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【人】 DOM サクライ ー むかしむかしのおとぎ話 ー [俺の家には、金があって、コネがあっても 自由なんかひとつもなかった。 厳しい、束縛体質の父親に嫌気がさしたのか 物心ついた時には母親の姿はどこにもなかった。 二つ上の優秀な兄と、厳格な父親との暮らし。 父親の会社を継ぐことが決まっていた兄がいても 俺が完全に自由になることはなくて。 櫻井の家に相応しいように 小学校を出てまもなく、全寮制の学校へ行き それが終われば国立の大学へ、 その後は良き兄の補佐となるように みっちりと敷かれたレールの上にいた。 生まれてから、本当にずっと。] (262) 2021/03/17(Wed) 3:09:37 |
【人】 DOM サクライ[そんな人生を変えてくれたのは 無理やりに入れられた学校で たまたま同じ寮の部屋を宛てがわれた、 榛原、という男だった。] 「なんかさぁ、ずっと部屋帰ってきても ずっと勉強してね?えいちゃん」 [寮に帰っても机に向かっている俺に向かって ルームメイトはベッドの上でカメラを弄りながら 何気なく問い掛けてきた。] ……うるさいな、関係ないだろ。 [教科書から顔もあげずに突き放した俺に 榛原は「だよねぇ」と間延びした返事を返して ごろりと壁に顔を向けたまま屁をひった。 俺よりも一回り小柄な榛原は、 自由奔放な性格で、いつもカメラを首にぶら下げ 彼の何かの琴線に触れたものの一瞬を 一心に、一枚の写真に収めていたのだ。] (263) 2021/03/17(Wed) 3:10:18 |
【人】 DOM サクライ[ある時は勉強している俺の横顔に おもむろにシャッターを切ったり、 ある時は授業中にカメラを取りだし 外の鳥を撮影しては先生に絞られたり。 榛原は、本当に自由なやつだった。 人の迷惑も、傍からの視線も まるで何にもないみたいに。 くりくりと自由な方を向く髪を揺らして 気が付けばどこかへ駆けていってしまう。 そんな同室の男が、俺は疎ましくて けれど反面、どうしようもないくらい、羨ましかった。] (264) 2021/03/17(Wed) 3:10:48 |
【人】 DOM サクライ[ある日、学校から寮へ帰ってみたら 二人で使っている部屋が、 まるで誕生日パーティーみたいに 壁や天井から下がった写真でデコレートされていた。] 「あっ、えいちゃん。それ触んないで。 今発表会に向けて作品作り中」 [胡乱な目を向けた俺に対して 榛原はあっけらかんと言い放つ。 どうやら風景写真を使って 巨大なモビールを作るつもりらしい。 仕方無しに、俺はモビールを壊さないよう 吊られた写真を潜りながら 自分の机に向かおうとする。 そして、ふとそのモビールに使われた写真に 目をとめたのだった。] (265) 2021/03/17(Wed) 3:11:26 |
【人】 DOM サクライ[それは、本当に何気ない風景だった。 学校の昇降口を、内から撮ったもの。 仄暗いトーンの下駄箱の列を、 磨りガラスの向こうから差し込む光が 柔らかく照らし出している。 いつも何気なく見ている光景なのに ]何故かその写真に切り取られた風景は 神聖な宗教画のようにも見えて。 ……なあ。なんで、これを被写体にしたの。 [俺が尋ねると、榛原は一瞬手元から 栗色の瞳を上げて、ふにゃりと笑った。] (266) 2021/03/17(Wed) 3:12:15 |
【人】 DOM サクライ「俺が撮るのは、俺がキレーって 思ったものだけだよ」 [その瞬間、俺の中で、何かが変わった。 誰かが指図したものじゃなくて、 自分の感受性に従う世界。 窮屈でつまらない世界でも、 ファインダー越しに覗けば 知らない色が溢れるような…… そんな予感がして。] (267) 2021/03/17(Wed) 3:12:47 |
