人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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【人】 T『魔術師』 シン

 

  さよなら!


[ 笑顔で、明るく、別れを告げて。]
 
(220) 2022/12/21(Wed) 20:28:15

【人】 T『魔術師』 シン

 

  ……あ、


[ その姿が崩れ落ちるのを、見た>>8。]


  、
ヴェル兄さん――っ!



[ さっきより余程悲痛な顔をして、
 ぼくはその身体に駆け寄るんだ。*]
 
(221) 2022/12/21(Wed) 20:29:26
 
[『月』とは多くを語らい、共に過ごす時間も多く
 私にとって大切な存在でした。

 花壇の薔薇が枯れたと聞けば
 共に育てよう、と申し出て手伝いました。

 あなたの美しい髪を切るのはとんでもない、と私が洗い
 また、逆に私の髪も洗い、梳いていただきましたね。
 
 贈り物も多くいただきました。
 それでは私もお礼に、と負けず多くの品を贈りました。

 特にハックマナイト入りの銀色の櫛は
 あなたに似合うだけでは無く
 私が持つタンザナイト入りの銀の聖杖と
 お揃いのように見えるので、特段お気に入りでした。

 『死神』や『吊るされた男』らとの会話が
 “心癒される”一時とすれば
 『月』との会話は“心安らぐ”一時でした。]
 

 
[ しかし、私は愛を『与える』ことに慣れていても
 『与えられる』ことには慣れていなかったのです。


  私は勿論、あなたのことを愛していました。
  故に、あなたには最後まで
  真実と願いを伝えられずにいたのです。


  
  そのか細く美しい手が、血に塗れて欲しく無かった。
  優しいあなたに、一生心に残る傷を与えたく無かった。
  愛するあなたに、幸せでいて欲しかった。
  悲しい思いをして欲しく無かった。

 


 私には、覚悟が足りなかったのです。
 今は争っていても、いつかは皆が理解し合い
 争いも収束すると思っていました。


 
 この心に這い寄る暗澹たる存在を自覚しながら
 目を反らし続けていたのです。
]
 


 
   …………。


[ 一度思わせぶりをしておきながら
 言い淀むのは、確かに私の責任です。

 そして悟ったのです。
 あなたは私の悩みに、変化に。
 既に気付いていたのでしょう。 

 それでも私を思い、私の為に尽くしてくれる
 あなたの命を散らしたくない。]
 

 
 
   ……もし、私に何かがあった時は
   必ず私の分まで生きて下さい。
  
   私の分まで、幸せになって下さい。
 

 
[ あなたに託そうとした
私を殺すための短剣も

 結局渡せずじまいのまま。

 向けた笑顔も、明らかに無理な作り笑いだと
 恐らく即座に気付けたことでしょう。]
 
 






[ この時が、最後の語らいとなったのです。


  ────


  突然ではありましたが
  いつか、この時が来る覚悟は存在していました。]

 

 
[ 友情とは、二つの肉体に宿る一つの魂のこと。


 物静かで優しく、時に厳しい態度を示しながらも
 私を支え、道を示すあなたは、紛れも無く私の半身でした。

 魂の半分を喪ったこの時
 私自身も同時に死んでいたのでしょう。
 残ったのは、ただの壊れた人形でしか無かったのです。


 ……でも。


 もしあの時、あなたに短剣を託し
 想いを伝えることが出来ていたとしても
 あなたを死なせる考えも
 共に逝く考えもありませんでした。

 あなたには私の分まで生きて欲しかった。
 私の想いを抱いて、私の中で共に。
 生きていれば、必ず良いことがあるから、と。

 しかし、あなたは私よりも先に散ってしまった。
 今となっては、全てがifの妄想。

 あの時共に逝けたならば、私が完全に壊れる前に
 あなたに救われていたのかもしれませんね。]

 

 
 
[ ……この段階で、既に

   私は選択を誤っていたようです。]

 
 

