人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

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視点:


 
[毎日毎日、意地悪をしても
 彼奴は嫌な顔をするどころか
 活き活きとしてついてきた。

 怒らせるのを期待して始めたこと。

 いつしかそうはならぬことに
 ほっとしている自分がいた。

 妾はお主に懐いてしまったんじゃの……。]
 

【人】 水分神

 
[日は沈んでしまったが、
 彼奴は────未だ帰って来ぬ。]


   まだかの……
   何をしとるのかの……
   探しに行った方が良いのかの……


[玄関の中をうろうろ。
 表情は不安と行かせた後悔に染められて。**]
 
(0) 2021/06/25(Fri) 11:08:43
[道すがらの質問にからりと笑いながら。
縁側に腰を降ろして胡坐をかいた]


  それは最後であって最初の一つだ。


[唇を尖らせ少しばかり不機嫌な気配があったが男は笑いながら箸を取った。
干し鰻の身を解して味噌を載せ、白米と共に食せば炙ったことで脂が湧き出ており強い旨味が味噌と合わさり白米によくあうもので咀嚼する度に味わいが深くなっていくのを感じられた]


  うん……美味い。
  予も縁側という場所で食すのは初めてだ。

  それでな、最初で最後の一つは言葉を交わすことだ。
  言葉を交わすことで縁が生まれる。
  言葉だけではなくそれは詩であっても音、曲であっても良い。
  想いを、感情を、考えを。
  誰かと交わすことは自分が世界に存在する。
  その証が残っていくことになるのだ。


[そして記録を残せばそれは後世まで続くものだと言えるだろう]

  物語はな、一人では紡げないものだよ。
音も、詩もそうだ。
  一人で奏でられはするが聞き手のないそれは。
  そこで終わってしまっている。

  ん――はっはっ、傀儡はそうか。
  だがお主は傀儡になるような珠ではあるまい。


[からりと楽しそうに笑いながらもう一口。
合間を挟まねば一息に消えてしまいそうである]


  ほう――予を虜にしてくれると。
  それは至極楽しみなことだ。
  どうやって虜にしてくれるのだろうか。
  いつ虜になるのだろうか。

  嗚呼――。


[鳥の鳴き声が遠くに聞こえる。
見え難い視界は橙色に染まり空には兎の国が浮かびあがっていくだろう]


  でもな、予は此処は好きになれそうだ。


[小さく笑みを浮かべると、また一口。
干し鰻の脂が乗った白米を噛みしめた*]

[速報:婿殿の中が凄い。
うっかり入ったら出られなくなるなんてそれなんて神隠し。かんぅのナニは神隠しされるどころか、野蛮人め。と頬を染めて涙目で睨む婿殿を見て、力いっぱい元気になってしまった。
それが余計、中から出られなくした。勢いよく引き抜けば抜けるかもしれない。
だが、あまり勢いをつけては、大変な事になるかも
…なるかもというか、なるだろう。

何せ、彼の中がかんぅを離してくれない。
もういいからと甘い声で言うが説得力はなく
婿殿は更に痴態を晒す]


 ………。


[目の前で婿殿がいやらしい事をしている。
足を開きて腰を動かす姿は、もうただのエロだ。官能という言葉も生ぬるい。性の暴力だ。鼻血どころか魂もぬけそう。じぃっと婿殿を見つめて、力をなくした屹立を優しく撫で]



 ……婿殿、自慰をされておるのか


[気持ちよくなりたいのだな。と
雄を軽く押して、それからふにふにとしてそれから、体を抱き上げて褥より立ち上がった。婿殿の中に青龍偃月刀を収めたまま。…そう!立ち上がったのだ。彼の臀部を両手で掴み、重力の中、抱き上げたまま、腰を振った。

身長が高く、体格のよいかんぅにはおてのもの]



 婿殿…かんぅの肉棒で
 そのように自分で気持ちよくなるのもいいが
 今は、抜けぬこの鞘を何とかせねば


[一歩歩く、歩くごとに
腰が揺れて、彼の中を苛むだろう。
そういえば何処かの本にあれが抜けなくなってそのまま生活をする話があったような。…予行練習をしなければ、このまま抜けぬということはないであろうが。婿殿を抱えた(犯した)まま動けぬようでは武人の名折れ]


 しっかりつかまっておるのだぞ。


[流石に寝室からは出ぬのもの。
背を撫でれば、腰を抱き。
一、二、三四。と婿殿の中を突きながら、スクワットを始めた。何故スクワットって、そりゃ婿殿を抱きながら歩けるように足腰を鍛えるためだ。違う、そうじゃない。それはおかしい。そんな声はきっと上から下に下から上に突き上げ、彼の媚肉を侵す、熱によって聞こえず仕舞い*]

 

  歩みを進める先が森の中だと知れば
  何処へ連れていかれるのかは自ずと推測が着いた。
  想像もつかない場所に連れていかれる可能性も
  ありはしたものの、今はきっと考えなくて
  いいのだと思う。

  やがて見える大きな洞窟は、村では話題に
  上ったことも無いけれど。
  「不便」かと、尋ねてくれるのなら
  彼が住んでいるところなのかもしれない。


   「 いえ、話を聞けるのなら、何処でも。 」


  伝える言葉は気遣いなどではなく本心だ。
  今大切なことが出来るのなら、
  場所を問うことはない。
 

   

  ゆっくりと身体を下ろされれば、
  それに合わせて地面に足をつけた。
  彼を信用しているとはいっても、慣れない浮遊感に
  存外緊張していたらしくて、ほっと息を吐く。

  そうして顔をあげると、
  彼の水のような瞳と目が合った
  
  不思議な色。明るいように見える時もあれば
  深く沈んだように見える時もある
  水のように、掴めない、透き通った、そんな、

 

  

  吸い込まれる心地で見ていたら
  彼の手が伸びてきて、私の頬に触れた。
  私は驚きを表すようにぱちぱちと目を瞬いて、
  それでも拒むことなく、彼の手を受け入れる。
  
  少しゴツゴツとした、大人の硬い手
  その感想が当時のままだとは覚えていないけれど
  時の流れを感じさせない姿に、嗚呼やはり
  彼は神様なのだと、再認識するように。
 

 

  『私を前にすると落ち着かない。』
  『触れることを優先してしまう。』

  『私のことが、欲しい。』



  彼はそれらの意味がわかっているのだろうか。
  いや、どういうことだと言うのなら、
  もしかしたら知らないのかも知れない。

  私は耳に触れる彼の手にそっと手を重ねると
  目を柔らかく細めて彼を見る。
 

 

  知らないのなら言葉を当てはめよう。
  知っているなら答え合わせをしよう。

  その気持ちの行方はわからずとも
  抱いたものを否定することはない。*
 

[ 四つあると言われた儀式の四つ目
 最後の一つは、最初でもあるらしい

 それでは全部で五つではないのかと
 屁理屈を捏ねようと唇を開けば ]


   あぁ、言葉──か
    それはたしかに、無ければ困る
        と、なるとだな────

     言葉は大福の皮のようなものか
        先に挙げた儀式も大切だが
         言葉で包まなければ始まらん


[ ふむ、と自分で言って納得する

 そうした以上、屁理屈を捏ねることはできず
 鰻の身を箸で挟み、誤魔化すように口へ運び ]


  物語は一人では紡げないもの、か
     それならな、ここには我がいる
       我が消えてもその先にもきっと


[ だから思う存分に紡げばよい
 鰻の身と米を箸でそっとすくいあげ ]


  ふふっ、おや?
   まだ虜にはなっておらぬか

    ──緋扇も蘇芳も
       我から目が離せんと云っていたが


[ ころり鈴の音のような笑いが漏れる
 笑顔のままつん、と肘で冥桜をつつき ]


  好きになれそうなら、よかった
      で、な。それはそれとして

   これは、さっきの返しよ
       ──ほら、口を開け?


[ 箸の先にはいっとう大きな鰻の身

 からかうような調子で言いながら
 その口が開くのを待った* ]
 

  くっくっ……大福の皮か。
  それは良い。


[例えの妙に男は愉快そうに肩を揺らす]


  すると予との儀式は餡子であるか。
  砂糖の中に鹹さが効いておる会話。
  それが更なる甘さを齎すと――。


[干し鰻の最後の一口を、同じく最後の一口分残しておいた白米に乗せて口へと運び味わいを噛みしめる。
最後の一口ともなれば侘しさというものを感じてしまうものだ。
ようく咀嚼をして味を楽しみ、飲み込めば白湯で口を漱ごう]


  さて――。
  予がお主に聞かせる音も、詩もな。
  それはお主に捧ぐものぞ。

  お主が消えればそれは予とお主の物語の終演よ。
  その先のことは今は知らぬがな。


[その先と紡ぎし物語はまた別のものとなるだろう]

  だから次ではなく今を紡ごうぞ。
  お主と予だけの物語であるぞ。

  ただ、うん――。
  それは意味が少し違うだろう。
  恐らくはお主お転婆すぎて目を離すと何するかわからぬ。
  という意味ではないか?


[その意味でならば理解できるし納得もできる。
確かにリンは目を離すと大変そうであろう]


  ん、――なんだ?
  口を……んむ、それは良いがな、少し身が大きかろう。
  食を必要とせずともこの味は道楽であろう?

  だから――。


[口を開き、大きな鰻の身を半分食そう。
半分だけ頂戴し、半分はリンが食べると良い]


  ……だがこれは白米が欲しくなる味よな。
  もう少し炊けば良かったか。
  悩ましいものだな。


[干し鰻だけ口にあり。その脂が口中に広がるがそうなると物欲しく感じるのは食欲のせいか。
いくらでも入りそうだがそうすると身体にはよくない気もするなと鰻を飲み込み白湯を口に含むとしよう]

  さて――。
  今宵は初語りだ。

  食器を片し終えたら弾き語ろう。
  そうだな……。
  予から見た四季の音。
  そして送る詩をな。


[膳を横へとどけてリンが食し終えるのを待つとしようか。
夕日も沈み行く頃合いであろうし蝋燭に火を灯さねばなるまいな*]

 じい、とな?

[自慰とはなんだろう。
こういうことすら初めてなのだから、当然自らを慰めたことなどない。
かんぅが何を言ってるかわからず、不思議そうな顔をしながら見ていたが、彼が唐突にヤオディの雄をふにふにと、触るから、あぁん♡と、ぞくぞくぅっと体を震わせて、なおさらいっそう、かんぅの刀を締め付ける。
しかし、感じると中もうねるようにして一瞬だけ締め付けをほどく]

 え、なに?

 ……ふぁあんっ!


[気づけば躰が宙に浮いていた。
何事ぞ!と思えば、かんぅに抱き上げられていたようで、思わず足をじたばたさせて、危ないと思えばかんぅにしがみつく。

彼が歩くごとに、奥がこねりつぶされて気持ちいい。
あ、あ、と細切れになる声に、全身朱に染めながら、かんぅの首に抱き着いて。
抜けぬこの鞘をなんとかせねば、なんて知らない。自分のせいじゃないから。
しかし]


 いやぁ、らめぇ……っ♡♡♡!!!


[今までとは比べものにならないくらい、彼の膂力が直接躰に伝わってしまう。ふわっと躰が浮いたかと思うと、ずぅん、と受け止められ。
躰の一点だけで擦られていく。
自分の全体重でもって脳天に電流が響くような刺激に、躰が耐えかねて、彼の腕の中で跳ね、踊る。そして、ほぼ意識を失いかけて躰が弛緩しきった瞬間に……。

しょわわわわ……と勢いを失い浸みだしたような熱が、熱い湯気と共に漏れでて彼に浴びせかけてしまう。
それは先ほどの白いものと違って、人にかけていいものではないのはとうに知っていたから、粗相をしてしまった自分が誰よりも驚いた。
驚いて―――]


 ふぇ……ふぇええん……

 すま、すまぬ……ごめんなさぁい……っ


[幼子のようにかんぅの裸の胸に顔をうずめて、しくしくと泣きだした**]

[自慰については後で詳しく教えるとして
今はこの抜けぬ刀を何とかせねば、そう思えば何を思ったのか、婿殿を抱き上げていた。かんぅ、それでいいのか、かんぅ。

生憎の暴走列車は何時もの事、其れに何より、彼の反応が良い。先ほど一瞬、締め付けがほどけたような気もするが、抱き着く彼の反応は、破廉恥だった。細切れの声が耳をそよぐ。首に抱き着きて、喘ぐ声は此方を煽るのに十分だった。

そう、抜くのが目的だったのに
気づけば婿殿を喘がせるために突いていた]



 ……ふっ んっ 婿殿っ


[一点、彼と繋がる一点が熱い。
滾る箇所、淫靡な花は此方を煽る。此方が揺れれば、彼も揺れる。まじかで見る淫らな舞は、欲を高めるもの。跳ねて踊る彼は意識を失いかけ、その中で――決壊した。

其れは神の降臨である。
いや下界に天女が降りた瞬間か]



 ……泣かずともよい。


[腹に暖かい液体が当たった。
温泉の湯とは異なる熱を受けて思わず達しそうになってしまった。しくしくと泣く子の背を撫でて、腰を一度震わせば先ほどの行為で緩んだのか、花から熱に抜けそうであった。そのまま腰をかければ、彼の中より雄を抜けば、ドロッと音をたて白濁が落ちた。
泣く子をあやすように膝の上に座らせて]


