人狼物語 三日月国


100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】

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視点:


チャンドラ! 今日がお前の命日だ!

メモを貼った。

ミズガネと、他愛もない約束をしていた。

トラヴィスは、その冷たさに身震いした。
(t0) 2021/10/21(Thu) 22:07:49

――――

嗚呼
    


  死神。神隠し。     
  嗚呼 なんという不敬。なんという冒涜。

嗚呼
    


  其の不遜たるや 此処に極まりなし。

嗚呼
    


  愚かな真似を。   
  神を名告るでは 飽きたらなんだか。
 

嗚呼
    


  嗚呼 嗚呼 嗚呼
    


  
嗚呼!!

我が金烏を
  勾引かそうなぞ!!!!!!

 

メモを貼った。

メモを貼った。

クロノに言伝を頼んだときのことを思い出す。

シトゥラにノートを借りた時のことを思い出す。

アマノからもらったビスケットの味を思い出す。

ゲイザーが自分のために使用人にお願いをしてくれた、その後ろ姿を思い出す。

キエが開いてくれたパーティのことを思い出す。

ポルクスがとても心配をしてくれた事を思い出す。

テラに貰った、楽しい時間を思い出す。

館の時間が好きだった。

例え夜が来なくても。本物の月がなくても。

ただみんなの優しさに、甘えているだけだったから。

今度は自分から知りたいと、そう思ったのは、あれが1番最初。

トラヴィスは、一歩、舞台に上がった。
(t1) 2021/10/22(Fri) 6:57:36

………
……


「身勝手なもんだなァ…」

金烏の怒りを感じたキエが抱いた感想は呆れと煩わしさの2つである。

「自ら歩こうとしないのだから勾引かされた事に寧ろ感謝するべきだと思うがねェ。神は何時何処に行っても身勝手なものだ。
 気に入らないなら大洪水でも起こしたまえよ」

キエは自身を否定する手立てが限りなく少ない事を知っている。であるから敵意を向けられても感じるのは呆れと煩わしさだけだった。

「嗚呼面倒くさい、僕らだって逆らえる立場ではないというのに。
 なァ、リーパー君?」

キエは中庭での出来事を知らないが故に呑気な呼びかけをした。

メモを貼った。

メモを貼った。

/*

誤字に今気付きました。
“金烏”ではなく“日輪”の間違いです。sorry!

メモを貼った。

メモを貼った。

 

そこには 誰もいません。
 

 

そこには 誰もいません。
 

 

そこには 誰もいません。
 

 

けど ナニカ はいます。
 

 

何かしらをやろうとして 何かしらを言おうとして
 

 

 
 

 

この時は、何もしませんでした。
 

 

何も、
出来ませんでした
 

 

 

 

 

ナニカ はどこかへ 行きました。
 

/*
ハローハロー、あなたのベル記(思い込み)、当方です。
デイリー匿名メモポルターガイストも出来る気分でなかった浮遊想でした。

当方、引き続き『
透明な描写
』を続けますが、本窓が見えている方は特筆がなくとも、任意の箇所を『半透明な描写』として認識していただいてOKです。

何かあれば都度聞いていただければ〜〜! とりあえず今日もLoveを振り撒いておきます、キャッキャッ  ٩(ˊᗜˋ*)و


>L0

 

「 
え? なにこわ。探偵さんにこの文言で呼ばれたくなくない??
 」
 


 

「 
あ、なんかくたびれてる?? 大丈夫???
 」
 

「…………」

その時、リーパーは苛ついていた。
キンウという少女が神隠しされたようだけれど、
おまけに自らの名を呼んだようだけれど。

自分は関わっていないから、知ったこっちゃあない!
あとまだ話したこと無いし!

──同じ、館の協力者ではあるけれど。

「あー、イラつく!
 なァあのゾズマとかいうやつ殺そうぜ!
 
 オレが殺人鬼ってこと、バラしちまった。
 だから知っているやつを全員殺す必要が有る!
 今までやってきたオレたちなら、簡単なコトだろ?」

そうして、また襲撃の提案を行う。
今日は永劫に続くと思っている。
”館の協力者”という安寧に、罅が入ったことすら考えない。

「……それに、アイツ。オレを見ているようでムカつくし」

「オレ“たち”ねェ…僕ァわざわざ殺す必要も無いし血など流していないよ。其処は一緒くたにしないでくれないか」

キエにとって殺人とは林檎を木の根から引き抜く事と同義である。人が死ぬ事を嫌だとは思わないが歓迎もしていない。
其れでもリーパーの凶行に口を出さないのは、此の館において其れが“神隠し”という自分達に与えられた役目に繋がるからだ。

「良いんじゃないか? 君の事だから放っておいても役目とか関係無くゾズマ君を殺してしまうだろう。
 
だったら今のうちに
行ってきなさい」

キエは夜の気配を薄らと感じている。

「あ〜〜? 色々引っ掻き回してるのテメェだろ。
 オレとオマエは一緒だよ!」

リーパーにとってはそうだった。同じ悪党同士。
あなたにとってはきっと違う。

オレ利き手怪我してんだよ!!

 ゾズマの野郎にやられて……。 ナイフが握れねえ。
 毒殺? 刺殺じゃねェと意味がねェ!」

──即ち。今の殺人鬼は、無力だ。

リーパーは華奢な女ならぬ膂力を持つが、
それは脳のリミッターが動いていないということ。

あなたと違ってどうあがいても人間だ。
怪我が治るまではろくに首も絞められない。

「つまり僕に殺せと? 人間を?」

「…………」

キエは気が短くはないが長くもない。粗暴でもないが温和でもない。感情の起伏というものが乏しくもある。

しかし――……

自分の在り方を変えようとしてくるならば其の限りではない。

 
「お前が決めるな。」

 

「殺したいなら君が殺しなさい。
 利き手? 知った事か。其れが僕に何の関係があるんだい。
 刺殺? 知った事か。君の在り方を押し付けるな」

キエは不確かな存在であるが故に生死の概念を持たない。だからこそ自分の在り方を自分で定めなければキエはキエでなくなってしまう。

「………
いいね?


