【人】 1年生 工藤美郷[松本先輩の問いかけには、「何をですか?」と返したかもしれない。それが例の少女のことだと知れば] はい。天使さまを見ました。 [混乱することなく話す松本先輩と、淡々と話す工藤。 二人の声が、観客の消えた美術館に、やけに大きく反響する。] はい。誰かが死んじゃったと、信じています。 [工藤は、嘘を疑えるほど情緒が豊かではないから。 信じたうえで、いつも通り過ごす。 じっと松本を見上げていた工藤は、何の脈絡も無く松本の首に、二本の指を当てた。] ……松本先輩は、死んじゃっているのでしょうか。 [もしも振り払われなれば、指先からは命の鼓動と、ぬるい体温が伝わってきていたのだけれど。]* (33) 2022/09/04(Sun) 1:03:47 |
【人】 1年生 工藤美郷[大きな声>>56にビク、と驚いて、松本先輩の首から手を離した。] 朝霞さん。 [うずくまっているのを見て、松本先輩についていくように、彼女の元へと向かった。] 過換気症候群ですね。朝霞さんは過剰な呼吸で血液中の二酸化炭素を失って、アルカローシスを起こしています。血管の収縮、血液中のカルシウム濃度の低下、手足のしびれ、吐き気。苦しいでしょうが、過換気症候群で死ぬことはありません。 袋を使うと窒息する危険があります。とにかく口から息を吐いてください。治ります。 [それだけ言うと、自分の役目は終わったと言うように、ブーブーと鳴り続けるスマホを取り出した。 症状を納める方法は知っていても、そのために朝霞に寄り添う技術は、工藤には無い。] 津崎先輩が、レストランに集合をかけています>>36。私はレストランに行きます。 [それだけ言って、二人を置いてその場を後にした。]* (96) 2022/09/04(Sun) 9:21:47 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a28) 2022/09/04(Sun) 9:24:36 |
【人】 1年生 工藤美郷──レストラン到着── [工藤が奇跡的に研究室のグループLINEに入っていたのは、きっと親切なお節介焼きがいたのだろう。 工藤は、音の鳴らないヒールでふらふらと歩く。 客がいなくなった分、人の声も聞きやすい。 突如として広い美術館に響き渡った声>>46も、香坂さんのものだともはっきりとわかる 。 途中、小泉先輩と香坂さんが話しているところに出くわしただろうか。そうだとしても、工藤からは話しかけることなく、呼びかけられなければ振り向きもせずに通り過ぎた。 やがて、客が絶えた美術館の中で、唯一にぎやかなレストランへと到着する。] …………。 [集まった先輩方に、工藤が自分から話しかけることは無く。 ただ、入り口の近く、先輩の輪から少し離れたところに立ち止まったまま、置物のように観察していた。]* (103) 2022/09/04(Sun) 9:49:27 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a29) 2022/09/04(Sun) 9:54:02 |
【人】 1年生 工藤美郷──レストランで武藤先輩と会話>>110── 入り口のポールに脛をぶつけました。 課題をこなしていたら、近くに湿布が落ちていたので、拾って付けました。 [松本先輩の親切心の、その湿布は具現化したものだった。 もっとも、工藤はその様子を見てはいなかったから気づけないが。 だっと走ってきてぺらぺらとまくし立てる武藤先輩に、淡々と答えていく。 彼は冗談が多く、工藤はその大概を誤って受け取ったが、この時は言ってる意味を理解できた。] 今泉さんと渡葉田先輩がいないのですか。 朝霞さんは過換気症候群を起こしていました。松本先輩が介抱しています。落ち着いたらこちらに来るそうです。 途中、香坂さんと小泉先輩を見ました。 [と、見てきたものをそのまま伝えた。] (120) 2022/09/04(Sun) 10:49:55 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a37) 2022/09/04(Sun) 10:53:04 |
【人】 1年生 工藤美郷──回想・平和な集合写真時代>>540── [満面の笑みを向けられても、その表情に工藤が共鳴することはなく。 ただ、言葉にされる組織図を生真面目に脳内に刻んでいく。 だから、後ほどレストランで「作戦は徹っちん>>94」と聞いた時も、「なるほどナンバー3の津崎先輩が参謀役なのだな」と考えた。] はい。武藤先輩の杞憂です。バスは乗ると気分が悪くなるものです。 私は「武藤先輩がうるさかったから気分が悪くなった」とは言っていません。 ただ、「武藤先輩はうるさかった」と答えただけです。 [若干しつこめにうるさかったことを繰り返しながら、どうやら謝罪は撤回されたようだと理解した。]* (126) 2022/09/04(Sun) 11:33:04 |