 婿殿、安心されよ。
 先ほどのは尿ではない。


[何かを言いだした。]



 婿殿のあれは聖水である。
 気持ちいいとき、幸せな時に出るものなのだ。


[違う。とは言い切れないから困る。
ちなみかんぅの胸板は胸毛がはえていたりする。(言及忘れていた)髪を優しく梳くように撫で、安心させるように微笑み。膝の上、向かい合うように座らせれば、まだ熱を持ったままの太い幹をふにゃりとした雄に添え。]


 婿殿は気持ちよかったのであろう?
 体には相性というのがあってな。

 …我らはやはり夫婦だな。
 我らの相性があまりにもよく、婿殿は それだけ
 気持ちよくなれるのだ。


[それはすごい事なのだ。と
凶悪な雄で先ほど、粗相してしまった雄をさすり。片手で臀部を撫でた。いまだひくひくと啼く花は喪失感に喘ぐように。少しばかり悪戯心が湧き出れば、両手で尻タブを伸ばすように開き、開く花より白を零させただろう。


此処で感じるのも才能だと囁いて]
 



 婿殿はよき夫だ。
 素晴らしい雌穴を持っているのだから。


[夫とは。
あまりにも堂々とそう告げて、彼が泣きやみ。落ち着くまでその髪を梳き、あやすように何度と口づけを落とそう。愛しい婿殿の事を思い、見つめるこの瞬間、かんぅの目(あい)は永久保存を選んでいる*]


  それなら、ただの大福ではなく
     豆大福のほうがよほど近しいか
 
    お前の冗談は塩豆だな
       ごろっとしてすぐに気がつく上
         あちこちに混ざっているからな


[ ただの大福より、クセのあるほう
 そちらの方がこの嫁には近いと思う

 より多く噛まなければ飲み込めない
 噛んだ分だけ塩辛さと甘さが混じる
 我ながらちょうどよい例えをしたと
 少しばかり得意げに背筋を伸ばし ]


  我が消えれば
     我とお前の物語は終い、か
         寂しいがそれもよいな

   終わらない語は始まってすらおらぬ
       始まりのない物語もまた、終らぬ


[ 言葉で遊ぶよう
 口にしながら、彼の表情を伺い ]

[ 餌付けを試みたそのあとは
 箸の先に半分に減った鰻の身

 嫁の口が動くのを満足そうに見届けて
 己も残りの半分を口へ入れ ]


  たしかに我にとって食は道楽
     とはいえ身が大きかったのは
        お前が緋扇分けた分、その礼よ

   緋扇からの礼と我の礼
      だからな、大きくて当たり前
         そしてそれを半分にしたのなら──


[ 緋扇から分けられたのと同じ
 そんな理屈付けをして鰻の身を噛めば
 塩の味がさっきよりもきいてるようで ]


  米がもっとあれば……
    今度は鰻が足りなくなる

   もう少し食べたいが我慢して
       ──ごちそうさま、だ
 

[ 食べ終わり食器を重ね、手に持つ
 気が付けば空には白い星も見えていて ]


  お前から見た四季と送る音か
     奏でるならばどこにする?

    緋扇の傍か、縁側か
       風呂──はむりだな
         三味線が持ち込めない


[ 楽しみであるはずなのに
 どこか心に隙間風が吹いたよう
 
 それが、食後の片付け物のせいなのか
 はたまた縁側に吹く夜風のせいなのか

 自分でもわからぬまま
 寒さを避けるよう、一層彼に身を寄せて ]


  中へ、もどろう
      すこし寒いから


[ 片付けに行こうとかけた声
 冥桜が動けば中へ、炊事場へと戻り
 使った食器の片付けをしようか* ]

[天狗さまに呼ばれる名が、とても特別な音に聞こえた。
なお、茅が天狗さまに名を尋ねないのは、“天狗”が固有名称だと思い込んでいるからである。

ところでこの契りより後、茅は主人である“天狗さま”の体液以外を糧とすることが出来なくなるのだが、茅本人はまだそのことを知らない。
知ったところで別段困りもしないのだが。

望むまま、求めるままに、与えられるのだから。]

 ぁ、

[耳元で囁かれた声に、一度天狗さまの怒張を受け入れた所が熱を帯びて疼いた。
思わず、小さな喘ぎを漏らす。
目元を主に染め、こくりとひとつ、頷いた。]

[強請る声音は随分と甘えたものになった。
膝で立ち上がるようにして、天狗さまの首元にしなだれかかるように抱きつく。
善くしてやる、なんて、先の行為を思い起こせば体の真ん中から震えた。
さっきだって、あんなに気持ちよかったのに。
もっとよくしてくれる、なんて。

どうなっちゃうんだろう?って。]

 ぁ、あん、

[耳元を這う濡れた熱に、ぞくぞくとした快感が背中を駆け抜けて思わず背を逸らす。
曲線を描いた腰元を、大きな手がなでるから、それだけで煽られるような気持ちになってつい、その手を捉えた。
けれど逆にその手を取られ、導かれた先で。
湯気が出そうなくらいに熱い、天狗さまの立派なイチモツに触れさせられて、思わずごくりと生唾を飲む。]

 ぁ、ひぁ……ぁん。
 ……ほ…しい、

[悪戯に返すように、するりと、指先で熱源を撫でる。
すりすりと、何度か擦って、更に育ててみようかと。
あぁけれど、そんなことよりも、もっと……
茅は天狗さまをちらりと見やってから、わざと赤い舌先を見せるように、唇を舐めた。
制止がなければそのまま、ゆっくりと身をかがめて、その先端に口付ける。
それから、れ、と舌で舐め上げてから、ちゅうとしゃぶりつこうと試みて**]



 いいものだろう。少し染みはあるけどな

[腹部の布地を摘み、示し見せた。
何かの黒い楕円に近い形の染みがそこにはある。

古いものだから仕方がない。千はそう考えていた。]

  そうかそうか予は塩豆か。
  ならばお主は餡子であるな。
  粒餡でも漉し餡でも予は好きだぞ。


[得意げにしているようなので頭を撫でてやろう。
甘くなって虜にしてくれという意味でもあるが――]


  餡子は食してみなければそれと分からぬからな。
  食し終わりて口の中に余韻が残り。
  それを茶で流す迄が大福の物語よ。


[終いはあり寂しいものではあろうが悔いなき物語であるならばそれは余韻を残してくれるものだ。
余韻が深ければ深い程に寂しく思い、思い出もまた手放し難いものである]

  そう、お主にとって蘇芳と緋扇との物語もまた。
  今になっても余韻が終わらぬものなのだろう。


[永く眠る者への手向けの分をという辺りリンの中では未だその存在は大きく褪せることがないのだろうとふむり頷き。
その頷きは同時に同意でもあった]


  こう言うものは稀に少し食らうから良いのだ。
  そうすればまた次も食したくなる。

  知っておるか。
  鰻の日は年に二度ある。


[そういう年もあると頷いて――]


  夜に奏でる時は囲炉裏の傍と決まっている。
  嗚呼……火は怖いのだったか。
  囲炉裏もそうであるなら寝所でするか。

[おいでとリンの手を握ってやる。

この男ガサツなのか器用なのか難しいところを素で行くようで空となった膳を二つ重ねて片手に持とうとしていた。
その様な姿で炊事場へと戻れば食器を洗い流して伏せておき三味線を持った]


  さ、どちらでしようか。
  今宵はお主を特等席に招待しよう。
  予の膝の上な。


[此処だと立ちながら太腿を叩いて見せる。

あとはリンがどちらへ連れて行ってくれるかだが。
どちらであっても胡坐をかいて座り、ほれ、とそのまま手を引いただろう*]

【人】 水分神

 
[これ程遅いのは、獣に喰われてしもうたか。

 いいや、そんなことはない、
 あって欲しくないと幾度も頭で否定をする。

 不安に震える手足では
 確認しに行くことも出来ない。

 一層のこと、頼み事を投げ出して
 村に帰ってくれていたなら。

 お主が無事で居てくれたなら。

 ────ただ其れだけを願い、時は過ぎ。]
 
(13) 2021/06/26(Sat) 7:53:47

【人】 水分神

 


    
っ!!!!



[戸が開き、赤みの増した目を見張る。
 暗くてよう見えぬが、ぼろぼろじゃ。>>3
 そうさせたのは妾であるから、
 罪の意識に身が竦んでしもうだ。]
 
(14) 2021/06/26(Sat) 7:54:07

【人】 水分神

 
[お主が青白い顔を伏せて
 土下座のような姿勢を取るのを見せるから——、
 弾けるように裸足が床を蹴った。>>5


    何をしとるんじゃっ
    早う、中へ……っ


[小さな身体で腋の下へ入ると
 支えながら近くの部屋の中へ導いた。]
 
(15) 2021/06/26(Sat) 7:54:17

【人】 水分神

 
[灯りの下では獣につけられたと思しき
 痛ましい傷口が見えた。>>4

 畳の上に座らせ、
 背負い籠だったものを剥ぎ取り。

 露わになるは赤黒く汚れた背。>>3
 
夥しい量の出血じゃ。



    
〜〜〜〜っ!! 死ぬなゃぁあっ!!



[上手く呂律も回せずに叫ぶと
 後ろから頭を掻き抱いた。

 淡い光が二人を包み人の子の傷を癒していく。

 ……背中のはもしや、
 潰れた果実の汁だったやも知れぬが。]
 
(16) 2021/06/26(Sat) 7:54:56

【人】 水分神

 
[妾に出来るのは
 捻挫や些細な切り傷を治す程度の気休めじゃ。
 身体に含まれる水に働きかけるだけ。]


    ふぇ……妾が……妾が悪いんじゃぁ
    果物なんか要らんのじゃ……っ
    お主は妾がいいと言うまで
    死んだらダメなんじゃ……っ

    妾、妾はぁ……っ
    まだお主の名前も聞いとらん……っ!!


[すっかり助けられぬものと思い込み。
 胸を押し付けながら思いの丈を泣き散らした。*]
 
(17) 2021/06/26(Sat) 7:55:41
 
[捻挫の痛みは引き
 腕の傷も塞がっていくだろう。

 だが傷痕は残らず元通り、という訳ではなく

 女のもうひとつの姿が——龍の絵が、
 まるで上書きをしたいかのように浮かび上がる。]
 

 
[番いの徴として────所有欲の表れとして。**]
 




   今重要であるのは独白と対話であると
   ソフィアはそれを見抜いている。

   ラサルハグの伸ばす手を受け入れるソフィアが
   ラサルハグ自身すら気づかぬ胸の内を紐解くと

   ラサルハグはどこか納得したように
   彼女の言葉をなぞる。

   嫌な心地など微塵もないということは
   つまりはそういうことなのだ。







   ソフィアの当てはめる言葉は恐らく正しい

   否定されることは無いという安心感は
   ラサルハグにとっては至極心地よいもので。

   重なる手から伝わる微熱はラサルハグを
   答えのその先へと誘い、引きずり込む。







   神も恋慕を持つが故に
   その感情を受け入れてしまえば
   理解するのは難しくはない。

   重ねられていた手は彼女の手をするりと抜けて
   彼女の首筋を指先でなぞる。

   ラサルハグは元来言葉を持たぬ怪物
   言葉数は少なく、感情が赴くままに
   彼女の口元に己の顔を近づけて。




 

  言葉を飲み込むかのように繰り返す彼
  私の考えは、どうやら正しかったらしい

  『好き』という感情があるのであれば
  今までの行動にも納得が行く。
  神にとってのそれが人間と同じなのかまでは
  わからないものだけれど
 



  首筋を手でなぞられるのはくすぐったく
  私は僅かに身体を動かした。

  嫌悪の気持ちがないのは確か。
  でも、彼が私に抱く気持ちと違って、
  私が彼に抱く気持ちは不鮮明。

  『神様』であること、『生贄』であること
  それらを拭い去ろうとしたところで
  私と彼は違う存在でしかないのだから
 



  顔が近づいてくるのなら、
  その唇に指を当てて、進行を止める。
  気持ちをわかるつもりにはなっていても
  きっとそれは、今はまだいけないこと。
 



  裏葉色は水面を覗き込むように、
  彼の瞳を見上げる。

  その感情が、想いが、よくわかるように。*
 

[一度天狗の与える悦を知った体は、実に素直に反応を返す
それが毒によるものではなく、茅本人の望む物と天狗はもう知っている
毒で染め上げ思うままにするしかなかった天狗は
初めて、
人に愛される
ということを知る

眷属になったものはもう、天狗なしでは生きていけない
体は天狗以外では満足できず、注がれなければ身も心も飢えるからだ
とはいえ、物を食うことは可能だ、嗜好品として

茅が天狗から離れることはないだろうから、その心配はなかったが]

 本当に素直じゃな、茅
 そうじゃ、欲しいときは素直に強請るんだぞ?

[愛らしく抱き着いてくる体を撫でまわしその先を匂わせて
先ほど以上にとろとろに蕩かしてしまおうと悪戯を仕掛ける
それだけで甘く声を零し震える姿に、天狗の欲が煽られる]

 これはな、この先はずっと茅だけのものじゃ
 嬉しかろ?

