人狼物語 三日月国


52 【ペアソロRP】<UN>SELFISH【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


 
[ 呆けていれば、どこからか
  靴音が響く音が聞こえた。

  音のする方へ視線を向ければ
  扉の向こうから姿を現す男がひとり。]


   お、お前は……!


[ それは気を失う前
  己に地獄のような苦しみを与えた者。

  見れば、着衣のあちこちが赤黒く汚れており
  思わずその不気味さに背筋を戦慄かせた。

  一人分の血だけでここまで着衣が
  血に塗れるとは思えなかったからだ]
 

 
[ そんな時、ふと頭に過る、
  つい先ほどの出来事の記憶。

  全身に脂汗が浮かび、顔が強張る。

  何故自分は殺されていないのだろう。
  何の為にこんな身体にされたのだろう。

  男に対して疑問が次々と湧く。

  奴は、魔王と呼ばれた
  人々に恐れられている存在。

  ────その男が、何の為に?


  思案を巡らせていれば、
  男の口から告げられた言葉。

  その内容に思わずチッと舌を鳴らした。

  改めて、自分が仕事に、盗みに失敗したと
  そう思わされたからだった]
 

 
[ 機嫌よさそうな姿は己の神経を逆なでするもの。

  短剣が手元にあれば、すぐにでも
  その首を掻き切ろうとしただろう。


  続いて告げられた言葉に
  納得できないという表情を浮かべて

  無理やり顔を上げさせられながらも
  三白眼を男の顔に向けたまま]


   はっ……悪い、だと?


[ 不機嫌そうな、敵意剥き出しの声音で言葉を発し]


   人の家に侵入して何が悪いんだ。
   金目の物を盗む為なら仕方のない事だろう?


[ 悪びれもせずにそう告げた。

  侵入した事も、盗もうとした事も
  己にとって何ら悪いものだとは思っていない]
 

 
[ 何故なら、そうしなければ
  自分は生きてこれなかったからだ。

  失敗して捕まればどんな目に遭わされるか
  そんな事はとっくのとうに分かっていた。

  実際に盗みに入って失敗して
  死にかけた事だって何度もあった。

  けれども、それを止めるなんて
  そんな選択肢は最初から存在しない。

  身寄りのない人間に
  手を差し伸べてくれる人間など
  何処にもいない。

  とにかく、生きていく為───それが全てであった]
 

 
[ 他の連中の事など元より興味はない。

  最初から、何かあった時の為の
  囮のようなものであった。

  それよりも、言い聞かせるよう
  告げられた言葉の内容に]


   このっ……悪趣味め…!


[ 悪態を吐く。


   
( 女で、奴隷で、道具? 冗談じゃない。

       
誰が、お前なんかに…───! )



  両脚の間に落とされた男の足を
  右手を剣のように横に振り
  力づくで無理矢理退かす。

  そうして、すぐに台から降りれば両手で
  下着とズボンを引き上げて。

  地下室から脱出しようと
  脇目も振らず扉へと向かっただろう]
 

 
[ そのまま扉を無事に開ける事が叶ったなら
  急いで階段を上ろうと足を前へと伸ばす。


  けれども、身体が以前と違う事に
  慣れていないせいだったのか。

  足先が階段の段差に引っ掛かり
  身体が一瞬宙に浮く。


  しまったと、小さく零した───その直後。

  勢いよくうつ伏せの姿勢で
  階段の上へと倒れ伏しただろう]*
 



 おぅ、吠えるねぇ。
 まったくもって盗っ人猛々しいとはこの事だ。


[盗みを働いて何が悪いと
こちらを睨む眼差しと目が合う。

なるほどこいつは思った以上に野良犬で
骨がありそうだと、俺様の笑みはより深くなり。


──鳴かせて、みたくなったのだ]

[ところがどっこい、
下心満載で伸ばした俺様の手は
見事に跳ね除けられる事となる]


 ッ、な……!


[くっそ、腐っても剣士と言うべきか。

細身ながらも程よく筋肉の着いた
しなやかな体捌きは顕在で。

やべぇと思う間もなく、足をすくわれ押し返される。


これでも魔術師ん中じゃ
鍛えてる方なんだがなぁ……!

