくて。その腕が、わたしの体を
 優しく、それでいて力強く、包み込んで。

 ねえ、どうして寂しいの?
 美術展が楽しすぎたから、なんて理由だけじゃ
 ないっていってくれたらいいのに。
 わたしと離れたくないって、だから、
 別れの時間が惜しいって、そう、
 思っていてくれたらいいのに。

 だから、言葉にしたの。
 わたしは離れたくないって。
 だからさみしいんだって。]

 


[でもね、それに対する返答はなかったから。
 ああきっと、また怖がって、迷ってる。
 口に出すべきかどうか、悩んでるんだって
 そう思ったから、頬に口付けて、
 これで我慢するって言ったのに。]


    っえ、



[俺のが我慢できないって、なによ。
 心臓がうるさく鳴り始める。
 我慢、出来ないって何?どういうこと?
 キスしたってよかったの?

 我慢、しなくていいのに。
 我慢、なんてしてほしくないのに。
 わたしはあなたのことが好きなのよ。
 付き合ってほしいってずっといってるでしょ。
 それなのに、何を我慢するの?
 どうして我慢するの?
 それはきっと、わたしもとっても
 嬉しいことなんじゃないの?ねえ、教えてって
 そう口に出すことができなかったのは、
 彼が話題を切り替えて、ヘルメットを
 こちらに投げてよこしたから。]
 


[少し悩んで、揺れて落ちた視線をアスファルトに
 向けて唸ると、彼のバイクのエンジン音が
 人気の少ない駐車場に響き渡った。

 背中にまた、くっついて。
 だけど、行きの時みたいな全部が全部、
 しあわせな心地じゃなくて、どこか、
 まどろっこしくて、どうしてって疑問が
 頭の中を渦巻いているから。
 とん、とんと、抗議するみたいに額で叩きながら
 腕の力を思いっきり強めたりしてみた。]

 



[彼に連れて行ってもらったお洒落なイタリアンは
 店内もいい匂いに包まれて、見た目にも、味も、
 とってもいいはずなのに、「おいしいね」って
 話しかけても、どこか上の空な気がして。
 ふわふわ、地面に足のつかない会話。
 わたしのことばかり聞いてくる彼は、
 初めは興味が湧いたからかと思った
 のだけれど、たぶんそうじゃない、気がして。
 何かを避けてる、感じがして。

 最近お気に入りのコンビニスイーツだとか
 今欲しいコスメの話だとか
 友人のくだらない失敗話だとかを
 話しながらも、どこかで、なんでだめなんだろうって
 頭の中を駆け巡ってしまう。

 さみしいって思ってくれたり
 抱きしめてくれたり
 頬へのキスを許してくれたり
 …我慢できないっていったり

 好意を抱いてくれてるって思う。
 だけど、その形がわからない。
 こんなに近くに寄って行っても、
 この手を取ってくれないのは、
 この先を望んでいるわたしには、
 報われない形をしてるってことなの?]



[空になったお皿を見つめて、ごちそうさまでしたと
 手を合わせて、言われた言葉に体が強張る。


 …それは、別れの言葉、だよね。

 ぱっと顔を上げて、唇を結んで、眉を寄せて
 迷うように落ちていく。

 …帰りたくない。まだ離れたくない。
 今離れたら、ダメになってしまう気がする。

 W今度Wの話もさせてもらえなかった。
 次、会える日の話も、次、行きたい場所の話も
 ───あなたの、本音も。

 なにも、聞けてない、わたし。
 
 全然こっちを向いてくれないなら、
 いくらでも待てるって思ってた。
 振り向いてくれるように頑張れるって
 そう思ってたのだけれど。
 向いてくれて、近くに寄ってくれたのに
 また線を引かれてしまったら、わたしは、
 それを超えていいのかどうかわからない。]

 


[───超えたら、嫌われない?

 だから、言えないの。
 さっきみたいに、

 その別れの言葉が、何を意味してるのか、
 私にはわからないから。]



   ……………うん、ありがとう


[沈黙が続きそうだったから、
 わたしもお礼を言って、笑いかけた。
 だけどもう一歩、踏み出せなくて、
 そのまま、家に送り届けてもらうだろう。]

 


[西園寺の表札がかかった木製の大きな門が迎える。
 バイクから降りて、ヘルメットを外して、置いて、
 もう一度お礼を言って、見送らないと、
 いけないって───わかってるのに。

 だけど、やっぱり寂しくて。
 
 門の方には回れなくて、彼の服の裾を掴んで、
 少しだけ引っ張った。
 …それから、もう一度、引っ張った。

 唇を結んで、開いて、詰まって、飲み込んで]

 




    ───ひとつだけ、聞いてもいい?


[そう尋ねたら、そちらを見つめて。]


   我慢、できないってどういうこと?


