人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

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「──あてっ」

 こつり、何処からともなく飛んできた柿の種。

「………こんな時期に柿?」

 額に当たって、それから地面に転げたそれを拾い上げた。

「…まあ、そんな事もあるよね」

 拾い上げた柿の種をポケットに入れて独り言。

「ずっと一人でここに居てもしょうがないや。
 一緒に遊ぶためにはまずみんなを連れて来ないとだけど…」

「流石に一度にみんなを集めて回ったら丸一日潰れちゃう!
 アタシだって遊びたいもん、遊びながらがいいな。それに…」

「時間なんて、いくらでもあるんだから!」

/*
本日から襲撃開始という事で、念の為もう一度お知らせしておくのじゃ!
黙狼どの、襲撃先を誰にするかは自由に選んでよいからの〜〜!
妾も自由に選ぶのじゃ、でも今日は決めきれないからwho振るのじゃ
襲撃先への「あなた今夜襲撃されるかも」な予告だけ頼んだのじゃ!

「あはは……でも、いざ誰からってなると決められないなぁ」

「遊んでる間に誰って決めてもいいけど
 どうせなら、誰か決めて遊びに連れ出したいな」

「そうだなあ、じゃあ……」

 
「今日は、<<卯波>>whoと一緒に遊ぼう」
 

/*
………………………妾ちょっと現実を受け止めて来るのじゃ!

【人】 学生 涼風

 何かに導かれるように足を運ぶ。
 じわじわと体力を掠め取るような暑さに歩が緩めば、背中を押すように風が後ろから通り過ぎては追い越していく。

 蝉の歌に林の囁き、夏の合唱に少しずつ人の声が混ざってきた。気づいてしまえば止められない。暑いからと言い訳をして緩慢だった足取りが、早足へ、最後には半ば駆け足のようになって川辺へとやって来る。

「……凄いな。おばあちゃんから聞いていたけれど、本当に皆……集まってる……」

 ほのかに浮かんだ汗で長い髪が首に張り付く事にも目をくれず、目の前に広がる光景をただただ見つめ感慨深そうに独り言つ。

 まだ色褪せることも埃を被ることもない10年前の記憶。
その中にある面影を残して成長した、かつて世話になった人たちが目の前にいる。

 本当に、ここへ帰ってきたんだ。
(45) 2021/08/11(Wed) 13:33:25

【人】 学生 涼風

>>48 卯波

「や、卯波くん。
ちょっと遅かったみたいだね。青嵐くんや編笠くんもいるならもっと早く駆けつけてくればよかったな」

 さらっと手をあげて返した。昔よくした行動が頭を掠めて、ほんの少し懐かしさを覚える。一欠片の寂しさも。
 少年は僅かに考えたのち、自分から手を伸ばすことにした。あの日の出来事を。

 ステップを踏むように地を軽やかに蹴って距離を詰め、海色の髪を踊らせて貴方に飛び付こうとする。小さい頃とは逆の立場。避けられたとしても面白そうに笑い飛ばすつもりだ。

「大きくなったね。昔みたいに飛びついてきてくれないの?……なんてな」

 準備中であることを知ると、「じゃあ手伝いに行こうかな」とぼやきながら周りを確認し始めた。
(59) 2021/08/11(Wed) 16:03:29

【人】 学生 涼風

>>50 夕凪

 にこりと微笑む。貴方が脳裏に浮かべた人物とはきっと異なる種類の、少年の涼やかな笑顔。

「ありがとうございます。……なんて、堅苦しいか。
 夕凪姉ちゃんも凄く美人さんになったね」

 双子の弟については言わなかった。あれだけいつも一緒にいたのにいないと言うことは、きっと事情があって来れなかったのかもしれない。こんなに楽しそうなことはきっと双子で分け合うに違いないと思っていたから。

 一度戻る様子を確認すると、「気をつけてね」と心配しながら見送った。
 ほんの少しだけ眩しそうに目を細めたのは、気のせいか、或いは。
(63) 2021/08/11(Wed) 16:29:51