 
[ 余談。

 経典に記されている『教皇』は
 “デセスパール”という名でも知られています。

 この名がどの時代から使われ始めたかは不明ですが
 語源としては、遠き国の言葉で
  
“絶望”
  が変化したものとされています。

 他に名を持たない者が多い中
 彼は何を思い、この名を使い始めたのでしょう?*]

 

T『魔術師』 シンは、メモを貼った。
(a47) 2022/12/21(Wed) 20:54:02

【人】 T『魔術師』 シン

―― 回想・世界が終わるその前に ――


[ 神様が決定を下す、その前の日。
 行ったのは薬草園だったかな。
 そこに――アリアちゃんがいると思ったからだ。]


  こんにちは! アリアちゃん


[ それこそ、きみを迎えに行った日のように、
 それから、なんとなく距離を置いていたことも、
 何でもなかったかのように。

 アリアちゃんへと声を掛けた。]
 
(227) 2022/12/21(Wed) 21:53:56

【人】 T『魔術師』 シン

 
[ ――5年前、迎えに行ったアリアちゃんは、
 今と同じようにあんまり表情は変わらなくて、
 その心の内を知らないぼくは、
なんというか、
 わりとあっさり、聞き分けの良いように見えた>>1:188
 一緒に暮らしていた人が亡くなったと聞いたのは、
 こっち側も既に把握してたのか、
 それとも到着してから
 近くの人の反応から知ったことだったんだっけ。

 ……一緒に暮らす人が居なくなったからこその
 淡白さだったのか、
 それとも別の何かなのか。

 ぼくには何とも言えなかった。]
 
(228) 2022/12/21(Wed) 21:54:22

【人】 T『魔術師』 シン

 
[ ぼくは、カルクくんの祈祷室にも、
 フォル兄さんの売店にも
 入り浸ることはあんまりないんだけど>>1:437
 アリアちゃんのところに通ってたのは、
 ……うん、お客さん少なそうだなーっていうのも、
 なくはなかった。
 だけどそれ以上のものもあったよ。
 アリアちゃんのことは、その時は、
 一番気に掛けてただろうね>>1:189

 アリアちゃんの表情の微妙な変化が、
 なんとなく分かるようになった気がしたし
 (気のせいかもしれない)

 ここでの居心地もそう悪くはないのだろうと、
 それが分かれば、嬉しかったよ。]
 
(229) 2022/12/21(Wed) 21:54:54

【人】 T『魔術師』 シン

 
[ だからこそ、彼女を見て憎らしくなるのが苦しかった。
 この関係が、過去の何かに塗り潰されるのが嫌だった。
 『隠者』は知ることがないことだろう。
 だから……アリアちゃんが過去に振り回されないのは、
 救い、だったのかもしれないけど。
 だけど何も知らない子へと、
 訳の分からない感情を向けて、避けてしまうこと、
 それがますます、苦しくて、]
 
(230) 2022/12/21(Wed) 21:55:38

【人】 T『魔術師』 シン

 

  え…………?


[ ――その時、上手く笑えていたかは分からない。
 流石にばったり会った時まで避けることはしないけど、
 その時は、アリアちゃんに対しては、
 まだ誤魔化すことが上手くなかった。
 強引に持たされたのは、ドロップ缶>>1:191。]


  え、あ……


[ 渡したら、アリアちゃんの手は離れていく。
 からからと手の中で鳴らす。]
 
(231) 2022/12/21(Wed) 21:56:24

【人】 T『魔術師』 シン

 

  ……あは
  ぼく、そんなに疲れてるように見えたー?

  でもありがとう!


[ これどうしたのー?なんて、
 ようやくいつもみたいに聞けたら、
 どうやらアリアちゃんのお手製らしい。
 アリアちゃんのお手製ならきっと効くよね!と
 思うと同時に、それを渡された訳は……
 はっきりとは分からなかった。]


  ……ごめんね、アリアちゃん



[ 去っていくその背に、音にならない言葉を呟く>>1:192
 なんとなく、アリアちゃんに謝ってしまったら、
 ぼくと『魔術師誰か』の境界が、混ざってしまう気がしたから。]
 