[触れさせて息を呑む様子に愉しげに囁く
もう、茅以外は抱かぬと。他など、もう必要ないのだから]

 ほぉ、積極的じゃの
 そんなことされたら嬉しくなってしまうわ

[愛し気に逸物を擦る様子を悦ぶかに跳ね熱と質量を増す
先ほどまで何も知らなかったはずで、だからこそ健気に見えたので
ちらりと覗く舌先と伺う視線に、にかっと笑って頷いた]

 好きにしてええぞ、茅

[顔を寄せるのは止めず、やりやすいように体をずらす
軟体が竿を這ったなら、熱の籠った吐息を吐き出す
天狗が悦を感じていることは、脈打つ様子ととろとろとあふれ出すもので知れるだろう]

 っ ……は、そうじゃ、それでいい
 最初は無理せんと、ゆっくり覚えて行けばええよ

[大きなものをしゃぶるのは大変だろうと一応は言うが止めはしない
茅が健気で愛しくて、好きにさせてやりたいと思ったし
初めての手腕で自分が達すると思っていない余裕もある

もっとも、ここで吐き出したとて
茅を欲しいと思えばすぐに、天狗の鼻のごとく天を衝くのだが**]




   皮肉にもラサルハグは神でも人でもない。
   どちらにもなれぬ不安定な存在。

   しかし神の真似事の産物に変わりなく
   その本質は人間のソレに近いのだ。


   故にラサルハグは人間の感情を知りたがり
   その様式美をなぞろうとする。







   ラサルハグのその感情に嘘はない。
   しかし人を遠ざけ続ける獣には
   相手を慮る心粋もありはしないのだ。

   それは酷く独りよがりな蛮行。

   決して相いれぬ存在同士の交わり
   ラサルハグはただ目を背けていた。








   しかしながら彼女は甘くない。

   ソフィアは叡智(Sophia)に満ちている。
   ラサルハグが敢えて目を瞑っていた事象を
   水面に映る裏葉柳はまるで鏡のごとく。

   寸分狂わず見逃しはしないのだろう。

   進行をせき止める指先の感触に
   ラサルハグは不敵な笑みを浮かべる。








   『花嫁』と『生贄』は同じ意味を成す。

   つまりその覚悟は、この場では持つ義理もないもの。

   『花嫁』のヴェールを取ったつもりでいて
   結局『花嫁』に縋っていたのは己であると。

   彼女はその事にも気づいているというのだろうか。







   覗かれた水面の奥に映るは 
   徐々に人の心を得んとする怪物の投影。

   それは、傲慢な怪物が変わりゆく変遷だ。*




 

  彼のことを私はなにも知らない。
  『神様』なこと、『生贄』を村から渡されていること。

  知るのは表面的なものばかりで、そして
  きっとそれは本質ではない。
  
  だから知りたかった。見極めるために
  私が選ぶために
  
  選んでいいのだと、人としての権利を
  彼が与えてくれたから。

 



  不敵な笑みを浮かべる彼の瞳を
  私は言葉を発することなく見つめた。
  無言は肯定の意味を表していることは
  彼ならば気づいただろう

  そして、私も彼の想いに気づいている。
  だからこそ、迫る唇を止めて
  対話することを選んだ。

  彼と私が、きちんと想いのままに
  決着をつけることが出来るように。
 

 

  なにも知らないまま決めるのは
  従っているのと同じこと。

  同情か、憐憫か、依存か。
  そのどれでもなく、私は貴方と向き合いたかった。

  村の神様、崇められる存在。
  でも、私は貴方のことを
  『ただのラサルハグ』として、見たかったのだ。*
 


  さぁ、それはどうだか
    粒や漉しでなく、鶯餡かも知れん


[ 得意げに述べた屁理屈を
 すんなり受け入れられれば困り顔

 反論されれば腹が立つ
 かといって何もなしは物足りない
 餡に準えられた理由には思い至らず
 二の句、三の句を思うままに継ぎ返し ]


  茶で流すのはもったいない
      食してなお甘味が残る
        それこそ大福の良いところ

   我ならば味が消えるまで
      茶など飲まずに楽しむが
        

[ 余韻の楽しみ方もそれぞれ違う
 かといって、どちらが良いとも決められない

 受け手により無数の捉え方が存在する
 それこそが物語の楽しみでもあるようで ]
 

[ けれど、蘇芳と緋扇のこと
 余韻と云われれば、はて?と返事に困り ]


   ──そも余韻とは
     終わった後を指すもの
        だから、あの二人の物語は


[ 余韻ではなく、続いている
 言い返そうとして、言葉に詰まる

 もう長いこと、紡がれていない物語
 呼びかけに応えることもなく
 止まったままのそれを
 続いているとは言い切れずに ]


  ……んや、考えるのはやめておく

    鰻の日がなぜ年に二度かは知らんが
      三度でも四度でもあれば良いのにな


[ かちゃりと食器が音立てる

 運ぶのは彼に任せ
 己は差し出された手に手を重ね ]

[ 伏せられた茶碗を二つ箸を二膳
 布巾で拭き、棚の隅へと並べて戻す

 そうして彼が三味線を持ったなら
 こくりと一つ頷いて ]


  緋扇の横にしておこう
    ながく放っておかれては 
       あれも寂しいだろうから


[ 橙の明かりの灯った部屋の中
 手を引かれるまま、男の膝の上に腰下ろす

 前の嫁の前で新しい嫁の膝に乗る
 それは、いままでの己なら
 決してしなかったことであり── ]


  ……なぁ、冥桜
     はよう、物語を


[ 慣れ親しんだ場所なのに
 なぜだか、ここは酷く寒い

 温もりを分けてもらおうと
 いっそう強く体を寄せ、物語を促して* ]

[ああ言えばこう言う。
阿吽の呼吸で返される言葉に然りと頷く]


  それもまた楽しみ方よな。
  だがな。
  鰻の日が多ければ多い程に。
  他の楽しみがまた減るのだぞ。


[同じ音、同じ詩でも人により解釈は異なるものだ。

そしてそれは理の解釈もまた変わらぬ。
人の理、男の中での蘇芳と緋扇は還らぬ存在であるが。
リンの中では未だに終わらぬ物語なのだろう]


  良い――。


[続いている物語を無理に終わらせることはなかろう。
考えるのを止めることを頷きもって肯定しよう。
それでも一時、節目をさせようとしているのは後になって悔やまぬようにということだけだ。

膝の上に腰を下ろすリンは未だ軽いままである。
黴臭い部屋の中、男はリンを三味線で身体との間に挟み込む。
撥を持ちて絃に触れ、弾けば南方に住まう白い大蛇の皮と絹製の絃が音を醸し出す]

  最初に聞かせたのは雷であったな。
  雷は梅雨の入りを教えてくれ。
  梅雨が終わる頃にもまた鳴るものらしい。


[音はしとしとと降る雨の如く。
静かに、穏やかに響いていく]


  雨は霧の様であり。
  初夏を迎え新緑が色濃くなり始める頃。
  恵みを齎すそれは同時に全てを隠していく。


[それは季節や自然を謳う詩である。
村を中心とした自然の流れ、移ろいゆく季節。
長夏が過ぎれば夏となり、生命が活発に蠢く季節はもゆる紅に支配されていく。
男の物語は語るように、謳うように、音と共に紡がれていく]

[四季は巡る。

秋が冬となり、冬が春となろうともそこでは終わることはない。
次の年にはまた梅雨が始まり夏となる。
移ろう詩に合わせて音もまた移ろおう。

太陽は昇る。
昼間に輝いた太陽は橙の世界を魅せた後に夜を迎えるために姿を消す。
生きとし生けるものは最も輝く時間を過ごした後、静かに永く眠るのだ。

沈んだ太陽が昇らぬことはない。
眠りについた者たちは、いつか、どこかで、また目覚める。
――それは元の場所とは違うかもしれないが]

  世は常に巡る。
  澱みなく、流れていく。
  川の水がやがては大海に至り。
  そしてまた雨となって降り注ぐように。


[姿を変え、形を変え。
――永く眠った者たちもまた巡っていく、と男は教えられてきたことを緩やかに語り]


  寂しくもあり、悲しくもある。
  物語は謳い続ければ終わることはない。
  お主が予に聞かせておくれ。
  予もまたお主に紡ぎ語ろう。


[新しく紡ぐことはできずとも残すことはできるものだと伝わると良いと。

一しきり語り終えた男の身体は熱を帯び。
額には汗が浮かばせながら、のう、とリンをその熱で覆ってやるのであった*]




   知らぬは服従
   知る意志を持たぬは隷属

   そうだ。
   己がソフィアを見染めたきっかけはそこにある。

   己が抱いた感情だというのに
   ラサルハグもまた時として忘れてしまう。

   これでは人間のことも言えなくなるじゃないかと
   ラサルハグはバツが悪くなりもするだろう。







   先人達の遺恨を受け継がぬ彼女に
   ラサルハグが与える権利など何も無い。

   先人達の平和の代償に奪うだけの権利を
   再び与えたと形容するならば

   あるべき所へ返したというのが正しかろう。









   彼女の目は物語る。

   『花嫁』と『大蛇』ではなくなる
   この瞬間を終焉ではなく源流とするならば
   おそらくはまだ舞台は未完成だと。

   完成に至るための道行の答えは
   彼女の紡ぐ言ノ葉の中に眠るのだ。







   言葉を交わす意味など分からなかった。
   人間ではないラサルハグにはその重みを
   想像することはなし得ない。

   長い時の中で、ラサルハグは初めてその重みを知り
   同時に言葉にすることを求められる。







   ソフィアが歩み寄るその姿に応えるかのごとく
   ラサルハグは洞窟の最奥へ招き入れる。

   それからラサルハグは純白の煙に包まれ。







      そこで彼女の目に飛び込むは、
      青年とは程遠い大きな蛇であっただろう。*


[ 膝の上、冥桜の物語る声を聴く
 
 手指の動き一つ唇の動き一つ
 それだけで彩られていく世界を想いながら
 身動ぎすらせず、温もりに身を寄せて ]


  ────……


[ 何かを言うことはない
 心の中全てが音に塗りつぶされたよう
 鳴り響く音が、声だけが
 ただひたすらに己の中にしみていく
 
 撥を動かし三味線を弾く
 その姿は一心不乱に筆を動かすのに似ている
 ふと、そんなことを思った 

 ──その間にも音は続いていく
 音により作られた世界は季節を移し
 年を巡らせていき ]

[ この音の終わりを惜しめば
 次の音を聞くことは叶わない
 惜しんだ音も、次の音も同じほど
 深く心を奪っていく
 
 鰻の日が多ければ多いほど
 他の楽しみが減ると云う先の言葉
 こんな理屈かと口元に淡い笑みが浮かび ]

 
  あぁ……


[ 深く、ため息が漏れる

 黴臭い部屋の中
 最後の音の名残が薄れていき ]


  ……そうだな、冥桜
    緋扇も蘇芳も、旅立っても
      我が語る限りお前と我の中に


[ 目の痛みに初めて
 己が泣いていたことを知る

 いつの間に泣いていたのだろう
 手の甲で頬を拭おうとすれば、きつく抱きしめられ ]
  


  顔が汚れてべたりとする
     お前も汗臭くてかなわん

   だから、なぁ
      風呂へ行こう?


[ 涙の跡を見られぬように顔を下へ向け* ]

 

  花嫁とはいえ森の奥に住まう神へ嫁ぐのだ
  靴は比較的歩きやすいものを履いており
  彼に導かれるまま洞窟の奥へと進む

  それでもでこぼことした道は躓きそうになる
  こともあっただろう。
  いつかのように彼の手を借りることも
  あったかもしれない。
 

  
  
  そうして深くまで潜り込んで行き、
  彼の足が止まる頃、私も歩みを止める。

  明かりのない洞窟なら、見える範囲は
  暗闇に包まれているだろうか。
  それなら、壁に手を着いて平衡を保とうとして。
   


  
   「 ラサルハグ? 」


  洞窟の奥まで来てしまえば、簡単には逃げられない。
  それでも着いてきたのは
  彼を信じたいと、そう思ったから。

  立ち止まった彼の名前を戸惑いの意味を込めて呼ぶ。
  すると少しして、固い蓋を開けた時のような
  篭ったなにかが出てくるような音が響いた。
 



   「 !? ラサルハ、っ 」


  顔に当たった空気から、煙が出たようなのはわかる。
  暗くなくとも視界は白く染まり、
  何が起こっているのかはわからなくなる。

  壁についた手を離せば場所さえも見失ってしまう
  私は縋るように両手をついて、彼の姿を探そうとする。

  すると、……見慣れていない、けれど見慣れた
  あの水面のような色が見えた気がした。
 

 

  やがて煙は晴れるだろうか。
  そうすれば、彼の姿を見ることが叶うだろうか。

  自分の頭より上に、彼の瞳の色と同じものが一対。
  こちらを見つめているのなら
  暗がりだとしてもわかるくらいの
  重圧がかかったような気になるだろう。
  
  
   「 ラサルハ、グ……? 」


  明るいのなら見えるはず、その大きな姿が。
  白い鱗を身に纏う、蛇の形をしたものが。
 



  いつかを思い出すように
  身体をガタガタと震わせてしまうのは生物としての本能。
  恐怖で座り込みそうになるのを、
  なんとか両の足に力を込めて
  壁に寄りかかることで耐えている。
  
  これが、神の本当の姿?