[ぎゅ、と掴んでいた裾を握って]

 

[イタリアンに入ると隣の席には
 何処かぎこちない男女がいて
 何となく、見合いか何かかな、って。
 他人行儀な距離感と話題、
 それでも何とか話題を出しては
 笑い合おうとする、奇妙な空気。

 名前だけ普段と違うけれど
 きっと傍目には其方の席と
 同じ空気に見えたかもしれない。

 最近ハマったコンビニスイーツとか
 欲しいコスメとか、友達の話とか
 たくさん、知りたいことは知れたけど
 そういうのじゃない、
 俺はまだ、核心に触れようとしてない。

 取り繕っておしゃべりしても
 ダメ、なんだ。言わなくちゃ。]

[そうして提案したデートの引き伸ばしにも
 却下が下りてしまえば
 これで本当にデートのおしまいが
 すぐそこにきてしまう。

 …………いいや、きっと俺が一言
 も少し一緒にいさせてくれ、って
 素直に口にすれば良かった。

 じわり、じわり、後悔が押し寄せる。
 最後に冷やを一口、苦い想いを
 喉の奥に流し込んだら、席を立とうか。


 結局、またあの重苦しい感じのする
 綺麗に剪定された松の前に辿り着くまで
 俺は自分から切り出せない。]

[門に向かおうとする背が
 控えめにぎゅ、と引かれて
 俺は素直に立ち止まる。

 くる、と振り向くと飛鳥の唇が
 開いて、閉じて、やがて問う。]


  ─────それは、


[我慢、ってなんのことだ、なんて
 すっとぼけるのは、無しだ。

 ─────だって、飛鳥は待ってる。
 俺が言葉にしなかった先の言葉を
 いつもみたいに、
 でもいつもより揺らぐ瞳で、紡いで。]


  …………飛鳥に、言わせたくなかったのに
  どうにも臆病で、我ながら情けねェや。


[ぼりぼりと、ヘルメットに蒸れた旋毛を掻いて
 唇だけ、笑みを形作ってみせた。
 イタリアンにいたカップル未満の二人みたいに
 間を埋めるだけの空虚な笑みだった。
 そう気付いたら、首を横に振って。]

【人】 ぷにぷに グレザン

[ 初めて見る“にげん”の共通点を探すのは苦労したが、友人>>2:34の言うように、ぷにぷにたちのような形の多様性まではないようだった。

 例えばねこは、黒や白や茶色やしましまといった色や模様があるだけじゃない。もふもふの量がたくさんで長かったり、顔がぺたんこだったり、しっぽがとても短かったり。同じねこはねこでも、もっと細かく分かれている。とりもおんなじだ。
 もしかすると、“にげん”も種類がいろいろあるのかもしれない。なんて奥が深いんだ。さすが伝説の生き物。

 先っぽの数を調べたり、出っ張りの色や形をじっくり眺める。穴はあまりにも多すぎてちょっと困った。丸と先っぽはだいたい同じなのに、色違い>>2:35まである。ねこも色が違う子がいるし多分そういうやつだろう。]
(4) 2021/05/26(Wed) 7:14:50

【人】 にげん? グレザン

[ たくさんの観察を終えて、ようやく変化を試した。
 ぴょんこぴょんこ跳ねて喜んでくれる友人の評価>>2:36になんだかくすぐったい気持ちになる。ふふんと笑うと“にげん”の口が上がった。]


 最初に見た“にげん”は、出っぱりがあっただろう。
 なかまだと思ってもらえるように、つけてみた。

 おお、ここの穴か。わすれていた。
 こっちは二つ、こっちは一つずつ……
 ん? 場所がずれてるか?
 ううむ、これぐらい?


[ 友人の観察眼はたしかだ。ぴょんぴょん跳ねてぐるりと一周、二周と入念にチェックしてもらって、完成度はぐっと上がったようだ。
 かんぺき>>2:37の言葉とほっぺたをくっつける仕草に嬉しくなる。上の二本を使って友人を寄せ、友人より硬めのほっぺたでこちらからもぷにっとしておいた。この弾力が正しいのかどうかは、お店に入ったら分かるだろうか。]
(5) 2021/05/26(Wed) 7:15:18

【人】 にげん? グレザン


 よし、がんばれ。
 む、むせるな、ゆっくり、ゆっくり吸ってはこう。


[ 自分の変化を終えて、次は友人>>2:38の番だ。
 ぺたんと地面に座って見ていると、力を込めた体がぷうっと膨れていく。、やがて形作られていくのは、同じような量のもふもふを持つ、出っ張りなしの、先っぽの色違いの“にげん”だった。]


 おおお……!
 すごい、“にげん”じゃないか!