【人】 DOM サクライ[「俺も写真を撮ってみたい」と打ち明ければ 榛原は柔らかそうな頬に笑みを浮かべて こくりと頷いてくれた。 そして週末一緒に近くの撮影スポットに 行く約束までしてくれた。 榛原が俺の横顔を撮っていたことなんか その時は全然、思い出しもしなかった。 まだ俺にとっての榛原は、 不思議で、自由で、天パの、 同室の良い奴でしかなかった。 こいつが俺の大事な人になるなんて、露ほども。]* (268) 2021/03/17(Wed) 3:13:46 |
DOM サクライは、メモを貼った。 (a18) 2021/03/17(Wed) 3:17:05 |
【人】 DOM サクライ[喫煙所でたっぷりと紫煙を含んだ後 スマホで時間を確認して、俺は11階へ向かった。 相手の希望でとったと言われるスイートは 俺の給料では手の届かないような代物だった。 ホテルの最上階からは一面、 パノラマ夜景が楽しめたりなんかして それをシャンパン片手に眺めるんだ。 画像で見る限り、この部屋に相応しいのは 多分、きっと、そういう人間。 決して、にっこり笑ったスニーカーの男ではなく。] (290) 2021/03/17(Wed) 17:52:57 |
【人】 DOM サクライ[小さな音を立てながら、 緩やかにエレベーターは上昇し やがてチン、と立てて目的地に到着する。 ふかふかとした床を踏みしめながら 何となく、抜き足差し足忍び足。 指定された1101のドアの前で深く息をつくと そっとカードキーを通した。 いつもの見慣れたビジネスホテルの客室と違って 入って真正面、ホントのパノラマビューに ばん、と出迎えられて俺は言葉を飲む。 空気からしてラグジュアリーな感じ。 すう、と息を吸って、吐く。 よし、慣れた。] (291) 2021/03/17(Wed) 17:53:30 |
【人】 おおはしゃぎ サクライ な、なんじゃこりゃぁぁ!! うぉあスゲェあっはっは!声が反響しねえ!! [大きな声で叫んでも、反響が来ないことに また興奮して、俺は大股でずかずかと部屋に入った。 バク転出来そうなほど広い室内! ベッドと小さな机だけじゃなくて リビングやダイニングまで付いてる! 部屋を見渡しても女社長の顔が印刷された よく分からない小冊子は一冊もない!!] ……これが……上質な……暮らし……ッ! [思わず両手で口元を覆って、 よよと泣き崩れたいのを堪える。 この部屋を選んでくれた相手は さて、一体どんな相手なのだろう。 石油王か何かだろうか。 困ったな、石油王を満足させられるだろうか。 興奮で飛躍気味な妄想を頭の片隅に 俺は部屋の探検を開始する。] (292) 2021/03/17(Wed) 17:55:16 |
【人】 おおはしゃぎ サクライI'm free to be the greatest, I'm alive. I'm free to be the greatest here tonight. The greatest, greatest, greatest, alive…… [鼻唄レベルを通り越した熱唱をしながら 冷蔵庫を開けて、中のシャンパンに口笛を吹いたり 大理石のカウンターを指で撫でてみたり。 大興奮で今年一番のご機嫌の俺は ひょいとカウンターから顔を上げて…… そこで漸く、この部屋にいる先客の存在に>>283 目をとめたのだった。] (293) 2021/03/17(Wed) 17:57:05 |
【人】 穴があったら入りたい サクライ……アッ?あっ、えっ、……お? [部屋を間違えた?いや、カードキーは合ってた。 あれ、さっきの人?榊さん?いや、そんなまさか。 一瞬の後、いろんな考えが頭を巡って 思考回路がショート寸前。] あっス、どもっす…… [心臓が、バクバクうるさい。 どうにか絞り出した挨拶は、どう考えても場違いで ライダースの中を、冷たい汗が、 つう、と背中を湿していく。 さっき以上に、榊さんの目が見れなくて 俺はカウンターの下に隠れるように するするとしゃがみこんだ。] (294) 2021/03/17(Wed) 18:01:24 |
