人狼物語 三日月国


100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】

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視点:


チャンドラ! 今日がお前の命日だ!

メモを貼った。

ミズガネと、他愛もない約束をしていた。

――――

嗚呼
    


  死神。神隠し。     
  嗚呼 なんという不敬。なんという冒涜。

嗚呼
    


  其の不遜たるや 此処に極まりなし。

嗚呼
    


  愚かな真似を。   
  神を名告るでは 飽きたらなんだか。
 

嗚呼
    


  嗚呼 嗚呼 嗚呼
    


  
嗚呼!!

我が金烏を
  勾引かそうなぞ!!!!!!

 

メモを貼った。

メモを貼った。

【人】 巫女 ユピテル


「おはようみんな〜。
今日の朝は何があるのかしら?」

昨日は錯乱して飛び出していったユピテルですが、
昨日の今日にもかかわらず、再び元気に戻っていました。
ミズガネと無事に会話が出来たからと言うことを知る人は他にいないでしょう。


「……雨、降ってないわよね?うーん?」

巫女は不思議そうに外を見ますか、太陽が昇っているのみ。
ですが頭痛に近いものがあるらしくこめかみに触れています。

「それに………みんな寝坊かしら?
私が早く起き過ぎちゃったかな。まばらなのね〜」

まさか、まさか昨日の今日で。昨日は一人だけで。
ここに来て『三人も実は消えてしまった』なんて。
この時のユピテルはまだ、想像していませんでした。
(4) 2021/10/21(Thu) 23:15:30
ユピテルは、朝ご飯が何かを楽しみにしています。
(a0) 2021/10/21(Thu) 23:17:13

ユピテルは、頭痛が三人の神隠しによる混線とはまだ気付いてません。
(a1) 2021/10/21(Thu) 23:22:34

クロノに言伝を頼んだときのことを思い出す。

シトゥラにノートを借りた時のことを思い出す。

アマノからもらったビスケットの味を思い出す。

ゲイザーが自分のために使用人にお願いをしてくれた、その後ろ姿を思い出す。

キエが開いてくれたパーティのことを思い出す。

ポルクスがとても心配をしてくれた事を思い出す。

テラに貰った、楽しい時間を思い出す。

館の時間が好きだった。

例え夜が来なくても。本物の月がなくても。

ただみんなの優しさに、甘えているだけだったから。

今度は自分から知りたいと、そう思ったのは、あれが1番最初。

………
……


「身勝手なもんだなァ…」

金烏の怒りを感じたキエが抱いた感想は呆れと煩わしさの2つである。

「自ら歩こうとしないのだから勾引かされた事に寧ろ感謝するべきだと思うがねェ。神は何時何処に行っても身勝手なものだ。
 気に入らないなら大洪水でも起こしたまえよ」

キエは自身を否定する手立てが限りなく少ない事を知っている。であるから敵意を向けられても感じるのは呆れと煩わしさだけだった。

「嗚呼面倒くさい、僕らだって逆らえる立場ではないというのに。
 なァ、リーパー君?」

キエは中庭での出来事を知らないが故に呑気な呼びかけをした。

メモを貼った。

メモを貼った。

/*

誤字に今気付きました。
“金烏”ではなく“日輪”の間違いです。sorry!

メモを貼った。

メモを貼った。

 

そこには 誰もいません。
 

 

そこには 誰もいません。
 

 

そこには 誰もいません。
 

 

けど ナニカ はいます。
 

 

何かしらをやろうとして 何かしらを言おうとして
 

 

 
 

 

この時は、何もしませんでした。
 

 

何も、
出来ませんでした
 

 

 

 

 

ナニカ はどこかへ 行きました。
 

/*
ハローハロー、あなたのベル記(思い込み)、当方です。
デイリー匿名メモポルターガイストも出来る気分でなかった浮遊想でした。

当方、引き続き『
透明な描写
』を続けますが、本窓が見えている方は特筆がなくとも、任意の箇所を『半透明な描写』として認識していただいてOKです。

何かあれば都度聞いていただければ〜〜! とりあえず今日もLoveを振り撒いておきます、キャッキャッ  ٩(ˊᗜˋ*)و


>L0

 

「 
え? なにこわ。探偵さんにこの文言で呼ばれたくなくない??
 」
 


 

「 
あ、なんかくたびれてる?? 大丈夫???
 」
 

「…………」

その時、リーパーは苛ついていた。
キンウという少女が神隠しされたようだけれど、
おまけに自らの名を呼んだようだけれど。

自分は関わっていないから、知ったこっちゃあない!
あとまだ話したこと無いし!

──同じ、館の協力者ではあるけれど。

「あー、イラつく!
 なァあのゾズマとかいうやつ殺そうぜ!
 
 オレが殺人鬼ってこと、バラしちまった。
 だから知っているやつを全員殺す必要が有る!
 今までやってきたオレたちなら、簡単なコトだろ?」

そうして、また襲撃の提案を行う。
今日は永劫に続くと思っている。
”館の協力者”という安寧に、罅が入ったことすら考えない。

「……それに、アイツ。オレを見ているようでムカつくし」

「オレ“たち”ねェ…僕ァわざわざ殺す必要も無いし血など流していないよ。其処は一緒くたにしないでくれないか」

キエにとって殺人とは林檎を木の根から引き抜く事と同義である。人が死ぬ事を嫌だとは思わないが歓迎もしていない。
其れでもリーパーの凶行に口を出さないのは、此の館において其れが“神隠し”という自分達に与えられた役目に繋がるからだ。

「良いんじゃないか? 君の事だから放っておいても役目とか関係無くゾズマ君を殺してしまうだろう。
 
だったら今のうちに
行ってきなさい」

キエは夜の気配を薄らと感じている。

「あ〜〜? 色々引っ掻き回してるのテメェだろ。
 オレとオマエは一緒だよ!」

リーパーにとってはそうだった。同じ悪党同士。
あなたにとってはきっと違う。

オレ利き手怪我してんだよ!!

 ゾズマの野郎にやられて……。 ナイフが握れねえ。
 毒殺? 刺殺じゃねェと意味がねェ!」

──即ち。今の殺人鬼は、無力だ。

リーパーは華奢な女ならぬ膂力を持つが、
それは脳のリミッターが動いていないということ。

あなたと違ってどうあがいても人間だ。
怪我が治るまではろくに首も絞められない。

「つまり僕に殺せと? 人間を?」

「…………」

キエは気が短くはないが長くもない。粗暴でもないが温和でもない。感情の起伏というものが乏しくもある。

しかし――……

自分の在り方を変えようとしてくるならば其の限りではない。

 
「お前が決めるな。」

 

「殺したいなら君が殺しなさい。
 利き手? 知った事か。其れが僕に何の関係があるんだい。
 刺殺? 知った事か。君の在り方を押し付けるな」

キエは不確かな存在であるが故に生死の概念を持たない。だからこそ自分の在り方を自分で定めなければキエはキエでなくなってしまう。

「………
いいね?