(232) 2022/12/21(Wed) 21:56:52

【人】 T『魔術師』 シン

 
[ そのドロップのお世話になる頻度は、
 実のところはあまり多くなかった。
 自分は苦しくないのだと、
 自分の気持ちを見ないフリするのは得意だ。


 だけど、どうしても自分を見失いそうになったときは、
 ころりと口に放り込んだ。
 なんとなくほっとしたのは、その効能かもしれないけど、
 ……アリアちゃんの優しい言葉が過るから>>1:191
 そっちに、安心していたんじゃないかと思う。
 これをくれたのはアリアちゃんで、
 アリアちゃんが心配したのは、この
苦しむ
ぼくなんだと。
 『隠者』が『魔術師』を心配してる?
 ……きっと、違うよね?
 ]
 
(233) 2022/12/21(Wed) 21:57:44

【人】 T『魔術師』 シン

 

  あのね、アリアちゃん!

  これ、またくれないかな!


[ で、現在、ぼくの手の中にあるのは空のドロップ缶。
 空になった缶を、捨てずにそのまま取っておいたものだ。

 世界がどうなるか分からない状況で、
 そんなことを言うぼくに、
 アリアちゃんが何を感じたかは分からないけど。
 少なくともぼくが、死ぬ気はないことぐらいは、
 伝わったかな。
 ドロップって、そう一瞬でなくなるものではないから。]
 
(234) 2022/12/21(Wed) 21:58:49

【人】 T『魔術師』 シン

 

  アリアちゃん

  アリアちゃんも、
  息を吐きたかったらぼくに言っていいからね

  ……ぼくが言うのも、今更かもしれないけど
  アリアちゃんの力になりたいからね!


[ それは今も変わらないな、と思った。
 玄関ホールで、神様にはっきり告げたきみを見ていた。
 きみは、こんな状況でもしっかりしてると思ってたけど、
 ……でももしかしたら、
 きみにも“兄”が必要だったんじゃないかと。
 ぼくの幸せを、みんなのことを考えてみて、
 今更、思った。

 言うだけ言って、その場を去るのは、
 アリアちゃんの真似みたいだったかもしれない。
 ほら、ドロップ、すぐに用意出来ないかもしれないし?
 って、言い訳。**]
 
(235) 2022/12/21(Wed) 21:59:25

[ わたしの瞳が最期に映したのは
 ずっと大切に想っていたあのひとだった。

 何もかもが遠ざかる景色の中で
 あのひとの青と緑だけが鮮明だった。]



  ( 泣かないで

      どうか かなしまないで


        わたしは あなたといられて よかった



        あなたのそばに いられて よかった  )


  




      あいしてるありがとう 

  


[『悪魔』が『恋人』を愛していた理由は、
 完璧な彼/彼女が健気で美しかったから。
 不完全ゆえの完璧さを孕む様は魅力的で、
 蠱惑的で、いっそ無理やり自分のものにすることも
 考えなかった訳ではない。

 けれど、
 考えてもそれは絶対にしなかっただろう。
 『恋人』は今のままが一番"自分好み"であったからだ。

 彼/彼女がその地獄をおくっていたのもその一因だろう
 その ぎりぎりで、壊れそうで、儚く、
 それでも完璧であろうとする姿が
 『悪魔』は何よりも好きだった。
 愛していた。

 勿論その心内の全てを知っていたわけではないが
 『悪魔』は『恋人』が自分に靡かないだろう所も、
 好ましいと思う箇所だ。

 壊れたら取り返しのないものを
 つついて遊ぶ。

 それは『愚者』を殺した時の感情に似ていた。]
 


[似ていたけれど、
 決定的に違うものはあっただろう。]
 


[どうせなら自分の手でその完璧を壊したかったけれど。
 今までやこの混乱の中で『恋人』の精神が壊れてしまっていたのなら。
 それは自分が壊したのも同じこと。

 それに…… どうやら彼/彼女は
 死ぬまで"それ"を貫いてくれたようだった

 だから直接殺した相手について大きく恨む事はない。
 それでも少し羨ましいという気持ちがあったのは本当だけど。

 それ故に、
 『恋人』が最初に殺してほしいともし言ったとしても、
 『悪魔』はそれをすぐに行う事はなかっただろう。

 けれど、

 ほどよく 適度に 丁寧に 壊して 壊れたら
 その時には ── …… ]
 


