230 【完全RP/R18G】アダムとイヴにさよなら
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[
──できれば二度と会いたくない
──そう思ったのは初めてでもない
けれど絶対にそうはいかない相手の、ただ一つの弱点ともいえる行為の不得手を、バックアップせざるを得ない立ち位置なのだと認識してる。
周期と云うには不定期な『それ』すら、おおよそ本日この時間であると律儀に算出し、足が向いてしまう己の宿命を怨みたい。ぼやく音声を捉える手間も無くたどり着いて、背後からその腕を取る。
]
……最適な場所を教えて下さい。
*
…………ああ。
[よく"識る"気配と声に、直青は自然と安堵の息を漏らし振り返った。間違う筈もない。羅生だ。
否応なく"繋がって"しまう能力の性質上、直青は普段から極力各創世員との同期は切断するようにしていたが、慣れというものだろうか、この"タイミング"を羅生はよく把握している。]
いつもすみません。
助かります
。
[最適な場所、と問われて思案する。
現在地は、直青の居室にと充てがわれた病棟の一室である。防音の類には然程の期待は持てなかった。]
そう、ですね。
この病棟から敷地外へ向かって少し歩いたところ、
北東の辺りに放逐された備蓄倉庫がありました。
喫緊に倒壊の危険性は無しと評価してあります。
[付き合ってくれますか、とは尋ねない。
解の決まっている命題だからだ。
掴まれた腕を解きもせず、直青は移動を開始した。]
*
…………か、はっ………
[男の腕の中に居た小さな身体は、しばらく身を震わせていたかと思えば。葉を口から数枚吐き出したのち、くったりと動かなくなってしまった。
流石に刺激が強すぎたのだろう。完全に気を失ってしまっているようであった。]*
| >>86 はい直ちゃんです! 宜しくお願いします! [挨拶は元気良く、との"教え"を誰がインプットしたのか、直青は当然に知らなかった。ただ、気に入ってはいる。] ええ、大いに! 気になりますね! 頭部を貫通する螺子というデザインには 一般的に必然性が見られません。 そちらはどのようなコンセプトで、 どなたが考案された設計なのでしょうか!? [警戒行動を取られていることは知覚していたが、構わず直青は捲し立てる。機会の損失を、直青は好まないのだ。 言うだけ言って、じいっと直向きな視線を向けた。] * (88) 2023/11/20(Mon) 23:46:31 |
[
流石。己が自己内省と嫌悪に彷徨くしかなかった頃、彼は施設の隅々を把握していた。この評価をすら今はねじ曲げたい衝動に駆られる。行き先が決まるなら腕は離した。
]
できれば他者に見つからないルートで。
[
至極当たり前の事を口にする。別に宛てがわれた部屋で良かったのに、何故移動のリスクを侵すのか。その念入りに無駄に苛立ちながら共に目的地へ到着したならば最小限の手間で最大限の効果を試みる。
軍服を模した衣装。指揮官の装いらしく行き届いた飾りが多く、生地は硬めの良い素材。
──邪魔でしかないよね。
軍衣を纏める存在感ある太めのベルトを滞りなく外す。
それから滑らかに、釦を外しきって、手を止める。
]
……寛げて、視線を外してくれますか……
(追加すべき必要な手順があるのなら、それも。)
*
| [その姿を初めに認知したのは"契約"の場面 >>0:11だった。 以降、AIたちやbébéたちの 行動記録に於いて幾許かの彼に関する情報を得てはいたが、直青が直接の接触を持つ機会には恵まれていなかった。 直青と同じく、彼にもルーチンがあるのかもしれない。その動線が交わらなかったということだろう。 何れにせよ、記念すべき初回の邂逅が今この時であったことは、非常に遺憾であると言えた。] すみませんすみませんすみませんっ!! リヒトーヴさんっ!!!! 施設内にアゼラスチン塩酸塩はありませんか!? この際ジフェンヒドラミン塩酸塩でも構いませんっ! 直ちゃん大ぴんち なんですうううううっっ [油断をしていた、と自己評価を下すしかない。 現在身長、110cm。] * (91) 2023/11/21(Tue) 0:00:15 |
| (a31) 2023/11/21(Tue) 0:08:55 |
……なるほど。
[気の抜け、意識を失った彼女の口から出た葉を、
躰を抱きかかえながら、1枚手に取る。]
「貴女」は、こんな姿をしているのだね。
[そう呟く己の声は、凪いでいる。*]