【人】 穴があったら入りたい サクライ ちょっと待って…… 俺ちょっと、やり直したい…… [カウンターの下からもにょもにょと願う。 タイムワープ出来るなら、5分前の俺を殴り殺したい。 羞恥を飲み込み、立ち上がれても 多分耳の端は真っ赤なまま。 語るべき言葉を探している。]* (295) 2021/03/17(Wed) 18:09:13 |
【人】 Dom サクライ[もしも、俺のホテルの滞在中、 部屋に闖入者がやってきて ボリューム調整や音程に問題ある歌を歌い 散々好き勝手した後、俺の存在に気付く……なんて 間抜けなザマをさらしていたら、 指差してあらん限りの大声で笑ってやる。絶対。 榊さんは紳士らしく、懸命に抑えた口元から 変な空気を漏らすに止めてくれた>>308] ……もう、いっそ笑ってくださいよ…… [カウンターの下で蹲る俺の傍に やっぱり綺麗な靴が近寄ってきて、 俺は朱に染まった目元を上げる>>305] 俺も、すっごいびっくりしました。 だって、部屋すっげえ広くていいところだし、 まさか、相手が───── [そこまで言おうとして、改めて この榊さんこそが、俺の相手なんだってことに 何だか胸の奥が、ぎゅ、と締め付けられた。] (329) 2021/03/17(Wed) 22:03:11 |
【人】 Dom サクライ[カウンターで立ち話もあれだから、と 場所をソファーに移さないか?と促そう。 さすがスイート、シャンパンだけじゃなく ミネラルウォーターにコーヒーマシン、 なんでもござれと来ているから 俺は自分の分のミネラルウォーターを手に取った。] 改めて、サクライです。よろしく。 それで、いいお部屋をありがとうございます。 ……なんか、変なところ見せちゃいましたけど 俺なんかが相手で、大丈夫ですか? [ソファーに腰を下ろして、キャップを捻ると ボトルから小さく泡が立つ。 泡から榊さんへと視線を移し、 全身に這うような目を走らせた。 この、好青年が自分の支配下にある。 苦痛や恥辱を乗り越えて、 共に一夜を過ごしてくれる。 そう考えただけで、じわ、と唾液が滲み出た。] (331) 2021/03/17(Wed) 22:04:48 |
【人】 Dom サクライ[もう一口、今度はグラスに注いだ水を飲みながらも 史郎さんが何度も「サクライさんでよかった」と 繰り返すものだから 俺は何だかくすぐったくなって グラスの中でくすくすと息を漏らした。 言葉にしなくても、史郎さんの目には 次第に情欲の色が宿り出している>>353 その瞳が此方の一挙一動を ねっとりと追い掛けて、離してくれない。 そのくせ、言葉だけはお上品を保ったまま。] ふぅん、使い切りたい金って その手切れ金、って訳ですか。 [テーブルにグラスを預け、俺はふむ、と鼻を鳴らす。 なるほど、それならこの部屋を取った本人が 俺みたいに部屋に驚いた理由にもなるか>>349 此方に踏み込んでくる史郎さんを>>353 ちらりと流し見て───── 俺は史郎さんの手からグラスを奪うと そっとテーブルの上へと避難させた。] (366) 2021/03/18(Thu) 2:39:23 |
【人】 Dom サクライやだな、マッチングしたんだから 俺の願望なんて、分かってるでしょう? [羞恥プレイはさっきので充分。 三日月の弧を描く唇のまま 俺は隣に腰掛けた史郎さんの方へ ぐっと身を乗り出そう。 丁度、ソファーの上に押し倒したような姿勢。 つい、と史郎さんの片脚を持ち上げ 俺の肩へ預けてしまえば 服を着ているのに、まるでセックスのワンシーン。] (367) 2021/03/18(Thu) 2:40:15 |
【人】 Dom サクライ何処までも俺に忠実で従順なネコが 本当に何処まで着いてくるのか、知りたい、って。 そう、書いた。 そしたら、貴方が来た。 [宙で呼吸が絡まり合うほどの距離。 相手の反応を観察しながら 俺はスーツに包まれた脚を開かせ ゆすゆすと腰を揺すってみせた。 ジーンズとスラックスとで隔てられた 互いの雄が甘く擦れる。 でも、そんなのじゃ、全然足りない。 今すぐこの高そうなスーツを脱がして 前戯も早々に突っ込んでも、きっとそれでも。 もっとアブノーマルが故に ここに来るまで飢えていたのだ、と。 ここで出会った以上は、 彼もまた同じなのだろう。] (368) 2021/03/18(Thu) 2:40:51 |