【人】 学生 涼風

>>66 卯波

 夕焼け色と海色が宙で踊って一回転。川に落ちずに抱きとめられたことを理解すればちょっとだけ感心した。弟のように可愛がっていたあの子はとっても成長したようだ。

「ついね、昔の卯波くんを思い出しちゃって。
 ああでも、さっきのは格好良かったな?ちゃんと受け止めてくれたじゃないか」

偉いぞ、なんて片手で頭を撫でる仕草付きで褒める。その仕草が結局、貴方を可愛い弟分扱いしている証になってしまうかもしれないが。
(68) 2021/08/11(Wed) 17:22:16
涼風は、周囲をまじまじと見てちょっとだけ瞳が輝いた。歳の離れた兄ちゃんたちの姿もあるんだな、と。
(a35) 2021/08/11(Wed) 17:23:40

【人】 学生 涼風

>>78 茜さん

 見覚えのない姿がある。でも昔から仲良くしていた人たちと一緒だし、イメージチェンジをしただけなのかも。「添木さんちの久くんが素敵に大変身したんですって」なんておばあちゃんも風の噂で聞いて話していたし。他の人も時を経てがらりと変わっていてもおかしくない。

 貴方が座る岩へとよいしょと登り、挨拶しようとして口を開く。
滝修行の話を聞いて、笑い声を聞くまでは。

「……え。もしかして……茜さん?」
(85) 2021/08/11(Wed) 19:41:25
涼風は、青嵐くん変わらずに元気だなぁ、とくすくす楽しげに笑っている。
(a47) 2021/08/11(Wed) 19:58:44

【人】 学生 涼風

>>95 茜さん

「よかった、合ってた。笑い方に覚えがあったからね。
 ふふ、茜さんこそお洒落さんになったね」

 名前を当ててもらいにっこり。喜色満面で首を縦に振った。あの頃にはなかった長い髪が動きに合わせてさらりと揺れる。

「勿論覚えているよ。青嵐くんや編笠くんと一緒に駆け回って遊んでいたのをよく見ていたからね」

 その結果泣いていた事については男子二人の名誉のために黙っておいた。室内で本を読むことは多かったが、それでも外から三人の姿を見ることは多かったし自分も好奇心のままに飛び出したこともあったから。

「……今はもうあんな風に遊ぶの、卒業したの?」

 あんな風、で川辺にいるだろうかつてのクラスメイトに視線を泳がせた。
 心なしかぼんやりした様子だったこと>>a41にそっと触れてみる。
(100) 2021/08/11(Wed) 21:34:28
涼風は、クラスメイトがトラウマいくつも抱えていないかちょっと心配になった。大丈夫かな?
(a71) 2021/08/11(Wed) 21:46:31

【人】 学生 涼風

>>138 茜さん

「誰だっていくつになっても一つや二つ変わらないものがあるんだよきっと。茜さんはその元気な部分や明るい笑い声だったんだ。
 ふふ、ありがとう。この見た目はきっと母さんからの贈り物だから、ほったらかしにして汚したいとは思わないし最低限の手入れくらいならしているけど……きっと茜さんの方が詳しいよ。オシャレは女の子の嗜みなんだろ?」

 隣の芝生はなんとやら。人形みたいと時折言われる少年は、親しみある貴方の可愛さの方が少しだけ羨ましかったのはちょっとだけ内緒だ。

「勿論。勉強禁止と言われたから暇なんだ。遊ぼうよ茜さん」

 人形めいた顔の少年の表情に悪戯心がほんのちょっぴり乗せられる。

「君の考え事も気になるけど、今はぱあっと遊ぼう。どうせきっと考え事しようにも、周りがほうっておかないさ」

 抱える痛みがどんなものかは分からないけれど、少しでも紛れればいいと思ったから。
 少年は立ち上がって微笑んで、貴方の話に乗っかった。そのまま引っ張って賑やかな方へとぶん投げてやろうとさえも思いながら。
(150) 2021/08/12(Thu) 2:36:31
涼風は、夕凪に気づき、おかえりなさいと手を振る。遊んでもいいし、ご飯食べるのが先でもいいかもしれない。
(a93) 2021/08/12(Thu) 2:53:12

