100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】
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| 嫌な予感がした。 席を立った男を追いかけたのはそんな理由だ。 なんか変なコトしてたらとっちめてやりましょ、だなんてシトゥラに声をかけて――― そうして、キエとトラヴィスの姿を見た。 その会話を、耳にした。 叫ぶと同時に、地を蹴った。 月明かりに照らされた舞台に土足で上がり込み、キエに伸ばされた白い手を掴む。 「なにしてんの、トラヴィス」 「なにを願ってんの、アンタ」 プルーは無干渉を辞めた。 プルーはいつも通りを、辞めた。 (@5) 2021/10/24(Sun) 17:15:09 |
「おいゲイザー聞こえているか!リーパーはどうなっている!?
話せるなら返事しろ!話せなくても返事しろっ!俺を無視するのは許さないぞ!」
きいきいきい。ぎゃんぎゃんぎゃん。
神経質そうな男が喚き散らしている。大変に喧しい。
貴方は何の問題もなく無視できるだろう。暫くの間男は喚いているが、無視し続ければそれもきっと止む筈だ。
| >>@6 シトゥラ 「いや殺すのはよしなさいよ止める意味無くなるじゃない……」 どうどうどう……と宥める。死は、死のため。 >>@7 お馬鹿! 「は?なによそれ。 アタシ達が、トラヴィスが一回舞台の上に戻ったからって見捨てると思ってんの?」 「舐めんじゃないっての。 アタシ達はねぇ、 アンタが トラヴィスだから一緒にいるの。オーケー? 得たもので多少トラヴィスが変わったとこで離れないわよ。 大体、そのぐらいの変化が許容できないプルー様だと思って?」 けどね。そう前置いて、女は笑みを消した。 「トラヴィスがトラヴィスでいる土台を削るってんなら、話は別」 貴方の手を握ったまま、女の赤は貴方の赤を見据える。 「……先は変えられるし、変わらない選択もできる。 けど、やってきた成果は無くそうと思っておいそれと消せるもんじゃないでしょ。 何があろうと、それがどんなものだろうと、その道を歩いてきたから アンタが今いるの。 それを忘れたらアタシ達の前からアタシ達の知るトラヴィスが消えるってコト、わかってんの?」 (@8) 2021/10/24(Sun) 18:55:57 |
| >>@9「じゃ、これから覚えていきなさい!」 女は、目の前の男が既になにかを欠いていると知らない。 女は、いつか貴方の変化に気付く事もあるだろう。 けど、それは今ではない。 「トラヴィスが望むなら、そのままでいいの。 トラヴィスが望むなら、少しずつ変わってもいいの」 言葉は常のようにはっきりと。 眼差しはまっすぐに貴方を見据える。 「知りたい?なら聞きなさい。 信じたい?なら信じなさい。 アタシ達が、居なくなれば? はん!今のトラヴィスにはしてあげないわ。 意地でも離れてあげないんだから!」 固く手を握る。 手放さないと、行動で示す。 「間違いも間違い、大間違いよ。 あのねぇ、トラヴィスにはアタシ達がいるでしょーが。 悩んだなら、相談して助けを求めなさいな。 アタシ達、トラヴィスが寂しくないようにするだけじゃなくて、そういう話をする事だってできんのよ。知ってた?」 そう笑って、空いている手で頬に触れた。 濡れてしまったなら、そっと指で拭っただろう。 (@10) 2021/10/24(Sun) 20:39:02 |
