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【人】 生物部部長 クロユリ>>24 [ 暑くなりはじめた陽差しの中、紺色のワンピースを着たユウリは、約束の場所から少し離れたところに立ったまま、青柳を見つめていた。 渡された紙に書かれた時間の10分前、自分のほうが先に来るつもりだったのだけど、青柳はすでにそこにいた。本当は駆け寄りたい気持ちでいたけど、何かがユウリを押しとどめた。 ふと、青柳のもとへ小さな女の子が近づいた。 青柳は慣れた様子で女の子を抱き上げ言葉を交わしているようだ。 すると… 女の子のハンカチが青柳の目元をぬぐうように見えた。 先生…泣いてる そう、恐らく青柳を見つけたときに微かに気づいていのだ。 手にしているのは花束。>>23 彼が何のためにここへ来たのかを。 ユウリはそのまま動けずに、女の子と青柳をじっと見つめていた] (47) 2020/06/21(Sun) 9:31:20 |
【人】 生物部部長 クロユリ[ そのままどのくらい立ち尽くしていたのかはわからない、ほんの数秒だったのかそれとももっと長い時間が経ったのか。 ユウリは手の中の紙を握りしめた。 この場所、この時間 そう、ユウリをここへ呼んでくれたのは彼だから。 大きく深呼吸。 自分の気持ちは決まっている。 だからここへ来たのだ。 ユウリは青柳がいる方へ近づいて行った ]* (48) 2020/06/21(Sun) 9:50:44 |
【人】 生物部部長 クロユリ[ >>53 おはよう、玄森。 おはようございます、青柳先生。 目が合った途端駆け足になりそうだった自分をきゅっと止めて、ぺこりと挨拶をする。 堅苦しすぎる…と自分でも思う。 でも、とつぜん態度を変えたり、ましてや名前で呼ぶなんてことできない。 でも、できない、けど。 ふっと微笑んでくれた先生に、笑顔で応えた。 やっぱり学校とはちょっと違う。 ユウリは青柳の前に立ち、もう一度ぺこりと一礼すると。履いてきたスニーカーを指さした。 >>2:285 青柳に言われたように動きやすい服を考えた。とはいえ青柳と会うのに生物部の採集をするときのような恰好ではどうしても来れず、あまりひらひらしすぎないワンピースとスニーカーを選んだ。] ちゃんとスニーカーですから大丈夫ですよ。* (54) 2020/06/21(Sun) 13:49:05 |
【人】 生物部部長 クロユリ[ >>79 行こうかという言葉に頷いたとき、すっと手がさしだされた。 そういうことに疎いユウリは、その仕草に一瞬戸惑い、いいのかな?という表情を青柳に向けた。 ためらう彼女に気づかなかったのか、あるいは気づかないふりなのか、青柳は先ほど女の子を抱え上げた時のような自然さでユウリの手を取り歩き始める。それは、小さい子が道にはぐれないようにするためのような、どこか恋愛とは違う、そんなつなぎ方だった。 はた目には恋人同士のように見えただろう。 つながれたふたりの手。 彼のつながれていない反対の手には花束。 言葉を持たないふたりは、ゆっくりと彼の愛しい人が眠る場所へと向かっていった。 (101) 2020/06/23(Tue) 6:49:13 |
【人】 生物部部長 クロユリ[墓所の入り口で、どちらからともなくふたりは手を離した。 青柳はユウリの方を見ることはなく、ゆっくりと奥へ進んでいく。 ユウリの瞼に、先ほどの女の子のハンカチが浮かんだ。 青柳の気持ちはたぶん、ユウリにはおそらく計り知れない。 大切な人が失われた。 それでもまだ生きていかなければならない。 自分では、たぶん計り知れない。 それでも、ユウリは青柳の背中についていった。 もし自分がそばにいることを彼がゆるしてくれるのなら、なにもできないけどそばにいたい、そう思ったから。 >>79 きれいに整えられた墓石の前に座ると、まるでその人であるかのようにそっと石を撫で、青柳は花束と飴玉と飲み物を供えた。 亡き人と語る彼の横には並ぶことができず、少し離れた斜め後ろにユウリはそっとしゃがみこみ、彼と同じようにそっと手を合わせた。 (114) 2020/06/23(Tue) 21:15:12 |