【人】 学生 涼風

>>154 卯波

「それは頼もしいな。じゃあこれからは私が卯波に甘えてしまおうか?なんてね」

 飛び付いたらまた受け止めてね、なんて戯けるように付け加えて頭を撫でる手を離した。

「うん、私も会えて嬉しい。同じ気持ちだよ卯波。ここの人たちはみんな良い人たちで、みんな大好きだからさ。
 まさか大きくなってからこんなに集まっていると思わなかったけどね。……これ、絶好のシャッターチャンスが沢山あるんじゃないか?迷ってしまうくらいに」

 話しながら昔から写真好きな貴方の幼い頃を思い出す。可愛い頃を思い出したので、またちょっと口元が緩んだ。
(155) 2021/08/12(Thu) 3:30:08

【人】 学生 涼風

>>157 夕凪

「ううん、むしろお礼を言わないと。差し入れとっても嬉しいよ、ありがとう。沢山動いて疲れなかった?夕凪姉ちゃんも一息つかなきゃ」

 言葉を一つ一つ受け取っては嬉しそうに目を細める。

「私は元気。引きこもってばかりいたけど日差しも平気。姉ちゃんこそ暑い中無理していないか心配だよ」

 そこまでは淀みなく答えられた。そこまでは。

「……ううん。書けていないんだ。都会に引っ越してから、ノートに書くものなんて黒板や参考書の写しばかり。
 でも夕凪姉ちゃんは続けられているみたいでよかったよ。夕凪姉ちゃんの絵も夜凪兄ちゃんの絵も好きだったからさ、嬉しい」

 つくりものめいた顔に笑みを乗せる。ちょっとだけ、陰りを帯びていたけれど。
(158) 2021/08/12(Thu) 4:24:45

【人】 学生 涼風

>>159 夕凪

「もう。ほらやっぱり。夕凪姉ちゃんは私たちの素敵なお姉ちゃんだけど、頑張りすぎる部分があるんだよ。
 でも花守さんや彰良さんがいてくれてよかった。私が甘えてほしい!って言っても、きっと難しいだろうから」

 拗ねるように唇を尖らせるけど、すぐに小さく笑った。貴方が無理に頑張ったり、余計な気を使ったりしないでほしいと気持ちを込めて。

「賞を取るなんて凄いよ。あの頃からいつも、周りの人に二人の絵を見てほしい!って思っていたからさ。
 ふふ、自分の事のように嬉しいな。でも……」

 薄い唇をきゅっと結ぶ。

「ごめんなさい、夕凪姉ちゃん。
 大学に行っても、私はもう小説を書く気はないよ。書いたらきっと本当になりたかったものを思い出してしまうから。
 私、私ね…………」

 眉を下げて、それでもなんでもない風に微笑んで。
 言葉を綴る。なんでもない風に静かに、穏やかに。

「……もう夢を見るのは、やめたんだ」
(161) 2021/08/12(Thu) 6:08:42

【人】 学生 涼風

>>162 卯波

「それもそうかも。写真について私は明るくないけれど……ここにいる今この時は、みんな愛おしいって思ってしまうもの。全部撮りたくなってしまうのも無理はないさ」

 誤魔化された事には気づかないままこくんと頷き同意する。

「ねぇ、卯波くん。
 後で撮った写真たち、見せてもらってもいいかな。君がどんな瞬間を切り取ろうと思ったのか気になるし、素敵な情景たちを目に焼き付けておきたいんだ」

 写真は好きだ。どれだけ時間が流れても、その四角形の中は永遠だから。夢は夢のまま、色褪せない記憶を正確に伝えてくれる。
(168) 2021/08/12(Thu) 13:37:22