 よし、チェックだ。
 ふぅん……うーむ……

 お、こっちの先っぽの数がおおい。
 それから、ここはー、もうちょっと右だな。


[ 上の二本をぱたぱたと揺らして興奮を示す。似てはいるが、自分とも、店の中の生き物ともきちんと違う形だ。これが友人の“おりじなりてぃ”>>2:34。素晴らしい出来だ。
 不安定な二本で立ち上がると、歩く練習もかねて友人の“にげん”を見ていく。メモと見比べつつ、本数の違いや細かい調整をいくつかしていけば、ぐぐっと完成度は高まった。]
(6) 2021/05/26(Wed) 7:15:47

【人】 にげん? グレザン


 よぉし。ばっちりだ。
 これなら店の中にいても、おかしくない出来だろう。


[ 満足気に頷く。友人はいつものようにぴょんこと跳ねる。
 しかし、今必要なのは歩き方だ。しかし、二本の動かし方に慣れていない友人は、離れるままに沈んでいってしまう。おお。]


 むずかしいかもしれない……

 まずは、そうだな……
 片方ずつ、前に出す練習をしよう。

 前に出す時に、こけそうになるから、
 それを止めるみたいに、もう一本を出して……

 ……説明も、むずかしいな……?


[ 壁にもたれながら一歩ずつの練習。さっきの友人観察で多少コツをつ感だから、それを教えようとはしたが、いざ言葉にしようとするとなかなかに難しいことだった。

 それでもなんとか、ふらつく友人と一緒に歩いてみる。段々とスムーズに前に出るようになると壁から離れ、自分が友人の上の二本をつかんで、いち、に、と声をかけながら進んでもらう。何度かふたりでころんと転がってしまったが、十をこえるまでには友人もバランスを体得したようだ。

 とんとんと歩く姿は友人の頑張りの結晶だ。えらい、すごい、と誉めたたえ、傍に近寄ってほっぺたをくっつける。今度は同じぐらいの硬めのぷにり。ふたりで喜びを分け合った。]
(7) 2021/05/26(Wed) 7:16:20

【人】 にげん? グレザン

[ これで、あの店に突入する準備は整った。自分たちをさえぎるものは何もない、はずだ。
 友人と顔を合わせる。上の部分をこくんと揺らしあった。]


 よし。では、行こう。
 “にげん”の図書館、“うつぎ”へ!


[ 体の半分ぐらいの高さになった扉の取っ手に、一本を引っかける。ギイと鳴る扉を開け、店の中へと踏み入れた。]
(8) 2021/05/26(Wed) 7:16:36

【人】 にげん? グレザン

― 店内 ―

[ 柔らかな明かりに包まれた店内は、なんとも“丁度いい”大きさになっていた。不思議な音楽と匂いはどこからするのだろう。コツコツは? きょろきょろと見回すと、さっきみたいに声>>0:1が聞こえた。どきどきしながらそちらを見る。

 最初の時はほとんど頭に入ってなかったが、やはり自分たちでも分かる言葉だ。
 出ていけ、とは言われなかった。ちゃんと“にげん”に見えているのだろうか。そわそわと落ち着かないのを隠すように、こくりと頷く。]


 あ、ああ。おじゃまさせてもらう。
 ここでは、好きに本を読んでいいんだよな。


[ ええ、と返事があれば、思わず感動してしまう。このたくさんの本が自由に読める! というだけでなく、伝説の生き物とちゃんと会話ができた! という事実にだ。
 そして分からなかった部分は、小声でこっそり友人に尋ねてみる。]
(9) 2021/05/26(Wed) 7:17:12

【人】 にげん? グレザン


 紅茶は、お茶のひとつだって分かるが……
 “こーひー”はなんだろう。
 ならべて言ったから、飲み物だろうか。


[ 森でもお茶は飲んでいる。お茶の木の葉っぱを摘んできて、火にかけたりもんだりカラカラにしたりして飲むやつだ。

 しかし、もう一個の名前は聞いたことがない。幸せのかたまりのチョコも知っていた友人だ、知っているかも。
 あるいは、素直に聞いてしまうのも一つの方法だろうか。“にげん”には当然の知識で、知らないと怪しまれるかもしれないが、自分の住んでるところでは無いと言えばごまかせるだろう。きっと。

 そんな相談をひそひそとしつつ、謎がとけるかどうかはさておき、無事店には入れたのだ。この後はうきうきわくわくの図書館の冒険が待っている。

 どこから見て回ればいいのか悩む量の本と本棚を前に、まずは拠点、自分たちの机と椅子を選ぶことにした。観察中に目星はつけてある。
 カウンターから少し離れたところ。自分と友人、ふたり用の場所を確保することにした。]*
(10) 2021/05/26(Wed) 7:17:26


[すっとぼけられるかなって思った。
 だけど、今誤魔化されたらもう、進めない気がした。
 だからお願い、ちゃんと教えてって
 心の中で願っていたの。
 
 そうしたら、彼の口が開いて、それから
 情けないと呟いて、下手くそに笑うから
 眉を寄せて、そちらをじっと見た。
 …そんな顔、しないでほしくて。

 レストランで隣にいた少しよそよそしい
 カップルを思い出す。…あの2人の方が、
 まだ初々しかったような気すらした。

 私たちは、もう知っているんだもの。
 あの2人よりもきっと、近しいもの。
 それでいて、遠いんだもの。]
 