「…………」


「……オマエさ、ひとのこと『お前』って言えるんだな」

 
 


 
なァんだ、こいつもオレと一緒じゃん!


 

「そりゃそうさ、言葉を知っているからね。
 しかし其れは答えになってないなァ?」

キエは喜びを知っているし悲しみを知っている。
キエは愉悦を知っているし憤怒を知っている。
キエは感情を持たないが、喰らってきた数多の夢から確かに感情を知っている。

此れを知っているのは、只1人貴方リーパーだけだ。

「で、どうするの君。僕がやるなら相手は僕が決めるけれど」

「…………」

ぐぎぎ、と歯ぎしりの音。

「あァー……。ゾズマは”役目”に関わらず、
 オレが個人的に殺す。
 
 今晩の襲撃はオマエに任せるぜ。
 相手だって好きに決めればいい!」


 

 

 

 

 

「 
好きだから
 」

「 
好きだから
? 」
 

 

 

「 
知りたいって言われたから こたえただけですよ
 」
 

 

「 
それだけさ
 」
 

 

 

 

「では相手とやり方は僕の方で決めよう。只候補はあるが成功可否は判らないから其のつもりで。

 何となくだけど彼は館の理から少し外れてる気がするんだ。
 …まァ失敗したら館の主人のせいさ。もっと便利で強大な理を僕らに与えなかったのが悪い」

先程見せたキエの怒気はすっかり霧散し一滴も見当たらない。代わりに役目に関わらず自らの意思で殺人を計画するリーパーへの感心が隠れている。
キエは殺人を好ましく捉えないが、自ら考え決意し行動に移す者は好ましいと捉えるからだ。

「また何か在れば伝えるよ。互いに運が在ると良いねェ?

 ……いってらっしゃい、リーパー君」

キエは名前を呼ぶ。名前こそが存在を示す証拠であると考える。



……
………

【人】 巫女 ユピテル

 
「だ、誰も起きて来ないわ!?もしかしてこれ、お姉ちゃんが神隠しにあってみんなを視えなくなってるー!?」


勿論そんな訳はありません。
とは言え他の面子もほとんどいないので、神隠しにあった人も、
あってない人もわからない所か、今日行われたかまだ不明です。

「朝ご飯、何か……あ、そこのお兄さん。
今日のおすすめあるかしら〜?」

呼び止めて聞いてみました。フレンチトーストfood玉子焼きfoodねりきりsweetストロベリーミルクsakeジョニーウォーカーsakeが今日のおすすめだそうです。
(17) 2021/10/22(Fri) 19:46:42

【人】 巫女 ユピテル

 
「あ、じゃあジョニーウォーカーのストレートで。
今日は卵多いのね〜。卵焼き、辛い方で貰えるかしら?」

すかさず速攻ロックですらないウォッカを即頼む時点で、
もう一部の人にはバレバレですが
お酒大好き巫女
です。

ちなみに度数は大体40度程。とてもウォッカです。
ついでに塩卵焼きだともう完全な酒の肴です。

「あ、でもみんな起きてくるなら甘いの好きな人いるかしら。
じゃあ他のも全部持って来て貰っていい?」

そんな訳でフレンチトーストと練り切りとストロベリーミルク、
そんな甘い甘いものが並びました。
やや人選ミスなのにまだ気づいていません。
(18) 2021/10/22(Fri) 19:53:00
ユピテルは、突然広間に鳴り響くトラヴィスの声に目を瞠ります。
(a16) 2021/10/22(Fri) 21:04:16

【人】 巫女 ユピテル


「(……トラヴィス、凄い )」

ユピテルは、トラヴィスが役者な事も、
過去に座長と呼ばれる程の人であった事を知りません。

目の前で突然始まったそれが即興劇と言う特殊で台本がない
高度な芸事であることもすぐに気付かなかったほどです。

内容の、詩人と使用人と死神の事は、
本当はユピテルは死んだ筈の詩人から聞いて知っていました。

でもこの館はそうではありません。
自分以外の多くの人は真実を知りません。
ユピテルにはただ親しい人に言葉で伝えるしかできません。

けれど、
(19) 2021/10/22(Fri) 21:21:16

【人】 巫女 ユピテル


「……こんな伝え方もあったのね。
ううん。これができるのは、きっと──」

今この館の中では、真の役者であるトラヴィスだけ。
方法を知っていても、彼しか行えない方法。
そして、舞台に上がる事を拒んでいた彼を知っていました。

「──あなたも、抗って、戦ってるのね。トラヴィス」

どんな心境の変化と影響かは、何でもいいのです。
全てに恐れ、停滞を望んでいた彼が、
微かな助言をくれたものの傍観者でいようとしていた彼が、
彼自らの手と演技で、表舞台で時を進める物語を紡ぎました。

その姿が、ユピテルには何よりも眩しく見えました。
この瞬間、館は
W彼の舞台W
に塗り替わっていました。
(20) 2021/10/22(Fri) 21:22:49
ユピテルは、拍手を、
(a17) 2021/10/22(Fri) 21:23:07

