人狼物語 三日月国


132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】

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「ハー……ハー……」

ひとしきり暴れて、カフェは見るも無残な状態になってしまった。
暴れても暴れても気が収まらない。
ヒメノを見ない奴も偽善者もなんでもない顔をして難を逃れたやつらもヒメノに印をつけたやつもみんな嫌い。
足元に散らばるカトラリーに視線を落とした。
そしてすぐ視線をキッチンの方へ向けた。

カツカツとヒールを鳴らしてそちらへ向かうとキッチンを漁り、包丁を手にした。

「この、……印さえ……
 
この印さえなければ――!!!


自分の手の甲に勢いよく包丁を突き立てた。

「──〜!!!!!」

「うっ、う……痛い……いたいよ……」

その場に蹲り手を抑えた。

「どうして…ヒメノがこんな目にあわないといけないの……なんで……なんでぇ……」

静まり返るカフェに女の嗚咽だけが響いていた。


「…………」

休憩を、という提案と、外からの物音に。
清掃員は、何も言わず裁判場を後にした。

 ヒメノ

「………ヒメノさん。」

そうして、随分な様相となってしまったカフェを訪れて。
一人、嗚咽を漏らす少女の傍に歩み寄った。

「大丈夫ですよ。」

「まだ、死ぬと決まったわけじゃありません。
 ね、アイドルじゃないヒメノさんは、らしくないんでしょう。
 ヒメノさんが、ヒメノさんであり続ける為に。
 素敵なアイドルで居る為に……」

「ファンの為にも、頑張らないと、でしょう?」

 カミクズ
「ひっく………っ、……」

ぐしゃぐしゃに泣きはらした目で自分と同じように体のどこかに×がついているであろう相手の顔を見上げる。

「キミは……随分落ち着いてるね……。
 そりゃそうだよね、別に生きるのに執着してないもんね、キミは……」

鼻をすすりながら少しむくれた様子だ。
希望通りに×をつけられた人と自分は違う。

 ヒメノ

「あはは…
 そうですね、自分はそう望んだわけですから…」

生きる事に執着していないのは、事実だ。
少し困ったように笑ってハンカチを差し出した。
一般的に、アイドルに涙は似合わない、とされるだろうから。
今はただの緋苺 姫乃でありたいなら、それでもいいのだけど。

「でも、ヒメノさんや他の方が生きる事は。
 直接的には助けられなくなったかもしれないけど、でも。
 自分は、まだ応援しているつもりですよ。」

自分のこれはきっと諦めではないのだと、そうは思うけれど。
それでもきっと本当は、落ち着いてなんかいない方がいい。
必死に、切実に、死にたくないと叫んだ方が、ずっといい。
誰にだって、生きていたいと、そう言って欲しいと思う。

「まだ、絶対に助からないと決まったわけじゃないんです。
 素敵なアイドルで居る為に。
 その為にずっと、ここまで頑張ってきたんでしょう。
 自暴自棄になるには、きっとまだ早いですよ。」

 カミクズ

「………」

すねた様子で睨みつけた後、差し出されたハンカチを受け取った。

「ほんとに応援してるならキミが死んじゃってよ」

メイクの崩れを気にして目元をぬぐいつつも駄々をこねた子供のように理不尽に相手をなじった。

「偽善者なんて嫌い……」

 ヒメノ

「死にますよ。」

不貞腐れた子どものような様子に一度、苦笑して。
それから、あなたの言葉に肯定を返した。
静かで、穏やかで、でも、断定的な声色だった。

「誰に望まれずとも。
 選ばれた時点で、ここで死ぬつもりでした。」

「でも、それがきみの為だとは確約できないです。
 何より自己犠牲なんて身勝手の極致です。
 誰かの為に、なんて言って自殺するのもまた偽善でしょう。
 …それに、自分の命で誰かの命を担保するのは
 双方命が軽くなるからやめろ、とも言われてしまいましたし」