そう、内心で毒付きながらも
俺様は反対の腕をガントレットの宝石へと伸ばし。

その中に、指を沈めた]

[けれどまぁ、その必要も無かったのか。

──もしくは俺の指先が、
彼女の"足"に触れたのか。

アシュレイちゃんは階段に足をひっかけ、
盛大にすっ転んだのだった。

いや、痛そうだな!?]


 やれやれ……

 逃げられるとでも?


[首筋をこきこきと鳴らしながら、
近付いていく。

ゆっくりと歩みをすすめながら
少しばかりネタバラシと洒落込もうか]



 簡単に言うとだな、
 お前さんの"本体"はこっちにあんだよ。

 つまり、感覚を共有してるこいつを弄れば
 ……こんな事もできるワケだ。


[宝石の中には、まるで人形の様に力を失った
全裸のアシュレイ青年が浮かんでいた。

こん中は言うなれば異空間になっていてだな。
魔力を籠めた指先でこう、ぎゅっと片脚を捻れば。


目の前のアシュレイちゃんの片脚もまた、
あらぬ方向に捻り曲がって。


いやぁ、
痛みの共有
ってのは辛いねぇ?]

[とは言え、また近付き過ぎて
手痛い反撃を食らっちゃ堪らない。

さっき手刀を喰らった部分が
まだいてぇんだよおい。
おっさん舐めんな……!

足を留め、壁に走った魔法陣に手を付き
ちょっとした指示を出す。

      ・・
……そろそろ食事も終わった頃だろう]


 なに、悪い事は言わん。
 一つばかり手伝って欲しい事があるだけっつかな。

 ───アシュレイちゃんにはさ、
 とあるダンジョンを攻略して欲しいんだよねぇ。


[そんな風に、こちらの要件を伝えるそのうちに]

[荒々しい足音が、階上から響いてくる。

石造りの階段を踏み鳴らすその音は、
一つ、二つ……いや、四匹分程だっただろうか]


 おっ、早かったな。
 お疲れちゃんっと。


[丁度アシュレイちゃんを間に挟む形で、
やって来たオーク達に手の平を振る。

もちろん、爽やかな挨拶が返って来るハズも無く。

こいつら基本的に、欲望でしか生きて無いからなー。

時は朝方。
たっぷりの睡眠を取って睡眠欲はばっちり。
そしてぴちぴちの死体を喰って、食欲もばっちり。

ならまぁ、残るは……]



 なーなー、アシュレイちゃんさー。

 意地はらないで、
 "助けて下さいご主人様。何でも言う事聞きますぅ"って
 俺の靴舐めろよ。

 そしたら助けてやらない事もないよー?


[実験台に腰を下ろし、組んだ足を揺らしながら。

俺は目の前の饗宴を特等席で愉しんでいた。


動きは鈍いが体力と精力だけは有り余ってる
二足歩行の豚型モンスター、オーク。
ちいとばかりオツムも足りないせいで、
未だ二匹は階段に挟まってつっかえてるが……

先頭の二匹は、目の前の美味しそうな雌に群がって。

バキバキに怒張を勃起させながら、
邪魔な着衣を引き千切り、上から伸し掛かり
押さえ付けようとしてやがってなぁ。

血に塗れたその口元からは、ブヒブヒとくっせぇ息と
興奮からか止め処もなく唾液が垂れて。
床とアシュレイちゃんを汚すのだった*]

【人】 帝国新聞  



  「祝い事でしたら、月の綺麗な日が良いでしょう。」
  寡黙な女が唯一零した要望はたったのそれだけ。
  叶えない理由が皆無、二つ返事で日取りは決まる。

  楽団が賑やかな曲を奏でる中で、
  王族や貴族、司祭、彼らに仕える騎士までもが
  平民たちから搾り取った税で作られた祝い酒を浴びていた。
  今宵は無礼講だと言わんばかりの宴の中でも女は座った儘、
  料理も酒も、一口も口にすることも無く一点を見つめていた。

       「宴の後、私の部屋へ来るように。」

  美酒に酔いしれた王が耳元で告げた言葉は
  城内に響くことこそないが、誰もが気づいていただろう。
  常日頃から彼女に触れる手つきが粘り気を帯び、
  下心が隠せていない有様なのは周知の事実だったのだから。