「…………」


「……オマエさ、ひとのこと『お前』って言えるんだな」

 
 


 
なァんだ、こいつもオレと一緒じゃん!


 

「そりゃそうさ、言葉を知っているからね。
 しかし其れは答えになってないなァ?」

キエは喜びを知っているし悲しみを知っている。
キエは愉悦を知っているし憤怒を知っている。
キエは感情を持たないが、喰らってきた数多の夢から確かに感情を知っている。

此れを知っているのは、只1人貴方リーパーだけだ。

「で、どうするの君。僕がやるなら相手は僕が決めるけれど」

「…………」

ぐぎぎ、と歯ぎしりの音。

「あァー……。ゾズマは”役目”に関わらず、
 オレが個人的に殺す。
 
 今晩の襲撃はオマエに任せるぜ。
 相手だって好きに決めればいい!」


 

 

 

 

 

「 
好きだから
 」

「 
好きだから
? 」
 

 

 

「 
知りたいって言われたから こたえただけですよ
 」
 

 

「 
それだけさ
 」
 

 

 

 

「では相手とやり方は僕の方で決めよう。只候補はあるが成功可否は判らないから其のつもりで。

 何となくだけど彼は館の理から少し外れてる気がするんだ。
 …まァ失敗したら館の主人のせいさ。もっと便利で強大な理を僕らに与えなかったのが悪い」

先程見せたキエの怒気はすっかり霧散し一滴も見当たらない。代わりに役目に関わらず自らの意思で殺人を計画するリーパーへの感心が隠れている。
キエは殺人を好ましく捉えないが、自ら考え決意し行動に移す者は好ましいと捉えるからだ。

「また何か在れば伝えるよ。互いに運が在ると良いねェ?

 ……いってらっしゃい、リーパー君」

キエは名前を呼ぶ。名前こそが存在を示す証拠であると考える。



……
………

トラヴィスは、本当はまだ怖い。けれど、
(t2) 2021/10/22(Fri) 20:29:52

トラヴィスは、舞台へと、もう一歩。
(t3) 2021/10/22(Fri) 20:30:03

【見】 舞台人 トラヴィス


かつ、かつ。
硬い靴底が、床を鳴らす音。
それは広間へ辿り着くと、一際大きく鳴らされた。


「さあさあ皆様、御立合い!」



知る人ぞ知る、とある劇団の街頭即興劇ストリートアクトが始まる合図。


「『僕はしがない吟遊詩人。
 国々へ詩を朗唱して歩くとはよく言ったもので
 夢に縋り、霞を喰い、毎晩酒に浸る……そんな日々さ。』」

よく通る声。
それは広間に留まらず、館内へ響いていく。
強く耳を塞ぐでもしなければ、小耳には挟む事となるだろう。
(@2) 2021/10/22(Fri) 20:32:40

【見】 吟遊詩人役 トラヴィス



「『昨晩のことはよく覚えていない、
 それで良いのさ、
 詩人は気ままに生きるものだ』───詩人は己に言い訳を繰り返し、
 自堕落な毎日を繰り返していた。」


瓶を掴むかのように、荒く何かを飲んでは投げ捨てる動作。
ありもしない帽子を深く被り、目線を隠す。

持ち合わせていない竪琴に手を伸ばしては、ため息を吐く。
正反対の鴉のような黒髪を掻いて、
道行く物を睨み付け、世に希望を見出していないような眼差し。

男の身なりは
それらとは正反対の煌びやかなものだが
立ち振る舞いは、
まさしく廃れた吟遊詩人を幻視させる程であった。
(@3) 2021/10/22(Fri) 20:37:42
トラヴィスは、広間から、廊下へ。廊下から、館の何処へでも。
(t4) 2021/10/22(Fri) 20:38:37

【見】 吟遊詩人役 トラヴィス



「吐き捨てるような日常の最中、詩人は一人の少女と出会う。
 パイを焼く事だけが取り柄の少女だった。
 『嗚呼、嗚呼、この子の笑顔こそが僕の人生に射す光だ!』
 けれどもそんな幸福も、長くは続かなかった。」


大袈裟で、加筆の多い即興の朗読劇。
脚本は紙切れ一枚きり。
演出は全て、男の頭の中。

舞台上から、観客席の誰もへ声が届くように。

時にすれ違う貴方の手を取って、
時に出くわした貴方の頬を撫でて、
時に貴方の背を追いかけて、その手の甲へキスをして。
(@4) 2021/10/22(Fri) 20:41:23
トラヴィスは、館中を自らの舞台へ。
(t5) 2021/10/22(Fri) 20:42:23

【見】 吟遊詩人役 トラヴィス


「『少女は断末魔だけを僕の耳へと届かせ消えた。
 僕は知っている、死神が少女を奪ってしまったと!』」


この即興劇の登場人物は当て書きだ。
詩人ミズガネ少女ゲイザー。それから、


「『どうか君達にお願いだ、
 死神が死者の国へと帰るよう、願ってはくれないだろうか?』……嗚呼、自分でどうにかしろって?」


少女の内に秘められていた死神リーパー


「仕方ないじゃないか、
 『だって僕は───
既に死神に殺されてしまっているのだから。

 僕に出来る事は、こうして透明な詩を叫ぶのみ。』」
(@5) 2021/10/22(Fri) 20:44:02
トラヴィスは、見えない誰かの想いを繋ぐ、伝達人。
(t6) 2021/10/22(Fri) 20:44:48

