79 【身内】初めてを溟渤の片隅に【R18】
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[ そこでふと、思う。
健全な音大生の部屋。
そういう類のホテルに当たり前に置いてある
ローションやらゴムなんて、あるわけもなく。
いや用意周到に準備するのもなんかこう……
居た堪れなくて。
どうしたもんか、と、知らずのうちに
目の前の彼と同じことを思っていた。
それこそ皮膚の保護につかう
ワセリンくらいならある、けど、と、
それでどうにかなるものなのか、
口に出してもいいものか、なんて。]
*
[ はぁ、とため息をつきたくなるほどに可愛い。
彼女は天然の煽りが出来る。
故に、彼はもう我慢の限界だったのに
ここまで落ち着いているように見せるのは
男が獣になる瞬間を彼女に見せたくないから。
初めてだから、優しく扱いたい。
そして、いい思い出だけを覚えて
ここから先も偶にしたいって言ってもらいたい。
全てが彼のエゴによるものなことを
彼女が知る日は訪れるだろうか。 ]
ほんまに、かわええなぁ……
俺のおひいさん、最高…
[ ゆっくりとした呼吸が聞こえて、
中が少しずつ余裕を取り戻し始めたが
彼女のキャパが越える瞬間、
その余裕はまた無くなっていった。
それは何度も繰り返されて
彼女の頭は真っ白になっていったのでは
ないかと、彼も見ていて思った。
もっと、育てていきたいとまで
思わせられる動きに、
彼はぐっと堪えてまだ中をほぐす。 ]
変になってく?ええよ、変になろ。
もっともっと、……
[ 彼女の中はうねりを覚え、
彼の指に絡みついていくことも覚えた。
そして、親指で秘芽を撫でつつ
3本の指で拡張を続けていると
彼女の一言が彼の理性を保つ
最後の一本を切ってしまった。
ゆっくりと指を抜き、
彼女の蜜に溶かされそうなそれを
1本ずつ舐め、どうしようかと考えて
下着から熱塊を剥き出した。 ]
2人で気持ちよくなるために
これ入れるさかい……
シーツとか枕とかちゃんと押さえや?
[ 指3本とは比べ物にならなかっただろうか。
彼女の手をそれに導いて、
最初だけ覚悟して、と伝える。
避妊具をつけていなかったので
急いで取りに行って、
つけてから彼女のもとへ戻れば
熱持っているそれを割れ目に
何度も擦り付けていく。 ]
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ローションかけて、ゆっくり挿れるさかい
[ そう言って、彼は先端をくにっと
彼女の小さな受け入れ口に忍び込ませ
ストロークを小刻みに続けながら
ローションを更に落としていく。
彼女が痛いと言っても、
そこだけはどうしようもない。
我慢してもらうしかない唯一のポイントだ。
彼は、何度も呼吸を整えながら
ゆっくり、ゆっくりと奥へ入り込んで
奥まで到達するまでに彼女は
どれだけの涙と苦痛の声を上げただろうか。 ]
ごめん、美鶴さん……
あとちょっとやから、許したって…
*
[ 潤さんは私と違って余裕そうにみえて
……私と違って大人なんだな、
きっと経験の差なんだろうなと思うと…
――――――。
今はまだ、気づかない。
彼の思いにも、自分の思いにも。 ]
[ 変になっていい、と言われても
何が起こったのかわかってない。
体を震わせて、中は彼の指を締め付けるせいで
彼の指をより感じることになってしまって
甲高く声をあげた。
特に敏感な場所を撫でられながら
中に3本も入っていると少し痛いはずなのに
気持ち良さもあって、混乱してしていく。 ]
2人で……?
…………はいる、かな……?
[ 明らかに指3本よりも質量があるそれに触れて
不安になってしまうけれど
でもそれで潤さんが気持ち良くなるのならと
わかった、と伝えた。
潤さんが戻ってきて
ぐずぐずに濡れている秘裂に
熱を擦りつけていくとどうしても緊張して
足に少し力が入って、
それが潤さんにも伝わったかも。 ]
いっ……いたっ……!
ぅあ、うぅ……
[ 滑りがいいとは言っても
今日まで誰も受け入れたことがなかった場所。
激痛…とまではいかなかったけれど鈍い痛みが走った。
耐えようと、シーツをつかもうとしたけど
でも上手くつかめなくて。ざり、と嫌な音がした。
涙は止められない。
でも、痛い、と言ったら潤さんに申し訳ない気がする。
せめて何も言うまい、と唇をかんで
ゆっくりと彼の熱を全部飲み込んでしまうまで
痛みを我慢した。ぎゅう、と彼の熱を締め付けて
中が蠢いているのを感じつつ。
全部受け入れることが出来たなら。
ゆっくりと潤さんのほうを見て。 ]
これ、で わたし……
じゅんさんのこと、しることができまし、た…?
