[ 漏れ出る声はすっかり桃色に色付いてしまっている。
シロさんの紳士的な献身が功を奏したと言っても良いくらいだろう。
少なくとも、この交わりが互いの新たな心的外傷にはならなかったのは幸運だ。
……しかし、しかしだ。
素質があるというと喜ばしくはあるのだが、
己の乱れ様は誠実な日本人からしたら忌避物ではなかろうか、と。
この後理性取り戻すなら、そう諦め悪く
悩む時も来るのかもしれない。
ーー実の所、その捉え方はちょっとズレている
自分の出自由来も多少はあるかもだが、
それでもこうして初めてでも溺れられるのは]
(……他でもない、貴方が導いてくれるからだ)
[奥深くに挿れられ、その雄が敏感な場所を掠める度に、声はより蕩けてゆく。
愛する者からの愛だからこそ、より深い快楽を得られるのだと。
そう気づくのはまだ先の話だ]