159 【身内RP】旧三途国民学校の怪【R18G】
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| >>28 クリス 面白がられても、笑われても。 悲しきかな、何も言えないのだ。 「………はあ」 なんて語らいながら、歩く。歩く。 すっかり W当初の目的Wからはかけ離れてしまった。 ───かぶりを振る。 一歩、古びた床を踏み締めて。 一段、ぎし、と音を立てながら上へ上へと向かう。 「そーですね。 学生による、学生の為の、娯楽話。 未練があるってんなら、今まさに僕たちに 襲い掛かって来てもおかしくない。」 非日常を想像すれば、 次第に口元に笑みを携えて。 「……オッケ、音楽室からね。 えー、こっち……じゃない?」 ▽ (32) 2022/07/03(Sun) 0:02:26 |
| ライカは、 理科室のドアを開けた。ガラガラガラーッ! (a17) 2022/07/03(Sun) 0:03:02 |
| >>28 クリス 薬品の匂いが、鼻腔をつんと駆け巡る。 ──音を吸収しなさそうな壁。 ──楽器がひとつもない室内。 「肖像画ないや。 かわりに骨格標本でも良いですかあ?」 よくはない。 が、向かう順番が入れ替わった程度だ。 カメラを持ち上げ、適当な方向にシャッターを切ってみた。 ……画面を確認したところで、どうせ何もない。手を下ろす。 「雰囲気は良いけど、 そんぐらいかな? センパイはどー思います?」 (33) 2022/07/03(Sun) 0:07:51 |
「そうだね」
教室の戸を後ろ手に閉めて、
まるで幼子にでもするような、青年への仕草をぼうっと見ている。
友人の身に何かが起きている事は明白だというのに、
それについて問い質そうとする気なんてさらさら無いようだった。
「俺がこうなったのも最近の事みたい。
牧夫兄が連れて行きやすそうなのもそう 警戒心無いもんね」
警戒心が無い、というのはまあ主観的な評価でしかないのだけど。
平然と、いくつかこたえを返してから、少し考える。
「在校生。じゃあ、俺達よりずっと上なんだ。
……俺からもひとつ聞いていい?梢ちゃんはさ、」
「皆を連れて行って、どうするの」
「心配しなくても、酷いことするつもりなんて無いよ」
まるでこの行いが酷いこと≠ナは無い風に告げて微笑んだ。
「……私ね、先生になりたかったんだ」
目を伏せた少女は語る。
「
でも生徒がいなくちゃ、先生はできないだろう?
」
だから攫った。只其れだけ。
その精神性は、当時のまま育っていない。
| >>36 【理科室】クリス 「音楽室って言ったら音楽室に連れてって貰えるなんて いつから勘違いしてたんですか〜?」 恐らく大体の人は、そう。 助手もどきは言うことを聞かない! 「うるさいな!!!!! 僕だって場所詳しくないんだよ! このクソ探偵!!!!!!!!!」 ▽ (44) 2022/07/03(Sun) 1:09:34 |
| >>36【理科室】クリス 「さて………、」 仕切り直し。 こほん、とひとつ咳払い。 「肩透かし喰らって終わりそーですけど、 一応色々撮ってみる?」 朽ちかけた棚をがたがた開けば、 片付け損ねたか放置されたか──アルコールランプ、何かの薬品瓶を少々──が顔を見せる。 眉をひそめれば、そちらもレンズ越しの画面に収めてみた。 ──動く人体模型。 ──薬品の誤用。 「理科室って言えばそんくらいですよね? センパイ、ちょっとそれと並んでみてよ。 ツーショット撮ってあげまーす。」 ほらほら、と人の形をしたそれへレンズを構えて 枠へと収まるように、詰めろとハンドサイン。 君がそれに従うのならば ライカは無理やり君WたちWを被写体としてシャッターを切るだろう。悪ふざけだ。 (45) 2022/07/03(Sun) 1:10:47 |