| >>@11謝罪の言葉と、礼を聞いた。 にっと女は笑う。 「いいって事よ。結果的に間に合ったし、問題なし!」 過去も今も未来も、全部飲み込んで。 そうしてやり直せばいい。 此処ではそれができる。此処なら、何度だって。 「ふふん。ちゃーんと掴んでエスコートしてあげる。 だから、アタシとシトゥラから目を離しちゃダメだからね!」 特にアタシ、目を離したら何するかわからないわよ? そんな事を言って、女は笑う。 ―――視線が噛み合う。 刹那の間でも、女の赤はしかと貴方を捉えただろう。 視線が外れれば、引っ張ってきたもうひとり。シトゥラへと視線を移す。 ……先ほどまでだいぶ物騒な事を言っていたけれど、大丈夫かしら? (@14) 2021/10/24(Sun) 22:13:36 |
| >>@19 >>@20 >>@21「なんでそこで殺すとか殺されるとかそういう物騒なワードが出てくんのよぅ」 なんでだろうね。 しかもまだ隠し事がある雰囲気だ。なんでよぅ。 (@23) 2021/10/25(Mon) 1:22:48 |
| 「……ま、いっか」
思考を一旦放棄した。 空けられた場所にするりと入る。 プルーにとってはここが、今の居場所。
「アタシを選ぶなんてお目が高いじゃない。 退屈しない毎日にしてあげる」
背に回した手に力がこもる。
「だから、アタシ達の事もちゃんと見ててよね」
舞台の上から。観客席から。 見えるものが、立ち位置が違っても。
目を向けてくれれば嬉しい。 言葉を交わせたら嬉しい。 いつも通りでもそうじゃなくても。 そうできればそれで、女は満足だった。 (@24) 2021/10/25(Mon) 1:24:00 |
「わ、わぁわぁわぁわぁ!」
ゲイザーは思わず声を
あの、頭がわななくような不思議な感覚。
共鳴による力。──久々だった。ミズガネの声だ。
「……ミズガネさん……っ!
ごめんなさい、あたし、あなたを──」
首を振る。まずは質問に答えよう。
「あ、あたしですっ。ゲイザーもリーパーも、ここにいますっ。
あたしたち、ひとつになったんです!」
「ひとつに……?」
首を傾げる。原理などはよく分からないけれど、貴方が無事ならばそれでいい。
「そうか。……お前は大丈夫なんだな?喧嘩とかしてな……ああ、いや。喧嘩の一つや二つくらいはするか。ともかく問題がないのなら構わない」
続いて、貴方が口にしようとした言葉を拾い上げる。
「……それで、ゲイザー。謝ることはない。お前がやった訳じゃないんだろう。死ぬほど痛くて辛くて苦しくてたまらなく怖かったからリーパーに恨み言は言ってやりたいがな」
苦しかった事を我慢せず言ってしまうあたり、男はやっぱりだめだめなのかも。
「…………それでも、もし申し訳ないと思うのなら。お前とリーパーの事を教えてくれ。二人はどういう人物なのか知りたいんだ」
「ハッ! オマエのはらわた、
死人みたいに冷たくて……もごごご」
「す、すみませんっ!! まだうまく、
お互いの人格が馴染んでいないみたいです」
喧嘩はしているようだけれど。
なんとかうまくやっていけてるのは、きっと伝わるだろう。
これで大団円のハッピーエンドという程、
話は簡単では無いのだけれど。
何せ、元・殺人鬼だ。 ⇒
「それじゃあ。
あ、……改めて、自己紹介をしますね」
「気弱で、すぐにいじめられちゃってたあたし、ゲイザーと。
何も言い返せないあたしに代わって、
怒ってくれた──話を聞いてくれていた『リーパー様!』」
「それが、あたし達です」 ⇒
「今までは、あたし、
リーパーの存在が認識できなかった」
『ひひひ、こいつ全然気づかねえんだぜ!