ユピテルは、この音を鳴らせない人達の分まで、
(a18) 2021/10/22(Fri) 21:23:51

ユピテルは、彼の惜しみない勇気と戦いに、惜しみない喝采を拍手で送りました。
(a19) 2021/10/22(Fri) 21:24:46

ユピテルは、今まで見た彼の表情の中で、今の彼が最も好きでした。
(a20) 2021/10/22(Fri) 21:28:52

ポルクスの望みを叶えることは出来ない。それを申し訳なく思う。

夢を見る前、キエの言葉を思い出す。月はとても高い、寒いところにある。

メモを貼った。

メモを貼った。

――青草に透けて、ころりと横たわる少女がひとつ。
規則正しく上下する胸。眠っているのだろう。

ここで“神隠し”にあったものとまごう様態。

日輪に隠された。

その劇を見た。
その男を見た。
その空間を、その空間を彩る全てを見た。

「……っ」

目を奪われる。
自分が頼んだものよりも遥かに大きく、遥かに引き込まれる舞台が目の前に広がっていた。

自堕落に溺れていた心の中に、かっと熱くなるような高揚感が灯っていく。

嗚呼……嗚呼。
そう、そうだった。
己の憧れはそういう存在だった。

メモを貼った。

帽子を深く被り直して、俯く。
熱くなる心のままに泣いてしまいそうで、表情が崩れてしまいそうで。

誰に見られるわけでもないのに、そうしたかった。

「トラヴィス……ありがとう」

暫くの間、広間に立ち尽くしていた。

そこに居ない。

どこにも。誰の目にも届かない。

夢を見ていた。誰もいない、触れたいものにも触れられない、高くて寒い宙の夢。

夢から醒める。「おはよう」と、声がした。

「…………」

目を醒ましたわたしはまず、あんなにこびりついていた
寒さ
がなくなっていることに気付く。

身体を起こして辺りを見回した。
彼の姿がどこにもない。
部屋に戻ってしまったかしら、とそう思った。

「……?」

そしてもうひとつ気が付いた。
あんなに毎日お腹を空かせていたのに、その空腹感がどこにもない。
けれど夜が来たというわけではなさそう。
わたしは魔法がまだ使えない。

「……行かないと」

置き去りにしたいくつかの約束が待っている。
違和感に不安な気持ちを抱きながら、わたしはドアノブに触れようとした。

触れようとして、すり抜けた。
予想なんてしていないものだから、わたしは扉もすり抜けて転んでしまう。

廊下を、使用人が歩いていた。
使用人は、部屋の外で転んだわたしに構うことなく、廊下を横切っていく。

「​──​──え?」

何が起きたかわからなくて、すぐに起き上がることができなかった。
そうする間にも使用人、来賓、数名の往来がある。

その誰ひとりとして、わたしを見る人はいない。
背筋が凍るような心地がした。


多分また、酷い顔色をしているのだけど、それを指摘してくれるポルクスもいない。
ようやく立ち上がったわたしは、広間に向かうことにした。

莫迦ではないから、人とすれ違う度、状況を呑み込んでいく。
どうやらわたしは、誰にも見えていないみたい。

広間でわたしは彼らの姿を探す。
人混みもすべてすり抜けるから、動きやすいといえばさすがに楽観視が過ぎるかしら。

そう、わたしは冷静だった。
なぜか
ぬくもり
をずっと感じていた。
それがなければ、もっと取り乱していたかもしれないけど。

わたしは探す。
わたしに気づいてくれる人を。
少しそそっかしくて、一生懸命なお友達の姿を。
夢の中にまで会いに来てくれた、白い鴉の姿を。
いつの間にか隣からいなくなっていた、優しい、彼の姿を。
大きくてふわふわいつも浮いている、不思議な彼の姿を。

探している。広間を、中庭を、館中を。誰の目にも触れなくても、今のわたしは孤独じゃない。


 

「 
  
適任? ふふ
 」
 

 

「 
傲慢もいいところだなァ?
 」
 

 

「 
君が ──に 何を出来るって?
 」
 

ポルクスは目を覚ました。

泡沫の夢のよう。
宙に漂いながら俺は見た。

――被害者の顔をして泣く少女。


    
可哀想だ、ごめんねと思う。


――夢の中でも何かを探しさまよう夜の少女。


    
ありがとう、その温もりを手放さないでと思う。


神隠しの顛末にしては陳腐だろうか。
俺の身体は一線を画するこの空間にすら降り立てないらしい。

【人】 巫女 ユピテル

>>@7 トラヴィス

「あら、ブランクなんて見えなかったわ?
“悪くない”、じゃなくて“凄く良かった”!

でも、トラヴィスがそう言うなら脚本家がいた場合は
更にどうなっていたのかは気になるわね。
もっと凄いものが見れるって事でしょう?誰かいないかしら」

竪琴を抱えながらそちらに他に座る人がいなさそうち見ると
その隣に許可なく座り、先程の即興劇についてそう話します。

「おつかれさま」

言いながら、ようやく持ち歩くようになったハンカチで、
もしトラヴィスが汗をかいているなら拭おうとするでしょう。

「……竪琴?……。う〜ん、貴方なら壊さないと思うけど、
いいのかしら……弾かない?ミズガネ、何か言っていた?」

先程の演劇の内容。唐突な竪琴の話題。
勿論、急にユピテルが持ち歩くから目についた。
その可能性はゼロではありませんが、彼も会話できたが答え。
その方が納得できます。とは言え珍しく少し渋っています。

トラヴィスを信頼していない訳ではありません。
むしろ館の中では上位です。ただ、ミズガネがどれほど
この竪琴を大事にしていたか知っているから、迷います。
(29) 2021/10/23(Sat) 1:25:04

【人】 巫女 ユピテル

>>@10 トラヴィス

返答が短いのをユピテルは一切気にしません。
トラヴィスの表情が全て物語っていましたし、
ただユピテルは感想を伝えたかっただけですから。

「……そう、なの?…………」

けれど続けられた言葉にどうしてと尋ねていいのかわからず。
聞き返したい表情と視線だけが、貴方に投げかけられます。

勿論トラヴィスを引き立ててくれる他の作曲家は多くいても、
トラヴィスの中の脚本家はその人だけと短い言葉で理解して。
だから、問い返して良いのかすら迷っていました。

「そうなんだ。うん、持ってるよ。
それに、弦を替えるだけなら怒らないと思うもの。
きっとさっきの公演を見て、ミズガネも喜んでると思うから、
許してくれると思うわ。トラヴィスにとって必要なら尚更ね。

……でも、どうして必要なの?それともいつかのお楽しみ?」

その自信に満ちた眼差しを信じて
大切な人の大切な竪琴を手渡しました。
(33) 2021/10/23(Sat) 3:16:25
「……トラヴィス。礼を言う。
 …………前のことは一生根に持つが、この恩もまたきっと忘れないだろう」

舞台人の一挙一動を見届けて、独り言つ。
皆が同じように願ってくれるか分からないからこれは賭けだ。
でも、「願えば何かが変わるかもしれない」という予感だけは男の中でほんの少し芽生えていた。
揺蕩っていた夢の底から、少しずつ浮き上がってきているのだろう。


「リーパー。俺を殺して満足したか?神隠しに遭わせてしまえば何も出来ないと思ったか?
 俺が壇上から引き摺り下ろされて大人しくしている人間だと思ったなら。

その身をもって考えを改めることだな、ご愁傷様。
自堕落に溺れる俺を動かしたのは、お前だよ」


男は身勝手な性格で、身勝手な理由で動く人間だ。
だから、どこかの宇宙服に身を包んだ男にもし問いかけられたとしても、「俺が救いたかったのは少女だから知ったことではない」と述べるだろう。
……
少女が『彼も救いたい』と願うなら話は別かもしれないが。