[ぎゅ、と唇を結んで見つめていたら、
 彼が首を横に振る。掴んだ手に力を込めた。

 ゆっくりと紡がれていく言の葉。
 それは、今まで彼が隠してきた心で。
 待ってた、と言われたらきゅん、と
 心がときめくように締め付けられる。
 解かれた手。もう、怖くなかった。
 広げられた腕に、寄り添って、
 わたしも彼の背中を優しく抱きしめるの。

 胸板から響く声に、黙って、頷く。
 優しく髪が梳かれる。そっと、顔だけ離して
 彼の表情を見ていたら、わたしの髪がその口元に
 近づいて、口付けられるから、そこに視線を
 落として、それからまた、上げて。

 だけど、視線は合わないし、またぎゅ、と
 強く抱きしめられてしまったら、
 見ることも叶わなくなって───それでも
 問いかけられる言葉に、拒否なんて、
 できないし、したくない、から。]
 



[背中に回した腕を一度解いて、
 その首に引っ掛けて、近づいて。]



    ───だめなわけない。


[と告げて、こちらから背伸びをして、
 口づけを贈ってしまおう。

 甘い、キスは、触れるだけ。
 彼の唇に赤が移ったのが見えたら、
 少し眉尻を下げて笑って、その頬に
 手のひらを添えて優しく、親指で拭う。

 背伸びをやめて、そちらをじっと見つめながら
 またそっとまつげを伏せたなら、
 今度は彼から口付けてくれるだろうか。
 心臓が飛び出してしまいそうなほどドキドキしてる。
 ぴったりくっついたからだから、なにもかも
 伝わってしまうような気がした。]
 




   ………颯介さん、


[いつもよりも、柔く蕩けたような
 視線をじっと投げかけて、呼ぶ。]


  ………お付き合い、してくれますか?


[あのときと同じように、はじめて、
 あなたにこの提案をしたときと同じように、
 また、わたしは問いかけて。
 静かにその答えを待つの。
 言い淀むようなら、わらって、
 今度聞きにいくねって、腕を緩めるけれど。]*

 

[欲しかった口付けが、飛鳥の方から送られて
 俺はそっと瞼を閉じた。
 背伸びしてのそれは、ほんの少し触れるだけ。

 移った赤を拭われる前に、
 もう一度、今度は俺からキスをしよう。
 もう少し深く口付けても
 良かったのかもしれないけれど、
 まるでキスの仕方も知らないような
 掠めるだけのキスだった。

 それだけでも、触れ合った身体に
 ドキドキと鼓動を伝えてしまう。
 ……これはどっちのものだろう。]

[蕩けたような甘い声で呼ばれ
 俺はほんの少し身を離す。
 もう何度も何度も言われてきた告白に
 今度はちゃんと頷いた。

 ざあ、と吹いた風が御屋敷の松を揺らす。
 彼女の祖母から出禁を食らったのを思い出せば
 ほんの少し、臆病風が吹く。
 でも、もし許されるのならば
 彼女と付き合う許しが欲しいし、
 ……あの骨董品達の評価に
 関する誤解も解きたいとも思う。]


  飛鳥の、お祖母様は特に
  いい顔してくれなさそうだけど……
  もう一度、骨董品のことも含めて
  チャンスをくれたりしないかねェ。


[だから、飛鳥にも力を貸してほしい、と
 少し眉を下げる。
 話し合いに努力するのは俺の仕事、
 そのきっかけを作ってもらえないか、と。]

[そうしてするりと身体を解いて
 バイクに跨り……ふ、と気付く。]


  そういや、俺ァ飛鳥の好きな店を
  まだ知らねェ気がすンだ。


[天丼もイタリアンも、俺が知ってる店。
 『今度』こそ、君の好きな店を
 俺にも教えてくれ。
 ─────そんな約束を取り付けようか。

 何処だっていいさ。
 ただ、ジンジャークッキーと
 カップケーキの出処には、俺は固く
 口を閉ざすだろうけれど。]*


[こくりと頷かれたそのとき、どきん、と
 心臓が跳ねて、愛おしさが溢れてやまない。
 嬉しくて、ぎゅ、とその体を思い切り
 抱きしめて「大好き」をその胸に直接
 届くように服に吸わせた。

 風が吹いた。
 ざわつく木の音から逃げるように、
 腕の力を一層、強めて。]


   ───


[帰りたくない、もっとあなたのそばにいたい。
 また来週って言わなきゃいけない?
 触れてほしい、あなたに、触れたいって
 そう、願っていたら彼の声が響いたから
 顎をピッタリその体につけたまま、顔を
 真上に向けて彼のことを見上げた。]

 



[眉尻を下げるその表情に眦を細めて]



   …おばあさま、私には弱いから。
   言っておいてあげる。
   …私の頑固さを一番知ってるのも
   おばあさまだもの。


[と口端を上げた。

 する、と解かれた腕に、寂しさを感じて、
 もう一度だけ力を込めて、緩めて、
 それから離れた。
 自然と呼ばれるようになった名前に、
 彼の方からされた『今度』の話に
 口元を綻ばせ、わたしは彼の方を見つめ]
 