【見】 吟遊詩人役 トラヴィス


……舞台人が語り歩いたのは、そんな純粋な物語真実だった。


「『少女は苦しんでいた筈だ、今となっては僕には分からない、
 けれども、嗚呼───
この詩が聞こえる者達よ!
』」


託された想いを、願いを、
舞台人は屋敷中へと届ける。


「『どうか少女を、救ってやってはくれまいか─────………』」


詩人ミズガネは、少女に潜む死神にリーパーに殺された。
詩人は姿を隠された今となっても、少女の声を無視したくないと、救いたいと願い、笑顔を望んでいる。
託された螺子を巻かれたから、演じている。


汗が流れ落ち、呼吸が荒む。
演じる事は──やっぱり、どうしたって、心から楽しいと思えた。
(@6) 2021/10/22(Fri) 20:47:07
トラヴィスは、館内を一周して、広間へ。「有難う御座いました!」
(t7) 2021/10/22(Fri) 20:48:02

ポルクスの望みを叶えることは出来ない。それを申し訳なく思う。

夢を見る前、キエの言葉を思い出す。月はとても高い、寒いところにある。

メモを貼った。

メモを貼った。

――青草に透けて、ころりと横たわる少女がひとつ。
規則正しく上下する胸。眠っているのだろう。

ここで“神隠し”にあったものとまごう様態。

日輪に隠された。

その劇を見た。
その男を見た。
その空間を、その空間を彩る全てを見た。

「……っ」

目を奪われる。
自分が頼んだものよりも遥かに大きく、遥かに引き込まれる舞台が目の前に広がっていた。

自堕落に溺れていた心の中に、かっと熱くなるような高揚感が灯っていく。

嗚呼……嗚呼。
そう、そうだった。
己の憧れはそういう存在だった。

メモを貼った。

帽子を深く被り直して、俯く。
熱くなる心のままに泣いてしまいそうで、表情が崩れてしまいそうで。

誰に見られるわけでもないのに、そうしたかった。

「トラヴィス……ありがとう」

暫くの間、広間に立ち尽くしていた。

そこに居ない。

どこにも。誰の目にも届かない。

夢を見ていた。誰もいない、触れたいものにも触れられない、高くて寒い宙の夢。

夢から醒める。「おはよう」と、声がした。

「…………」

目を醒ましたわたしはまず、あんなにこびりついていた
寒さ
がなくなっていることに気付く。

身体を起こして辺りを見回した。
彼の姿がどこにもない。
部屋に戻ってしまったかしら、とそう思った。

「……?」

そしてもうひとつ気が付いた。
あんなに毎日お腹を空かせていたのに、その空腹感がどこにもない。
けれど夜が来たというわけではなさそう。
わたしは魔法がまだ使えない。

「……行かないと」

置き去りにしたいくつかの約束が待っている。
違和感に不安な気持ちを抱きながら、わたしはドアノブに触れようとした。

触れようとして、すり抜けた。
予想なんてしていないものだから、わたしは扉もすり抜けて転んでしまう。

廊下を、使用人が歩いていた。
使用人は、部屋の外で転んだわたしに構うことなく、廊下を横切っていく。

「​──​──え?」

何が起きたかわからなくて、すぐに起き上がることができなかった。
そうする間にも使用人、来賓、数名の往来がある。

その誰ひとりとして、わたしを見る人はいない。
背筋が凍るような心地がした。


多分また、酷い顔色をしているのだけど、それを指摘してくれるポルクスもいない。
ようやく立ち上がったわたしは、広間に向かうことにした。

莫迦ではないから、人とすれ違う度、状況を呑み込んでいく。
どうやらわたしは、誰にも見えていないみたい。

広間でわたしは彼らの姿を探す。
人混みもすべてすり抜けるから、動きやすいといえばさすがに楽観視が過ぎるかしら。

そう、わたしは冷静だった。
なぜか
ぬくもり
をずっと感じていた。
それがなければ、もっと取り乱していたかもしれないけど。

わたしは探す。
わたしに気づいてくれる人を。
少しそそっかしくて、一生懸命なお友達の姿を。
夢の中にまで会いに来てくれた、白い鴉の姿を。
いつの間にか隣からいなくなっていた、優しい、彼の姿を。
大きくてふわふわいつも浮いている、不思議な彼の姿を。

探している。広間を、中庭を、館中を。誰の目にも触れなくても、今のわたしは孤独じゃない。

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス


男は、観客から──客演として踏み出した舞台を、
そうして降りた。

詩人に螺子を巻かれただけのくるみ割り人形は
螺子が回り切ったら、煌めく時間はもうおしまい。


広間の、いつもの円卓の一席へ
優雅さの欠片もなく腰を下ろす。
使用人に用意させるのは暖かい紅茶ではなく、ただの水だった。

「………や、長いブランクを抱えているにしては
 悪くない演技だったと思うんだけど。
 なにぶん脚本家が素人なもので。」


ユピテルの方へと視線を向ければ、
疲労の中、はにかんで手を振った。

「ね、ミズガネの竪琴、
 私にも触らせておくれよ。」

言外に、己は詩人と意思疎通を果たしたと知らせながら。
(@7) 2021/10/22(Fri) 23:36:23

 

「 
  
適任? ふふ
 」
 

 

「 
傲慢もいいところだなァ?
 」
 

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス

>>21

宇宙服のそれを一瞥。
0番から降りた男は、もう舞台に興味はなかった。

御伽噺空想で結構さ。
 感想、解釈は自由だからね。
 けれども………そうだな、」

ちらり、と何もない広間に立ち尽くす場所へ視線を向けて、戻す。

「───詩人に直接聞いてくれないか?
 ……なんてね。冗談だよ。
 主演俳優の解釈で良ければ、話せるけれどね。」
(@8) 2021/10/23(Sat) 0:12:32
 