        かの王の目当ては女研究者の身体である、と。


 
(17) 2020/12/02(Wed) 2:36:15

【人】 帝国新聞  



  「王城 
に染まる
   王族貴族含め城内■■■人全てが死体で発見
             祝賀会の後の犯行か?」

         「件の女研究者 姿見当たらず」


  首都機能を失くした帝国は混乱の一途を辿っていた。
  その国の名のみを抱えた新聞が少ない情報を知らせている。
  いつしか独裁国家でまとめられていた地は細かに分裂し、
  小さな田舎町が転々と存在する独立区域へ姿を変えた。

  獣化人間による最強の戦争大国は、
  あっけなくその幕を下ろしてしまったのである。


 
(26) 2020/12/02(Wed) 2:39:34

【人】 亡国の歴史書  



  一夜の内に起きた悲惨な大量殺戮事件。
  一部の遺体は獣に食い荒らされたようにぼろぼろで
  形さえも判別できない有様だったという。

  滅びた筈の月光病患者の悪夢を呼び戻したようだと
  どこかの誰かは例えたのだというが、
  何れ人々はこの出来事に名前を付けた。

                   
リヴァイアサン

              ──────
לִויָתָן


  この国の終焉を知らせる獣の仕業だったのだろう、と。*


 
(27) 2020/12/02(Wed) 2:41:32



            
私を■してくれないか

    
(どうか…………私にあたたかな眠りを)



 

 
[ 服越しに伝わってくる床の温度は冷たい。

  ああ、失敗したと歯噛みしつつ
  起き上がろうとすれば、後ろから投げ掛けられる声。

  本体? 感覚の共有?
  一体何の事だと顔だけ向ければ

  突然片脚に何かが触れるのを
  感じた────次の瞬間。

  ボキリ、という鈍い音が響く。
  次いで脚に走る強烈な痛み]


   っ! あ、ああああああああっ──!


[ 脚が折れたのだろうか。
  そのあまりの痛みに
  我を忘れて叫び声を上げたのだった]
 

 

   く……う、ぅ……。


[ 彼の指先が宝石の中から離れた後も
  呻き声を上げて床に倒れ伏せたまま。

  奥歯を噛み、痛みに堪えていれば、
  男の意外な申し出が耳に飛び込んできた。]


   て、手伝い、…だ、と……!?
   なんで、お、れ…が……。

   じ、自分で……行けば、いいだろ……。


[ 何故自分に頼むのか。魔王と呼ばれた男が。

  こんな目に遭わされて、さらに仕事の手伝いまで
  しなければならないだなんて。

  冗談ではなかった]
 

 
[ そんな時の事。

  何かが地上から降りてくる
  騒々しい足音が階上から響いてきた。

  苦労しながらも、上体だけ起こし
  様子見をしていれば扉から姿を見せたのは
  数匹のオークたち。


  早かったとは、一体何をしていたのだろう。

  そんな事を思っていれば
  彼らの視線がふいに、男から此方に向く。

  鼻から荒く吐息を漏らす怪物たち。
  此方に注がれる視線は尋常ならざるものであった]
 

 
[ 背筋にぞくりとしたものが走る。

  二匹がこちらに襲い掛かってくる。

  成す術もなく着衣が引き千切られ、
  一匹のオークに床へと押さえつけられる]


   くっ……なめるなっ!


[ 股間の盛り上がった部分を
  渾身の力を込め蹴り上げる。

  そうしてオークが怯んだ、その瞬間。
  腕を伸ばし両目に指を突き刺した。

  ぐちゅり、と球状の物体に指先が刺さり
  ゼリー状の生温かい感触が伝わってくる。

  目を潰した後、すぐに指を抜いて
  腹を思い切り蹴っては突き飛ばして。

  腕を床に突いてはバク転。

  実験台まで後退するのであった]
 

 

   っ……く、くそ……。


[ 扉近くに目を向ければ
  全部で四匹いるのが確認できた。

  一匹は視界を潰したとて、残り三体は健在。

  片脚が自由に動かせない今
  どう考えでも分が悪い。

  脂汗が全身に湧き出す。
  段々片脚の感覚がなくなってきた。

  せめて短剣か、
  武器になるものさえあればと思うものの、
  残念ながら周囲に目を走らせても
  見つかりそうにはなく。

  最早万事休すか]
 