【人】 1年生 工藤美郷はい。課題は学生の本分です。 [>>125珍しく言い淀んだ武藤先輩に、工藤は淡々と繰り返す。] はい。私は美術館の一部を担当します。 題材は特別展のところにある絵です。林檎の顔の絵。 [美術館のごく一部(林檎の絵オンリー)を担当すると認識した。 やたらと注文の多いパン屋さん>>129も、分担について話している。 大人数が同時に話すようになると、工藤は黙り込んだ。 やがて、朝霞さんが一人でやってくる。松本先輩とは途中で別れたらしい。 お手洗いに行くと言われて、朝霞さんが離れるのを迷う理由が、工藤には理解できない。おそらく、それがあまりに長いと感じることも無い。 松本先輩が命を絶ってしまってから初めて、トイレにいたはずでは? と混乱するのだろう。] (141) 2022/09/04(Sun) 12:31:43 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a48) 2022/09/04(Sun) 12:33:51 |
【人】 1年生 工藤美郷──黒崎先輩と・謙遜できない後輩>>146── [彼女の性別について、工藤は特に言及したことも関心を持ったことも無かった。 黒崎先輩は黒崎先輩であり、男性だろうと、何かのきっかけで男性的な女性だと知ろうと、そういったことには一切の関心を示さなかった。 その彼女から声をかけられれば、] はい。持ってきていました。私は用意が良いです。 水も持っています。 [工藤には誰かと一緒に食事をとるという習慣が無い。 図らずも、それが研究室で初めて、学友と共に食卓を囲む、初めての機会となったか。 もっとも、今の工藤はただ勝手に席に座っているだけであり、誰かに休憩を促すことも、準備を手伝うことも思いつかないが。 黒崎先輩が差し出した水>>146は、偶然にも工藤が常備している水と同じ商品だった。 その時は使わなかったが、今持っている分を飲み干したら、もらうことになるだろう。]* (176) 2022/09/04(Sun) 15:02:04 |
【人】 1年生 工藤美郷──武藤先輩とおしゃべり>>156── ……今みたいになる前、松本先輩が居ました。 [武藤先輩には、見ていないものを感じ取る能力があるらしい。 その場にいた工藤よりも、状況の把握をしてみせる武藤に が、正論を否定しないでくれる優しさにも、「遊びは教育課程外の時間でやるべきものです」と、ぴしゃり。 その後、席に着いた後も武藤先輩に声をかけられた。 「クッキーは動けないのでクッキーにクッキーは用意できません」と言う前に、ジョークの意味を説明されて] ………………。 [しばらく机の上のクッキーを見つめた。 それから、黒崎先輩を見つめた。] ……くっきーが用意したクッキー。 くっきーとクッキーは同じ音で成り立っていますね。 [淡々と言った。 音が同じことに気を取られていたから、「それは食べません」と答えるのも忘れていた。]* (181) 2022/09/04(Sun) 15:21:37 |
【人】 1年生 工藤美郷──移動・なんかみんな怒ってる── [黙々とカロリーバーを食べていたら、松本先輩と津崎先輩が戻ってきた。 それぞれの会話が始まり、なにやら険悪な空気になっているが、工藤はそれに気づくのに遅れた。 ただ、何人もの口から、伝播するように「怒っている」というキーワードが出てくるのを、耳に拾って、食べかけのカロリーバーを机に置いた。 工藤には分からない。その怒りの後ろに隠れている、「心配」という真の心が。 だから、松本先輩たちが戻ってきた。そして彼ら二人にみんなが怒っている。そのように場のことを認識した。 やがて、武藤先輩が上げた怒鳴り声>>212に、ビク、と体を硬直させた。] ………………。 [だが工藤は、己の中で渦巻く混乱を、怯えを表現する表情を持たない。 だから、無表情のまま立ち上がると、まるで自分には全く関係ないというような顔で、入ってきた扉に向かう。 もしも誰かに話しかけられれば、「課題を進めます」とだけ答えて、食堂を後にしただろう。]* (216) 2022/09/04(Sun) 18:35:40 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a68) 2022/09/04(Sun) 18:37:48 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a70) 2022/09/04(Sun) 18:41:52 |