「 
君が ──に 何を出来るって?
 」
 

ポルクスは目を覚ました。

泡沫の夢のよう。
宙に漂いながら俺は見た。

――被害者の顔をして泣く少女。


    
可哀想だ、ごめんねと思う。


――夢の中でも何かを探しさまよう夜の少女。


    
ありがとう、その温もりを手放さないでと思う。


神隠しの顛末にしては陳腐だろうか。
俺の身体は一線を画するこの空間にすら降り立てないらしい。

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス

>>25

「そうだな………、」

顎を撫でる。腕を卓上で組んで、長い足をゆるりと組み替えた。

「不器用な詩人には、どちらも救うなんて不可能だから
 他の全てを捨てて、一番大切な少女を選んだんだろう。
 決して死神だけを見捨てた訳じゃない。」

自分だって、きっとそうする。
大切な者達が危険に脅かされた時。
それら以外を捨てる覚悟は─────………覚悟、は、……


かぶりを降った。
脱線している場合では無い。

「死神は……そうだな、一線を超えてしまったからね、
 因果応報。救われる可能性は低いんじゃないだろうか。
 君達は神にでも願って、死神を隠せ投票すればどうだい?」

これは詩人の意思では無い解釈。

以降の舞台に演出は加えないし、その結末は自分の知るところでは無い。
とても無責任な、たった一つの意見であった。

「けれど、この戯曲の結末は、
 君達次第で喜劇にも悲劇にも姿を変えるよ。
 舞台の上の君達よ、どうぞ悔いのない選択を。」
(@9) 2021/10/23(Sat) 1:27:04

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス

>>29 ユピテル

「そう」

短い言葉。
代わりに表情に、喜色が余す事なく溢れている。

「居ないよ。
 私を一番輝かせてくれる脚本家は、もう私の側には。」

普段ならば、発さないであろう言葉。
他人の言葉を吐いた後だからか──それとも、この数日で貴方から受けた眼差しのお陰だろうか。
今だけは、少しばかり素直になれた。

汗を拭って貰えば、
やっと有難うと礼を言う。

「君が持っていると聞いたんだ。
 つまりそれは、その竪琴に触れても良い証左だと思わないかい?
 けれども、そうだね、壊すつもりはないよ。
 ……弦を張り替えてやるつもりさ。
 それは私にとっても必要な事だから。」

その瞳に、曇りはない。
貴方の信頼に報いることが出来ると、自信を持てる程に。
(@10) 2021/10/23(Sat) 1:39:59

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス

>>31

「道化で結構さ。ご都合主義で上等。
 芸術と愚鈍は紙一重とも言うさ。
 嘲笑の一つくらい、想定内だよ。」

男も、からからと笑った。
二人が笑い合う、それはそれは穏やかな空間だった。

「君がこうして舞台に降り立って、言葉を発した時点で、
 『興味を惹く』狙いは、既に果たされたからね。
 これで良い、私はとても無責任な主演見学さ。」

男の目的は、詩人の言葉を多くの人に伝えることであって、
少女や死神を救うなんて事は関係がなく、どうでもいい。

それの更に先──大衆に受ける事などは視野にない。
最も貴方は、それを理解した上で、
ただ引っ掻き回したくて述べたのかもしれないけれど。

それよりも無反応が一番の批判であると、男は考えている。


「また観においで。次があるならね。
 君は貴重な感想をくれた観客だから、
 その時は、とびきり良い席をご用意させてもらうよ。」

消えるそれを、見送った。
男はどこまでも穏やかに、貴方を見ていただろう。
(@11) 2021/10/23(Sat) 3:00:11
「……トラヴィス。礼を言う。
 …………前のことは一生根に持つが、この恩もまたきっと忘れないだろう」

舞台人の一挙一動を見届けて、独り言つ。
皆が同じように願ってくれるか分からないからこれは賭けだ。
でも、「願えば何かが変わるかもしれない」という予感だけは男の中でほんの少し芽生えていた。
揺蕩っていた夢の底から、少しずつ浮き上がってきているのだろう。


「リーパー。俺を殺して満足したか?神隠しに遭わせてしまえば何も出来ないと思ったか?
 俺が壇上から引き摺り下ろされて大人しくしている人間だと思ったなら。

その身をもって考えを改めることだな、ご愁傷様。
自堕落に溺れる俺を動かしたのは、お前だよ」


男は身勝手な性格で、身勝手な理由で動く人間だ。
だから、どこかの宇宙服に身を包んだ男にもし問いかけられたとしても、「俺が救いたかったのは少女だから知ったことではない」と述べるだろう。
……
少女が『彼も救いたい』と願うなら話は別かもしれないが。

今その少女は、眠りについたままだ。

「本当はお前のこと、もっと知れたのならよかったんだがな」

「少女の内側に潜む殺人鬼。題材としては非常に面白い。
作家はそこからミステリでも悲劇でもなんでも膨らませるだろうし、詩人ものびのびと感情を乗せて歌い上げるだろう。

でもな……」


「すまないな」

「女を傷つけ苦しめる奴の物語など、俺は死んでも歌えない」

メモを貼った。

ユピテル

「……ユピテル」

男は振り向かない。貴方は自分と再会した時のように目を閉じているのかもしれないと予想はつくけれど、それでも、顔を合わせる事ができなかった。
断末魔を上げる少女を見捨てる事ができなくて、どうにか考えて動いた結果だ。後悔などしていない。
……けれど、自分だって事情を何一つ聞いていない。

「……いいや、知らない。
 俺だって、聞けるなら聞きたいさ。
 あいつに殺された瞬間はまだはっきり思い出せる。死ぬほど辛くて苦しくて、今も思い出すと怖くて仕方がないけれど」

 誰にも見えないくせにッ! 
 オレと同じ、ひとりぼっちの癖に!!


