情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ “在校生の代表として是非壇上で送辞を”──── 勿論、二つ返事で其れを断った。 それどころか卒業式には出席すらしなかった。 同じ学部の生徒も、そうでない由緒正しき出の者達も、 何処へなりとも勝手に行ってしまえ……と、 半ばやさぐれた様な心持ちがあったのは間違いない。 皇帝家の世継ぎと云うだけで色目を使う人間ばかりで、 ずっと息苦しい想いをして来たのだから尚更に。] [ 秘められたもう一つの理由は、 『あるもの』の準備の為に忙しかったから。 放課の度に門を出て何処か遠くへ出掛け、 寮に帰らない日も何度かあった。 ] (78) 2020/11/27(Fri) 1:15:47 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ この日が卒業式であるとは知っていたから、 間に合わせる為にも選りすぐった駿馬を駆った。 陽が天頂を通り過ぎればなお道を急ぐ。 僅かな荷物と側近を連れての弾丸遠征は、 証書を手に校舎に別れを告げる生徒がちらほら現れる頃に 漸く目的地へと辿り着いた。 正門の外まで続くレッド・カーペットを踏み鳴らすのは 名残惜しそうな卒業式の靴音などではなく。 ────其れが青毛の雄馬の蹄だと知れば、 誰もが思わず其の背を目で追った。 ] (79) 2020/11/27(Fri) 1:16:02 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ 正門前で手綱を引いた側近達の静止の声を振り切って、 黒馬は花道を嘶きながら逆走して往き…… 花を抱えた少女の周囲を半周して止まった。>>34 ] お前に餞別を。 [「何故」や「どうして」を予てから突っ撥ねるように 頭上から一方的に告げながら。 跨っていた鞍からひらりと飛び降りれば、 豪華な刺繍の外套が大きく翻った。 長旅をするにはまだ肌寒い季節。 邪魔臭いと言わんばかりに巻いていたケープを放り出し、 自由になった懐から取り出したのは──── ] (80) 2020/11/27(Fri) 1:16:15 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ 刃渡り九寸にして何処までも精巧。 黒曜石を鍛え、破邪の印を刻んだ刀身は 見る者の顔が映り込む程に滑らかで、眩く。 其れを納める鞘もまたぴたりと填まる様に拵えられ、 腰に帯びれば如何なる者も騎士の佇まいに思える程。 ] [ 悪魔退散のルーンを懐く其れが意味する事を、 いつか結んだ 「約束」 を、貴女はどうしようもなく理解している筈。 ] (81) 2020/11/27(Fri) 1:16:44 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム東方の名高い鍛冶師に打たせた品だ。 俺の剣を造ったのも同じ刀派故にな、 云うなれば────……弟分の様なものか。 図体の割には恐ろしい程よく斬れる。 持っておけ。 ……道半ばで斃れられても困るからな。 [ いつもの様な皮肉的な笑みでありながら、 一抹の憂いが含まれていると思えたのなら…… 其れはきっと気の所為ではないのだろう。 ] ( これから歩む事になる未来を知っていれば、 祝いの言葉など上辺だとしても贈れるものか。 決して……言えるものか。 ) (82) 2020/11/27(Fri) 1:18:05 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ 野次馬が囃し立てる様な歓声を上げているのは、 贈り物に込められたメッセージを知らないから。 恋人同士だと度々噂される身でありながら、 相手を明確に異性として意識した事はなかった。 ……まだ。 遠くで抗議の声を上げる教師の声も、 正門前で立ち往生した儘の側近達の嘆きも何処吹く風。 今この時だけは、如何なる第三者の言葉も耳には入らず。 幸福だった筈の陽だまりから旅立って往く彼女に 最期に告げるのはひとつだけ。 ] いずれ互いの戦いに幕を引いた後、 運命の重なる処で“また”逢おう。 [ 彼女からの恩礼の品を一目見た時は、 その効用について思い当たる事などある筈がなかった。 病状も養護教諭の献身の甲斐あって、 いつかは快方へ向かうものだと思っていたから…… ]* (83) 2020/11/27(Fri) 1:21:11 |
