手にした指輪は、どうやらやはり呪いのアイテムだったらしい。
「そうか、やはり呪いのアイテム…なら捨てたほうがいいか。
片方が魔に侵されるというのは…
それなら捨てるにはちょっと…
え?欲しいの? あ、ああ、構わない。
使い道があるかもしれないしな。」
ほしいと言うなら、かわいい弟に渡さない道はない。
使うというのが妙な気はしたけれど。
それよりも、質問の続きを促されてはっとした。
「あ、ああ。質問か。そう、そうだったな…」
聞きたいことはある。ただ考えるのは、本当に聞いても構わないことなのか。ということ。
実を言えば、多少の疑念はさすがに湧いていた。
聞きたいことはある。けれど、それは本質的なことなのか。本質的なことなら、聞いてもいいことなのか。聞いたら…
「その、ええと…お前、私といつからあの部屋で暮らしてたっけ…
あ、いや。別にいいんだ。
それより、…そう。どうする?このまま先に進むのか?
いや、こんな状況だし、一度戻った方がいいかもとかな…」
だから、尋ねたのはもう少し当たり障りのないことになってしまっていた。誤魔化そうとすればいくらでもできるような**