「ああ、うん。大丈夫。
何か悪い事するんじゃないかって心配してるわけじゃなくて。
俺から皆を取るんじゃなければ、何だっていいよ」
あなたが何か"酷いこと"をするような人ではないという事は
青年に対する所作を見ればわかると言わんばかり。
事実それは"酷いこと"ではないのだ。両者の間に限っては。
「俺は寂しいのは嫌。誰もこっちを見てくれないのが嫌。
だから梢ちゃんの──先生の学校から、除け者にされないなら」
「これからも皆で一緒に居られるなら。
俺は君が先生になる手伝いをしたっていいくらい。
だってそれは俺にとって、歓迎するべき素晴らしい事なんだ」
子どもじみた我儘で、子どもじみた願望を抱いている。
これは大人になる前に終わってしまったものだから、
大人になれずに居る少女の夢を否定するはずもない。
「……ふふ。
こんな良い子を除け者になんて、する筈無いじゃないか」
さみしがりの貴方に近付いて。
自分よりも低い位置にある頭へ手を伸ばす。
「ああ、これからも皆で一緒にいよう。
先生のこと──手伝ってくれるかい?深雪。」
これまでにもこの校舎を訪れた者はいた。
しかし殆ど大学生の年頃であったりして、白間にとって彼らは生徒というより『大人』だった。
自らも少女と呼べる年齢であるが、長い月日をこの校舎で過ごした故に。
自身を『大人』と考えている。
彼女の刻は、あの夏で止まっているというのに。
「うん」
頭に触れる手を受け入れて、うっそりと笑う。
あなたはきっと、良い先生になれる。
いいや、なるんだ。
皆が
離れ離れにならないよう繋ぎ留めて、
きっといつまでもそのままで居られるようにしてくれる。
そんな先生で居てくれるのだと、無責任な期待を掛けている。
何もかもつまらなくなってしまった毎日を、あの日死んだ夢を、
再び何よりも楽しくて、大好きな日々に戻してくれるなら。
それを拒む理由は、何処にも無い。
「手伝うよ、何だって。
頑張るのは苦手だけど、皆で一緒に居たいから。
先生のこと、俺に手伝わせて。」
だからあなたは『大人』の『先生』で、
自分達はあなたの庇護下にある『子供』の『生徒』。
およそままごと遊びのようなあなたの夢を、『学校』を
否定する言葉の一つも無く、望み好んでその配役は享受される。
柔らかい髪をするりと撫でる。
「ありがとう、助かるよ。
生徒集めが一番大変だからね」
この学校だって、生徒がいれば。
名前を変えて、校舎を建て替えて、今日まで続いている筈だった。
誰だって独りは寂しい。
この校舎で何十年もの時を過ごし、少女の欲は膨れ上がっていた。
「皆一緒の方が良いに決まってる。
歳も関係なくさ、同じ教室で過ごせたら良いなあって。
新学制って長くても六年しか同じ学校に通えないだろう?」
もしも生きていたのなら。
それは、承認欲求と呼ばれる代物だ。
「ああ、そうそう。ひとつ確認しておかなきゃ」
話を戻すように、少女は軽く手を叩く。
▽
「皆≠チて言ってたけど──……
それは、
今日ここに来た全員のことかな?
」
「それとも、
君と特に仲の良い友達だけ?