【人】 帝王学部3年 ヴィルヘルム( 何時からだろう。 少しはまともな“甘え方”を覚えたのと、 其れを向けるべき相手が彼ではない事を 薄々感じ取る様になっていったのは。 ) (98) 2020/11/27(Fri) 4:15:33 |
【人】 帝王学部3年 ヴィルヘルム[ 保健室の隠されたドアを超えた先、 他者の視線も月光も通さない秘密の一室。 知る人も極僅かなその場所に重なる影が二つ。 ついて離れてを緩やかに繰り返すシルエットが ランプの不安定な灯りの対照方向に浮かんでいる。 ] [ 彼等が関係を持ったのは半年以上前のこと。 復讐鬼が見る悪夢は“渡る”には凄惨過ぎるから、 こうして肌を重ね、寄り添って眠る事で 其れを遠くへ追いやろうとしたのが始まり。 教員と生徒という間柄、学部寮へ招く訳にも行かず 夜這いを掛けるのはいつも此方から。 身体の空く夜を予め確かめて、 逢えなければベッドで無防備に横たわり彼を待つ。 ] (99) 2020/11/27(Fri) 4:16:09 |
【人】 帝王学部3年 ヴィルヘルム[ 新年度の慌ただしさが鳴りを潜め、 多少は穏やかな日々が続いていた故にか。 卒業式の日に受け取った手紙の話を 夢渡りが不意に言葉に零す夜があった。 差出人がよく知った卒業生であると聞けば、 内容を訊ねる事は到底憚られた。 読み終えた途端に燃え尽きたとなれば尚更。>>33 ] [ 託されたメッセージがどうであれ、 彼女が一体どんな想いで其れを出したのか。 想像は出来ても、測り知る事は出来ない……が。 これから戻れない路を往くと知っていて、 それでも尚伝えずにいられなかった時点で 其れが大きな感情を含んでいるのは明らかだ。 ────不思議と苛立ちの様な、胸の痛みの様な。 経験のない感覚に陥ったのをよく覚えている。 ] (100) 2020/11/27(Fri) 4:17:03 |
【人】 帝王学部3年 ヴィルヘルム[ 橙色の光に柔らかく照らされた肌に触れ、 少し伸びた髪を掻き上げながら唇を這わせた。 妨げになる細身のボトムスは脱ぎ去ってしまったから、 薄手のシャツだけが秘めた欲を瀬戸際で覆っている。 生白く伸びる素足は「青年」と呼ぶには僅かに不完全。 而して「おとな」の身体の上をなぞる指先が奏でる仕草は 学びの場には到底相応しくないもの。 成長期を厳しい鍛錬の中で過ごした肉体に 無駄な組織や器官など何一つないが、 それでいて華奢に見えるのは年齢由来なのだろう。 ────“彼女は今どうしているだろうね” 他者の名が挙がるのは、利害の一致からの関係故にか。 続けたくない話題には口を閉ざして下肢を押し付ける。 柔らかな素肌同士が擦れ合い、互いに小さな火を灯しても 気も漫ろと言った様子では赤獅子の機嫌を損ねるだけ。 ] (101) 2020/11/27(Fri) 4:17:54 |
【人】 帝王学部3年 ヴィルヘルム……彼奴の故郷も家柄も委細迄は知らん。 寧ろお前の方が通じているのではないか? [ 刺々しい声色で告げながら腰を前後に揺するのは、 飢えた雛が餌を強請るのに似ている。 薄く色付いた釁隙で熱を帯びた其の場所をなぞり上げ。 擡げた鋒を窄まりへ宛てがいながら後ろ手に触れれば、 視覚効果も相俟ってか、みるみる内に芯が鮮明になる。 見下ろしたかんばせに抗議の色が浮かんだように見えて、 唇が紡ぎかけたのを遮り、乱暴に腰を沈めてしまった。 ] (102) 2020/11/27(Fri) 4:19:01 |
