40 【完全RP】湯煙に隠れる吐息【R18】
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─桔梗の間─
ですよね。……無理は、させたくないし。
[だから良いんだ、わかってる。
そう言いながら私は
いつかの時のように笑う彼に肩を竦める。
妥協できないなら、折れることができないなら、
お互いに譲り合えないなら。
それは無理が生じて折れてしまうだろう。
だから、と彼の頭をまた撫でる。]
あぅっ?
ぎっくり腰に歳は関係ないですよ。
油断してるといつかグキってしますからね?
[小突かれて、唇を尖らせてみたけれど
すぐにおかしくなって笑ってしまった。
けれどそこから始まるかつての話に
私は静かに耳を傾ける。
ああそうか、大事な人とは別れてしまったのか。
一度生じた軋轢はなかなか解消できないもの。
その話し合いが苦痛なくらいにすでに無理が生じていて
もっとそうなる前に話し合えたら、なんて後の祭り。
でも、大切だったからこそ辛くて
きつかったんだろうな、と。
そう思ったから、手に擦り寄る彼の頭を
ギュ、と抱きしめて胸に埋めた。
窒息しない程度に埋めて、よしよしと頭を撫でる。]
敦久さんって、プライド高そう‥っていうか。
甘えるの、下手そうですよね。
甘えるのが下手だから
辛いとかしんどいとか
本当に大切な人に言えなくなっちゃう、みたいな。
そんなふうに思えてしまいました。
[大切な人だからこそ、傷つけたくなくて。
無理をして、でもその無理が辛くなって。
辛くなったから逃避してしまう。
そんなことは自分にも覚えがあるから。]
だから、甘えて良いですよ。
いろいろ頑張りましたね、敦久さん。
………たまにはこんなのも、良いはずです。
[誰だって甘えたい日はあるもの。
何もかも許された赤ん坊の頃みたいに。
だから、私はしばらくそのまま
彼を抱きしめ、撫でていようと思っていた。]*
――睡蓮
そうかもしれへん、なぁ。
やったら、月子がイチから、教えてぇな。
[ 子供が生まれて初めてするような
拙いキスを評されて、
拗ねるでもなく甘えた風にねだってみせた。
後頭部へ添える手がそのまま
口づける動作へ移れば目を細めて、]
[ 甘噛みされた指先に見返して、離した手。
追いかけられて制されれば首をかしげ、
小さな求めにうなずいて。]
してくれるん。 優しいこと。
[ きゅっと結んだ帯が解かれ、はらりと浴衣が開かれる。
伝う手指の感触は空調の効いた室内で、
そこだけ鮮明な熱を伝えて、その軌跡が朱を残すよう。]
月子の肌も。ええさわり心地。
[ 背の低いベッドの上、じゃれ合うように撫で触れて、
くすくすと楽しげに声を向け。]
――そやけど、これは、尋ねてええんかな。
浮気?
それとも、
一人でしてくれてたん? って。
[ 色づいてみえる素肌の様子はこの宿で、
既に誰かと肌を重ねたあとだと知れる。
口にしたのが偽の推測でしかないことは、
どちらにとっても明らかなこと。
だからこその嘘。
このひと時はただの虚構で、夢まぼろし。
嘘に嘘を重ねていれば、
やがてぱちんと弾けて消えても、
それは当たり前の事だから。]*
| ―― 翌朝 ―― >>46 >>47[ 着けた首輪に触れた千秋の指。 >>46 疑問符とともに漏れた声、 困惑した様子を認めつつも それを認められないでいる自分が自分の中に居た。 続いた声に >>47首を振る。 強く左右に一度ずつ。] 君が捨てたいんなら、捨ててくれたって仕方ない。 でも、返されたって、 もう他の誰かに着けさせる気にはならないんだ。 [ 金具に掛かる彼女の手。 手を向けて止めさせようとはせずに一歩、詰め寄る。] (72) 2020/08/17(Mon) 23:53:38 |
|
使用済みになんて、なってない。
試用期間はもう終わり、になってても。 肌を重ねた時間が過ぎて、朝になってしまっても。
俺は、千秋をそのまま、全部欲しいんだ。
[ 心の内にある想いを直截に、隠すことなく伝えた。
どのような答えが返るとしても、 それが彼女の本心ならば受け入れよう、と――
そう思いながらも、隠しきれない不安と恐れを 瞳の中に兆させて。]* (73) 2020/08/17(Mon) 23:54:11 |
───睡蓮
[ こぉ?と確かめるように触れた唇は、
悪戯に食むから、薄く開いて舌先で
唇を濡らし、微笑み返す。]
───そう。思い出した?
