タマオは、無機質な両の瞳をロクに向けた。 (t5) 2021/07/01(Thu) 16:27:11 |
タマオは、クレイシはまだあの子を探しているのだろうかと考えた。 (t6) 2021/07/01(Thu) 22:25:43 |
タマオは、ひらめいた。 (t7) 2021/07/01(Thu) 22:27:18 |
タマオは、なんだか少し満足げだ。 (t8) 2021/07/02(Fri) 1:53:00 |
タマオは、工具箱をひとつ、元の場所へ片付けた。 (t9) 2021/07/02(Fri) 4:20:30 |
タマオは、存外お喋りだ。 (t10) 2021/07/02(Fri) 17:01:55 |
タマオは、クレイシを見かけた。見かけただけだ。 (t13) 2021/07/02(Fri) 18:30:31 |
タマオは、至極当然のことを呟いた。「行方が知れている人間は探されない」 (t14) 2021/07/03(Sat) 20:47:13 |
タマオは、考え事をしている。ひとつの答えを出した。 (t15) 2021/07/03(Sat) 20:49:04 |
【見】 流転 タマオ さて、考える事はまだあった。己はアユミサンは十中八九誰かに殺されたものと考えている。彼女はこの状況で自死を選ぶような者ではない。彼女は自身が子どもらを守れるように在ろうとするだろう。 「……もう数日経てば分からなかったが」 恐らく不意を打たれたのではなかろうか。“最初の犠牲者”は特に、身内を警戒する思考がない。食料の残量を把握しているだろう職員ら……クレイシは外すか。衝動的に殺害をしかねない様子ではあったが、己がこうして歩いていて痕跡を見ない程度に証拠を消せる状態と思えない。 となるとセナハラだろうか? 外の者も候補である。何にせよ、アユミサンを殺したのは大人だ。子どもらにはその発想が出る土台がない。戦前戦後の生まれの差は、大きな壁とも溝とも言える。 (@2) 2021/07/03(Sat) 20:52:13 |
タマオは、もうひとつ、考え事をしている。答えはすぐに出た。 (t16) 2021/07/03(Sat) 20:55:44 |
タマオは、以降、生者の視界に映ることはなくなった。 (t17) 2021/07/03(Sat) 22:52:22 |
タマオは、それでもここにいる。 (t18) 2021/07/03(Sat) 22:52:33 |
流転 タマオは、メモを貼った。 (t19) 2021/07/03(Sat) 22:53:11 |
タマオは、工具箱を片手に提げて歩いている。足音はしない。 (t20) 2021/07/04(Sun) 5:09:28 |
【見】 流転 タマオ「あ」 ぴちょん、と雫の落ちる先。そこは床だった。つまりこれは新しい雨漏りが発生したことを意味する。 タマオは地から足を離し、天井に可能な限り顔を近づける。修理には8くらいの技量が要りそうだ。 (@3) 2021/07/04(Sun) 5:10:17 |
タマオは、この程度ならお手の物のはずだ24。 (t21) 2021/07/04(Sun) 5:14:15 |
タマオは、ミロクに向けて明確に首を横に振り、それから点検作業に戻った。 (t23) 2021/07/04(Sun) 5:17:38 |
タマオは、屋上への扉の前に工具箱を置いた。 (t24) 2021/07/04(Sun) 15:19:17 |
タマオは、ひとり呟いた。「痛そうだな……」 (t25) 2021/07/04(Sun) 15:21:10 |
タマオは、雨に濡れていない。 (t26) 2021/07/04(Sun) 15:24:02 |
【見】 流転 タマオ「あ」 タマオは逃げるように去る背中を見送った。謝罪されるようなことなぞ何もないのに。締まりのない空気を纏ったまま、端に寄せられた布の塊を見やる。なかなか思い通りにいかないものだ。 (@7) 2021/07/04(Sun) 17:56:29 |
タマオは、タオルを拾った。 (t27) 2021/07/04(Sun) 17:56:42 |
タマオは、空を見上げるセナハラの背後を、音もなく通り過ぎた。 (t28) 2021/07/04(Sun) 20:35:46 |
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