  血の気の引く顔は白くなり、
  目眩のするような心地に襲われる。
 


  
  ひくっ、と喉が鳴った。
  喋ろうと息を吸い込むつもりが、
  上手く吸い込めなかった。

  唇を噛む。

  話して欲しいと言ったのは私なのに
  こんなにも、弱くて、……悔しい。**
 

 そ、そうなのか……?


[めそめそ泣いていたら、かんぅ殿が知らないことを教えてくれた。
かんぅは物知りだ。
特にこのような閨のことは、自分が知らなかったことを次々と教えてくれる。
気持ちよすぎて出るものは、違うのか、とほっとした顔をしているが、真実を教えるものはいない。

髪を撫でられればほっとして、安心させる笑みい微笑み返す。
ちなみに濃い体毛も男らしいなぁ羨ましいなぁと思っているので胸毛もすね毛ももうまんたいである。
羨ましがるのだから、この白竜殿は生えている部分も銀髪だし、体毛もほぼないのが悩みなのだが]


 ああ、とても気持ちよかったの。
 ほう、相性なるものが。
 夫婦は相性がいいものなのか。


[それなら、かんぅ殿が言うように自分は相性がよいから夫婦なのだな、と納得する。気持ちよすぎて、失禁までしてしまうくらいなのだから、それはものすごいことなのだろう。
彼の雄々しいものが自分の柔らかく小ぶりなものを悪戯する度、ひくん、と呼応するように返事をする。
彼の手で尻を左右に開かれればこぽり、と落ちるかんぅの種。
それが太腿を伝う]


 あ……。
 零れてしまうから、あまり開かないでくれ。


[せっかく、もらったものだから、と囁く]


 かんぅ殿が喜んでくれるのなら、余も嬉しい。

 その、まだ、足りぬ……よの?


[ちらちら、ちらちら、と、こくり、と喉を鳴らして、雄々しいままのかんぅの青龍偃月刀を見ている。

賢い婿は覚えてしまったのだ。
この青龍偃月刀が自分に気持ちいいことをしてくれることを。
そして、自分も含めて摩羅が満足しない雄は、これが固くなってしまうことを。
自分のものは固くはなってはいないけれど、中がうずいて突かれる悦びを覚えてしまって、もっとしてほしいなぁなんて。

それを上手く伝えるのはどうすればいいのか、経験が薄い中、必死に考える]


 余はよい夫だから、この雌孔を使わせてやってもよいぞ。
 そちは余のここが、好きなのだろう?
 嫁を満足させるのも、婿の役目だからな。


[意味はほとんどわかっていない。
ただ彼がそういうのだから、そうなのだろうとそう言っているのだが、あやすようにされる口づけも好きだけれど、先ほどの荒々しいかんぅ殿も好き、と頬に口づけながら囁いた*]

── 或る日の丑三つに ──


  「だから言ったのさ」

     「誰かに拾われたくないものは、落としちゃいかん」

 「お前さんもあの子も、離れるには絆され過ぎたな」

……返す言葉もありません

[ 責めるでも慰めるでもない、窘めるような言葉。
 今となってはあの時の意味も分かる。
 従順な答えを返す一方、心地悪さを隠せない。 ]




   「万事上手く収まり喜ばしいと言ってやりたいところだが……」

     「気づいているな、紅鉄や。この山は痩せ細る一方だ」

──やはり、もう?

[ 何処か子を見守るような暖かさを含んでいた声は、
 一度押し黙った後に、固いものへと変わった。
 
 狩りを行う身には、山の変化は肌に感じる程身近なもの。
 他の同胞とてそうだろう。
 鬼は人であれ獣であれ他の生き物の血肉を糧とする存在。
 細る実りは決して無関係ではないのだ。

 故に驚きを見せることはないが、
 この男から直接語られるという深刻さには、息を呑む。 ]




   「村一つと餓鬼共を抱えて、これでも保ったほうだとも」


     「一先ずは春を迎えるまで、そこから苦しくなってこよう」

[ ふと男が目線を投げた先で茂みが鳴り、何かが遠のいていく。
 何らかの小型の獣が逃げていったようだ。

 この山に肉食の大型動物はいない、とうに鬼たちに食い尽くされた。
 しかしこうして意識せず残る生き物と遭遇することも、
 年々少なくなってきている。 ]




  「お前が結ばせた約束も、あとどれ程続けられるのか」

   「あれにはお前の我らと人間への想いが、よく表れている」



        「だが────非常に歪だ」

[ 男は──鬼の山の主は、色素の薄い瞳で紅鉄坊を見据える。
 静かでありながら、強く射抜くような力がそこには感じられた。 ]




 「山もお前も、変わってしまった」


 「選ばねばならなくなるぞ、覚悟をしておけ」


                 ……肝に命じておきます

[ 心中の揺らぎを見せることはなく、膝を付き深く頭を垂れた。 ]*

  世界は斯様にも美しい。
  如何なる理の上であっても在り様は同じであろう。


[人であれ、神であれ]


  そして鰻が旨いのも変わらぬさ。


[心を、情を、音とし詩とし伝えることは。
男自身の魂を奮わせることで発露し、その熱量を以て相手の魂を揺さぶれると吉であった。

その結果として身は魂によって焦がされるように疲れ果てるわけで――]


  むう、汗臭いと言われると少し嫌だぞ。
  この汗は予の勲章であるからな。


[ほれ、よく嗅ぐが良いと胸の内に顔を埋めさせて抱きしめると脇に撥と三味線を置いて立ち上がった。
風呂へ行こうと誘われるままに足を向ける]

  風呂は此方で良かったか。
  ではな、緋扇――リンを磨いてくる。


[――と扉を開けたままに部屋を後にし勝手に沸いているという湯舟へと向かおうか。
脱衣所にたどり着くまではリンは腕の中に納めたままである。

夜、想う詩は蟲の音のように。
静かに歌詞を伴わぬことなく口ずさむものだ。

そうしている間にも脱衣所へと辿りつけば抱き抱えていたリンを下ろした]


  服は自分で脱げるか?
  予が脱がしてやろうか?


[男自身は甚兵衛であるから着脱は楽なもので。
先にリンを脱がしてしまおうかと指をわきわきしてみせた*]

[そうである。とかんぅは言い切った。
そうじゃない、そうじゃないんだ。という声は婿殿に届かない。胸毛もすね毛も気にせず、絡む二人には必要ないかもしれないが、急募:つっこみ。である。銀色の髪を撫で。]


 ああ、夫婦の中でも
 我らは愛しあっているゆえ


[更に良い。のだと
納得する彼に刷り込んでいく。これは間違えではないだろう。互いを愛するが故に、思いあって交わりは深くなる。今もそうだ幸せそうに婿殿は腕の中にいる。触れれば、甘く。蕩けるような反応は、いやらしくも愛らしく。

悪戯をしていれば開かないでという言葉に
ぐっときた。下半身もぐっときた。]

[本来なら、開いて処理をする。
それを教えるべきだった。初めての交わり、それも婿殿は受ける側ゆえ、体力も随分消費しただろう。後始末を教えて、ゆっくりやすむべきだ。そう思ったが、彼の反応がそうさせてくれない。明らかに物欲しそうな目は性を覚えたばかり。
好奇心と快楽の塊で。

申し出に
……一度、かんぅは息を飲んだ]



 ほう?



[頬に口づけた婿殿をじっと見め]


 …使わせてやってもよい?
 婿殿。違うであろう。

 使ってほしいのであろう。


[あやすだけでは足りぬという彼の頬を掴み。
ちゅぅーと大人の口づけをする。先ほどよりも荒々しく咥内を舌腹で嘗めまわせば、上顎の部分を中からつつき。舌を吸って、甘噛みをして、惚ける肉体を褥へと戻そう。ただし、今度はうつ伏せに。交尾めいた体勢をとって]


 婿殿、素直にならねばならぬぞ。


[臀部を持ち上げれば、その尻を優しく叩き。]


 雌穴が疼くから
  かんぅの肉棒が欲しいと。


[諭すように言うのだ。
調子にのった旦那様をいさめるのもまた妻の務め。分かってもらわねばとひくひくとする雌穴を見て、其処に雄の先端をくっつけては突く。最もこれはいさめなのだから、挿入しても先端だけ、入り口をしつこく虐め。

ぬぷっぬっぷ。といやらしく苛み]



 かんぅも勿論まだ足りぬ。

  だが――

 婿殿も足りぬであろう。


[白い背を指腹で撫で、顔を背後より耳に寄せれば、おおいかぶさり。婿殿が喜んでくれるのなら、かんぅも嬉しいのだ。と先ほどの言葉に対する喜びを告げつつも、素直が一番である。といさめも伝え。

その腰を持てば、一気最奥を貫き]



 …… ふっ 
 婿殿っ、ちゃんと言いなされ。


[ぱんっと良い音で
好き勝手に腰を動かしだした。
先ほどまで雄を咥えていた花は驚く程に滑りがよく、それでいて此方をほしがり縋りつく名器だ。腰を上げさせ、上の方から落とすように身勝手に蹂躙するのはこれが妻としてのいさめであるため。(わからせでは)

妻として、夫の素直な声を引き出そうと
中を、最奥を強引に侵していった*]

── 回想 縁に残るもの ──


……そうだな。少し、気になるな

[ 何気なく交わされていた会話の最中、言葉少なくなったのは
 示された染みに対し、嫌な想像をした為に。

 当人は何も気づいていないか、深く考える理由が無いのか
 気にした様子が無いのなら、それ以上言及はせず終わる。 ]*


  世界は美しい──か
    そうだな、在り方は変わらぬ

   ただヒトにより捉え方
      見え方が変わるだけ


[ 何処かへ旅立った嫁達
 二人の瞳にはこの世界は
 どのように見えていたのだろう

 限られたこの空間が
 少しでも美しく見えていたら良い
 祈るよう、涙で沁みる目蓋を閉じ ]
 

  格好の良いことをと思ったが
      最後のそれは些か余分だぞ


[ 締め括る言葉に、ふっと笑いが漏れる
 
 汗臭いと言われたのが不本意なのか
 ぽふりと胸元に顔を埋めさせられたなら
 わざと手足をジタバタさせたりもして ]


  わ、ぷっ……
    茶碗か何かのように云うでない
      

[ 文句を言いつつも、逃げる気は毛頭ない

 抱き締める腕の力が弱まってなお
 頑なに冥桜の胸元に顔を埋めたまま 
 運ばれるままに風呂場へ、脱衣所へ──

 そうして、短い旅の先
 脱衣所の床へトンと下されたなら ]


  ふ、ふんっ
    それぐらい自分で出来る──が
   

[ 勿論出来はする
 そも、着替えられなければ
 風呂はおろか日常生活にも障りがある

 ここは一つ手際良く脱いで見せようかと
 帯に手をかけ、はたと思いとどまり ]


  お前が世話をしたいなら
     脱がせてもらっても構わんぞ
         ──ただし、くすぐりは無しだ


[ 両手を挙げ万歳の格好
 はよ脱がせろとばかりに相手を見る* ]
     

[俺のモノ。
俺だけのモノ。

それは何で贅沢な響きだろう!
好きにして良いと言われれば、喜んでむしゃぶりついてしまう。
あ、その顔好き。
ちなみに今の茅の欲といえば、肉欲よりも食欲に近いものなのだが、そもそも茅にはその辺りの区別がまだついていない。

けれど、経験は想いに追いつかないものなので、結局茅の口にはその先端すらもなかなか収まらない、
それが悔しいのだが、ゆっくり、そうゆっくり
なんせ、時間はいくらでもあるのだから]

 ん、ぁむ、ん……

[唇で竿を食むようにして、ちゅっちゅと口付ける。
先端からじわりと涙が零れれば、それも悦んで舌先で掬った。
おいし、なんて呟いて。
ついでにただでさえ大きなものを、もう少し、もっとと育ててみようと。
泣きを見るなんてことは考えていない、だって善くしてくれる、って。]

[コレが胎の中に。
思えば収められるべき内側が、熱を帯びてきゅんとうねる。
いつしか茅自身も立ち上がり、先走りを零している。

天狗さまのイチモツを吸うのは美味いのだが、それでは満たされぬ胎の内が、抗議してくるようで。
ちゅ、と音を立ててもう一度先端を吸って、それからまた、上目に天狗さまを見上げた。]

 これ……欲しい、

[少しだけ身を起こして、薄い腹を撫でる。
簡易な結び方とはいえ、帯も解かぬ姿のまま、食べて欲しいと強請るように。
胎の中だけでない、孔の入り口まで、物欲しげにひくひくと戦慄いて、また天狗さまの手で開かれるのを、待ちわびて。
なお、茅が着物と一緒に下着も妖力で編んだかどうかは、天狗さまのみが知るところである。
**]

 んぅ……っ

[唐突な激しい接吻。まるで息すらも奪われるような。
口の中を舐めまわされ、舌を吸われればぼうっとした体を押し倒されて。
ぼうっと空を見ていれば、かんぅにうつ伏せにされる]


 ほえ……あぅっ

 す、なお?