【人】 生物部部長 クロユリ[>>80 青柳は墓前で、母校での実習のことや文化祭のことを語り掛ける。 生徒たちの様子や変わらない恩師たち、体育館での圧巻のライブのこと、時に微笑みながら、あたかも愛しい人が目の前にいるように楽し気に。 ユウリは手を合わせ黙祷し、彼の言葉を聞いていた。 ……忘れない。 忘れないから、 一歩踏み出してみようと思う。 あの時の君みたいに、勇気をもって 告白してくれた彼女と一緒に。 その言葉に思わず目を見開いた。 のと同時に、合わせていた手を握られる。 青柳の瞳は、まっすぐにユウリを見つめていた。 (118) 2020/06/23(Tue) 22:18:06 |
【人】 生物部部長 クロユリ海の深さをもつ、ユウリが大好きなその瞳。 ユウリはほんの一瞬だけ逡巡した、それは彼の大切な人の墓前で、彼からそんな言葉を聞くなんて思っていなかったから。 とはいっても、まずは友達からだけど 茶化すような響きはかえってその奥の気持ちを照らすようだった。 確かな意思をもった彼の手の力強さに、ユウリはそっとその手を握り返すと、その僅かなためらいを受け止めるように、彼のもう片方の手が添えられ彼女の手を包んだ。 そばにいたい。 ユウリはもう何度目かわからないその気持ちを、もう一度胸でつぶやいた。 そばにいたい。 大切な人をずっと忘れず、大切なままに思う彼のそばで。 ユウリは幼い頃に大好きだったカエデの樹を思った。 どんなときもただそばにいてくれた大切な存在。 できることなら、彼にとってそんな樹のようなひとになりたい。 ユウリは今度こそ、彼の手をしっかりと握り返した。* (119) 2020/06/23(Tue) 22:19:11 |
【人】 生物部部長 クロユリ/* >>-850 雨宮先輩ことゆきさん! そうですよねーー!! 中の人的にはもう2、3度先生と……w そして今回初めてRP村に参加させていただき、ありがとうございました。文化祭、とても楽しかったです。 村建てしてくださった杏さん。 お声かけいただいたゆきさん。 そしてご一緒していただいた皆様。 本当に有難うございました! ぺこり!! というわけで、せっかく延長していただいたので、時間軸をうろうろさせて頂きたいと思います。 タイムマシーン!!(←世代 (120) 2020/06/23(Tue) 22:40:37 |
【人】 生物部部長 クロユリ[お化け屋敷で着ていた重い振袖を脱ぐと、想像以上の解放感に思わず、んーっと伸びをする。 昼だというのに暗い中に連れていかれていたハムスケは、急な明るさに戸惑うようにがさがさとおがくずの中にもぐりこむ。 ポスターセッションの後、生物部に連れて帰ってあげればよかった。 迂闊にもゲージにハムスケを入れたまま教室棟に行ってしまい、みんなに押されるようにお化け役を引き受けてしまったため、ハムスケには申し訳ないことをした。 そんなことを考えながら、ユウリはもう一度旧校舎の理科棟に戻っていった。 >>2:115 いちどは準備中で(ユウリ解釈)開いていなかった喫茶店に、もう一度どうしても行ってみたかったのだ。* (132) 2020/06/23(Tue) 23:09:23 |
【人】 生物部部長 クロユリ[ 喫茶店アトリエ さっき聞こえた誰何の声を思い出し、ちょっとびくびくしながらも、もういちどこの看板の前にやってきた。 教室の外からもコーヒーの香りがかすかにしていた。 そのいい香りで思い出した喉の渇きと、それと同じくらいの好奇心。 ずっとこの香りが気になって仕方なかった。 誰がやっているのだろう、アトリエというくらいだから美術部の人かな?でもそれだったらなんでこんな旧校舎の理科棟で。 そんなことを思いながら、そうっとドアを開ける。] 失礼…します… (159) 2020/06/24(Wed) 21:33:24 |
【人】 生物部部長 クロユリ[開けた先には >>1:71 黒く塗られた机に、ガスバーナー、ビーカー 間違いなく見慣れた理科室だった。 そしてそこにいたのは、2年の須藤要さんだった。 あまり話したことはないけれど、そこにいたのが同級生だったことで、ユウリは少しほっとした。] お邪魔しても、いいですか? あ、ごめんなさい!ハムスター連れで!* (160) 2020/06/24(Wed) 21:36:15 |
【人】 生物部部長 クロユリ[須藤はユウリのことは同級生と認識していないようだったが、ユウリもあまり人とたくさん話すほうではないので、全く気にしなかった。 >>161 そして、須藤のその柔和な物腰に、緊張していた気持ちがふっとやわらいだのを感じた。] いいえ、こちらこそ、まだ準備中だったのにのぞいたりして、ごめんなさい。 [喫茶アトリエの穏やかな気配に、ユウリはようやく、ほっと気持ちを落ち着けることができた] (162) 2020/06/24(Wed) 22:09:44 |