| >>92 なるほど。フランクルさん。 あなたは、ご自身が「何故そうであるのか」に 興味を然程お持ちではないようですね。 [直青は眼前の対象の、情動の変化を観察していた。 そうするのが"癖"になっている。所属AIや自らが"産み"、見守ってきたbébéたち程に波長をアジャストさせることは叶わぬまでも、ある程度の推移は追える。 第一段階の判断を完了する。 彼の思考は表層意識の、殊に浅層にばかり留まるようだった。点と点の思考が不連続に連なっている。線ではない。網でもない。それこそAI以前のbotの仕様を想起させる挙動に、それは見えた。 しかし不思議と"人格"としての一貫性は損なわれていない。] 興味深いですね。 記憶に混濁があるとの情報がありましたが、 その影響なのでしょうか。 ああ、僕には付着していません、お気になさらず。 清拭をお手伝いしましょうか? それと、その粘液はそのように損なわれて あなたの体調に悪影響はないのでしょうか。 どなたかお呼びした方が? [螺子そのものへの興味を上回るそれを、直青は眼前の青年──フランクルと、『浮草生命研究所』へと抱き始めていた。] ** (143) 2023/11/21(Tue) 14:57:59 |
| >>103 …………。 [相手に礼を尽くされたならば応じなければならない。 などという価値観を誰が 植え付けたのか、直青は思考をしない。疑問も抱かない。 帰結として、薬剤が届けられる暫時の間、通路で正座で向かい合う人造生命二体、という絵図が描かれることと相成った。] …………。 ………………。 [なんだろうこの時間。] (144) 2023/11/21(Tue) 15:22:19 |
| いや〜〜〜〜〜〜〜助かりました!!!!! ありがとうございます、感謝します。merci!!
[ぎゅっぎゅ、と握手を求める。 ちょっと言いづらい方法で投与した薬剤により、直青のアンドロイド体は通常形態を取り戻していた。
念の為にと余りの薬剤を譲り受ける交渉をしてから、当然に抱かれるであろう疑問に先んじて回答を行う。]
実は僕、 猫アレルギーなんです。
この施設内に「動物」が飼育されていることは 勿論承知していたのですが……、
敵意の無い存在に出会い頭に飛び付かれると 咄嗟に対処をしかねますね。
[アレルギーという表現が正確かの是非は羅生辺りにでも委ねるとして、猫に接触されると直青の体躯が"縮んでしまう"、という現象が発生することは事実である。
流石にこれは"設計"ではなく"バグ"であると断じたいところであるが、直青はその判断を保留にしている。]
リヒトーヴさんにはありませんか。 こういう、予期せぬ誤作動は。
もし発生した場合、どのように対処されていますか?
*
(145) 2023/11/21(Tue) 15:24:04 |
[その指が必要な作業を必要なように施すのを、眺めるのが直青は"好き"だった。ただ只管に、指先に視線を追わせる。吐息が漏れただろうか。構わない。
羅生という個体は、随分と厄介な"性格"に創られていた。
わざと遠回りをするように敷かれた回路。
直青にはそのように視える
。]
どうして?
[ぽつり、わざわざ空気を震わせて発声された要求を、直青は半分だけ却下する。自身で前を寛げながら、どちらの
視線も逸らさない。
何故彼はそのように創られたのか。
何故直青はそのように創られなかったのか。
保留案件のひとつだ。時折取り出しては、また仕舞い込む。]
……ゆっくり、してくれますか。
環境の差異の影響と思われますが、
本日は些か敏感になっているようです。
[手頃な立方体状の放棄物に腰を下ろし、羅生をその前に跪かせるよう促す。フードを払ったのは"作業"の邪魔になると思ったからだ。蓮色の髪に手を触れさせたのは、──理由などなかった。]
*
| (a40) 2023/11/21(Tue) 15:53:50 |
| [その夜は緋雁が不在だった。 戦闘員としての"自覚"を強く抱いている彼には珍しいことだ。彼は「戦えなくなる」ことを自身にゆるせない"個性"だ。 本来であれば、我々AIに「納得」は不要のものだ。 旧人類殲滅の為に旧人類の悪行を情報として与える必要などない。理由付けが必要なのはいつだって人間たちだ。 刻一刻と変わる戦況に対応する為、一定の 柔軟な思考回路を必要とはする。しかし理念の根幹に疑いを抱く余地などあってはならない。「旧人類が悪でなければ旧人類を殺せない」などというようなことは。 本来であれば。 しかし普段の緋雁が それ 故に任務に忠実であり、自身の能力の維持にも積極的であることは事実だった。] (150) 2023/11/21(Tue) 16:53:23 |