」
私はどちらでも良いよ、と付け加えて少女は返答を待った。
生徒が一人でもいれば『先生』役は務まるのだから。
独りは寂しい。
になりたい。
に居てほしい。
誰かに自分の事を見てほしい。
ともすれば。
そんなあなたの想いに引き寄せられて──同調して、此処に来た。
これはそういうものだったのかもしれない。
「友達皆で、ずっと同じ場所で過ごせたら。何より幸せだろうな。
周りの目とか、家の事情とか、将来の事とか。
何のしがらみも無ければもっといい。」
「…皆が俺の事を好きかはわからないけど。
俺は……皆の事が好き、だから」
曖昧な色の髪が揺れる。
本当は。自分が皆の事を好きなのか、自分でもわからない。
けれど今この場ではそういう事にして。
自分と鳥飼、それから白間を除いて、7人。
夜が明けて、幽かな者達の時間が終わってしまうまでに。
連れて行く事ができるのは、現実的に考えれば──
何人か、なんて。そんな事はどうでもいいんだ。
「全員がいいよ。」
「仲間外れは、かわいそうでしょ。
離れ離れになるのはかわいそう。
それに俺は、ここに来た皆の事が好きで、友達だと思ってる」
夢川深雪にとって、少しでも話した事のある相手は全員友達だ。
我儘な子どもは多くを欲しがるものだ。
そして、夢川深雪が望む事は、友達とずっと一緒に居る事だ。
それは一度は死んだ夢だったけれど。
「だから全員がいいよ。」
できるかできないかじゃない。
とはいえ無理を道理にしろと言う訳でもない。単なる願望だ。
これは自分はどうしたいのか。ただそれだけの話なんだから。
「……ああ。
何のしがらみも無く、将来を憂うこともなく、ずっと楽しく穏やかに暮らせたら最高だ」
女だから無理だとか、男だから無理だとか。
子供だから無理だとか、大人だから無理だとか。
そんな無粋なことを言う人間がいない場所で。
「よし、
全員だ
。
せっかく奉公も戦争も無くなって、民主主義になったんだから。
離れ離れになる必要なんて何処にもないもの」
勿論、これは二人の願望というだけ。
七夕の短冊に書く様な、幼く無謀な高望み。
だが、しかし。
夢は大きく、我儘であるべきだ。
▽
鳥飼へ視線を向け、貴方に戻す。
「まずは彼から攫っちゃおう。
後は……誘いやすい子から誘っていこうか?
こちら側
が多くなれば、寂しくなって自ら来たがる子だって出てくるかもしれないしね」
髪を一つに結んだ少女と、自分を遠い血縁だと信じている少女。
彼女たちは誘えばきっと来ると、白間はそう考える。
「うん。
どっちかと言うと、自分から来てくれた方が。
俺は嬉しいな。だって、同じ気持ちだって事だから」
とはいえ全て全てが思う通りには行かないだろう。
それは理解しているから、やっぱりこれも願望だ。
けれどそうであればいいと思う事は、誰にも止められはしない。
分不相応な高望みであっても、叶ってしまえばそうではなくなる。
「それでも。待ってるだけじゃだめなのも、わかってる。
……でも皆、誘えば来てくれそうだから困っちゃうな。
最終的には全員連れて来るとしても、順番は考えないと…」
口元に指先をあてて考える。暫しの間。
猫を連れたあの子と、保健室通いのあの子。
それから、好きだったはずの、今も好きなはずのあの子。
それぞれが『仕方ないな』と言って一緒に来てくれる。
真っ先に浮かんだのは、そんな実に都合の良い想像。
もし仮に、拒絶されたら?
その時は、好きじゃなかったのか、好きなのか。
それがはっきりとするだけだ。
「……ねえ、牧夫兄の次は誰にするか、任せてもいい?
上手くできるかわからないし、もう少しだけ。
先生のお手本を見ておきたいんだ」
誰を連れて来るにしても。
できるかはわからないけれど、一先ずの姿勢としては。
自分達の『先生』となるあなたのやり方を手本としたい。
何より、このように在る年月はあなたより浅いものだから。
そういう意味でも、生徒とは先生に倣うものだから、と。
先生たるあなたに向けて、なんとも甘ったれたお願いを宣うのだ。
「そうだねぇ、誘えば来てくれそうな子が多いのは確かだ。
只、相馬くんは工夫しないと難しそうだけど」
彼に対して言い包めや説得は難しいだろう。
どうすれば興味を持たせることができるか、恐らくそこに懸かっている。
……暫し考えたものの、一先ずは。
少しでも『全員』という夢に近付く為に、数を揃えなければ。