「……救えるなら、救ってやりたいよ。
 その判断をするユピテルを、俺は否定しない。許さない筈がない」

頭の奥で、かすかに聞こえた似た者同士の残滓が響いている。
殺人鬼の苦しみを完全に理解する事が出来なかったとしても、ひとりぼっちの苦しみは、自分もよく知っている。

……けれど。


「でも、もしそれで、ユピテルが危険な目に遭ったら?」

自分はユピテルのように多くの為に心を砕く事ができない。
自分は親しい者を優先する。酷く身勝手で、ろくでもない人間であることは自覚している。

「もしそれで、お前が襲われて死んでしまったら?」

「そんな考えばかりが、頭に浮かんでしまうんだ」


「お前が死んだら俺はきっとあいつを一生許せない。
 例えお前があいつを救ってくれと願ったとしても」

「俺自身が死ぬことより、お前が死ぬほうがたまらなく怖くて苦しいよ、ユピテル」

消え入る声で呟いた。「本当に、身勝手でごめん」

顔を上げる事ができない。

メモを貼った。

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス

>>33 ユピテル

貴方の視線に問われれば
口元へ人差し指を当てて「秘密」と告げた。

そうして竪琴を受け取って
少しだけ躊躇ったのちに、
貴方の頭へ手を伸ばし、撫でました。

「有難う。
 さっきの舞台の公演料なんだ。
 彼の竪琴の音色がね。
 42弦、余す所なく錆びているから
 こうする他ないだろう?」

貴方にとっても大切であろう竪琴。
まるでそれの様子を以前から知っていたような口振り。
しかと手中に収めれば、びょんとそれを鳴らしてみた。
男には、竪琴から綺麗な音を奏でる事は出来ない。調律の知識が少しあるだけだった。


音を整えようと、席を立つ。
それ以上は何も言わない。
男は、この宴の終わりが近い事を、何度も見聞きして知っているから。
恐らく最後くらいは、此方から。

「……またね」
(@18) 2021/10/23(Sat) 8:40:18
トラヴィスは、キエを一瞥して………、
(t11) 2021/10/23(Sat) 8:44:49

トラヴィスは、何も言わなかった。
(t12) 2021/10/23(Sat) 8:44:56

――人はポルクスを称賛した。

    
心優しい王子様だと。

――人はポルクスを称賛した。

    
見目麗しく天才だと。

――人はポルクスを称賛した。

    
神の血を受け継いだ特別な子供だと。


そんなものは嘘だ。
俺は優しくはないし、努力をしただけで天才などではない。
ましてや神の子だなんてありえるわけがない。
俺はただの王の子であり、人間である。

全て特別な力を持って生まれた兄が受けるべき称賛だったはず。
兄が受けるべき寵愛だったはず。
死者に干渉する力というだけで忌み嫌った者たちが自分にはわからない。
我が半身は、力を持った特別な人間だったというのに。

             
片 思 い

  俺の心はいつだって 一方通行 だ。

わたしは彼を探している。

ふたりがひとりだったなら、きっとわたしたちは出会うことはなかった。

頬に触れた手と、この
ぬくもり
は似ているように思う。
だからかしら、胸騒ぎがして。
だってあなたはどこにもいない。

​──わたしはあなたになにかしてあげることができた?

あなたはわたしに優しくしてくれた。
わたしはあなたに何も返せていない。

あなたの望みは叶えられない。
わたしでは、叶えてあげることはできない。

でも。わたしがあなたにできることは、本当にそれしかないのかしら?

わたしは探す。
わたしは彼を探している。
そしてわたしは、わたしにできることを、探している。

メモを貼った。

ようやく俺は地に足が着いた。
そこは館の外の中庭の、あまり人目につかない外れの方。

兄の残り香が……強い。

本来のそこにはないものが、この空間には確かに残されている。

薄紅色の花びらが舞う大輪の桜の木。
そして残されたおびただしい――――――血の跡が。

「これは兄さんのものではないな」

では何故だろうか。
血の跡を一瞥し、桜を見上げると、
ひらりと舞う桜が一枚、鼻の上に止まった。

――――――あ。


「これだ……」

桜の花びらから確かに漂う残り香と、兄の気配。
木に背を預けて目を閉じると、不思議と知るはずもない成長した兄の姿が映し出された。

やはり兄は、この館に来ていた。

「――――――ずるいよ、兄さん」

何に対してそう形容したのだろうか。

ただわかるのはカストルという双子の青年は、必要としあえる相手と出会ったということ。
そしてポルクスという双子の青年は、ひとり残されたということだけだった。

 

「 
ふふ
 」
 

 ポルクス

わたしはあなたを探している。
まだ自分ができることは、わからない。

それでも、あなたを探していた。
いだいた
ぬくもり
は、まだ、手元にある。

「……?」

広い中庭の隅、見たことのない、桃色の木。
わたしの知っている木は、みんな緑の葉を茂らせたものだけど。

足を止めたわたしは、そこにあなたの姿を見つけた。
まだ自分ができることは、わからない。 でも

「ポルクス……?」

木の根元に広がる赤い液。
あなたのものじゃ、ないのでしょう?
遠くで見ても分からなかったから、わたしは恐る恐るとあなたの名前を呼んだ。

ユピテル

唇を噛む。自分だって彼女の言葉に助けられた。死ぬことを躊躇わず何でも言えるその姿勢が大きな魅力であることはよく知っている。

何も言えなかった。
貴方の言う通り、今の貴方を作る全てに惹かれたのだから。
自分の言葉に決して頷かない貴方の答えに胸が締め付けられそうになって。でも、「ああやっぱり好きだな」という気持ちが浮かんだのも確かだ。


