【人】 澤邑[ 最初は上機嫌で散歩に出かけたこゆきに後ろめたさを感じてしまう。箱に詰めようとしたところで流石に普段と違うと気づかれ、心の準備になるかなとこゆきに不意打ちよりマシだとか諦念の気持ちに。ぐにゃぐにゃと柔らかく肝心なとこでは突っ張って中に入ろうとしないから難儀したのは確か。 去り際にこゆきが一度高くないて>>31それが耳に残るのはこれから何をされるのか人間だけが知っているからだろう。動物が養われたまま子供を産んでは賄いきれず、だから増えないように生殖能力を奪う。今後のこゆきの身体を思ってのことであるが結局は人間の為でもある。回りくどい事を考えているが、必要なことと思っているから、ただの感傷だ。 大義とかなんかではなく、ただ腹に刃を入れるのが可哀想という方が大きい気もする。殆ど事故も起きない安全が確立されている処置とも聞くから心配もいらないはず。*] [ 翌日、雨の中迎えに行くと連絡をして、今日ですか?と困惑されたのは雨のせいだろう。それでもまだ外には人の通りもちらほらあったし、先延ばしてはこゆきが寂しがってしまうとは飼い主の欲目。 既に雨に当たってびしょ濡れの自分を厭わず看護師が迎えてくれ、中でこゆきを手渡してくれた。飼い主が現れて少しは喜んでくれるかと思いきや反応は鈍く起き上がろうともしないで尻尾を不機嫌そうに揺らしていた。*] (39) 2022/09/30(Fri) 15:46:03 |
【人】 澤邑─帰り道・美濃─ [ >>36猫を入れた箱を腹に抱え、前傾姿勢で雨の中を進んでいたところ、同じように雨の中に佇む姿を見つけ、それが面をつけていたから幻想的な思いがした。 和菓子屋の近くで見かけたから>>14あそこの娘さんもこの時期は面をしていたから、流行りものなのかもしれないと、実際は的外れかもしれない納得をする。] 酷い雨ですね。 猫を迎えに行ってきた帰りで 気をつけて [ この辺りの人間なら大体見知っているのだが、お面をつけているからそれもわからない。何となく腹に抱えている荷物を気にされるかなと、言い訳めいた事を添えてペコリと頭を下げる。*] (40) 2022/09/30(Fri) 15:47:54 |
【人】 澤邑辛かったね [ それから自宅に戻り、身繕いを済ませすっかり濡れたとこは無くなって、こゆきの箱を開ければ、嫌な匂いがする。箱の片隅に糞が落ちていて眉を顰めたのはこゆきを慮ってだ。 綺麗好きで体が汚れる事を極端に嫌う生き物が、こうして粗相しているというのは異常な事だ。すぐに抱えて箱から出し、体が汚れていないか検分して。移動中にしたものではないのか転がって彼女?を汚してはいなかった。着いてからしたのなら不機嫌の表明なんだろうか。 こゆきが綺麗だと確認したら部屋に放して箱を綺麗にした。当分はまた物置にしまっておくことになる。] ごめんねって [ その日はずっと機嫌が悪くて、おいでと招いても近づいてこないし、距離を置いて蹲っているし。寝付くまで不機嫌そうな声をあげていた。*] (41) 2022/09/30(Fri) 15:54:53 |
【人】 澤邑[ 翌日にはもう昨日のことを忘れたかのように元気に過ごしていてホッとした。腹の傷が破けたりはしないかと心配になるくらいに。 それも人間の過剰な心配な様で、猫は加減を知って遊んでいるんだろうか。おもちゃなど見せないようにしていたのに、孫たちがしまい忘れたのかネズミのおもちゃでいつのまにか遊んでいた。] お腹は無事なのか? [ つい心配でじたじたしている猫からおもちゃを取り上げると、興醒めという顔をする。そう見えているだけだが。] ほら、部屋においで [ それからしばらく姿を見ないと思い、読んでいた新聞から目を上げ自室を出る。そうするとこゆきが女中や家人の動きを見張っていた。 何をしたいのかはお見通しで、皆も気をつけながら扉を開け閉めしているのだが、その隙を付くのが猫だ。横から自分がこゆきを抱き抱えて自室へと回収するのは、猫が家に来てからの毎日のこととなった。 家人たちが少し残念そうなのもいつものこと。仕事の合間にかわいい生き物がうろうろするのは励みのようだ。とは1番の飼い主である自分の思い込みではないはず。*] (42) 2022/09/30(Fri) 15:56:18 |