そう言って、清掃員はもう少しだけ苦笑を深めた。
つまりは万が一の時、あなたの身代わりになる事はできなくて。
でも。

「それでも、諦めるにはまだ早くて。
 もしかしたら…これは本当に極端で、楽観的な例ですけど。
 この合議場から選ばれる臓器提供者が、
 自分一人で足りる可能性も、無くはないわけですから」

結果的には、きみの為になるのかもしれません。
そんな屁理屈を言って抜け道を作る、ずるい大人だ。

ツルギは、プロフィールを更新した。
(a30) 2022/02/27(Sun) 16:14:31

 カミクズ

「命が軽くなる……?ハハっ☆彡なにそれw
 命に軽いも重いもないでしょw
 生きてるか死んでるか……それだけだよ♪」

ゆらりと立ち上がる。

「キミがここで誰かのために自己犠牲で死ぬのが偽善なら、何が善なの?
 命が軽くなるなんて詭弁だよ……誰なの?そんなくだらないこと言った人♡
 キミが死んでくれてヒメノが生きられる可能性があがるならそれは善でしかないでしょ?」

ため息をついた。

「そんなこと言ってる奴に限って何もしないし何もできないんだよ……
 ただ自分がかかわった人が死ぬのが見たくないだけなんでしょ?」

手に持っていた包丁を貴方に差し出す。

「誰のためとかヒメノにはどうでもいいの
 どうせ死ぬなら今死んでよ」

いつもの作り笑顔も何もない、無表情で貴方を見つめる。

 ヒメノ

「嫌ですよ。」


たった一言の、それでも十分すぎる拒絶だった。
差し出された包丁が受け取られる事は無い。

「死んで欲しいなら殺してください。
 生きたいなら蹴落としてください。
 だって、そうじゃないと。
 何もしないのはきみも同じじゃないですか。」

ただ前に立って、その無表情を見下ろして、淡々と問う。

「自分が手を汚したくないから、何もしない。
 自分が助かろうとする為の努力すらしない。
 自分の為に労力を掛ける事すらしなくなった。
 そうなりますよね。違いますか?」

そんな人を助けたいと思う人が居ますか?