あなたの胎の中が蠢く。
どどめ色の極彩色から、逃げ回る素朴な光。

ゲイザーには聞こえている。
それらの愁傷、苦悩、寂寥、憎悪、絶望──その声が。
その中の、僅かな後悔──その声が。

あなたは周到な手段で目的を遂行する。
相手の合意ありきで行動する。
けれど、誘われたのはリーパーの方だ。
ゲイザーは何も聞いちゃいない。 ⇒

ユピテル

「ユピテル」

もう一度名前を呼ぶ。
立ち上がり、振り返る。

自分がしたいのは愛することであって束縛することじゃない。
本当はついて行って後ろから死神の彼に睨みを利かせてやろうかとも考えたけれど。
それで彼女が聞けたいことも聞けなくなってしまうのは本意じゃない。

「信じてる」


でも、それだけじゃ足りない。

「『自分がこうしたい』と思ったことをしてくれ、ユピテル。
 俺はどんな選択をしても、お前を応援しているから。

 お前が道を選んで進むことを、自分のことのように嬉しく思えるのだから」


ずっと迷って傷ついている貴方を見たが故の言葉。
言葉を重ねながら、拒まれないのなら抱きしめる。もう寒さはどこにもない。氷のような冷たさは、貴方が溶かしてくれたのだから。

我儘を通した罰で動けないのなら此方が許しを与えるまでだ。

そして、ゲイザーは。
物語のヒロインでも、守られるだけのか弱いお姫様でもない。

リーパーがゲイザーなら。
ゲイザーだって、リーパーだ。

『……さん!』


『キエさん!! 聞こえていますか!!!!』


ゲイザーは怒っている。
あなたの胎の底で逃げ回るならば、
あなたの声だって聞こえている。
語りかける寝物語も、その全てが。

『あたしあなたのこと許しませんから!!
 出してください、ねえっ!!』

『あたし、謝らなきゃいけないことがあるんですっ!』

『ミズガネさんに』

『チャンドラちゃんに』

『……リーパーに!!』

『そのどれもが、あなたのお腹じゃ成し得ない!
 リーパーと会えるのがあなたのお腹の中なら」

『あたしたち二人揃って神隠しされて、
 だれにも見えなくなったほうがずっとマシ!!』



『リーパーが頷いたからこうしたのは知ってる!』

『でもあなた、ムカつくんですよ!!』


それは正当でもなんでもない。
不当な怒りだ。

『出してくれないと
あなたのお腹蹴っ飛ばしますよ!!』


あなたは自らを定義し、そして同時に人に定義される。
人と共生することで生き永らえる存在だ。
だからこそ狡猾に動く。

ゲイザーは特別だ。記憶じゃない。
確固としたひとつの人格があなたの胎に治まっている。
だから反抗を成し得た。

この館で、願いは魔力となり力を持つ。
館の魔力を無自覚に用いて、ゲイザーは外に出たいと主張する。

さて、どうなる?
これは人ならざる怪物と、最早人の形を持たぬヒトの力比べだ。

 チャンドラ

声をかけられそっと目を開ける。
あなたの姿がわかれば、にこりと笑みを浮かべた。

「ここは不思議なところだね。
 チャンドラまで居るとは思わなかったな。
 これが神隠し……?」

花びらがひらりと舞い、二人の間に1枚、2枚と落ちてゆく。

「もう動けるようになった?
 寒くなくなったなら、良いんだけど」

 ポルクス

よかった、この赤はやっぱりポルクスのものじゃない。
安心したわたしは、少しだけ緊張を緩める。

「あなた、わたしが見えるのね。
 ……目を醒ましてから、わたしのことが見える人、ほとんどいなくて」

それが神隠しなのでしょう。わたしは頷く。

「もう、寒くないわ。
 むしろ少しあたたかいくらい。……不思議ね」

 チャンドラ

「見えるよ。不思議なことを言うね、館にいる皆には俺達が見えなくなってるの?」

未だ館に入ってない俺にはその現象がわかっていない。
けれどもこれが神隠しを経た空間だというのなら、そういうものなんだろうと納得だ。

「寒くない。……そう、それならよかった」

願いは聞き届けられたということだ。
驚いた様子も、ホッとした様子も見せることはなく。
理由を告げるつもりはないのか、静かに答えるのみだ。

 ポルクス

「ええ、その通りよ。
 誰にも見向きされなくて、最初は驚いたものだけど」

わたしは目を閉じる。
そうすると、この
ぬくもり
がより強く感じられる気がして。

「ひとりじゃないって、思えたの。
 あなたのことも、思い出したわ」

この
ぬくもり
は、あなたの掌にとても似ている。
あなたがわたしに無償でそそいだ優しさに、とてもよく似ている。

無償でしょう? あなたが言った通り、あなたの望みを叶えるならば、わたしに酷いことをするべきだもの。

「君に許されなくたって僕が僕を許すんだから其れで良いんだよ。人間は本当に身勝手だなァ…君達の都合に僕を付き合わせないでほしいね」

キエは胎の底から聞こえる声を聞き流していた。其れは自分が得意とする夢の世界待宵館にいるからこその余裕であり慢心でもあった。

“人格を喰らうのは僕も初めてでねェ。
 咀嚼に時間がかかってしまうだろうがそこは許してほしいな”


此の言葉に嘘偽りなくキエが胎に人格を収めたのは初めての事である。意思を持つ食べ物など初めて口にしたが故に胎の中から抗われた事も初めてだ。
だからこそ、此の展開をちっとも考えていなかった。
未だ“ゲイザー”に此処まで意思が残っているだなんて思っていなかった。


ぅえッ


キエは初めて吐き気を催す。

キエは嘘吐きであるし数え切れない程の嘘を吐いてきたが幾つか本当の事がある。其の内ひとつが食の細さだ。
大食らいでないからこそ此の在り方に馴染んでいる。

性でもなく感情でもない力が胎で溢れれば直ぐに許容量の限界は訪れてしまう。

「ちょ、
ちょっと
待って!