今その少女は、眠りについたままだ。

「本当はお前のこと、もっと知れたのならよかったんだがな」

「少女の内側に潜む殺人鬼。題材としては非常に面白い。
作家はそこからミステリでも悲劇でもなんでも膨らませるだろうし、詩人ものびのびと感情を乗せて歌い上げるだろう。

でもな……」


「すまないな」

「女を傷つけ苦しめる奴の物語など、俺は死んでも歌えない」

メモを貼った。

ユピテルは、知っています。
(a22) 2021/10/23(Sat) 4:23:54

ユピテルは、間接的なものを含めた殺人を、殺人者と言うなら
(a23) 2021/10/23(Sat) 4:24:26

ユピテルは、この地上の九人の内の五人は『殺人者』だと。
(a24) 2021/10/23(Sat) 4:25:45

ユピテルは、──
(a25) 2021/10/23(Sat) 4:26:42

ユピテルは、────己を含めて、五人なのを知っています。
(a26) 2021/10/23(Sat) 4:27:09

ユピテルは、だからこそ、『殺人者』だからと、
(a27) 2021/10/23(Sat) 4:28:32

ユピテルは、本当に、彼をそれだけで終えていいのでしょうか?
(a28) 2021/10/23(Sat) 4:28:59

ユピテルは、──まだ、願い先を決められていません。
(a29) 2021/10/23(Sat) 4:29:42

【人】 巫女 ユピテル

>>+11 ミズガネ

トラヴィスとの会話を終えた後、
目を閉じれば、怨嗟を吐く貴方の声が聞こえました。
その傍に寄ってきて、背中合わせになる椅子に座ります。

「あのね、ミズガネ。
今はまだ、他の人に聞くべき事を聞けていない。
だから答えはまだ変わるかもしれない。願う先だって、
貴方の意思通りリーパーかもしれないけれど、……」

「私、『あの子死神』の話も聞きたいって思ってる」

「だって、まだW死神の彼Wしか知らないわ、私。
どうしてゲイザーの中に死神がいたのか、何か知ってる?
もし理由があって、救えるのなら、救いたいと思っている。」

「あなたは、その判断をする私を許さないかしら」

(34) 2021/10/23(Sat) 4:52:22
ユピテルは、呟きます。「愛する貴方を殺した相手なのに」と。
(a30) 2021/10/23(Sat) 4:57:42

ユピテル

「……ユピテル」

男は振り向かない。貴方は自分と再会した時のように目を閉じているのかもしれないと予想はつくけれど、それでも、顔を合わせる事ができなかった。
断末魔を上げる少女を見捨てる事ができなくて、どうにか考えて動いた結果だ。後悔などしていない。
……けれど、自分だって事情を何一つ聞いていない。

「……いいや、知らない。
 俺だって、聞けるなら聞きたいさ。
 あいつに殺された瞬間はまだはっきり思い出せる。死ぬほど辛くて苦しくて、今も思い出すと怖くて仕方がないけれど」

 誰にも見えないくせにッ! 
 オレと同じ、ひとりぼっちの癖に!!


「……救えるなら、救ってやりたいよ。
 その判断をするユピテルを、俺は否定しない。許さない筈がない」

頭の奥で、かすかに聞こえた似た者同士の残滓が響いている。
殺人鬼の苦しみを完全に理解する事が出来なかったとしても、ひとりぼっちの苦しみは、自分もよく知っている。

……けれど。


「でも、もしそれで、ユピテルが危険な目に遭ったら?」

自分はユピテルのように多くの為に心を砕く事ができない。
自分は親しい者を優先する。酷く身勝手で、ろくでもない人間であることは自覚している。

「もしそれで、お前が襲われて死んでしまったら?」

「そんな考えばかりが、頭に浮かんでしまうんだ」


「お前が死んだら俺はきっとあいつを一生許せない。
 例えお前があいつを救ってくれと願ったとしても」

「俺自身が死ぬことより、お前が死ぬほうがたまらなく怖くて苦しいよ、ユピテル」

消え入る声で呟いた。「本当に、身勝手でごめん」

顔を上げる事ができない。

メモを貼った。

【人】 巫女 ユピテル

>>+14 ミズガネ

「ふふ、困ったわね〜。私、元は死ぬ事は怖くなかったの。
だから何でも言えたわ。だからこそ動いてくれた心だって、
今まで沢山あったのかもしれないわね」

でもそんな事言われたら、死ぬのが少し。
……少しだけ、怖くなっちゃった。
貴方を苦しめさせたくない。……それでも、


「ね、ミズガネ。貴方は身勝手なんかじゃないわ。
貴方が思う事は当然で間違ってない。嬉しいとすら思う。

それでもW死神の彼Wを知りたいと思う私だからこそ、
きっと貴方は好きになってくれたって思ってる。
このまま、何も知らずあの子を殺したら。私、それこそ、
自分もあの子も。誰も赦せなくなる。きっと耐えられない」

知ってるわ、ミズガネ。これを聞かせれば聞かせる程、
万が一の時の貴方の後悔が膨れ上がるって。
だから、私を好きになってくれてありがとうは言わないわ。
本当はもっと考えてる事もあるけど、心に秘めておくわ。
貴方に選択肢を渡さなくて、渡せなくて、ごめんね。


「でも私、慈悲深くなくて我儘で欲張りだから。
貴方がそこまで言ってくれてるのに諦めない頑固な女なの。
その代わりね、もう安易にW死んでもいいWって言わない。
泣いてくれる人がいると知って、抱えた上で行くわ」

(35) 2021/10/23(Sat) 6:54:17

【人】 巫女 ユピテル

>>+15 >>+16 ミズガネ

「無理はしない。私、絶対死なないわ」

「だから、貴方を、貴方の性格を知った上で、
こう言うね。
W私を信じてW
って」

これだけ言ってもし失敗したら、傍でいっぱい怒ってね?
なんて、本当は思ってる事は絶対怒られるだろうから言わないけど。
でも、放っておけないの、ゲイザーを。あの子を。
逆の立場なら、貴方も考えてた可能性は0じゃないって思ってるよ。


本当は抱きしめたくても、視覚がない上では叶わなくて。
貴方の語りかけがないと触れられないから、寂しいけれど。
ふふ、……わがまま通そうとしてる罰かもしれないわね。
(36) 2021/10/23(Sat) 7:03:08
ユピテルは、もうひとつ。あと一人、聞きたい事がある。
(a34) 2021/10/23(Sat) 7:10:04