[ そう尋ねて。
彼の帯を自ら解き、肌に触れる。
互いの熱を手のひらで確かめるように
撫で、戯れあっていれば、
尋ねられた事柄に、まぶたを伏せて、
首元に視線を落とす。だが、その跡は
自分では視認できるはずもなく。]
浮気なんかするわけないやん。
[ 目線を流すように彼の方に戻し、
眉尻を下げる。]
確かめてくれてもええよ?
[ そういって、伸ばした手をする、と
彼の首の後ろで組めば、引き寄せる。
耳朶を甘く食んで、舌を這わせた。]
[頭を抱かれ、目を丸くして
はぁ、と撫でる手に観念するよう目を閉じた。
やわらかい感触に顔を埋め
乾き始めた汗でひんやりとした肌に額を押し当てれば
とくとくと伝わってくる鼓動が心地いい]
……ふふ
ちあきちゃんはいつも逆のこと言うね
よくお前にはプライドないのかとか
甘え上手めとかなら言われるけど?
でも……大切な人ほど言えなくなるのは
あたってるかもな
大事にしたいと思うほど、全然上手くいかないし
[傷つけたくない
でもこうして誰かと一緒に居たくもあって。
だからこの旅館はちょうどよかった。
明確な次のない、一晩限りの関係。
しんどくなくて楽しくて、ちょっとだけさみしい
それくらいが自分には、ちょうどいい]
[彼女の胸で甘やかしてもらい。
されるばっかってのは好きじゃなかったけど、
割といいもんだな、なんて思い直しながら。
ゆっくりと、顔を上げた]
ありがとな
このまま居たら眠っちゃいそうだから
そろそろ行くわ
ああ、お礼にいつかちあきちゃんが
しんどくなった時には俺の胸貸してやるよ
やわらかくはないけどなー
[軽口を叩きながら布団から起き上がり浴衣を整え。
まだ横たわる彼女の傍らに膝をついたなら]
[にっこりと笑って]
───よいしょ、と
[膝裏と背中に腕をいれて、持ち上げる。
どうだ、と抱え上げた彼女を見上げ得意気に笑えば
危なげない足取りで内風呂の方へ足を進めようか]
……あんた思ってたより重いな
[真っ正直な感想を口にしてしまう辺り、また減点だろう**
─敦久さん─
そうですか?
それは、相手の人にカッコつけなくて良いから、では。
大事な人にはカッコよく見せたいでしょう。
カッコよく見せたくて、無理するでしょ。
[つまりはそういうことですよ、なんて笑う。
そんな風に甘えを見せられる、
甘えて甘やかせる程度の関係が心地よかった。
今後またどこかの駅で会うかも知れない。
若しかしたら仕事の時に。
法廷で出会ってしまったら?
そこは私情を挟まずに、公平にね。
そんなところで出会わない方がきっと良いけれど。]
ふふ、それは楽しみにしておきますね。
もし何かあったら連絡してくれても。
司法関係の友人は多いですから?
[なんて。別れ際には名刺を差し出したかもしれない。
けれどその前。
抱き上げられれば驚いて縋り付いて
しかしその余計な一言に。]
…………ふーーーーーん?
[セクハラで訴えて買ってやろうかとも思ったけれども
彼が私を運ぶ間。
首筋に、鎖骨に、耳元に、
強く吸い付いて紅の華を散らしてあげましょう。
……ダイエットしなくては。
目方を増やすのは、よくないから。
そんな一つ、また忘れられない記憶を呼び起こされての
意趣返しというもの。]**
── 桔梗の間 ──
こえーなー……
でもまあ、なんかあったら頼りにするよ
あんたなら信用できそうだし?