夜な夜な人間を殺して回ってたのにさあ……。
もごごご。もうしない、もうしないって!』
「──でも。こんなふうに、
お互い意思疎通できるようになったんです」 ⇒
「こうなったのは、べつに大した理由じゃない。
過去に特別なトラウマがあった訳でも無くて。
……ただ、いじめられっ子のあたしは、
お友達が欲しかったから」
『でもさァこいつ、オレが世話焼いてやったのに
年取ったらオレの存在忘れやがった!』
『だから、ムカついて仕方なくって、
オレは殺人鬼になったんだ。
人間の腹を裂いて、ウサ晴らしてた!』
『オレ、まだ許して無ェかんな!』
『……ま、ちょっとはマシになったけどな、アイツも。
何か、ずっと”怒る”役目だったけど。
役目なんかなくても、居て良いって、あのノロマが』 ⇒
長い長い話を滔々と語り、少女はこう締めくくる。
「……あたし達については、これで良いでしょうか。
えへへ、あたし達。少しだけ、大人になったんですよっ」
⇒
「──ね、あたし知ってます。
あなたが、ゲイザーを助けてようとしてくれたこと。
リーパーに、為さなければならない報いを与えようとしたこと」
「ずっと、……あなたと話したかった」
「ありがとう」
『え、これオレも言った方がいいやつ?』
『ぜってー言わねー!』 ⇒
「……何か、あなたにお礼がしたいんです。
あなた、ずっとあたしのこと心配してくれたから」
「…………」
「ば、『晩酌』……。
お付き合いしたほうが良いですか……っ?」
結局純潔のままだった少女は、
声を上ずらせて尋ねて来る。
けれどきっと、もうそれはあなたには必要ないことだ。
長い長い話を、しっかりと受け止めて。
「……リーパー、お前も寂しかったんだな。
お前の痛み、ちょっとだけ分かるかもしれない」
ぽつり、呟く。
「ああでも、意思疎通ができて、大人になれて、本当によかったと思う。リーパーも寂しくなくなるだろうし、ゲイザーも親身に寄り添ってくれる奴と再会できた。安心したよ」
ありがとうと言われると、照れくさいのかちょっとだけ帽子を直すふりをした。
「どういたしまして。放っておけるはずがなかったからな。ゲイザーはドジでおっちょこちょいだが、人一倍一生懸命だ。悲しい目に遭うなんて俺が許さない。許したくない」
男はどこか、重ねていたのだ。
失敗ばかりの少女と自分を。
でも、決定的に違う部分がある。頑張り屋さんな部分だ。
だから重ねていたけれど、決して同じではない貴方に憧れてもいた。
そんな貴方の断末魔を、いったいどうして無視できるというのだろう?
本当はそんな理由もあったけれど、照れくさかったので心の奥にしまっておいた。
▽
『晩酌』の話になると、男はくすりと小さく笑みをこぼす。
「……それなんだがな、ゲイザー。『晩酌』はしないことにした。色んな酒と女に溺れて逃げる事はやめたよ。
そうしなくてもいい、互いに支え合える大事な人と出会えたから」
穏やかな声でそう紡いで、「でも」とさらに言葉を重ねる。
「お前と、そしてリーパーとまたお茶会はしたいな。純粋にお菓子とお茶を楽しんで、とりとめもない話をしたい。
お前が焼いてくれたドライフルーツ入りのパイ、とても美味かったんだ」
| >>修羅場 女はされるがままだっただろう。 腕に力が篭ろうと、抜け出そうとはせずに静かに――― 「痛い痛いトラヴィスちょっと物理的に胸が苦しいし潰れる」 いつも通り煩かった。 なんでこんなに修羅場なのよぅ……の顔。 でも、シトゥラの言う事もわかりはするのだ。 いやごめん人殺したってのはちょっとよくわからないし聞き間違えたのかもしれない。なんて?? ……まぁ、その辺りはひとまず横に置いておく。 詳しく聞いていたら折角の夜が再び明けてしまいそうだったから。 → (@47) 2021/10/27(Wed) 0:27:33 |
| 「……アタシの結論はもう出しているけど、説明、後でちゃんと聞くわ。シトゥラの話も合わせてね。 今聞かなくても、この状況でシトゥラが許せない気持ちになる事は……アタシはこうするけど、理解はできるもの」