【人】 巫女 ユピテル

>>26 キエ

「そう。誰かが笑う時、誰かが泣く」

仰向けに寝転がるキエを、反対側で上から覗きこむ。
髪が落ちないように、軽く髪を抑えながら、
トラヴィスとミズガネと話した終えた後の娘は、
最後に尋ねる事があると、キエの前に来た。

「簡潔に言うわ。
誰かが笑い泣く事は、そこに大きく感情が発生する事となる。
……それがW同一人物Wであるなら尚更、
反転するかの様なものだから大きくなる。違う?」

「感情を食す貴方が放置するとは思えなかった」

「ねえ、キエ。貴方、ゲイザーに何か干渉しなかった?」
(37) 2021/10/23(Sat) 7:11:46

【人】 巫女 ユピテル

>>38 キエ

「そう。ゲイザーは何もしてないのね。
じゃあ、残りの半分の話」

推論が肯定された。なのに彼女についてはおしまい。なら、

「ミズガネを殺して。あの二人殺したナイフの使用者の、
今騒ぎになっている、話題のリーパーに、何かした?」
(40) 2021/10/23(Sat) 7:43:59
――人はポルクスを称賛した。

    
心優しい王子様だと。

――人はポルクスを称賛した。

    
見目麗しく天才だと。

――人はポルクスを称賛した。

    
神の血を受け継いだ特別な子供だと。


そんなものは嘘だ。
俺は優しくはないし、努力をしただけで天才などではない。
ましてや神の子だなんてありえるわけがない。
俺はただの王の子であり、人間である。

全て特別な力を持って生まれた兄が受けるべき称賛だったはず。
兄が受けるべき寵愛だったはず。
死者に干渉する力というだけで忌み嫌った者たちが自分にはわからない。
我が半身は、力を持った特別な人間だったというのに。

             
片 思 い

  俺の心はいつだって 一方通行 だ。

わたしは彼を探している。

ふたりがひとりだったなら、きっとわたしたちは出会うことはなかった。

頬に触れた手と、この
ぬくもり
は似ているように思う。
だからかしら、胸騒ぎがして。
だってあなたはどこにもいない。

​──わたしはあなたになにかしてあげることができた?

あなたはわたしに優しくしてくれた。
わたしはあなたに何も返せていない。

あなたの望みは叶えられない。
わたしでは、叶えてあげることはできない。

でも。わたしがあなたにできることは、本当にそれしかないのかしら?

わたしは探す。
わたしは彼を探している。
そしてわたしは、わたしにできることを、探している。

メモを貼った。

【人】 巫女 ユピテル

>>41 キエ

「あら。W何かをするWっていい事でも悪いことでも、
どちらでも取れるじゃない?
私、別にキエに尋ねに来ただけで糾弾しに来てないよ」

実際、別に貴方への強い敵愾心等は見えていません。
ただ何かをするなら貴方とユピテルは考えていましたから。

それは貴方への好意の差などではなく、各々と話した結果、
何かしらのそれが可能な力の持ち主が貴方だけだったから。

「W差し出されたから、受け取ったW?」

あの日、少女の悲鳴が、聞こえたと聞きました。
多重人格で最も邪魔になるのは、何?それは、

「キエ、貴方が差し出されたものは、ゲイザー?」

「貴方、それをW受け取っただけWと言うなら、
まだW返すW事だって出来るんじゃないの?」
(44) 2021/10/23(Sat) 12:29:13
ようやく俺は地に足が着いた。
そこは館の外の中庭の、あまり人目につかない外れの方。

兄の残り香が……強い。

本来のそこにはないものが、この空間には確かに残されている。

薄紅色の花びらが舞う大輪の桜の木。
そして残されたおびただしい――――――血の跡が。

「これは兄さんのものではないな」

では何故だろうか。
血の跡を一瞥し、桜を見上げると、
ひらりと舞う桜が一枚、鼻の上に止まった。

――――――あ。


「これだ……」

桜の花びらから確かに漂う残り香と、兄の気配。
木に背を預けて目を閉じると、不思議と知るはずもない成長した兄の姿が映し出された。

やはり兄は、この館に来ていた。

「――――――ずるいよ、兄さん」

何に対してそう形容したのだろうか。

ただわかるのはカストルという双子の青年は、必要としあえる相手と出会ったということ。
そしてポルクスという双子の青年は、ひとり残されたということだけだった。

【人】 巫女 ユピテル

>>@18 トラヴィス

「あら、秘密ならしょうがないわ。楽しみに……わ、っ」

まさかトラヴィスがそんな事をするとは想像していません。
つい驚きの声が上がってしまいます。

「もう。お姉ちゃんより、
もっと撫でるべき子がいっぱいいるでしょう?」

言葉と裏腹に、嬉しそうに少し照れて俯いて。
WやっぱりトラヴィスはずるいわWと、
一度口を尖らせてから、ふっと緩めて微笑みます。

「……うん。もし弦が直ったら、……ううん。何でもない」

もし竪琴が直っても、これが音を奏でるか。
唯一それがわかるのは、持ち主の彼のみ。
いつか、その日は来るでしょうか。
本当に単なる勘ですが、案外そう遠くはないと信じています。

そしてW貴方からW告げられた言葉に瞬き。
彼が自分からそれを伝えられるとは、
最初の日を思い返すと想像もできなかったでしょう。
彼が言っていたW最後Wが明日とも知りません。

「……ええ、Wまた明日W!」

だから、いつも通りに屈託なく。いつも通りに明るく。
大切な人に、大切な人の竪琴を託して、見送りました。
(45) 2021/10/23(Sat) 12:56:09

【人】 巫女 ユピテル

>>46 キエ

「そうねぇ。頷くかもしれないわね〜」

本当は、そこまで献身が強い女ではない。
ただ、そう見られてるならそれでいい。

W都合がいいWから。……だって、常に悩んでる人よりも、
『全く悩まなさそうな女』の『貴重な悩み』の方が、
あなた、興味持つでしょ?キエ。

何より、一番聞きたい事は、本当はもう聞けた。
まだゲイザーをW返せるWと言える程度に、
彼女はまだ存在しているということを。


「キエは善意で損は絶対嫌って言うわよね〜。
それは勿論理解してるわよ、お姉ちゃんも。なのでお話」

だからここからは、単純に私達が失敗して、
キエに交渉する以外の打つ手がなくなった時の保険と、
(51) 2021/10/23(Sat) 15:04:47
 

「 
ふふ
 」
 

【人】 巫女 ユピテル

>>47 キエ

「でも説明がないから対価と言っても考え辛いわ。
だって、じゃあ『失敗して転んで笑われた日のこと!』
って言っても、キエ「嫌」って言いそうだもん」

ひとり、W損Wする羽目になるあなたへ、
可能なら交渉に乗る事も検討しようとしたから。

「契約前には説明が必須でしょう?
教えてくれる?どの様な物を普段貰ってるのか」

でも、あくまで可能ならよ。貴方と同じ、別に普通よ私。
ねえキエ。私、別に貴方も嫌いな訳じゃないのよ。
(52) 2021/10/23(Sat) 15:07:29
 ポルクス