【人】 学生 涼風

>>165 夕凪

「もっと甘えてもいいのにな。頑張っている人は、その分甘えてもいいと思うもの」

 真似をするように自分も視線を動かして大きな体の頼もしい彼を見た。自分も後でお手伝いしなきゃなと思いつつ。

 もう一度、貴方に視線を戻す。

「ごめん。ごめんね……夕凪姉ちゃん。
 でも、私は夢を見ているばかりではいられなくなったんだ」

 零れ落ちるのは謝罪の言葉ばかり。
 少年のかんばせは作り物のように綺麗な笑顔が乗ったまま。けれど、だらりと下ろされた拳は隠し切れなかった感情を滲ませたようにぎゅっと握られている。

「私は医者を目指さなきゃいけない。
 それが父さんの望みだし、仕事として通用するか分からないものを追いかけ続ける勇気が……私にはないんだ」

 ああ、貴方と話したかったことは、こんな事じゃなかったのに。

「夢は誰もが見られるけれど、みんながみんな叶えられるわけじゃない。誰もがずっと見られるわけじゃない。
 眠る間に見る夢はいつしか覚めるし、心に秘める夢だって……いつか手放さなきゃいけないんだ。
 私はもう、夢見る子供じゃいられない」

 その言葉はいったい誰に向けて放っているのか。自分にさえも分からないまま。
 柄のない刃を握って振り回している気分だ。

 手のひらが、心が、焼けるように痛くてたまらない。
(169) 2021/08/12(Thu) 14:03:48

【人】 学生 涼風

>>170 卯波

「次はいつ会えるか……ああ、うん。そうだね。確かにそう。歩む道も年齢も、何もかもがみんなバラバラだもの。
 みんなを沢山撮っておいてね。頼んだよ、私たちの素敵なカメラマン」

 離別のことが頭にちらついて浮かべる笑みにほんのちょっぴりほろ苦さが足されてしまったけれど、すぐにまた笑顔を作り直した。
 貴方には陰りを帯びることなく、心の赴くままにカメラと一緒に世界を見てほしいから。

「それはいい。成長した卯波くんの写真を期待しちゃうね。
 それなら明日か明後日か、それより先か……暇な時あるかな?ゆっくりできる場所で見てみたいな」

 もしかしたら貴方を置いていってしまうであろう被写体は、貴方の心の内に秘めたものに気付くことがなく。
 ただ無邪気に近い未来の約束を取り付けようとする。
(174) 2021/08/12(Thu) 16:11:07

【人】 学生 涼風

>>173 夕凪

 手と手が重なる。指が触れ合う。
 少年は母親と瓜二つの姿をしていたけれど、決して柔らかくしなやかな女の子などではなく。
 一瞬落ちた視界の中に、男の少し強ばり始めた長い指と、女のゆるやかな曲線を描く細い指が映った。自分たちは成長したのだと、時間が随分流れてしまったのだと、嫌でも気付かされてしまう。

「夕凪、姉ちゃん……。わた、し、私は……」

 はく、と唇が何度も開いては閉じて。それでも言葉が音になって溢れてくることがない。
 言いたいことがいくつもあって、ありすぎて、喉の奥で詰まって縺れて出てきてくれないのだ。

 期待しながらいつまでも待たせてしまうこと。
 今ここで、はっきりと切り捨ててしまうこと。
 いったいどちらが残酷なのだろう?

「…………」

 かすかな微笑みさえも上手く装えない。完璧に隠し通せるほどまだ大人になりきれていなかった。
 決して変わる事のない貴方の思いを包んだ言葉が、泣きたくなるほど嬉しくて。だからこそ、苦しくて。

 貴方の手の中で、指がきゅっと少しだけ丸まった。曖昧極めたぼやけた答え。はいともいいえとも付かないそれが、少年に出来る精一杯の返事だった。

 今が私たち人生の中で一番夢を見ると決められるときだと思うから。
 一番楽しくて、惨たらしくて、きらきらしていて、どろどろした気持ちが溢れて止まらなくなってしまうんだ。

 ああ、決める事から逃げ出して、まるで夢の中のようなこの場所にい続けられたのなら。夢の中に溺れて沈んでしまえたのなら。

 夢の中でずっと夢を見続けることができたなら。

 どれほど幸せだったことでしょう。
(175) 2021/08/12(Thu) 16:58:10
 




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