   わたしの好きな店はね、

   『伽藍堂』って名前なの。


[そう笑いかけて、触れるだけの口づけを
 もう一度だけおくって、数歩下がった。]


   だから、また行くね。


[そう伝えて、寂しさを押し殺して、
 わたしは彼のことを見送るのです。

 ふかして去っていくエンジン音が、
 遠く、書き消えてしまうまで、
 その背の過ぎた場所を見つめて。]*
 

[このままずっと一緒にいたい。
 共に迎えた朝日の下で、
 君の顔はどんな色に染まるのか
 もっと知りたい気持ちは、ある。
 けど、嫁入り前のお嬢さんと
 会ったその日に共寝をしけこむような
 不埒を働くつもりもなく。

 時間はかかっても、
 ちゃんと納得してもらえるよう
 努力するのも大事なことか。]


  おい、あんまり虐めたらダメだぜ。


[くすり、と笑みを漏らして
 抱き寄せる腕へ最後にく、と力を込めて
 それから、離す。]

[クラブに行くのか、
 はたまた流行りのスイーツの店か、
 次の話をしようと思ったが
 飛鳥の好きな店を聞けば
 きょとん、と目を丸くして……
 それから、くすりと笑みを漏らす。]


  そいつァ、光栄。


[触れるだけ口付けを追って
 もう一度、抱きすくめて此方からキスを送る。]


  
……愛してる。



[ありがとう、とか、待ってる、とか
 言いたいことは沢山あったが、
 そういうのを全部ひっくるめて囁いた。

 そうして改めてバイクに跨り直すと
 俺は西園寺邸を跡にする。]

[ケーキ用プレートの納品に
 店を訪れた時、紅茶専門店の店主は
 カウンターの奥からにじり寄ってきた。]


  「ねえ、うまくいった?
   カップケーキ、どうだった?」


[眼鏡の奥から好奇心を覗かせてくるのを
 はてさて、どう答えたものか。
 多分恋の行方が気になっているのと
 自分の手製のスイーツがそれに一役買えたのと
 どっちも気になってる、って顔。

 「まあまあ、ってやつだ」と答えると
 「ああ!惨敗じゃなかったんだ!」なんて
 ぴょんぴょん跳ねながら嫌なことを言う。

 まだ、付き合い始めて、キスをして
 抱き合っただけ。それも、一日だけ。
 年月を重ねてそれが確固たるものになったら
 今度はちゃんと、飛鳥と一緒に来ようと思う。]

[俺の頭を読んだか知らないが
 店主はにっと笑ってみせて]


  「君がいいと思った人だもの。
   僕はその人が男の人だろうと、
   どこかの国の王女様だろうと、
   どんな人だって祝福するよ」


[そう、笑って見せたのだった。]



   いじめるなんて、人聞き悪い。

   …そんなことしないよ、
   わたしの道を、認めてもらうだけ。


[そういって、もう一度抱擁を交わし、
 離れた熱に少しだけ、寂しさを覚えた。

 わたしの好きな店なんて、決まりきってる。
 だって、そこにはわたしのW何より好きなものW
 がいつだってあるんだから。

 本心を当たり前に告げただけなのに、
 彼が目を丸くして、それから笑うから、
 わたしも微笑みかけて、贈った口づけを
 追うようにまたくっつく体。

 落とされる愛の言葉にふわ、と体温が
 一度上がるような気がした。
 にへら、と微笑みかけて。]
 




   ───わたしも


[と返せば、幸福感に全身が
 満たされるのがわかった。

 どうしよう、幸せ。
 世界中に叫んでまわりたいくらい。
 この人、わたしの大好きな人でね、
 それでね、わたしの恋人なんだよって。
 諦めなくて、よかった。
 ちゃんと、あなたに向き合って、それで、
 真っ直ぐにあなただけを見つめて、
 突き進んできてよかった。
 そう心の中で噛み締めながら、
 今日はその背を見送るのです。]

 

【人】 にげん? グレザン

[ “にげん”らしい振るまいは分からないが、受け答えはスムーズにできていたようだ。隣からきらきらとした視線を浴びる。友人もこの伝説的な状況に感動したのだろう。

 そして“こーひー”なる謎のなにかに関してはこそりと相談する。]


 たしかに、食べ物かもしれない……

 そうだな、一つずつ。
 “こーひー”は気になる。試してみたい。
 このにおいに関わるものかもしれない。


[ 絶対試してみたくなる、という熱のこもった主張>>13には大いに頷いた。
 ここが自分たちの知るような図書館なら、利用するのに何かを求められることはないはずだ。実際、入る時も何か要るとは言われなかった。ならば宝石には余裕があり、紅茶や“こーひー”を頼んでも、きっと大丈夫なはず。