「待って、本当に待って………此の儘だと
全部出る
。君以外の感情も全部を撒き散らしてしまうよ、其れは望む処じゃあないだろ…」

此の小さな箱庭で禍根を全て零してしまえば結果は目に見えている。此れまで散々見せて来た高圧的な態度は今や見る影もない。

あのキエが、心底から焦燥している。……効いている!

「ええっ!?」


だが思わずゲイザーはその足を止める。
それが嘘じゃないのはわかった。胎動している。
このおどろおどろしい、感情のひとつひとつが。

その中にはきっとリソースとなったトラヴィスや、
ほかゲイザーも知らぬ契約を交わした
ゲストたちの記憶が混ざっている。

「そ、それは困ります……。けど、そうは言われたって!
 ……どうすればいいんですか!」

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス


4日目、その日の夜。
出番を終えた客演の男は、広間の隅で竪琴を抱えていた。
使用人を呼び付けて、弦やら何やらも用意して。
言葉の通りにメンテナンスをしてやるつもりだ。

待宵館の夜は近い。
それをひとり、肌で感じながら。

抱え上げて、品定めするように琴を見やる。
……成る程、なかなか悪くない楽器だ。

紅茶でも、と使用人を探して辺りを見渡し、
ちょうど貴方と視線が合った。



「……やあ、プルー。
 使用人が見当たらなくてね、
 悪いのだけど、紅茶を頼めないか?」
(@19) 2021/10/23(Sat) 18:34:00
胎の底から1匹の鰐が浮かび上がると其の背中はゲイザーの足場になった。

「はいはい、出してあげるから大人しくしてなさい。…で、何処に出るの君」

鰐が発する声はキエのものだ。此の鰐が“キエ”だと夢を見ているゲイザーならば判るだろう。
鰐はゲイザーを乗せてゆっくりと感情と記憶の沼を泳いでいく。
………そう、沼だ。ゲイザーは人格であるから直ぐに混ざらなかったというだけで、本来胎の中は泥濘のように混ざっている。此処から特定の何かを掬い上げる事など砂浜から一粒の砂を探し当てる事に等しい。
何処かから赤ん坊の泣き声が聞こえる。


「君達が勝手に持ち込んだ魔力とやらを使わせて貰うからね。君も出られるんなら文句無いだろ?」

キエの行動は酷くあっさりとしていた。此処から出る為の試練も無ければ課題も無いが其れが“キエ”だからだ。

簡単には絶望をしない。

賢者
に似て、非なるもの。

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス

>>@20 プルー

少しだけ不安そうに見送ったが、それは取り越し苦労になった。

「うん、嗜む程度には。惚れなおしたかい?」

正面に腰を下ろす貴方を見る事はない。
真剣な視線は、琴だけに向けられている。

──ぱちん。
既に張られた弦を切り、小さな紙袋から新しいものを取り出す。

手に取った弦の先を小さく結んで、
胴側からピンに引っ掛け通す。

上部を指先でちまちま触って、引く。
それの繰り返しだ。

これが錆びていても、そうでなくても。
男はこれを42度繰り返すつもりだ。


「……あまりこの辺りの物には触れないようにね。
 混ざってしまうから。」

切る、通す、引く。

「丁度、話し相手が欲しかったんだ。
 どうだい、プルー。この数日は楽しかったかい?」
(@21) 2021/10/23(Sat) 19:28:49
チャンドラ

「俺達は死んだのかな。
 神隠しに遭った者が帰ってくることはあるようだから、生きてるのかな。
 これが死後の世界だというのなら、悪くない」

痛みも苦しみもなく死ねたというのなら、これ以上の死に方はきっとないだろう。

「けど……俺だけじゃなくて君もここにいるというのは良くないね。
 思い出してもらえたのは嬉しいけど……君は、もっと生きるべきだ」

底冷えする寒さがあるわけではないが、今、自分には一欠片の
ぬくもり
も存在していはいない。
自分の魂は兄のものだけど、
ぬくもり
だけはあなたに遺して行こうと思ったことは後悔もしていない。

そこに取引も駆け引きも欲望も、ひとつもありはしない。
ただただ一方通行の感情でしかなかった。

定義がキエを形作るとするならば、
この鰐もまた、キエの一部分なのだろうか。

ゲイザーは悍ましいアトラクションのような景色を進む。

「ま、魔力……? あたしっ、魔法使いじゃありませんし。
 よくわからないですけど……。
 わ、悪いことしないならいいですよっ!」

きっとあなたは、
”悪いことなんて滅相もない”なんて返してしまうのだろう、
そも善悪基準が人間とは違うのだから。

拍子抜けするほど簡単な脱出に、
”もっと早く声をあげればよかった”なんて思いながら。


 ポルクス

「言われてみれば。
 死んだっていう発想は、しなかったわね」

死後の世界なんてものを信じていない。
夜でないなら、わたしたちにはその権利すらない。
わたしたちは夜にしか生きられないの。

「……ポルクス。
 それはあなたは死んでもいいと、そう言っているの?」

常昼のこの館で死後の世界を信じないわたしは、自分が生きていることを疑わない。
もちろん、あなたも。

あなたの望みは知っている。
それは叶っていないと思っている。

同じくらい、叶わない方がいいとも思っている。
あなたの言葉を借りるなら、わたしはあなたに生きてほしいと思っている。



「何処にって、勿論──リーパーの中に!」


 