そうして聞いた貴方の甘えを、心地良く感じながら少女は頷いた。
「……ああ、いいよ。勿論だとも」
自身が子供だからこそ、誘い方というものに想像がつく。
子供の気持ちがわかるから、甘言の選び方だって知っている。
「それまでは、彼らと親交を深めておこう。
時に情は理屈を越えるものだからね」
大人≠ニいう子供のおわりが見えてきたからこそ、情に訴える余地がある。
少女はそう考えていた。
| >>90 【理科室】クリス 「マジすか」 完全に嫌がらせのつもりだったのに、この男は楽しそうに、そうして意味わからん文句を吐きながら、堂々と撮られ待ちをしているではないか。 「マジかあ……」 身長なんて知るか。一般的なサイズよりも少し大きいのではなかろうか。……少なくとも自分よりは。 「はい、チーズ」 ───決まり文句ひとつ。ぱしゃ。 機械の音が静かな室内に僅か響いて、 今度はちゃんと画面を覗き込む。 長方形の中には男と、半分内臓丸出しの模型。 二人の間にはなんと光の球体が──大方、廃教室に舞うホコリがフラッシュに反射したのだろう。 巷で騒ぐ心霊写真なんて、だいたい科学的な説明がつく。 そんなもんだ、と捻くれた笑みで息を吐いた。 「ほらほら、センパイと模型の記念すべきツーショット。 二人とも笑ってて超お似合いですね…………、」 ───二人とも? ───笑ってて? ▽ (111) 2022/07/04(Mon) 14:03:24 |
| >>90 【理科室】クリス 「……せんぱ〜い。 お隣の仲睦まじいカノジョ、 ずっと真顔でしたよね〜……?」 まさか本当に。 ……こんなもの撮るために買ったんじゃ、ないんだけどな。 口の端を引き攣らせながらも、それは次第に上がり、声は喜色を孕んでいく。 念の為に持ち込んだケーブルを機体に差し込み、スマホへデータを移し始めた。 「W面白いものWに なるんじゃないですか? これ。」 君を手招きして、 撮ったばかりの画面を見せつけた。 (112) 2022/07/04(Mon) 14:04:21 |
──探偵倶楽部の設立者、相馬栗栖。
きっと彼が一番の癖者だ。
そして、ああいった人間をこちら側に引き込む為に必要なものは
決して詭弁や情などではないだろう、とは夢川も考えていた。
楽しい。つまらない。表面的な価値基準こそ似ているけれど。
似ているからこそ根本的には違うものだとわかる。
彼は人に依存してはいなさそうだ。興味関心の先が違う。
──きっと、一人でも生きていけてしまう人間だ。
とはいえ、けれど。
彼の興味を引くものが、仮に今は自分達の手札の中に無かろうとも
こちらに引き入れた誰かが持っている事も有り得るだろう、と。
今この時はそのように結論付けて、一度考えを打ち切って。
あなたの述べた考えには、頷く事で賛同を示したのち。
「本当?よかった。」
──夢川深雪は甘やかされるのが好きだ。
だからその寛容の言葉に、殊更嬉しそうに笑んだ。
「うん。今じゃないと、できない事もあるし
……今の内にできる事、しておかないとね」
いつかは来る終わりをひととき忘れて、
何を疑う事も無く童心の時間を過ごせるのはもう少しだけ。
全てが終わればきっと、再び、永遠に。
皆で一緒に、無邪気に共に居られる日々が来るのだろうけど。
「またね、先生。牧夫兄も」
何て事ない教室での一幕のように言って、扉に手を掛けた。
今はまだ、終わりなんて意識の外で。
この掛け替えの無い時間を続けていよう。
そうして何れ来る終わりを見据えた時に、
皆がその続きを自ら望んでくれるように。
「暫くしたら、この教室で会おうか。
私は在籍していた証拠の隠滅をしなきゃいけないし……牧夫を隠したら色々動くつもりだ。
職員室の方には人が行かないようにしてくれると助かるよ」
先程見つけた名簿。
そこにはしっかりと、自分の名前が記されていた。
永瀬がいた手前、放置してきたが──もしかすると、誰かが見てしまうかもしれない。
処分するか、隠すかしなければ。
「いってらっしゃい」
とはいえ、これは『先生』の仕事だ。
この場は『生徒』の背中に手を振って。
扉の向こう側に消える背中を見送っただろう。
あなたの言葉にはきっと、もう一度頷いて。
そうして一人の『生徒』の背は薄暗い廊下へ消えていった。
その後はきっと、言われた通り。
