【人】 卯月 侑紗……うう、ん。 [「出来たて!さつま揚げ」の旗上りにつられて ついつい食べ過ぎてしまいました。 食べ歩きの旅もそろそろ潮時でしょうか。 私はバックパックを背負い直すと 山奥にある宿の方へと歩き出すのです。 誰か同行者がいる訳では無いので 私の表情を窺い知る者はおりませんでしょう。 消して晴れやかな気持ちでも もし、誰かと同意の上で、 閨を共にすることになるのなら、と 夜を夢想して唇を歪めるのでもなく。] (57) 2020/08/08(Sat) 21:47:00 |
【人】 卯月 侑紗『処女はさぁ……なんて言うか、 「重い」じゃん、ねえ。』 [佐々木先輩は私のバイト先で働く、3つ上の院生。 中高一貫の女子校から出て、 女子大へと進学した私は 殆ど父以外の男性と接する機会がありませんでした。 ファミレスのバイトで出会って 気さくに接してくださる彼のことが好きになって でも、いきなり好意を伝える勇気もなくって。 だけど、ある日休憩中に聞いてしまったのです。 「処女は重くて嫌だ」って。 好きな人に合わせて髪を伸ばすとか メイクを変えるのとは訳が違う。 だって、本当は、心を許した方に 身体を預けるものだと思ってましたし。] (58) 2020/08/08(Sat) 21:47:40 |
【人】 卯月 侑紗[でも、可能性があるなら、 賭けたいじゃないですか。 何もしないで、ただ嫌われて 何も進まないまま終わるなんて、嫌。 そうして、大学で聞いた噂話に あの宿の話を聞いて…… いても立ってもいられず 私は一人、宿に向かうのです。] (59) 2020/08/08(Sat) 21:48:08 |
【人】 卯月 侑紗[途中、着物を着た女の人が>>41 うさぎの温泉まんじゅうを買っている 後ろ姿を見かけましたか。 温泉街に、お着物でしょうか? いいですね、情緒です、情緒! ついでにその温泉まんじゅう、可愛いですよね。 ちんまり、手のひらサイズの可愛いうさぎさんが お行儀よく並んだご当地おやつは 帰りに友達に買って帰ろうと思ってました。 こういうのって 「食べちゃヤダよぅ」 って声が聞こえそうで 食べるの、躊躇っちゃったりしませんか? ……まあ、私さっき丸ごと口の中に 放り込みましたけどね! なんて、心の中でお姉さんにサムズアップ。 勝手に分かりみしてみたりして。] (60) 2020/08/08(Sat) 21:50:07 |
【人】 卯月 侑紗[そんなこんな、大学生の身分で タクシーを捕まえる財力もなく バスを乗り継ぎ、歩いて やっとのこと、お宿へ辿り着いたのです。] すみませーん! 向日葵の部屋予約しました、卯月です! [なんて、女将さんに声を掛けた頃には 多少顔に疲労も滲んでいたでしょうか。 いや、今日だけで多分二万歩は 歩いた気がしますので。 とりあえず部屋に荷物を置いて ひと風呂軽くシャワーを浴びたら…… 館内をちょっと探検してみましょうか。 旅行なんて、高校の修学旅行ぶりですし。]* (62) 2020/08/08(Sat) 21:54:27 |
【人】 卯月 侑紗[さてさて、荷物を部屋に置いたはいいけど 部屋のシャワーで済ませるか、 はたまた、大浴場の温泉で のんびり足を伸ばすのか……。 はい、愚問ですね。] ろってん〜ろってん〜ろってんっぶろ〜 [鼻歌など歌いながらそちらへ向かうでしょう。 いいじゃないですか、少し浮かれていたって。 脱衣場に他の方のお洋服がありましたので 中には他の方もいらっしゃるのでしょう。 からりと引き戸に手をかければ ねっとりと湿り気を帯びた湯煙が どっと脱衣場まで流れ込んで来るのです。] (84) 2020/08/09(Sun) 12:15:35 |
【人】 卯月 侑紗[内湯で身体を洗い流したら 先客の女性に会釈をひとつ 爪先からゆっくりと、疲れた体を 湯の中へと潜らせましょう。] っくぁぁ……ッ!! [うっかり声が漏れました。 恥ずかしい。 でも温泉って、そういうものでしょう? 家のお風呂の熱いお湯とはまた違う、 少しとろみを帯びたお湯を 掬っては肌へとかけて…… 私はうっとり目を細めるのです。 そうして一頻りお湯を楽しんだ後、 ちら、と先客さんへ目を向けて>>73] お姉さんも、おひとりなんですか? [湯のせいで赤みを帯びた頬に にっこり、屈託ない笑みを浮かべて。 だって、ほら、噂のこともありますし。 まあ噂だったらだったで、 私はこの旅を満喫するつもりではありますが。]* (85) 2020/08/09(Sun) 12:16:15 |