【人】 1年生 工藤美郷──移動後・絵の異変── [レストランから出た後、工藤は誰かと合流しただろうか。 合流していればその人と、誰とも会わなければ一人で、元来た道を戻った。 そうして元居た特別展の場>>0:177に戻ると、林檎の頭部の絵が変わっていた。 1枚から10枚へと。 そして、林檎が来ている服は、同じ研究室の面子と同じ。 顔が見えなくとも、誰を描いているのかは明白だ。] ………………。 [それぞれにスポットライトが当てられている。 工藤が無表情のまま、一歩、足を出した途端。聞き覚えのある音>>n0がして、パッとすべての照明が落ちた。窓の無いその空間は、一瞬の暗闇のうち、すぐに光度を取り戻す。 再びライトに照らされた絵は、様相が変わっていた。] (252) 2022/09/04(Sun) 21:00:46 |
【人】 1年生 工藤美郷[全ての林檎が、砕けていた。 弾けた果汁は赤黒く、白くぶよぶよとした果肉が巻き散らかされ、薄ピンク色の果汁を纏っていた。 工藤がじっと絵を見ている間に、壁の上部に一本、また一本と線が引かれていき、やがてそれは文字を象った。] WHOSE APPLE WAS CRUSHED? (“誰の林檎が砕けたの?”) [ぽた、ぽた、と、静かな展示室に音が反響する。 それは、文字と絵から糸を引いて垂れた、赤色が滴る音。 むせかえるような生臭い香りが、窓のない展示室にこもっていく。] ……………………。 [工藤は青い顔で、しかし無表情のまま、筆記具を取り出した。 滴る水音と、しゅ、しゅ、とペンの走る音だけが、その空間に広がっていく。]* (253) 2022/09/04(Sun) 21:03:04 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a75) 2022/09/04(Sun) 21:05:25 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a76) 2022/09/04(Sun) 21:07:28 |
【人】 1年生 工藤美郷[工藤には、何故武藤先輩が突然笑ったのかは理解できなかったが。] 同じ音を使うのがジョークの正しいルール。 ジョークにも正しい秩序があるのならば、私にも理解ができるかもしれません。 [いつも、工藤には認識できない秩序に基づいて、人々は共鳴し合い、親睦を深めていく。 その見えないルールの一環を、武藤先輩から教わった気がした。 しかし「寒い駄洒落」という罠があることを、工藤はまだ知らない。]** (264) 2022/09/04(Sun) 21:37:15 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a84) 2022/09/04(Sun) 22:08:38 |
【人】 1年生 工藤美郷──回想・レストランに香坂さんが来た>>1:277── [小泉先輩に少し遅れて、香坂さんが入ってきただろうか。>>1:277 もそもそとカロリーバーを食べているときに、もしも香坂さんが軽食が置かれた机の近くにいたならば、] みんな役割分担をしています。 [小泉先輩>>233と一緒に来たなら、そのあたりの事情は香坂さんも見ているはずだが、今、相手に何の情報が必要なのか想像できない工藤は、見て分かることを繰り返した。 どの班が人数不足、という、本当に必要な情報を工藤が答えられるかは怪しい。] 黒崎先輩がクッキーとか置いておくからつまんでてくださいと言いました。>>136 武藤先輩はくっきーの用意したクッキーなどを食べると良いと言いました。>>156 くっきーとクッキーをかけたジョークだそうです。 [クッキーではなくカロリーバーを咀嚼しながら、いらんことも付け加えた。]** (299) 2022/09/05(Mon) 7:00:25 |
1年生 工藤美郷は、メモを貼った。 (a98) 2022/09/05(Mon) 7:04:08 |
【人】 1年生 工藤美郷──現在・絵の前── [無言でスケッチを続けていた工藤は、紙面から視線を上げて、ふと手を止めた。 自分のスケッチを、壁面の絵にかざす。] ……………… [壁に飾られた絵。そのなかの、スーツを着た女──明らかに工藤と思われる女は、工藤のスケッチよりも幾ばくか大きい。 ちょうど、絵の中で数歩、こちらに歩み寄ったかのように。] ……………………。 [工藤はかざしていたスケッチを下ろし、視線も壁面からそらすと、自分のスケッチを撫でた。 遠近距離を描き間違えるはずがない。工藤はコミュニケーション能力が乏しい代わりに、見たものを記憶し描きだす能力は並外れて高かった。] (392) 2022/09/05(Mon) 20:28:23 |