【人】 澤邑明日ほんとに晴れたらお月見に行こう [ ひっくり返ったこゆきの腹を少し撫で、大抵嫌がって噛みついてくるし、今は余計に禿げまである。腹を舐めようとしていたから手で制して。 あんまり治らないなら病院に相談してカーラーをしないとだろうか?まあ数日経って順調に傷も綺麗なままだから大丈夫か?とか思いを巡らせる。] ゆきちゃんのおやつも持っていくから [ 家人にばれてないと思っているが一匹と一人のときはゆきちゃんと呼んでいる。孫たちがゆきちゃんと呼ぶのがうつった。皆がいるときはこゆきと呼び捨てにしている。 こゆきはこんな、飼い主のご機嫌取りの話し掛けもどこ吹く風で、遊ばないのなら用はなさそうだ。少しだけ紐を振ってやると前足で押さえようとしたりで遊んでいた。**] (43) 2022/09/30(Fri) 15:57:21 |
【人】 澤邑─雨の帰り道・美濃─ 大事な荷物がありましたからね [ >>46面の女性から返事があって足を止めた。彼女も雨に難儀している様だ。荷物の中身を明かすと、笑み混じりに猫様も大事にされてしあわせねと言葉が返る。不審がられやしないかと勝手に打ち明けたのだが、彼女の様子は優しげだった。] ……ふふ、お見せしたいんだけど この雨じゃ ええ、ありがとう 帰ったらあったかくしてください [ 飼い猫に優しいというので、それでちょっと気を許して喋りすぎた気もする、この天気で長話も迷惑となんとか自制した。] ああ、そうなんですね 是非、自分もお祭りに出かける予定だから 見かけたら立ち寄らせてもらいます [ 彼女が月見の話をした後、露店を出すということまで教えてくれた。それでああ!とわかった様な顔をしてしまったのだが、面と月見の話がしっくりきすぎたから。だけどやっぱり全然的外れの理由ということは気づかない>>44] 楽しみができたね [ と、彼女と別れた後に、腹に抱えた箱に向けて呟いたが、雨音で猫には届いてはいないかも。*] (49) 2022/09/30(Fri) 21:06:06 |
【人】 澤邑うーん、元気がない様に見える [ >>47連れ帰ったすぐはそんな事を言って、家人を呆れさせていた。そりゃ術後なんですからとか、人間だって病気だかなんだかでお腹を切ればそうなるでしょうとか。 その日すぐはこゆきはどこか人目のないところに隠れてしまった。きっと弱った猫が一人で傷を癒す時の様なものだろう。一番安心できる場所を選ぶそうで、自分の近くではないのは少し残念に思うが。まあ、人の出入りもそこそこあるのだし仕方がないとかで納得する。 夜寝る頃にようやく姿を見せてくれたのだが、前々日まではすぐそばで眠っていたのに寄ってこようとしない。猫なりに嫌なことがあったと訴えているようだ。何度目かのごめんねとの呟きも猫には通じないのだろうけどつい言ってしまう。 幸い翌日の朝にはすぐ近くにいたからホッとしたのは言うまでもない。*] (50) 2022/09/30(Fri) 21:40:43 |
【人】 澤邑怒りん坊 [ おもちゃをふいに取り上げると手を叩かれてしまった。腕に傷がつくとかもなかったので、まだ本気の怒りではない様だ。つい最近、内臓に届くような傷ができたというのに、抱き抱えればぐねぐねと猫らしく動くから本当に心配してしまうのだが、病院が退院を許すほどだから本当に無事なんだろう。 こゆきが自分に一番懐いているという自負は晩酌の時につきっきりでそばにいてくれることと、寝る時に一緒だからだ。妻もいるからもしかしたらそちらに慣れている可能性もある。まあ、晩酌時は肴目当てなのは知っているのだが。刺身など綺麗なうちに小さく切り分けて少しずつこゆきに与える。その時ばかりは甘ったるい声音で泣くから現金なものだ。だがそれが可愛いと思っているから手に負えない。 後の競争相手は孫たちだが、孫のことはこゆきが嫌っていて自分の圧勝だと思っていることも秘密だ。子供たちはこゆきを追い回していて、それを止めることしばしば。] ふふ、名歌だね [ ようやく明日は晴れ間が覗くという。長雨が続くことが榛名では珍しいから、今は非日常だ。縁側にこゆきを抱き抱えて外の様子を見ていると、雲の切間に月が見えた。虫の音も今はほとんど聞こえず静かで、秋雨で気候も良い。 少し外気に当たってみるかと、障子を開けたところで雨粒がこゆきの鼻先に当たりスンスンとして可愛らしい。猫を飼ったことのある人物の歌だと目を細めた。>>n1**] (51) 2022/09/30(Fri) 21:42:25 |
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