[くつくつ笑いながら名刺を懐にしまい。
抱え上げた彼女の物言いたげな圧力には
素知らぬ顔を]
あっおいこら
そこシャツじゃ隠れないだろ
帰ったらまたすぐ仕事だってのに
[見えるとこへわざとつけた痕は
セクハラにならないのかよ裁判官さん。
まあ訴える気は微塵もないし、隠すと逆につつかれるから
ついてしまったもんは堂々と見せるつもりだけど。
今は誤解されると厄介な相手も、いないわけだし]
結構いい性格してるじゃん
[楽しげに笑いながら
こちらも彼女の耳裏へ、華を咲かせた。
気の置けない戦友に対する、証のように**]
| ―― 千秋と ―― >>82 プロポーズ。 そう思ってくれるなら、話が早いな。 まだ出会って一日も経ってないけど、遠くない未来。 貴女に、正式にそう言えるようになりたい。 [ クスリと笑った彼女の言葉を >>82 そのまま受け止めるように笑う。 次いだ問いかけへ一度まばたいた。 自らの内心を確かめるように。] ……欲しいのは、どちらもだよ。 昨晩、一緒にいた時みたいな貴女もだし、 まだ、俺が知らないでいる貴女も。 ……千秋は、 ……誰かを選ぼうという気になった? [ 軽く頭を振って、迷いを打ち消すように目を閉じ、開く。 彼女の返事を待つように唇を閉じてじっと見つめた。]** (104) 2020/08/18(Tue) 22:43:48 |
――睡蓮
ほんま、優しいな、月子は。
こっちとあっちと、遠う離れてしもたのに、
そんなん、言うてくれるなんて。
[ 首後ろへ掛かる手に
、引き寄せられて返す声。
それもまた、このひと時だけの設定でしかない虚構だ。
二人を取り囲んだ演技と嘘のうたかたに、
そっと声を触れさせる。
容易く壊れはしないかと、どこまで続いているかと、
確かめるように。]
でも。無理は、せんでもええんやで?
ずっとずっと、俺だけのもん、
――て、いう訳には。
きっと。いかへんのやから。
[ それはこの場の真実でもあったし、
かつて経験した恋の終わり方でもあったけれど。
月子にとってはその言葉はどう届いただろう。
小さく傷む胸の内を情と欲とで覆い隠すように、
口づけ、彼女をベッドへ押し倒した。]
| ─ 千秋と ─ >>105 >>106 >>107 死者は、強いな。 そこで時間が止まってしまっているから。 [ 彼女が首輪を外すのを >>106 止めようともせず呟いた。 その相手が何者だとも、 どんな想いを抱えているかとも、問いはせず。] ……そんなのを抱えているなら、尚更だ。 千秋の身体だけ俺の物にしたって 何の意味もない。 単なる遊びというだけで、 これも渡した訳じゃない。 (119) 2020/08/19(Wed) 12:48:22 |
| [ 続いた言葉を >>107聞き取って、 それからようやく首輪に触れる。 受け取り、見つめて、囁かれた声。 彼女の背中に腕を回し、強く強く抱きしめた。] その気持ちも何もかも、全部含めて、 俺に呉れよ。 誰をどんな風に想ってたって、 それが千秋の形なんだろ。 縛るものがひとつだけじゃ足りないなら。 いくつでも、いくらでも。 生きてる限り、俺のものになってて欲しい。 [ 一時の熱情だとは思わない。 この気持ちはきっと何年も何十年も続くものだ。 でなければ不安も恐れも >>73兆さなかった。 彼女の瞳をじっと見つめて、 契約を印すかのように唇を重ねていった。]** (120) 2020/08/19(Wed) 12:50:25 |
このまま引っ張り込んで抱きしめてしまおうか。
身体を入れ替えてキスをしよう。
唇に、それから月子の体の隅々にまで。
そうやって着てるものを全て脱がしたら
愛の言葉を囁いて。
もう一度月子と一つになろう。
熱い肌を重ね合わせて。
濡れる月子の中に、滾る自身を突き入れて。
二人で快楽の中に溺れよう。