【人】 卯月 侑紗イントウ。 [聞き慣れない単語に、小首を傾げる。 ここは熱海で、伊東でもインドでもありません。 実はこのお姉さん、温泉を引き当てる名人なら 引湯の旅、なのかもしれませんが。 ……まあ冗談はこれくらいにして、 ともかくおひとりであることは間違いないようです。] そうなんですね! 私は、食べ歩いてました! [的外れな答えだったかもしれませんが とりあえず、聞いてしまった手前 そう答える他ないのです。] (87) 2020/08/09(Sun) 12:59:12 |
【人】 卯月 侑紗[しかし、続く言葉に>>86私はようやく お姉さんがこの宿の目的を知って 一人で来ていることを知りました。 何となく、恥ずかしくて、 頭に巻いていたフェイスタオルを解いて 噛み締めた唇をそっと覆い隠すのです。] ……は、い。知ってて、来ました。 あの、相手の同意さえあれば、 ……ってやつですよね?はい。 [これ、お姉さんが本当に引湯の方の目的で いらしてたら、本当に、恥ずかしいですが。] 好きな人に、少しでも 近付いてみようと思って。 ……でも、少しは、まあ不安はあります。 こういうこと、初めてですし。 [こういうこと、というのをお姉さんが 「宿に来ること」と取っても 或いは「性的な経験」と取っても どちらでも構いません。違いませんし。] (88) 2020/08/09(Sun) 12:59:41 |
【人】 卯月 侑紗何回かいらした事があるんです? あの、そしたら、 [「ヨかった、ですか?」とか 「望みは叶ったのですか?」とか 下世話なことを続けそうになって、私は そっと口を噤むのです。 こんなこと、聞こうとする方が恥ずかしい。] (89) 2020/08/09(Sun) 13:03:10 |
【人】 卯月 侑紗[お姉さんの答えがどうあれ 恥ずかしさやら気まずさやら 色んな感情に苛まれた私は やがてそそくさと大浴場を後にするでしょう。 火照った頬を温泉のせいにして ラウンジの柔らかなソファに くったりと身を預けて。 頭をよぎるのは、優しく話しかけてくださる 先輩の顔とか、声とか。 どうしても頭から切り離せない、 大事な大事な人のこと。]* (90) 2020/08/09(Sun) 13:06:55 |
【人】 卯月 侑紗友達にも、言われました。 「もっと違う人探しなよ」とか。 でも、それでも諦められなくて、来ました。 [そりゃあ後悔したりする人もいるでしょう。 こんな素敵な旅館に来たのが恋人とのデートで、 食べ歩きもひとりじゃなくて 二人で手なんか繋いで、歩いちゃったりして。 そうして楽しいひと時を過ごせていたなら どんなに良かったことでしょう。 でも、気持ちは振り切れなかった。 「じゃあ、先輩のこと好きになるの辞めます」 って、きっぱり切り捨てられなかった。 少しでも、可能性のある方に、足を進めた。] (110) 2020/08/09(Sun) 14:55:33 |
【人】 卯月 侑紗なんていうか……そう重い話じゃないと思って。 好きな人がショートヘアが好きっていうから 美容院行く、みたいな。 [実際、美容院に行くのとは比べ物にならないくらい 不安で仕方ないのは、 このお姉さんの言うことが 正論だからに違いないのです。 それでも、私は。] はあ、私もお姉さんみたいに 良い思い出作れるといいんですけど。 [そう、ちょっと眉を下げて笑って。 私は湯から出るでしょう。 背中に投げ掛けられたお姉さんの言葉は 優しくて、きっと心配して くださってるのでしょうね。 モテるんじゃないのかなぁ、こういう ツンデレ、っぽい感じの方って。 そこにお姉さんとの経験の差を感じて 私は一層恥ずかしくなるのです。] (111) 2020/08/09(Sun) 14:57:32 |
【人】 卯月 侑紗もし、なんか辛いことあったら お姉さんのお膝借りて泣いちゃいますね。 [私はそう返すと、少し空気の冷えた 脱衣場へと足を運ぶのです。]* (112) 2020/08/09(Sun) 14:58:45 |