【人】 帝王学部3年 ヴィルヘルム[ 既に学園を去った彼女の話題を懐かしむ事が出来ないのは、 苛立ちを先に覚えるのは、どうしてなのか。 ────自覚することはない。 先生は体温を分け合う事による安らぎも、 相手を穏やかな心地にさせる触れ方も教えてくれたが、 何処かがずれた儘に思えるのは何故なのか。 ────問い掛けることもない。 其れも其のはず、親が子に与える様な無償の愛は 齎す側の想いが永遠であったとしても、 受け取る者はいつか旅立っていくものだ。 名残惜しさはあっても、離れ難いとは思わない。 彼女の背が遠ざかって行った時覚えた痛みに 熱に酔った夜が明ける際の侘しさが勝ることもない。 今は未だ、明確な線引きにまでは至れないとしても。 ] (103) 2020/11/27(Fri) 4:19:53 |
【人】 帝王学部3年 ヴィルヘルム[ 優しく触れて欲しいと頼んだ事もなく、 心を持って接してくれとせがんだ事もない。 それなのに。 医療行為と呼ぶには施されたものが多く、 混乱に打ち震えた夜もあった程。 得たものは即物的に限らない他者への触れ方と、 運命の相手に向ける物とは言えない程度の思い遣り。 愛 を排除されて生まれた獅子は無知で、故にそれ以上を望むことはしなかった。 ]* (104) 2020/11/27(Fri) 4:26:46 |
【人】 幼獅子 ヴィルヘルム[ その書を開いたのは七つか八つの頃。 未来を切り拓く鍵として王宮で育てられ、 生活の殆どを鍛錬と勉学に費やして来た。 既に死の恐怖からは“切り離されて”いた世継ぎが 地下書庫に眠る莫大な量の書物に触れたがるのは 至極当然の道理で。 堆く積まれた韋編と犇めき合う書架の中から 其れを導き出してしまったのは必然だったのだろう。 ] (135) 2020/11/27(Fri) 17:07:42 |
【人】 幼獅子 ヴィルヘルム[ 分厚い書物を開く際、繊細な頁の末方が 幼い指先を掠めて赤い雫を創った。 古びた紙面に落ちた血の一滴は染みになったが、 丸く縁取られた痕は瞬く間に消える。 ] [ 揺らめく視界は黒い焔に依るものだと知れば、 薄暗い書庫はいつの間にか火輪に囲われていた。 己の鼓動だけが激しく時を刻む。 隔絶されたビジョンに浮かぶのは誰かの影。 頁から染み出す様に立ち昇った煙は 忽ち異形へと形を変える。 そうして獅子は不確かな牙を剥き出して問うた。 ] 「 貴様は仇を討ち滅ぼす力を欲する覇王か、 戦で遊びたいだけの愚者か? 」 (136) 2020/11/27(Fri) 17:08:10 |
【人】 幼獅子 ヴィルヘルム一、悪魔は術者に膨大な魔力を与える。 一、使命を果たすその日まで死の運命を回避する。 一、目的を終えた暁には術者の肉体を悪魔に譲り渡す。 一、王に相応しくない振る舞いがあればそれを戒め、 背いた場合には心臓の 死 [ 現状の情勢では諸侯が抱える兵力に到底叶わないと 幼ながらに理解していた皇子は力に手を伸ばした。 切り拓いた未来のその先など、元より見る心算は無く。 己が王として在るべきなのは革命の間だけだと、 躊躇も後ろめたさもなく密かに誓を結んだ。 頷き、その牙を受け容れた時 “ 誓い ” 彼の左胸には赤黒いシギルが刻まれた。 ] (138) 2020/11/27(Fri) 17:09:36 |
【人】 幼獅子 ヴィルヘルム[ ──── “一つ付け加えるのを忘れた” あらゆる教育を注ぎ込まれたその子供は、 あろう事か悪魔に「民の安寧」を誓わせた。 中身の挿げ替わった皇帝の肉体が老いて滅びるまで。 ] ( 生まれ落ちた事に意味を求めるならば、 今此処に“在る”事こそがそうだ。 我が身は応酬と栄光の象徴であり、 武力を損った弱き王に冠は「不要」。 ) [ 決断でなければ選択でもなく、 彼にとっては“貰えるものを貰っただけ”。 其れがどの様な痛みを齎そうとも甘んじて受ける。 戦争には必ず人手が要る。 独りだけの闘いで無いのなら責任が伴う。 故にこそ、路は元より「唯一つ」であると。 ] (140) 2020/11/27(Fri) 17:10:28 |