[『悪魔』は『恋人』を愛していた。
 ぎりぎり壊れないように慈しみ愛しみ愛して愛して、
 それで囲って、ずっと眺めていたい程度には。*]
 

【人】 T『魔術師』 シン

―― 『誰か』の終わるその時に ――


[ ヴェル兄さんに駆け寄って、
 そこにはカルクくんとエーリクくんがいて>>97>>116
 他の人もいたかもしれないけれど、
 ぼくもヴェル兄さんを運ぶのを手伝ったかもしれない。
 ……周りでおろおろしてただけかもしれないけど。

 玄関ホールに落ちる様々な声は聞こえていたけれど、
 今は誰にも手を差し伸べられなくて、
 罪悪感のようなものを感じながら、
 ぼくはヴェル兄さんのそばにいた。]
 
(258) 2022/12/21(Wed) 23:39:05

【人】 T『魔術師』 シン

 
[ カルクくんとエーリクくんは
 部屋から離れていったから>>245
 部屋にはぼくひとりだっただろうか。]


  ヴェル兄さん……
 

[ まだ眠っているけれど、
 眠っているだけのようだから、いずれ目を覚ますだろう。
 とは思っていたけれど、
 だから、それよりも、ヴェル兄さんが帰ってきたことに、
 嬉しさのような、安堵のような、そんなものが湧いていた。

 ヴェル兄さんに、色々言いたいことも、
 ……聞きたいこともある。
 だけど眠っているならば、
 その相手に声を掛けることはしない。]
 
(260) 2022/12/21(Wed) 23:39:49

【人】 T『魔術師』 シン

 

  …………


[ ヴェル兄さんのベッドへと、
 その布団に顔を埋める。
 もうひとつ、自分の中にあるものに、
 ぼくはどうしていいか分からなかった。

 ……いや、あるのではなくて、
なくなった
んだ。

 生まれてから、ずっと隣り合わせで生きてきたもの。
 魂に刻まれているらしい感情。
 ぼくの心の中にいた、『魔術師』が。

 神様が持っていったのだろうか、とは思ったけど、
 理由については、今は重要ではなくて。

 ずっとそこにあったもの、
 ずっと苦しかったもの、
 抗いたいたいと思っていたもの。
 ……まさか、こんな形で、
 逃げられるみたいに、なくなるとは、思ってなくて。

 ずっと煩わしいと思っていたけれど、
 いざ「さよなら」すると――
 案外、寂しいものだな、と思った。]
 
(261) 2022/12/21(Wed) 23:40:38

【人】 T『魔術師』 シン

 

  う〜〜〜〜〜〜


[ 布団に顔を埋めたまま唸る。

 ぼくは『証持ち』ではなくなった、ということで、
 そして、それはみんなもそうなんじゃないかと思っていた。

 ――今更、今更、なくなってしまったって、
 『証持ち』でないぼくなんて、
 "外の世界"のどこにも存在していない。
 この小さな世界が崩れるなら、
 ぼくはそのまま消えてしまいそうだ。

 今日がぼくの新しいはじまりの日Rebirth-Dayなんて
 言われたって、
 なんにもないぼくは、今更生きていくことが不安で、
 どうしようもなくて、今更何も出来ない気がして、]
 
(262) 2022/12/21(Wed) 23:41:35

【人】 T『魔術師』 シン

 

  ……っ、う、 う、う


[ 溢れた涙は布に吸い込まれていった。
 そうだね――ぼくが泣くのは、
 いつもヴェル兄さんの前だった。

 誰も来なかったら良いのに、と思いながら、
 喪失感と、不安と、どうしようもない感情に、
 泣くことを、止められなかった。**]
 
(263) 2022/12/21(Wed) 23:42:01
T『魔術師』 シンは、メモを貼った。
(a58) 2022/12/21(Wed) 23:44:07

 




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