[お尻を持ち上げられて、そしてぴしゃりとひっぱたかれるて、躰が痛みで緊張する。尻を叩かれるなんて、まるで子供になったよう。
白竜を叩く、叩けるというような魔物は存在しないから。
かんぅ殿の腕の中でなすすべもなく抱かれていると、存在しなかった子供時代をやり直しているような気持ちにもなる]



 あ……あん……っ
 んぅっ♡

[高くあげさせられた尻に、待ち望んだものの先端が据えられる。
それで一思いにずぶりと突き刺してほしいのに、かんぅは入り口近くをもてあそぶだけで、一番欲しい奥までくれなくて]


 あ、なぜ……っ

[かんぅの言葉に、ぼうっと頭がしびれてくる。
誘うばかりでお願いすることを知らないのは、白竜の性。欲しければ奪えばいいと何より強い存在の彼は本能で思っていたから。
諫めるというより調教に近い形で体に教えこまれて、欲しいとお願いをしようとすれば]


 ふぁああああっ!!


[細い腰が高く持ちあげられ、ほとんど立ち上がっているようなかんぅがまっすぐに落とすように青龍偃月刀を突き刺してくる。
破裂するような音が合わさった肌から聞こえ、先ほどは手、今度は彼の腹や腰で尻を叩かれてお仕置きされている]



 あぁん♡ ごめんなさぁいっ♡
 
 余の、余のぉ、雌穴に、かんぅ殿の……っ
 肉棒が、ほしいのぉ……♡


[欲しいものが欲しいところに来てくれて、素直な言葉が口から迸る。
人や、水生生物や、他の生き物と対峙する時はいつも強者という立場から弱者へ施す立場だった。
そんな自分が、お願いしてもいい、誰かに何かを与えてもらえるということも初めて知って新鮮で、甘えられるのも嬉しくて]



 ああ、かんぅ殿……っ
 後ろから、ぎゅうっと抱きしめて、ずぼずぼしてほしいのだ……。
 余を持ち上げられるかの?

[もっと奥にも欲しいし、かんぅ殿も感じたい、と先ほどのスクワットを思い出しながら、またおもらししてしまうかもしれないの、と恥ずかしそうにおねだりをした*] 

  いや、別段世話をしたいわけではないぞ。


[万歳の恰好をするリンに対しやたらと真面目に告げるがその相好はすぐに崩れ去る]


  先の話にも通ずるがな。
  余分や無駄というものがあった方が良いだぞ。
  心の余白にもなり。
  何よりも余白や余裕は新しい音や詩をひらめく元になる。


[男の手はよどみなく動き、リンの帯びを解くとあれよあれよと言う間にも脱がし終えてしまうのだ。
隠す暇も与えることなく手を広げて見せる]


  ほれ、次は予の番ぞ。
  脱がせてくれるか?


[嫌なら仕方ないとその時は自分で脱ぐつもりであるが**]

[夫をいさめ支えるのが妻の役目。
いや、これは調教ではないか。という声は聞こえない。少しは聞こえるべきだと思う。

軽く叩いた臀部は白く、可愛らしいのにいやらしい。こうしていると彼が魔物だということを忘れそうだ。いや実際、かんぅにはもう彼がどういう存在かなどどうでもよかった。最初は魔物に嫁ぎにきたのに、今では彼、ヤオディであることが重要で。
愛しい旦那様を愛するのに忙しい]

[婿殿は天性の才の持ち主だ。
どうすれば与えられるか、少しずつ覚えていっている。身体で心で、お願いを覚えた肉体を貫けば溢れんばかりの幸福を味わった。喘ぐ声は、隠すということすらしらず。上から下へと突きさすほどに、悦ぶ其処に何度と快楽を与えた。

そうすれば素直な声が聞こえてくる]


 ……うむっ婿殿っ よいぞ


[よい、と素直な事を褒めた。
素直になった彼の中を褒美とばかりに肉棒が何度も擦る。強者を更なる強者が征服する。それが自然の通りだ。かんぅは人である。だが、愛する気持ちは誰にもまけぬ。

そう愛の強者なのである。
心も体も、肉棒も]



 …ほう?


[恥ずかしそうにおねだりする婿殿は愛い。
こうして育っていく彼が愛おしくて堪らない。腹にと片手を添え、そのまま体を抱き起せば、その勢いでまずは褥に膝をつこう。そして、肉体を褥の外へ立ち上がる。かんぅの巨体だからこそできる行為であった。先ほどと同じように。

だが、問題はひとつ]


 婿殿っ、しっかり雌穴を締められよ


[彼が縋る場所がない。
ということ、繋がった箇所以外。此方は足を持ち、腕だけで彼を支え肉体を下より、暴く。鍛錬のようだが、その鍛錬に快感がつくのだ。汗が滲み、彼を背後より下から上へ侵しながら、ふと気づく。―――気づいたものに、一歩。

もう一歩と近づけば彼も気づくか
目の前に姿見があることに。
ただ一歩進むごとに中を擦るために
気持ちよすぎて、気づかぬのなら声をかけよう]


 …婿殿、見えるか?


[主と、かんぅがつながっているさまが。
彼の喘ぐ様が、そう問いかけ
反応がないのなら、聞こえるように再度、腰を揺らし]



 …まるで肉鎧のようだな



[はい、あうと。
あうとです、兄者。この人何を言いだすの。]




 わかるか、かんぅと婿殿はいま一体となっておる。


[腰をそのまま動かし
下から上へ、先ほどの彼が望んだ事を。今度は背後よりだきあげておこなおう。今までとは違う場所に肉棒があたる。今までとは異なる角度で彼を苛む。揺れるたびに彼の腹部を逸物がべちぺちと当たるのが見えた。乱れる髪もまたうつくしく

鏡の恩恵を受けているのは真には自分だと感じ
彼の中をいく力が溢れていく。


ああ、力がみなぎるとはこのことか]


 …っふ んぬ!!!ふっ
  婿殿っ もっと



[掛け声とともに何度と苛み。
喘ぐ彼の中で膨張する熱は絶頂を望む。
出るぞ。という声が聞こえたかも分からぬ最中、一際おおきく彼を持ち上げてそのまま一気、突き刺せばその勢いで中にと吐き出す白は、彼の縁からもはみ出、飛ぶだろう。

まさに絶景、淫靡の美景なれ*]

[不慣れながらも健気な施しを、天狗は満足げな目で見つめる
きっと茅は天狗のもとに来るべくして来たに違いない
ヒトに興味のなかった天狗が、こんなにも愛しく思い求めているのだから
その証拠に、吸われているものがまた少し大きさを増したのに、茅は気付いているだろうか

村のしたことは腹立たしいが、おかげで最良の嫁を、眷属を、伴侶を得た
その返礼が「死」というのは、これ以上「悪さ」をしないようにという「慈悲」だった]

 もういいのか?

[ちゅ、と音を立てた後で体を起こすのに軽く聞いて
言い終わる前に腹を撫でながら向ける言葉に、天狗の顔も自然と緩む
服を着たままでも十分そそるなどと、思ったとか思わなかったとか
その表情だけで三回はおかわりできそうだ。何がとは言わないが
]

 そうじゃな、ワシもお前が欲しくて堪らん

[言わずともわかることを告げてから、茅の股座に手を伸ばす
申し訳程度に隠している下着をぺろんと剥いで、顔を出した子天狗をついとなぞる
早く早くと欲しがるように泣くそれを握り込んであやしながら
まだ自分から飲み込ませるには少し早いかと、何しろ少し育ちすぎたので

もう無垢ではなくなった白無垢へ横になるよう促して
先ほどと同じように足を開かせ、視姦する]

 本当に欲しそうじゃな、茅
 さっきまで咥えとったんじゃ、このままでも行けるじゃろ

[ひくつく孔の入り口を逸物の先端でトンと叩き、今度は焦らすように擦り付け
欲しいと蠢くその中へ、今度はゆっくり押し入っていく
天狗が中にいると教えこみ、そして、新たな悦を引き出すために
胎内一杯の天狗のそれは、探さずともそれを暴くかもしれないが**]





   その礼装は森を進む為の物。>>
   しかしながら礼装に変わりなく
   多少の不自由さは付きまとうだろう。

   ともなればラサルハグは躓きかけたソフィアを
   手で支える。

   人ならざる蛇はたとえ彼女の前を歩こうとも
   後ろで彼女が転びそうになれば気づけてしまうのだ。




   





   しかしそれも今だけのことだ。
   蛇はソフィアの呼び掛けには応えない。

   人ならざる蛇が人の姿で在ることを辞めた時。

   暗闇の中でただ双眼が光輝けば
   それはまるで平衡を求めるソフィアを助けるように
   洞窟にはどこからともなく明かりが灯る。

   それはきっと、彼女が縋るのと
   時を同じくして起こることだろう。




   




   この身体では、あの日のように
   彼女の恐怖を削ぐことも出来ない。

   蛇には手など生えてはいないのだから。

   本能的に恐怖に身を竦ませるソフィアに
   差し伸べる手などあるはずもない。









   ソフィアの前に在る蛇は
   鳴る喉も噛む唇も見逃さず

   しかしながらそれを止める術もない

   今ここで唯一交わせるものは
   彼女に教えられたW言葉Wだけであった。








   蛇の声はかつてソフィアを追い返そうとした
   あの時のような圧を込めた物とは違う。

   蛇はただ彼女を慈しみ、
   己を知ろうとするその勇姿に敬愛を向ける。

   そんな声色であった。








   そう伝えればラサルハグは瞳を閉じる。
   瞼の裏に焼き付いた過去を、語る為に。








   その目には明確に怒りが滲む。
   ソフィアではない他の何者かに向けられた

            身を焦がれるような
強い怒り
が。*


  そうなのか?
    そのわりには楽しそうだが


[ 疑いの眼差しを作り冥桜へ向ける
 とはいえ己の世話をしたいなどと
 本気で思っているわけではない

 いまひとつ捉え所のないあの嫁のこと
 大方、己が断るか騒ぐか恥じらうか
 いずれにせよ、そのような反応を
 期待していたのは予想するに難くない

 よって、受け入れたのは
 意趣返しのつもりでもあったのだが── ]


  なぁ、冥桜
   我は皮剥き前の大根ではないぞ
     桂剥きみたいにされては目が回る


[ かといって、丁寧に脱がされついで
 くすぐられてもまた困るのだが
 
 不満に口を尖らせたまま
 云われるままに甚平の紐へと手をかけ ]

[ よいしょと、細い紐を解いていく
 次いで布地を引っ張り肌を露出させ
 甚平を脱がせていき──  ]


  ここから先がわからん
     脱がすにはどうやれば良い?

    蘇芳が我を洗う時などは
      これ以上脱ぐことはなかったからな


[ 甚平を脱がせることはまでは出来た
 けれどそれ以上は己にはわからない
 むぅ。と小さく唸り、爪先で床をほじくった* ]

[素直に言えば褒めてくれるかんぅに、にへらと笑う。
彼に言われて、きゅっと中で彼を締め付ける。
彼の両腕と、背中に寄りそう胸の厚さが頼りで、彼の肉棒だけを感じられる。
その先ほどのどこか不安な姿勢と強烈な快感の虜になってしまっていた。
自分を上下に振られれば、彼から汗が飛び散って。それも野獣らしくて胸がとくん、と鳴る。

そして、かんぅが近づいたものが光り、自分も気づいた]



 あ……っ


[姿見に映るはしたない姿の自分。
隠しどころを露わにし、下の口からは肉杭をずっぽりと咥え。
頬を染め、目を潤ませて淫らな笑みを浮かべて陶然としている。
肉鎧とはどういう意味だろう、と首を傾げれば、鏡の中の自分も首を傾げる]

 一つに……っ


[その言葉を反芻するように口にすれば、かんぅが今度は先ほどとは違う角度で揺さぶっていく。
彼に揺らされれば、その度に自分の固くなった雄が揺れ、先端から粘度の高い液を漏らしていく]


 あ、しゅご…い…♡

 あん♡

[体の中を突きあげていくかんぅの熱が嬉しくて。
もう、ダメ、とかんぅをぎゅうっと中から抱きしめた途端。
中で何かが破裂する感覚がしてそれと同時に放たれた白が鏡を汚す。
跳ねあがった熱が自分の顔にもかかって。
汗と精液と涙と涎と。鏡の中の自分はぐちゃぐちゃな顔をしている。
まるで獣のように交わって、高貴な魔物であるはずの自分はもうどこにもいない]


 かんぅ殿……


[体をひねり、彼に甘えるようにすり寄るように見せかけ、とん、とかんぅの肩を指で突く。いわゆる経絡。
そこから通じる流れが彼の体を流れ、いわゆる膝かっくん状態にかんぅはなってしまうだろう。
油断した彼がうまいところ尻もちを突けば、自分はふわりと宙に浮いた]


 さぞかし、疲れたであろう?