チャンドラ

「わからない。
 この花弁が教えてくれたから……兄もこの館に来ていたこと、館であったこと、兄が得たもの、兄が捨てたもの」

今更捨てたものを欲しなどしないだろう。
ならば俺の行き場はどこにあるのだろうか。

「でも……一度捨てようとした命だから、あまり惜しくはないかな」

「…ん、見えた」

目的地リーパーを意識に捉えると迷う事なく速度を上げた。
キエは人を導かないし救いもしないし愛していない。されど人を大切にせざるを得ない曖昧模糊な存在だ。
人によってキエは善にも悪にも成ってしまうし、キエ自身も自ら其の在り方を選んだ。其れはキエの嫌う面倒が多く在る筈なのに選んだ道だ。
赤ん坊の泣き声が遠くなっていく。


「相も変わらずおかしな事を言うねェ君は」

 
 
「―――悪い事なんて滅相も無い。」

 

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス

>>@22 >>@23 舞台袖

「へえ、驚いたよ。
 プルーと言えば私の部屋を荒らす天才だからね───と、」

寄ってくる緑色。いつも通りの光景。
ささやかな反抗を感じつつ、
スコーンへありがとうと礼を述べる。

「私が彼の機嫌を損ねてしまったんだ。」

彼女へそう苦笑混じりに説明した。
琴から少しだけ手を離して、自らの衣服の首元を緩める。

……その喉元には切り傷があった。
これが、機嫌を損ねた結果。


「……そう、そう。
 楽しかったのなら何よりだ。
 やっぱり、たまには宴も悪くないね。」

貴方が楽しかったと笑えるなら、
それは男にとっても喜ばしいことだ。


続く問いに、男は─────
(@24) 2021/10/23(Sat) 20:26:41
トラヴィスは、咳払いをひとつ。
(t15) 2021/10/23(Sat) 20:26:52

【見】 舞台人 トラヴィス




「楽しかったよ。
   久しぶりに、生きた心地がしたから。」


演じることが何よりも好きな男は、
屈託のない、素直な笑顔を見せた。
(@25) 2021/10/23(Sat) 20:27:24

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス



「けれど、
 そんな時間ももうおしまい。
 演者達彼らには秘密で、月を待とう。

 二人と過ごす時間だって、
 同じくらいに大切で、楽しいと思っているよ。」



紅茶を一口。
それからスコーンへ手を伸ばして、どの色を纏わせるか思案。
貴方達へ、オススメはどれか、と視線を向けた。
(@26) 2021/10/23(Sat) 20:30:48
 ポルクス

「……お兄さんが?」

偶然か、双子の神秘がそうさせたのか。
でも偶然にしてはできすぎていて、わたしは驚いていた。

追うものと追われるもの。
あなたとお兄さんの関係は、聞いた話ではそんなもの。
それなのに、先にこの館に来たのはお兄さんの方。
そしてあなたが追うようにここを訪れた。

とんだ運命の悪戯ね。
それともこれも、館の主の意志かしら。

「惜しくはない……あなたはそう、思うのね」

ひとつ知る。
お兄さんの影がなくなって尚、あなたを蝕むもの。
わたしが思っていたとおり、そしてあなたの話していたとおり、あなたの中のお兄さんの存在はとても大きい。

 ポルクス

「わたしはそうは思わないわ。
 命は粗末にするべきではないもの」

ひとつ知ったなら、次はわたしの番。
わたしはわたしの道徳を語る。
そしてこれはわたしだけの道徳では決してない。


「命を危険に晒しても、やりたいことがあるなら別よ。
 わたしはそれは、粗末とは別と思うもの。
 わたしはあなたに、命を粗末にして欲しくないわ」

わたしは探して欲しいと言う。
どうせなくなってもいい命なら、それを賭けてでもやりたいことを。

叶うかは、また別の話。
それでも目標のために冒険する時間は、きっと有意義なもののはずだから。

チャンドラ

「ここに来ることが俺の到達点だったとしたら、何も悔いなんてありはしないんだ」

兄と分かれた魂を一つにしようと思ったことも、君にぬくもりを遺したことも。

「ここが通過点だったとしても、
 自分がやった事に悔いはないけど。
 だけど……俺は兄さんと違って、何も見つけてやしない」

半身を捨てて、手にできるものは何もない。
俺の中に空いた穴が大きすぎて、それは塞ぎようもない傷痕。

兄に返そうとしたもの全てが、きっと今の兄には一つも必要がないものだ。

「……そうだね、これから生きる時間があるのなら……
 生きる理由を探すために生きてみるのは悪くないかもしれない」

トラヴィスは、シトゥラへ視線を向けた。
(t16) 2021/10/23(Sat) 20:58:03

 




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テラ
1回 残 たくさん

ぷわわ〜

ゾズマ
10回 残 たくさん

 

アマノ
6回 残 たくさん

 

ユピテル
33回 残 たくさん

ブイブイ〜

犠牲者 (4)

クロノ(2d)
0回 残 たくさん

 

ミズガネ(3d)
42回 残 たくさん

透明に触れたい

ポルクス(4d)
11回 残 たくさん

 

チャンドラ(4d)
16回 残 たくさん

賢者では、ないの

処刑者 (3)

キンウ(4d)
7回 残 たくさん

 

ゲイザー(5d)
4回 残 たくさん

 

キエ(6d)
13回 残 たくさん

僕は僕だよ

突然死者 (0)

舞台 (3)

トラヴィス
34回 残 たくさん

アクセルだけ踏む

シトゥラ
19回 残 たくさん

 

プルー
9回 残 たくさん

宝物はもうあるの

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