【人】 幼獅子 ヴィルヘルム[ 悪魔はそうして玉座を約束され、 皇子は使命を果たす事だけに尽力した。 休息の一切を取り払った幼少期は 常人には耐え難く、試練に満ちている。 それに耐えるのではなく、「通り過ぎ」続けた彼が 学徒として諸国情勢を探る為の社交性を叩き込まれるのは もう少し先の話。 自我が少しずつ発達する中で、 この生き様を「苦しい」とすら感じなくなったのは 定められたレールを息切れせずとも 悠々と走れる身体になったからなのか。 嗚呼、其れでも空虚すぎる彼の心は何時だって…… ] (141) 2020/11/27(Fri) 17:10:55 |
【人】 幼獅子 ヴィルヘルム充たされぬ。総てを取り戻す迄は。 Mehr. Bis alles erledigt ist. ( 臟の軋む痛み“だけならば”然したる問題でなかった。 )* (142) 2020/11/27(Fri) 17:12:50 |
【人】 熱望の胤裔 ヴィルヘルム( 俺が産まれたのは昏い 新 母は由緒正しき家系の長女だったそうだ。 何れ程神聖な血統であっても、 肉親を死に至らしめて誕生したこの己を 怪物の様に恐れるのも無理はない。 初めての邂逅の際に向けられた冷たい眼を 致し方無き事と割り切った其の瞬間、 心は軽くなった心地がした。 ) [ ……意味の無い、自己暗示でしかないとは未だ知らず。 ] (177) 2020/11/28(Sat) 0:45:30 |
【人】 熱望の胤裔 ヴィルヘルム[ どんな人間であっても情緒は存在する。 其れを歪める痛みや苦しみを受け取らないのは、 生じた傷に“見ない振り”を続けているのに過ぎない。 継母に愛を拒否されたその日から、 彼は自身の深層的な欲求と向き合う事を止めた。 愛されたいという子供の願いさえ放り捨て、 唯強いだけの皇帝を創る為の舞台に登ったのだった。 ]* (178) 2020/11/28(Sat) 0:46:01 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ 思春期の自我の芽生え。 視野の広がりと共に分別が付く程に、 他者の境遇を客観視出来る様に変わっていく。 あの学園に通ったのは無論学びの為でもあったが その主旨は外交上の都合によるものが大きかった。 剣術を以て、今は遠き民の心に革命を問い掛け 交流を以て、他国の細やかな情勢を探る。 ]( 戦とまるで縁のない国に身を置く者を見て、 何も想わない方が愚鈍の極みというものだ。 憧れがささやかな内に距離を置いた。 彼等を遠い世界の住人だと思う事にした。 小国ではあれど皇族であるという理由のみで 色目を使ってくるような貴族連中は山程居たから、 彼等を一絡げにして蔑むには丁度良かった…… ──── それなのに。 ) (179) 2020/11/28(Sat) 3:33:18 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム( お前は権威というものを馬の糞程度に罵って見せたが、 俺の肩書きを本気で貶める様な事は言わなかった。 かと言って媚びた視線や歯剥を向けることもなく、 叱咤するとすれば大抵が俺個人の人格についてだった。 目紛しい人間模様と 秘めようともしない欲求の奔流に揉まれる日々を 「息苦しい」とお前に表現した時から、 視界はやけに鮮明になった。 ) [ 苦悩に盲目過ぎたココロが僅かに緩まり、 彼女に話した内容こそが蓋をし続けた本心であると 自覚するには、凝り固まった時間が重たすぎる。 ] (180) 2020/11/28(Sat) 3:33:36 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ 強固な暗示を掛けられてきた期間に 並ぶ程度の時間を共に過ごせていたのなら、 彼の奥底に置き去られた無自覚な痛みはいつか解け、 弱音の吐き方を学べたのかも知れないが。 ] 今しがた帰還した処だったのだ。 道中で落盤に帰路を塞がれてしまってな。 だが既の所で間に合って何よりだ。 [ どれだけ引き伸ばしても、三年以上にはならない時間。 残り僅かな時計の砂が落ちれば、 運命は二人をそれぞれの闘いへと駆り立てるから。 漸く絞り出された短い台詞の隙間を埋める様に 他愛のない言葉を横たえた。>>128 ] (181) 2020/11/28(Sat) 3:33:57 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ 去り際には相応しくないからなのか、 普段の憎まれ口に油が注がれる事はなく。 代わりに寄越された感謝の言葉は彼女なりのものだろうが やけに擽ったく思えてしまう。 添えられた品が妖しげな小瓶でさえなければ、 ]彼等を切り取った景色はロマンスのワンシーンの様だ。 ……首席の薬学部から贈られるものとは、 嘸かし貴重な妙薬なのだろうな。 [ 伸ばしかけた腕を意図的に横切って、 ぐいと胸に押し付けられたものだから。 悪戯っぽく手首ごと掴んで其れを退けた後で、 空いた手で Gift を包み込む様にして取った。 ] (182) 2020/11/28(Sat) 3:34:16 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ 指先に包んで収めたままの小瓶の中身は、 頭上で散りゆく花の色に酷似している。 小さな桃色の一欠片が鼻先に乗ったものだから、 塞がった両手の代わりに首を軽く振った。 ] [ 毒薬であるという点のみではない。 茶化した様な台詞に秘められし血濡れた願いを 再び視線がかち合った瞬間に悟ってしまったのは、 彼女が態と残したピースのせいだ。 本当は、導き出せてしまう答と解っている癖に。 銃爪を先に引いた側が取り残されてしまうなら、 態々“幕引き”の約束を重ねるのは何故なのか。 ] [ 信じたくはない、一つの仮説が成り立ってしまう。 ] ( 武器によらぬ“討伐”を望むからには、 彼奴が考える様な事は一つだけだろう。 いっそこの剣の腕前に託しさえすれば、 一瞬で楽にしてやれると誓えたものを。 ……何故、今まで気付けなかった。 ) (183) 2020/11/28(Sat) 3:34:43 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ 死人に人殺しは完遂出来ないから、 差し詰め彼女の願いは時間差で■ぬ事なのだろう。 手折られることを望む訳は、 おくびにも出さなかった病状にあるだろうと推測する。 ] [ ともあれば理由を聞くことも出来ず、 気の利いた煽り文句で笑いを齎す事も叶わず 唯「大切にする」と返すのみ。 渡してやる 彼女が帰りの馬車に乗り込むまで並んで歩けば、 立ち止まる時間さえ恋しく思えた。 ] (184) 2020/11/28(Sat) 3:35:38 |
【人】 Revenger ヴィルヘルム[ ────最期の砂粒が落ち切った。>>132 ] 息災をとは言わん。 時折使い鳥を送ってやる! [ 飛び上がる馬車に向かって声を張り上げたのは、 慌てて再会の約束を確実にしようと考えたから。 幸いにも彼女の 寄香 は此処に一つ産まれたので、時間をかけたとしても手紙程度なら届けられるだろう。] [ 見上げたのは車輪の付いた箱体ではなく。 視線が逞しい脚の蹄を目で追っていたから、 “見えて”居ることは彼女にも伝わる筈だ。 馬車の中に姿を消す前の刹那に見たものは、 少年少女にしては重すぎる誓を込めた短剣。* ] (185) 2020/11/28(Sat) 3:36:10 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新