 後は本を探すまでの時間が遅れてしまう、という問題もあったが、やはりここは、頼んだものがどんなものか、を知ることを優先すべきだという結論を出した。

 よそのテーブルを見ると、手元にコップを置きながら本を読んでいる“にげん”もいたから、同時に楽しむものなのかもしれない。
 しかし、“にげん”の体に慣れていない自分たちだと、汚してしまう不安がある。レベルアップしてから挑戦しよう、と話し合って決めた。>>14
(26) 2021/05/28(Fri) 6:09:53

【人】 にげん? グレザン

[ 友人>>15の態度も堂々としていた。一種類ずつの注文も、お代の宝石を払うのもさらっと終わらせ、お目当ての二つを手に入れる。
 普段の体なら四つぐらいまではあっさり運べるが、この姿なら一個が限界だ。取っ手に先っぽを引っかけるのもなかなか難しいので仕方ない。

 落とさないように丁寧に運び、テーブルに置いた時には達成感すらあった。図書館に入り、会話も問題なく済ませ、注文して受け取るまでやり遂げた。
 その成果が目の前の、ゆらゆらと湯気の立つコップ二つ。思わずふふんと笑ってしまう。]


 ああ、“にげん”のものを手に入れた。
 やっぱり飲み物で当たりだったな。

 お店に入った時のにおいもこれだったか……
 よし、半分こしよう。


[ まずは観察。赤いのは紅茶、黒いのは“こーひー”だ。黒い方は香ばしいような、ツンとつつかれるような、なんとも不思議な匂いがする。
 メモするのも“にげん”の体では難しかったが、普段の体に戻るわけにもいかない。そして時間をかけてしまうと、せっかくのほかほかが冷めてしまう。大事なことを急いで書いて、やっと飲み物を飲むことができた。]
(27) 2021/05/28(Fri) 6:10:09

【人】 にげん? グレザン

[ まずは一緒に出してもらった砂糖やミルクを後回しに、二本でしっかり支えて、コップの紅茶を口にする。森でいつも飲むのは緑茶で、紅茶は時々しか飲まない。それでも、これが味が違うのは分かった。葉っぱや作り方が違うのかもしれない。でもこのままでも美味しいお茶だった。ほう、と息を吐く。]


 紅茶はおいしい……
 森でたまに飲むのとは、ちょっと違う味だ。

 そっちはどう、
 ……平気か?


[ ちらっと横を見ると、友人>>16のキュッとしかめた顔が見えた。ぱちぱちと瞬く。思わず大丈夫かどうか尋ねた。
 どうやら“こーひー”は変わった味がするらしい。それでも友人はまずい、とは言わなかった。一口減った紅茶と、友人のコップを交換する。どんな味なのだろう。おそるおそる、コップから一口含む、が。]
(28) 2021/05/28(Fri) 6:10:24

【人】 にげん? グレザン


 …………
 ……むう。

 へんてこな苦さだ……


[ キュッ。思わず顔をしかめてしまう。苦い。苦いが、なんと表現したらいいか分からない、不思議な、へんてこな苦さだ。
 濃いお茶とも、焼いたお魚のおなかとも、山で採れた山菜とも、お薬とも違う。口の中がじわわと苦さで包まれるのに、すんと息をすると、香ばしいような酸っぱいような匂いが混ざってくる。

 友人がまずいと言わなかったのは分かる。でもおいしいかと言われるとうーんと悩むし、いっぱい飲むのはちょっと苦労しそうな苦さだ。口直しに友人の手元の紅茶を分けてもらう。ごく、と飲むと口の中がお茶で洗われた。もう一度、ふうと息をついて友人の顔を見る。]
(29) 2021/05/28(Fri) 6:10:39

【人】 にげん? グレザン


 どうする。このまま飲めるか……?

 あ、それとも、もらったものを足してみる?
 一緒にくれたのなら、入れるのがおすすめなのかもしれない。


[ せっかくの“にげん”のコーヒーだが、自分ではあまり手伝えそうにない。友人が残りも飲むというなら素直に任せただろう。しかし、変わらずキュッと顔をしかめるようなら、砂糖やミルクを足すことを提案する。
 “にげん”が一緒にくれたのだ、もしかすると、これを足すのが“こーひー”の秘訣なのかもしれないと。

 足すことに決まれば、どちらも少しずつ注いでみることにした。真っ黒だった飲み物はあっという間に茶色になって、まるで違う飲み物みたいに見える。
 砂糖も入れたのだから苦さもちょっとは負けてくれたに違いない。さっきは友人だったからと、今度は自分が新たな“こーひー”を先に味見することになった。どきどきしながら、少しぬるくなった茶色を一口。

 含んで、ごくりと飲んだ途端、ばばっと勢いよく友人の顔を見る。]
(30) 2021/05/28(Fri) 6:10:54

【人】 にげん? グレザン


 ……!
 ぜんぜん、ぜんぜんさっきとちがう!

 飲んでみてくれ。
 ……な? ちがうだろう?