[ もしそうなら、痛くたって幸せなことだなと思って
少し頬が緩んで、潤さんの顔を引き寄せることが
叶えば、その唇に触れるだけのキスを落として。 ]
すごくちかくて……
しあわせ
、ですね
[ 痛かったはずなのに、へにゃっと笑った。 ]*
[ 余裕なんてなくて。
初めての人を相手にするのは、
彼女が初めてだったから、
むしろ緊張の度合いの方が強い。
何事も第一印象が大切。
第一印象が悪ければその先は絶望。
だから、優しく手厚く、
彼女は割れ物であると認識して
今の今まで扱ってきた。 ]
ええ子やなぁ…もう少し、もう少し。
[ 声かけを忘れることなく、
彼は彼女の様子を確かめながら
奥の、彼女が反応する場所を触っていく。
中は締まるけれども、
最初よりもきつくはなくなってきた。
だから、過度の不安というものは
彼の中からなくなっていき
何度か唇を重ねることはできただろうか。 ]
せやなぁ、はいらんくても……
ちょっと無理やり入れてしまうかも。
[ そういいながら、準備を整えていると
彼女の脚に力が入ったような気がして
片膝を抱え、ぐっと奥を目指すことに。
彼女の表情は痛がっていたから、
焦らずに彼女の中が慣れるまで
少し時間を要したけれども
受け入れてもらうように呼吸を整えた。 ]
全部、はいってしもたわぁ…………
しあわせ……、好きやで。
[ 彼女と顔が近づけば、
唇が軽くだけ重なって口角の緩んだ表情が
視界の中に入ってきた。
涙が少し垂れていたので、親指で撫でて
中の蠢きが落ち着くのを待てば
彼女に動くよ、と呟いて
本当の意味での2人で気持ちよく、の時間。 ]
ほんまに、幸せ………
ずっとそばにいてくれる?
[ あまり早く動かすことはなかったけれど
途中で結合部を盗み見ると
赤い液体が絡みついていた。
痛い思いをさせてしまったかな、と
考えてしまったけれど、
まずは一回を終わらせることが
今日の最終目標と定めれば
彼女の深くを何度か突いていく。
折を見て、何度も大丈夫?と
彼女には問いかけて独りよがりに
なってしまわないように心がけたはず。 ]*
[もったいない、なんて言葉が聞こえたら
思わず目を丸くして、それから往なそうと
吐く息に乗せて]
っ…勿体無いって、どういう意味…っ?
[と口端を上げて問いかけた。
嗜虐心に似た欲がむくむくと浮かぶから、
どうにか抑え込んで彼の口を離させたのに
不服そうな表情に、また簡単にぞくぞくして
しまうのだからしょうがない。]
そんな顔しても、だめ
[宥めるように告げて微笑み、
ねだるような言葉を続けて、ゆるく扱く。
焦るように「待って」と言われる声に、
愉しくなる。]
…ざんねん、待たない。
[軽く弾んだ声で返事をすれば、
もう二、三度繰り返しながら、デニム越しに
それを成長させていく。たしかに熱を持ち、
時折別の生き物のようにびくびくと
痙攣する雄。彼の表情をじっと見つめながら
気持ちいい加減を探りつつ、先端をぐり、と
親指の腹で擦った。
彼の体に触れて、己の興奮を伝播させようと
耳に息を吹きかける。そのまま耳殻を軽く舐めれば
ちゅ、と音を立てて食むようにして離した。]
[それから聞いたのだ。
WこのあとWの行為のための準備を
進めてもいいか、と。
…すぐに許可がもらえるとは思っていない。
負担が大きいのは彼の方だし、
やはり怖いと言われたなら、止めるつもり。
初めての行為なのだ。
いい思い出にしたい。
痛かった、苦しいものではなく。
ぎこちなく、それでも抵抗はせずに
ゆっくりと背中を沈める己の手に導かれてくれる
彼の額にちゅ、と口づけを落として。
沈んで、から、気づいた。
なにも準備してない。
…これは、流石にまずいのでは…?]
…なあ、雨宮
[ひくく、少し濡れた声が響く。]
…ゴムとか、ローションとか、
あったり…する?