【人】 1年生 工藤美郷[再び視線を上げる。 絵のなかの工藤は、さらにこちらに近づいていた。並んでいる他の人物の絵と比べても、明らかに近い。 だが、それよりも顕著な違いがあった。 手が、こちらに伸ばされている。それは明らかに、絵の中から額縁を掴んでいて、傷一つない足もまた、縁にかけられていた。 額縁を乗り越えようとしている。] …………………………。 [工藤は無言のまま、壁の絵に近づいた。 一歩、二歩。手を伸ばせば、絵に触れられる距離まで。]* (393) 2022/09/05(Mon) 20:28:46 |
【人】 ??? 工藤美郷──移動・レストランへ── [レストランのドアを開けると、あたりをきょろきょろと見渡した。 既に松本先輩と小泉先輩は戻っていた頃か。 松本先輩と朝霞さんの姿は見えないが、奥の厨房のあたりから声が聞こえてくる。 その時レストランにいたのは、渡葉田先輩、香坂さん、小泉先輩だろうか。 渡葉田先輩から少し離れたところに座っている小泉先輩>>385に近づくと、] 戻りました。……小泉先輩も戻っていたんですね。 何か変わったことはありましたか? [LINEを見ていたから、ベッドや毛布のことはすでに知っていたが、他には何かなかっただろうかと話しかけた。]* (394) 2022/09/05(Mon) 20:33:10 |
【人】 1年生 工藤美郷──その頃・特別展── [工藤の絵は、再び元の位置に戻り、沈黙を保っている。 きっちりとそろえた膝の下に、修正のように、白い湿布が貼られていた。]** (396) 2022/09/05(Mon) 20:36:08 |
??? 工藤美郷は、メモを貼った。 (a121) 2022/09/05(Mon) 20:39:11 |
??? 工藤美郷は、メモを貼った。 (a122) 2022/09/05(Mon) 20:41:45 |
??? 工藤美郷は、メモを貼った。 (a126) 2022/09/05(Mon) 21:14:31 |
【人】 ??? 工藤美郷[それから、ふ、と諦めたように息を吐いた。] まぁ、仕方がないですね。今までの私、酷かったから。 [机の上で組んだ手に目を落とす。] ずっと、寂しかったんです。仲良くしたいのに、皆さんの言葉の意味も、どうやって心を伝えたらいいのかも分からなくて。だけど、分からないことばっかりなのに、嫌われたんだなってことだけは伝わってきちゃうんですよ。 そしたらさっき、天使さまが降りてきて。最後かもしれないから、私にも皆さんと同じように世界を見せてくれる、同じように感情を表現できるようにしてくれるって。 やっと、小泉先輩みたいに、人を傷つけない魔法が使えるようになったんです。やっと、仲良くできるかなって、思ったんです。 だけど、今からじゃ、遅いですか……? [ぎゅ、と握りしめた手には力が入り、指先が白くなっていた。]* (417) 2022/09/05(Mon) 22:02:45 |
【人】 ??? 工藤美郷……もう、今更遅いですよ。 私、こんな風になっちゃった。 やっと、上手に話せるようになったんだけどなァ…… [小さなため息をついて、笑う。 悲しみを上手に誤魔化すための、笑顔。 おそらく、工藤が生涯浮かべることのない表情を。] 皆さんみたいに“普通”になれたら、寂しくないと思っていたのに。 上手くいかないものですね。 [どうして一緒にバイトをしていた時に、指摘してくれなかったんですか。 私の中の望ましくない行いを、言葉で示してもらわなければ、小泉先輩を怒らせても分からないんです。 良かれと思った言葉で傷つけてしまうことなんか、私だって嫌なんです。 もしあの子がここにいて、そう、上手に言葉にできたなら。そうやって、今の小泉先輩とぶつかることができたのなら。 だけど今、小泉先輩と向き合っているのは、器用な噓つきの私‘。 だから、折角向き合おうとしてくれた先輩のことも、裏切れる。誤魔化せる。] (439) 2022/09/05(Mon) 23:38:59 |
【人】 ??? 工藤美郷残念です。小泉先輩と仲良くなれなくて。 [それから、様子をうかがっていた朝霞さんに手を振って合図した。] 朝霞さん。ごめんなさい、気を使わせちゃって。 香坂さんとみこ先輩も。一緒に座りません? [「振られちゃいました」なんておどけながら。 そうこうしているうちに、外を探索していたメンバーも戻ってきただろうか。]* (440) 2022/09/05(Mon) 23:39:35 |
(a140) 2022/09/05(Mon) 23:44:12 |
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