わたしはあなたを探している。
まだ自分ができることは、わからない。

それでも、あなたを探していた。
いだいた
ぬくもり
は、まだ、手元にある。

「……?」

広い中庭の隅、見たことのない、桃色の木。
わたしの知っている木は、みんな緑の葉を茂らせたものだけど。

足を止めたわたしは、そこにあなたの姿を見つけた。
まだ自分ができることは、わからない。 でも

「ポルクス……?」

木の根元に広がる赤い液。
あなたのものじゃ、ないのでしょう?
遠くで見ても分からなかったから、わたしは恐る恐るとあなたの名前を呼んだ。

ユピテル

唇を噛む。自分だって彼女の言葉に助けられた。死ぬことを躊躇わず何でも言えるその姿勢が大きな魅力であることはよく知っている。

何も言えなかった。
貴方の言う通り、今の貴方を作る全てに惹かれたのだから。
自分の言葉に決して頷かない貴方の答えに胸が締め付けられそうになって。でも、「ああやっぱり好きだな」という気持ちが浮かんだのも確かだ。


あなたの胎の中が蠢く。
どどめ色の極彩色から、逃げ回る素朴な光。

ゲイザーには聞こえている。
それらの愁傷、苦悩、寂寥、憎悪、絶望──その声が。
その中の、僅かな後悔──その声が。

あなたは周到な手段で目的を遂行する。
相手の合意ありきで行動する。
けれど、誘われたのはリーパーの方だ。
ゲイザーは何も聞いちゃいない。 ⇒

ユピテル

「ユピテル」

もう一度名前を呼ぶ。
立ち上がり、振り返る。

自分がしたいのは愛することであって束縛することじゃない。
本当はついて行って後ろから死神の彼に睨みを利かせてやろうかとも考えたけれど。
それで彼女が聞けたいことも聞けなくなってしまうのは本意じゃない。

「信じてる」


でも、それだけじゃ足りない。

「『自分がこうしたい』と思ったことをしてくれ、ユピテル。
 俺はどんな選択をしても、お前を応援しているから。

 お前が道を選んで進むことを、自分のことのように嬉しく思えるのだから」


ずっと迷って傷ついている貴方を見たが故の言葉。
言葉を重ねながら、拒まれないのなら抱きしめる。もう寒さはどこにもない。氷のような冷たさは、貴方が溶かしてくれたのだから。

我儘を通した罰で動けないのなら此方が許しを与えるまでだ。

そして、ゲイザーは。
物語のヒロインでも、守られるだけのか弱いお姫様でもない。

リーパーがゲイザーなら。
ゲイザーだって、リーパーだ。

『……さん!』


『キエさん!! 聞こえていますか!!!!』


ゲイザーは怒っている。
あなたの胎の底で逃げ回るならば、
あなたの声だって聞こえている。
語りかける寝物語も、その全てが。

『あたしあなたのこと許しませんから!!
 出してください、ねえっ!!』

『あたし、謝らなきゃいけないことがあるんですっ!』

『ミズガネさんに』

『チャンドラちゃんに』

『……リーパーに!!』

『そのどれもが、あなたのお腹じゃ成し得ない!
 リーパーと会えるのがあなたのお腹の中なら」

『あたしたち二人揃って神隠しされて、
 だれにも見えなくなったほうがずっとマシ!!』



『リーパーが頷いたからこうしたのは知ってる!』

『でもあなた、ムカつくんですよ!!』


それは正当でもなんでもない。
不当な怒りだ。

『出してくれないと
あなたのお腹蹴っ飛ばしますよ!!』


あなたは自らを定義し、そして同時に人に定義される。
人と共生することで生き永らえる存在だ。
だからこそ狡猾に動く。

ゲイザーは特別だ。記憶じゃない。
確固としたひとつの人格があなたの胎に治まっている。
だから反抗を成し得た。

この館で、願いは魔力となり力を持つ。
館の魔力を無自覚に用いて、ゲイザーは外に出たいと主張する。

さて、どうなる?
これは人ならざる怪物と、最早人の形を持たぬヒトの力比べだ。

 チャンドラ

声をかけられそっと目を開ける。
あなたの姿がわかれば、にこりと笑みを浮かべた。

「ここは不思議なところだね。
 チャンドラまで居るとは思わなかったな。
 これが神隠し……?」

花びらがひらりと舞い、二人の間に1枚、2枚と落ちてゆく。

「もう動けるようになった?
 寒くなくなったなら、良いんだけど」

 ポルクス

よかった、この赤はやっぱりポルクスのものじゃない。
安心したわたしは、少しだけ緊張を緩める。

「あなた、わたしが見えるのね。
 ……目を醒ましてから、わたしのことが見える人、ほとんどいなくて」

それが神隠しなのでしょう。わたしは頷く。

「もう、寒くないわ。
 むしろ少しあたたかいくらい。……不思議ね」

 チャンドラ

「見えるよ。不思議なことを言うね、館にいる皆には俺達が見えなくなってるの?」

未だ館に入ってない俺にはその現象がわかっていない。
けれどもこれが神隠しを経た空間だというのなら、そういうものなんだろうと納得だ。

「寒くない。……そう、それならよかった」

願いは聞き届けられたということだ。
驚いた様子も、ホッとした様子も見せることはなく。
理由を告げるつもりはないのか、静かに答えるのみだ。

 ポルクス

「ええ、その通りよ。
 誰にも見向きされなくて、最初は驚いたものだけど」

わたしは目を閉じる。
そうすると、この
ぬくもり
がより強く感じられる気がして。

「ひとりじゃないって、思えたの。
 あなたのことも、思い出したわ」

この
ぬくもり
は、あなたの掌にとても似ている。
あなたがわたしに無償でそそいだ優しさに、とてもよく似ている。

無償でしょう? あなたが言った通り、あなたの望みを叶えるならば、わたしに酷いことをするべきだもの。

「君に許されなくたって僕が僕を許すんだから其れで良いんだよ。人間は本当に身勝手だなァ…君達の都合に僕を付き合わせないでほしいね」

キエは胎の底から聞こえる声を聞き流していた。其れは自分が得意とする夢の世界待宵館にいるからこその余裕であり慢心でもあった。

“人格を喰らうのは僕も初めてでねェ。
 咀嚼に時間がかかってしまうだろうがそこは許してほしいな”