 カミクズ

「……そっか、確かにそうかも……ヒメノが間違ってた」

しょんぼりとして差し出した包丁をひっこめた。

「そうだよね……ヒメノも、その人たちと一緒だったのかも……
 生き残りたいなら……」

「──ちゃんと努力、しないとね」


包丁を握り直し、貴方の首筋めがけて迷いなく包丁を振り下ろした。

 ヒメノ

「────、」

振り翳された包丁の、鈍く光る切っ先は。
想定内だった。

咄嗟に身体を捻った事で切っ先は首筋を逸れ、肩口を捉えた。

「ッああクソ、残念ですが…」

衝撃を感じて、じわりと熱を持って、それから痛みが走る。
噛み締めた歯の間から呻くように悪態を吐いて、

「人を殺すのって──大変なんです、よ!」


──いくらVR内での補正があっても、体格的な有利は覆らない。
その凶器は成人男性を殺すには少々不足だった。それだけの事。

負傷を免れた側の腕で少女の細い手首を掴み、
捻り、手から刃物を引き剥がし、再び手の届かない所へ。
そのままあなたを突き飛ばして、もう振り返らない。

 ヒメノ

「…ハ、次はもっと上手くやるんだな」

低く呟いて、その場を後にした。
点々と血の痕を残しながら。

ぽたりぽたり、血の痕を残しながら寮へ。

後で掃除が必要だな、と思った。

 カミクズ

「っ……!!」

人を襲ったことなんてもちろんない女の手は簡単にひねり上げられた。

「っ――ぁっ!!」

痛みに凶器を落とし、突き飛ばされてしまえば転がったテーブルに体を打ち付けて床へ伏す。
男が去っていく背中を睨みつけながら見送った。


───……

どれほどその場に伏していたのか、
痛みにようやく慣れてきたころ、ゆっくりと体を起こした。

「……アイツ、死んでもいいって言ってたくせに……っ
 むかつく……」

ピンクのリボンに飾られた親指の爪をギリギリと噛む。
すぐに追いかけて殺してやりたいが、また正面から切りかかっても同じようにいなされてしまうだけだろう。

ツルギは、自分の為にしか動けない。
(a36) 2022/02/28(Mon) 0:03:02

ツルギは、それでも求められるなら、いきたい。
(a37) 2022/02/28(Mon) 0:03:16


「はあ………」

多分、深夜から早朝にかけての事。

清掃員は一人、寮の入り口から医務室までの道を掃除していた。
つまり、点々と残された血の痕を。
簡単に処置をして着替えてこそいるけれど、
負傷した左側の腕はだらんと脱力したまま。

「虚無だ………」


物凄くやりづらそうだし、物凄く憂鬱そう。
実際憂鬱で仕方ない。自分で汚した場所の後始末なんて虚無だ。
モップがけをしながらひたすらに虚無をプレイしている……

ただ、大切にしたいんです。

─────────。


『これって、カミクズ君見えてるのかな。』
『まぁ、見えてなくてもいいんだけど。』
『ツルギ君に投票して、ユスくんにバツを付けるつもり。』
『二人とも、仲が良さそうだから。』

『人って、人生で本当に理解できる人、一人いればいい方だと思うんだよね。』
『だから、あの人たちはもう俺の事、理解できないと思う。』
『っていうのと。』

『二人とも、楽しそうだから。』
『でも人間って、変わっていくものだから。』
『これから先、二人が楽しくなくなっちゃうかもしれないから。』
『だったら、楽しい今のまま終わらせてあげた方が良いよね。』

死は時を止める。
最も幸せな時に死ねるなら、それは幸福なことだ。
青年は、そうしてあげたい。

『うん、よかった。』
『肯定してもらえると嬉しいね。』

『せめて死ぬまでの間に、良い事を沢山しなきゃね。』

『頑張らないと。』

いい子の方が、理解されるだろうから。
ぽい、と端末を寝ていたベッドに転がした。

そう思っていたい。

 エノ

カフェから出てふらふらと彷徨い歩く。
見慣れぬ建物に人影を発見してそちらへ向かっていく。

「………」

薬局の中で一人、此方に背を向けている男へ気配を殺し近づいていくと問答無用で切りかかった。

ツルギは、別れを告げた。
(a51) 2022/02/28(Mon) 17:16:22

 エノ
「あは……
あはははは!!!

 最初からこうしたらよかったんだ☆彡」

貴方の背に突き刺さった包丁を、よいしょ♪と可愛い掛け声とともに引き抜く。

「わ!も〜!!これお気にのパンプスだったのにぃ〜><」

抜いた傷口からあふれる血を踏んでしまい、露骨に嫌な顔をしながら、貴方の服でつま先をぬぐう。

「あ〜ごめんね♡ キミとは話したことなかったけど〜ヒメノが生き残るためにはこうするしかないみたいなの☆彡
 だからごめんね〜〜死んじゃって?♡」

10分遅刻ぐらいのテンションで謝った。

その背を見送った。

 エノ
「なんでって……変な事きくね☆彡
 死にたくないからに決まってるじゃない♪
 キミは@で臓器提供オッケーなんだから、別に死んだっていいんでしょ?」

プルプルの唇に人差し指をあてて、小首をかしげた。

「ヒメノはBなのに、印付けられちゃたんだよ?こんなのおかし――
……!!!

