人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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[日記の後に、間を空けて。
いつものように返事が書かれている。
返事を書いている間、今しがた書いた『日記』を
自分の目に入れたくない理由でもあったのか
今までに比べて、改行の数がやたらと多かった。]

僕の日記を読んでくれている誰かへ。

 あなたのお返事を見て、
 僕は、自分の見る夢について色々考えました。
 "人が住めなくなった土地を調査して歩いている"
 ……確かに、そう考えると納得ができます。
 しかし、そんな場所、どこにあると言うのでしょうか。
 ―――そう考えると、やっぱり。
 最初にあなたが話してくれた、
 "『天』の向こうには別の世界がある"というお話が
 とても、しっくりと来てしまうのです。
 
 そう考えると次に疑問なのが
 何故僕がこんな夢を見るか、ということになります。
 一つだけ、夢の内容に心当たりがあるのですが
 まだ、僕はそれを人に言う勇気がありません。
 
 本当は、日記の冒頭に書いた通りで、
 いつどうなってしまうか、僕にもわからない。
 だから話すべきだとは思っているのに、
 どうしても、文字を打つ指が止まってしまいます。
 
 でも……迷惑をかけるかもと思いつつも、
 誰も居ない景色の中を一人で行かせるのは嫌だと、
 そんな風に言ってくれた、あなたになら。
 ここまで、『夢』なんていう朧げな僕の話を
 根気よく聞き、寄り添うように向き合ってくれて、
 内容について一緒に考えてくれた、あなたになら。
 もう少ししたら、僕の抱えている残りを、
 全てお話しする勇気が出るかもしれません。

 確かに、夢では寒暖を感じることがありませんが
 白い粒が消えていく様子は、
 氷菓子の一粒が溶けてゆく様子に似ていました。
 綿のような氷が空から降ってくるなんて
 それこそ、夢のような世界で。
 夢の中の僕が旅をしていた場所は、
 氷菓子が食べ放題でいいなあと思います。
 お皿を置いて待っているだけで、
 あの甘い氷菓子が食べれるだなんて。
 まだ人が住めた頃は、皆そうしてたのかもと考えると
 想像すると、少しだけ元気になるようです。
 
 事故は…僕が想像することもできないぐらい
 深い傷を、あなたに残したのでしょう。
 でも僕は今まで、あなたとのやりとりで、
 不快になったことは一度もありません。
 (今まで、夢の中の僕には感情が無いようでしたので
 僕の書いた夢の話を何か不快に感じたら、謝ります。)
 
 そしてもし、あなたの感情を取り戻す
 助けになれているなら、僕はとても嬉しく思います。
 "貰っているものがある"というのは僕の方で、
 何かお返しできればいいのに、と。
 最近は、ここに来るときじゃないときも
 そればかり考えてしまうぐらいだったので。



    赤の散る未来を見ていた。
    所詮、石ではあるから大怪我ではなくても、
    華奢な手の甲を切るには充分だったのだろう。

    ほんのすこし、先の未来。
    薔薇色の瞳は起きている時も、
    赤が関わるなら白昼夢を見せる。

 



    世界一の薔薇が選んだのは、
    “騒ぎを起こす”未来であった。

 



 正しい物語かなんてわからない、
 定まらない未来の中で、

    薔薇が 蝶を選ぶ理由だなんて、────

 




          死なない?



 

[ この日記の夢は、記している者の記憶だ。
 自分は以前から、そのように感じていたと思う。
 
 大穴の向こう、もう一つの世界の景色だ。
 失われた技術、
 自分たちが“最初から”手にしていたもの。
 その意味するところは、まだよく分からないけれど、
 彼が旅しているのがそのような場所であることは、
 記述を繋ぎ合わせれば、
 気づかずにいることは、もうできなかった。]


 あなたへ

 ほんとうは、いつものように、
 夢の話を詳しく考えて、
 気付いたことを記していけたらと思うのだけれど、
 どうしても、うまく書けそうにありません。

 もう少ししたら、あなたの抱えている残りのことを、
 話せるときがくるかもしれないと、
 そのように思ってくれて、
 ほんとうに、ありがとうございます。
 あなたが自分の夢に向きあえるように、
 何かの手助けになれていたなら、それ以上嬉しいことはない。

 ――それは本当だけれど、きっと、本当じゃない。
 わたしが望んでいることは、それだけじゃない。


 あなたがいなくなることが、怖い。
 怖くてたまらない。

 “あまり時間がないのかもしれない”と、あなたは言う。
 最初にこの日記を読んだ時から、
 薄々と、感じていたことがあります。
 感じていながら、認めたくなくて、
 深く考えることから逃げていた。
 あなたは、あとでゆっくりと読み返す記録にするために、
 この日記をつけているのではなくて、
 まるで、のこしておくために、書いているようだと。

 このノートのやり取りで、
 昔のように感情が分かるようだと思っていた理由が、
 今なら、わたしには分かる。
 
 “心配”でたまらないと、
 そう思っているひとがいます。
 いつも周りの事ばかり心配して、
 自分だってずっと辛い目に遭っているくせに、
 誰かのために戦って、笑っていられるような。