此の言葉に嘘偽りなくキエが胎に人格を収めたのは初めての事である。意思を持つ食べ物など初めて口にしたが故に胎の中から抗われた事も初めてだ。
だからこそ、此の展開をちっとも考えていなかった。
未だ“ゲイザー”に此処まで意思が残っているだなんて思っていなかった。


ぅえッ


キエは初めて吐き気を催す。

【人】 巫女 ユピテル

>>56 キエ

「あら、そうね〜他の国は知らないけれど、
世間知らずで巫女なんてやれなかったもの」

「私の心が壊れたからこんな振る舞いになった?」

「──いいえ。例えば王様は、皇帝は。使命を持つ者は。
表向きは、常に不動で在らなければならない。

その内面が本当に不動で揺るがず、流されず、
傷付かない事なんて、暴君以外はあり得ない。

むしろ国が見えているほど、世界への憂いは深まり、
表に出せぬ鬱憤が内部を日に日に浸食する」

『愁傷、苦悩、寂寥、憎悪、絶望』?


私、多分全部を包み込み、圧縮した物を持ってるわ」
(59) 2021/10/23(Sat) 17:34:45
キエは嘘吐きであるし数え切れない程の嘘を吐いてきたが幾つか本当の事がある。其の内ひとつが食の細さだ。
大食らいでないからこそ此の在り方に馴染んでいる。

性でもなく感情でもない力が胎で溢れれば直ぐに許容量の限界は訪れてしまう。

「ちょ、
ちょっと
待って!


「待って、本当に待って………此の儘だと
全部出る
。君以外の感情も全部を撒き散らしてしまうよ、其れは望む処じゃあないだろ…」

此の小さな箱庭で禍根を全て零してしまえば結果は目に見えている。此れまで散々見せて来た高圧的な態度は今や見る影もない。

【人】 巫女 ユピテル

>>56 キエ

「それでも資格、ないかしら?
その感情そのものが失われるのかとか、どうなるのかとか。
気になることはあるけど、資格がないなら意味無いもの」

「これでないなら、仕方ないから別の方法を探すわ。
時間を取らせてごめんなさいね〜」
(60) 2021/10/23(Sat) 17:41:23

【人】 巫女 ユピテル


「それはそれとして……
聞かれたの初めて!?私が!?


ちょっとみんな何やってるのよ〜!!お姉ちゃん、こんな怪しい取引しちゃダメとは言わないけど、ちゃんと前提くらい聞いてからしなさい!」


お姉ちゃんは該当者全員に聞こえるくらい大声で怒りました。
(61) 2021/10/23(Sat) 18:00:48
あのキエが、心底から焦燥している。……効いている!

「ええっ!?」


だが思わずゲイザーはその足を止める。
それが嘘じゃないのはわかった。胎動している。
このおどろおどろしい、感情のひとつひとつが。

その中にはきっとリソースとなったトラヴィスや、
ほかゲイザーも知らぬ契約を交わした
ゲストたちの記憶が混ざっている。

「そ、それは困ります……。けど、そうは言われたって!
 ……どうすればいいんですか!」

胎の底から1匹の鰐が浮かび上がると其の背中はゲイザーの足場になった。

「はいはい、出してあげるから大人しくしてなさい。…で、何処に出るの君」

鰐が発する声はキエのものだ。此の鰐が“キエ”だと夢を見ているゲイザーならば判るだろう。
鰐はゲイザーを乗せてゆっくりと感情と記憶の沼を泳いでいく。
………そう、沼だ。ゲイザーは人格であるから直ぐに混ざらなかったというだけで、本来胎の中は泥濘のように混ざっている。此処から特定の何かを掬い上げる事など砂浜から一粒の砂を探し当てる事に等しい。
何処かから赤ん坊の泣き声が聞こえる。


「君達が勝手に持ち込んだ魔力とやらを使わせて貰うからね。君も出られるんなら文句無いだろ?」

キエの行動は酷くあっさりとしていた。此処から出る為の試練も無ければ課題も無いが其れが“キエ”だからだ。

簡単には絶望をしない。

賢者
に似て、非なるもの。

チャンドラ

「俺達は死んだのかな。
 神隠しに遭った者が帰ってくることはあるようだから、生きてるのかな。
 これが死後の世界だというのなら、悪くない」

痛みも苦しみもなく死ねたというのなら、これ以上の死に方はきっとないだろう。

「けど……俺だけじゃなくて君もここにいるというのは良くないね。
 思い出してもらえたのは嬉しいけど……君は、もっと生きるべきだ」

底冷えする寒さがあるわけではないが、今、自分には一欠片の
ぬくもり
も存在していはいない。
自分の魂は兄のものだけど、
ぬくもり
だけはあなたに遺して行こうと思ったことは後悔もしていない。

そこに取引も駆け引きも欲望も、ひとつもありはしない。
ただただ一方通行の感情でしかなかった。

定義がキエを形作るとするならば、
この鰐もまた、キエの一部分なのだろうか。

ゲイザーは悍ましいアトラクションのような景色を進む。

「ま、魔力……? あたしっ、魔法使いじゃありませんし。
 よくわからないですけど……。
 わ、悪いことしないならいいですよっ!」

きっとあなたは、
”悪いことなんて滅相もない”なんて返してしまうのだろう、
そも善悪基準が人間とは違うのだから。

拍子抜けするほど簡単な脱出に、
”もっと早く声をあげればよかった”なんて思いながら。


 ポルクス

「言われてみれば。
 死んだっていう発想は、しなかったわね」

死後の世界なんてものを信じていない。
夜でないなら、わたしたちにはその権利すらない。
わたしたちは夜にしか生きられないの。

「……ポルクス。
 それはあなたは死んでもいいと、そう言っているの?」

常昼のこの館で死後の世界を信じないわたしは、自分が生きていることを疑わない。
もちろん、あなたも。

あなたの望みは知っている。
それは叶っていないと思っている。

同じくらい、叶わない方がいいとも思っている。
あなたの言葉を借りるなら、わたしはあなたに生きてほしいと思っている。



「何処にって、勿論──リーパーの中に!」


 