 

   
( これは罰なのだろうか )



[ 一瞬頭に過るのは、ある少女の姿。
  次いで、その顔が絶望に染まる光景。

  頭を横に振り、浮かんだものを掻き消す。


  何にせよ、他に手はない以上
  選ぶ手は一つだけか。

  そう悩んでいる間にも
  オークたちは此方に距離を詰めてくる。
  もう迷ってる暇はない]
 

 
[ 一瞬目を閉じ、くそっと毒吐く。

  それから実験台の上に腰を下ろした男に
  視線を向けて、台に手を突き頭を下げながら]


   た……何でも言う事聞くから……
   助けて、ください、……ご主人様。


[ そう言って、彼の靴に口を寄せただろう]*
 



 それがさぁ、だめなんだよなぁ、男じゃ。

 まぁ、俺様も高みの見物───…
 兼、サポートで着いてってやるから。 


[未だアシュレイの片脚を
宝石越しに圧し折った感触が残る指先を
ちっちっちと左右に振って。

そりゃ自分で行けるなら行っていると
言外にそのダンジョンの高難易度さを
チラつかせたりしたのだった。

まぁ、あそこはなー。
色々やっべぇからなぁ……]

[そんなこんなの後に
よばれてとびでたオークちゃん達。

目の前に匂い立つような雌が転がってりゃ、
そりゃあ、奴らにとっちゃいただきますってなもんだよなぁ。

そんでアシュレイちゃんといえば
片脚も負傷した状態で、多勢に無勢。

はー……
せっかくの初物が豚の餌食かって、
ちぃとばかし勿体ねぇなぁと見てたんだが]


 ……うっあ、痛そ……


[伸縮性のある黒のインナーが
オークの指の形に引き千切れ。

肌色の面積を大幅に増やした肢体が
冷たい床になすすべもなく貼り付けにされた────

と、思いきやだ。

大事な部分を蹴り飛ばされ、
オークの濁声が地下研究室に響き渡る]

[それからは見事なもので、
躊躇の無い目潰しは完全に豚の視界を奪い。

もう一匹をも怯ませる事に成功したのだった。

いやそりゃ片割れが上下の玉潰されたの見りゃ
縮み上がるってなもんだよなぁ……


とはいえ、それでビビらんのが
肉欲獣人の怖えところとゆーか。

「この雌犯す」が「犯して殺して食う」に変わった分、
状況は悪化したとも言えて]


 さぁて、どうする?

 絶体絶命だなぁ……?


[実験台に腰掛けたまま、
口元に張り付いたにやにや笑いと共に問いかければ]



 おーけー、奴隷ちゃん。

 変なプライドより最善手を取れるトコ、
 プロって感じで好感が持てるねぇ。


[あの時何を思い描いたのか。

首を振るアシュレイの一瞬の表情の変化の
所以までは分からなかったものの……

生きる為に、なんだってやってきた男という
当初の見込みは間違っていなかったとみえる。


つーかそういう兄ちゃんを屈服させるのが、
何より愉しいんだよなぁ。
ゾクゾクする顔で見上げやがって]



 そんじゃ、ご主人様の偉業をとくとご覧あれっと。


[革靴の爪先を
アシュレイちゃんの口元に押し付けながら。

実験台に下ろした両掌に魔力を込める]


 
……帰し返し、現せ姿を。



[呟く様に唱えれば、
オーク達の丁度真下の床が、波打ち。

真ん中よりばくりと。
巨大な口となって四匹を飲み込んだ。
一瞬の後に、研究室は再び静寂を取り戻し。


ちなこの生きた罠。
談話室にいた人食い宝箱と同じ種である。
上手い事育て上げるとこんな事もできるってゆーな。

なおオーク達は丸呑みにされただけなんで、
消化される前に後で出してやろうと思う。

使える物は骨まで使い倒さんとなー]