[問いかけは酷く間抜けだけれど。
ワセリンならあると言われれば、うなる。
ほぐすのはなんとかなるかもしれない。
ただ、───ゴムがないのは良くない。
セーフティセックスは、男女間でも、
男子間でも、どちらにせよ大切なことだ。
…彼とのこれからのことを考えても、
絶対に、傷つけたくはないから。]
…………───買いに行って、くる。
[沈黙の後、悩んだ末の結論。
ふぅ、と息を吐いて、彼の上から退く。]
あーーー…もう、
[くしゃくしゃと頭をかいて、
ちら、と彼の方を見て。]
…大事にしたいから!
っ…ちょっとだけ、お預けな!
[と眉尻を下げて笑う。
ここから一番近いドラッグストアまで
徒歩10分。爆速で行ってこよう、
善は急げ。
ベルトを締め直して、財布と携帯を手にとって、
早歩きで出て行こうと。]*
[ 出せばいーのに、って思っただけだよ、と、
口の端が上がった彼に悪戯っぽく、
あえて主語は言わないで。
だから途中で止められた己の気持ちは
察していただきたい。
じとり、と恨みがましい視線を投げたら
続行を許されるどころか今度はこっちが扱かれて。
まって、とわかりやすく狼狽えれば、
楽しそうな、弾む声。 ]
[ 余裕なく勃ち上がった部分に指が添えられて
育てられ、熱芯は意思と関係なくびくびくと痙攣する。
じっとこちらを見つめられるのがきつくて、
逸らすように目を閉じたら余計に感覚が鋭くなって、
強烈な快感に声が抑えられなくなって。]
……ッは、ァッ……ん、!……
[ 先端を指で刺激されて背が弓のように撓った。
息を整える間もなく、耳に息が吹き込まれる。
熱い息。
欲望が見える、熱い吐息。
全身の神経がざっと一気に粟立つ。]
[ 耳朶を唇で食まれれば水音が頭の中に反響して、
一層びくりと身体が跳ねた。]
……っん、耳、やめ、っ 、て、───
[ 直接触れられてもいないのに、やばかった。
うっかりすると達してしまいそうな快感を
懸命に耐えて抑えて、
大事なことを尋ねられたのは、そんな時。 ]
………………─── ごめ、ん、
段取り、悪い、
[ カァッと顔が染まる、別の意味で。
必要なものを用意しないで盛ったのは己で、
用意しとくに越したことはなかったのに、
なんかこう……申し訳なさがすごい。
首を竦めて腕で顔を覆って。
沈黙に耐えきれず、
無くても、いい、けど、と
蚊の鳴くような声で告げたけれど。]
[ あー!と髪を掻く彼の重みが、体の上から退く。
退いてしまう。
買いに行ってくる、と声が落ちる。
え、と声をかけようとしたら、
大事にしたいから、
なんて─── ]
……ッ、〜〜〜〜〜!
[ 右手を広げて完全に顔を覆う。
申し訳なさと、愛しさと、恥ずかしさと、
己は今いったいどんな顔をしているのだろう。]
[ さっき緩めたバックルの音が聞こえる。
ズボンはけんのかな、と下世話なことが
ちらり過ぎるから、
ばたばたと慌ただしく鳴る音に、もう一度だけ、
無くても、いい、とは、告げた。
それでも彼が、お預けだと笑って出て行くのなら、
枕を引っ張ってぼふ、と頭を埋めて、
体を丸くして居た堪れなさに耐えるだろう。
彼が行くであろう、少し離れた
ドラッグストアまでの距離。
推察される時間を、有意義に使うことは出来なさそう。]*
[ 潤さんの手つきはとても優しくて
緊張していたのを忘れるほど。
好きな人に触れられるのは
こんなにも気持ち良いなんて知らなくて。 ]
も、すこし……
っあ、きもちい……
[ 奥の気持ちいい場所を触られると
素直に気持ち良いのを声に出して
体からも力が抜けていくようで。
顔が近づけば目を閉じて
口づけを受けいれていった。 ]
わたしも、すき…
[ 中に入っていく彼の熱になれるのに
時間こそかかったけれど、
少し落ち着けば、入れられている最中より
痛みは引いている気がして。
潤さんも同じ気持ちならうれしいな
気持ち良くなってほしいな、と思って
呟きにはこくこくと頷いて見せた。 ]
ひぁっ……!そ、こはっ……!
[ 緩やかに深い場所まで突かれて、
指でも感じていた場所に当たると
声が漏れる。それは痛みからのものではなく
甘さを含んだもの。
痛みが完全に引いたわけではないけれど
でも確かに快楽が混ざっていたから、
潤さんに問いかけられて、大丈夫、
と答えるだけでは足りずに。 ]
きもちいい、です……じゅんさん、も……?
もっと、もっ と、ふたりでっ……
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