シトゥラが一度手を離すのなら……いや、そうでなくても。 プルーはトラヴィスを掴んでいる。 今、目を離したら消えてしまいそうなのはこちらだと判断した。
落ち着いたと判断すれば、女はシトゥラへ話を聞きに行くだろう。 説明と、貴方の話を聞きに。 貴方の気持ちと感情を整理するために。
→ (@48) 2021/10/27(Wed) 0:28:10 |
| 言葉 と、離された腕に。 大丈夫かしら?と一度だけ見上げて、一歩下がる。 「あらあら?そんな事言っちゃって大丈夫?アタシ、とびっきりのを期待しちゃうわよ? いつもみたいにクローバーで誤魔化されたりはしないんだからねっ!」 ふふんと笑う喧しい女はいつも通りだ。 三人の間に流れる空気はまだいつも通りじゃないけれど。 たぶん、話してぶつかって、吐き出せば新しいいつも通りができるのだと、女は思う。 ならなければ? ……頑張って作るしかないわね! 「食事はトラヴィスが用意してくれるんでしょ? なら、アタシは飲み物でも貰ってこようかしら。 シトゥラは……ストレスが大丈夫になったら言ってちょうだい!できれば夜の内に!」 無茶を言う程度に、離れようとすれば手を掴みに行く程度に。 女は貴方達に甘えている。我儘を言えると思っている。 肯定の言葉がひとつでも返ってくれば、女はバビュンっと調達に行くだろう。 時間はたくさんあるけれど、夜はそう長くはないから。 (@49) 2021/10/27(Wed) 0:43:17 |
その声色にゲイザーは、”まるで憑き物が落ちたみたい”と思った。
同時に、”今のあたしたちの関係のほうが、きっといい”という、
曖昧な印象も。
「あなたってひとは」
「年頃の女の子の、純潔を奪おうとして置いて」
その癖、幾らでも代わりのいる筈の下女を心底心配してしまう。
照れ隠しのような仕草に、ゲイザーはくすりと笑った。
ねえ、あたし。
あなたになら、初めてをあげてもいいと思っていたんですよ。
「ほんとう、憎み切れない、ろくでなし」 ⇒
「良いですよっ。あたし、暫くこの館にいますし。
そう、あたしっ。
お手伝いじゃなくて、正式に雇用されたんですっ」
だからこそ、何度でも次はあるのだ。
ゲイザーは贖罪をする必要が有る。
しばらくこの夢から覚めることはできない。
……けれど、どうやら退屈はしなさそうだ。 ⇒
「だから『お誘い』は、いつでも。
あたしももっと、あなたのこと知りたいから。
どうでもいいことをお話しましょう」
「……茶飲み友達して、ね?」
ゲイザーは大人になって、少しだけ悪戯ができるようになった。
『えっ!? オレこいつと茶飲むのなんかゼッタイイヤだぜ。
あとジュースがいい!』
あまのじゃくの騒々しい一声と共に、ゲイザーは通信を切る。
きっと、この通信を使うのは最後になるという予感があった。
だって、普通に顔を合わせればいいのだから。 ⇒
日の光が降り注ぐ、中庭に隣接した通路で、
ゲイザーとリーパーは”そのあと”の話をしていた。
『あっっっっりえねえ!!
オマエ、けっこうアイツのこと”イイ!”って思ってたんだろ。
知らんやつに取られて、それで良いわけ!?』
「良いわ。……だからこそ、良いの。
あたしは、あのひとに光を掴んでほしい。
いつも酒に溺れて、誰でもいいから女のひとに助けを求めて。
そんなあのひとが、あんなに穏やかな声色で言ったんだもの。
あのひとを”悲しい目”から引き揚げてくれるのは、
きっとそのひとだわ」
「相手が誰だって、あたしは祝福する」
「ああ、でも。──優しい人が良いわ!」
ゲイザーは日の光を眺めて、笑っていた。
『はーぁ。オマエ、マジで救いようのないバカだよな』
『ちょっとは分かるけどさ』
これはきっと、二人だけにしか聞こえない内緒話。
さあ、今日はどんなパイを焼こうか。
リーパーは、館の協力者の役目を終えた。
誰かを襲う画策をすることもない。
館の魔力によるこの声も、もう届くことはない。
それにリーパーはべつに、キエのことを
特別だともなんとも思っちゃいない。
これは、刹那の繋がりだ。
だから、別れを告げなければ。 ⇒
「ようキエ! まだこれ、聞こえてるか?