 苦いのがミルクとおさとうで引っ込んで、
 いいにおいと、香ばしいのがすっとくる。
 ええと、まろやか? って感じだ。

 これなら飲めるな!


[ 口当たりがまるで変わったことに驚き、友人に主張する。これは説明するより飲んでもらった方が早い。詳しく話すより先に、友人の前にコップを寄せた。
 今度は友人も顔をキュッとすることはないだろう。お互いに新たな味を知ったところで、その感想を話し合う。ぎゅっと握り込んだペンで、メモいっぱいに“こーひー”の違いを書き込んだ。ミルクと砂糖はすごい。]
(31) 2021/05/28(Fri) 6:11:12

【人】 にげん? グレザン

[ 紅茶と“こーひー”でメモを増やした後は、ようやく本の探索時間になった。
 一緒に見て回るかどうかは悩むところだ。迷子になるほど広いお店じゃない。もしなったとしても、テーブルに戻ってこれば平気だろう。

 ただ、相談したいことはあるかもしれない、離れすぎるのもちょっと不安な気がする、ということで、基本は一緒、離れるとしてもどちらも目が届く範囲で見て回ろう、と決めた。
 もちろん、これがきちんと守られるかどうかは、本に夢中になる程度にもよるのだが。]


 何から探す?
 こっちは、“にげん”の体についてしらべてみたい。


[自分はまず、“にげん”の仕組みについて知りたい。
 体の構造について詳しくのっている本がないか、探して回ることにした。]*
(32) 2021/05/28(Fri) 6:13:36

【人】 にげん? グレザン

[ 飲み物の感想は大事だ。しかしこの体で書くのは難しく、文字がへにょんとゆがんでしまう。一応読めなくはないからよしとしよう。
 友人はというと、最初は先っぽのあつかいに苦労していたみたいだが、すぐにコツをつかんだらしい。普段>>1:12と変わらない絵の出来>>39に、メモをのぞき込んですごいなと誉めた。さすが二本でバランスを取るのも上手だっただけはある。

 そして問題の“こーひー”だ。一口の味見の結果は、思ったより苦くて困ってしまった。そこで一緒に受け取った、ミルクとお砂糖の出番である。
 コップの中の黒に白い渦巻きができて、あっという間に色が変わる。ツンとした匂いも少し収まっただろうか。見た目が大きく変わった飲み物を口に含む。

 その瞬間の驚きは真っ先に友人>>40に向かう。そわそわと落ち着かない友人へ、急いで、しかしこてんとこけてしまわないように気をつけてコップを寄せた。
 持ち上げて口をつけるところを見つめる。ごくり、思わず自分までつばを飲み込んでしまいながら、反応をうかがって、]
(59) 2021/05/29(Sat) 6:56:24

【人】 にげん? グレザン


 だろう……!!

 そうだな、そのままでは苦いものを、
 自分のちからで完成させる……

 すべて含めて、“こーひー”なのかもしれない……!


[ 二本を小さく振って興奮を伝える。黒くて苦いものが、こんなに飲みやすくおいしい飲み物に変わった。だからこそ面白く、その変化にとても驚いた。最初からミルクやお砂糖が混ざっていては、この感動はなかっただろう。自分で足すというひと手間が大事なのだと思う。

 この体験は一度しかできないとても貴重なものだ。友人と一緒にメモにしっかり書き残す。自分でよりよいものに作り上げる楽しさ。ただ飲むだけじゃないとは、なんと奥が深いものだろう。
 きっと自分たちしか知らないことだ、と思うと誇らしげな気分になる。みんなにもしっかり教えてあげられるように記録しなければ。]
(60) 2021/05/29(Sat) 6:56:36

【人】 にげん? グレザン

[ コップを空っぽにして、たっぷりメモを書いた後は、いよいよ図書館での本探しが始まった。
 作戦は、手分けしてたくさん見て回りたい気持ちと、離れるのは心細い気持ち、二つの間をとったものだ。何かあればすぐに報告しようと決め、友人と一緒に本棚へと向かう。]


 ……どこから、見よう……


[ はー。思わず口も開きっぱなしでそんな声が出てしまうほど、図書館の本はたくさんあった。通路を挟んだ向こうの本棚では、友人>>44がうおおと声を上げている。わくわく状態でも声をおさえてるところはえらいと思う。

 こちらもぼけっとせずにきちんと探さなければならない。改めて本棚と向かい合った。]
(61) 2021/05/29(Sat) 6:56:48

【人】 にげん? グレザン


 いろいろありすぎる……


[ まずは“にげん”について置いてあるところを調べないと。目当ての場所はどこか、きょろきょろと見て回る。知らない名前の歴史の本、知らない名前の伝記の本。頭に入ってこないものを通り過ぎた後、“すてきな石の見分け方”とか、“おいしい草花とは”、なんてタイトルがあってちょっと気になって見てしまう。森で取れるやつが載ってたりしないだろうか。でもあとあと。