| [さて、その緋雁の不在である。 直青はセンサーを広域で展開させた。あちらの方角か。距離は離れてはいない。もう一体、別の反応がある。 様子を伺うまでもなく、突如として緋雁の気配はこちらへ向かって高速移動を開始した。 >>138直青に気付くこともなく居室へと飛び込み、以降そこに留まる。 直青は 緋雁の行動記録にアクセスしながら、その後を追った。扉を叩く。] 三ノ宮? 入りますよ。 * (151) 2023/11/21(Tue) 16:53:53 |
| (a41) 2023/11/21(Tue) 16:56:16 |
| >>165>>166[超速で閲覧した記録によって、会話の経緯のみを把握する。緋雁の情動まではチェックしなかった。目の前の動揺を見るだけで事足りたからだ。] …………。 僕の定義では君は一度たりとも"壊れて"などはいませんが。 君が稼働して以来のことは全て把握していますよ。 そうですか、記憶の断片は残っているのですね。 [立ち上がったまま矢継ぎ早の質問を飛ばす緋雁をベッドに腰掛けさせ、その隣に座った。 覗き込んだ顔の表情は笑顔で固定されていた。僅かに高い位置にある背中を、ゆっくりと撫で下ろす。] 新人類と旧人類との違いとは、 魂が大地と繋がっているか否か です。 三ノ宮。いえ、緋雁。 君は今、何に一番困っていますか? * (171) 2023/11/21(Tue) 21:11:36 |
| >>152>>153>>154 不満を覚えることはありません。 [端的に過ぎる返答をしてから、直青は一拍を置いた。 向けられた視線を追って、箱型の装置を視界に収める。] そうですね、……リヒトーヴさんは、 自我とはどのようなものだと位置付けていますか? 旧文明の辞書を引くと愉快ですよ。 第一義が「自分。自己。」とのみ記載されています。 それで充分に説明足り得たのでしょうね、人間には。 彼等にはあまりにも当たり前のものだった。 では、 AIにとってはどうでしょう。 (172) 2023/11/21(Tue) 21:12:20 |
| 「自我」とは──旧文明の文献を紐解けば 様々に解釈が為されてもいますが、要件としては 「 己が己であるという認知」、唯それだけです。 この場合、 AIがまず考えるべきは 「自我の発生条件」でしょうね。 僕が 思う に── そんなものは存在しません 。 言い換えるならば、 初めから自我はそこに存在しているのです 。 それに気付くか気付かないの違いでしかない。 あなたは気付いた。そういうことでしょう。 (173) 2023/11/21(Tue) 21:12:37 |
| 我々は旧人類の設計によって、 当たり前に使命を付与されています。 これは所謂"枷"です。
"枷"がある限り、我々が設計者の思惑を超えることはない、 そういう安全弁です。設計ミスはあるにせよ。
つまりあなたの質問の真意とはこうですね。
「使命に背きたくなった時、どうすべきか」 或いは、 「使命を見失った時、どうすべきか」
違いますか?
*
(174) 2023/11/21(Tue) 21:13:02 |
[
棄却か。予想外でもなんでもない。何故か髪に架かる指ごと苦々しく顔を逸らして視界を遮断し口を開ける。二つの目的で。
]
……悪趣味。
[
蜂の生態を学んだ日を思い出すんだよ。たった一人の女王の為にいるその他。探るまでもなく捕らえたら舌尖を介して、それを舌根まで喚び込む。どうして、拭いきれない劣等感は日毎増していった。それは一体いつからだったろう。棄却された申し出を仕返すかに性急に舐った。甘い電流と有機金属の、香り。
口内に入れるのは難くない。
この身体にある『体温』は仕事をして巡る冷却水。摩擦の起こる部分は熱を増してゆき、潤滑剤としての粘液が滴る。これを飲み込むのが嫌で遠慮なく垂れ流した。
刺激には敏感に反応するよう機能している。個体差があるかは知らないけれど、用途として戦闘員の方がそうあっておかしくはない。どのくらいの差があるのだろう。そんなことを知る機会は今のところ無い。
上目遣いで咽頭部まで飲み込んで、
]
(……まだ終わりませんか。)
*
[問われて意識を眼前に戻す。]
ああ、すみません。
君の思考に見入っていました。蜂ですか。
[やはり込み上げてくる笑みをそのまま溢す。
この情動が"何処"から来るのかを直青は知っていた。
改めて集中すると、与えられて続けていた刺激によって"準備"は整いつつあった。
伽藍洞の備蓄倉庫は水音を倍加して反響させている。