 さって、じゃあ、オシゴトの話をしよう。


 やる事ぁ簡単。
 とあるダンジョンに潜って、
 最奥の悪魔をぶん殴って、とあるブツを取り返す。

 そんだけだ。


[説明しながら、俺は再び両手から魔力を操作し。

この屋敷を覆う蔦の一部を呼び込んだ。
そいつらはアシュレイちゃんの折れた脚に絡み付き、
ぺろぺろと舐めはじめて。

昨日の胸の傷が無くなっていた事を思い出せば、
蔦の行うそれが回復行為だと判るだろう。


故に、説明もそこそこに俺は話の続きを口にした] 



 目的を達成できたら、
 俺様ができる範囲で"何でも一つ"
 願いを叶えてやるよ。

 男に戻して欲しけりゃそれでも良いし、
 自由の身にして欲しけりゃそれでも良い。
 
 ただし、一つだけだからな?

 当然願いを増やしてくれとか、ズルはだめだ。


[そして、揺らめくブーツの先っぽを、
彼女の唇から胸元へと伝い下ろして]


 それはそうと……
 そういやそっちは
 何でも言う事を聞いてくれるんだよなぁ?


[ガシャリ、と。
魔力の鎖を引き上げ、俺様の奴隷を上向かせる] 



 ならまずは、洗いざらいお前さんの事を話してもらおうか。

 ある程度能力を把握しておきたいし、
 あとはまぁ、純粋に好奇心だな。

 なんでケチな盗人なんざやってんだよ。
 俺にとっ捕まらなくても、
 何処で野垂れ死ぬか分かんねー様な生き方しやがって。
 若人のくせに生き急ぎ過ぎじゃねーの?


[そっちも聞きたい事がありゃ聞いて良いぞー、と、
心の広い所なんぞを見せつけながら。

俺のブーツの爪先が、
アシュレイちゃんの頬を持ち上げる]


 そうそう、あと。

 ……お前さんさぁ、女を抱いた事はあるのかよ?


[そんな、質問を*]

 
[昨日と違い統率の取れた動きで
 二人を取り囲み、行動の自由を奪った。
 担当教員、級友たちは確と認識しながら
 目を逸らし急ぎ支度をして教室から去っていった。
 巻き込まれるのは御免とばかりに。
 声を上げたところで止まるものは一人とて居らぬのだ。]
 

 
[そうして、真昼と転入生と俺、
 俺のかわいい子分たちだけの教室。
 転入生は椅子に座らせ
 両手を後ろで纏めて縛り
 足は片方ずつ椅子の足に縛りつけた。
 暴れたとて数には勝てる筈もない。]


   今日は新入りくんの歓迎会にしよう
   持て成すのは――お前の仕事だ
          得意だよな?


[ぺちぺちと真昼の頬を手の甲で叩く。]
 

 

   ちゃんと持て成せたら
         、、、
   昨日みたくご褒美をやるよ

   けど、出来なかったら――、
   ご褒美は新入りくんに
   あげることにしようかな?


[これはゲームだ。
 性欲を漲らせた子分たちの竿を鎮める役が
 二人のうちどちらになるかを決める道楽。]
 

 

   ここにいる奴らみぃんな
   コイツが筆下ろししたんだ
   今日はいない奴らも、上級生も皆、な
   だから新入りくんは安心して任せて良いぜ?


[主催者はビギナーに笑いかけ見守りの姿勢に入る。**]
 

 
[昨日に引き続き偽りのない事実がまた
 無垢な空澄くんの耳孔を穢す。
 彼にはきっと、昨日も今日も
 意味のわからない言葉ばかりだろう。
 僕と君は生きてきた環境が違い過ぎるのだ。]
 

 

   ……僕がうまくできたら
   空澄くんには
   なにもしないでくれるってこと、だよね


[ゲームのルールを噛みしめるように呟くと
 決心したように俯きがちな顔を上げる。
 両脇から押さえられていた腕を振り解き、
 椅子に縛り付けられた彼の元へ歩み寄っていく。]
 

 

   ……何にも考えなくていい
         僕に任せて


[跪き、微笑んで見せると
 衣服に手を掛け、半身が出るように
 最低限衣服を乱していく。**]
 

 