 いつからかは、分からないけれど。
 そのひとと話をしていると、その目を見ていると、
 わたしのなかの残骸が、音を立てる。

  
 あなたの日記を読んで、
 手を伸ばしたくなる。
 どこか遠くを歩いているような、夢の話。
 いつか、この現実に早足の夢が追いついて、
 手が届かないほど遠くに行ってしまいそうで、怖くて。

 いつからだろう。
 わたしの中で、どこまでも続く冷たい白い景色や、
 朽ち果てた建物の中を歩くあなたの姿は、
 暗い暗い穴の外へと身を躍らせて、
 宝物の写真へと手を伸ばそうとする、その姿は、
 君だった。

 本当に怖いのは、立ち向かっているのは君なのに、
 わたしのことばかり話してしまって、ごめんなさい。

 けれど、
 天の穴の向こうの世界が、
 いまはもう、人が住めない死に覆われた場所だとしても。
 いつか、君がそこにもう一度、
 足を踏み入れることがあるのだとしたら、
 ひとりでなんて、行かせたくない。

 『感情』がなかったという昔の君が、
 得たものが、気づいたものが、
 今の君を形作っているというのなら、
 離さないように、離れないように、
 その手を掴んでいたいと、そう思う。

 わたしは、



    [ 月は 随分欠けていた。]

 



      かいぶつ だよ。

 



        [ 見覚えのある字には、
          添書くように文字を崩し、
          …それでもMの癖は消えない。]
 

 
   Jさんですね、わかりました
 
   受験勉強は正直、あまり身が入らないです
   もう志望校決まったんですね!
   私は成績と相談して、一番無難なところになりそうです
 

 
   それ、すごくよくわかります
 
   私も昔から仲のいい子で
   近すぎて、好きだって気付いたのが遅かったっていうか
 
   他に好きな人がいるのか聞いてみるのは
    …… 怖いですよね
 
   でも、卒業したら会えなくなるかもしれないですから
   勉強も手につかない様なら、
   告白もアリだと思います
 
   そっと胸にしまいこんでおくのなら
   代わりに私が お話を聞きますね
 
 





         ひと に 刺されたおんなは、
         みずほらしい少女のかたちをしていた。




 



 『日本語で使われる「可愛い」って
  褒め言葉と違う場合がある

  パンダへの可愛いは英語でいう
  cute、lovelyと同じで褒め言葉
  ユージンもそれで使ったと思う

  だから、俺とユージンは
  パンダには同じ可愛いを感じてる
  俺はそう思ったから、納得してる』

 



 『で、違う場合っていうのは
  相手を自分より格下と思ってる
  相手を馬鹿にしてる侮ってる軽んじてる
  そう思ってるって意味で使う場合だな

  いってる側にそのつもりはなかったとしても
  いわれてる側にそう思われることはある
  でも、分かってて悪口で使うことの方が多い

  俺の話になるけど、故郷に帰れば未だに
  そういう使い方でいってくるヤツもいる

  こども扱いする意味での可愛いで
  実際、面倒見てもらってるこどもとはいえ
  いわれて…とても、悔しい言葉なんだ』

 



 『ユージンは俺の何を見てどう思って
  可愛いっていったのかが分からない

  俺からすると、いきなり知らない相手
  しかも、格上と思える相手から
  いきなり可愛いっていわれた状態で

  ぶっちゃけ、馬鹿にされたと思ったから
  いわれて嫌だってなった

  けど、ユージンと話してて…もしかして
  馬鹿にしてるとも違う可愛いか?
  そうだったらいいなって思って

  ユージンのいう可愛いを知りたくなった』

 


  先日のこと。
  “おひめさま”との 一件。
  
  大体の問題は、確かに解決していたのだけれど、
  ──石の狙いは正確だった。 
  男ではなく、“小間使い”を狙った、“指示どおり”の。
  部屋に転がり込んだ小石だって、
  “その辺で拾う”ような、そんなものじゃあない。

  別段、準備していたわけじゃあ無かったろう。
  おひめさまは衝動的だった。
  唯、“傭われの男”は ────……
 



      “所有物”を壊す感覚だ。そうだろ?

 



 『*ユージンは俺を見て
  どう可愛いと思ったんだ?*』

 


  僕には見えていた筈だ。
  彼女が怪我をする未来が、 あの時。

  ──先延ばしにして、したり顔だなんて
    出来損ないにも程がある。
 

 



   [ 中途で途切れた記述に、続きが記されてゆく。]



  わたしは、君の傍にいて、
  立ち向かわなければいけないものがあるなら、
  苦しみがあるなら、痛むなら、
  分けてほしいと、一緒に立ち向かわせてほしいと、
  そう願ってる。

  この手の届かないところで、苦しまないでほしい。
  遠くに行かないで。

 


  君が向けてくれる、笑顔だとか、
  怖がったり、驚いたり、怒ったり、
  そんなひとつひとつの表情が、
  止まってしまったはずの、わたしの胸の中にあって、
  いつの間にか、こんなにも、
  わたしのことを動かしていた。

  これに、なんていう名前を付けたらいいか、
  わたしには、わからないけれど。
  ううん、名前なんて、付けられない。


 




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