【人】 生物部部長 クロユリ[勧められるままに椅子に腰掛ける。 ハムスケのケージは、テーブルの上に置くのは躊躇われ自分の膝に抱えることにした。 今はほとんど使われていない理科室の椅子に座って、須藤から「お飲み物は何になさいますか?」と微笑みながら訊かれ、「コーヒーを、お願いします」と答える。 なんだか、夢の中に出てきそうなシチュエーションだな、なんて思っていた。] (163) 2020/06/24(Wed) 22:11:44 |
【人】 生物部部長 クロユリ[すると、 >>161 「あ、ハムスターも水、いりますかね?」 と、須藤は綺麗なシャーレをそっとテーブルの上に置いた。 一瞬目を丸くするユウリ。 でも須藤は決して冗談ではないようだった。 夢の中みたい、という感想を打ち消すそのインパクトに、ユウリは思わず笑みがこぼれた。] 「ありがとうございます。いただきます。」 [膝の上に抱えていたケージから、ハムスケをそっと手で包むと、テーブルの上に置かれたシャーレの前に下した。 おがくずの中での眠りを遮られたことへの不服なのか、ハムスケはユウリの手の中でジュッ!!と抗議の声を上げた。 だが、シャーレの前でしばらくクンクンとハナを動かしたかと思うと、おもむろに中の水を飲もうとし…そのまま、シャーレの中に落ちた。]* (164) 2020/06/24(Wed) 22:24:41 |
【人】 生物部部長 クロユリ>>165 ハムスターは基本的には水浴びはしない(…らしい) でも生物部という比較的過酷な環境に慣れているハムスケは、ぷんぷんと怒りながらもシャーレから抜け出すと、ブルブルっと体を震わせ水を弾き飛ばすと、ぐりぐりと毛づくろいを始めた。 須藤もおそらくびっくりしたのだろう。 ハムスケを助けてくれようと手を出し、手を止め、引っ込めた。 その逡巡が須藤の優しさを醸し出していた。 ユウリは、ぷんぷんと怒っているハムスケをよしよしと撫でると、須藤に「驚かせてごめんなさい」と謝り、ホットコーヒーをお願いした。 他にお客さんはいない。 ユウリは須藤ともう少し話をしてみたいな…と思った]* (166) 2020/06/24(Wed) 22:55:51 |
【人】 生物部部長 クロユリ>>170 「玄森優里です。わたしも2年生です」 [同級生ということで、須藤が気まずい気持ちならないといいなと思いつつ、そう答えた。 奥の方から、微かにコーヒーのいい香りがしてきた。自分のために煎れてくれているのだと思うと、うれしくなった。] 「須藤さん、訊いてもいいですか?」 [もう聞いているけど、というツッコミを受けるところだが、幸いそこにツッコミ担当はいなかった] 「ハムスター、飼ってみませんか?」* (176) 2020/06/24(Wed) 23:26:19 |
【人】 生物部部長 クロユリ[普段は物静かだが、ときどきとっぴな言動をとる、というのが生物部の部員たちのユウリへの人物評だった。 代々生物部の部室で飼われているハムスター、ハムスケはちょうどユウリが入部したときに生まれたこともあり、思い入れも強かった。 そんなハムスケの子どもが生まれたのがつい一か月前。 もちろん生物部で飼っていくつもりでいるが、ユウリは先ほどの須藤の逡巡とやさしさに、こういう人にハムスケの子どもたちを育てほしいな、という気持ちが芽生え、ついついそんな言葉をかけてしまった。 しかし須藤の答えは至極全うで、その答えに却ってユウリは彼の優しさを感じた。 須藤が出してくれたコーヒーの香りに、ユウリははっと我に返る。 「そうですよね、急にごめんなさい」 「えと、とりあえず、ホットのコーヒーです」 ハムスケがふっと近くにいた須藤に近づいていく。 ふんふんとにおいをかぐと、またそこに座り込み、ぐりぐりと毛づくろいを続ける。 そんなハムスケの様子に、2人は思わず顔を見合わせて微笑んでいた。 ユウリはまたいつか、須藤とハムスターの生態の凄さについて、もっと語りあえたら嬉しいな…と思った。* (178) 2020/06/24(Wed) 23:55:11 |
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