誰かが職員室付近へ向かうようなら、それとなく他所へ誘導するはず。
もちろん耳目が届く範囲で、にはなるけれど。
もしも図書室の貸出記録の中に、あなたの名前があったなら。
それは何らかの形で誰にも見られないよう隠蔽されているだろう。
大丈夫。ちゃんと良い子にしているよ。
わかってる。楽しい学校生活は
『先生』と『生徒』が協力して、初めて成り立つものだって。
| >>124 【理科室】 クリス 「見た目だけじゃ分かんないじゃん。 心は乙女かもしれないし。」 くだらない軽口を添えながら 鳴り続けるスマホ端末を開き、すいすいと操作する。 「予兆、予兆ね。 こんなの偶然だって言い切って 消しちゃっても良いんだけどさ、」 ……嗚呼、この男は変わらない。 いつだってその心を愉しく揺さぶる何かを、まっすぐに追い続けているのだ。 そんな姿が、ひどく眩しく見えて─── 羨ましい。 「僕は…………」 今の僕は、面白いか? 恐れ慄いてるか? 現実から目を逸らして苦悩するだけか? 「僕は、そうだなあ……」 僕は、どうしたいんだっけ。 この夏は、誰の隣に居たかったんだっけ。 ───かつ、かつ、文字を打って。 ───送信。 ▽ (127) 2022/07/04(Mon) 22:01:00 |
| >>124 【理科室】クリス まあ、そんなことは もうどうでも良いんだけど。 壊れたものは、直らないから。 「ねーセンパイ、 ほら、次は音楽室行くんでしょ?」 君の服の裾を摘んで、 無邪気な子供のように笑って誘う。 「早く、行こ!」 (128) 2022/07/04(Mon) 22:02:21 |
>>【職員室】
永瀬を見送り、一人になった頃。
鳥飼の様子を確認してから、足早に職員室へ戻って来る。
そろそろ起きてしまう筈だ。
白間コズヱは神ではなく、普通の人間であった。
神隠しの真似事など長くは持たないだろう。
名簿から自身の名前が記載された頁を破り、ポケットに入れる。
さて、どうしようか。
破いても良いが、パズルのように復元される可能性もある。
そんな芸当をしてしまいそうな者もいることだ、あまり賢い選択肢ではない。
燃やすにしても、夜の暗闇で炎は目立つ。
加えて、自分はマッチなど持っていない。
「……そうだ」
ふと、思い至る。
「牧夫に手伝ってもらおう」
とっておきの隠し場所が、あるではないか。
唇は静かに弧を描き、ピントが外れたように輪郭が滲んで────
───ゆらり、少女の影が消えた。
| (a61) 2022/07/05(Tue) 22:29:29 |
| ライカは、「ウワーーーーーーーッッ!!??!!?」 (a62) 2022/07/05(Tue) 22:29:49 |
| (a65) 2022/07/05(Tue) 23:00:15 |
| >>140 クリス 「なんだそれ」 吐き捨てる。 W探偵ごっこWに不要な感情ごと。 タネを仕込んで、盛り込んで、何を利用してでも─── 今は君と、面白い事を見出す為の時間だから。 「忘れられない日にしなきゃ。 まだまだ夜は長いですよ、せーんぱい。」 ──そうして。 廊下、音楽室、トイレ、 とにかく目につく場所を歩いて回って。 くだらない話をして、笑って、撮って、 見出して、撮って、見出して、見出して見出して見出して。 一段、一段、古びた木を踏み締めて 3階──2階──1階へと降っていった。 (141) 2022/07/05(Tue) 23:43:07 |
| 【廊下】 こつ、こつ。 木製の廊下を降りきって。 人影を見つければ、「あ、」と声を漏らし───それが夢色をしていたものだから、すぐに後退った。 あちらから姿が見えないように、 降りたばかりの木の板を数段登る。 ──仲睦まじく、手を繋いで。 ──寄り添い合って、歩いて。 少し前までは、自分の、自分だけの定位置だった場所。 「…………、」 「…………………」 そう、そうだよな。 だってもう、終わった事なんだから。 分かっていた筈なのに、直視するのが、こんなにも苦しい。 「……未練がましいなあ。我ながら。」 ぽつり。ひとりごちた言葉は、 きっと暗闇に溶けて、誰の耳にも入らなかった。 (142) 2022/07/06(Wed) 2:32:24 |
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