[次々と、指先で、かんぅの体を指先で、つん、つん、と2本の指で突いていく。
いわゆるツボ押し。
彼の体を一時的に動けなくさせ、しかし体の疲れを癒していく。
その笑みは悪戯が成功したというかのように。
そして、その副作用でさらに雄々しく力強く勃起する青龍偃月刀を愛しそうに見つめて、唇を寄せる。
ヤオディの小さな唇ではそれが納まりきるはずもなく、先端に口づけをし、含むので精一杯。
せめてもと、大きいそれを一生懸命舐めて、唾液を絡ませて]


 余もおのこ。嫁殿に奉仕せねば。


[哀れ、かんぅの処女の危機。以下次号に続く……となりたいところだったが、いかんせん、最初の衝撃と知識の差でそちら方面にヤオディが思いつくことができず]


 余、ばかり気持ちよくされるのは、ちがうでの。
 我らが夫婦なら、共に気持ちよくなるのがよかろ?


[自分がお願いをして、気持ちよくしてくれたというのなら、今度は自分が動くのが筋、と]



 今度はそちは動かないでよいぞ
 余が動くでの


[余が頑張ると呟くと、ずぶぅと彼の育てた雌孔に青龍偃月刀を突きさしていく。
中に入り込む感覚で、ぞくぞく、と震える躰を必死に上下に動かし、かんぅに無理を強いたから、彼は気持ちよくなかったのでは、と、自分が先ほどしてもらったのと同じような条件なら彼は気持ちいいのでは、となった甘い勘違いの中、膝が震え、腰が落ちてへなへなになる中、がんばる、がんばるのだ、と間違った方向で体育会系に突き進んでいた*]

  

  どこに明かりが灯ったのか
  洞窟が明るくなり、煙が晴れたのなら
  裏葉色の両目を見開いて、
  目の前に座する大蛇を見上げた。

  眺めるだけなら美しいとも言える白い鱗。
  水のように透き通った、宝石のような玉が
  目に嵌め込まれ、それは一つの芸術品にも見える。

  しかし、そこには生命が宿っている。
  人間とは違う、大いなる意志を持つ存在。
  なればこそ、人は畏怖し、彼を崇めるのだろう。
 

  

  明るくなったとて、手を離せば座りこんでしまうから
  壁に手をつき寄りかかったまま、私は彼と相対する。

  怖い気持ち、悔しい気持ち
  心の内に持っていても、
  目だけは逸らさないようにして

  そうして、掛けられた声は
  ……慈しみの篭ったような、優しさを感じる
  そんな柔らかい声

  彼は『神様』で、『大蛇』だけれど、
 
  ─── やっぱり、『ラサルハグ』でもあるのだと。

  理解したことを噛み締めるように
  神妙な面持ちで彼を見つめる。
 

[婿殿の才能がすごい。
最近かんぅすごいしか言っていないんじゃないか疑惑。褒めれば笑う彼は愛され上手だ。肉棒だけを感じ、鏡に映り、淫らに笑う。そんな彼と一つになれたのはまさに運命である。下から上へ突き上げるたびに、彼は感じてくれる。淫らな肉体を映し、其れを恥じることなく喘ぐ様は無知ゆえの淫乱だ。

いつか彼も自らの羞恥を知るのだろうか。
その時が怖くも愉しみである。
放つ精とともに

彼もまた濡れて]

  

  先程までとは違う色をした水面は
  波紋を立てるように怒りに染っているようにみえた。

  私はそれを視界に入れれば、ゆっくりと
  震える足を叱咤し、彼の方へと歩んでいく。
 



 ……婿殿。


[精をかぶる彼がいた。
鏡越しの彼は、ぐちゃぐちゃな顔をしている。先端から吐き出した精を纏いまるで花嫁衣裳のように着飾り、そのまま甘えてくるのだ。愛おしい姿、愛し愛される姿だと感じ、その身を抱きしめようとして、体が揺らめいた。]

 

  彼の元へと近づけば、身体の震えはより強くなるか。
  だとしても、私は力を込めて、彼の前に辿り着き、
  手を大蛇の顔へと伸ばす。

  それはいつかの記憶をなぞるように
  大丈夫、と、伝えるように
 



  彼が思い浮かべている人が誰なのかはわからない。
  今までに生贄とされた人なのか、
  私の全く知らない人なのかも。

  触れることが出来たのなら、彼の頬を撫でる。
  彼が伝えてくれたように、慈しみを込めて。*
 



 ……む


[おのれ、婿殿の姿を借りた魔物か。
展開になりかけた。危なかった、体がいう事を聞かぬ。だが、ふんぅと力いっぱい暴れてはいかぬと宙に浮かぶ婿殿をみて本能でかんぅは察した。疲れたであろうと彼は労わってくれる。

ただ問題は]


 ……婿殿、それは?っ


[癒す手がいやらしい事だ。
明らかに性を感じる。イケナイ事をしている。つんつんと突かれた処から力が滾り、熱が集まり、アレがあれになった。もしや淫魔の類の力を婿殿を身に着けたのだろうか。
――搾り取られる。

それもまた本望]

[唇が陰茎にと寄り
先端に口づけをすれば、もうばきばきである。
性はきっとあふれんばかり、負ける気はもうとうなく。]


 
 …流石だな、婿殿。
 かんぅはよき夫に巡りあえた。


[かんぅの処女の危機は去った。
去ったが、別の意味で危ない。いろんなものが、主に下半身が。自由の利かぬ躰の上にのっかっていく。絶景である。これはもう滾らない方がおかしい。かんぅのかんぅが大変なことになるなか、雌穴にと彼が腰を下ろしていくのだ。

動くな、と言われたのだから
かんぅは我慢した]



 … ん 、婿殿っ


[なんといじらしいことだ。
頑張るという宣言のとおり、彼は頑張っている。大きな熱の上で膝を震わせ、腰を落としながら、必死に上下に動いていた。其れをじっと見つめる目は熱く、次第に息が上がっていく。
彼の中で感じるとともに婿殿の痴態で感じる]



 ……もっと、足を 開いてくれぬか?



[もっと淫らに、動いてほしい。
動くなと言われたのだから、我慢だかんぅ。注文をつけて、彼の中を肉棒がつく。動いていない、動いていない。中の熱が勝手に暴走しただけだから。そういうことにして、それから]


 婿殿、かんぅも婿殿を共に気持ちよくしたい
 気持ちよい婿殿をみると

  気持ちよくなるのだ

   ……ダメか?


[腰を振り、下から上へ突き上げたいのだ。と
欲望を口にして、もっと思うままに気持ちよくさせたいと。其れがまた自分の快感にもつながるのだと。滾る熱で奥をつつっつくのは焦らす弱さ*]

 ぬ、こうだろうか。


[かんぅのお願いに、足を開き、しゃがむようにして、いわゆるM字開脚のようにする。
そして繋がっている部分が彼から見えるようにしながら、上下に動いて。
しかし、少しすると疲れてしまって体を前に倒し、かんぅの毛だらけの胸に自分の体を倒す。
胸の粒が擦れて、じょりじょりとして気持ちいい。そのまますりすりと胸を無意識に擦りつけながら、腰を前後にくねらせて、彼の大きなものを、くいくい、と奥にすりつける。
そのまま彼の唇を奪い、彼の行いを真似して舌を絡めては、彼の口の中を犯していった]

 そちの、おっきすぎなのじゃあ……♡
 少し動くと、余のイイところに、全部当たって、体から力が抜けるぅ……。

 かんぅは、余で気もちよくなっておるか?
 余は未熟者で、かんぅみたいに上手にできておらぬのに


[これでは、嫁を満足させられない、と熱い息を吐いて、腰をくねらせれば、かんぅからお願いが来た。
かんぅの頼みに、そういうものかの?と、素直に躰が元のように動かせるツボを押す。
ここでも発揮されるヤオディの素直さ。
しかし、なまじっか、体が復調するツボを押したものだから、かんぅの疲れが取れて肉体も元気に復活してしまっているのを忘れていたのだが。

休憩を挟めばぬぷっ、くぷっと粘着質な音を立てて、上下に体を動かし銀色の髪が宙を舞い、淫らに腰を振る。
しかし心地よさに力が抜け、疲れでかんぅの上に身を伏せるという繰り返しの中途半端で]


 かんぅ、どのぉ……

 愛してる……っ


[上手にできなんだ、すまぬ、と謝りながらも、甘えるようにぎゅう、とかんぅを抱きしめた*]

  良いではないか、良いではないか。
  花よ蝶よと愛でられたいならそうするのも吝かではないが。
  お主、壊れ物や砂糖菓子のように扱われると。
  それはそれで文句を言いそうであるしな。


[男曰く、自身の主観を素直に述べる。
恐らく丁寧にしたらしたで怖いとか言いそうである。
まったく嫁をナニだと思っているのやら]


  なんだでは嫁のを見るのは初めてか?
  褌は腰の紐状に見えるところに端を寄り入れておる。
  それを探し出して引っ張り出せたら後は簡単だ。
  予を桂向きにするかのようにすれば良い。


[甚兵衛は脱げているので褌が無くなれば桂剥きにした大根とは些か誇張が過ぎるがナニやらとお目見えできるだろう]


  やれぬなら予が自分でするが……?


[さて、それは煽り文句と映ってしまったか*]




   ソフィアが怖いと言おうが怒りは湧かない。
   人ならざる蛇が怖いなどと、当然の事だ。

   彼女もそれは今感じているところだろう。
   吸い込まれるような裏葉柳の瞳に
   黒く淀む感情が映し出されれば

   ラサルハグもまた覚悟を決めねばならない。







   彼女が宝石のようだと言った目が
   怒りに黒く澱んでしまったのはいつの事か。

   真意を知らぬ物には見えぬ黒き焔は
   透き通る宝石などとは程遠い。

   奇しくも。
   ラサルハグの瞳を宝石と形容したのは

   全てを知ろうと歩むソフィアと
   何も知ろうとしない愚かな大衆だけであった。








   如何なる言葉も受け止めよう。

   そう覚悟を決めたラサルハグに
   ソフィアがかけた言葉は蛇を柔らかに包む。

   それはいままで抑えていた衝動をなだめ
   心の臓物を母に撫でられるかのよう。

   かつて我が主がやってみせたものとは違う。
   彼女にしか出来ないやり方で。









   (────そうだ。



       私の怒りはただ.........
       我が主に降り注ぐ理不尽に対するもの。


       本当は...我が主を守れないことを
       我が主が受け入れられなかったことを



                私はただ──────)


    





       (それを悲しみ。


           そして己が許せない
           凶行に走り、主を追い込んだ己が。)










   ラサルハグは三度思い知る。
   彼女はやはり叡智に満ちていると。

   瞳に灯る焔のその先にある悲哀を
   彼女は見抜いてしまうのだから。

   その足先がこちらに近づけば
   ラサルハグは目を開きソフィアを見据える。









           頬にソフィアの手が触れれば
           凪の水面から水が零れ落ち
           彼女の暖かな手を濡らしていた。*

   

 ぁッ……!


[脚の合間に触れられて、淡い声を漏らす。
飾り程度の意味しかなさぬ下着を剥がれてしまえば、主張する茅自身が空気に触れて小さく震える。
宥めるように撫でられれば、より一層先端から雫を零してしまい、柔く握りこまれればまたあぁと喘ぐのだった。]

 あ、ぁ、やぁ、んッ


[どこもかしこも敏感になっているけれど、特に弱いところを擦られれば、眦にも涙を貯めて身体全体をびくつかせる。
身体からは簡単に力が抜けてしまい、腰も砕けたようになったところで促されるまま、また布地の上へと背を預けて転がった。]

 は……は……ぁ、


[見られている、と思えば、欲しがりの身体はまた高ぶってしまって、既に天空を指す中心ももっと高くと育とうとする。
とろとろと、先走りに濡れた箇所が、少しだけ冷たい空気に震えた。
きっと、きっと、天狗さまには孔まで丸見えだ。
欲しいのなんて、隠す気もないけれど、手に取るようにばれてしまう。
少しだけ、恥ずかしいけれど、でも天狗さまはそんな姿も受け入れてくれるって、知っているから。
]

 ぁう……ッ


[欲しい欲しいと引くつくところに、天狗さまが意地悪をする。
ちゅ、と口づけるように突かれて、早くとばかりに食んでしまう。
熱くて太くて硬いモノの先端で、もったいぶって焦らしてくるものだから、すっかり焦らされた青年はといえば、無意識に腰を押し付けようとして]

 
ぁ…ッあ、あ…ッ!


[ぐ、と押し入る熱の塊に、喉を見せて啼いた。
ゆっくり、ゆっくり。
まるでその存在感を知らしめるかのように、侵入してくるソレに、感じ入ってしまう。]

 はぁぁぁぁん…ッ


[押し出されるように、甘い甘い声がこぼれ出た。
脚の指先がきゅうとまるまって、
手の指先が、敷いた白の布を握りこむ。
少しでも快感を逃がさないと、もう意識ごとどこかへ飛んでしまいそう、そのくらいただひたすらに気持ちよくて、
なのに、まるで胎の内側から殴られたかのような、衝撃にびくんと大きく腰を跳ねさせる]

 
ぁ、あーーーッ

 ま…って、そこ、駄目、
 
だめッ


[天狗さまのイチモツが茅の胎にまだまだ収まらない内に、高い声を迸らせる。
ぐり、と先端近くの張り出したところで抉られたところが、重たい衝撃になって息すら止まりそうになる。
ぼろぼろと涙をこぼして、頭を振って、その衝撃を逃がそうとして。
全てを受け止めきるには、いささか身に余る“悦”に、泣く]

 あ、ぁ、
 動かないで、うそ、そこだめ動いて、
 
や、ゃぁ、あ…ぁッ!