[ 四年と七ヶ月。
  古き地図の姿を取り戻す為に費やした年月。
  それだけ長く戦っていれば、
  心がゆっくりと拉げていくのが嫌でも分かる。

  人は人を殺める為に自らの心を殺し、
  其れを定めと割り切るほどに擦り切れていく。
  自分は戦う為に生まれたのだと背追い込めば尚更に。

  自分を忘れて仕舞いそうな時こそ
  あの
小瓶
の存在を思い出しては
 
約束
の在処を想う。 ]


       ( 今なら解る。苦しみとは痛みでなく、
         傍に立つ者が盤上から降り
         二度と戻らないという喪失感だと。 )


 

 

 [ 幸福な未来を棄てた事で、
   家族の存在が大切なものの中から消えた。

   熾烈な闘争によって
   唯一の幼馴染の命が失われていった。

   民も、美しき国土も、愛しい筈の息子も、
   死を前にすれば口惜しさばかりを覚える。 ]



( 一つ、また一つと燃え落ちる様にして消え。
   其れでも未だ“大切なもの”として此処に在るのは、 )


 




 [ 幕引きを控える者同士、獣達の運命は引かれ逢う。 ]
    [ 誰も通れぬ程────狭き路を征け。 ]


 



[鉤爪で傷つけぬように包み込んだ、案外弱々しい背中は
傷だらけの冷たい身体を抱き寄せた時と重なってしまう。

    トロイメライを振り返っただけ。
    ただの自分のエゴイズム。
    だけれど、彼はそれを拒みもしなかったから、
    ……血濡れた手を、縋るように伸ばしたのだ。]

(よく切れる刃物など、復讐では都合の良い獲物なのに。
 遂にそれを使わずにしまっておいたのは、
 ……
約束
を果たす最後まで
 絶対に他者の血で汚したくなかったからなのか。)


 

【人】 平民の日記  



  今日の朝、
  いくら待ってもお城の鐘が聞こえなかったわ。
  朝になればいつも大きな音が響いてくるのに。
  お陰でいつもその時間に
  病死した母さんに祈りを捧げる習慣だったのに
  少し遅れちゃったの。ごめんね母さん。

  ……あ、でも今日、変なものを見たの。
  お城から真っ黒で不気味な馬が飛んでいったわ。
  そのまんまお空の向こうへ消えて行っちゃったの。

            あれ、なんだったのかしら?

 
(95) 2020/12/03(Thu) 19:36:18


[元より安らかな死など約束されない身であった。
抗うことを辞めてしまえば己は真のひとでなしとなり、全てを破壊し尽くすのみの血に飢えた化け物と成り果てる。

   有象無象に興味がなければ
   己のことだってどうだって良かったのだ…今までは。


何もかも壊す前から自分自身で手放してしまえば苦痛なんて湧かない筈だと信じていた癖に、結局あるのは変わらない地獄だ。]


(自分の道を決めた、たったひとつの人間性が
 今度こそ手放しはせぬと握りしめた──唯一無二。)


 



[歯車を自ら狂わせた者同士、
 噛み合ってしまうのは必然の道理。]
   
[借りものの命なら、使い込んで返せ。]

     [幕引きくらいは───望んだ通りの結末を。]

 

 
[ 男の言葉に内心舌打ちをしつつも
  この場を切り抜けるには致し方ない事。


  押し付けられる靴先。

  今すぐにでも男の首の骨を圧し折りたい。
  そんな事を思いつつも、相手は魔術師だ。

  下手に手を出したら
  更なる災難に見舞わされるかもしれない。

  今は堪えろ、堪えるんだと
  胸の裡で何度も繰り返し唱え
  溢れ出そうになる激情を押し留めていた]
 

 
[ 迫って来ていたオークたちは
  男の魔術…なのだろうか。

  突然現れた巨大な、何か生き物の口のような
  深い暗闇の中に呑み込まれた。


  地下室に再び静寂が訪れる。

  醜い怪物たちが姿を消した事により
  束の間の平穏、肩の力が抜けて
  手術台の上に上半身を凭れさせた]
 

 
[ そうして身体を休めていれば
  仕事の話が男の口から告げられて

  顔を持ち上げては視線を向けよう]


   魔王なら何でも簡単に
   手に入ると思ったのだがな。

   ……以外にそうでもないのか。

   それに取り返す、と言う事は
   その悪魔にむざむざと奪われてしまったと?