 どこかの棚には、“毎日いいことをしなさい”とか“みんなに優しくしなさい”みたいなタイトルの本が並んでいる場所もあった。ただその本の近くに“まわりを気にせず生きなさい”とか“優しい人の裏のヒミツ”なんて本もある。むむ。なんだかややこしいエリアだ。]
(62) 2021/05/29(Sat) 6:57:00

【人】 にげん? グレザン

[ そんな変なエリアを通り過ぎてやっと、“にげん”について並ぶ本棚に辿り着いた。目の高さの位置の本を試しに一冊、先っぽで引っかけて取ってみる。

 一冊目の表紙は文字だけだ。いつもと二本の使い方が難しいが、なんとかぺらっとめくってみると、中身は全部文字だらけで、しかも知らない言葉だらけだった。棚に戻して、何冊か離れたところの“体の仕組み”というやつを取ってみる。

 今度の表紙には、図書館の中にいる生き物と同じらしき絵がどどんと真ん中に描かれていた。丸も四角も全部同じ色なのはちょっと変わっているが、色を塗り忘れたのかもしれない。多分あっている。ちょっと中身をのぞくと、中身も絵がいっぱいだ。これは勉強になりそうだと確信する。]
(63) 2021/05/29(Sat) 6:57:17

【人】 にげん? グレザン


 これはよさそうだ。
 他にもいいのは……これか?

 ふぅん、文章はむずかしそうだが……
 絵はたくさんあるし、いいか。

 そっちはどう、 ――!!


[ と、本の物色をしながら友人の方を向いたとき。
 それはまさに本がぽろっと落ちてきた瞬間>>44だった。

 あ、と叫ぶよりも早く、友人の体がぷにぷにに戻る。本はぷにんと跳ね返って、そのままぷにっとキャッチされた。ふー。こちらも辺りを見回したが、近くには誰もいなかったようだ。大きく息を吐く。見つけた本たちを一本で抱えたまま、友人の方へと寄っていく。]
(64) 2021/05/29(Sat) 6:57:28

【人】 にげん? グレザン


 ふう……キャッチできてよかった。
 痛くなかったか?

 こっちはよさそうな本があった。
 一度、さっきの席に戻って読むのがいいだろう。


[ 落とさなくて済むしな、と笑う。一本で友人のてっぺんのもふもふに触れた。ねこよりも少しもさっとした毛は、ちゃんとさっきまでの“にげん”に戻っている。
 友人がもう少し選ぶのなら一緒にいいのを探して、高い場所にあるものを取る時は手伝うことにした。顔ひとつ分ぐらい一本を延長すると取るには楽である。“にげん”はしないのかもしれないが、友人しか見てないからセーフだということにしよう。

 選びぬいた本たちをほくほくとふたりで抱え、拠点である席へと戻っていった。]*
(65) 2021/05/29(Sat) 6:57:37

【人】 にげん? グレザン


 よし。
 ぶじ、本を何冊かえらんでこられた。

 ひとまず、別々の本を読んで……
 大事な部分を見つけたら、
 メモしたり、教えあったりしよう。


[ テーブルに本を積み、お互いに一冊ずつ目の前に置いた。やはりテーブルに置くと本は開きやすい。
 早速開くのは、最初に気になった“丸も四角も先っぽも全部同じ色”の絵が表紙にあった本だ。よく見ると頭のてっぺんのもふもふまで無かったし、手抜きなのだろうか。ちょっと気になりつつ、ぺらりとページをめくっていく。

 ぺらぺらぺらり。黙っていられたのは何ページかを読む間だけだった。ばっと顔を上げると、友人の体を先っぽでつんつんとつつく。]
(66) 2021/05/29(Sat) 6:57:45

【人】 にんげん? グレザン


 おい、これを見てくれ……

 “にげん”、いや、
 “
にんげん
”の“これ”は、
 からだの一部じゃないらしい……!


[ 自分の顔の下にある黒い部分に触れつつ、開いて示して見せるのは、“にんげん”の体を描いたページだ。目や口といった分かる部位、それ以外の知らない部位についても書いてあるが、今指し示しているのはそこじゃない。
 顔と先っぽだけじゃなく、てっぺんのもふもふ以外全部同じ色。これが“にんげん”の本当の姿であり、この色のついた部分は、あと付けのパーツらしいという事実だった。

 てっきり、ねこの毛やとりの羽みたいに。それぞれが最初から持っているものだと思っていた。そうじゃないのだ。]


 もし、はずせと言われたら、とても困るな……


[ 目の出っ張りに触れながら、むむとうなる。
 ぷにぷには変化ができる。しかしあくまで全部は体であるから、取り外しは一切できない。外せと言われないことを願わなければ、と、深刻そうな顔で、この重大な事実を伝えるのだった。]*
(67) 2021/05/29(Sat) 6:58:50
グレザンは、友人に親愛のぷに返しをした。ぷにぷにぷに。
(a1) 2021/05/30(Sun) 4:55:22

 




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