[前後不覚になりながら、うわごとの様に喘いで、布を掴んでいた手が、助けを求めるように天狗さまに延ばされる。
触れたら爪を立ててしまいそうなのだけれど

その場所を押されているのも気持ちよすぎるし、かといって動けば更に抉られそうで、どうしたら良いかわからぬまま、びく、びくと全身を震わせて……

腹の上を、新たな白で汚した。**]


  む、ぐ……。たしかに
    緋扇は花よ蝶よしたがったが

   山盛り衣装を持ってきてな
      髪もあれがいいこれがいい。と
         
    動けば怒るし、寝転ぶなと云うし
        ……あれは遠慮したいものだ

   
[ 緋扇の時でさえそうであったもの
 この嫁では何をされるかがわからない
 それなら、今のままの方が安心というもので ]


  そりゃあまぁ、初めて……だな
     蘇芳はいつも我を洗った後
       風呂へは一人で入っておったし

   べ、別にそれくらい我にも出来るぞ
      これを、こうか?────えいっ


[ 教わった通り布に触れ端を探していく
 ぺたりと腰回りを指が辿り、一周二周

 ようやく目当てを見つければ
 掛け声と共に勢いよく引っぱれば ]


  なぁ、冥桜
    それは邪魔ではないのか?

   うつ伏せに寝たら
      潰れてじゃまそうだが


[ 自分にはないものの姿に目をぱちくり
 不思議そうに見つめ、素直な感想を漏らす* ]
      

  あ〜れ〜……っとと、そうか、そうくるか。
  ううむ……。


[楽しそうに回り終えた後、ぼろんとした男は思っていたのとは異なる反応に唸り声をあげた。
先の話を聞くに蘇芳はリンを娘のように扱い。
緋扇はそれで彼女を大切に扱っていたらしい]


  これは予も花よ蝶よと愛でるべきであるのか。
  何とも悩ましいものだ。


[片手を腰にあてて素直な感想を述べられた愚息を隠すことなく男は手拭いを手探りで探し出す]


  これはな、邪魔ではないぞ。
  男には大なり小なり皆ついておるものだ。
  蘇芳の股間にもついていただろう。


[手拭いを探しあてるとそれを頭の上に乗せてリンの頭を撫でてやる]

  このままうつ伏せで寝ると確かに潰れて痛みがある。
  ただまぁこやつは大きさを変えるのでな。
  小さくなればそうでもない。


[頭を撫でる手を後頭部へと移して、そのまま背に触れる]


  男はこの先からしょんべんも出すし。
  子種も出すのだ。
  産まれて最初に出会う生涯の玩具よ。

  ――ところで風呂はこちらか?
  湯煙であまり先が見えぬな。


[案内を頼むぞとリンの背を擦ろうか*]

 

  手を濡らすものがあっとしても
  私は黙って、彼の頬を撫ぜる。
  
  貴方の心が落ち着きますように。
  今まで辛かった気持ちが、少しでも
  癒えますように。

  そう、願いを込めて。
  

 
   
叡智

  Sophia、なんて名前をつけられるほど、
  賢い訳でもなければ、道理に通じるわけでもない。

  この名は少々私には大袈裟で、勿体ないものなのだ。
 

  

   「 そう、貴方の名前。『Rasalhague』。
     昔は星の名前だなんて綺麗だなって
     思った覚えがあるのだけれど。

     そのまま、蛇っていう意味だったのね。 」
  

  まさか空に浮かぶ星の起源が彼だなんて
  思いつくことさえないものだから。

  くすくすと笑って場を和ませるように。
  自分の名前について考えた流れで、
  彼の名前に言及する。
 


  う?
  何を唸っておる?
   
 
[ 回っている時は楽しそうであったのに
 その後の反応はからは
 何やら困惑した様子が見て取れる

 何故だろうかとすこしばかり逡巡するも
 手拭いを探すそぶりに気がつけば
 目の前でひらりとさせたりなどして ]
 

  んや、お前に愛でられるのは
    少し──というか、だいぶだな
      遠慮したい、何より後が怖い


[ 撫でられながらも、きっぱりはっきり拒否の意

 己の分の手拭いも手にとり
 こちらはお腹へとぐるりと巻きつけ ]

 
  
  彼の傍に居たいか、と問われれば
  私は「わからない」と、そう答えるだろう。
  気持ちは簡単に育まれるものではなく
  私と彼はあまりにも違う存在だったのだから。

  けれど、だからといって、
  彼を放っておきたいわけではない。

  見守りたい、が今の気持ちに一番近い。
  でも、そんな中途半端な気持ちで傍に居ることを
  彼は許してくれるだろうか。*

  

[ 己にはないそのモノは
 男であれば誰しも持っているらしい 

 また新たな知識を得たと興味津々
 嫁の言葉に瞳を輝かせ、珍しげにそれを見て ]


  小さく……と、縮むものなのか。それ?
    ということは空気を抜くのか
      いや。用を足す時につかうなら
          しっこをすれば縮むのか?


[ 聞けば聞くほどに面白い
 摩訶不思議なものだと感嘆の声が出る

 とはいえ、まずは風呂場までの道案内
 こちらだとゆっくりと歩き出し ]


  すのこの道を通れば湯船よ
    周りを葦簀で囲ってあるから
      うっかり庭に出ることもない


[ すのこの板の向き通り歩いていけば
 自然と湯船に着くようになっている

 とりあえず掛け湯でもしようかと
 洗い場へ冥桜を導き、湯を入れた手桶を彼へと* ]

  唸りたくもなるというものだ。
  何しろナニも教えられておらぬのだぞ。
  それはそれで良いと言えるのかもしれぬが――。


[ひらりひらりと手拭いが舞う。
実に悪戯っこであると言えようが愛でられるのが怖いと言うのはいとおかしと笑い声で返すばかりである]


  それは良き質問だ。
  空気ではないことは確かだが何かは分からぬ。
  気のようなものかもしれぬな。
  そして大事なことは大きなときはしっこは出にくい。
  出せばこの角度だ。
  下手をすると顔に被ってしまうぞ。


[腰についたナニがしらは先の奏での最中で昂り大きくなっていた。
それはこの男の性分ではあるが大きい時は邪魔ではある]

  だからしょんべんをしても縮みはせぬな。


[此方の方かと感嘆の声を漏らすリンの声に従いすのこの道を行く。
葦簀で囲っているというのはこれまた便利なもので外からも見えにくいものだ。

湯舟に到着するのは直のこと。
湯が入った手桶を渡されるとなるほどと頷いた]


  掛け湯であったか。
  確か足元からだったな。


[と男はリンの足元に湯をかけた。
足元の次は脹脛に、その次は太腿へ。
途中で無くなれば湯を足して肩までかけては最後に]


  リンは頭にもかける派か?


[一応確認だけしてから是なら頭からも掛けてやるとしよう。
掛け終われば腰を落として、さぁ、と手を広げて掛けられるのを待った*]

[声一つ、仕草一つにも欲しいという気持ちを感じて
その中を早く満たしてやりたいと、その声に誘われるまま体を暴く
恥じらいながらも全てを晒してみせるものだから
じっくりゆっくり可愛がろうと、悦を教え込もうと孔を突く]

 ああ、本当にいい声じゃの
 中に入っていくのがわかるじゃろ?
 ほれ

[一度知ったからか、押し入るほどに声が上がり、ひくりひくりと体が揺れる
快楽に身を委ねる様子は、天狗のことを信じ切っていなければできぬもの
もっと泣かせたくて愛したくて、胎の中でまた逸物が育ち

ぐっと押し込めば、それまでにないほどに腰が跳ねた]

 うぉ!?

[きゅうと締まる胎内と声に驚いたのは一瞬
「その場所」を暴いたと知れば、また人の悪い笑みを浮かべる
締め付けがよすぎて声が上ずったがそれはそれ]

 ここ、駄目じゃなかろ?
 もっと善くしてやるって言うたもんな

[ほれ、と腰を揺すり、そこを掠めながら奥へと動かせば
うわ言の様な声を上げながら伸びてきた茅の手が天狗を捕まえる
爪を立てられたとして、愛しさが増すだけで
焦らすように動きを緩めれば、求めるように茅が揺れ]

 堪らんか?
 それでいい、いくらでも欲しがって善がり啼いていいんじゃ、茅

[そう言ってまた中を押し上げ、硬く立ち上がる子天狗に触れると
耐え切れないのか精を噴き上げるのがわかり息を詰めた]

 ちいと善すぎたかの?

[精を吐き出した茅に手を伸ばし、そっと頭を撫でてやる
つい先ほどまで無垢であった体だ、とは思うが、実のところまだ序の口なのだ
じっくりゆっくり慣らしていくべきかという気持ちと
もっと乱れる姿を見たいという気持ちとで、結局後者が勝ったのは
天狗自身に抑えが利かなかったからに他ならない]

 大丈夫か?
 ほれ、ワシの背にしがみつくとええ

[何かに縋れば多少は天狗が楽かもしれないと考え
そうして背が浮いたなら、その背に腕を差し入れひょいっと抱き上げる
向かい合い、茅を上に乗せるように形を変えて、軽く揺らして位置を整える
体勢が変われば中に入ったままの逸物の当たり方も変わるが、茅にはどう伝わったか]

[体制を変えたのは、さらに深く深くへと天狗の熱を注ぐため
とはいえ、今は少し間が必要と動きを止めた]

 思った以上に軽いの……

[呟きながら茅の背を、胸元を撫でまわす
茅が落ち着くまでは、そのままで**]

[お願いを聞いてくれる婿殿は酷く扇情的だ。
開かれた足は結合部分をよく見せた。其処から上下に動いてくれるのは健気と感じるに違いないが、体力不足の彼が力尽きてしまうのも今までの交わりを思い出せば道理であったか。

ただ、婿殿の厄介な処はそれでも尚、精を求めるところだ。腰を前後にくねらせ、雄を刺激する踊りを踊るのだ。その上で此方が教えた口づけをする。物覚えの良さを褒めたいが
生憎、手は動かず、代わりに

どこか、無力さを感じさせる言葉に声で返し]



 …婿殿を見ておるだけで気持ちよくなるぞ。
 未熟者?否 …婿殿は手練れよ。


 初めてここまで出来るのだ。


[きっと三国一の無双者になれよう。と
動かるようになった手で彼を抱きしめた。華奢な体だ、力を込めただけで折れてしまいそうだという印象は変わらず、ぎゅっと抱きしめれば、彼の中で抱きしめられているようで。淫らに腰を振るのを再開した彼の中を熱でよくよく突いた。

すぐ力尽きる彼が抱き着き
愛を告げてくれるから]



 …かんぅも愛しておるよ


[甘えるような仕草を撫で
顔をあげさせれば、此方からも接吻をし、微笑みを浮かべればゆっくりと腰を動かし始めた。最初は揺蕩うように、彼の腰を労わるように緩やかに。だが少しずつ確実に強く、早くして。

下から上にと突き上げて]



 …ヤオディ
 主は十分、我を気持ちよくしているぞ。

 ―――それに何より


[このまま、抱きしめて達させたい。
そんな願いで腰を突き上げ、手を結び。]




  主が、愛してくれるのが
  いっとう満たす。


[主の愛に包まれるのが心地よい。
戦場の空気を浴びて忘れてしまったものが確かにあった。愛すること、其れを伝えるように。身体を起こせば抱きしめてそのまま中を抉るようについただろう。気持ちいいのだ、と髭を押し付けて、何度と強く、喘がせて――絶頂の瞬間。

彼の唇を奪い。

どくんっと果てた。
そしてそのまま彼の身を褥へと寝かせ
その肉体を余す事なく味わっただろう。初夜は明けても続く
体が復調するツボを押したのは彼なのだから

責任はとってほしい*]

 
  む、何も教えられてないわけではないぞ?
     文字は書けるし、足し算引き算もできる
       風呂では耳の裏まで洗うのも知っておる


[ 全て教わっているわけではない
 けれど、日常のことに関しては
 嫁が困らぬ程度習っているとむくれて言う

 とはいえ、他人の体に興味を示すこと
 無作法と咎められても不思議はないと思うのだが
 この嫁に関しては怒るそぶりもないようで
 むしろ、面白がっているようですらある

 手桶の湯、順繰りにかけられたなら
 水遊びする子供のように明るい笑い声をあげ ]


  頭にもかけたい派だ
    濡れるのは楽しい、面白い
      

[ 勿論と答えれば、頭からかかる手桶の湯
 ぽたり、水滴の落ちる前髪を手で払い上げ ]

 
  冥桜はどうだ?
     頭からかけても良いか
       

[ 間近に嫁の顔を覗き込み、問いかけを

 その間にも、ざばり
 手桶の湯を相手の体にかけていき

 答えが是でも否でも、頭からかけるつもり* ]

[確かに何も教えられていないわけではないだろう。
生活に必要な事柄は教えられているし火を怖がりはすれ米の研ぎ方やらと色々と知っている。
ただ、子どもが知らなくても良いことを一切教えられていないという辺り大人になった時に困ることは間違いない]


  が――まぁ、良いか。


[それはこれから男が教えていけば良いことなのだろう。
蘇芳も緋扇も時分にあったことを教えていた。ということにしておこう]


  うむ!
  予は頭から派だ。
  ざばっと掛けるが良い――うぶっ


[そうして掛けられた湯は頭からというよりは顔からかかっていた。
頭を振い雫を弾く。
きらきらと水滴が周囲に飛び散りつめたい雫が降り注ぐだろう]


  身体を拭うはどれだ。
  米糠か、それとも単純に藁か。
  或いはばさばさと木の葉のついた枝もあったな。


[かような道具が此処にあるのか。
湯を再びリンの頭にかけながら頭皮から優しく揉んでやりながら湯あみ道具を問うてゆこう*]

 余が手練れ?
 もっと上手になったら、かんぅ殿はもっと嬉しいかの?