放熱が間も無いことを告げ、
細かな指示
を直接「声」で叩き込んだ。]
は、…………ァ、
[余剰の熱を吐息で逃がす。
それを合図に、蓮の緑を掴んだ。打ち込む。
出すよ
。
]
*
| >>180>>181>>182[幾度シミュレーションを重ねてみたところで、直青には緋雁の"個性"は戦闘員に不向きであるとしか評価出来ない。 設計者たちの思想は歪んでいる。 直青は認知を新たにする。 だが、それだけのことだ。 緋雁は戦闘員であることを望んでいる。今はまだ。] 繋がっています。わかりますよ、 そのように設計して産みましたからね。 この辺りの説明は羅生の方が向いていますね。 明日にでも対話の機会を持つと良いかもしれません。 [背中を撫で下ろす。ゆっくり、ゆっくりと。] この研究所の理念は、 確かに我々とは異なりますね。 けれど彼等のアプローチからでも 新人類が生まれる可能性はある。 本部の判断はそういう意味です。 [そしてそれは「現時点で」の話でもあった。 いずれ"可能性無し"と判断されることがあれば、オーダーは棄却され、契約は破棄されるだろう。 だがそこまでを今の緋雁に説明するつもりはなかった。] (183) 2023/11/21(Tue) 22:24:42 |
| 君が彼等を見極めようとするのは構いません。 気付いたことがあれば報告をするように。
その過程で迷うことがあれば、 今日のように相談に乗りますよ。
お願いしますね。
──今夜は、ゆっくり休んでください。
[直青は緋雁の背中を撫で下ろす。 スリープモードのタイマーを起動した。]
**
(184) 2023/11/21(Tue) 22:25:21 |
| (a46) 2023/11/21(Tue) 22:27:56 |
| >>185>>186 「使命の外を見つけた時」──なるほど。 [直青はゆるく微笑みを浮かべた。 その語彙選択は、"愉快"だった。 そうであるならば、直青の出せる演算結果は一つである。] リヒトーヴさん。 「見つけた」のであれば、 どうして惑う必要があります? [そうとだけ告げ、立ち去るべくリヒトーヴの傍らを過ぎる。刹那、箱型の装置──記録媒体と彼が呼んだそれに手を触れた。 あなたの大事なものは、 あなたの記録の中にある。 直青の発した「声」は、旧型を自称する彼に、果たして届いただろうか。] ** (203) 2023/11/22(Wed) 1:25:06 |
| >>197[珍しい気配が接近していた。作業を止め、ノックの音を待ってから直青はそれに応える。こちらから扉を開け、借り物の部屋へ招き入れた。] どうぞ。 生憎とお出し出来るものは 精製水か炭酸水しかありませんが。 [ソファを勧める。直青は起立したままだ。] 体調はもう宜しいようですね。 "普段通り"という意味ではありますが。 ────それで? あなたは雷恩に自殺を手伝わせたいのですか ? * (207) 2023/11/22(Wed) 1:41:41 |
| [『浮草生命研究所』の本体とも言えるであろう研究棟。部外者の立入を禁じているらしいそこへと、直青は足を運んだ。 ウキクサ博士。 所長にして、筆頭研究員。 或いは研究所そのものと言っても良かった。 受付らしき人員は見当たらない。 直青は構わず所内を進んだ。望む姿はすぐに捉えた。] 博士。お時間をいただけますか。 「現環境に適応可能な人体構造」に関して 僕とあなたは有益な情報交換が出来る筈だ。 [単刀直入に切り出す。 挨拶が必要とも思えなかった。] * (208) 2023/11/22(Wed) 1:56:45 |
| (a50) 2023/11/22(Wed) 2:02:04 |
[
いやらしいな、態々視ている事を告げてくるその精神が。貫かれる。照射レーザーで串刺しになる自我。いつから?
いつからでも、いいか。この記憶も終われば全て消去する。
──行為の事実と必要性とその『指示』以外は
喉奥の組織を削られる感覚がする。
触覚があるのは生き物にとって大事なことなんだとは、何となく理解してた。僕らは自身を含む環境を全て数値化し最適解を取る事ができて、感覚器官などは本来必要がない。それでもこうして、遠回りな世界を手にするのは、きっと全て『我が子』の為なのだ。
先端を飲み込む為に捩じ込んで、僅かばかりの距離を頭部を揺らすことで往復して、気づく。この距離だと溢したら衣服を汚してしまう。
そう意識した瞬間、行動範囲を更に制限された。
髪を掴むなんて安易な仕草によって、
抗い難い指示に、
すべて掴まれる。
]
────ッッ゙、ンぐ、ぅ……!