ツルギは、火薬の爆ぜる音を聞いた。
(a57) 2022/02/28(Mon) 19:16:52

ツルギは、そろそろ帯刀した方が良さそうだな、とだけ思った。
(a58) 2022/02/28(Mon) 19:17:10

仕事が増えたかも、とぼんやり思った。

でも、人から頼まれるなら、嫌じゃない。

だから、そう思っていたい。

そう思っていたいから、一歩、踏み出す事を選んだ。

>>薬局

「はぁ……、はぁ……、……」

もう力が入らないのか、ぐったりとした様子で視線だけを入口へ向けた。

「キミ……は……」

約束という名の取引をした"可愛い子"
印がついた時点であんな口約束に意味はなくなってしまったけれど。

>>薬局

「…………」

あくまで"日常"を貫こうとする彼に内心呆れるも、惨めで汚い自分をみて罵られることも覚悟していたため少しほっとした様子だ。

けれど、立てるかと伸ばされた手を取ることはできなかった。
銃弾を受けた胸と切り付けられた脚からの出血が止まらない。

(寒い……)

荒かった呼吸はだんだん薄くなっている。

やりたかった事を思い出した。

ある時からずっと、そうしたいと思っていました。

>>薬局
「変、なの……他の人、が死んだら…キミは……生き残れる可能性…上がるのに……バカ…だね…」

だらりと力無い身体が毛布へ寝かされて、朦朧としながら彼を見る

「私…、生きた…かった………生きたかったの……」


振り絞るようなか細い声で紡がれるのは願いか言い訳か。

銃弾の傷は素人の応急処置で何とかなる代物ではない

【人】 剣道 ツルギ

>>21 カイ

池を見ながら夜明けを迎えた青年は、柔らかい椅子に座りたかったのでカフェを訪れた。
以前は入りにくかったカフェも、一度入った経験のお陰で入りやすくなった。

「うわ。」

床にある血痕と君を見比べて、君の物じゃないことを確認。
そして自分が帯刀していることを思い出して、慌てて両手を上げた。

「あ、俺じゃないから。これ護身用だし。

 ………でも、あんまり出歩かない方がいいのは確かだな。寮まで送ろうか。」
(22) 2022/03/01(Tue) 12:24:29

【人】 剣道 ツルギ

>>23 カイ

「ずっと地面に座ってたから、柔らかい場所に座りたかっただけ。
 用があったわけじゃないけど…たった今ここのログを見るっていう用事ができた。」

椅子に腰を下ろして、目を閉じて。
瞼の裏に二人の姿を映しながら尋ねる。

「気になるんなら一緒に見る?」

君が留まっても立ち去っても、青年は少女が清掃員に斬りかかる記録を眺めているだろう。
(25) 2022/03/01(Tue) 16:18:55
>>薬局

皆、ずるいよ。
本当は皆死にたくないくせに。
偽善的な綺麗事言って決断は人任せで。
何で一番に死にたくないヒメノが一番に死ななきゃいけないの?

「……死にたく、ない……」


手を伸ばした。
助けてほしくて苦しくて。

「——…」


声にならない言葉を零し、その手はやがて地面へと落ちる

普通にも特別にもなれなかった愚かな女の鼓動は途絶えた。

【人】 剣道 ツルギ

>>33 >>34 カイ

してどうなるんだ。
…そんな正直な感想と、もう一つ違う感想を君の呟きに持った。

「…ヒメノは望まないだろ。………多分。」

彼女は常にアイドルとしていようとしていたから。
きっとこの、ただ生きたくて抗う自分ヒメノ≠ヘ見られたくないんじゃないか。
本当の気持ちなんてわからないから、ただの予想。

そして、君が立ち去るのを黙って見送った。
(43) 2022/03/01(Tue) 20:39:00

【人】 剣道 ツルギ

>>43

一人きりになった店内で、青年はもう少し続きを見た。
恥も外聞もなく生を求めて、悔しそうに爪を噛む少女。その姿を見て思うことは。


「………また会えるかな。」


今の君となら、たくさん話せるだろうなあ。
もし生きてまた会えたら、話したいことも聞きたいこともたくさんある。
まあ、機会があればって感じ。
その程度だけど、その程度には思えるようになったんだ。たった今、ね。
(44) 2022/03/01(Tue) 20:40:10
 




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