いやあ、オマエには世話になったな。
オマエが居なければ、あんな謎は作れなかった」
⇒
「それに何より、オマエには恩が有る。
あの時は、オレが”下”だったんだ。
オレは副人格だった。
棄てられて、なかったことにされて。
認識すらされなくて」
「……だからひとときでも
あいつの躰を奪ってやれたのはスカっとしたぜ!
それに、あのお陰で今みたいに対等になったんだし。
何より、ゲイザーのあの顔! あの悲鳴!
」
「でもオマエやっぱムカつくわ」
「いつだって人を食ったようなツラしてさ。
オレは誰のいいなりにだってなりたくない!」
「そういやオマエ、最初は探偵だって名乗ってたよな。笑える!」
「……じゃあ、待宵館殺人事件はこれでおしまい。
オチは探偵と犯人の結託による完全犯罪だ。
陳腐で、趣味の悪い、最高のミステリー!」
「でも、それは今回だけのこと」
「次回は敵になるな?」
「捕まえてみろよ、インチキ探偵!」
さよならなんて素直な言葉、言ってやらない。
リーパーはリーパーらしく。
最後に行ってやるのは捨て台詞。
もう殺人なんてする気はないのだけれど。
統べる者に歯向かうのが愚かな殺人鬼の最後の矜持だ。
……さて、気に入ってくれただろうか、あなたは。
さあ、ご感想は?
キエは人を夢で判断する。どんな夢が実るか、実りそうな場所か。その尺度しか持っていない。
……矢張りキエも、リーパーの事を何ら特別視していない。尤も其れは貴方に限った事ではなく、人間全てに対してだが。
「君達の刻も動き出した様で何よりさ。其れを僕のお陰だと気付けたのも有難いねェ。
此れで君達を食えていれば、文句無しのハッピーエンドだったんだけどなァ?」
乾いた笑みがありありと思い浮かぶ様な声色が届く。
キエの言葉が真意である事は、刹那といえど共犯者と成った貴方なら判る筈だ。
「しかし、だが────次回は敵にも味方にもなってやらないさ。僕ァ舞台をスポットライトの上から見下ろすのが好きなんでね。
もし君が再び舞台に立つ事があれば、僕は何処まででも照らし続けてあげよう」
さよならなんて人間じみた言葉は、考えもしていない。
死が夢を別つまで、キエは人の中に在り続ける。
人が夢に向かって歩き続ける限り、“キエ”で在り続ける事ができる。
「其の時は、きっと
また
」
「陳腐で、趣味の悪い、最高の
ミステリーを見せておくれよ」
「
そう思っていることに、変わりはないんだよな
」
テラは今此処に存在しているつもりでも、
それは“つもり”なだけで、テラの実在は不確定だった。
不透明な君達は、疑いようもなく当然存在しているもので。
影響を及ぼそうと思えば及ぼせるけど、
及ぼそうと思わなかったら及ぼせない。
「
テラは本当に存在しているの?、なんて思うのはおかしくないだろ?
」
こんなに、テラにとって都合の良い、夢みたいなことなんて
何かの奇跡だとかそういったものの類で。
今のこの、見てもらえた聞いてもらえたっていうのが
夜が明けた後もずっと続くだなんて保障はなくって。
この待宵館に、月がこうしてのぼるから。
それは、テラなんかよりもずっと強大な力を持っているものだから。
だからテラも、夢じゃないけど夢を見られていたのさ。
そう思った方が、望む通りにいかなった時の落胆は少なくて済むだろう?
「
テラはそう言うから、テラにとってはそれが事実さ
」
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