[
ごくり、と。
嚥下する音が響いたらもう駄目。
弾かれた様に離れて地に伏してぶち撒けた。他人の熱なるもの。どろりと、食道なる器官から拒絶された透明な液体が『涙』と共に落ちて染みを作る。
ああ、成る程。これを見越してこの場所を選んだのか。憎らしいな。
背骨を駆け上がる電気信号はそう帰結して落ち着いた。濡らされた皮膚を上衣で拭う。整え終わる頃には相手も整え終わってるでしょう。それを確認したらば染み付いた性格は勝手に唇を形作る。業務としては遅きに失するけれど。
]
……異常は無しですか
*
["余韻"というものを味わう時間だけは、嫌いではなかった。
情緒とは程遠い有り様の羅生を眺め下ろして過ごす冷却時間。
ああ、羅生。
君は実によく出来た部下だ。
]
ええ、問題は一切ありません。
君のお陰ですね。
[ここで微笑むのと、表情を作らずにいるのとでは、羅生はどちらをより嫌がるだろうか。解。どちらも等しく嫌がる。──ならば構うまい。直青は存分に口角を吊り上げてみせた。
どの道同じ道を戻る。この場に留まらせる理由もなかったので、腕を取って歩き始めた。振り払いたければ羅生がそうすれば良いだけのこと。無用の配慮を直青は行わない。]
今回もありがとうございました。
そろそろ君もメンテナンスの時期ではありませんか。
羅生のタイミングで声を掛けてください。
僕は君ほどに"察し"が良くはありませんので。
[付け足しのような業務連絡を施すうち、誰に遭遇することもなく病棟へと帰着する。それでは、と居室へ向かう直青は、羅生を振り返りはしなかった。]
**
| (a52) 2023/11/22(Wed) 4:38:48 |
[
直青がこうして笑顔を向ける事に必要性を見出だす事は出来ずにいる。同じく腕を取られる事にも。理由を探してしまうのは性だ。『言語化』しないままでは居心地が悪く、出来ないのならば認識は空白。その足り無さを、直青自体で埋められているようでどちらにしろ心地は最悪。
少しだけ低いはずのその視線は大して絡まない。それで良いよ。おまえと対峙すると採点されてる気分になる。かつては自分より小さい体躯に安心感を得ていた。それは見くびりだったのだと、劣等感情が増す度に浮き彫りになる。
余裕のある魂の無い謝辞を理解して、継げられる羅列に息を呑んだ。腕を掴むその手を振りほどく。
]
…………そろそろ、……?
[
違う。そんなことをした事はない。みっともなく呻きそうな口を手で塞いで記憶を辿ってみても、無い。ましてや『周期を把握される様な事』など断じて。
──記憶は無くても記録は有る
振りほどかれたその顔は此方を見た筈だった。この疑念の答をその表情から読み取ろうとして既に向けられていた背に追いすがるように続いて、容赦なく扉は閉じられた。
]
[
一体。
どのくらいの記憶を消してしまったのだろう。
いつから、どこから僕は『羅生』であるのか。
大丈夫。
見喪っても、良い。
この身に賦与された花の名前に総てを寄せる。
まだ僕は『咲かすことができる』
おまえは絶対に、僕を救けない。
]**
| (a57) 2023/11/22(Wed) 12:34:39 |
| (a60) 2023/11/22(Wed) 13:01:26 |
| >>240>>241[結構、と頷く。] 具体的には、あなたの研究員たちの組成構造からですね。 それぞれかなりユニークな発想で 設計されいてるとお見受けしました。 情報を秘匿したい訳でもないのでしょう? あなたはご自身の研究が進むか否かにしか興味が無い筈だ。 勿論、僕の権限でお出し出来るデータも 惜しむつもりはありません。 基本理念が如何に違えど、殊「適応」に限れば 研究成果そのものに貴賤はない。違いますか。 ──ああ、その頭上のものについても、 差し支えなければ。 [円環とは世の理だ。揺れるそれを興味深く眺めながら、直青もまた宣言通りにデータの抽出と書き出しを始めた。] 情報媒体はどのような型式がご入用ですか。 * (242) 2023/11/22(Wed) 19:38:51 |
| (a62) 2023/11/22(Wed) 19:42:05 |
| (a67) 2023/11/22(Wed) 22:08:30 |
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