 それこそ、三国一の幸せ者になれるかの。

[くすくす、と彼の腕の中で笑うのは、ほっとしたから。
ぎゅうっと抱きしめてもらえるのが嬉しい。
一人じゃないと思わされて。

かんぅ殿は気持ちいいだけでなく、こういう気持ちも余にくれたのだな、と思うのだ。

体が自由になったかんぅが、体を起こして、抱きしめれば思い切り鋭く中を突いてくる。
手を繋いで彼の体を下に見て、突き上げられば、自分が犯しているのかわからなくなり。でも、体を支える腕ががくがくして。
ああ、抉られるのが気持ちいい。
彼の髭が全身をまとい、それがぞわぞわするのもよくて、
思い切り喘いで、啼こうとした瞬間に、唇を奪われた。

酸素も吐息も全て奪われ、合わせた唇の中で悲鳴も嬌声も全部せき止められて、行き場を失った絶叫も絶頂も、震えとなってかんぅの肉刀に絡みつく。

白く細い足が瘧のように震え、偃月刀を受け止めた鞘は、白濁を飲み込み切れずに、ほとほとと、蕾から雫を零れ落としただろうか
そして―――]


 や、ぁん♡
 もぉ、だめぇ……っ


 ごめんなさぁい、もぉ、しないのぉ……っ

 ゆるしてぇ……っ

 ふぁ……♡


[さすがにもうダメ、と。褥の中で彼に味わいつくされては悲鳴を上げる。

早々に観念したというより、人事不省に陥ってしまって。
目を覚ましては元気な嫁殿に抱かれるのを繰り返す。
こちらはよれよれなのに、なぜか肌がつやつやな絶倫嫁殿に恐れの気持ちを味わった]



 風呂に入りたい……


[かすれた声でかんぅを閨の外に誘いだせば、寝室を水で満たして浄化する。いつもこのように水で清めていたのだけれど、あれだけ恥ずかしい体液で汚れまくってしまっては、使用人に任せるわけにもいかない。

しかし、寝ても寝ても疲れが取れた気がしない。
痛む腰をさすり、自慢の湯を湯治代わりに使おうか]


 かんぅ殿……余は背中を流せばよいのかの?

[こういう時、世の夫なるものはどうすればよいのやら。
嫁と婿という自覚は(少々歪んではいるが)出てきたものの、人ならざるものなので、何をしたらいいのかがわからない*]

[ 冥桜が何を考えていたかは知らないが
 どうやら『まぁ良いと』結論づけられたよう
 
 そも良くなかったとして
 己は与えられたものを受け入れるだけ
 ほかに道を選びようがないわけであり ]


  何が良くて何が悪いのかはわからぬが
     まぁ、お前が良いならそれで良いが


[ どうせ考えても仕方がないこと
 やるべきことは己の中にあるものの
 それにまつわる記憶などは己の中にない

 生まれたばかりの赤子が乳を吸うのと同じ
 それが必要だと思うから行うだけで
 そして、今必要なことはといえば──── ]


  ────っと!!!
      えい、やぁっ!!


[ 頭からかける派だと言うから手桶を振った
 それは必要なことであり、迷いはなかった

 ──そこまでは良い、間違いはないのだが
 いささか己の背丈が低すぎたわけであり ]


  す、すま……ぬ
    ……ぷっく、あはは


[ 怒られる予感に謝りはしたものの
 面白さから堪えきれずに笑いは漏れて ]


  ……っぷ、あはっ……くっ
    か、身体を拭うものだな
       それっ、そこに糠袋が  


[ 頭から湯をかけられつつ
 湯船の近くに置かれた糠袋を指し示す

 鼻に水が入らぬよう笑いを堪えようとして
 小刻みにふるりと体が震え* ]

[今でも抱かれ上手なのに
これ以上上手になったらどうなってしまうか。彼をそうさせたのは自分なのだとかんぅの中で気持ちが昂った。触れて抱きしめれば、笑う声が聞こえた。この可愛く愛おしい婿殿を大切にしなければならぬと思うたのだ。ただ、性欲はそれとこれとは別問題というやつだった。元気になるツボのおかげが、かんぅのかんぅは果てても元気100パーセント。

赦してという声を聞いても止まらず
白濁を飲み込みきれなかった
花に更に注ぎこんだ]

[それこそ、部屋が凄い事になる程。
風呂に入りたいという彼を解放したのは、空が明るくなってからか。誘われるままに彼を抱きあげて、浄化される寝室を横目に、彼の言葉通り、湯の元へ連れていこう。くたくたの彼が腰をさするのなら、労わるように抱いて。
使用人の気配を後目に
風呂椅子に座らせ]


 婿殿、無茶を言うでない
 まだ体力が戻っておらぬであろう?


[それに。と続け
腰かけた彼の前に膝をつき。そのまま上半身を此方へと倒させれば、臀部を優しくなぞり。溢れんばかりの白濁を飲み込んだ花はまだ其れを有したまま。人間ではない婿殿がそれをため込んでどうなるのかは不明だが人であれば、体調を崩しかねない。
そう判断して、かんぅは其処を撫でた]



 …此処を綺麗にせねばな。
 子種を聊か撒きすぎた。

 このままでは腹を壊すかもしれん。


[これもまた妻のつとめ。
そして、こうして触ってもらうのが夫の役目だと全然違う事を述べつつも指腹はゆっくりと彼の中から白を出すように入り、花から零していくだろう。最も全てを指でとるのは難しく]


 婿殿、水を出してはくれぬか


[水を操り、彼の中を洗えないかと提案を
至極真面目な顔でかんぅはした*]



つまるところ、人間であった頃に何かがあったのだろうな

同胞は皆、多かれ少なかれ記憶があるのだが
……私は殆ど覚えていない

それが皆と心の在り方が違う理由だと、かつてあの方は仰った

[ 腕を組み過去を噛み締めるように頷いた後、
 あの方とは自分を世話し、名前をくれた古株の鬼のことだと語る。

 幾度かその存在については話をしたことはあった筈だ。 ]


[ 鬼はその時失念していた。
 本当に教えるべきことは別の部分にあると、気づかなかった。

 己が結んだ約束により、
 百数十年間人間はとても近しい存在となっていた。
 あまりにも自然に長く、当たり前のように共に生きていた為に
 存在の成り立ちについて改めて思うことなど無かったのだ。

 相手の人の子が知っているのか、
 既知であるのならば何を思うかなど考えもしなかった。

 果たしてこの花嫁は知っていただろうか?
 ──鬼とは、怨みを抱き死んだ人間の成れの果てであると。 ]



 いや、あんたの世話をしたのが大体そいつなのは分かってるけどよ
 人間だった頃ってのは……それは、要するに

[鬼とは、この男とは元は人間として生を受けた存在である、と。

引っ掛ったのは添えられた説明ではなく、その在り方の根元について。]

ああ、そうか──読んだことがある

[子供の頃に読んだ一節が脳裏に蘇り、離した手がそのまま口元を覆う。

あの家には何故か、妖怪に関する書物が多かった。
一族よりは村と山の鬼の関係故だったのかもしれない。
退治を試みようとした者も、かつてはいたのかもしれない。

今まで思い出すことが無かったのは随分前のことである為と、
鬼というよりも、紅鉄坊という男として認識していたせいか。]



 なら、火傷をした後にここに来て死んじまったのかな

 忘れたことであんたが今のあんたになったのなら、
 それは本当に、沢山の辛いことがあったんだろうな

[独り言のように呟きを繰り返せば、
腕が無事なほうの肩に身を預け、傍らで目を閉じる。]

 …………そうか

[それ以上どう言葉を続けたらいいのか、分からなくなってしまった。

思い出すことが幸せとは限らないのだと、理解してしまったから。**]

[ 今も千の部屋にあるだろう歴史の書物は

 村の出身者により書かれたものである。
 この国の歴史に加え、近隣の地域や村についても書かれている。 ]



[ ある年の大凶作から始まった過激な打毀も、
 喰われ続けた村が最初に捧げた生け贄のことも。

 非常に村にとって都合の悪い内容のそれは、
 幾つかの権力ある家を回り隠され、
 いつか移り住んできた豪商の家にやがて辿り着く。 ]

── 陰の歴史 ──


[ 始まりは、著しい天候不順による大凶作。
 そこに幾つかの災害が重なり、耕地へ莫大な被害を呼んだ。

 米価の高騰の抗議として、それは始まる。

 その打毀では従来のような統制は崩れ、
 暴力的な様相を呈した有様は既に略奪と呼ぶべきものとなり
 まるで小規模な戦火の如く広がっていく。

 そして、ある町で豪商の店が火に呑まれた。
 
 一人の手代が右半身に大火傷を負いながら生き延びるも
 奉公先を失った男は、町から消えることとなる。 ]



[ 元より身寄りのない男だった。
 主人はそんな男に随分と良くしてくれた、善良な人間だった。

 未だ少年であった頃、
 育ち故に他人に手酷く当たられた経験もある男に
 心は誰かを恨む為ではなく感謝し慈しむ為にあるのだと、
 優しく言い聞かせてくれた。

 凶行が幕府の耳に届き、厳しい弾圧が行われても
 それはもう、男にとってどうでもよかった。

 まるで無法者のような姿に成り果て、ある山で行き倒れるも
 その山にある寺の僧に助けられることとなる。 ]



[ 僧は哀れむでも蔑むでもなく
 ただただ善意のままに介抱し、その命を救う。

 何があったのか聞いた後、共に暮らすことを提案した。
 男にとっても余所者として差別されながら村で暮らすよりも、
 僧と静かに過ごすほうがずっと良かった。

 しかし約束など存在しない時代。
 そう時間は経たず、此処が鬼の山であることを男は知る。
 
 恩人に対して、山を下ることを当然に求めるが
 僧は首を横に振り、役目があると答える。
 哀れな者たちの為にここで経を唱えるのだと言う。

 それは獣の如く追い立てられ喰われた人間たちでもあり、
 異形になり果てる程怨嗟に塗れ死んだ鬼たちのことでもある。

 数多の鬼が山に棲まうのは、
 それ程業の深い村であるということであった。 ]

 

[ ならばこのような呪われた地そのものを捨てるべきだと食い下がり、
 そして、あなたはただ一人恐ろしい山の近くに置かれ
 その行いを助けもしない村人を恨んでないのかと、男は問い掛ける。

 結果として、男は説得に失敗した。

 恨みではなく慈しみを持ち真の祈りを捧げる者がいなければ、
 彼らは救われないのだと、僧は言ったからだ。 

 既に喪った者の面影が、そこにはあった。
 二人を覆わんとする不穏があろうと、男はもう頷くしかなかった。 ]



[ 此処は境を越えた隣。
 打毀を起こした要因はこの土地にも影響を及ぼしていた。

 土地が細れば実りが細る、実りが細れば獣が消える。
 ただでさえ食うにも困る状態で、
 村の外との行き来もままならず、喰われていく村人。

 困り果てた人間たちはやがて、
 年老いた僧と余所者の男を差し出してしまった。

 あの二人だけは喰らって構わないから、
 どうかこれ以上村人を喰らわないで下さい。

 存分に好きなだけ喰らっている鬼に対し、
 無意味に思えることに賭けるしかない程、村は逼迫していた。 ]

[ 村人には悪意の代わり、相応の事情があった。

 二人が憎かったのではなく、大切な者たちを皆選びたくなかっただけ。 

 だが、村人にとって男の過去など知らぬものなように、
 男にとっても彼らの想いなど関係なかった。 ]

[ 男が最後に見た光景は、恩人の死に顔であった。

 抵抗した際に左目を失い、
 半分の視界で尽き果てるまで見続けた残酷なもの。

 如何なる理由で差し出されようと、化生となるには充分であろう。 ]

   

[ 口惜しい、恨めしい。
 されど主人も恩人も、恨むなと男に言う。


 故に、────
 鬼は記憶を捨て去ることで、怨嗟を忘れ生まれたのだ。 ]

 




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