【人】 卯月 侑紗[そんなに長く浸かっていた訳でもないのに なんだか、思考がまとまらなくて。 ふわふわなソファに身を沈ませて 暫く睫毛を伏せておりましたが…… すぐ傍からお声がかかったなら>>115 流石に目を開けましょう。] ……ほ、わ! あっ!だ、いじょぶ です! 少し、のぼせたみたいで。 [慌てて浴衣の前と裾を直して 私はその男性を見上げました。 父より背の高いその人と 目を合わせるのも、照れ臭くって 私は膝に置かれた自分の手の甲へと 視線を移すのでした。] お見苦しいところをお見せして、 申し訳ありません。 [そう、視線をさ迷わせて、 何となく彼の手に目を止めて] (117) 2020/08/09(Sun) 15:29:24 |
【人】 卯月 侑紗おひとり、で、いらしたんですか? [そう、尋ねてみるのだ。 指輪の跡があったかどうか分かりませんし もしかしたら、まだ嵌めたままだった かもしれません。 ともかく私は、この人もまたそうなのかな、と ちょっと詮索してみてしまったのです。 さっきのお風呂場にいたお姉さんも、 この方も、優しそうに見えてしまって 私の中のイメージの『淫蕩』とは 全く違うふうにみえたのですから。 まあ、学生の浅慮ですので 当たらなくとも当然かもしれませんが。]* (118) 2020/08/09(Sun) 15:35:45 |
【人】 卯月 侑紗[斜め前のソファにおかけになった男性に誘われ 何を頼むか、ちょっと考えて] じゃあ、茉莉花茶。冷たいので。 [そうして運ばれてきた冷たいお茶で 乾杯したなら、すぐに喉を湿しましょう。 不躾な詮索の視線にも男性は嫌な顔もなさらないで ほんの少し、苦笑するだけで>>121] ……ごめんなさい、 余計なことを聞いてしまって。 私も、初めてここに来ました。 同意さえあれば、って話、聞いて。 [視線をグラスに落としたまま 私はまた唇を噛んでしまう。 私はこの場に相応しくないのかもしれません。 純粋にセックスを楽しみたい人と 多分、私は違うのかもしれない、と。] (126) 2020/08/09(Sun) 16:58:04 |
【人】 卯月 侑紗[でも、やがて私は視線を彼の指輪の跡から 彼の目へと視線を移すでしょう。] 心配してくださっているのなら、 ありがとうございます。 私、自分の足で、意思で、 ここまで来ました。 正直、もっと、こう…… 下品な方々ばっかりだったら どうしようって思ってたので。 ちょっと、安心しました。 [女子大に通っていれば、まあ多少は 下卑た視線を浴びることもありましたので。 そんな予想を裏切って 紳士的な態度の男性に、 小さく微笑んでみせましょう。] (127) 2020/08/09(Sun) 16:58:32 |
【人】 卯月 侑紗[正直、今出会ったばかりの方に 私がここにいる理由を語るのは ちょっとばかり、照れくさいというか。 もし、御相手いただけるならともかく。] あなたも、ええと……あっ、私、 侑紗って言います! あなたも噂を聞いて、ここに? [そんなふうに尋ねてみましょう。 彼の人となりが分かれば 私の緊張した態度もいつしか解れて いつもみたいに振る舞えるでしょうし。]* (128) 2020/08/09(Sun) 17:06:56 |
【人】 卯月 侑紗[……とは言いつつ、わりとこれが限界でして。 ふふっ、なんて照れ笑いで誤魔化しながら 敦久さんの手を肩とほっぺたの間から 解放して差しあげたでしょう。] 素敵な夜になるといいですね。 [言ってて恥ずかしくなったのを また冷たいお茶に濁して、笑う。 ……ほんのちょっと目が泳いでても、 それは、まあ……許して貰えませんでしょうか。]* (145) 2020/08/09(Sun) 18:56:57 |
【人】 卯月 侑紗[けれど引き返すつもりも毛ほどもなく 頑固な私は、この羞恥心に打ち勝つ 心強い仲間を呼ぶことにしたのです。] とりあえず、グラスワイン。 白。ひとつ。お願いします。 [従業員の方を呼んで、注文しましょう。 酒精がこの気持ちを洗い流してくれると 私、固く信じておりますので。]* (158) 2020/08/09(Sun) 20:51:22 |
卯月 侑紗は、メモを貼った。 (a33) 2020/08/09(Sun) 20:52:41 |
(a34) 2020/08/09(Sun) 20:52:54 |
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