| ─ 千秋と ─ >>127 >>128[ 麗央とは10センチと背の違わない彼女だから、 伏せられた顔を横から覗くのはきっと簡単なこと。 けれどそうする代わりに足を一歩引いて、 自分の胸元へ額を当てさせるように抱き寄せた。] だったら、 少し落ち着くまでこうしていなよ。 [ 俯いた耳元へ囁き落とし、 彼女の言葉に応えていく。 落ち着いた声。ゆっくりと言い聞かせるように。] たしかに、全部くれって言った。 でも俺だけが幸せになるんじゃなくて、 千秋にも幸せになってほしい。 全て捧げてくれるなら、 千秋の幸せも、俺のものなんだろ? [ 少し間を空けて、苦笑がちにふと笑う。 自分も彼女も、ここ以外での相手の事を まるで知らないというのに、と。] (145) 2020/08/19(Wed) 19:15:53 |
|
最初から大きく構えすぎなくても、良いよ。 だんだんそれが重荷になってくるかも知れないから。
……それよりは。 なるべく一緒に居られるようにしていたい。 此処みたいな非日常だけじゃなく、日常の中でも居られるように。
[ 彼女のスーツ姿を見て思う。 何かの職に就いているのは間違いないだろうけれど、 私服で訪れたのでないということは、 休みのゆとりがそう多くないことを示しているのかも、と。]
千秋の普段の仕事も、住んでる所も。 どれだけ忙しいかも、まだ知らないけど。
[ それからもう一つ、思い至って。可笑しそうに囁いた。] (146) 2020/08/19(Wed) 19:15:57 |
| ―― 9月 ―― >>172[ 8月が終わっても猛暑日の連続だった。 一泊二日の単独出張。電車で向かって、車を借りた。 初日に予定していた契約農場や醸造所を訪問し終えた頃には、 レンタカーの後部座席に空のペットボトルが数本転がっていた。 投宿先の駐車場に車を入れた所で、 助手席に置いたスマホが振動する。 メールを >>172一読して、すぐに返信した。] 『終わってホテル着いたとこ。 どこ?すぐ行けるけど。』 [ 業務日報を送るのは後回し。 車を降りてチェックインを済ませると、 荷物を置いただけで部屋を出た。 近くの喫茶店のドアを開くと涼やかな空気に息が漏れ。 店内で待つ彼女の姿を認めて笑みが溢れた。] (176) 2020/08/20(Thu) 14:42:43 |
|
……びっくりした。 一人だとは言ってたけど、まさか来るなんて。
[ 歩み寄れば面差しの違いに目が留まる。 薄く掃かれた肌の色、 あの宿でよりも紅差してみえる唇の艶。 落とした視線は彼女が普段とは違う服装を選んで ここまでやって来たと捉えていた。]
忙しいのに、ありがとう。嬉しいよ。 それに、……可愛いな。
[ 綺麗、だとも思ったのだけどそう言った。 だって、わざわざ服を選んで来てくれたんだろ?と。] (177) 2020/08/20(Thu) 14:42:47 |
| [ アイスコーヒーを注文して向かい合う。 それから先に口を開いたのは千秋だったか、麗央だったか。]
せめて晩ごはんくらいは、一緒できるよな。 明日の仕事。 千秋は帰らなきゃいけないとは思うけど……
[ 彼女に委ねるだけにしたら、 帰してしまうことになるかもしれないから。 テーブルの上に肘をついて、身を乗り出すようにした。] (178) 2020/08/20(Thu) 14:42:50 |
| ―― 12月 ――
[ 大切な話をしたいんだ、と スケジュールに加えて貰った時点で、 その内容は千秋にも凡そ伝わっていたと思う。
年末年始でも交代制の勤務があるというから、 師走の初旬に夜景の見えるレストランを予約した。
いつものスーツで良いよ、と伝えたし、 自分もその通りの仕事上がりの服装でとは言っている。
予約よりも20分早く着いて、 準備にぬかりがないか確かめるのだ。
薔薇の花束をスタッフに預けて、 彼女の指のサイズに合わせた指輪はポケットの中。
何でもないようなふりをして迎えよう。 伝える前と、伝えた後と。
目に見えて変わるものなんて、ほんの小さな違いの筈だからと 飛び出してしまいそうな心臓に言い聞かせて。]** (194) 2020/08/20(Thu) 20:39:18 |
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