【人】 Dom サクライ[そう思ったら、ぞくり、と背が粟立った。 唇の端が持ち上がっていくのが止められない。] 俺に支配、されたいって思っちゃったんだ? 会ったばっかの、俺に。 [ゆっくりとピストン運動をなぞりながら 俺は史郎の耳元で囁いた。]* (369) 2021/03/18(Thu) 2:45:20 |
【人】 Dom サクライ[まだ服どころか、靴すら脱いでないのに 史郎は身を捩って、唇から淡い息を漏らす。 俺は口元を覆う手の甲にキスを落として 懸命に声を殺そうとするのをやんわりと止めた。 代わりに、片手を彼の胸骨から臍の辺りまで ゆっくりと滑らせていこうか。] 準備、ね。 [俺は緩く微笑んだまま、ゆっくりと 史郎の腹を撫でた。 掌を宛がった腹の下には 史郎の内臓が詰まっている。 本来、消化と排泄をするための器官が。] もう、こっちだけじゃ満足出来ないんだ? [ずん、と一際大きく腰を突き上げながら 俺はスラックスの中で固く兆す性器へ やわやわとした刺激を送る。] (379) 2021/03/18(Thu) 16:22:42 |
【人】 Dom サクライ[でも、これだけじゃ満足出来ないのは 正直、俺も同じ。 捩じ込んでくれ、と懇願されたら 望み通りに今すぐ狭隘な排泄器官に 無理矢理差し込んだっていい。 だけど、俺の望みはそうじゃない。 腰の動きを止めて、史郎の額にキスを落とすと そっと重めの前髪を撫で付けた。] そしたら、思い切り気持ちよくなるための 「準備」、しておいで。 [緩みかけのネクタイを敢えて無視して 俺は最初の命令を下した。 先走ってがっついちゃうのも、また可愛い、 腰は止まっていても、史郎の腹に置いたままの手は 引き締まった腹の上を するすると這い続けている。 誰かの書き込みが残った身体の上を。 妻子ある男が、彼を棄てるまでに書き込んだ 何かしらを、上書きするように。] (380) 2021/03/18(Thu) 16:27:24 |
【人】 Dom サクライだけど、一人で抜いたりしたら…… [分かってるね?と唇に耳元に寄せたら そっと彼の上から退いてあげよう。 準備が必要なのは、きっと俺もだし。]* (381) 2021/03/18(Thu) 16:32:41 |
【人】 Dom サクライ[シャワー室へ向かう背中を見送った後 俺は手持ちのトートバッグを開いて 中に入っているものを、ひとつひとつ取り出していく。 主催に言って用意してもらってもいいのだけれど 結局信用出来るのは己の目。 壊れたり、相手を傷付けたりするのは 本意ではないのだから、 細心の注意を払わねばならない。 可愛らしい桃色をしたシルクのリボンから ステンレス製の膣鏡や大小形も様々なプジー、 男性器を象ったハリボテやブルーシートまで あらゆる道具を取り出しては オペに使う道具のように サイドテーブルの上へ並べていく。 別に、全部使うわけじゃない。 必要な時に、必要なものを取りたいだけ。 端にある、腕ほどもあるディルドなんかは 完全に見せつけるだけのものだし。 欲しい時に足りないよりは、余程マシ。] (408) 2021/03/18(Thu) 21:38:43 |
【人】 Dom サクライ[腕の中に来てくれたなら そっとベッドの上に横たえて 煌々と輝る照明の下で、 彫刻みたいに美しい肉体を鑑賞しようか。 黒い肌着に包まれた胸元の隆起を 宛がった掌で感じながら 俺はボクサーに包まれたままの茎に目を落とす。] さて、良い子の史郎は ホントに自分で弄ってないね? [ちらり、と横目で史郎の表情を盗み見ながら 優しい声音で問いかける。 その言葉を信じたなら、おもむろに ぱくり、と下着の上から膨らみを口に含み その硬さを確かめようか。]* (411) 2021/03/18(Thu) 21:52:30 |
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