[ 取り返すだけだと、簡単な話に見えて
  色々引っ掛かる事があった。

  少し皮肉気に問いを投げ返してみたが
  彼はどんな反応をしただろう]
 

 
[ 説明された直後に伸びてきた蔦には
  思わず昨夜の出来事を思い出し
  上半身をびくっと震わせては硬直してしまう。

  また何かされてしまうのかと身構えていれば
  蔦は怪我した脚に絡みつき、
  表面を舐めるように這っていく。

  訝し気にその様子を眺めていれば
  何度もそれは這っていくにつれて
  脚の痛みが次第に薄れていくのを感じた。


   
( まさか……治癒魔法? )



  胸の傷が消えたのが蔦のお陰と知らなかった俺は
  思わず目を瞠り、唖然としてしまった。

 
尚、悪趣味な回復方法だと思った事は

 
胸の奥に仕舞っておく
]
 

 

   願いをなんでも、な……。


[ 正直願いを叶えてやると言われても
  相手は魔王。そう易々と信じられる筈もなく。

  しかしながら例えとして出されたそれに
  片眉がぴくりと反応した。

  当然出来るなら男に戻して欲しいし
  解放されて自由の身になりたいのが
  己の心情というもの。

  元に戻して貰った後で
  奴の息の根を止めるのが一番だろうか。

  そんな事を思っていれば、
  首を引っ張られ無理矢理上を向かされる]
 

 
[ 何でもいう事を聞く。
  先程自分自身口にした言葉。

  一体どんな命令をしてくるのかと
  身構えて睨みつけるような視線を向ければ
  意外な内容を告げてくるのであった。


   
( 俺の事を知ってどうするというのだろう。

    
元々殺そうとしていた癖に。


    
奴隷の事を理解しようとする主など

    
普通はいない……何が狙いだ? )



  どんな心変わりがあったのやら。

  正直に答えてやる義理などなく。
  とはいえ、下手に答えて
  散々な目に遭わされるのもごめんだ]
 

 
[ 俯き、顎に手を当て思案を巡らす。
  暫しの間が空いた後、口を開き]


   元々貧しい生まれだからな。
   人の物を奪う事でしか生きる事が出来なかった。
   出来なければ死ぬだけだ。

   他の生き方なんぞ知らん。

   貴様みたいに家があって金もあって
   力のある者には理解出来ようもない。


[ まるでお説教をするかのような言い方に
  きっぱりと些か強い口調で答えた。

  声色には少し苛立ちが
  滲んでいるのが分かるだろう]
 

 
[ 聞きたい事があればの話には
  お前に聞きたい事など何もない、と言おうとして
  ハッとしてはそれを喉奥に押し留めてから]


   ……お前みたいに、
   どうすれば"力"を持てるか、だな。

   魔族じゃないとやはり難しいのか。


[ 魔王と呼ばれるからには魔族だと
  こちらは何の疑いもなくそう思っている。

  実際そうかそうではないかは知らないが
  これから先の事を考えて、より強くなりたい。

  そう思っての問い掛けであった。

  尤も、素直に答えてくれるとは
  全くもって思ってもいないのだが]
 

 
[ 無理矢理爪先で頬を持ち上げられ
  片目を眇めて不機嫌な顔。

  質問の内容に眉根が寄った。

  馬鹿にしてるのかと思いつつ
  此処は正直に答えよう]


   あるに決まってるだろ。


[ ぶっきら棒な言い方で言葉を返す。

  金で買う事もあれば、
  仲間内(仲間だとは思ってもいないが)
  の女を抱く事もあった。

  とはいえ、すぐに飽きるし
  恋人のような存在がいた事はなかった]*
 

 
[ 父親はアル中で殴る蹴るの暴力を振るう。

  母親は男の尻を追い掛けて、
  子供たちはほったらかし。

  食事は僅かな残飯だけ。

  そんな家庭に育った男には
  異性と恋をして、子供を作り家庭を作る。
  そんな考えなど生まれる筈もなく。

  愛を知らない心は歪むばかりであった]*

 