チャンドラ

「わからない。
 この花弁が教えてくれたから……兄もこの館に来ていたこと、館であったこと、兄が得たもの、兄が捨てたもの」

今更捨てたものを欲しなどしないだろう。
ならば俺の行き場はどこにあるのだろうか。

「でも……一度捨てようとした命だから、あまり惜しくはないかな」

「…ん、見えた」

目的地リーパーを意識に捉えると迷う事なく速度を上げた。
キエは人を導かないし救いもしないし愛していない。されど人を大切にせざるを得ない曖昧模糊な存在だ。
人によってキエは善にも悪にも成ってしまうし、キエ自身も自ら其の在り方を選んだ。其れはキエの嫌う面倒が多く在る筈なのに選んだ道だ。
赤ん坊の泣き声が遠くなっていく。


「相も変わらずおかしな事を言うねェ君は」

 
 
「―――悪い事なんて滅相も無い。」

 

【人】 巫女 ユピテル

>>+23 >>+24 ミズガネ

「────」

「……
W『自分がこうしたい』と思ったことW
?」

言われた言葉が、何度も繰り返されます。
何度も、何度も。
ずっと言われたかった言葉。


 最愛の存在はいつも『いいよ』と言います。
 でもユピテルはそれは凄く嫌でした。
 最愛でない人は巫女の使命を果たすのを望みます。
 ユピテルは、いつしか『自分がこうしたい』を

 誰にも言えなくなりました。
 誰にも言わなくなりました。


 だって、黙って従順なフリをしていれば。最期のその日、したくない事を避けられる。
 使命を放棄し、全てを止められる。


気付けば大地の巫女の心は冷えて、氷の巫女になりました。

 
──でも、
それですら本当の『自分がしたいこと』ではありませんでした。


 ▼
(68) 2021/10/23(Sat) 20:33:41

【人】 巫女 ユピテル

>>+23 >>+24 ミズガネ

 違う道があるなら、見つけたかった。
 最愛の存在の望みを、平和に叶えたかった。
 最愛でない人を、無意味と切り捨てたかった。

 それを捨てきれず、毎日毎日迷い続けて。
 だから、こんな所まで迷ってしまったのか。

 もしかしたらこの時にはもう、
 ユピテルの『自分がこうしたい』事は、

 
死にたい
か、
逃げたい
に変わっていたのかもしれません。

ユピテルは一度も『自分がこうしたい』を、
ただしく他人に、誰かに応援された事がありませんでした。

 ▼
(69) 2021/10/23(Sat) 20:34:22
 ポルクス

「……お兄さんが?」

偶然か、双子の神秘がそうさせたのか。
でも偶然にしてはできすぎていて、わたしは驚いていた。

追うものと追われるもの。
あなたとお兄さんの関係は、聞いた話ではそんなもの。
それなのに、先にこの館に来たのはお兄さんの方。
そしてあなたが追うようにここを訪れた。

とんだ運命の悪戯ね。
それともこれも、館の主の意志かしら。

「惜しくはない……あなたはそう、思うのね」

ひとつ知る。
お兄さんの影がなくなって尚、あなたを蝕むもの。
わたしが思っていたとおり、そしてあなたの話していたとおり、あなたの中のお兄さんの存在はとても大きい。

 ポルクス

「わたしはそうは思わないわ。
 命は粗末にするべきではないもの」

ひとつ知ったなら、次はわたしの番。
わたしはわたしの道徳を語る。
そしてこれはわたしだけの道徳では決してない。


「命を危険に晒しても、やりたいことがあるなら別よ。
 わたしはそれは、粗末とは別と思うもの。
 わたしはあなたに、命を粗末にして欲しくないわ」

わたしは探して欲しいと言う。
どうせなくなってもいい命なら、それを賭けてでもやりたいことを。

叶うかは、また別の話。
それでも目標のために冒険する時間は、きっと有意義なもののはずだから。

【人】 巫女 ユピテル

>>+23 >>+24 ミズガネ

「──ふふ」
W俺WW私Wはどんな選択をしても、Wお前WW貴方Wを応援しているから


「まるで、私の神様の様な事を言うのね。ミズガネ」 
Wお前がWW貴方がW道を選んで進むことを、自分のことのように嬉しく思えるのだから


「……ありがとう。もう、寒くないわ。
抱き締めてくれたのがわかるの。きっと何度でも触れられる。

館に来て、皆とお話して、貴方と触れ合って。
『自分がこうしたい』と思ったことを無意識に貫いてた。
それが今に繋がっているなら、迷わないわ」

改めて考えます。
今の、本当の『自分がこうしたい』と思ったことは──

  「       」

だから負い目なく日々を受け入れられるように、


「貴方が信じてくれるなら、私、どれほどでも頑張れるわ」
もう間違えない。こんな私に、熱と勇気をくれたから、」

  「WいってきますW」

人に、赦しは与えました。館では本心の赦しを沢山。
人に、赦しを貰えたのは、初めてでした。
(70) 2021/10/23(Sat) 20:36:09

【人】 巫女 ユピテル

>>62 >>63 キエ

「夢……そうかも。
多分私今、ずっと幸せな夢を見続けているようなもの
“元の私”にならあった。だと、納得するしかないわね〜」

自分にだけ告げられた言葉の響きが、
初日と意味を異なっている事に気付いて少しだけ笑います。
これはこれで、そう思わせる事がなんだかW楽しいWので。

「そうするわ。それじゃあ、また明日ね」

顔を上げて、何でもないいつも通りの緩い笑顔に戻ります。
ひらひら手を振って、
「教えてくれてありがとう」と去っていきました。
(71) 2021/10/23(Sat) 20:42:22
 




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生存者 (4)

テラ
1回 残 たくさん

ぷわわ〜

ゾズマ
10回 残 たくさん

 

アマノ
6回 残 たくさん

 

ユピテル
33回 残 たくさん

ブイブイ〜

犠牲者 (4)

クロノ(2d)
0回 残 たくさん

 

ミズガネ(3d)
42回 残 たくさん

透明に触れたい

ポルクス(4d)
11回 残 たくさん

 

チャンドラ(4d)
16回 残 たくさん

賢者では、ないの

処刑者 (3)

キンウ(4d)
7回 残 たくさん

 

ゲイザー(5d)
4回 残 たくさん

 

キエ(6d)
13回 残 たくさん

僕は僕だよ

突然死者 (0)

舞台 (3)

トラヴィス
34回 残 たくさん

アクセルだけ踏む

シトゥラ
19回 残 たくさん

 

プルー
9回 残 たくさん

宝物はもうあるの

発言種別

通常発言
独り言
内緒話
囁き系
死者のうめき
舞台
置き手紙

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