[長く伸びた赤みがかった黒髪に
均整の取れた細身の躰。

愛想も化粧っ気も無いが、
その分素の睫毛の長さやら
瞳の大きさがよく判る。

黙って笑ってりゃ
落ちねぇ男はいないだろうってなもんなのに
いやー、今にも素っ首掻っ切られそうな
すげぇ眼差しで見てくるんだもんなぁ。

ったく、こえーこえー。
たまんねぇなぁ、おい
]


 言うねぇ。

 ま、そういうワケだ。
 元々俺様が造ったダンジョンで、
 俺様が召喚したその迷宮の主だった筈なんだがなー。


[言いながら、片目を隠す前髪をかき上げた]

[


    
そこには、何もなかった。



]

[瞼の奥。
眼球があるべき部分に広がるのは
光すら飲み込むような暗黒の虚空で。

痛くも痒くもねぇんだが、
当然こっちの方じゃなんも見えやしねぇ]


 口達者なやつでさ。
 ついうっかり盛り上がって、
 あいつが言った

 "ダンジョン全部を見渡す事ができると良いんですが"

 って、呟きに
 
 "おー?良いぞー?"

 って返事しちまったんだよなぁ。

 そしたらあの野郎、本性あらわしやがってよ。
 水晶玉の一つでもくれてやるつもりだったんだが、
 俺様の目玉そのものを持っていきやがった。

[お手製ダンジョン内を観察できる
特別な魔力回路を組み込んだ自分の眼。

アレが無けりゃ、こちとら商売上がったりだ]


 つうか無謀な冒険者ちゃん達の
 断末魔をじっくり間近で見たいからこそ
 ダンジョンマスターやってる所もあるからなー。

 あー……
 すっげぇ辛いけどしょうがない。

 目の前の奴隷ちゃんが苦しむ姿で
 我慢するしか無いかー、という現状だな!


[最後はひっひっひと意地悪く。

蔦に絡まれ回復中のアシュレイちゃんに
残った片目でウインクを送るのだった]

[そんな訳で、色んな意味でデバフ中の今。

頼りになる相棒ちゃんを
絶賛生産中だったんだが────

まさか自分からやって来てくれるとはなぁ……
これも俺様の日頃の行いって奴か]


 へぇ、貧しい生まれん中、
 腕一本でのし上がって来たって訳か。

 道理で歳に似合わず
 修羅場慣れしてると思えば。


[ひゅぅ、と軽く口笛を吹き。

続く言葉にはぱたぱたと軽く片手を振った]



 まー、確かに俺様には
 家も金も力もあるけどさ。

 その俺様の所有物な奴隷ちゃんも
 この家を自分ちだと思ってくれて構わないし。


[オークとか徘徊してるし、
そこら辺中事故物件だが]


 おちんぎんだって欲しけりゃあげようか?


[使える所に行けるかは別として]



 そんで"力"を手に入れるにゃ、
 やっぱ経験とマジックアイテムっしょ。
 だからこそ魔術師は開発に心血を注ぐし、
 冒険者の皆様方は、奪い取ろうと躍起になるし。

 ちな、俺様も人間だぜぇ?
 うっかり悪魔に騙されて、
 眼玉を取られちまうレベルには善良な。


[俺様が魔族だと思ってたのか、と
カラカラと破顔して。

まぁ、モンスターを使役してっからなぁ。
要はちょいと才能のある召喚師なんだが
魔術系統に詳しくなけりゃ
魔族と思っても仕方がないだろう。

いやしかしこいつ、素直なやつだな……]



 だから俺様の言う事を聞いて
 がんばって経験を積みゃあ
 お前さんだってこの程度にゃなれるってこった。


[首輪から伸びる魔力の鎖を、
チャリチャリと指先で揺らし遊びながら。

少しばかりセクハラな質問を
アシュレイちゃんに一つ。


……いやだってだな。
すげぇ真面目な顔で会話してっけど、
格好、すごいからな!?

服というよりもはやボロ布ってな有り様だし、
そのせいもあって、動くたんびに
手の平で握れるくらいのたわわな何かが
ふるふるしてやがるしさぁ。

これが元男の無防備さってやつか……
アシュレイちゃん、恐るべし……]

 




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